JP2022179519A - 調光フィルム用光透過性導電フィルム及び調光フィルム - Google Patents

調光フィルム用光透過性導電フィルム及び調光フィルム Download PDF

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Junnosuke Murakami
俊輝 伊神
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Abstract

【課題】全光線透過率を効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗を効果的に低くし、更に導電層の表面抵抗の均一性を高めることができる調光フィルム用光透過性導電フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係る調光フィルム用光透過性導電フィルムは、調光フィルムとして用いられ、光透過性を有しかつ導電性を有し、光透過性を有する基材フィルムと、前記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層とを備え、前記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、前記導電層の厚みの標準偏差が1.0未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、調光フィルムに用いられ、光透過性を有しかつ導電性を有する調光フィルム用光透過性導電フィルムに関する。また、本発明は、上記調光フィルム用光透過性導電フィルムを用いた調光フィルムに関する。
調光フィルム等に調光材料等が用いられている。調光材料は、特定の波長の光を遮断することにより透過率を調整したり、色調を調整したりすることを目的に利用されている。調光フィルムは、室内部材、建築部材及び電子部品等の様々な分野において利用されている。
例えば、下記の特許文献1には、2つの透明導電性樹脂基材と、該2つの透明導電性樹脂基材に挟み込まれた調光層とを備える調光フィルムが開示されている。上記調光層は、樹脂マトリックスと、上記樹脂マトリックス中に分散された光調整懸濁液とを含む。上記透明導電性樹脂基材の厚みは130~500μmである。上記透明導電性樹脂基材では、透明樹脂基材上に、透明導電膜がコーティング等により形成されている。
WO2008/075772A1
特許文献1に記載のように、調光フィルムに、導電膜(導電層)を備える透明導電性樹脂基材(光透過性導電フィルム)が用いられている。
光透過性導電フィルムには、全光線透過率が高く、かつ導電層の表面抵抗が低いことが一般的に求められる。しかしながら、従来の光透過性導電フィルムでは、全光線透過率を効果的に高くし、更に導電層の表面抵抗を効果的に低くすることが困難である。さらに、本発明者らの検討によって、光透過性導電フィルムの導電層の表面抵抗を複数箇所で測定した場合に、表面抵抗にばらつきがあることが見出された。
本発明の目的は、全光線透過率を効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗を効果的に低くし、更に導電層の表面抵抗の均一性を高めることができる調光フィルム用光透過性導電フィルムを提供することにある。また、本発明は、上記調光フィルム用光透過性導電フィルムを用いた調光フィルムを提供することである。
本発明者らの検討によって、全光線透過率を効果的に高くし、更に導電層の表面抵抗を効果的に低くすることができる構成が見出された。さらに、本発明者らの検討によって、導電層の表面抵抗のばらつきを効果的に小さくすることができる構成が見出された。
本発明の広い局面によれば、調光フィルムに用いられ、光透過性を有しかつ導電性を有するフィルムであって、光透過性を有する基材フィルムと、前記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層とを備え、前記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、前記導電層の厚みの標準偏差が1.0未満である、調光フィルム用光透過性導電フィルム(以下、「光透過性導電フィルム」と記載することがある)が提供される。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、前記導電層の表面抵抗が180Ω/□以下である。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、波長550nmにおける全光線透過率が86%以上である。
本発明に係る光透過性導電フィルムのある特定の局面では、ヘイズ値が1.3%以下である。
本発明の広い局面では、2つの光透過性導電フィルムと、調光層とを備え、2つの前記光透過性導電フィルムが、上述した調光フィルム用光透過性導電フィルムであり、2つの前記光透過性導電フィルムの前記導電層側の間に、前記調光層が配置されている、調光フィルムが提供される。
本発明に係る調光フィルム用光透過性導電フィルムでは、全光線透過率を効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗を効果的に低くし、更に導電層の表面抵抗の均一性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る調光フィルム用光透過性導電フィルムを示す断面図である。 図2は、図1に示す調光フィルム用光透過性導電フィルムを用いた調光フィルムの一例を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る調光フィルム用光透過性導電フィルムを示す断面図である。
図1に示す光透過性導電フィルム1は、調光フィルムに用いられる。
光透過性導電フィルム1は、基材フィルム11と、導電層12とを備える。
基材フィルム11は、光透過性を有する。基材フィルム11は、光透過性の高い材料により構成されている。基材フィルム11は、第1の表面11a及び第2の表面11bを有する。第1の表面11aと、第2の表面11bとは、互いに対向している。
基材フィルム11の第1の表面11a側に、導電層12が配置されている。導電層12は、光透過性を有する。導電層12は、光透過性が高く、かつ導電性の高い材料により構成されている。導電層12は、基材フィルム11の第1の表面11a上に直接積層されている。導電層は、基材フィルムの第1の表面上に直接積層されていなくてもよい。例えば、導電層と基材フィルムの間に、アンダーコート層が配置されてもよい。
導電層12の平均厚みは、15nm以上、35nm以下である。導電層12の厚みの標準偏差は1.0未満である。
光透過性導電フィルム1のように、本発明に係る調光フィルム用光透過性導電フィルムは、光透過性を有する基材フィルムと、上記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層とを備えており、上記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、上記導電層の厚みの標準偏差が1.0未満である。
本発明に係る光透過性導電フィルムでは、上記の構成が備えられているので、特に上記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、かつ上記導電層の厚みの標準偏差が1.0未満であるので、全光線透過率を効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗を効果的に低くし、更に導電層の表面抵抗の均一性を高めることができる。更に、本発明では、透明時の調光フィルムのヘイズ値を効果的に低くすることもできる。
全光線透過率をより一層効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗をより一層効果的に低くし、表面抵抗の均一性をより一層高める観点からは、上記導電層の平均厚みは、好ましくは17nm以上、好ましくは30nm以下である。また、上記導電層の平均厚みが上記下限以上であると、導電性がより一層高くなる。
上記導電層の平均厚みは、10箇所の測定結果の平均値であることが好ましく、10点での平均厚みであることが好ましい。
なお、導電層の厚み及び導電層の表面抵抗を10箇所で測定する場合に、10個の測定箇所は、それぞれの測定箇所が10mm以上はなれた点であることが好ましい。
全光線透過率をより一層効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗をより一層効果的に低くし、表面抵抗の均一性をより一層高める観点からは、上記導電層の厚みの標準偏差は、好ましくは0.8以下である。
上記導電層の厚みの標準偏差は、10点での標準偏差であることが好ましい。上記導電層の厚みを10箇所で測定する場合に、上記導電層の厚みの標準偏差は、上記導電層の厚みの10箇所の測定結果の標準偏差であることが好ましい。
透明時の調光フィルムのヘイズ値を低くする観点からは、上記導電層の表面抵抗は、好ましくは180Ω/□以下、より好ましくは170Ω/□以下、更に好ましくは150Ω/□以下、特に好ましくは100Ω/□以下である。なお、上記導電層の表面抵抗は、通常0Ω/□以上である。
上記導電層の表面抵抗は、上記導電層の基材フィルム側とは反対の表面側で測定される。
上記導電層の表面抵抗は、10箇所の測定結果の平均値であることが好ましく、10点での平均表面抵抗であることが好ましい。
上記導電層の表面抵抗を10箇所で測定する場合に、表面抵抗の10箇所の測定結果の最大値と最小値との差の絶対値は、好ましくは15Ω/□以下、より好ましくは9Ω/□以下である。表面抵抗の10箇所の測定結果の最大値と最小値との差の絶対値が上記上限以下であると、調光フィルムの透過率を低くし、かつ調光フィルムの色味のばらつきを低くすることができる。
上記表面抵抗は、表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製「Loresta-EP」、又はその同等品)を用いて、4端子法により測定される。
光透過性をより一層高める観点からは、上記光透過性導電フィルムの波長550nmにおける全光線透過率は、好ましくは86%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは89%以上である。なお、上記光透過性導電フィルムの波長550nmにおける全光線透過率は、通常100%以下である。
上記全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH 2000」、又はその同等品)を用いて、JIS K7105に基づいて、測定される。
光透過性をより一層高める観点からは、上記光透過性導電フィルムのヘイズ値は、好ましくは1.3%以下、より好ましくは0.8%以下、更に好ましくは0.7%以下である。なお、上記光透過性導電フィルムのヘイズ値は、通常0%以上である。
上記ヘイズ値は、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH 2000」、又はその同等品)を用いて、JIS K7136に基づいて、測定される。
本発明に係る光透過性導電フィルムは、調光フィルムに用いられる。
図2は、図1に示す調光フィルム用光透過性導電フィルムを用いた調光フィルムの一例を示す断面図である。
図2に示す調光フィルム21は、2つの光透過性導電フィルム1と、調光層31とを備える。2つの光透過性導電フィルム1の間に、調光層31が配置されている。具体的には、2つの導電層12の間に、調光層31が配置されている。2つの光透過性導電フィルム1は、第1,第2の光透過性導電フィルムである。
調光フィルム21のように、本発明に係る調光フィルムは、本発明に係る2つの光透過性導電フィルム(第1の光透過性導電フィルム及び第2の光透過性導電フィルム)と、調光層とを備えており、上記第1の光透過性導電フィルムと上記第2の光透過性導電フィルムとの間に、上記調光層が配置されている。
以下、本発明に係る光透過性導電フィルムの他の詳細を説明する。
(基材フィルム)
基材フィルムは、高い光透過性を有することが好ましい。基材フィルムの材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリスルホン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、及びセルロースナノファイバー等が挙げられる。基材フィルムの材料は、樹脂であることが好ましい。光透過性を効果的に高くすることができるので、基材フィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。基材フィルムの材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
光透過性をより一層高める観点からは、基材フィルムの波長550nmにおける全光線透過率は、好ましくは88%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは91%以上である。なお、基材フィルムの波長550nmにおける全光線透過率は、通常100%以下である。
基材フィルムは、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤又は着色剤を含んでいてもよい。
(導電層)
導電層は、光透過性を有する導電性材料により形成されている。上記導電性材料としては、特に限定されないが、例えば、IZO(インジウム亜鉛酸化物)や、ITO(インジウムスズ酸化物)などのIn系酸化物、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などのSn系酸化物、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などのZn系酸化物、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI、Agナノワイヤー(AgNW)、カーボンナノチューブ(CNT)及び導電性透明ポリマーなどが挙げられる。上記導電性材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
導電性をより一層高め、光透過性をより一層高める観点から、上記導電性材料は、IZO(インジウム亜鉛酸化物)や、ITO(インジウムスズ酸化物)などのIn系酸化物、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などのSn系酸化物、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などのZn系酸化物であることが好ましい。導電性を更に一層高め、光透過性を更に一層高める観点から、上記導電性材料は、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)又はITO(インジウムスズ酸化物)であることがより好ましく、ITO(インジウムスズ酸化物)であることが更に好ましい。
導電層の形成方法は、特に限定されない。例えば、蒸着又はスパッタリングにより形成した金属膜をエッチングする方法や、スクリーン印刷又はインクジェット印刷などの各種印刷方法、並びにレジストを用いたフォトリソグラフィー法等の公知のパターニング方法等を用いることができる。形成された導電層は、アニール処理により結晶性を高めて用いられることが好ましい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方側の表面上に、以下のようにして、導電層を形成し、光透過性導電フィルムを得た。
上記PETフィルム上に、酸化インジウム:93重量%及び酸化スズ:7重量%の焼結体材料をターゲット材として用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、透明導電層を形成した。具体的には、チャンバー内を5×10-4Pa以下となるまで真空排気した後に、チャンバー内にArガス:95%及び酸素ガス:5%の混合ガスをチャンバー圧力が0.67Paになるように導入し、表1に示す平均厚みのITO層(透明導電層)を形成した。ITO層を堆積したPETフィルムをオーブンにて150℃で、60分加熱し、光透過性導電フィルムを得た。
(実施例2)
成膜時間を長くし、ITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(実施例3)
成膜時のチャンバー圧力を0.33Paになるように混合ガスの流量を変更したこと、並びにこの流量の変更に伴ってITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(実施例4)
成膜時のチャンバー圧力を0.33Paになるように混合ガスの流量を変更したこと、並びにこの流量の変更に伴ってITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(実施例5)
厚み125μmのPETフィルム上に、Si純度99.9%の多結晶Siの焼結体材料をターゲット材として用いて、ACマグネトロンスパッタリング法により、SiO膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。具体的には、チャンバー内を5×10-4Pa以下となるまで真空排気した後に、チャンバー内にArガス:95%及び酸素ガス:5%の混合ガスを導入し、厚さ23nmのSiO膜を堆積させ、このSiO層の上に表1に示す平均厚みのITO層を成膜した。
(実施例6)
成膜時間を長くし、ITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例5と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(実施例7)
基材フィルムを厚み50μmのシクロオレフィンコポリマー(COP)フィルムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。実施例7では、平均厚み15.5nmのITO層が形成された。
(実施例8)
酸化亜鉛:97重量%及びアルミナ:3重量%の焼結体材料をターゲット材として用いて、SiO層の上にAZO層を成膜したこと以外は実施例5と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。実施例8では、平均厚み30.1nmのAZO層が形成された。
(実施例9)
成膜時間を長くし、AZO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例8と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(比較例1)
成膜時間を短くし、ITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(比較例2)
成膜時間を長くし、ITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(比較例3)
厚み125μmのPETフィルム上にSi純度99.9%の多結晶Siの焼結体材料をターゲット材として用いて、ACマグネトロンスパッタリング法により、SiO膜を形成した。具体的には、チャンバー内を5×10-4Pa以下となるまで真空排気した後に、チャンバー内にArガスを導入し、厚さ1nm相当のSiO膜を堆積させた。このSiO膜の上に表1に示す平均厚みのITO層を成膜したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
(評価)
(1)導電層の平均厚み、及び、導電層の厚みの標準偏差
導電層の厚み(光学膜厚)は、正反射率を測定し、測定値から光学シミュレーションすることで算出した。具体的に、反射率測定に関しては、分光光度計(日立製作所社製「U4100」、又はその同等品)に付属の5°正反射ユニットを取り付け、正反射モードを用いて、入射角を5°として波長:200~800nm(測定範囲)における反射スペクトルを測定した。
なお、測定に際しては、光透過性導電フィルム(サンプル)の裏面反射や裏面側からの反射を無くすために、サンプルの裏面側に黒色のテープ(ヤマト社製「NO200-50-21」)を貼り付けた。サンプルの裏面とは、光透過性導電フィルムの導電層側と反対側の表面である。光学シミュレーションソフト(J.A.Woollam社製「WVASE32」)を用いて、正反射スペクトルの形状及びピーク・バレーの位置のフィッティングを行い、導電層の厚さを算出した。
導電層の厚みを10箇所で測定した。10箇所の測定結果の平均値を、導電層の平均厚みとした。また、導電層の厚みの10箇所の測定結果から、導電層の厚みの10点での標準偏差を求めた。
(2)導電層の表面抵抗(シート抵抗)、及び、導電層の表面抵抗の10箇所の測定結果の最大値と最小値との差の絶対値
表面抵抗は、表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製「Loresta-EP」)を用いて、4端子法により測定した。導電層の基材フィルム側とは反対の表面の表面抵抗を10箇所で測定した。10箇所の測定結果の平均値を、導電層の表面抵抗とした。また、導電層の表面抵抗の10箇所の測定結果の最大値と最小値との差の絶対値を求めた。
(3)光透過性導電フィルムの全光線透過率
上記全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH 2000」)を用いて、JIS K7105に基づいて、測定した。光透過性導電フィルムの波長550nmにおける全光線透過率を求めた。
(4)光透過性導電フィルムのヘイズ値
上記ヘイズ値は、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH 2000」)を用いて、JIS K7136に基づいて、測定した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2022179519000002
1…光透過性導電フィルム
11…基材フィルム
11a…第1の表面
11b…第2の表面
12…導電層
21…調光フィルム
31…調光層
本発明の広い局面によれば、調光フィルムに用いられ、光透過性を有しかつ導電性を有するフィルムであって、光透過性を有する基材フィルムと、前記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層とを備え、前記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、前記導電層の厚みの標準偏差が1.0nm未満である、調光フィルム用光透過性導電フィルム(以下、「光透過性導電フィルム」と記載することがある)が提供される。
導電層12の平均厚みは、15nm以上、35nm以下である。導電層12の厚みの標準偏差は1.0nm未満である。
光透過性導電フィルム1のように、本発明に係る調光フィルム用光透過性導電フィルムは、光透過性を有する基材フィルムと、上記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層とを備えており、上記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、上記導電層の厚みの標準偏差が1.0nm未満である。
本発明に係る光透過性導電フィルムでは、上記の構成が備えられているので、特に上記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、かつ上記導電層の厚みの標準偏差が1.0nm未満であるので、全光線透過率を効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗を効果的に低くし、更に導電層の表面抵抗の均一性を高めることができる。更に、本発明では、透明時の調光フィルムのヘイズ値を効果的に低くすることもできる。
全光線透過率をより一層効果的に高くし、かつ導電層の表面抵抗をより一層効果的に低くし、表面抵抗の均一性をより一層高める観点からは、上記導電層の厚みの標準偏差は、好ましくは0.8nm以下である。
参考例3)
成膜時のチャンバー圧力を0.33Paになるように混合ガスの流量を変更したこと、並びにこの流量の変更に伴ってITO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
参考例7)
基材フィルムを厚み50μmのシクロオレフィンコポリマー(COP)フィルムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。参考例7では、平均厚み15.5nmのITO層が形成された。
参考例8)
酸化亜鉛:97重量%及びアルミナ:3重量%の焼結体材料をターゲット材として用いて、SiO層の上にAZO層を成膜したこと以外は実施例5と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。参考例8では、平均厚み30.1nmのAZO層が形成された。
(実施例9)
成膜時間を長くし、AZO層の平均厚みを表1に示すように変更したこと以外は参考例8と同様にして、光透過性導電フィルムを得た。
Figure 2022179519000005

Claims (5)

  1. 調光フィルムに用いられ、光透過性を有しかつ導電性を有するフィルムであって、
    光透過性を有する基材フィルムと、
    前記基材フィルムの第1の表面側に配置されており、かつ光透過性を有する導電層とを備え、
    前記導電層の平均厚みが15nm以上、35nm以下であり、
    前記導電層の厚みの標準偏差が1.0未満である、調光フィルム用光透過性導電フィルム。
  2. 前記導電層の表面抵抗が180Ω/□以下である、請求項1に記載の調光フィルム用光透過性導電フィルム。
  3. 波長550nmにおける全光線透過率が86%以上である、請求項1又は2に記載の調光フィルム用光透過性導電フィルム。
  4. ヘイズ値が1.3%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の調光フィルム用光透過性導電フィルム。
  5. 2つの光透過性導電フィルムと、調光層とを備え、
    2つの前記光透過性導電フィルムが、請求項1~4のいずれか1項に記載の調光フィルム用光透過性導電フィルムであり、
    2つの前記光透過性導電フィルムの前記導電層側の間に、前記調光層が配置されている、調光フィルム。
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