JP2022179901A - 電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱部品を効率的に冷却可能な電気機器を提供する。【解決手段】内部が密閉空間CSとされた筐体10と、筐体10の内部に貯溜された液体冷媒20Lと、液体冷媒20L中に浸漬され、通電によって発熱する少なくとも1つの発熱部品30と、を備える電気機器1において、筐体10の内部における液体冷媒20Lの上方に、発熱部品30からの発熱によって液体冷媒20Lが気化した気化冷媒20Gが放出される気相空間GSを形成し、気相空間GSに接する筐体10の冷却壁部15Aに、筐体10の内部から熱を吸収して筐体10の外部に放熱する熱交換機構50を設け、前記冷却壁部15Aに連なる前記筐体の側壁17と、前記発熱部品30との間には、上下方向に延在するガイド部材40を設ける。密閉空間CSの内部において、ガイド部材40の上方には、少なくとも気化冷媒20Gが流通可能な連通路P1を形成し、ガイド部材40の下方には、液体冷媒20Lが流通可能な流路P2を形成する。【選択図】図1

Description

本開示は、電気機器に関する。
従来、電気機器の一例として、入力された直流の電圧を所定レベルの直流の電圧に変換して出力する電力変換装置等が知られている。電力変換装置は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載される。電力変換装置等の電気機器に用いられる電子部品は、通電に伴って発熱する発熱部品であり発熱量も比較的大きい。発熱部品の冷却が良好に行われなければ、電気機器全体が高温となって性能が低下する可能性がある。
発熱部品を冷却する手段として、例えば下記特許文献1には、沸騰冷却装置が開示されている。この沸騰冷却装置では、液体冷媒を貯溜する冷却容器の受熱壁に発熱部品を取り付け、発熱部品からの受熱によって液体冷媒を沸騰させる。冷却容器には、冷媒貯溜部と冷媒凝縮部が形成されており、冷却容器の開口部に、吸熱部及び放熱部を有する熱交換体が挿入される。吸熱部は冷却容器の冷媒凝縮部の内部に配置され、沸騰した液体冷媒は、吸熱部に熱を伝えて凝縮する。吸熱部に伝えられた熱は、熱交換体を介して放熱部から放熱される。このように、液体冷媒を沸騰させながら熱交換が行われることにより、発熱部品が効率的に冷却される。
特開2012-167866号公報
上記沸騰冷却装置では、発熱部品の熱は受熱壁を通して液体冷媒に伝えられる。ここで、発熱部品を液体冷媒に浸漬して沸騰冷却を行うことができれば、冷却効率のさらなる向上が期待できる。このような冷却を実現する上では、液体冷媒を貯溜する筐体中において、液体冷媒の沸騰(発熱部品からの受熱)、気化冷媒の凝縮(熱交換部材への伝熱)、凝縮された液体冷媒の還流、を含む冷媒の循環が滞りなく行われるように、冷媒の流れを整えることが重要となる。
本明細書に開示される技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、液体冷媒の沸騰現象を利用して効率的に発熱部品を冷却可能な電気機器を提供することを目的とする。
本開示に係る電気機器は、内部が密閉空間とされた筐体と、前記筐体の内部に貯溜された液体冷媒と、前記液体冷媒中に浸漬され、通電によって発熱する少なくとも1つの発熱部品と、を備え、前記筐体の内部において前記液体冷媒の上方には、前記発熱部品からの発熱によって前記液体冷媒が気化した気化冷媒が放出される気相空間が形成され、前記気相空間に接する前記筐体の冷却壁部には、前記筐体の内部から熱を吸収して前記筐体の外部に放熱する熱交換機構が設けられ、前記冷却壁部に連なる前記筐体の側壁と、前記発熱部品との間には、上下方向に延在するガイド部材が設けられ、前記密閉空間の内部において、前記ガイド部材の上方には、少なくとも前記気化冷媒が流通可能な連通路が形成され、前記ガイド部材の下方には、前記液体冷媒が流通可能な流路が形成されている。
本開示によれば、発熱部品を効率的に冷却可能な電気機器を提供できる。
図1は、実施形態に係る電気機器の筐体内部の構成を模式的に示した斜視図である。 図2は、電気機器の筐体内部の構成を模式的に示した側面図である。 図3は、電気機器の筐体内部を真空にする工程を示す説明図である。 図4は、電気機器の筐体内部に液体冷媒を注入する工程を示す説明図である。 図5Aは、電気機器の筐体内部に密閉空間を形成する工程において、筐体内部に接続されたパイプのバルブを閉止した様子を示す説明図である。 図5Bは、電気機器の筐体内部に密閉空間を形成する工程において、図5Aで閉止したバルブよりも筐体側の位置においてパイプを加締め、閉塞した様子を示す説明図である。 図5Cは、電気機器の筐体内部に密閉空間を形成する工程において、図5Bで加締めた部分よりも外側の位置においてパイプを切断した様子を示す説明図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様が列挙されて説明される。
(1)本開示に係る電気機器は、内部が密閉空間とされた筐体と、前記筐体の内部に貯溜された液体冷媒と、前記液体冷媒中に浸漬され、通電によって発熱する少なくとも1つの発熱部品と、を備え、前記筐体の内部において前記液体冷媒の上方には、前記発熱部品からの発熱によって前記液体冷媒が気化した気化冷媒が放出される気相空間が形成され、前記気相空間に接する前記筐体の冷却壁部には、前記筐体の内部から熱を吸収して前記筐体の外部に放熱する熱交換機構が設けられ、前記冷却壁部に連なる前記筐体の側壁と、前記発熱部品との間には、上下方向に延在するガイド部材が設けられ、前記密閉空間の内部において、前記ガイド部材の上方には、少なくとも前記気化冷媒が流通可能な連通路が形成され、前記ガイド部材の下方には、前記液体冷媒が流通可能な流路が形成されている。
上記(1)の構成によれば、ガイド部材により、筐体内部の密閉空間中に冷媒沸騰部、冷媒凝縮部、冷媒還流部が分離形成される。すなわち、筐体内の中央部において液体冷媒及び気化冷媒を含んで上昇する気液二相流と、側壁近傍において液体冷媒が下降する液相流が、ガイド部材によって分離され、筐体の内部を冷媒がスムーズに循環する。このように循環する冷媒を介して、発熱部品からの熱は、熱交換機構に伝えられ、滞りなく筐体の外部に放熱される。この結果、上記構成の電気機器では、発熱部品を効率的に冷却することができる。
(2)本開示に係る電気機器は、前記筐体の内部に配された回路基板をさらに備え、前記発熱部品は、前記回路基板の板面である2つの基板面のうち少なくとも一方の基板面上に実装され、前記回路基板は、前記基板面の法線が水平となる姿勢で配されていることが好ましい。
上記(2)の構成によれば、上下方向に延在するガイド部材に加え、基板面が上下方向に延在する起立姿勢で筐体の内部に配された回路基板も、冷媒の流れを整える整流板として機能する。この結果、筐体の内部において冷媒が一層スムーズに循環し、発熱部品が効率的に冷却される。
(3)本開示に係る電気機器は、一方向に長い長手状に形成されたバスバーをさらに備え、前記バスバーは、当該バスバーの長手方向が上下方向となる姿勢で前記回路基板上に実装されていることが好ましい。
上記(3)の構成によれば、バスバーも冷媒の流れを整える整流板として機能する。この結果、冷媒の流れが一層スムーズとなり、発熱部品がさらに効率的に冷却される。
(4)前記発熱部品は、当該発熱部品の外面において下側に位置する平らな下側外平面を有し、前記下側外平面が前記基板面の法線方向から視て傾斜する姿勢で、前記基板面上に実装されていることが好ましい。
上記(4)の構成によれば、発熱部品の外面を構成する平面が当該発熱部品の下側に位置している場合、すなわち発熱部品が下側外平面を有している場合であっても、この下側外平面が傾斜した態様で配されるため、気化冷媒は下側外平面の傾斜に沿って発熱部品の周囲を上昇する。この結果、気化冷媒が滞留して発熱部品の冷却が妨げられる事態の発生を低減できる。
(5)本開示に係る電気機器は、複数の前記発熱部品を備え、前記発熱部品は、一方の前記基板面及び他方の前記基板面の両基板面上に実装されていることが好ましい。
上記(5)の構成によれば、回路基板における発熱部品の実装密度を向上させ、電気機器の小型化を図ることができる。
(6)前記ガイド部材の上端部は、上方に向かって前記側壁から離隔する方向に傾斜していることが好ましい。
上記(6)の構成によれば、冷媒沸騰部から冷媒凝縮部へ、すなわち発熱部品の上方から冷却壁部近傍へ向かう気化冷媒の流れを妨げることなく、冷媒凝縮部で凝縮されて滴下する液体冷媒を、ガイド部材の上端部によって広い範囲で受け止めて、側壁近傍の冷媒還流部へ導くことができる。
(7)前記筐体は、前記側壁と上壁とを傾斜しつつ連結する傾斜壁を有し、前記冷却壁部は、前記傾斜壁に設けられていることが好ましい。
上記(7)の構成によれば、気化冷媒が冷却壁部に接し凝縮することによって生じた液体冷媒の多くが、傾斜壁及び側壁を伝って冷媒還流部へ導かれる。
(8)前記気相空間は、真空とされていることが好ましい。
ここで、「真空」とは、日本工業規格において定義されているように、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態をいうものとする。上記(8)の構成によれば、液体冷媒の沸点を常圧下よりも降下させ、液体冷媒の沸騰効率ひいては発熱部品の冷却効率を、向上させることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態が説明される。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<実施形態>
本開示の実施形態が図1から図5Cを参照しつつ説明される。以下の説明では、図2における上側を上とし、図2における左側を前とし、図2における紙面奥側を左として説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
(電気機器1)
本実施形態では、自動車等の車両に搭載される電気機器1について例示する。電気機器1は、特に限定されないが、例えば入力された直流の電圧を所定レベルの直流の電圧に変換して出力するスイッチング型のDC-DCコンバータ(直流電圧変換装置)を含む機器であって、周知の回路構成を有する。電気機器1は、例えば、直流電圧を交流電圧に変換する第1のコンバータ、交流電圧の変圧を行うトランス(変圧器)、交流電圧を直流電圧に変換する第2のコンバータを備え、出力電圧を整える整流回路や、共振回路、平滑回路等を有して構成される。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る電気機器1は、筐体10と、筐体10の内部に配される回路基板60と、を備える。回路基板60には、上記した回路を構成する電子部品等の発熱部品30が取り付けられる。電気機器1は、図2に示すような、回路基板60の基板面61の法線が水平となる姿勢で、車両に搭載される。なお、水平とは、回路基板60の基板面61の法線が水平である場合を含むとともに、水平でなくとも実質的に水平と認定しうる場合も含む。
(筐体10)
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る筐体10は、全体として直方体深箱状の概形をなす。より詳しくは、長方形状の下壁11の周縁から立ち上がる前壁19F、後壁19B、左側壁17L、右側壁17Rと、前壁19F及び後壁19Bに連なる上壁13と、左側壁17Lもしくは右側壁17Rと上壁13との間に位置する2つの傾斜壁15と、を有する。傾斜壁15は、上壁13の左右縁から、下方に向かって互いに離隔する方向に傾斜しつつ延びて、左側壁17Lもしくは右側壁17Rの上縁に連結されている。以下、左側壁17Lと右側壁17Rを、まとめて側壁17と称することがある。上壁13は、下壁11よりひと回り小さい長方形状をなす。上壁13は、前後方向の寸法が下壁11と等しい反面、左右方向の寸法は下壁11よりも小さく、上方から視て上壁13の中心は下壁11の中心に重畳する。換言すれば、側壁17及び傾斜壁15は、長方形状をなし、前壁19F及び後壁19Bは、長方形の上辺に等脚台形の底辺を重ねた平面形状をなす。
筐体10は、この内部に密閉空間CSを形成しており、基本的に、筐体10の内部と外部との間を液体及び気体が流通しないものとされている。
筐体10を構成する計8つの各壁は、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属を含む材料で形成できる。金属の中でも、アルミニウムやアルミニウム合金のように熱伝導率の高い金属を含む材料で形成されていることが好ましく、ステンレス鋼の表面に銅めっきやニッケルめっきを施したものを用いてもよい。本実施形態では、後述するように傾斜壁15の一部が冷却壁部15Aとして機能するため、熱交換機構50の熱交換効率ひいては発熱部品30の冷却効率を向上させる観点から、特に傾斜壁15に銅合金の板材を用いたり、傾斜壁15の一部もしくは全部に銅めっきを施したりすることが好ましい。
(熱交換機構50)
図1及び図2に示されるように、筐体10の傾斜壁15には、熱交換機構50が付設されている。熱交換機構50は、特に限定されるものではなく、筐体10の内部から熱を吸収して筐体10の外部に放熱可能なものであればよい。本実施形態では、冷却水等を循環させる冷却管51が配設した箱体を、熱伝導率の高い金属で形成された傾斜壁15の外面に取り付けることで、熱交換を行う構造を例示している。傾斜壁15において箱体が取り付けられた部分が、冷却壁部15Aとされる。このような構造のほか、傾斜壁15の外部に放熱フィンを付設し、ヒートシンクとして機能させるように構成してもよい。本実施形態に係る熱交換機構50では、筐体10内部の熱は、傾斜壁15の冷却壁部15Aを介して冷却管51内の冷却水等に伝えられ、冷却水等が循環することによって筐体10の外部に放熱される。これにより、冷却壁部15A及びこの近傍の温度は、他の壁近傍よりも低温に維持される。
(冷媒20)
筐体10の内部には、冷媒20が注入されている。以下、冷媒20のうち、液状のものを液体冷媒20L、気体状のものを気化冷媒20Gと称する。冷媒20としては、例えばパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロケトン、フッ素系不活性液体、水、メタノールやエタノール等のアルコール、からなる群から選ばれる1つ又は複数を使用できる。発熱部品30同士の発熱部品30同士の間隔を小さくして電気機器1の小型化を図る観点から、冷媒20は、絶縁性であって、単位体積当たりの塵埃粒子の含有量が低く、大きな絶縁耐圧を有することが好ましい。また、冷却効率の向上を図る観点から、冷媒20は、比較的低い沸点を有することが好ましい。
図1及び図2に示されるように、筐体10内に貯溜された液体冷媒20Lの上方には、気相空間GSが形成されている。すなわち、筐体10の内部には、液体冷媒20Lとして密閉空間CSを完全に満たすことのない量の冷媒20が注入されている。液体冷媒20Lが発熱部品30から受熱することによって生じた気化冷媒20Gは、液体冷媒20L中を上昇し、気相空間GSに放出される。傾斜壁15の冷却壁部15Aは、筐体10内に貯溜された液体冷媒20Lの液面よりも上方において、気相空間GSと接する位置に設けられている。なお、本実施形態では、回路基板60全体がこの中に浸漬する量の液体冷媒20Lが筐体10内に貯溜されているが、必ずしも回路基板60全体が液体冷媒20L中に常に浸漬されていることを要するものではない。筐体10の内部に複数の発熱部品30が配されている場合、一部の発熱部品30が液体冷媒20L中に浸漬されていればよいが、筐体の下部に配置する発熱量の大きなスイッチング素子やコイルが浸漬されていることが好ましく、全ての発熱部品30が常に液体冷媒20L中に浸漬されていることがさらに好ましい。発熱部品30を液体冷媒20L中に浸漬することにより、発熱部品30を液体冷媒20Lによって直接冷却できるからである。
(回路基板60)
図1及び図2に示されるように、筐体10の内部には、長方形平板状の回路基板60が収容されている。回路基板60は、例えば絶縁材料からなる絶縁板の実装面に、プリント配線技術によって導電路が形成された周知の構成の平板状部材である。導電路は、例えば銅等の金属を含む材料で形成される。電気機器1において、回路基板60は、当該回路基板60の板面である2つの基板面61の法線が水平となる姿勢で、筐体10の内部に配されている。換言すれば、回路基板60は、基板面61が鉛直方向に延びたいわゆる起立姿勢で、筐体10の内部に収容されている。
図1に示されるように、本実施形態では、筐体10の内部に収容された回路基板60の左縁、右縁、上縁と、筐体10の左側壁17L、右側壁17R、上壁13の内面との間に、それぞれ液体冷媒20Lが流通可能な隙間が形成されている。また、図2に示されるように、本実施形態では、回路基板60の2つの基板面61のうち、前側に位置する一方の基板面61A及び後側に位置する他方の基板面61Bの両面が実装面とされており、回路基板60の両基板面61A,61B上に、発熱部品30が実装されている。また、図1及び図2に示されるように、両基板面61A,61Bの左右方向中央位置には、後述するバスバー70が上下に延びるように配されている。本実施形態では、一方の基板面61Aに実装された発熱部品30の配置と、他方の基板面61Bに実装された発熱部品30の配置は異なっている。
(発熱部品30)
図1及び図2に示されるように、回路基板60の基板面61上には、種々の発熱部品30が実装されている。発熱部品30は、半田付け等の公知の手法によって既知の態様で、回路基板60の実装面である基板面61上に実装され、基板面61上に金属を含む材料によって形成された導電路と電気的に接続されている。基板面61上に実装された発熱部品30同士の間、並びに、発熱部品30と筐体10の各壁の内面との間には、それぞれ液体冷媒20Lが流通可能な隙間が形成されている。発熱部品30には、例えば抵抗、コイル、コンデンサ、ヒューズ、リレー、ダイオード、IC(Integrated Circuit)や、FET(Field Effect Transistor)等のスイッチング素子等が含まれる。図1及び図2には、発熱部品30として、スイッチング素子であるFET30Aや、コイル30B、抵抗30Cを示している。
発熱部品30は、筐体10内の下部側に配される。図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る回路基板60は、両基板面61A,61B上に複数の発熱部品30を有しており、複数の発熱部品30は、全体的に基板面61の下寄りの位置に実装されている。発熱部品30を筐体10内の下部側に配することで、冷媒20の対流が生じ易くなって熱分散性が向上する。特に、FET30Aは、DC-DCコンバータである電気機器1に含まれる多様な発熱部品30の中でも通電時の発熱量が特に大きく比較的小型であるため、液体冷媒20L中に浸漬することで、効率的に冷却できる。本実施形態では、素子が内蔵された直方体浅箱状の本体部と、本体部から突出する3つの端子とを有する三端子型のFET30Aや、直方体浅箱状の外箱に内蔵されたコイル30Bを用いるが、FET30Aやコイル30Bがこのような形状に限定されるものではない。
図1に示されるように、本実施形態では、基板面61A上において後述するバスバー70の左側に実装される4つのFET30Aは、左右方向について互いに重畳しない位置に配されている。本実施形態では、これら4つのFET30Aは、上下方向についても互いに重畳しない位置に配されている。このように配置すれば、FET30A同士の間隔を大きくとることができるため、冷却効率の観点から好ましい。また、基板面61A上においてバスバー70の右側に実装される4つのFET30A、並びに、FET30Aの上方に実装されるコイル30Bは、直方体浅箱状に形成された本体部や外箱が、基板面61Aの法線方向となる前方から視て、傾斜した姿勢で実装されている。より詳しくは、例えばコイル30Bは、図1に示すように、外面において当該コイル30Bの下側に位置するフラットな2つの下側外平面31を有するが、一の下側外平面31Aが左下方を向き、他の下側外平面31Bが右下方を向く姿勢で、実装される。
(バスバー70)
図1及び図2に示されるように、回路基板60の両基板面61A,61Bには、バスバー70が配設されている。バスバー70は、金属板材をプレス成形又はフォーミング加工することによって一方向に長い長手平板状に形成した導電部材である。バスバー70には、例えば熱伝導率の高い銅を含む材料で形成されたもの等を使用できる。図1及び図2に示されるように、バスバー70は、長手方向が上下方向に一致し、基板面61に対して板面が垂直になるように基板面61上に配され、基板面61上に形成された導電路に電気的に接続される。なお、図2に示されるように、一方の基板面61A上に実装されたバスバー70の前端縁と筐体10の前壁19Fの内面との間、他方の基板面61B上に実装されたバスバー70の後端縁と後壁19Bの内面との間、さらに下端縁と下壁11の内面との間には、液体冷媒20L及び気化冷媒20Gが流通可能な隙間が形成されている。
図1に示されるように、本実施形態では、バスバー70は両基板面61A,61Bにおいて、左右方向の中心位置に配されており、例えば図1に示す一方の基板面61A上には、バスバー70の左側に4つのFET30Aが実装され、バスバー70の右側にコイル30B、抵抗30C、及び4つのFET30Aが実装されている。これにより、発熱量が特に大きな複数の発熱部品30が、基板面61A上においてバスバー70の左右に分かれた状態で配される。バスバー70も発熱部品30と同じく、基板面61に形成された導電路に電気的に接続される。すなわち、両基板面61A,61B上に実装された発熱部品30とバスバー70は、金属を含んで形成された導電路を介して互いに接続されている。
(ガイド部材40)
さて、筐体10の側壁17と発熱部品30との間には、全体として上下方向に延在するガイド部材40が設けられている。ガイド部材40は、例えばポリカーボネート等の耐熱性の高い樹脂からなる樹脂板や金属板等により形成できる。ガイド部材40は、基本的に、液体冷媒20L及び気化冷媒20Gが透過し難いように形成される。図1及び図2に示されるように、ガイド部材40は、回路基板60の基板面61の左右の側縁に沿って配設される。これにより、基板面61上における発熱部品30の実装面積をできるだけ大きく確保できる。そして、例えば図1に示されるように、基板面61上に実装された発熱部品30は、左側のガイド部材40と右側のガイド部材40によって左右を挟まれた状態となる。左右一対のガイド部材40,40の中央に、バスバー70が上下方向に延在する。
図1及び図2に示されるように、筐体10内に形成された密閉空間CSにおいて、ガイド部材40の上方には、上壁13とガイド部材40の上端部との間に、少なくとも気化冷媒20Gが流通可能な連通路P1が形成されている。本実施形態では、回路基板60の側縁に沿って配設されたガイド部材40の上端が、液体冷媒20Lの液面より下方に位置しており、連通路P1のうちガイド部材40の上端部と液体冷媒20Lの液面との間を、液体冷媒20L及び気化冷媒20Gが流通可能である。連通路P1のうち上壁13と液体冷媒20Lの液面との間の気相空間GSを、気化冷媒20Gが流通する。
また、図1及び図2に示されるように、筐体10内に形成された密閉空間CSにおいて、ガイド部材40の下方には、下壁11とガイド部材40の下端部との間に、液体冷媒20Lが流通可能な流路P2が形成されている。本実施形態では、回路基板60の側縁に沿って配設されたガイド部材40の下端が、回路基板60の下端よりも上方に位置し、ガイド部材40の下端部が、下壁11との間に隙間を空けて配されている。流路P2を構成するこの隙間を、液体冷媒20L及び気化冷媒20Gが流通可能である。
ガイド部材40は、発熱部品30の上方に位置する上端部40Tが、上方に向かって前記側壁から離隔する方向に、換言すれば基板面61の左右方向中央に向かって発熱部品30側に、傾斜されている。一対のガイド部材40,40の上端の間、並びに、各ガイド部材40の上端とバスバー70との間には隙間が形成されており、液体冷媒20L及び気化冷媒20Gがガイド部材40の上端よりも上方へ移動可能とされている。
(電気機器1の製造方法(真空な密閉空間CSの形成及び冷媒20の注入))
続いて、本実施形態に係る電気機器1の製造方法の一例について、図3から図5Cを参照しつつ説明する。既知の方法により作製された発熱部品30及びバスバー70は、既知の方法によって回路基板60の基板面61上に既述したように実装される。また、基板面61上には、ガイド部材40が既述したように設けられる。発熱部品30、バスバー70、及びガイド部材40が配設された回路基板60は、密閉空間CSを形成する筐体10の内部に、既述した姿勢で配設される。電気機器1を製造するに当たっては、図3等に示すように、筐体10に、筐体10の内部と外部とを空気及び液体冷媒20Lが流通可能に連結する配管101を接続しておく。
図3及び図4に示すように、配管101には、複数のバルブV1~V7が設けられており、コールドトラップ(CT)103及び真空ポンプ(P)104に接続された吸気配管101Aと、液体冷媒20Lを貯溜した貯液タンク105に接続された給液配管101Bと、に分岐されている。分岐点よりも筐体10側に位置するバルブV1からV3を開き、分岐点よりも筐体10から離れた側において吸気配管101Aに設けられたバルブV4を開くと、吸気配管101Aが筐体10の内部と連通される。また、分岐点よりも筐体10側に位置するバルブV1からV3を開き、分岐点よりも筐体10から離れた側において給液配管101Bに設けられたバルブV6を開くと、給液配管101Bが筐体10の内部に連通される。
まず、筐体10の内部を真空引きする。図3に示すように、バルブV6,V7を閉じてバルブV1~V5を開き、真空ポンプ104を駆動する。この状態では、給液配管101Bが閉止され、吸気配管101Aのコールドトラップ103及び真空ポンプ104が、筐体10の内部に連通されている。真空ポンプ104の駆動により、図3に矢線で示すように筐体10内の空気が吸い出され、筐体10の内部が負圧となって真空とされる。
次いで、筐体10の内部に冷媒20を注入する。図4に示すように、バルブV4,V5を閉じてバルブV1~V3,V6,V7を開く。この状態では、吸気配管101Aが閉止され、貯液タンク105が筐体10の内部に連通される。先の真空ポンプ104の駆動によって筐体10内の空気が吸い出されて陰圧となっているため、図4に矢線で示すように、貯液タンク105内の液体冷媒20Lが筐体10の内部に注入される。所定量の冷媒20が筐体10の内部に注入された時点で、バルブV1~V3,V6,V7を閉じ、冷媒20の注入を終了する。
次に、配管101を閉塞して密閉空間CSを形成する。図5Aに示す配管101の最も筐体10寄りの位置に設けられたバルブV1と筐体10との間において、例えば図5Bに示すように加締め装置の加締め刃Tによって配管101を加締めて閉塞し、バルブV1を配管101から脱着する。その後、図5Cに示すように、閉塞部分よりも筐体10から離れた位置において配管101を切断し、必要に応じて切断部分を加熱溶着するなどして封止する。
以上のように、筐体10の内部に真空な密閉空間CSを形成して冷媒20を注入することで、電気機器1が製造される。
(電気機器1における冷媒20及び熱の流れ)
続いて、本実施形態の電気機器1における冷媒20及び熱の流れの一例について、再び図1及び図2を参照しつつ説明する。
電気機器1への通電が開始されると、筐体10内において液体冷媒20L中に浸漬された発熱部品30が発熱する。FET30Aやコイル30B、抵抗30C等で発生した熱は、これらに接触する液体冷媒20Lに伝達される。この熱によって液体冷媒20Lが沸騰すると、冷媒20は気化冷媒20Gとなって上昇する。また、発熱部品30の近傍において温められた液体冷媒20Lも、沸騰に至らずとも比重が小さくなり、上昇する。このように、発熱部品30の近傍で生じた気化冷媒20G及び液体冷媒20Lを含む気液二相流FLGは、さらに周囲の液体冷媒20Lをまき込みながら上昇していく。発熱部品30は左右一対のガイド部材40,40の間に配されており、ガイド部材40は気化冷媒20G及び液体冷媒20Lを透過し難いものとされているため、気液二相流FLGは、一対のガイド部材40,40に挟まれた筐体10の中央部を上昇する。本実施形態では、回路基板60及びバスバー70が、これらの板面が上下方向に延在するように配されて整流板として機能するため、気液二相流FLGは極めてスムーズに筐体10内の中央部を上昇していく。
ところで、液体中を上昇する気体は、水平な平面に下方から突き当たると、上昇できなくなって水平面の下方に滞留する。仮に、発熱部品30が、下側外平面31が水平面となる姿勢(下側外平面31の法線が上下方向に沿う姿勢)で配されていると、この下側外平面31の下方に気泡が滞留し、液体冷媒20Lに接触しない部分が生じる可能性がある。これにより、液体冷媒20Lへ熱が上手く伝わらなくなると、発熱部品30の温度が上昇して動作不良等を起こす事態を招きかねない。本実施形態に係る電気機器1では、図1に示されるように、例えば基板面61A側(筐体10の前側)におけるバスバー70の左方では、4つのFET30Aが上下に重ならない位置に配されている。よって、各FET30A付近で生じた気化冷媒20Gを含む気液二相流FLGは、他のFET30Aによって殆ど妨げられることなく上昇可能である。また、バスバー70の右側では、4つのFET30A及びコイル30Bが前方から視て斜め姿勢で配されている。よって、各FET30A付近で生じた気化冷媒20Gを含む気液二相流FLGは、他のFET30Aやコイル30Bの下方から突き当たったとしても、下側外平面31の傾斜に沿って上昇可能である。これらの結果、電気機器1では、発熱部品30近傍に気化冷媒20Gが滞留して動作不良を生じる可能性が低減される。なお、例えば本実施形態に係る抵抗30Cのように、下側外面が下方に突な曲面となっている(図2参照)発熱部品30は、他の発熱部品30(例えば図2におけるFET30A)の上方に下縁が水平となるように配されたとしても、気化冷媒20Gはこの下側外曲面に沿って上昇するため、当該発熱部品30近傍に滞留し難くなっている。
気液二相流FLGが上昇し、貯溜された液体冷媒20Lの液面に到達すると、気化冷媒20Gは気相空間GSに放出されて、気化冷媒20Gの気相流FGを生じる。気相流FGは、ガイド部材40の上方に形成された連通路P1を通って冷却壁部15Aに到達する。冷却壁部15Aは、熱交換機構50により吸熱されて低温に維持されているため、気化冷媒20Gは熱を奪われて凝縮し、液体に戻る。冷却壁部15Aに付着した液体冷媒20Lは、傾斜壁15に連なる左右の側壁17を伝って流下する。また、冷却壁部15A近傍等の気相空間GS中で凝縮し、滴下した液体冷媒20Lは、広い範囲に亘って上端部40Tの上面で受け止められ、上端部40Tの傾斜に沿って左右の側壁17近傍へと導かれる。このように生じた液体冷媒20Lを含む液相流FLは、吸熱されて比重が大きくなっているため、ガイド部材40と左右の側壁17との間を下降していく。なお、本実施形態では、ガイド部材40全体が液体冷媒20L中に浸漬されており、貯溜された液体冷媒20Lの液面がガイド部材40の上端よりも上方に位置している。一対のガイド部材40,40の間を上昇してきた気液二相流FLGが液面に到達すると、液体冷媒20Lは、さらに下方から上昇してくる気液二相流FLGに押されて、ガイド部材40の上端を越えて側壁17近傍へと移動し、液相流FLに合流して下降する。液相流FLがガイド部材40に沿って下壁11に到達すると、液体冷媒20Lはガイド部材40の下方に形成された流路P2を通って筐体10の中央部へと回り込み、冷媒20が還流される。
以上のように、冷媒20は、発熱部品30に直接接して受熱し、液体から気体へ、或いは、気体から液体へと状態を変えながら、筐体10内に形成される冷媒沸騰部、冷媒凝縮部、冷媒還流部を循環する。このような冷媒20の循環に伴い、発熱部品30に生じた熱は、冷媒20及び筐体10の冷却壁部15A等を介して、熱交換機構50により電気機器1の外部に放熱される。電気機器1では、ガイド部材40等によって冷媒20の流れが整えられ、スムーズに循環するように構成されているため、発熱部品30が極めて効率的に冷却される。
(実施形態の作用効果)
本実施形態の作用効果について、改めて説明する。
本実施形態に係る電気機器1は、内部が密閉空間CSとされた筐体10と、前記筐体10の内部に貯溜された液体冷媒20Lと、前記液体冷媒20L中に浸漬され、通電によって発熱する少なくとも1つの発熱部品30と、を備え、前記筐体10の内部において前記液体冷媒20Lの上方には、前記発熱部品30からの発熱によって前記液体冷媒20Lが気化した気化冷媒20Gが放出される気相空間GSが形成され、前記気相空間GSに接する前記筐体10の冷却壁部15Aには、前記筐体10の内部から熱を吸収して前記筐体10の外部に放熱する熱交換機構50が設けられ、前記冷却壁部15Aに連なる前記筐体の側壁17と、前記発熱部品30との間には、上下方向に延在するガイド部材40が設けられ、前記密閉空間CSの内部において、前記ガイド部材40の上方には、少なくとも前記気化冷媒20Gが流通可能な連通路P1が形成され、前記ガイド部材40の下方には、前記液体冷媒20Lが流通可能な流路P2が形成されている。
本実施形態の構成によれば、ガイド部材40によって、密閉空間CS中に冷媒沸騰部、冷媒凝縮部、冷媒還流部が分離形成される。詳しくは、以下の通りである。液体冷媒20Lは、冷媒沸騰部となる発熱部品30の近傍において、発熱部品30から受熱し沸騰して気体に変化する。これによって生じた気化冷媒20Gと温められた液体冷媒20Lを含む気液二相流FLGは、ガイド部材40に沿って上昇する。液体冷媒20Lの液面から気相空間GSに放出された気化冷媒20Gを含む気相流FGは、連通路P1を通って冷媒凝縮部となる冷却壁部15A近傍に到達する。ここで、気化冷媒20Gの熱は熱交換機構50によって吸熱され、凝縮して液体に戻る。これによって生じた液体冷媒20Lを含む液相流FLは、冷媒還流部となる側壁17の近傍をガイド部材40に沿って下降し、流路P2を通って、冷媒沸騰部であるガイド部材40の内側に下方から流れ込む。このように、筐体10内の中央部において下方から上方へと向かう気液二相流FLGと、側壁17近傍において上方から下方へと向かう液相流FLが、ガイド部材40によって分離され、筐体10の内部を冷媒20がスムーズに循環する。このように循環する冷媒20を介して、発熱部品30からの熱が熱交換機構50に伝えられ、筐体10の外部に滞りなく放熱される。この結果、電気機器1では、発熱部品30が効率的に冷却される。
本実施形態に係る電気機器1は、前記筐体10の内部に配された回路基板60をさらに備え、前記発熱部品30は、前記回路基板60の板面である2つの基板面61のうち少なくとも一方の基板面61A上に実装され、前記回路基板60は、前記基板面61の法線が水平方向に沿う姿勢で配されている。
本実施形態の構成によれば、上下方向に延在するガイド部材40に加え、基板面61が上下方向に延在する起立姿勢で筐体10の内部に配された回路基板60も、冷媒20の流れを整える整流板として機能する。この結果、筐体10の内部において冷媒20が一層スムーズに循環し、発熱部品30が効率的に冷却される。
本実施形態に係る電気機器1は、一方向に長い長手状に形成されたバスバー70をさらに備え、前記バスバー70は、当該バスバー70の長手方向が上下方向に沿う姿勢で前記回路基板60上に実装されている。
本実施形態の構成によれば、バスバー70も冷媒20の流れを整える整流板として機能する。この結果、冷媒20の流れが一層スムーズとなり、発熱部品30がさらに効率的に冷却される。
本実施形態に係る電気機器1において、前記発熱部品30は、当該発熱部品30の外面において下側に位置する下側外平面31を有し、前記下側外平面31が前記基板面61の法線方向から視て傾斜する姿勢で、前記基板面61上に実装されている。
本実施形態の構成によれば、発熱部品30の外面を構成する平面が当該発熱部品30の下側に位置している場合、すなわち発熱部品30が下側外平面31を有している場合であっても、下側外平面31が傾斜した態様で配されるため、気化冷媒20Gは下側外平面31に沿って発熱部品30の周囲を上昇する。よって、気化冷媒20Gが滞留して発熱部品30の冷却が妨げられる事態の発生を低減できる。
本実施形態に係る電気機器1は、複数の前記発熱部品30を備え、前記発熱部品30は、一方の前記基板面61A及び他方の前記基板面61Bの両基板面61上に実装されている。
本実施形態の構成によれば、回路基板60の両基板面61A,61Bに発熱部品30が実装される。これにより、隣接する発熱部品30同士の間隔を過度に狭めることなく回路基板60における発熱部品30の実装密度を向上させ、電気機器1の小型化を図ることができる。
本実施形態に係る電気機器1において、前記ガイド部材40の上端部40Tは、上方に向かって前記側壁17から離隔する方向に傾斜している。
本実施形態の構成によれば、ガイド部材40の上端部40Tが、基板面61の左右方向中央に向かって発熱部品30側に傾斜して配される。これにより、上方から滴下してきた液体冷媒20Lを広い範囲に亘って上端部40Tの上面で受け止め、側壁17側に導くことができる。
本実施形態に係る電気機器1において、前記筐体10は、前記側壁17と上壁13とを傾斜しつつ連結する傾斜壁15を有し、前記冷却壁部15Aは、前記傾斜壁15に設けられている。
本実施形態の構成によれば、気化冷媒20Gが冷却壁部15Aに接し凝縮することによって生じた液体冷媒20Lの多くが、傾斜壁15及び側壁17を伝って冷媒還流部へと導かれる。
本実施形態に係る電気機器1において、前記気相空間GSは、真空とされている。
本実施形態の構成によれば、液体冷媒20Lの沸点を常圧下よりも降下させ、液体冷媒20Lの沸騰効率ひいては発熱部品30の冷却効率を向上させることができる。
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)発熱部品30は、上記のものに限定されない。上記実施形態に記載した各発熱部品30の寸法形状や数、配置も一例に過ぎない。本実施形態では、一方の基板面61Aに実装された発熱部品30の配置と他方の基板面61Bに実装された発熱部品30の配置が異なっていたが、これに限られず、一方の基板面61Aと他方の基板面61Bにおける発熱部品30の配置が同じであってもよい。
(2)回路基板60や筐体10は、上記のような寸法形状のものに限定されない。上記実施形態では、上下の高さ寸法が左右の幅寸法より大きな縦長形状の回路基板60及び筐体10について記載した。例えば左右の幅寸法が上下の高さ寸法よりも大きい横長形状の回路基板及び筐体を用いてもよい。このようにすれば、冷却壁部の面積を大きくして、より高い冷却効率を得ることも可能である。
(3)バスバー70の形状や数、配置は、上記のようなものに限定されない。例えば複数のバスバーが、回路基板の一方の基板面及び他方の基板面の両基板面に配されていてもよい。また、複数のバスバーが、回路基板の一方の基板面もしくは両基板面において、左右方向に間隔を空けて鉛直方向に延びるように平行して並んで配されていてもよい。このようにすれば、冷媒の流れをさらに整えることができる。
(4)電気機器1は、DC-DCコンバータを含むものに限定されない。例えばAC-DCコンバータや電気接続箱、配電箱、ECU等にも、本技術は適用可能である。
1: 電気機器
10: 筐体
11: 下壁
13: 上壁
15: 傾斜壁
15A: 冷却壁部
17: 側壁
17L: 左側壁
17R: 右側壁
19B: 後壁
19F: 前壁
20: 冷媒
20G: 気化冷媒
20L: 液体冷媒
30: 発熱部品
30A: FET
30B: コイル
30C: 抵抗
31: 下側外平面
31A: (一の)下側外平面
31B: (他の)下側外平面
40: ガイド部材
40T: 上端部
50: 熱交換機構
51: 冷却管
60: 回路基板
61: 基板面
61A: (一方の)基板面
61B: (他方の)基板面
70: バスバー
101: 配管
101A: 吸気配管
101B: 給液配管
103: コールドトラップ
104: 真空ポンプ
105: 貯液タンク
CS: 密閉空間
GS: 気相空間
FG: 気相流
FL: 液相流
FLG: 気液二相流
P1: 連通路
P2: 流路

Claims (8)

  1. 内部が密閉空間とされた筐体と、
    前記筐体の内部に貯溜された液体冷媒と、
    前記液体冷媒中に浸漬され、通電によって発熱する少なくとも1つの発熱部品と、を備え、
    前記筐体の内部において前記液体冷媒の上方には、前記発熱部品からの発熱によって前記液体冷媒が気化した気化冷媒が放出される気相空間が形成され、
    前記気相空間に接する前記筐体の冷却壁部には、前記筐体の内部から熱を吸収して前記筐体の外部に放熱する熱交換機構が設けられ、
    前記冷却壁部に連なる前記筐体の側壁と、前記発熱部品との間には、上下方向に延在するガイド部材が設けられ、
    前記密閉空間の内部において、前記ガイド部材の上方には、少なくとも前記気化冷媒が流通可能な連通路が形成され、前記ガイド部材の下方には、前記液体冷媒が流通可能な流路が形成されている、電気機器。
  2. 前記筐体の内部に配された回路基板をさらに備え、
    前記発熱部品は、前記回路基板の板面である2つの基板面のうち少なくとも一方の基板面上に実装され、
    前記回路基板は、前記基板面の法線が水平となる姿勢で配されている、請求項1に記載の電気機器。
  3. 一方向に長い長手状に形成されたバスバーをさらに備え、
    前記バスバーは、当該バスバーの長手方向が上下方向となる姿勢で前記回路基板上に実装されている、請求項2に記載の電気機器。
  4. 前記発熱部品は、当該発熱部品の外面において下側に位置する平らな下側外平面を有し、前記下側外平面が前記基板面の法線方向から視て傾斜する姿勢で前記基板面上に実装されている、請求項2又は請求項3に記載の電気機器。
  5. 複数の前記発熱部品を備え、
    前記発熱部品は、一方の前記基板面及び他方の前記基板面の両基板面上に実装されている、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の電気機器。
  6. 前記ガイド部材の上端部は、上方に向かって前記側壁から離隔する方向に傾斜している、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気機器。
  7. 前記筐体は、前記側壁と上壁とを傾斜しつつ連結する傾斜壁を有し、
    前記冷却壁部は、前記傾斜壁に設けられている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電気機器。
  8. 前記気相空間は、真空とされている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電気機器。
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