JP2022179907A - 積層体およびその製造方法、ならびに画像表示装置 - Google Patents

積層体およびその製造方法、ならびに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長時間の光照射後も、フィルム基材と無機薄膜との密着性に優れる積層体を提供する。【解決手段】積層体(100)は、フィルム基材(10)の一主面上にハードコート層(11)を備えるハードコートフィルムと;ハードコート層上に接して設けられたプライマー層(3)と;プライマー層上に接して設けられた無機薄膜(5)とを備える。無機薄膜は、屈折率が異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層であってもよい。プライマー層は、金属酸化物薄膜であり、Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Al,Sn等の特定の金属元素の酸化物を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム基材上に無機薄膜が設けられた積層体およびその製造方法、ならびに画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の表面には、表示画像の視認性向上を目的として反射防止フィルムが設けられる場合がある。反射防止フィルムは、フィルム基材上に、屈折率の異なる複数の薄膜からなる反射防止層を備えている。反射防止層を形成する薄膜として、無機酸化物等の無機薄膜を用いた反射防止フィルムは、屈折率や膜厚の調整が容易であるため、高い反射防止特性を実現できる。
反射防止フィルムは画像表示装置の最表面に配置されるため、外部からの接触による傷つき防止等を目的として、フィルム基材の反射防止層形成面にハードコート層が設けられる場合がある。一般に有機物により形成されるハードコート層と無機薄膜は層間の密着力が小さく、層間剥離が生じる場合があり、ハードコート層と無機薄膜の間に、金属やセラミック材料からなるプライマー層を形成することが提案されている。
プライマー層を設けることにより、反射防止層等の無機薄膜の密着性が向上する傾向があるが、屋外等の紫外線に晒される環境下では、プライマー層を設けた場合でも光劣化等により無機薄膜の密着性が低下する場合がある。特許文献1では、ハードコート層上に、酸素欠損状態(非化学量論組成)の酸化シリコン(SiO;0<x<2)からなるプライマー層を形成し、その上に反射防止層を形成することにより、高強度の光照射(耐候試験)後も反射防止層が高い密着性を有することが記載されている。
国際公開第2016/190415号
非化学量論組成の酸化シリコンからなるプライマー層は、シリコンターゲットを用いて、反応性スパッタにより成膜される。本発明者らの検討により、ハードコート層と反射防止層の間に、プライマー層として酸化シリコン薄膜を設けた反射防止フィルムは、反射防止層の密着性や、透明性等の特性が不安定であることが判明した。かかる課題に鑑み、本発明は、無機薄膜の密着性等の品質安定性に優れる積層体の提供を目的とする。
本発明は、積層体およびその製造方法に関する。積層体は、フィルム基材の一主面上にハードコート層を備えるハードコートフィルムと、ハードコート層上に接して設けられたプライマー層と、プライマー層上に接して設けられた無機薄膜とを備える。一実施形態において、プライマー層上に形成される無機薄膜は、屈折率が異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層である。反射防止層を構成するそれぞれの薄膜は無機酸化物薄膜であってもよい。
プライマー層は金属酸化物薄膜であり、特定の金属元素の酸化物を含む。金属酸化物の金属元素は、好ましくは、温度298Kにおける金属-酸素間の結合解離エネルギーが450~780kJ/molである。金属元素としては、Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Al,Sn等が挙げられる。中でも、Ti,Snが特に好ましい。金属酸化物の金属元素の全量に対して、これらの金属元素を合計50原子%以上含むことが好ましい。
プライマー層は、例えば、酸化物ターゲットを用いてスパッタ法により成膜される。プライマー層の厚みは、0.5~30nm程度が好ましい。
プライマー層上への無機薄膜の形成は、反応性スパッタにより実施してもよい。
ハードコート層は、バインダー樹脂および微粒子を含んでいてもよい。一実施形態において、ハードコート層は、バインダー樹脂および粒子径10~100nmのナノ粒子を含み、バインダー樹脂100重量部に対するナノ粒子の含有量が20~100重量部である。
ハードコート層と反射防止層等の無機薄膜との間に、特定の金属元素の酸化物を含むプライマー層を設けることにより、耐候試験後も無機薄膜の密着性が高い積層体が得られる。
反射防止フィルムの積層形態を示す断面図である。
本発明の積層体は、ハードコートフィルムのハードコート層上にプライマー層を備え、その上に無機薄膜を備える。このような積層体としては、反射防止フィルムおよび透明電極フィルム等の画像表示装置用フィルム、日射調整フィルム、遮熱・断熱フィルム、調光フィルムおよび電磁波遮蔽フィルム等の窓ガラスやショーウィンドウ等に設けられるフィルム、ガスバリアフィルム等が挙げられる。
図1は、積層体の一実施形態としての反射防止フィルムの積層構成例を示す断面図である。反射防止フィルム100は、フィルム基材10の一主面上にハードコート層11が設けられたハードコートフィルム1と、ハードコート層11に接するプライマー層3と、プライマー層に接する反射防止層5とを備える。反射防止層5は、屈折率の異なる2層以上の無機薄膜の積層体である。図1に示す反射防止フィルム100において、反射防止層5は、高屈折率層51,53と低屈折率層52,54とを交互に積層した構成を有する。
[ハードコートフィルム]
<フィルム基材>
ハードコートフィルム1のフィルム基材10としては、例えば、透明フィルムが用いられる。透明フィルムの可視光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。透明フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、透明性、機械強度、および熱安定性に優れる樹脂材料が好ましい。樹脂材料の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
フィルム基材10は必ずしも透明である必要はない。また、フィルム基材10として、複数のフィルムの積層体を用いてもよい。例えば、後述するように、偏光子の表面に保護フィルムが設けられた偏光板をフィルム基材10として用いてもよい。
フィルム基材10の厚みは特に限定されないが、強度や取扱性等の作業性、薄層性等の観点から、5~300μm程度が好ましく、10~250μmがより好ましく、20~200μmがさらに好ましい。
<ハードコート層>
フィルム基材10の主面上にハードコート層11を設けることによりハードコートフィルム1が形成される。ハードコート層は硬化樹脂層であり、硬化性樹脂を含む組成物をフィルム基材上に塗布し、樹脂成分を硬化することにより形成される。ハードコート層は、硬化樹脂に加えて微粒子を含んでいてもよい。
(硬化性樹脂)
ハードコート層11の硬化性樹脂(バインダー樹脂)としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が好ましく用いられる。硬化性樹脂の種類としてはポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、アミド系、シリコーン系、シリケート系、エポキシ系、メラミン系、オキセタン系、アクリルウレタン系等が挙げられる。これらの中でも、硬度が高く、光硬化が可能であることから、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂が好ましく、中でもアクリルウレタン系樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、2個以上の光重合性(好ましくは紫外線重合性)の官能基を有する多官能化合物を含む。多官能化合物はモノマーでもオリゴマーでもよい。光重合性の多官能化合物としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含む化合物が好ましく用いられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物の具体例としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパントテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびこれらのオリゴマーまたはプレポリマー等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とはアクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物は、水酸基を有していてもよい。水酸基を含む多官能化合物を用いることにより、フィルム基材とハードコート層との密着性が向上する傾向がある。1分子中に水酸基および2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリルウレタン樹脂は、多官能化合物として、ウレタン(メタ)アクリレートのモノマーまたはオリゴマーを含む。ウレタン(メタ)アクリレートが有する(メタ)アクリロイル基の数は、3以上が好ましく、4~15がより好ましく、6~12がさらに好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの分子量は、例えば3000以下であり、500~2500が好ましく、800~2000がより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルとポリオールとから得られるヒドロキシ(メタ)アクリレートを、ジイソシアネートと反応させることにより得られる。
ハードコート層形成用組成物中の多官能化合物の含有量は、樹脂成分(硬化によりバインダー樹脂を形成するモノマー、オリゴマーおよびプレポリマー)の合計100重量部に対して、50重量部以上が好ましく、60重量部以上がより好ましく、70重量部以上がさらに好ましい。多官能モノマーの含有量が上記範囲であれば、ハードコート層の硬度が高められる傾向がある。
(微粒子)
ハードコート層11が微粒子を含むことにより、表面形状を調整し、防眩性等の光学特性の付与や反射防止層の密着性向上等の作用を持たせることができる。
微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の無機酸化物微粒子、ガラス微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル-スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、ポリカーボネート等の透明ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子を特に制限なく使用できる。
微粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は、10nm~10μm程度が好ましい。微粒子は、粒径に応じて、0.5μm~10μm程度のサブミクロンまたはμmオーダーの粒子径を有する微粒子(以下「マイクロ粒子」と記載する場合がある)、10nm~100nm程度の粒子径を有する微粒子(以下「ナノ粒子」と記載する場合がある)、およびマイクロ粒子とナノ粒子の中間の粒子径を有する微粒子に大別できる。
ハードコート層11がナノ粒子を含むことにより、表面に微細な凹凸が形成され、ハードコート層11とプライマー層3および反射防止層5との密着性が向上する傾向がある。ナノ粒子としては、無機微粒子が好ましく、中でも無機酸化物微粒子が好ましい。中でも、屈折率が低く、バインダー樹脂との屈折率差を小さくできることから、シリカ粒子が好ましい。
ハードコート層11の表面に、無機薄膜との密着性に優れる凹凸形状を形成する観点から、ナノ粒子の平均一次粒子径は、20~80nmが好ましく、25~70nmがより好ましく、30~60nmがさらに好ましい。また、ハードコート層表面での反射光の色付きを抑制する観点から、ナノ粒子の平均一次粒子径は、55nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、45nm以下がさらに好ましい。平均一次粒子径は、コールターカウント法により測定される重量平均粒子径である。
ハードコート層11におけるナノ粒子の量は、バインダー樹脂100重量部に対して、1~150重量部程度であってもよい。ハードコート層11の表面に、無機薄膜との密着性に優れた表面形状を形成する観点から、ハードコート層11におけるナノ粒子の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、20~100重量部が好ましく、25~90重量部がより好ましく、30~80重量部がさらに好ましい。
ハードコート層11がマイクロ粒子を含むことにより、ハードコート層11の表面およびその上に形成される薄膜の表面に、直径がサブミクロンまたはμmオーダーの突起が形成され、防眩性が付与される。マイクロ粒子は、ハードコート層のバインダー樹脂との屈折率差が小さいことが好ましく、シリカ等の低屈折率無機酸化物粒子、またはポリマー微粒子が好ましい。
防眩性付与に適した表面形状を形成する観点から、マイクロ粒子の平均一次粒子径は、1~8μmが好ましく、2~5μmがより好ましい。粒子径が小さい場合は、防眩性が不足する傾向があり、粒子径が大きい場合は画像の鮮明度が低下する傾向がある。ハードコート層11におけるマイクロ粒子の含有量は特に制限されないが、バインダー樹脂100重量部に対して1~15重量部が好ましく、2~10重量部がより好ましく、3~8重量部がさらに好ましい。
ハードコート層11は、ナノ粒子およびマイクロ粒子のいずれか一方のみを含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。また、ナノ粒子とマイクロ粒子の中間の粒子径を有する微粒子を含んでいてもよい。
(ハードコート層の形成)
ハードコート層形成用組成物は、上記のバインダー樹脂成分を含み、必要に応じてバインダー樹脂成分を溶解可能な溶媒を含む。上記の通り、ハードコート層形成用組成物は微粒子を含んでいてもよい。バインダー樹脂成分が光硬化型樹脂である場合には、組成物中に光重合開始剤が含まれることが好ましい。ハードコート層形成用組成物は、上記の他に、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
フィルム基材上にハードコート層形成用組成物を塗布し、必要に応じて溶媒の除去および樹脂の硬化を行うことにより、ハードコート層が形成される。ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法等の任意の適切な方法を採用し得る。塗布後の加熱温度は、ハードコート層形成用組成物の組成等に応じて、適切な温度に設定すればよく、例えば、50℃~150℃程度である。バインダー樹脂成分が光硬化性樹脂である場合は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより光硬化が行われる。照射光の積算光量は、好ましくは100~500mJ/cm程度である。
ハードコート層11の厚みは特に限定されないが、高い硬度を実現するとともに、表面形状を適切に制御する観点から、1~10μm程度が好ましく、2~9μmがより好ましく、3~8μmがさらに好ましい。
ハードコート層11上にプライマー層3および反射防止層5を形成する前に、ハードコート層11とプライマー層3および反射防止層5との密着性のさらなる向上等を目的として、ハードコート層11の表面処理が行われてもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、アルカリ処理、酸処理、カップリング剤による処理等の表面改質処理が挙げられる。表面処理として真空プラズマ処理を行ってもよい。真空プラズマ処理により、ハードコート層の表面粗さを調整することもできる。例えば、高放電電力で真空プラズマ処理を行えば、ハードコート層表面の表面凹凸が大きくなり、無機薄膜との密着性が向上する傾向がある。
<プライマー層>
ハードコート層11上には、プライマー層3が形成され、その上に反射防止層5が形成される。ハードコート層11上に接してプライマー層3を設け、プライマー層3上に接して反射防止層5を設けることにより、層間の密着性に優れ、紫外線等の光に長時間晒された場合でも反射防止層の剥離が生じ難い反射防止フィルムが得られる。
プライマー層3は金属酸化物薄膜である。なお、ここでの「金属」とは、シリコン等の半金属を含まない概念である。プライマー層の金属酸化物は、金属元素として、温度298Kにおける金属-酸素間の結合解離エネルギーD 298が、450~780kJ/molである金属を含む。
金属元素Mと酸素Oの結合解離エネルギーD(M-O)は、M-O→M+Oの結合解離における標準エンタルピーの変化量であり、熱化学方程式:
(M-O)=Δ(M)+Δ(O)-Δ(MO)
から導出される。Δは、生成エンタルピーである。本明細書においては、298℃における金属-酸素間の結合解離エネルギーD 298(M-O)として、Luo, Y. R.著、Comprehensive Handbook of Chemical Bond Energies, CRC Press, 2007.に記載の値を採用する。
298(M-O)が450~780kJ/molである金属としては、Cr(461±8.7),Al(501.9±10.6),Mo(502),Sn(528),Ru(528±42),Tc(548),Os(575),Re(627±84),V(637),Ti(666.5±5.6),Sc(671.4±1.0),Y(714.1±10.2),W(720±71),Nb(726.5±10.6),Zr(766.1±10.6)等が挙げられる。括弧内の数字は、D 298(M-O)/kJmol-1である。
プライマー層を構成する金属元素MのD 298(M-O)が大きいほど、紫外線等の光に長時間晒された場合でも、反射防止層の剥離が生じ難く、反射防止フィルムが耐候性に優れる傾向がある。プライマー層を構成する金属元素MのD 298(M-O)は、480kJ/mol以上が好ましく、500kJ/mol以上がより好ましく、520kJ/mol以上であってもよい。
298(M-O)が大きいことにより、耐候性が向上する推定理由の1つとして、紫外線による金属-酸素間の結合の開裂が生じ難く、プライマー層が光安定性に優れることが挙げられる。450kJ/molは、波長267nmの光子エネルギーに相当する。そのため、プライマー層の材料が、D 298(M-O)が450kJ/mol以上である金属の酸化物であれば、UVA(波長320~400nm)やUVB(波長280~320nm)を照射しても、金属-酸素間の結合の開裂がほとんど生じず、プライマー層が光劣化し難いため、耐候性に優れると考えられる。
原理上は、D 298(M-O)が大きいほど耐候性に優れると考えられるものの、D 298(M-O)が過度に大きい場合は、完全酸化物のプライマー層を形成した場合に、反射防止層の密着性が不十分となる場合がある。例えば、半金属であるシリコン(Si)のD 298(M-O)は、約800kJ/molであり、化学量論に対して酸素が不足しているSiOx(x<2)プライマー層は反射防止層との密着性に優れているが、化学量論組成のSiOプライマー層を形成した場合は、耐候試験後に反射防止層との密着性が低下する傾向がある。
そのため、上記の通り、プライマー層を構成する金属元素MのD 298(M-O)は、780kJ/mol以下が好ましい。D 298(M-O)が過度に大きい場合に密着性が低下する理由は定かではないが、1つの可能性として、化学量論組成に対して酸素が不足している場合は、ダングリングボンドが存在するために他の層との密着性が向上するのに対して、化学量論組成では、金属元素Mの酸素との親和性が高く、安定性が高いために、他の層との親和性向上への寄与が小さいことが考えられる。
298(M-O)が450~780kJ/molである金属元素Mの例は上記の通りであるが、上記例示の金属元素の中でも、酸化物の透明性、成膜性、化学的安定性等の観点から、Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Al,Snが好ましい。特に、反射防止フィルム等の透明性が要求される用途では、酸化物の透明性および化学安定性に優れることから、Ti,Snが好ましい。
プライマー層を構成する金属酸化物は複合酸化物でもよく、ドーパント元素として、上記以外の金属元素や、B,C,Ge,P,As,Sb,Be,Se,Te,Po,At等の半金属元素を含んでいてもよい。光照射後も高い密着性を維持する観点から、プライマー層3を構成する金属酸化物の金属元素の全量(100原子%)に対する上記の金属の割合は、50原子%以上が好ましく、60原子%以上がより好ましく、70原子%以上がさらに好ましく、80原子%以上、90原子%以上、95原子%以上または99原子%以上であってもよい。
具体的には、プライマー層3は、金属酸化物の金属元素全量に対するD 298(M-O)が450kJ/mol以上である金属の割合が上記範囲であることが好ましく、D 298(M-O)が500kJ/mol以上である金属の割合が上記範囲であることがより好ましい。また、プライマー層3は、金属酸化物の金属元素全量に対する、Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Al,Snの含有量の合計が上記範囲であることが好ましく、中でも、TiまたはSnの割合が上記範囲であることが好ましい。すなわち、プライマー層は、酸化チタン(TiO)または酸化錫(SnO)を主成分とするものが特に好ましい。
上記の通り、ハードコート層11上に、特定の金属の酸化物を含むプライマー層3を形成し、その上に反射防止層5を形成することにより、外線等の光に長時間晒された場合でも、反射防止層の剥離が生じ難く、耐候性に優れる反射防止フィルムが得られる。特に、ハードコート層11がナノ粒子を含む場合に、プライマー層3による反射防止層5の密着性向上が顕著となる傾向がある。
プライマー層3の厚みは、例えば、0.5~30nm程度であり、好ましくは1~25nmであり、2nm以上または3nm以上でもよい。プライマー層の膜厚が上記範囲であれば、ハードコート層11との密着性がより高められる傾向がある。透明性の観点においては、プライマー層3は、ハードコート層11および反射防止層5との密着性を確保できる範囲で厚みが小さい方が好ましい。プライマー層3の厚みは、20nm以下、15nm以下、10nm以下または8nm以下であってもよい。
<反射防止層>
反射防止層5は、屈折率の異なる複数の薄膜の積層体である。一般に、反射防止層は、入射光と反射光の逆転した位相が互いに打ち消し合うように、薄膜の光学膜厚(屈折率と厚みの積)が調整される。屈折率の異なる複数の薄膜の多層積層体により、可視光の広帯域の波長範囲において、反射率を小さくできる。反射防止層5を構成する薄膜としては、無機材料が好ましく、金属または半金属の酸化物、窒化物、フッ化物等からなるセラミック材料が好ましく、中でも金属または半金属の酸化物(無機酸化物)が好ましい。
反射防止層5は、好ましくは、高屈折率層と低屈折率層の交互積層体である。空気界面での反射を低減するために、反射防止層5の最外層(ハードコートフィルム1から最も離れた層)として設けられる薄膜54は、低屈折率層であることが好ましい。
高屈折率層51,53は、例えば屈折率が1.9以上、好ましくは2.0以上である。高屈折率材料としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等が挙げられる。中でも、酸化チタンまたは酸化ニオブが好ましい。低屈折率層52,54は、例えば屈折率が1.6以下、好ましくは1.5以下である。低屈折率材料としては、酸化シリコン、窒化チタン、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン等が挙げられる。中でも酸化シリコンが好ましい。特に、高屈折率層としての酸化ニオブ(Nb)薄膜51,53と、低屈折率層としての酸化シリコン(SiO)薄膜52,54とを交互に積層することが好ましい。低屈折率層と高屈折率層に加えて、屈折率1.6~1.9程度の中屈折率層が設けられてもよい。
高屈折率層および低屈折率層の膜厚は、それぞれ、5~200nm程度であり、15~150μm程度が好ましい。屈折率や積層構成等に応じて、可視光の反射率が小さくなるように、各層の膜厚を設計すればよい。例えば、高屈折率層と低屈折率層の積層構成としては、ハードコートフィルム1側から、光学膜厚25nm~55nm程度の高屈折率層51、光学膜厚35nm~55nm程度の低屈折率層52、光学膜厚80nm~240nm程度の高屈折率層53、および光学膜厚120nm~150nm程度の低屈折率層54の4層構成が挙げられる。反射防止層は4層構成に限定されず、2層構成、3層構成、5層構成、または6層以上の積層構成であってもよい。
<プライマー層および反射防止層の成膜>
プライマー層3および反射防止層5を構成する薄膜の成膜方法は特に限定されず、ウェットコーティング法、ドライコーティング法のいずれでもよい。膜厚が均一な薄膜を形成できることから、真空蒸着、CVD,スパッタ、電子線蒸等のドライコーティング法が好ましい。中でも、膜厚の均一性に優れ、かつ緻密な膜を形成しやすいことから、スパッタ法が好ましい。
スパッタ法では、ロールトゥーロール方式により、フィルム基材を一方向(長手方向)に搬送しながら、薄膜を連続成膜できる。そのため、ハードコートフィルム1上に、プライマー層3および複数の薄膜からなる反射防止層5を備える反射防止フィルムの生産性を向上できる。
スパッタ法では、アルゴン等の不活性ガス、および必要に応じて酸素等の反応性ガスをチャンバー内に導入しながら成膜が行われる。スパッタ法による酸化物層の成膜は、酸化物ターゲットを用いる方法、および(半)金属ターゲットを用いた反応性スパッタのいずれでも実施できる。
高レートで無機酸化物を成膜できることから、反射防止層5を構成する薄膜は、金属または半金属のターゲットを用いた反応性スパッタにより成膜することが好ましい。反応性スパッタに用いるスパッタ電源としては、DCまたはMF-ACが好ましい。
反応性スパッタでは、アルゴン等の不活性ガスおよび酸素等の反応性ガスをチャンバー内に導入しながら成膜が行われる。反応性スパッタでは、金属領域と酸化物領域との中間の遷移領域となるように酸素量を調整することが好ましい。金属領域で成膜を行うと、得られる膜の酸素量が化学量論組成に比して小さく酸素不足の状態となり、反射防止層が金属光沢を帯びて透明性が低下する傾向がある。また、酸素量が大きい酸化物領域では、成膜レートが極端に低下する傾向がある。
スパッタ成膜が遷移領域となるように酸素量を調整することにより、高レートで酸化物膜を成膜できる。成膜モードが遷移領域となるように酸素導入量を制御する方法としては、放電のプラズマ発光強度を検知して、成膜室へのガス導入量を制御するプラズマエミッションモニタリング方式(PEM方式)が挙げられる。PEMでは、プラズマ発光強度を検知し、酸素導入量にフィードバックすることにより制御が行われる。例えば、発光強度の制御値(セットポイント)を所定の範囲に設定してPEM制御を行い、酸素導入量を調整することにより、遷移領域での成膜を維持できる。プラズマインピーダンスが一定となるように、すなわち放電電圧が一定となるように酸素導入量を制御するインピーダンス方式による制御を行ってもよい。
プライマー層3の成膜には、酸化物ターゲットを用いることが好ましい。金属ターゲットを用いる反応性スパッタは、成膜速度が大きい利点を有する反面、酸素等の反応性ガスの導入量のわずかな変化により膜質が変化する場合がある。一方、酸化物ターゲットを用いれば、酸素導入量等の成膜条件が変化した場合であっても、膜質の変化が少ないため、プライマー層の膜質が安定化する。酸化チタンや酸化錫等の導電性酸化物ターゲットを用いれば、DCスパッタにより高レートでの成膜が可能である。導電性を高めるために、少量のドーパントを添加した酸化物ターゲットを用いてもよい。
プライマー層をスパッタ成膜する際の基板温度は、-30~150℃程度であり、基板材料としてのハードコートフィルムが耐久性を有する範囲であれば特に限定されない。プライマー層をスパッタ成膜する際の圧力やパワー密度は、ターゲットの種類や、プライマー層の膜厚に応じて適宜設定可能である。
酸化物ターゲットを用いたスパッタによりプライマー層3を成膜する場合、アルゴン等の不活性ガスに加えて、酸素等の酸化性ガスを導入することが好ましい。酸素を導入することにより、スパッタ時にターゲットから脱離する酸素が補われるため、化学量論組成の酸化物薄膜が形成されやすく、透明性や化学安定性が向上する傾向がある。また、スパッタ成膜時に導入する酸素量の増大に伴って、反射防止層の密着性が向上する傾向がある。スパッタ成膜時の酸素導入量は、不活性ガス100体積部に対して、例えば0.1~100体積部程度であり、0.3体積部以上が好ましく、0.5体積部以上がより好ましい。反射防止層の密着性を高める観点から、スパッタ成膜時の酸素導入量は、不活性ガス100体積部に対して、1体積部以上が好ましく、5体積部以上がより好ましく、10体積部以上がさらに好ましく、15体積部以上または20体積部以上であってもよい。スパッタ成膜時の酸素導入量は、不活性ガス100体積部に対して、80体積部以下、70体積部以下、60体積部以下、50体積部以下、40体積部以下または30体積部以下であってもよい。
金属ターゲットを用いた反応性スパッタでは、酸素導入量が少ない場合は、酸化物が非化学量論組成となり、プライマー層の透明性が低下する場合があるが、酸化物ターゲットを用いれば、酸素を全く導入しない場合であっても酸素欠損はわずかである。透明電極を形成する場合は、酸素導入量が過度に大きいと導電性が低下する傾向があるが、プライマー層には導電性は要求されないため、酸素導入量が大きい場合でも特段の問題は生じない。むしろ、酸素導入量の増大に伴って、反射防止層の密着性が向上する傾向があり、透明電極等の導電膜を成膜する場合の一般的な条件に比べてより大きな酸素導入量でプライマー層を成膜することが好ましい。
ハードコート層と反射防止層の間にプライマー層として酸化シリコンを設けた反射防止フィルムは、プライマー層の膜質変動が大きく、密着性の低下や透明性の低下が生じやすい。酸化シリコンプライマー層の膜質変動要因の1つとして、半金属であるSiの酸化物であるSiOの組成(xの値)の緻密な制御が容易ではないことが挙げられる。
SiOは、Siターゲットを用いた反応性スパッタにより成膜されるが、わずかな成膜条件の相違に起因して組成が変化する。酸素量が少ない場合は、透明性が低下する傾向があり、酸素量が多い場合は酸素欠損を有さない(化学量論組成の)SiOが生成し、反射防止層の密着性が低下する傾向がある。酸化物ターゲットを用いる場合、完全酸化物の成膜は上記のPEM制御等により反応をモニタしながら酸素量を適切に制御できるが、非化学量論組成の酸化物の成膜では、薄膜に取り込まれる酸素量が一定となるように制御することが容易ではなく、特性のバラつきが生じやすい。
上記のように、酸化物ターゲットを用いて金属酸化物プライマー層を成膜する場合は、酸素量のズレに起因する特性変化が生じ難く、酸素量の微細な調整を必要としない。そのため、反射防止層の密着性等の品質が安定した反射防止フィルムの提供が可能となる。
[防汚層]
反射防止フィルムは、反射防止層5上に、付加的な機能層を備えていてもよい。反射防止層5の最表面の低屈折率層54として酸化シリコン層が配置されている場合は、酸化シリコンの濡れ性が高く、指紋や手垢等の汚染物質が付着しやすい。そのため、外部環境からの汚染防止や、付着した汚染物質の除去を容易とする等の目的で、反射防止層5上に防汚層(不図示)を設けてもよい。
反射防止フィルムの表面に防汚層を設ける場合は、界面での反射を低減する観点から、反射防止層5の最表面の低屈折率層54と防汚層との屈折率差が小さいことが好ましい。防汚層の屈折率は、1.6以下が好ましく、1.55以下がより好ましい。防汚層の材料としては、フッ素基含有のシラン系化合物や、フッ素基含有の有機化合物等が好ましい。防汚層は、リバースコート法、ダイコート法、グラビアコート法等のウエット法や、CVD法等のドライ法等により形成できる。防汚層の厚みは、通常、1~100nm程度であり、好ましくは2~50nm、より好ましくは3~30nmである。
[反射防止フィルムの使用形態]
反射防止フィルムは、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の表面に配置して用いられる。例えば、液晶セルや有機ELセル等の画像表示媒体を含むパネルの視認側表面に反射防止フィルムを配置することにより、外光の反射を低減して、画像表示装置の視認性を向上できる。
反射防止フィルムを他のフィルムと積層してもよい。例えば、フィルム基材10のハードコート層非形成面に、偏光子を貼り合わせることにより、反射防止層付き偏光板を形成できる。
偏光子としては、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。中でも、高い偏光度を有することから、ポリビニルアルコールや、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて所定方向に配向させたポリビニルアルコール(PVA)系偏光子が好ましい。
偏光子の表面には、偏光子の保護等を目的として透明保護フィルムが設けられていてもよい。透明保護フィルムは、偏光子の一方の面にのみ貼り合わせられていてもよく、両面に貼り合わせられていてもよい。一般には、偏光子の反射防止フィルム付設面と反対側の面に透明保護フィルムが設けられる。偏光子の反射防止フィルム付設面では、反射防止フィルムが透明保護フィルムとしての機能を兼ね備えるため、透明保護フィルムを設ける必要はないが、偏光子と反射防止フィルムとの間に、透明保護フィルムが設けられていてもよい。
透明保護フィルムの材料としては、透明フィルム基材の材料として前述したものと同様の材料が好ましく用いられる。偏光子と透明フィルムとの貼り合わせには、接着剤を用いることが好ましい。接着剤としては、アクリル系重合体、シリコン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系ポリマー、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマー等をベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。PVA系偏光子の接着には、ポリビニルアルコール系の接着剤が好ましく用いられる。
[反射防止フィルム以外の積層体]
以上、フィルム基材のハードコート層上にプライマー層を介して無機薄膜として反射防止層を備える反射防止フィルムの実施形態について説明したが、上記のプライマー層は、反射防止層以外の無機薄膜を備える積層体においても、密着性および耐候性向上に寄与し得る。
無機薄膜の材料としては、金属や金属化合物(金属または半金属の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物等)等が挙げられる。無機薄膜は、導電性でも絶縁性でもよく、半導体でもよい。無機薄膜の膜厚(複数の薄膜を含む場合は合計膜厚)は、例えば1nm~1μm程度であり、薄膜の種類や積層体の機能等に応じて、適宜に調整すればよい。
以下に、ハードコート層と反射防止層の間にプライマー層を設けた反射防止フィルムの具体例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
[ハードコートフィルムの作製]
紫外線硬化性アクリル系樹脂組成物(DIC製、商品名「GRANDIC PC-1070」、波長405nmにおける屈折率:1.55)に、樹脂成分100重量部に対するシリカ粒子の量が25重量部となるように、オルガノシリカゾル(日産化学社製「MEK-ST-L」、シリカ粒子(無機フィラー)の平均一次粒子径:50nm、シリカ粒子の粒子径分布:30nm~130nm、固形分30重量%)を添加して混合し、ハードコート層形成用組成物を調製した。
厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、上記の組成物を、乾燥後の厚みが6μmとなるように塗布し、80℃で3分間乾燥した。その後、高圧水銀ランプを用いて、積算光量200mJ/cmの紫外線を照射し、塗布層を硬化させハードコート層を形成した。
[反射防止フィルム1]
<表面処理>
0.5Paの真空雰囲気下でハードコートフィルムを搬送しながら、放電電力1.0kWにてハードコート層の表面にアルゴンプラズマ処理を行った。
<プライマー層および反射防止層の形成>
プラズマ処理後のハードコートフィルムをロールトゥーロール方式のスパッタ成膜装置に導入し、槽内を1×10-4Paまで減圧した後、フィルムを走行させながら、基板温度-8℃で、4nmのSiOプライマー層、16nmのNb層、19nmのSiO層、102nmのNb層および71nmのSiO層を、ハードコート層形成面に順に成膜した。
SiOプライマー層の形成には、Siターゲットを用い、アルゴン100体積部に対して20体積部の酸素を導入しながら、圧力0.2Pa、電力密度0.5W/cmの条件でDCスパッタ成膜を行った。
SiO層(低屈折率層)の成膜にはSiターゲット、Nb層(高屈折率層)の形成にはNbターゲットを用い、アルゴン流量400sccm、圧力0.25Paで成膜を行った。SiO層の成膜およびNb層の成膜においては、プラズマ発光モニタリング(PEM)制御により、成膜モードが遷移領域を維持するように導入する酸素量を調整した。
[反射防止フィルム2]
反射防止フィルム1の作製と同様に、ハードコートフィルムの作製およびアルゴンプラズマによる表面処理を行った。プラズマ処理後のハードコートフィルムをロールトゥーロール方式のスパッタ成膜装置に導入し、槽内を1×10-4Paまで減圧した後、フィルムを走行させながら、基板温度-8℃で、6nmのTiOプライマー層、16nmのNb層、19nmのSiO層、102nmのNb層および71nmのSiO層を、ハードコート層形成面に順に成膜した。
TiOプライマー層の形成には、酸化チタンターゲットを用い、アルゴン100体積部に対して6体積部の酸素を導入しながら、圧力0.2Pa、電力密度0.5W/cmの条件でDCスパッタ成膜を行った。SiO層およびNb層は、反射防止フィルム1と同条件で成膜した。
[反射防止フィルム3~7]
プライマー層の形成に用いる酸化物ターゲットを、酸化錫(SnO)、酸化モリブデン(WO)、酸化クロム(CrO)、酸化ニッケル(NiO)、および酸化亜鉛(ZnO)に変更し、成膜時の酸素導入量および膜厚を表1に示す様に変更した。これらの変更以外は、反射防止フィルム2の作製と同様にして、ハードコート層上に、プライマー層を介して反射防止層を備える反射防止フィルムを作製した。
[反射防止層の密着性の評価]
<促進耐候試験>
反射防止フィルムのハードコートフィルム側の面(反射防止層非形成面)を、アクリル系透明粘着剤を介してガラス板上に貼り合わせ、スガ試験機製「紫外線フェードメーターU48」を用いて、温度40℃、湿度20%、放射強度(300~700nm積算照度)500±50W/mの条件で500時間の促進耐候試験を実施した。
<密着性の評価>
促進耐候試験を実施していない試料および促進耐候試験後の試料のそれぞれについて、反射防止層表面に1mm間隔で切り目を入れ、100マスの碁盤目を形成した。次いで、反射防止層の表面が乾燥しないように、イソプロピルアルコール2mLを連続的に滴下し、20mm角のSUS製治具に固定したポリエステルワイパー(サンプラテック製「アンティコンゴールド」)を碁盤目上で摺動させた(荷重:1.5kg、1000往復)。反射防止層がマスの面積の1/4以上の領域で剥離している碁盤目の個数をカウントし、以下の基準に従い、密着性を評価した。
A:剥離碁盤目数が10個以下
B:剥離碁盤目数が11~50個
C:剥離碁盤目数が51個以上
反射防止フィルム1~7のそれぞれについて、プライマー層の金属種、プライマー層成膜時の酸素導入量(アルゴンに対する体積比)およびプライマー層の膜厚、ならびに促進耐候試験前後の反射防止層の密着性の評価結果を表1に示す。
Figure 2022179907000002
反射防止フィルム1~7は、促進耐候試験前は、いずれも反射防止層が良好な密着性を示した。シリコンターゲットを用いた反応性スパッタによりSiOプライマー層を形成した反射防止フィルム1は、促進耐候試験後に著しい密着性の低下がみられた。なお、プライマー層成膜時の酸素導入量を、アルゴン100体積部に対して3体積部に変更してSiOx(x<2)プライマー層を成膜した試料(表1にデータ不掲載)では、促進耐候試験後も反射防止層が良好な密着性を示したが、透過率の低下がみられた。
プライマー層として酸化チタン(Ti-OのD 298=666kJ/mol)を成膜した反射防止フィルム2は、促進耐候試験後も、反射防止層が良好な密着性を示した。プライマー層として酸化錫(Sn-O:D 298=528kJ/mol)を成膜した反射防止フィルム3およびプライマー層として酸化タングステン(W-O:D 298=720kJ/mol)を成膜した反射防止フィルム4も、同様であった。
プライマー層として酸化クロム(Cr-O:D 298=461kJ/mol)を成膜した反射防止フィルム5は、反射防止フィルム2~4と比較すると、促進耐候試験後の反射防止層の密着性の低下がみられた。プライマー層として酸化ニッケル(Ni-O:D 298=461kJ/mol)を成膜した反射防止フィルム5、およびプライマー層として酸化亜鉛(Zn-O:D 298<250kJ/mol)を成膜した反射防止フィルム6は、促進耐候試験後に著しい密着性の低下がみられた。
以上の結果から、ハードコート層上に、プライマー層として、酸素との結合解離エネルギーが大きい金属元素の酸化物薄膜を形成し、その上に反射防止層等の無機薄膜を形成することにより、耐候試験後も無機薄膜の密着性が高い積層体が得られることが分かる。
1 ハードコートフィルム
10 フィルム基材
11 ハードコート層
3 プライマー層
5 反射防止層
51,53 高屈折率層
52,54 低屈折率層
100 反射防止フィルム

Claims (10)

  1. フィルム基材の一主面上にハードコート層を備えるハードコートフィルムと;前記ハードコート層上に接して設けられたプライマー層と;前記プライマー層上に接して設けられた無機薄膜とを備える積層体であって、
    前記プライマー層は金属酸化物薄膜であり、
    前記金属酸化物の金属元素として、温度298Kにおける金属-酸素間の結合解離エネルギーが450~780kJ/molである金属を含む、
    積層体。
  2. フィルム基材の一主面上にハードコート層を備えるハードコートフィルムと;前記ハードコート層上に接して設けられたプライマー層と;前記プライマー層上に接して設けられた無機薄膜とを備える積層体であって、
    前記プライマー層は金属酸化物薄膜であり、
    前記金属酸化物の金属元素として、Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,AlおよびSnからなる群から選択される1種以上を含む、
    積層体。
  3. 前記プライマー層の厚みが0.5~30nmである、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記ハードコート層が、バインダー樹脂および微粒子を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記ハードコート層が、バインダー樹脂および粒子径10~100nmのナノ粒子を含み、
    前記バインダー樹脂100重量部に対する前記ナノ粒子の含有量が20~100重量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記無機薄膜が、屈折率が異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記反射防止層を構成する複数の薄膜がいずれも無機酸化物薄膜である、請求項6に記載の積層体。
  8. 画像表示媒体の視認側表面に、請求項6または7に記載の積層体が配置されている、画像表示装置。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
    ハードコート層上に、酸化物ターゲットを用いたスパッタ法によりプライマー層を形成する、積層体の製造方法。
  10. 前記プライマー層上に、反応性スパッタにより無機薄膜を形成する、請求項9に記載の積層体の製造方法。

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