JP2022182344A - 寝具乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】寝具の浮き上がりを抑制する構成に関して使い勝手の向上を図れる寝具乾燥装置を提供する。【解決手段】寝具乾燥装置1は、温風が供給される乾燥室2Bを有する装置本体2と、乾燥室2Bに対して引き出し可能に収納されてセット部22及び押付部材31を有する台車3と、連動機構40とを含む。セット部22には、温風の通り道となる内部空間22Bと、内部空間22Bに連通した通気穴22Aを有して寝具Pに接触する表面部22Cとが設けられる。押付部材31は、セット部22上の寝具Pを表面部22Cに押し付ける押付位置と、押付位置よりも表面部22Cから離れる解除位置との間で移動可能である。連動機構40は、乾燥室2Bからの台車3の引き出しに連動して押付部材31を解除位置へ移動させ、乾燥室2Bへの台車3の収納に連動して押付部材31を押付位置へ移動させる。【選択図】図1

Description

この発明は、布団などの寝具を乾燥させる寝具乾燥装置に関する。
下記特許文献1に記載の寝具類乾燥機は、内部に乾燥室が形成された筐体と、乾燥室に対して引き出し可能に収納されて寝具が山折り状態で載置される載置部材とを含む。筐体の上部には、ヒータ及びファンが設けられる。載置部材は、通気性を有する材料によって構成される。寝具類乾燥機の乾燥運転がスタートすると、ヒータ及びファンが作動する。これにより、外気が、ヒータの後方の外気吸込口から取り入れられた後に、加熱されて温風となり、乾燥室に流入する。温風は、乾燥室内で載置部材に載置された寝具の内部を通過して載置部材の内部空間に流入した後に、乾燥室の側壁下部の吸引口から排気ダクトに至り、機外に排出される。温風が寝具の内部を通過することによって、寝具の乾燥が促進される。
下記特許文献2に記載の乾燥機は、特許文献1に記載の寝具類乾燥機と類似した基本構成を含むのに加えて、載置部材に載置された寝具の前端部の浮き上がりを抑制する抑制部をさらに含む。抑制部は、載置部材の前面に設けられた基部と、基部から後側へ突出する突出部とを有する。寝具の前端部が載置部材と突出部との間に挟まれることによって、寝具の前端部の浮き上がりを抑制される。
特開2000-157795号公報 特開2021-45260号公報
特許文献2に記載の乾燥機では、抑制部により、温風が寝具の内部を通過せずに寝具の前端部と載置部材との隙間に逃げてしまうことが抑制されるので、寝具の乾燥効率の向上が図れる。しかし、使用者は、乾燥室に対する載置部材の出し入れや載置部材に対する寝具の着脱の作業に加えて、乾燥運転の開始前に寝具の前端部を載置部材と突出部との間に挟んだり、乾燥運転の終了後に寝具の前端部を載置部材と突出部との間から外したりする必要があるので、使い勝手が悪い。
この発明は、かかる背景のもとにおいてなされたものであり、寝具の浮き上がりを抑制する構成に関して使い勝手の向上を図れる寝具乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明は、乾燥室と、前記乾燥室に温風を供給する供給部と、を有する装置本体と、前記乾燥室に対して引き出し可能に収納される台車と、を含む寝具乾燥装置であって、前記台車が、寝具が山折り状態で載せられるセット部であって、前記供給部から供給される温風の通り道となる中空部分と、前記中空部分に連通した通気穴を有して寝具に接触する表面部と、が設けられたセット部と、前記表面部に接近する押付位置と、前記押付位置よりも前記表面部から離れる解除位置との間で移動可能な押付部材であって、前記押付位置にあるときに前記セット部上の寝具を前記表面部に押し付ける押付部材と、を有し、前記寝具乾燥装置が、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに連動して前記押付部材を前記解除位置へ移動させ、前記乾燥室への前記台車の収納に連動して前記押付部材を前記押付位置へ移動させる連動機構をさらに含む、寝具乾燥装置である。
また、本発明は、前記押付部材が、前記セット部を挟んで一対設けられ、一対の前記押付部材が、前記押付位置への移動に応じて閉脚し、前記解除位置への移動に応じて開脚し、前記連動機構が、前記台車に設けられて一対の前記押付部材を前記押付位置へ向けて付勢する付勢部材を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記連動機構が、前記台車に設けられた進退部材であって、前記セット部から離れるように進出した進出位置と、前記進出位置から前記セット部側へ退避した退避位置との間で進退可能であり、前記進出位置まで進出するときに前記押付部材を前記押付位置まで移動させ、前記退避位置まで退避するときに前記押付部材を前記解除位置まで移動させる進退部材と、前記装置本体に固定されたガイド部材であって、前記乾燥室への前記台車の収納に応じて前記進退部材を前記進出位置までガイドし、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに応じて前記進退部材を前記退避位置までガイドするガイド部材と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記連動機構が、前記装置本体に固定されたガイド部材であって、前記乾燥室への前記台車の収納に応じて前記押付部材を前記押付位置までガイドし、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに応じて前記押付部材を前記解除位置までガイドするガイド部材を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記連動機構が、一対の前記押付部材間に架設されたワイヤと、前記装置本体に固定されて前記ワイヤに係合する係合部材であって、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに応じて前記ワイヤを引っ張ることによって一対の前記押付部材を開脚させ、前記乾燥室への前記台車の収納に応じて前記ワイヤの引っ張りを解除することによって一対の前記押付部材を閉脚させる係合部材と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記押付部材が、前記押付部材が前記押付位置にあるときに前記セット部上の寝具を前記表面部に押し付ける押付本体部と、前記押付本体部の上側に配置されて上側へ向かうにつれて前記表面部から離れるガイド部と、を有し、前記押付部材が前記解除位置にあるときに、前記ガイド部が、前記セット部に載せられる寝具を前記押付本体部と前記表面部との間にガイドすることを特徴とする。
本発明によれば、寝具乾燥装置では、寝具が山折り状態でセット部の表面部に載せられた台車が装置本体の乾燥室に収納された状態で、供給部が温風を供給すると、温風は、セット部の表面部の通気穴を介して乾燥室とセット部の中空部分とを流れ、その際に寝具の内部を通過する。これにより、寝具を乾燥させることができる。台車に設けられた押付部材が、セット部上の寝具をセット部の表面部に押し付けるので、反発力が強い寝具であっても、寝具がセット部から浮き上がることによって寝具とセット部の表面部との間に隙間が発生することを抑制できる。これにより、乾燥室とセット部の中空部分とを流れる温風を、この隙間に逃がすことなく、確実に寝具の内部を通過させることができるので、寝具乾燥装置では、寝具の乾燥効率の向上を図れる。
押付部材は、セット部上の寝具をセット部の表面部に押し付ける押付位置と、押付位置よりもセット部の表面部から離れる解除位置との間で移動可能である。押付部材が解除位置にあるときには、押付部材による寝具の押し付けが解除されるので、使用者は、寝具をセット部から取り外すことができるし、寝具を新たにセット部に載せたりすることもできる。寝具乾燥装置では、連動機構が、乾燥室からの台車の引き出しに連動して押付部材を解除位置へ移動させ、乾燥室への台車の収納に連動して押付部材を押付位置へ移動させる。そのため、使用者が寝具をセット部に載せて台車を乾燥室に収納すれば、押付部材が自動的に押付位置に移動してセット部上の寝具の浮き上がりを抑制する。そして、使用者が台車を乾燥室から引き出せば、押付部材が自動的に解除位置に移動するので、使用者は、他の手間を掛けることなく寝具をセット部から容易に取り外せる。以上の結果、寝具の浮き上がりを抑制する構成に関して使い勝手の向上を図れる。
また、本発明によれば、セット部を挟んで一対設けられた押付部材は、押付位置への移動に応じて閉脚することによって、セット部上の寝具を挟んでセット部の表面部に押し付ける。一対の押付部材は、解除位置への移動に応じて開脚することによって、セット部上の寝具から離れて押し付けを解除する。台車に設けられた付勢部材が、一対の押付部材を押付位置へ向けて付勢するので、これらの押付部材は、セット部上の寝具を確実にセット部の表面部に押し付けることができる。
また、本発明によれば、一つの例に係る連動機構は、台車に設けられた進退部材と、装置本体に固定されたガイド部材とを有してもよい。乾燥室への台車の収納に応じてガイド部材が進退部材を進出位置までガイドすることにより、進退部材が押付部材を押付位置まで移動させる。乾燥室からの台車の引き出しに応じてガイド部材が進退部材を退避位置までガイドすることにより、進退部材が押付部材を解除位置まで移動させる。
また、本発明によれば、別の例に係る連動機構は、装置本体に固定されたガイド部材を有してもよい。乾燥室への台車の収納に応じてガイド部材が押付部材を押付位置までガイドし、乾燥室からの台車の引き出しに応じてガイド部材が押付部材を解除位置までガイドする。
また、本発明によれば、さらに別の例に係る連動機構は、一対の押付部材間に架設されたワイヤと、装置本体に固定されてワイヤに係合する係合部材とを有してもよい。乾燥室からの台車の引き出しに応じて係合部材がワイヤを引っ張ることによって一対の押付部材を開脚させて解除位置まで移動させる。乾燥室への台車の収納に応じて係合部材がワイヤの引っ張りを解除することによって一対の押付部材を閉脚させて押付位置まで移動させる。
また、本発明によれば、押付部材は、実際に寝具を押し付ける押付本体部と、押付本体部の上側に配置されて上側へ向かうにつれてセット部の表面部から離れるガイド部とを有する。押付部材が解除位置にあるときに、ガイド部が、セット部に載せられる寝具を押付本体部と表面部との間にガイドするので、セット時の寝具が押付本体部と表面部との間からはみ出して押付部材に乗り上げることを防止して、寝具を容易にセットすることができる。
この発明の一実施形態に係る寝具乾燥装置の模式的な縦断面右側面図である。 寝具乾燥装置の模式的な縦断面正面図である。 台車が引き出された状態にある寝具乾燥装置の斜視図である。 台車の収納が完了した状態にある寝具乾燥装置の斜視図である。 第1例に係る台車の要部を左前側から見た斜視図である。 第1例に係る台車の要部を左後側から見た斜視図である。 第1例に係る台車の要部を左前側から見た斜視図である。 第1例に係る台車の要部を前上側から見た斜視図である。 第1例に係る寝具乾燥装置の要部の平面図である。 第1例に係る寝具乾燥装置の要部の平面図である。 第1例に係る寝具乾燥装置の要部の平面図である。 第2例に係る台車の斜視図である。 第2例に係る台車の要部を後側から見た斜視図である。 台車が引き出された状態にある第2例に係る寝具乾燥装置の要部を後下側から見た斜視図である。 台車が引き出された状態にある第2例に係る寝具乾燥装置の要部を前側から見た斜視図である。 第2例に係る寝具乾燥装置の要部の背面図である。 第2例に係る寝具乾燥装置の要部を後下側から見た斜視図である。 第2例に係る寝具乾燥装置の要部の背面図である。 第3例に係る台車の要部を下側から見た斜視図である。 第3例に係る台車の要部を下側から見た斜視図である。 変形例に係る押付部材を備えた台車が引き出された状態にある寝具乾燥装置の斜視図である。 変形例に係る押付部材を備えた台車が引き出された状態にある寝具乾燥装置の正面図である。 変形例に係る押付部材を備えた台車の収納が完了した状態にある寝具乾燥装置の斜視図である。 変形例に係る押付部材を備えた台車の収納が完了した状態にある寝具乾燥装置の正面図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る寝具乾燥装置1の模式的な縦断面右側面図である。図1において紙面に直交する方向を寝具乾燥装置1の左右方向Xといい、図1における左右方向を寝具乾燥装置1の前後方向Yといい、図1における上下方向を寝具乾燥装置1の上下方向Zという。左右方向Xのうち、図1の紙面の奥側を左側X1といい、図1の紙面の手前側を右側X2という。前後方向Yのうち、左側を前側Y1といい、右側を後側Y2という。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。
本実施形態の寝具乾燥装置1は、業務用であり、コインランドリなどに設置される。寝具乾燥装置1は、その筐体をなす装置本体2と、装置本体2内に配置されて布団やマットレスなどの寝具Pが載せられる台車3とを含む。なお、寝具Pには、毛布やカーペットなどが含まれてもよい。装置本体2は、左右方向Xに扁平で縦長のボックス状である。装置本体2は、左右一対の側壁4と、底壁5と、天壁6と、後壁7と、前壁8と、扉9とを有する。
左右一対の側壁4は、それぞれが縦に延びる板であって、平行に配置される。底壁5は、水平に延びる中空体であって、一対の側壁4の下端間に架設される。天壁6は、水平に延びる中空体であって、一対の側壁4の上端間に架設される。後壁7は、縦に延びる中空体であって、一対の側壁4の後端間に架設され、底壁5及び天壁6の後端間にも架設される。前壁8は、左右方向Xに長手で縦に延びる中空体であって、一対の側壁4の上端部の前端間に架設され、天壁6の前端に接続される。
装置本体2の正面部である前面部には、一対の側壁4の前端と底壁5の前端と前壁8の下端とによって縁取られた縦長の出入口2Aが形成される。扉9は、出入口2Aとほぼ同じ大きさを有する縦長の板であり、ヒンジ10(図3参照)を介して、一方の側壁4、例えば右側X2の側壁4に連結される。扉9は、出入口2Aを閉じた閉位置(図1及び図4参照)と、出入口2Aを開いた開位置(図3参照)との間で、ヒンジ10を中心として回動可能である。閉位置にある扉9の前面部には、扉9の開閉のために使用者によって把持される取っ手9A(図4参照)が設けられる。
装置本体2の内部には、一対の側壁4と、底壁5と、天壁6と、後壁7と、前壁8と、閉位置の扉9とによって囲まれた乾燥室2Bが設けられる。乾燥室2Bは、装置本体2の体積の大部分を占めるボックス状の空間である。扉9が開位置にある状態では、乾燥室2Bが出入口2Aから前側Y1へ露出される。乾燥室2Bが機外から視認できるように、扉9の少なくとも一部がガラスなどによって透明又は半透明に構成されてもよい。
装置本体2は、乾燥室2Bに温風を供給する供給部11を有する。供給部11に関連して、天壁6の後面部には、機外つまり装置本体2の外に臨む吸気口6Aが設けられ、天壁6の下面部には、乾燥室2Bに臨む入口6Bが設けられる。なお、吸気口6Aは、天壁6の上面部に設けられてもよい。そして、底壁5の上面部には、乾燥室2Bに臨む出口5Aが設けられ、天壁6の上面部には、機外に臨む排気口6Cが設けられる。
供給部11は、天壁6内において吸気口6Aから前側Y1へ延びた後に下側Z2へ折れ曲がって入口6Bにつながった吸気路12と、底壁5内において出口5Aから後側Y2へ延びてから後壁7内において上側Z1へ延びた後に天壁6内において前側Y1や上側Z1へ延びて排気口6Cにつながった排気路13とを含む。なお、図1では、排気路13の途中が吸気路12によって遮断されたように見えるが、実際には、排気路13は、途中で遮断されることなく、出口5Aから排気口6Cまで延びる。また、装置本体2の側壁4が中空体として構成されて、その内部空間が排気路13の一部を構成してもよい。
さらに、供給部11は、排気路13に配置されたファンなどの送風部14と、吸気路12に配置されたバーナなどの加熱部15とを含む。送風部14が作動すると、乾燥室2B、吸気路12及び排気路13が負圧状態になる。これにより、外気が、黒抜きの矢印で示すように、吸気口6Aから吸気路12に取り込まれて入口6Bから乾燥室2Bに流入し、その後、出口5Aから排気路13に流出して排気口6Cから機外に排出される。送風部14が作動した状態で加熱部15が作動すると、吸気口6Aから吸気路12に取り込まれた外気が加熱部15によって加熱されて温風になり、乾燥室2Bに供給された後に、排気路13を流れて排気口6Cから機外に排出される。
台車3は、乾燥室2Bに収納される。台車3の全体は、左右対称に構成される。台車3は、ベース部21と、ベース部21上に設けられて寝具Pが載せられるセット部22とを有する。
ベース部21は、上下方向Zに扁平な矩形の板状であり、左右方向X及び前後方向Yのそれぞれにおいて乾燥室2Bとほぼ同じ寸法を有する。平面視におけるベース部21の中央には、ベース部21を上下方向Zに貫通した中継穴21Aが形成される。中継穴21Aは、例えば前後方向Yに長い長方形状である(図14参照)。ベース部21の下面部には、中継穴21Aを縁取って下側Z2へ突出した額縁状の突出部21Bが設けられる。突出部21Bの前端部には、前側Y1へ向かうにつれて上側Z1へ傾斜した前傾斜面21Cが設けられる。突出部21Bの後端部には、後側Y2へ向かうにつれて上側Z1へ傾斜した後傾斜面21Dが設けられる。ベース部21の下面部の四隅には、車輪23が設けられる。ベース部21の前端部は、下側Z2へ折り曲げられ、前側Y1における左右の車輪23を前側Y1から保護するカバー21Eを構成する(図3参照)。
寝具乾燥装置1の模式的な縦断面正面図である図2も参照して、セット部22は、ベース部21の上面部から上側Z1へ突出した山型の全体形状を有する。セット部22は、前後方向Yにおいて、ベース部21より若干小さいものの、乾燥室2Bの大部分を占める寸法を有する。セット部22は、寝具Pが実際に載せられる本体部24と、前後方向Yにおける本体部24の両側に配置された前後一対の端壁部25とを有する。本体部24は、正面視において上下が逆になった逆U字状又は逆V字状の断面を有する。前側Y1の端壁部25の前面部の上部には、取っ手25Aが設けられる。
セット部22は、本体部24の外面部に設けられた多数の通気穴22Aを有する。通気穴22Aは、本体部24の全域に分布する。各端壁部25は、上側Z1へ突出した山型をなす板であり、前後一対の端壁部25は、本体部24の前端縁及び後端縁をそれぞれ縁取るように本体部24に固定される。セット部22は、ベース部21と、本体部24と、前後一対の端壁部25とによって囲まれた山型の内部空間22Bを有する。各通気穴22Aと、ベース部21の中継穴21Aとは、内部空間22Bに連通した状態にある。通気穴22Aが設けられた本体部24の外面部は、セット部22の表面部22Cである。
表面部22Cは、上側Z1へ膨出する半円弧状の頂上領域22CAと、頂上領域22CAの左下端からベース部21まで左下側へ延びる左領域22CBと、頂上領域22CAの右下端からベース部21まで右下側へ延びる右領域22CCとを有する(図2参照)。左領域22CB及び右領域22CCのそれぞれは、本実施形態では平坦な傾斜面であるが、少なくとも一部が湾曲面であってもよい。通気穴22Aは、左領域22CB及び右領域22CCのそれぞれの全域に分布する。なお、図3以降の各図では、通気穴22Aの図示が省略される。
このような台車3は、扉9が開位置にある状態において、装置本体2の乾燥室2Bから前側Y1へ引き出し可能である。使用者は、台車3の引き出しや収納の際には、取っ手25Aを把持する。使用者は、二つ折りにした寝具Pを、図3に示す引出位置まで引き出した台車3のセット部22に載せる。すると、寝具Pは、セット部22の本体部24に沿って山折りになった状態でセット部22の表面部22Cに接触し、本体部24の通気穴22Aを塞ぐ。
そして、使用者が台車3を装置本体2の出入口2Aから乾燥室2Bに押し込んで収納する。図4に示す収納位置にある台車3は、全てが乾燥室2B内に収納されて、装置本体2の底壁5上に配置される。なお、台車3のベース部21の下面部に設けられた突出部21Bの後傾斜面21D(図1参照)が底壁5の前端をスムーズに乗り越えるので、収納中の台車3が底壁5に引っ掛かることを防止できる。
底壁5の上面部には、台車3における左右の車輪23をそれぞれ受け入れる左右一対のガイド溝26が設けられる(図2参照)。なお、ガイド溝26に限らず、以降の説明において「左右一対」の部材は、左右対称に構成される。各ガイド溝26は、前後方向Yに延びる。これらのガイド溝26の間には、底壁5において排気路13を構成する中空部分と出口5Aとが位置する(図2参照)。引出位置まで引き出された台車3では、後側Y2における左右一対の車輪23がガイド溝26に1つずつ受け入れられた状態にある(図3参照)。収納位置にある台車3は、4つ全ての車輪23がガイド溝26に受け入れられることによって、乾燥室2B内で左右方向Xにおいて位置決めされる。この状態で使用者が扉9を閉位置まで閉じると、ベース部21が装置本体2の後壁7と扉9との間で挟まれるので、乾燥室2B内の台車3が前後方向Yにおいて位置決めされる(図4参照)。
寝具Pがセット部22に載せられた状態で乾燥室2Bに収納された台車3では、前述したように寝具Pが本体部24の通気穴22Aを塞いだ状態にあり、ベース部21の中継穴21Aが装置本体2の底壁5の出口5Aに上側Z1から対向してつながった状態にある。また、各ガイド溝26は、後側Y2へ向かうにつれて浅くなるように構成されて、後側Y2の車輪23が前側Y1の車輪23よりも上側Z1に配置されてもよい(図16参照)。これにより、台車3は、緩やかに上昇しながら乾燥室2Bに収納されるので、スムーズに中継穴21Aを上側Z1から出口5Aに対向させることができる。なお、乾燥室2Bに収納された台車3では、ベース部21が水平に配置されて、セット部22の表面部22Cの頂上領域22CAも水平に配置されるので、セット部22上の寝具Pは、その頂上部分が水平に配置される。
このように台車3が乾燥室2Bに収納された状態で寝具乾燥装置1の乾燥運転が始まると、前述したように送風部14及び加熱部15が作動する。すると、吸気口6Aから吸気路12に取り込まれて加熱部15によって加熱された外気である温風が、入口6Bから乾燥室2Bに流入して、乾燥室2B内の寝具Pに浴びせられる(図1及び図2の黒抜きの矢印を参照)。
寝具Pに浴びせられた温風は、寝具Pの内部を通過して本体部24の通気穴22Aに到達し、通気穴22Aからセット部22の内部空間22Bに流入する。これにより、寝具Pを乾燥させることができる。そして、寝具Pを通過して内部空間22B内に流入した温風は、ベース部21の中継穴21A及び底壁5の出口5Aを通って排気路13に流出して排気口6Cから機外に排出される。このように、セット部22の内部空間22Bは、供給部11から供給されて寝具Pの内部を通過する温風の通り道となる中空部分である。なお、中継穴21Aと出口5Aとの間のスペースは、ベース部21の突出部21Bによって取り囲まれるので、温風が排気路13に流出せずに、このスペースから漏れることを防止できる。そして、所定時間にわたって温風が寝具Pに浴びせられることによって寝具Pが乾燥すると、乾燥運転が終了する。
台車3のベース部21におけるセット部22の左右両側には、上側Z1へ突出した押付部材31が1つずつ設けられる。つまり、押付部材31は、セット部22を挟んで一対設けられる。一対の押付部材31のうち、セット部22よりも左側X1に位置する押付部材31を左押付部材31Lといい、セット部22よりも右側X2に位置する押付部材31を右押付部材31Rということがある。
各押付部材31の前後方向Yの寸法は、ベース部21やセット部22の前後方向Yの寸法とほぼ同じである。各押付部材31は、例えば側面視において逆U字状をなすように折り曲げられたパイプによって構成される。このような押付部材31は、前後方向Yに並んで上下方向Zに延びる前縦部31A及び後縦部31Bと、前縦部31A及び後縦部31Bの上端部間に架設されて前後方向Yに延びる水平部31Cと、前縦部31A及び後縦部31Bの下端部間に架設されて前後方向Yに延びる回動軸31Dとを少なくとも有する。
回動軸31Dの前端部は、前縦部31Aの下端部よりも前側Y1に配置され、前ブラケット32を介してベース部21の前端部に固定される。前ブラケット32は、前後方向Yから見て半円状に形成されて回動軸31Dの前端部が固定された縦板部32Aと、縦板部32Aの下端から前側Y1へ突出してベース部21の上面部に固定された横板部32Bとを有するL字状である。
回動軸31Dの後端部は、後縦部31Bの下端部よりも後側Y2に配置され、後ブラケット33を介してベース部21の後端部に固定される。後ブラケット33は、前後方向Yから見て半円状に形成されて回動軸31Dの後端部が固定された縦板部33Aと、縦板部33Aの下端から後側Y2へ突出してベース部21の上面部に固定された横板部33Bとを有するL字状である。
各押付部材31は、回動軸31Dまわりに左右に回動可能である。これにより、各押付部材31は、セット部22の表面部22Cに接近する押付位置(図2参照)と、押付位置よりも表面部22Cから離れる解除位置(図3参照)の間で移動可能である。具体的には、一対の押付部材31のうち、左押付部材31Lは、押付位置にあるときには表面部22Cの左領域22CBに左側X1から接近し、解除位置にあるときには左領域22CBから左側X1へ離れる。右押付部材31Rは、押付位置にあるときには表面部22Cの右領域22CCに右側X2から接近し、解除位置にあるときには右領域22CCから右側X2へ離れる。そのため、一対の押付部材31は、押付位置への移動に応じて閉脚し、解除位置への移動に応じて開脚する。
寝具Pがセット部22に載せられた状態で各押付部材31が押付位置にあるときには、各押付部材31における少なくとも水平部31Cが、セット部22上の寝具Pを、左右方向Xにおける台車3の外側からセット部22の表面部22Cに押し付ける。つまり、閉脚した一対の押付部材31が、セット部22上の寝具Pを、左右方向Xにおける台車3の外側から挟む。以下では、左右方向Xにおける台車3の外側を、単に「外側」ということがある。外側は、押付部材31に対するセット部22の反対側でもある。逆に、台車3において左右方向Xでセット部22に接近する側を「内側」ということがある。
押付位置にあるときの押付部材31が、セット部22上の寝具Pをセット部22の表面部22Cに押し付けるので、反発力が強い寝具Pであっても、寝具Pがセット部22から浮き上がることによって寝具Pとセット部22の表面部22Cとの間に隙間が発生することを抑制できる。これにより、乾燥室2Bとセット部22の内部空間22Bとを流れる温風を、この隙間に逃がすことなく、確実に寝具Pの内部を通過させることができるので、寝具乾燥装置1では、寝具Pの乾燥効率の向上を図れる。一方、押付部材31が解除位置にあるときには、押付部材31による寝具Pの押し付けが解除されるので、使用者は、寝具Pをセット部22から取り外すことができるし、寝具Pを新たにセット部22に載せたりすることもできる。
寝具乾燥装置1は、乾燥室2Bに対する台車3の引き出しや収納に連動して各押付部材31を押付位置と解除位置との間で移動させる連動機構40をさらに含む。連動機構40として第1~第3例を挙げることができ、以下では、第1~第3例について順に説明する。
図5を参照して、第1例に係る連動機構40は、台車3に設けられた付勢部材41及び進退部材42を有する。付勢部材41及び進退部材42は、一対の押付部材31に応じて、左右一対設けられる。
付勢部材41に関連して、各押付部材31の回動軸31Dの後端部には、シャフト43が固定される。シャフト43は、回動軸31Dの後端部において後ブラケット33の縦板部33Aよりも前側Y1の部分を回動軸31Dの径方向に沿って貫通し、押付部材31の後縦部31Bと平行に延びる。シャフト43は、回動軸31Dよりも上側Z1の上部43Aと、回動軸31Dよりも下側Z2の下部43Bとを有する。下部43Bは、上部43Aよりも外側に配置される。シャフト43は、押付部材31と一緒に回動軸31Dまわりに回動可能である。シャフト43を、押付部材31の一部とみなしてもよいし、連動機構40の一部とみなしてもよい。
図6を参照して、付勢部材41は、コイルばねである。付勢部材41は、各押付部材31の回動軸31Dの後端部において後ブラケット33の縦板部33Aよりも後側Y2の部分に巻き付けられたコイル状の本体部41Aと、本体部41Aから上側Z1へ延び出た第1先端部41Bと、本体部41Aから外側かつ下側Z2へ延び出た第2先端部41Cとを有する。第1先端部41Bの上端部は、折り曲げられて前側Y1へ延びる。第2先端部41Cは、台車3のベース部21の上面部に上側Z1から接触する。第1先端部41Bの上端部は、外側からシャフト43の上部43Aに引っ掛かった状態にあり、第2先端部41Cから離れようとすることによって押付部材31をセット部22の表面部22Cへ向けて常に付勢する。このように、一対の押付部材31は、それぞれに対応する付勢部材41によって押付位置へ向けて付勢される。
図7を参照して、進退部材42は、ベース部21の上面部において、各押付部材31の回動軸31Dの後端部の外側に1つずつ配置される。各進退部材42は、上下方向Zに扁平な小片状のホルダ42Aと、ホルダ42Aにおける外側の端部に設けられて上下方向Zに延びる回転軸42Bと、回転軸42Bによって支持されたローラ42Cとを有する。
ホルダ42Aにおける内側の端部42AAは、回動軸31Dの後端部におけるシャフト43の下部43Bに外側から接触した状態にある。ホルダ42Aは、その前端部を通って上下方向Zに延びる回動軸44を介してベース部21の上面部に取り付けられる。これにより、進退部材42全体が、回動軸44まわりに左右に回動可能である。ローラ42Cは、上下方向Zに扁平であり、その中心に挿通された回転軸42Bまわりに回転可能である。ローラ42Cの外周面の少なくとも一部は、ホルダ42Aから外側へはみ出して配置される。
回動軸44まわりに回動する各進退部材42は、セット部22から離れるように外側へ進出した進出位置(図5、図6及び図11参照)と、進出位置からセット部22側つまり内側へ退避した退避位置(図7~図9参照)との間で左右に進退可能である。各進退部材42は、退避位置まで退避するときに、付勢部材41の付勢力に抗して押付部材31の回動軸31Dの後端部のシャフト43の下部43Bを内側へ押し付けるので、押付部材31が解除位置まで移動する。各進退部材42は、進出位置まで進出するときに、シャフト43の下部43Bの押し付けを弱めるので、付勢部材41の付勢力により、押付部材31が押付位置まで移動する。
図8を参照して、第1例に係る連動機構40は、装置本体2に固定されたガイド部材45をさらに有する。ガイド部材45は、前後方向Yに長手のブロック状であり、一対の押付部材31に応じて、左右一対設けられ、乾燥室2Bにおいて出入口2A側の領域に配置される。左側X1のガイド部材45は、装置本体2における左側X1の側壁4の右面部の前端部における下端部に固定される。右側X2のガイド部材45は、装置本体2における右側X2の側壁4の左面部の前端部における下端部に固定される。
左側X1のガイド部材45では、右面部が内面部45Aであって、右側X2のガイド部材45では、左面部が内面部45Aである。各ガイド部材45の内面部45Aは、その前側領域として前後方向Yに沿って平坦な第1ガイド面45Bと、第1ガイド面45Bの後端から後側Y2かつ外側へ傾斜して延びる第2ガイド面45Cとを有する。
図8及び図9に示すように台車3が引出位置にあるときには、各ガイド部材45の第1ガイド面45Bは、左右方向Xにおいて同じ側にある進退部材42のローラ42Cに外側から接触して進退部材42を退避位置まで押し付けた状態にあるので、各押付部材31は、解除位置にある。この状態から使用者が台車3を乾燥室2Bに収納するために後側Y2へ移動させると、ローラ42Cがガイド部材45の内面部45Aに沿って回転しながら後側Y2へ移動する。
そして、図10に示すように、ローラ42Cが内面部45Aの第2ガイド面45Cに差し掛かると、各進退部材42は、付勢部材41の付勢力によって外側へ移動する。その後、図11に示すように、ローラ42Cが第2ガイド面45Cを後側Y2へ通過すると、各進退部材42が進出位置に到達するので、各押付部材31が押付位置に配置される。使用者が台車3をさらに後側Y2へ移動させると、台車3は収納位置に配置される。このように、ガイド部材45は、乾燥室2Bへの台車3の収納に応じて、進退部材42を進出位置までガイドする。台車3が収納位置に配置された後に使用者が扉9を閉じると、寝具乾燥装置1では乾燥運転を開始することができる。
逆に、使用者が扉9を開いてから台車3を乾燥室2Bから引き出すために前側Y1へ移動させることにより、各進退部材42のローラ42Cがガイド部材45の第2ガイド面45Cに差し掛かると、ローラ42Cが第2ガイド面45Cに沿って回転しながら内側へ移動する(図10参照)。その後、ローラ42Cが第2ガイド面45Cを通過して第1ガイド面45Bに到達すると、各進退部材42が退避位置に到達するので、各押付部材31が解除位置に配置される(図9参照)。また、台車3が引出位置に配置される。このように、ガイド部材45は、乾燥室2Bからの台車3の引き出しに応じて、進退部材42を退避位置までガイドする。使用者は、引出位置に配置された台車3のセット部22に寝具Pをセットすることができる(図3参照)。なお、第1例の変形例として、進退部材42のようなカム状の移動部材は、台車3の引き出しや収納の際に、ガイド部材45のガイドによって上下方向Zに移動することにより、押付部材31を押付位置まで移動させたり解除位置まで移動させたりしてもよい。
図12を参照して、第2例に係る連動機構40に関連して、各押付部材31の回動軸31Dの後端部には、レバー52が固定される。レバー52は、回動軸31Dの後端部において後ブラケット33の縦板部33Aよりも前側Y1の部分から下側Z2に突出して台車3のベース部21を貫通し、押付部材31の後縦部31Bと平行に延びる。レバー52の下端部52Aは、球体状に形成され、ベース部21の下面部側に露出される。下端部52Aは、回転可能なローラであってもよい。ベース部21の後端部には、各レバー52が1つずつ挿通される左右一対の挿通穴21Fが形成される。各挿通穴21Fは、レバー52が押付部材31と一緒に回動できるように左右方向Xに長い長穴である。レバー52を押付部材31の一部とみなしてもよい。
第2例に係る連動機構40は、台車3に設けられた付勢部材51を有する。付勢部材51は、一対の押付部材31に応じて、左右一対設けられる。付勢部材51に関連して、各押付部材31の回動軸31Dの後端部には、ステー53が固定される。ステー53は、回動軸31Dの後端部において後ブラケット33の縦板部33Aとレバー52との間の部分から上側Z1に突出して、押付部材31の後縦部31Bと平行に延びる。
図13を参照して、台車3のセット部22における後側Y2側の端壁部25の下端部には、左右一対のステー54が設けられる。付勢部材51は、左右方向Xに延びるコイルばねであって、左右方向Xで同じ側にあるステー53とステー54とをつなぐ。各付勢部材51は、圧縮された状態にあってステー53を内側へ引っ張ることにより、対応する押付部材31をセット部22の表面部22Cへ向けて常に付勢する。このように、一対の押付部材31は、それぞれに対応する付勢部材51によって押付位置へ向けて付勢される。
図14を参照して、第2例に係る連動機構40は、装置本体2の底壁5に固定されたガイド部材55をさらに有する。ガイド部材55は、前後方向Yに長手のレール状であり、一対の押付部材31に応じて、左右一対設けられる。ガイド部材55は、底壁5における左右一対のガイド溝26のそれぞれに1つずつ配置されてもよい(図15参照)。
左側X1のガイド部材45では、右面部が内面部55Aであって、右側X2のガイド部材45では、左面部が内面部55Aである。各ガイド部材55の内面部55Aは、その前端部として前後方向Yに沿って平坦に延びる第1ガイド面55Bと、第1ガイド面55Bの後端から後側Y2かつ外側へ傾斜して延びる第2ガイド面55Cと、第2ガイド面55Cの後端から前後方向Yに沿って後側Y2へ平坦に延びる第3ガイド面55Dとを有する。
図14及び図15に示すように台車3が引出位置にあるときには、各ガイド部材55の第1ガイド面55Bは、左右方向Xにおいて同じ側にある押付部材31のレバー52の下端部52Aを外側から押し付けた状態にあるので、各押付部材31は、解除位置にある(図16も参照)。この状態から使用者が台車3を乾燥室2Bに収納するために後側Y2へ移動させると、レバー52の下端部52Aがガイド部材55の内面部55Aに沿って後側Y2へ移動する。
そして、レバー52の下端部52Aが内面部55Aの第2ガイド面55Cに差し掛かると、下端部52Aが外側へ移動するとともに、一対の押付部材31が閉脚し始める。その後、図17に示すように、下端部52Aが第2ガイド面55Cを後側Y2へ通過して第3ガイド面55Dに到達すると、各押付部材31が押付位置に配置される(図18も参照)。このとき、台車3は収納位置に配置される。このように、ガイド部材55は、乾燥室2Bへの台車3の収納に応じて、押付部材31を押付位置までガイドする。台車3が収納位置に配置された後に使用者が扉9を閉じると、寝具乾燥装置1では乾燥運転を開始することができる。
逆に、使用者が扉9を開いてから台車3を乾燥室2Bから引き出すために前側Y1へ移動させることにより、各押付部材31のレバー52の下端部52Aがガイド部材55の第2ガイド面55Cに差し掛かると、下端部52Aが第2ガイド面55Cに沿って内側へ移動するとともに、一対の押付部材31が開脚し始める。その後、下端部52Aが第2ガイド面55Cを通過して第1ガイド面55Bに到達すると、各押付部材31が解除位置に配置される(図14~図16参照)。また、台車3が引出位置に配置される。このように、ガイド部材55は、乾燥室2Bからの台車3の引き出しに応じて、押付部材31を解除位置までガイドする。使用者は、引出位置に配置された台車3のセット部22に寝具Pをセットすることができる。
図19を参照して、第3例に係る連動機構40に関連して、各押付部材31の回動軸31Dの後端部には、レバー61が固定される。レバー61は、押付部材31の一部として、回動軸31Dから下側Z2に突出して台車3のベース部21を貫通し、押付部材31の後縦部31Bと平行に延びる。レバー61の下端部61Aは、ベース部21の下面部側に露出される。ベース部21の後端部には、各レバー61が1つずつ挿通される左右一対の挿通穴21Gが形成される。各挿通穴21Gは、レバー61が押付部材31と一緒に回動できるように左右方向Xに長い長穴である。
第3例に係る連動機構40は、台車3に設けられた付勢部材(図示せず)と、ベース部21の下面部側において一対の押付部材31のレバー61の下端部61A間に架設されたワイヤ62と、ベース部21の下面部に設けられた左右一対のガイドローラ63と、装置本体2に固定された係合部材64とを有する。この付勢部材は、前述した付勢部材41(図6参照)や付勢部材51(図13参照)と同様に構成されてもよく、いずれにせよ、一対の押付部材31を押付位置へ向けて付勢する。
図19に示すように台車3が収納位置にある場合、ワイヤ62は、左右方向Xに沿って一直線に延びた状態にあり、一対の押付部材31は、閉脚して押付位置にある。一対のガイドローラ63は、上下方向Zに扁平な円筒状であって、図19では、ワイヤ62に後側Y2から接触した状態にある。各ガイドローラ63は、その中心を通る縦軸まわりに回転可能であってもよい。係合部材64は、上下方向Zに扁平な円筒状であって、装置本体2の底壁5の上面の前端部に固定されて乾燥室2B内に露出される。係合部材64も、各ガイドローラ63と同様に回転可能であってもよい。左右方向Xにおいて、係合部材64は、一対のガイドローラ63の間に位置するものの、図19では、ワイヤ62及び一対のガイドローラ63よりも前側Y1に位置する。
使用者が、扉9を開いて台車3を収納位置から前側Y1へ引き出すと、ワイヤ62及び一対のガイドローラ63が係合部材64に後側Y2から接近する。使用者が台車3をさらに引き出すと、係合部材64が、ワイヤ62において一対のガイドローラ63の間の部分62Aに前側Y1から係合する。そして、台車3が引出位置まで引き出されると、図20に示すように、この部分62Aが係合部材64によってV字状に引っ張られ、一対の押付部材31が解除位置まで開脚する。このように、係合部材64は、乾燥室2Bからの台車3の引き出しに応じてワイヤ62を引っ張ることによって一対の押付部材31を開脚させる。使用者は、引出位置に配置された台車3のセット部22に寝具Pをセットすることができる。
使用者が、引き出した台車3を収納位置へ向けて後側Y2へ押し込むと、ワイヤ62及び一対のガイドローラ63が係合部材64から後側Y2へ離れようとするので、係合部材64によるワイヤ62の引っ張りが弱まる。そして、台車3が収納位置まで押し込まれると、係合部材64がワイヤ62から離れるので、ワイヤ62において一対のガイドローラ63の間の部分62Aが直線状に戻り、一対の押付部材31が押付位置まで閉脚する(図19参照)。このように、係合部材64は、乾燥室2Bへの台車3の収納に応じてワイヤ62の引っ張りを解除することによって一対の押付部材31を閉脚させる。台車3が収納位置に配置された後に使用者が扉9を閉じると、寝具乾燥装置1では乾燥運転を開始することができる。
以上のように、第1例から第3例のいずれにおいても、連動機構40は、乾燥室2Bからの台車3の引き出しに連動して押付部材31を解除位置へ移動させ、乾燥室2Bへの台車3の収納に連動して押付部材31を押付位置へ移動させる。そのため、使用者が寝具Pをセット部22に載せて台車3を乾燥室2Bに収納すれば、押付部材31が自動的に押付位置に移動して寝具Pの浮き上がりを抑制する。そして、使用者が台車3を乾燥室2Bから引き出せば、押付部材31が自動的に解除位置に移動するので、使用者は、他の手間を掛けることなく寝具Pをセット部22から容易に取り外せる。以上の結果、寝具Pの浮き上がりを抑制する構成に関して使い勝手の向上を図れる。
また、一対設けられた押付部材31は、押付位置への移動に応じて閉脚することによって、セット部22上の寝具Pを挟んでセット部22の表面部22Cに押し付ける。一対の押付部材31は、解除位置への移動に応じて開脚することによって、セット部22上の寝具Pから離れて押し付けを解除する。台車3に設けられた付勢部材41や付勢部材51が、一対の押付部材31を押付位置へ向けて付勢するので、これらの押付部材31は、セット部22上の寝具Pを確実にセット部22の表面部22Cに押し付けることができる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、台車3では、各押付部材31が自重によって寝具Pをセット部22に押し付けるように構成されるのであれば、付勢部材41や付勢部材51が省略されてもよい。
また、本実施形態では、吸気路12から取り込まれた外気が乾燥室2Bで寝具Pを通過して台車3のセット部22の内部空間22Bに流入して排気路13から機外に排出される(図1参照)。これに代え、吸気路12と排気路13とで機能が逆になって、外気が排気路13から取り込まれて内部空間22Bに到達した後に寝具Pを通過して乾燥室2Bに流出し、吸気路12から機外に排出されてもよい。また、温風は、寝具乾燥装置1内で循環してもよい。
また、押付部材31が、ヒータなどを内蔵することによって発熱体であってもよい。この場合には、寝具Pにおいて押付部材31の付近の部分を効果的に乾燥させることができる。これにより、寝具Pの乾燥効率の向上を図れる。
台車3は、複数のセット部22を備えてもよく、その場合、これらのセット部22は、左右方向Xに並んで配されてもよい。押付部材31は、それぞれのセット部22について一対ずつ設けられ、例えば第3例に係る連動機構40(図19及び図20)によって開脚したり閉脚したりする。なお、押付部材31は、一つのセット部22について、一対つまり二つ設けられるのでなく、一つだけ設けられてもよい。
各押付部材31において、前縦部31A、後縦部31B及び水平部31C(図1及び図2参照)は、押付部材31が押付位置にあるときにセット部22上の寝具Pをセット部22の表面部22Cに実際に押し付ける押付本体部31Eである。変形例として、各押付部材31は、図21及び図22に示すように押付本体部31Eの上側Z1に配置されたガイド部31Fをさらに有してもよい。
ガイド部31Fは、例えば側面視において逆U字状をなすように折り曲げられたパイプによって構成され、押付本体部31Eよりも一回り小さい。ガイド部31Fは、前後方向Yに並んで上下方向Zに延びる前縦部31G及び後縦部31Hと、前縦部31G及び後縦部31Hの上端部間に架設されて前後方向Yに延びる水平部31Iとを一体的に有する。前縦部31Gの下端部は、水平部31Cの前端部よりも少し後側Y2の部分に接続される。後縦部31Hの下端部は、水平部31Cの後端部よりも前側Y1の部分に接続される。前縦部31G及び後縦部31Hは、上側Z1へ向かうにつれてセット部22の表面部22Cから外側へ離れるように傾斜して互いに平行に延びる。そのため、ガイド部31F全体も、上側Z1へ向かうにつれてセット部22の表面部22Cから離れるように延びる。一対の押付部材31のガイド部31Fは、前後方向Yから見てV字状をなすように左右対称に配置される(図22参照)。各押付部材31において、ガイド部31Fは、押付本体部31Eと平行ではなく、押付本体部31Eよりも外側へ屈曲するように構成される。
図21及び図22に示すように押付部材31が解除位置にあるときに、ガイド部31Fは、引出位置にある台車3のセット部22に載せられる途中の寝具P(図22参照)、特に寝具Pの下端部P1を、押付本体部31Eとセット部22の表面部22Cとの間にガイドする。ガイド部31Fにより、セット時の寝具Pが押付本体部31Eと表面部22Cとの間からはみ出して押付部材31に外側から乗り上げることを防止して、寝具Pを容易にセットすることができる。寝具Pのセットを終えた使用者が台車3を収納位置まで押し込むと、前述したように、各押付部材31は、連動機構40によって押付位置まで移動する(図23及び図24参照)。
押付部材31及び連動機構40について前述した様々な特徴は、適宜組み合わせることができる。
1 寝具乾燥装置
2 装置本体
2B 乾燥室
3 台車
11 供給部
22 セット部
22A 通気穴
22B 内部空間
22C 表面部
31 押付部材
31E 押付本体部
31F ガイド部
40 連動機構
41 付勢部材
42 進退部材
45 ガイド部材
51 付勢部材
55 ガイド部材
62 ワイヤ
64 係合部材
P 寝具
Z1 上側

Claims (6)

  1. 乾燥室と、前記乾燥室に温風を供給する供給部と、を有する装置本体と、
    前記乾燥室に対して引き出し可能に収納される台車と、を含み、
    前記台車は、
    寝具が山折り状態で載せられるセット部であって、前記供給部から供給される温風の通り道となる中空部分と、前記中空部分に連通した通気穴を有して寝具に接触する表面部と、が設けられたセット部と、
    前記表面部に接近する押付位置と、前記押付位置よりも前記表面部から離れる解除位置との間で移動可能な押付部材であって、前記押付位置にあるときに前記セット部上の寝具を前記表面部に押し付ける押付部材と、を有し、
    前記乾燥室からの前記台車の引き出しに連動して前記押付部材を前記解除位置へ移動させ、前記乾燥室への前記台車の収納に連動して前記押付部材を前記押付位置へ移動させる連動機構をさらに含む、寝具乾燥装置。
  2. 前記押付部材は、前記セット部を挟んで一対設けられ、
    一対の前記押付部材は、前記押付位置への移動に応じて閉脚し、前記解除位置への移動に応じて開脚し、
    前記連動機構は、前記台車に設けられて一対の前記押付部材を前記押付位置へ向けて付勢する付勢部材を有する、請求項1に記載の寝具乾燥装置。
  3. 前記連動機構は、
    前記台車に設けられた進退部材であって、前記セット部から離れるように進出した進出位置と、前記進出位置から前記セット部側へ退避した退避位置との間で進退可能であり、前記進出位置まで進出するときに前記押付部材を前記押付位置まで移動させ、前記退避位置まで退避するときに前記押付部材を前記解除位置まで移動させる進退部材と、
    前記装置本体に固定されたガイド部材であって、前記乾燥室への前記台車の収納に応じて前記進退部材を前記進出位置までガイドし、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに応じて前記進退部材を前記退避位置までガイドするガイド部材と、を有する、請求項2に記載の寝具乾燥装置。
  4. 前記連動機構は、
    前記装置本体に固定されたガイド部材であって、前記乾燥室への前記台車の収納に応じて前記押付部材を前記押付位置までガイドし、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに応じて前記押付部材を前記解除位置までガイドするガイド部材を有する、請求項2に記載の寝具乾燥装置。
  5. 前記連動機構は、
    一対の前記押付部材間に架設されたワイヤと、
    前記装置本体に固定されて前記ワイヤに係合する係合部材であって、前記乾燥室からの前記台車の引き出しに応じて前記ワイヤを引っ張ることによって一対の前記押付部材を開脚させ、前記乾燥室への前記台車の収納に応じて前記ワイヤの引っ張りを解除することによって一対の前記押付部材を閉脚させる係合部材と、を有する、請求項2に記載の寝具乾燥装置。
  6. 前記押付部材は、前記押付部材が前記押付位置にあるときに前記セット部上の寝具を前記表面部に押し付ける押付本体部と、前記押付本体部の上側に配置されて上側へ向かうにつれて前記表面部から離れるガイド部と、を有し、
    前記押付部材が前記解除位置にあるときに、前記ガイド部が、前記セット部に載せられる寝具を前記押付本体部と前記表面部との間にガイドする、請求項1~5のいずれか一項に記載の寝具乾燥装置。
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