JP2022181381A - 粘着剤層付き調光フィルム及びガラス表面への粘着剤層付き調光フィルムの貼り合せ方法 - Google Patents

粘着剤層付き調光フィルム及びガラス表面への粘着剤層付き調光フィルムの貼り合せ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工水を要することなくガラス表面に仮止めした調光フィルムを滑らせることででき、したがって、その位置合わせが容易であり、しかも十分強固にガラス表面に密着させることができる調光フィルムを提供すること。【解決手段】電圧の印加の有無によって透明状態と不透明状態に変化する調光フィルム10と、この調光フィルムの一方の面に積層された粘着剤層23と、この粘着剤層表面に剥離容易に貼り合わされ、粘着剤層表面を保護する離型フィルム30とで粘着剤層付き調光フィルム100を構成する。そして、粘着剤層23でガラス表面に接着し、23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力を0.01~0.41N/25mmの範囲とし、また、離型フィルム30とガラス表面との静摩擦係数が0.8以下とする。【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス表面に貼り合せて使用する調光フィルムとその貼り合せ方法に関する。
調光フィルムは、光線の透過と遮断とを調整し、また、制御できるフィルムである。このような調光フィルムは周知であり、一般に、図1に示すように、液晶層11を2枚の電極フィルム12,13で挟んだ構造を有している。図示のように、電極フィルム12は、フレキシブルな透明フィルム12aの片面に透明電極12bを積層したものであり、その透明電極12bが液晶層11に向き合うように積層されている。また、他方の電極フィルム13も電極フィルム12と同様に、フレキシブルな透明フィルム13aの片面に透明電極13bを積層したものであり、その透明電極13bが液晶層11に向き合うように積層されている。そして、これら両電極12b,13bに電圧を印加することにより、液晶層11の光学的性質が変化する。例えば、電圧を印加することで液晶層が白濁し不透明化して光線を遮断し、他方、電圧の印加を止めることで液晶層が透明化して光線を透過する。また、液晶の種類に応じて、電圧を印加することで液晶層が透明化して光線を透過し、電圧の印加を止めることで液晶層が不透明化して光線を遮断する調光フィルムも知られている。
このような調光フィルムは様々な用途に用いられているが、その代表的な用途は、建築物の窓ガラスや自動車の窓ガラスの表面に貼り合せて、これら窓から差し込む日光光線の光量を調整し、あるいは制御する用途である。
このように調光フィルムをガラス表面に貼り合せる際には、従来、アクリル系の粘着剤を使用することが通常であった(特許文献1参照)。すなわち、まず、調光フィルムにアクリル系粘着剤を積層し、得られた粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面に貼り合せるのである。
しかしながら、アクリル系粘着剤はその密着力が強く、このため、その貼り合せの際に調光フィルムとガラス表面との間に気泡を巻き込み易く、こうして気泡を巻き込んだ場合には、調光フィルム表面に凹凸が生じてその外観を損なうばかりでなく、調光フィルム自体の機能も損なう結果となる。また、調光フィルムの一部をガラス表面に密着した場合には、その位置を調整することも不可能である。一方、こうして空気を巻き込んだり、あるいは位置を再調整するため、一旦貼り合せた調光フィルムを剥離して再度貼り合せることも考えられるが、前述のとおり、アクリル系粘着剤はその密着力が強いため、その剥離も困難である。このように、アクリル系粘着剤を使用してガラス表面に調光フィルムを貼り合せる場合には、気泡を巻き込み易く、しかも剥離して貼り直すことも困難なので、その当初から正確に位置合わせして、しかも、気泡を巻き込まないように注意深く貼り合せる必要があった。
そして、このため、次のような手順で貼り合せていた。
すなわち、まず、界面活性剤を含有した水(以下、「施工水」という)をガラス表面に一様に噴霧して、その表面に薄い施工水の被膜を形成する。
次に、調光フィルムのアクリル系粘着剤層を保護している離型フィルムを剥離して、ア
クリル系粘着剤層を露出させる。
次に、アクリル系粘着剤層を露出させた調光フィルムを、噴霧によって形成された前述の施工水の被膜の上に仮止めする。そして、この施工水の被膜の上で調光フィルムを滑らせて位置合わせする。例えば、ガラスが建築物の窓ガラスである場合には、その枠に調光フィルムを合わせて位置合わせする。なお、このとき、施工水の被膜がアクリル系粘着剤層とガラス表面との間に介在して潤滑剤の役割を果たすから、調光フィルムは容易に滑らせることができる。
そして、このように位置合わせした後、スキージ等で強圧を加えて、アクリル系粘着剤層とガラス表面との間に介在する施工水と空気を排出させて、本接着する。なお、このときにも、前述の施工水の被膜が潤滑剤の役割を果たしている。
特開2019-45612号公報
しかしながら、この方法では、前述の施工水の被膜を形成するため、ガラス表面に大量の施工水を噴霧する必要があった。このため、大量の水を消費するという欠点の他、ガラスが住宅の窓ガラスの場合には、居住環境を水沫に晒すおそれがあり、施工工事中は居住環境の浸水を避けるため、居住什器の退避や養生を行う必要があるという問題を生じていた。
また、仮止めの際に仮に気泡を巻き込んで仮止めされた場合には、この気泡を排出するためにスキージ等によって極めて強い圧力を加える必要があった。
そこで、本発明は、ガラス表面への施工を容易とする粘着剤層付き調光フィルムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の第1の態様は、電圧の印加の有無によって透明状態と不透明状態に変化する調光フィルムと、
前記調光フィルムの一方の面に積層された粘着剤層と、
前記粘着剤層表面に剥離自在に貼り合わされる離型フィルムと、を有し、
前記粘着剤層によりガラス表面に接着した状態において23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力が0.01以上0.41以下(単位:N/25mm)の範囲にあり、
前記離型フィルムと前記ガラス表面との静摩擦係数が0.8以下であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第2の態様は、第1の態様に記載の調光フィルムにおいて、前記粘着剤層が熱可塑性エラストマーを含有するものであることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に記載の調光フィルムにおいて、前記離型フィルムの厚みが188μm以下であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第4の態様は、第1の態様~第3の態様のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、前記離型フィルムの少なくとも一部領域を切除するためのカット線が設けられていることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第5の態様は、第4の態様に記載の調光フィルムにおいて、前記カット線が離型フィルムを貫通していることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第6の態様は、第4の態様に記載の調光フィルムにおいて、前記カット線が離型フィルムの厚み方向の途中に達していることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第7の態様は、第1の態様~第3の態様のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、前記離型フィルムの少なくとも一部領域を切除するためのエンボス線が設けられていることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第8の態様は、第4の態様~第7の態様のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、前記カット線又はエンボス線が直線状または波線状であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第9の態様は、第4の態様~第8の態様のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、前記カット線又はエンボス線が実線状または破線状であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、第10の態様は、第1の態様~第9の態様のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、前記ガラスが建築物の窓ガラス又は移動体の窓ガラスであることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルムである。
また、本発明に係る調光フィルムの貼り合せ方法は、粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面に貼り合せる方法であって、
前記粘着剤層付き調光フィルムは、前記離型フィルムとガラス表面との静摩擦係数が0.8以下であり、
粘着剤層付き調光フィルムの離型フィルムをその端部で剥離して端部の粘着剤層を露出する端部粘着剤層露出工程と、
前記端部粘着剤層露出工程により端部の粘着剤層を露出した状態の粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面上で滑らせて、位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程により位置決めされた粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面に仮止めする仮止め工程と、
前記仮止め工程により仮止めされた粘着剤層付き調光フィルムから残部の離型フィルムを剥離して、露出した粘着剤層をガラス表面に貼り合せる貼り合せ工程と、を有し、
前記貼り合せ工程では、前記粘着剤層付き調光フィルムは、23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力が0.01~0.41N/25mmの範囲にあるように前記粘着剤層を介してガラス表面に接着される、
ガラス表面への粘着剤層付き調光フィルムの貼り合せ方法である。
本発明によれば、ガラス表面への施工を容易とする粘着剤層付き調光フィルムが提供される。
図1は本発明の実施形態の粘着剤層付き調光フィルムを構成する調光フィルムの説明用断面図である。 図2は本発明の実施形態の粘着剤層付き調光フィルムを構成する粘着フィルムの説明用断面図である。 図3は本発明の実施形態の粘着剤層付き調光フィルムを構成する離型フィルムの説明用断面図である。 図4は本発明の実施形態の粘着剤層付き調光フィルムに係り、図4(a)はその説明用断面図、図4(b)は説明用斜視図である。 図5は本発明の実施形態の粘着剤層付き調光フィルムに係り、図5(a)及び図5(b)はいずれも、ガラス表面に貼り合せる方法を説明するための説明用斜視図である。
本発明の粘着剤層付き調光フィルムは、調光フィルム、粘着剤層及び離型フィルムの三者を必須の構成要素とするものである。
調光フィルムは、電圧の印加の有無によって透明状態と不透明状態に変化する性質を有するもので、公知の調光フィルムを使用できる。
粘着剤層はこの調光フィルムをガラス表面に接着する役割を果たすもので、粘着剤を前記調光フィルム上に直接塗布形成して設けてもよいが、粘着フィルム基材上に粘着剤層を設けて、前記調光フィルムに貼り合せて形成することもできる。
また、離型フィルムは、前記粘着剤層でガラス表面に接着するまでの間、前記粘着剤層の表面を保護する役割を有する。また、後述するように、この離型フィルムの一部を剥離除去して粘着剤層を露出させ、こうして一部の粘着剤層が露出したまま、この粘着剤層付き調光フィルムを滑らせて位置決めする工程においても、仮止めのために露出した部分以外の粘着剤層を保護して、しかも、ガラス表面に接触して容易かつ滑らかに滑らせる役割を果たすものである。
そこで、以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態の粘着剤層付き調光フィルム100を構成する調光フィルム10の説明用断面図、図2は粘着フィルム20の説明用断面図、図3は離型フィルム30の説明用断面図である。また、図4(a)は粘着剤層付き調光フィルム100の説明用断面図、図4(b)はその説明用斜視図である。
前述のように、調光フィルム10は公知の調光フィルムでよい(図1参照)。この調光フィルム10は、液晶層11を2枚の電極フィルム12,13で挟んだ構造を有している。図示のように、電極フィルム12は、フレキシブルな透明フィルム12aの片面に透明電極12bを積層したものであり、その透明電極12bが液晶層11に向き合うように積層されている。また、他方の電極フィルム13も電極フィルム12と同様に、フレキシブルな透明フィルム13aの片面に透明電極13bを積層したものであり、その透明電極13bが液晶層11に向き合うように積層されている。そして、これら両電極12b,13bに電圧を印加することにより、液晶層11の光学的性質が変化する。例えば、電圧を印加することで液晶層が白濁し不透明化して光線を遮断し、他方、電圧の印加を止めることで液晶層が透明化して光線を透過する。また、液晶の種類に応じて、電圧を印加することで液晶層が透明化して光線を透過し、電圧の印加を止めることで液晶層が不透明化して光線を遮断する調光フィルムであってもよい。
次に、粘着フィルム20は、粘着フィルム基材21の一方の面に接着剤層22を積層し、他方の面に粘着剤層23を塗布積層したものである。
接着剤層22は、この粘着フィルム20を調光フィルム10に貼り合せるためのもので、ウレタン系接着剤やアクリル系接着剤等、強密着性の接着剤を使用することができる。
一方、粘着剤層23は、この粘着フィルム20をガラス表面に接着するためのもので、比較的密着力の低い粘着剤を使用することが必要である。
具体的には、この粘着剤層23でガラス表面に接着し、23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力が0.01~0.41N/25mmの範囲にある必要がある。これより密着力が高い場合には、一部の粘着剤層を露出させたまま、位置決めのために粘着剤層付き調光フィルムを滑らせることが困難となる。このため、この場合には従来と同様に、界面活性剤を含有した施工水をガラス表面に大量に噴霧して、その表面に薄い被膜を形成した後、仮止めして、この被膜上を滑らせて位置決めする必要が生じる。
この粘着剤層23に使用する粘着剤としては、例えば、熱可塑性エラストマーを例示できる。例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーである。
この熱可塑性エラストマーを粘着フィルム基材の一方の面に塗布積層したフィルムは粘着フィルムとして市販されているから、この市販の粘着フィルムの粘着フィルム基材側に接着剤層22を設けて前記粘着フィルム20として利用することもできる。市販の粘着フィルムとしては、例えば、パナック(株)ゲルポリを使用することができる。このゲルポリは各種厚みのポリエステルフィルムを粘着フィルム基材21とし、その一方の面にポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを塗布形成して粘着剤層23としたものである。もっとも、このゲルポリであっても、その製品に応じてガラス表面に対する前記密着力にバラツキがあるから、その製品の中から前記密着力が0.01~0.41N/25mmの範囲にあるものを使用する必要がある。
なお、このゲルポリは、その粘着剤層23表面に保護用の剥離フィルムが貼着されているから、本発明に適用するにあたっては、その保護用剥離フィルムを剥離除去し、その代わりに、次に述べる離型フィルム30を貼り合せる必要がある。
離型フィルム30は、図3に示すように、離型フィルム基材31の片面に離型剤層32を積層して構成することができる。前述のように、離型フィルム30は、前記粘着フィルム20の粘着剤層23に剥離容易に貼り合わせて、ガラス表面に接着するまでの間、前記粘着剤層23の表面を保護するものである。このため、離型剤層32は粘着剤層23に向き合う面に積層する。
一方、離型フィルム基材31は、これを貼り合せるガラス表面に当接するものである。後述するように、この粘着剤層付き調光フィルム100は、離型フィルム30をその端部で剥離して、その端部の粘着剤層23を露出させたまま、離型フィルム30が積層された状態の粘着剤層付き調光フィルム100をガラス表面で滑らせて、位置決めして使用する。この位置決め工程において、離型フィルム基材31はガラス表面に当接して、しかも、滑らかに滑ることが必要になる。このため、離型フィルム基材31とこれを貼り合せるガラス表面との静摩擦係数が0.8以下である必要がある。その静摩擦係数が0.8を越える場合には、前記位置決め工程において離型フィルム基材31を滑らせることが困難となる。このように離型フィルム基材31を滑らせることが困難な場合には、従来と同様に、位置決め工程において大量の施工水を用いる必要がある。なお、望ましくは、前記静摩擦係数は0.8以下である。
離型フィルム基材31としてはポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムを好適
に使用できる。もっとも、プラスチックフィルムとガラス表面との静摩擦係数は、ポリエステルフィルムに含まれる添加剤の有無や種類あるいは配合量、表面処理の有無や種類等に応じて異なり、また、そのロット等によっても異なるから、市販のフィルムの中からガラス表面との静摩擦係数が0.8以下のフィルムを選択して使用することが望ましい。なお、その厚みが厚過ぎると、ガラス表面に貼り合せたり位置決めすることが困難となるから、188μm以下の厚みを持つことが望ましい。離型フィルム基材31として使用できる市販のフィルムの一例を挙げると、厚さ30~188μmの東レ(株)ルミラーT60を例示できる。
また、離型剤層32としては、シリコーン樹脂を各種硬化剤で硬化したものを使用できる。硬化剤としては例えば白金系硬化剤を使用できる。
次に、この粘着剤層付き調光フィルム100をガラス表面に貼り合せる方法を説明する。図5(a)及び図5(b)はいずれも、ガラス表面に貼り合せる方法を説明するための説明用斜視図である。
この粘着剤層付き調光フィルム100は、端部粘着剤層露出工程、位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程を経てガラス表面に貼り合せることができる。
端部粘着剤層露出工程は、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30をその端部で剥離して端部の粘着剤層を露出する工程である。この工程のため、図5(a)に示すように、離型フィルム30の端部に、これを切断可能とするカット線30xを設けることが望ましい。カット線30xはカッターやハサミ等の刃物を使用して設けることができるが、カット線30xの代わりにエンボスして形成したエンボス線であってもよい。
図示の例では、カット線30xは直線状かつ破線状で、しかも、離型フィルム30を貫通して粘着剤層23表面に達する深さを有しているが、これに限るわけではない。例えば、カット線30xは波線状等の曲線状であってもよい。また、破線状ではなく、実線状であってもよい。また、カット線30xは、離型フィルム30の厚み方向の途中に達しているが、粘着剤層23表面に達していないものであってもよい。もっとも、このカット線30xで離型フィルム30容易に切断できることが望ましい。
なお、このカット線30xは、調光フィルム10をガラス表面に貼り合せる施工現場で設けてもよいが、粘着剤層付き調光フィルム100を製造する製造工場で設けることが望ましい。このように製造工場でカット線30xを設けて、このようにカット線30xを設けた粘着剤層付き調光フィルム100を出荷した場合には、その施工現場の作業が容易となる。
そして、この端部粘着剤層露出工程では、カット線30xで離型フィルム30を切断し、その端部側に位置する離型フィルム30を除去して、端部の粘着剤層23aを露出させる。図5(b)はこの状態を示している。
そこで、次工程の位置決め工程は、端部粘着剤層23aが露出したまま、離型フィルム30が積層された状態の粘着剤層付き調光フィルム100をガラス表面上に重ね、このガラス表面上で滑らせて、位置決めする工程である。このとき、露出した端部粘着剤層23aはガラス表面に接触しないことが望ましいが、粘着剤層23とガラス表面との間の密着力が比較的小さいため、両者が接触しても、粘着剤層付き調光フィルム100を滑らせることができる。そして、離型フィルム30とガラス表面との間の静摩擦係数も小さいから、粘着剤層付き調光フィルム100を滑らせることは容易である。
次に、前記仮止め工程では、位置決めされた粘着剤層付き調光フィルム100を、露出した前記端部粘着剤層23aで接着する。なお、前述のように、粘着剤層23とガラス表面との間の密着力が比較的小さいから、万一ミスを犯した場合には、これを剥離して貼り直すことも可能である。
最後に、貼り合せ工程は、端部で仮止めされた粘着剤層付き調光フィルム100から残部の離型フィルム30を剥離除去して、露出した粘着剤層23で粘着剤層付き調光フィルム100をガラス表面に貼り合せる工程である。粘着剤層23とガラス表面との間の密着力は比較的小さいといっても、23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力が0.01~0.41N/25mmの範囲にあるから、こうして全面がガラス表面に貼り合わされた粘着剤層付き調光フィルム100の密着力は十分であり、不用意にガラス表面から剥離することはない。
なお、この粘着剤層付き調光フィルム100を貼り合せるガラスとしては、その代表例として、建築物の窓ガラス、あるいは自動車や電車等の移動体の窓ガラスを例示できる。もっとも、これに限られず、什器等であってもよい。
以下、実施例及び比較例によって本発明を説明する。
なお、これら実施例及び比較例は、製造工場で粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程Aと、施工現場にてこの粘着剤層付き調光フィルム100を窓ガラス表面に貼り合せる施工工程Bと、その結果を説明する結果Cとに分けて説明する。
(実施例1)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
付加重合型シリコーン樹脂(信越化学(株)製:KS-841)100重量部に対し、白金系硬化剤(信越化学(株)製:PL-50T)0.1重量部を加え、更にnヘキサンとトルエンの混合溶媒を加えて希釈して、固形分5重量%の離型剤層用塗料(塗料31)を調製した。
離型フィルム基材31として、厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60)を使用し、その片面に前記離型剤層用塗料31を塗布し、120℃で乾燥硬化して、離型フィルム30を製造した。得られた離型剤層32の厚みは100nmである。
次に、パナック(株)製ゲルボリを準備した。このゲルボリは、このゲルポリは各種厚みのポリエステルフィルムを粘着フィルム基材21とし、その一方の面にポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを塗布形成して粘着剤層23としたもので、この粘着剤層23の表面に保護用の剥離フィルムが貼着されている。
そして、この保護用の剥離フィルムを剥離し、その代わりに前記工程で製造した離型フィルム30を、離型剤層31が粘着剤層23面に向き合うように貼り合せた。また、これに加えて、粘着フィルム基材21面に、接着層22としてOCA(Optical Clear Adhesive)を接合して、離型フィルム30を貼り合せた粘着フィルム20を製造した。OCAとしては、OCA層の両面に剥離フィルムが貼り合わされた(株)巴川製紙所製:TD06Aを使用し、両面の剥離フィルムのうち一方の剥離フィルムを剥離除去して、露出したOCA層を粘着フィルム基材21面に接着することで貼り合わせた。
前記工程で得たフィルム(離型フィルム30を貼り合せた粘着フィルム20)の接着層22面に、ノーマルモードタイプの調光フィルム10(凸版印刷製:NW001)を貼り合せて、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。すなわち、OCA層を保護している前記剥離フィルムを剥離除去して、露出したOCA層を調光フィルム10に接着することで貼り合わせた。
この粘着剤層付き調光フィルム100には、カット線30xを設けていない。このため、次に説明するように、この粘着剤層付き調光フィルム100には、施工現場にてカット線30xを設ける。
なお、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100から離型フィルム30を剥離除去して粘着剤層23を露出させ、この粘着剤層23と青ガラス表面に接触させて接着し、JIS Z-0237に準じて、23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力(保存後密着力)を測定したところ、0.15N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.35であった。なお、この静摩擦係数は、新東科学(株)製:Type94iを使用して、粘着剤層付き調光フィルム100と青ガラス表面とを合わせて測定した値である。
(B)施工工程
前記粘着剤層付き調光フィルム100を貼り合せる採光窓の大きさを1m×1.5mとして、この窓の大きさに対応して、1m×1.5mの粘着剤層付き調光フィルム100を準備した。
そして、その角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形を形成するように、刃物を用いて、離型フィルム30にカット線30xを設けた。カット線30xは直線状かつ実線状で、その深さは離型フィルム30を貫通して粘着剤層23表面に達する深さである。
次に、前記カット線30xから角部側に位置する直角二等辺三角形の形状の離型フィルム30を除去して、この位置の粘着剤層23を露出させた。
このように端部粘着剤層23aを露出させた粘着剤層付き調光フィルム100を、その離型フィルム基材(ポリエステルフィルム)31がガラス表面上に接触するように、採光窓のガラス表面上に重ね、このガラス表面上を滑らせて、位置決めした。
そして、ガラス表面上の位置決めされた粘着剤層付き調光フィルム100を、その露出した端部粘着剤層23aでガラス表面に接着して、仮止めした。なお、こうして仮止めした粘着剤層付き調光フィルム100は、その接着部分を剥離することが容易であり、このため、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すことができた。
そして、最後に、残った離型フィルム30を剥離除去しながら、露出した粘着剤層23でガラス表面に接着して、粘着剤層付き調光フィルム100の全体をガラス表面に貼り合せた。なお、このとき、粘着剤層付き調光フィルム100は、仮止めされた端部から他端に向かって、自動的にエアーを排除しながら貼り合せが進行した。そして、このため、貼り合せた粘着剤層付き調光フィルム100とガラス表面との間に気泡が残ることはなかった。
(C)結果
以上のように、この例では、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできることが確認できた。そして、粘着層23の一部を露出して、その端部粘着剤層23aで位置合わせして貼り合せることができ、また、粘着剤層付き調光フィルム100の全体を貼り合せる貼り合せ工程においては自動的にエアーを排除しながら貼り合せが進行するから、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
(実施例2)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型フィルム基材31として、厚さ125μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60)を使用した他は、実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.34N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.60であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、採光窓のガラス表面に貼り合せた。
(C)結果
実施例1と同様に、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできた。また、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
(実施例3)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型フィルム基材31として、厚さ188μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60)を使用した他は、実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.01N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.35であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、採光窓のガラス表面に貼り合せた。
(C)結果
実施例1と同様に、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできた。また、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
(実施例4)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。但し、この例では、製造工場でカット線30xを形成した。カット線30xは、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形を形成するように、刃物を用いて形成したもので、直線状かつ実線状で、深さは離型フィルム30を貫通して粘着剤層23表面に達する深さである。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.29N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.52であった。
(B)施工工程
前述のように、カット線30x形成工程を製造工場で行ったことを除き、実施例1と同様に、採光窓のガラス表面に貼り合せた。
(C)結果
実施例1と同様に、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできた。また、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
なお、この例では、カット線30x形成工程を製造工場で行ったため、施工現場でカッターやハサミ等の刃物を必要とせず、非常に利便性に優れていることが確認できた。
(実施例5)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。但し、この例では、製造工場でカット線30xを形成した。カット線30xは、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形を形成するように、刃物を用いて形成したものである。また、カット線30xは、実施例1と同様に、直線状かつ実線状であるが、深さは離型フィルム30を貫通することなく、その厚み方向の途中に達する深さで、3~30μmの範囲でばらつきがあった。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.21N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.45であった。
(B)施工工程
前述のように、カット線30x形成工程を製造工場で行ったことを除き、実施例1と同様に、採光窓のガラス表面に貼り合せた。
(C)結果
実施例1と同様に、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできた。また、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
なお、この例では、カット線30x形成工程を製造工場で行ったため、施工現場でカッターやハサミ等の刃物を必要とせず、非常に利便性に優れていることが確認できた。
(実施例6)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。但し、この例では、製造工場でカット線30xを形成した。カット線30xは、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形を形成するように、刃物を用いて形成したものである。また、カット線30xは、実施例1と同様に直線状であるが、ミシン目状である。また、深さは離型フィルム30を貫通することなく、その厚み方向の途中に達する深さで、3~30μmの範囲でばらつきがあった。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.41N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.45であった。
(B)施工工程
前述のように、カット線30x形成工程を製造工場で行ったことを除き、実施例1と同様に、採光窓のガラス表面に貼り合せた。
(C)結果
実施例1と同様に、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできた。また、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
なお、この例では、カット線30x形成工程を製造工場で行ったため、施工現場でカッターやハサミ等の刃物を必要とせず、非常に利便性に優れていることが確認できた。
(実施例7)
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。但し、この例では、製造工場でカット線30xの代わりにエンボス線を形成した。エンボス線は、金属製エンボスロールを用いて直線状かつ実線状に形成したものである。そして、このエンボス線は、実施例1のカット線30xと同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形を形成するように設けたものである。また、カット線30xは、実施例1と同様に直線状であるが、ミシン目状である。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.29N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.50であった。
(B)施工工程
前述のように、製造工場でエンボス線を形成したため、施工現場ではカット線を形成しなかった。そして、(B2)端部粘着剤層23a露出工程では、前記エンボス線から角部側に位置する直角二等辺三角形の形状の離型フィルム30を除去して、この位置の粘着剤層23を露出させた。このとき、離型フィルム30は手作業で容易に剥離できた。
以上の点を除き、実施例1と同様に、採光窓のガラス表面に貼り合せた。
(C)結果
実施例1と同様に、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができ、また、何度も位置決めと仮止めとを繰り返すこともできた。また、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても強圧を掛ける必要がなく、このため、これら各工程も容易に実施でき、しかも、調光フィルム10にダメージを与えることもなかった。
なお、この例では、カット線30x形成工程を製造工場で行ったため、施工現場でカッターやハサミ等の刃物を必要とせず、非常に利便性に優れていることが確認できた。
(実施例8)
この例は、離型フィルム基材31として厚さの厚いフィルムを使用した例である。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型フィルム基材31として、厚さ250μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60)を使用した。その他の点については、実施例1と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.35N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は1.50であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、まず粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設けようとしたところ、離型フィルム基材31が厚さ250μmと厚いため、施工現場でのカットではなく事前に所定サイズに調えている。
また、離型フィルム30を全部剥がして、全面の粘着剤層23を露出させ、位置を調整しつつ貼り合せを試みたが、ガラス表面に接着した粘着剤層23を動かすことができず、位置決め工程に慎重を期す必要性が生じた。
このため、潤滑剤として1リットルの施工水とスキージを用いて位置決めと貼り合せとを行った。
(C)結果
実施例8においては、他の実施例に比し200μm以上の厚みを持つ調光フィルムを採
用した。そのため、慎重を期して施工水を用いての施工が実施された。また、厚みがあることから強圧を掛けて気泡を除去したことから、わずかではあるが、調光フィルム10へのダメージが確認された。しかし施工後は他の実施例と同様、実用に耐える調光ガラス窓が提供された。
(比較例1)
この例は、ガラス表面との静摩擦係数が大きい離型フィルム30を使用した例である。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
付加重合型シリコーン樹脂(デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル(株)製:LTC-750A)50重量部に対し、剥離調整剤(デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル(株)製:SD7292)50重量部、白金系硬化剤(信越化学(株)製:SRX-212)0.1重量部を加え、更にnヘキサンとトルエンの混合溶媒を加えて希釈して、固形分2重量%の離型剤層用塗料(塗料31)を調製した。
離型フィルム基材31として、厚さ100μmのポリエチレンフィルムを使用し、その片面にコロナ放電処理を施した後、その処理面に前記離型剤層用塗料31を塗布し、40℃で乾燥、紫外線照射装置(フュージョン H バルブ)で紫外線を照射して硬化させて、離型フィルム30を製造した。得られた離型剤層32の厚みは100nmである。
なお、この他の点については、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.19N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.85であった。
(B)施工工程
まず、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設けた。カット線30xは、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形を形成するように、刃物を用いて形成したもので、直線状かつ実線状で、深さは離型フィルム30を貫通して粘着剤層23表面に達する深さである。
次に、前記カット線30xから角部側に位置する直角二等辺三角形の形状の離型フィルム30を除去して、この位置の粘着剤層23を露出させた。
そして、このように端部粘着剤層23aを露出させた粘着剤層付き調光フィルム100を、その離型フィルム基材(ポリエチレンフィルム)31がガラス表面上に接触するように、採光窓のガラス表面上に重ね、実施例1と同様に、このガラス表面上を滑らせて、位置決めしようとした。しかし、離型フィルム30とガラス表面との滑りが悪く、位置決めできなかった。
そこで、止むを得ず離型フィルム30を全部剥がして、全面の粘着剤層23を露出させ、位置を調整しつつ貼り合せを試みたが、ガラス表面に接着した粘着剤層23を動かすことができず、位置決めができなかった。
このため、潤滑剤として1リットルの施工水とスキージを用いて位置決めと貼り合せと
を行った。
(C)結果
この例では、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。このため、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても容易とは言えず、また、強圧を掛けて気泡を除去する必要があったから、わずかではあるが、調光フィルム10へのダメージが確認された。
(比較例2)
この例も、ガラス表面との静摩擦係数が大きい離型フィルム30を使用した例である。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型フィルム基材31として、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製:パイレーンCT P1146)を使用し、その片面にコロナ放電処理を施した後、その処理面に、比較例1で使用した離型剤層用塗料31を塗布し、40℃で乾燥、紫外線照射装置(フュージョン H バルブ)で紫外線を照射して硬化させて、離型フィルム30を製造した。この他の点については、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.21N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.90であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設け、離型フィルム30を除去して、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形の形状の端部粘着剤層23aを露出させた。
そして、実施例1と同様に、この粘着剤層付き調光フィルム100を採光窓のガラス表面上に重ね、このガラス表面上を滑らせて、位置決めしようとした。しかし、離型フィルム30とガラス表面との滑りが悪く、位置決めできなかった。また、離型フィルム30を全部剥がして、全面の粘着剤層23を露出させ、位置を調整しつつ貼り合せを試みたが、ガラス表面に接着した粘着剤層23を動かすことができず、位置決めができなかった。
このため、潤滑剤として1リットルの施工水とスキージを用いて位置決めと貼り合せとを行った。
(C)結果
この例においても、比較例1と同様の結果となった。すなわち、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。このため、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても容易とは言えず、また、強圧を掛けて気泡を除去する必要があったから、わずかではあるが、調光フィルム10へのダメージが確認された。
(比較例3)
この例も、ガラス表面との静摩擦係数が大きい離型フィルム30を使用した例である。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型フィルム基材31として、厚さ43μmの片面アクリルハードコート層付きポリエステルフィルム(凸版印刷(株)製:PET CHC)を使用し、そのポリエステルフィルム面に、実施例1で使用した離型剤層用塗料31を塗布し、120℃で乾燥硬化して、離型フィルム30を製造した。得られた離型剤層32の厚みは100nmである。なお、離型フィルム基材31としてアクリルハードコート層を有するフィルムを使用したのは、製造工場から施工現場までの輸送中に離型フィルム30にキズが生じるのを防止するためである。
そして、この他の点については、実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
なお、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力は0.35N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は1.50であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設け、離型フィルム30を除去して、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形の形状の端部粘着剤層23aを露出させた。
そして、実施例1と同様に、この粘着剤層付き調光フィルム100を採光窓のガラス表面上に重ね、このガラス表面上を滑らせて、位置決めしようとした。しかし、離型フィルム30とガラス表面との滑りが悪く、位置決めできなかった。また、離型フィルム30を全部剥がして、全面の粘着剤層23を露出させ、位置を調整しつつ貼り合せを試みたが、ガラス表面に接着した粘着剤層23を動かすことができず、位置決めができなかった。
このため、潤滑剤として1リットルの施工水とスキージを用いて位置決めと貼り合せとを行った。
(C)結果
この例においても、比較例1や比較例2と同様の結果となった。すなわち、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。このため、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても容易とは言えず、また、強圧を掛けて気泡を除去する必要があったから、わずかではあるが、調光フィルム10へのダメージが確認された。
このため、施工水を要することなく、粘着剤層付き調光フィルム100をガラス表面上で滑らせて位置決めするためには、離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数が重要であることが分かった。
(比較例4)
この例は、ガラス表面との密着力が大きい粘着剤層23を使用した例である。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
まず、実施例1と同様に離型フィルム30を製造した。
次に、アクリル系粘着塗料(サイデン化学(株)製:OC3949)100重量部に対し、硬化剤(サイデン化学(株)製:K130)0.5重量部、シランカップリング剤(
サイデン化学(株)製:S-1)0.5重量部を加え、更に溶媒として酢酸エチルを加えて希釈して、固形分30重量%の粘着剤層用塗料(塗料23)を調製した。
コンマコーターを使用して、この粘着剤層用塗料23を、厚さ38μmの軽剥離離形フィルム(東洋紡(株)製:E7002)上に塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、更に40℃、48時間エージングさせて、粘着剤層23を形成した。
そして、この粘着剤層23を前記離型フィルム30の離型剤層32面に転写した。
次に、その粘着剤層23面に、ノーマルモードタイプの調光フィルム10(凸版印刷製:NW001)を貼り合せて、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。なお、この粘着剤層付き調光フィルム100は、調光フィルム100の一方の面に、粘着剤層23及び離型フィルム30がこの順に積層されたものである。
そして、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力を測定したところ、その保存後密着力は6.4N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.45であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設け、離型フィルム30を除去して、粘着剤層付き調光フィルム100の角部を頂点とする一辺0.5mの大きさの直角二等辺三角形の形状の端部粘着剤層23aを露出させた。
そして、実施例1と同様に、この粘着剤層付き調光フィルム100を採光窓のガラス表面上に重ね、このガラス表面上を滑らせて、位置決めした。
次に、こうして位置決めした粘着剤層付き調光フィルム100を、その端部粘着剤層23aでガラス表面に仮止めしようとしたところ、端部粘着剤層23aの一部がガラス表面に強く接着してしまい、端部粘着剤層23aとガラス表面との間に気泡も生じてしまった。このため、この端部粘着剤層23a位置合わせしてガラス表面に接着することも不可能であった。そして、このため、1リットルの施工水と施工用スキージを使用し、施工用スキージで強圧を加えて気泡を押し出しながら、この端部粘着剤層23aをガラス表面に仮止めした。
そして、最後に、残った離型フィルム30を剥離除去しながら、露出した粘着剤層23でガラス表面に接着して、粘着剤層付き調光フィルム100の全体をガラス表面に貼り合せた。なお、ここでも、2リットルの施工水と施工用スキージによる強圧を必要とした。
(C)結果
この例においても、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。このため、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても極めて煩わしく、また、強圧を掛けて気泡を除去する必要があったから、調光フィルム10へのダメージが確認された。
(比較例5)
この例も、ガラス表面との密着力が大きい粘着剤層23を使用した例である。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
アクリル系粘着塗料(サイデン化学(株)製:OC3949)100重量部に対し、硬化剤(サイデン化学(株)製:K130)0.5重量部、シランカップリング剤(サイデン化学(株)製:S-1)0.5重量部、紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製TINUVIN109)100重量部を加え、更に溶媒として酢酸エチルを加えて希釈して、固形分30重量%の粘着剤層用塗料(塗料23)を調製した。
この粘着剤層用塗料23を粘着剤層用塗料23の代わりに使用した他は、比較例5と同様に粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。
そして、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力を測定したところ、その保存後密着力は3.0N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.40であった。
(B)施工工程
この粘着剤層付き調光フィルム100を採光窓のガラス表面に貼り合せる場合も、比較例5と同様であった。すなわち、位置決めした粘着剤層付き調光フィルム100を、その端部粘着剤層23aでガラス表面に仮止めしようとしたところ、端部粘着剤層23aの一部がガラス表面に強く接着してしまい、端部粘着剤層23aとガラス表面との間に気泡も生じた。そして、このため、端部粘着剤層23aをガラス表面に仮止めするために、1リットルの施工水と施工用スキージによる強圧を必要とした。また、残った離型フィルム30を剥離除去して、粘着剤層付き調光フィルム100の全体を貼り合せる際にも、2リットルの施工水と施工用スキージによる強圧を必要とした。
(C)結果
この例においても、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。このため、その位置決め工程、仮止め工程及び貼り合せ工程のいずれの工程においても極めて煩わしく、また、強圧を掛けて気泡を除去する必要があったから、調光フィルム10へのダメージが確認された。
(比較例6)
この例も、ガラス表面との密着力が大きい粘着剤層23を使用した例である。また、この例では、離型フィルム基材31として厚さの厚いフィルムを使用した。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型剤層用塗料として、実施例1で使用した塗料31を使用した。すなわち、付加重合型シリコーン樹脂(信越化学(株)製:KS-841)100重量部に対し、白金系硬化剤(信越化学(株)製:PL-50T)0.1重量部を加え、更にnヘキサンとトルエンの混合溶媒を加えて希釈して、固形分5重量%の離型剤層用塗料31を調製した。
離型フィルム基材31として、厚さ250μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60)を使用し、その片面に前記離型剤層用塗料31を塗布し、120℃で乾燥硬化して、離型フィルム30を製造した。得られた離型剤層32の厚みは100nmである。
次に、粘着剤層用塗料として、比較例5で使用した塗料23を使用した。すなわち、アクリル系粘着塗料(サイデン化学(株)製:OC3949)100重量部に対し、硬化
剤(サイデン化学(株)製:K130)0.5重量部、シランカップリング剤(サイデン化学(株)製:S-1)0.5重量部を加え、更に溶媒として酢酸エチルを加えて希釈して、固形分30重量%の粘着剤層用塗料23を調製した。
そして、この粘着剤層用塗料23を、厚さ38μmの軽剥離離形フィルム(東洋紡(株)製:E7002)上に塗工して、粘着剤層23を形成した。
そして、この粘着剤層23を前記離型フィルム30の離型剤層32面に転写した。
次に、その粘着剤層23面に、ノーマルモードタイプの調光フィルム10(凸版印刷製:NW001)を貼り合せて、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。この粘着剤層付き調光フィルム100は、調光フィルム100の一方の面に、粘着剤層23及び離型フィルム30がこの順に積層されたものである。
そして、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力を測定したところ、その保存後密着力は8.9N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.40であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、まず粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設けようとしたところ、離型フィルム基材31が厚さ250μmと厚いために、施工現場ではカットできなかった。
このため、離型フィルム30を全部剥がして、全面の粘着剤層23を露出させ、30リットルに及ぶ大量の施工水を使用し、位置を調整しつつ、スキージで強圧を加えてガラス表面に貼り合せた。なお、このように大量の施工水を要するのは、位置合わせと気泡排出を同時並行で行って、大面積の強粘着を一挙に施工するためである。
(C)結果
この例においても、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。しかも、その位置決めと貼り合せとを同時に行って、大面積の強粘着を一挙に施工するため、その施工に時間がかかり、極めて困難であった。また、調光フィルム10へのダメージも大きかった。
(比較例8)
この例も、ガラス表面との密着力が大きい粘着剤層23を使用した例である。また、この例でも、離型フィルム基材31として厚さの厚いフィルムを使用した。
(A)粘着剤層付き調光フィルム100を製造する工程
離型フィルム30は比較例7の離型フィルムと同じものを使用した。すなわち、付加重合型シリコーン樹脂(信越化学(株)製:KS-841)100重量部に対し、白金系硬化剤(信越化学(株)製:PL-50T)0.1重量部を加え、更にnヘキサンとトルエンの混合溶媒を加えて希釈して、固形分5重量%の離型剤層用塗料31を調製し、 離型フィルム基材31として厚さ250μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60)を使用して、この片面に離型剤層用塗料31を塗布して離型フィルム30を製造した。
また、粘着剤層用塗料として比較例6で使用した塗料23を使用した。すなわち、アクリル系粘着塗料(サイデン化学(株)製:OC3949)100重量部に対し、硬化剤(サイデン化学(株)製:K130)0.5重量部、シランカップリング剤(サイデン化学(株)製:S-1)0.5重量部、紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製TINUVIN109)100重量部を加え、更に溶媒として酢酸エチルを加えて希釈して、固形分30重量%の粘着剤層用塗料(塗料23)を調製した。
そして、この粘着剤層用塗料23を、厚さ38μmの軽剥離離形フィルム(東洋紡(株)製:E7002)上に塗工して、粘着剤層23を形成した。
次に、その粘着剤層23面に、ノーマルモードタイプの調光フィルム10(凸版印刷(株)製:NW001)を貼り合せて、粘着剤層付き調光フィルム100を製造した。この粘着剤層付き調光フィルム100は、調光フィルム100の一方の面に、粘着剤層23及び離型フィルム30がこの順に積層されたものである。
そして、実施例1と同様に、こうして得られた粘着剤層付き調光フィルム100の粘着剤層23と青ガラス表面との間の保存後密着力を測定したところ、その保存後密着力は2.5N/25mmであった。
また、粘着剤層付き調光フィルム100の離型フィルム30と青ガラス表面との静摩擦係数は0.43であった。
(B)施工工程
実施例1と同様に、まず粘着剤層付き調光フィルム100の角部にカット線30xを設けようとしたところ、離型フィルム基材31が厚さ250μmと厚いために、施工現場ではカットできなかった。
このため、離型フィルム30を全部剥がして、全面の粘着剤層23を露出させ、30リットルに及ぶ大量の施工水を使用し、位置を調整しつつ、スキージで強圧を加えてガラス表面に貼り合せた。なお、このように大量の施工水を要するのは、位置合わせと気泡排出を同時並行で行って、大面積の強粘着を一挙に施工するためである。
(C)結果
この例においても、比較例7と同様の結果であった。すなわち、施工水を要することなく採光窓のガラス表面に貼り合せることができなかった。しかも、その位置決めと貼り合せとを同時に行って、大面積の強粘着を一挙に施工するため、その施工に時間がかかり、極めて困難であった。また、調光フィルム10へのダメージも大きかった。
なお、以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2022181381000002
100:粘着剤層付き調光フィルム
10:調光フィルム
11:液晶層
12:電極フィルム 12a:透明フィルム 12b:透明電極
13:電極フィルム 13a:透明フィルム 13b:透明電極
20:粘着フィルム 21:粘着フィルム基材 22:接着剤層 23:粘着剤層 23:端部粘着剤層
30:離型フィルム 31:離型フィルム基材 32:離型剤層 30x:カット線

Claims (11)

  1. 電圧の印加の有無によって透明状態と不透明状態に変化する調光フィルムと、
    前記調光フィルムの一方の面に積層された粘着剤層と、
    前記粘着剤層表面に剥離自在に貼り合わされる離型フィルムと、を有し、
    前記粘着剤層によりガラス表面に接着した状態において23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力が0.01以上0.41以下(単位:N/25mm)の範囲にあり、
    前記離型フィルムと前記ガラス表面との静摩擦係数が0.8以下であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  2. 請求項1に記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記粘着剤層が熱可塑性エラストマーを含有するものであることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記離型フィルムの厚みが188μm以下であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記離型フィルムの少なくとも一部領域を切除するためのカット線が設けられていることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  5. 請求項4に記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記カット線が離型フィルムを貫通していることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  6. 請求項4に記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記カット線が離型フィルムの厚み方向の途中に達していることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  7. 請求項1~3のいずれかに記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記離型フィルムの少なくとも一部領域を切除するためのエンボス線が設けられていることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  8. 請求項4~7のいずれかに記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記カット線又はエンボス線が直線状または波線状であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  9. 請求項4~8のいずれかに記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記カット線又はエンボス線が実線状または破線状であることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載の粘着剤層付き調光フィルムにおいて、前記ガラスが建築物の窓ガラス又は移動体の窓ガラスであることを特徴とする粘着剤層付き調光フィルム。
  11. 粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面に貼り合せる方法であって、
    前記粘着剤層付き調光フィルムは、前記離型フィルムとガラス表面との静摩擦係数が0.8以下であり、
    粘着剤層付き調光フィルムの離型フィルムをその端部で剥離して端部の粘着剤層を露出する端部粘着剤層露出工程と、
    前記端部粘着剤層露出工程により端部の粘着剤層を露出した状態の粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面上で滑らせて、位置決めする位置決め工程と、
    前記位置決め工程により位置決めされた粘着剤層付き調光フィルムをガラス表面に仮止めする仮止め工程と、
    前記仮止め工程により仮止めされた粘着剤層付き調光フィルムから残部の離型フィルムを剥離して、露出した粘着剤層をガラス表面に貼り合せる貼り合せ工程と、を有し、
    前記貼り合せ工程では、前記粘着剤層付き調光フィルムは、23℃、55RH%の環境下で30分放置したときの密着力が0.01~0.41N/25mmの範囲にあるように前記粘着剤層を介してガラス表面に接着される、
    ガラス表面への粘着剤層付き調光フィルムの貼り合せ方法。
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