JP2022173079A - 記録媒体及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光沢性に優れ、顔料インクを用いた高速での画像記録時におけるビーディングの発生を抑制し、かつ、染料インクを用いた画像記録時における画像の発色性に優れる記録媒体を提供する。【解決手段】 基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、前記第1のインク受容層の表面ゼータ電位が正であり、前記第2のインク受容層の表面ゼータ電位が負であり、前記第2のインク受容層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする記録媒体である。【選択図】 なし

Description

本発明は記録媒体及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法に用いられる光沢を有する記録媒体としては、シリカやアルミナ水和物等の無機粒子を、ポリビニルアルコール等のバインダーで結着することによって形成したインク受容層を有するものが一般的である。特許文献1には、気相法シリカ層の上にアニオン性コロイダルシリカ層を有する光沢性に優れた記録媒体が記載されている。
一方、インクジェット用の水性インクとしては、水中に色材が溶解している水性染料インクと水中に色材が分散している水性顔料インクとに大別される。顔料インクは染料インクと比較して画像の耐退色性に優れる。そのため、記録媒体にインクを付与することによって得られる記録物(印刷物)を長期に保存する場合や光にさらされる掲示物として使用する場合などには、顔料インクで記録した記録物の方が好ましいとされている。
特開2012-200891号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の記録媒体では高い光沢性は得られるものの、顔料インクを用いて記録媒体に高速で画像を記録した際に粒状のムラ(以下、ビーディングとも称する)が発生し、良好な画像を得ることができなかった。
したがって、本発明の目的は、光沢性に優れ、顔料インクを用いた高速での画像記録時におけるビーディングの発生を抑制し、かつ、染料インクを用いた画像記録時における画像の発色性に優れる記録媒体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、良好な画像を記録することができるインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明にかかる記録媒体は、基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、前記第1のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第1の無機粒子を含有し、前記第1の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第1のインク受容層の表面ゼータ電位が正であり、前記第2のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第2の無機粒子を含有し、前記第2の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第2のインク受容層の表面ゼータ電位が負であり、前記第2のインク受容層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかるインクジェット記録方法は、上記の記録媒体の、前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層を有する側の表面に、インクジェット方式の記録ヘッドから顔料を含む顔料インク、及び、染料を含む染料インクのうちの少なくとも一方を付与して、前記記録媒体に画像を記録することを特徴とする。
本発明によれば、光沢性に優れ、顔料インクを用いた高速での画像記録時におけるビーディングの発生を抑制し、かつ、染料インクを用いた画像記録時における画像の発色性に優れる記録媒体を提供することができる。また、本発明によれば、良好な画像を記録することができるインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
光沢を有する記録媒体に顔料インクを用いて高速で記録した際に生じるビーディングを抑制するために、これまではプリンター(画像記録装置)の印刷速度を落とし、インクを少量ずつ付与することで対応していた。すなわち、顔料インクを使用する場合は、染料インクを使用する場合と比べ印刷速度が大きく低下するという課題があった。
インクジェット用の写真用紙として用いられる光沢紙(光沢を有する記録媒体)は、微小な無機粒子を含む塗工液を基材上に塗布し、塗工液を乾燥させることによって、基材上に微小な細孔を有するインク受容層を形成している。顔料インクは染料インクと異なりインク中で色材は溶解した状態ではなく、分散した状態で存在している。色材である顔料の分散状態を安定化するため、また画像記録後の記録媒体上に形成される画像を構成する顔料を含む膜の強度を高めるために、顔料インクはアニオン性の水溶性樹脂を含むことが好ましい。
一般的な家庭用インクジェットプリンターでは微小なインクの液滴を複数回に分けて走査しながら記録媒体に吐出することによって画像を記録する。ビーディングは、複数回に分けて走査しながらインクを吐出する場合の、2回目以降の走査において顔料インクを付与したときに、記録媒体のインク受容層における顔料インクの吸収速度が低下することが要因であることが、本発明者らの検討により判明した。また、本発明者らの更なる検討によって、このインク受容層の顔料インクの吸収速度の低下は、1回目の走査において記録媒体に付与された顔料インク中の水溶性樹脂がインク受容層の表面の細孔を目詰まりさせることによって生じることが分かった。前述の写真用紙として用いられる記録媒体のインク受容層には、インクに含まれるアニオン性の染料を定着させるため、一般的にカチオン性の無機粒子やカチオン性の樹脂といったカチオン性の成分が含有されている。その結果、顔料インクを記録媒体に付与した際に、インク中のアニオン性の水溶性樹脂が、インク受容層のカチオン成分と電荷的に反応し、インク受容層の表面に定着することで目詰まりを発生させていることが分かった。
この水溶性樹脂による目詰まりを改善するために、インク受容層の細孔を十分大きくするという手段が考えられる。しかしながら、その場合はインク受容層に粒径が大きい無機粒子を含有させる必要があり、その結果、インク受容層の表面の粗さが大きくなってしまい、高い光沢性を得ることが難しくなる。
そこで本発明者らは光沢性に優れた記録媒体であってもビーディングの発生を抑制するために、第2のインク受容層の表面のゼータ電位が負となるように調整することが重要であることを見出した。これにより、顔料インク中に含まれるアニオン性の水溶性樹脂の第2のインク受容層での吸着が、電荷の反発によって抑制され、水溶性樹脂による第2のインク受容層における細孔の目詰まりを抑制することができる。また、第2のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第2の無機粒子を含有しているため、第2のインク受容層の細孔を小さくすることができる。そのため、顔料インクを用いた場合、顔料が第2のインク受容層の細孔を通過しにくくなり、顔料を第2のインク受容層の表面に留めることができ、その結果、画像の発色性を向上させることができる。
一方、染料インクを用いた場合、第2のインク受容層における細孔が小さい場合であっても、顔料と異なり、物理的に第2のインク受容層の表面に留めることができないため、染料は第2のインク受容層を通過しやすい。しかしながら、第2のインク受容層の下側に隣接する第1のインク受容層のゼータ電位が正であるため、電荷の吸引によって染料を第1のインク受容層の最上部に留めることができる。また、第2のインク受容層の厚さが2μm以上15μm以下であるように、比較的薄い層となっていることから、第2のインク受容層による発色性の低下も抑制することができるため、染料インクを用いた場合であっても画像の発色性を向上させることができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。
[記録媒体]
記録媒体は、基材と、インク受容層とを有する。インク受容層は、第1のインク受容層と、第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層の少なくとも2つの層を有する。第2のインク受容層は最表層である。また、本発明の効果が得られる範囲であれば、第1のインク受容層と基材との間に別の層を設けてもよい。記録媒体は、インクジェット記録方法に用いる記録媒体、即ち、インクジェット用の記録媒体であることが好ましい。以下、記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものが挙げられる。その中でも、基材は基紙と樹脂層を有することが好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、記録媒体のカールを抑制する点から両面に設けられていることが好ましい。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
基紙の厚さは、50μm以上200μm以下であることが好ましく、90μm以上180μm以下であることがより好ましい。尚、本発明において、基紙の厚さは、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の厚さを測定し、その平均値を基紙の厚さとする。尚、基紙以外のその他の層の厚さも同様の方法で算出するものとする。
基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましく、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよい。このとき、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であることが特に好ましい。樹脂層の被覆率が100%とは、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることを意味する。
また、樹脂層の厚さは、10μm以上60μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の厚さがそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、2つの樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の、白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。25質量%より大きいと、白色顔料の分散安定性が十分に得られない場合がある。
<インク受容層>
インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面における、インク受容層の全体の厚さは、25μm以上60μm以下であることが好ましく、30μm以上50μm以下であることがより好ましい。以下の説明においては、第1のインク受容層を下層、第2のインク受容層を上層ともいう。以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
<第1のインク受容層(下層)>
(無機粒子)
第1のインク受容層は無機粒子(以下、第1の無機粒子とも称する)を含有する。第1のインク受容層の表面ゼータ電位を正とするために、第1の無機粒子としては、カチオン性の無機粒子を用いることが好ましい。また、カチオン性を有していない無機粒子を用いる場合は、カチオン性の表面処理剤等により無機粒子の表面電荷を正の状態とすることが好ましい。カチオン性の無機粒子を用いることで、染料インク中のアニオン性の染料の第1のインク受容層における定着性を向上させることができ、染料インクを用いた場合の発色性を向上させることができる。
第1の無機粒子の平均一次粒子径は50nm以下である。これにより、第1のインク受容層の細孔を小さくすることができ、第1のインク受容層における染料の定着性を向上させることができる。また、第1の無機粒子の平均一次粒子径は、5nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましく、5nm以上30nm以下であることが特に好ましい。
本発明における無機粒子の平均一次粒子径は、記録媒体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、任意の100個の無機粒子の直径を測定し、その数平均を算出することで得られる。
第1の無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での第1の無機粒子の平均二次粒子径は、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、10nm以上800nm以下であることがより好ましく、50nm以上500nm以下であることが特に好ましい。尚、インク受容層用の塗工液中における分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
第1のインク受容層中における第1の無機粒子の含有量は、第1のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上であることが好ましい。また、第1のインク受容層中における第1の無機粒子の含有量は、第1のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
第1のインク受容層の厚さは、15μm以上45μm以下であることが好ましい。
第1の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種である。これらの無機粒子を用いることによって、インク吸収性が向上する。また、第1のインク受容層はこの第1の無機粒子以外の無機粒子を含有していてもよい。例えば、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
(気相法シリカ)
シリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。シリカとしては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上300m/g以下であることがより好ましい。また、気相法シリカの平均一次粒子径は、5nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましく、5nm以上30nm以下であることが特に好ましい。
第1のインク受容層に用いる気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。インク受容層用の塗工液中に分散状態での気相法シリカの平均二次粒子径は、50nm以上300nm以下であることが好ましく、100nm以上250nm以下であることがより好ましい。
(気相法アルミナ)
気相法アルミナとしては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上150m/g以下であることが好ましく、80m/g以上120m/g以下であることがより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上30nm以下であることが好ましく、11nm以上15nm以下であることがより好ましい。
(アルミナ水和物)
第1のインク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al3-n(OH)2n・mH
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
アルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウムまたは塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7-232473号公報、特開平8-132731号公報、特開平9-66664号公報、特開平9-76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物は混合して使用してもよい。具体的には、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物から選択される少なくとも2種を、粉体状態で混合し、液体中に分散して分散液を調整する方法や、各無機粒子を各々分散し、分散液を混合する方法が挙げられる。本発明においてはどちらの方法を用いてもよいが、各無機粒子を各々分散し、分散液を混合する方法が好ましい。
また、第2のインク受容層はコロイダルシリカを含有してもよい。ただし、コロイダルシリカは第2のインク受容層の表面に密に並ぶことによって、インク吸収性が低下してしまう場合がある。そのため、第2のインク受容層中におけるコロイダルシリカの含有量は、第2のインク受容層の全質量を基準として、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。
(バインダー)
第1のインク受容層はバインダー(以下、第1のバインダーとも称する)を含有することが好ましい。本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、インク受容層を形成することができる材料を意味する。
インク吸収性の観点から、第1のインク受容層中における第1のバインダーの含有量は、第1の無機粒子の含有量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。また、第1のインク受容層の結着性の観点から、は、第1のインク受容層中におけるバインダーの含有量は、第1の無機粒子の含有量を基準として、5.0質量%以上であることが好ましく、8.0質量%以上であることがより好ましい。
バインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、及びポリビニルアルコール、並びに、それらの誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン-酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水溶性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
その中でも、バインダーとしてポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下であることが好ましく、85mol%以上98mol%以下であることがより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS-K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,000以上であることが好ましく、2,000以上5,000以下であることがより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS-K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
第1のインク受容層用の塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
(架橋剤)
第1のインク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、次ホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。第1のインク受容層中における架橋剤の含有量は、第1のバインダーの含有量を基準として、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。更に、第1のバインダーがポリビニルアルコール及びその誘導体であり、架橋剤がホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも1種である場合には、第1のインク受容層中における、ホウ酸及びホウ酸塩の合計の含有量は、ポリビニルアルコール及びその誘導体の含有量を基準として、0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
第1のインク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
<第2のインク受容層(上層)>
(無機粒子)
第2のインク受容層は無機粒子(以下、第2の無機粒子とも称する)を含有する。第2のインク受容層の表面ゼータ電位を負とするために、第2の無機粒子としては、アニオン性の無機粒子を用いることが好ましい。また、アニオン性を有していない無機粒子を用いる場合は、アニオン性の表面処理剤等により無機粒子の表面電荷を負の状態とすることが好ましい。アニオン性の無機粒子を用いることで、顔料インク中のアニオン性の水溶性樹脂の第2のインク受容層における細孔の目詰まりの発生を抑制することができるため、ビーディングの発生を抑制することができる。第2の無機粒子の平均一次粒子径は50nm以下である。これにより、第2のインク受容層の細孔を小さくすることができ、第2のインク受容層においてインク中の顔料をとどめやすくさせ、顔料の発色性を向上させることができる。また、第2の無機粒子の平均一次粒子径は、5nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましく、5nm以上30nm以下であることが特に好ましい。
第2の無機粒子は、第1の無機粒子と同様に、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での第2の無機粒子の平均二次粒子径は、上述の第1の無機粒子と同様の範囲であることが好ましい。
第2のインク受容層中における第2の無機粒子の含有量は、第2のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上であることが好ましい。また、第2のインク受容層中における第2の無機粒子の含有量は、第2のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
第2のインク受容層の厚さは、2μm以上15μm以下である。また、第2のインク受容層の厚さは、4μm以上15μm以下であることが好ましい。
第2の無機粒子としては、第1の無機粒子と同様の材質のものを用いることができる。具体的には、第2の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種である。これらの無機粒子を用いることによって、インク吸収性が向上する。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。ただし、第2の無機粒子は、上述の通り、アニオン性の無機粒子であることが好ましい点が、第1の無機粒子とは異なる。無機粒子をアニオン性にするためには、アニオン性の表面処理剤を用いること以外に、水酸化カリウム等のアルカリ性の化合物を用いて無機粒子をアニオン性にしてもよい。
(バインダー)
第2のインク受容層は、上記の第1のインク受容層に用いられるバインダーと同様のバインダーを含有することが好ましい。また、第2のインク受容層中における第2のバインダーの含有量は、第2の無機粒子の含有量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。また、第2のインク受容層の結着性の観点から、は、第2のインク受容層中におけるバインダーの含有量は、第2の無機粒子の含有量を基準として、5.0質量%以上であることが好ましく、8.0質量%以上であることがより好ましい。
(架橋剤)
第2のインク受容層は、上記の第1のインク受容層に用いられる架橋剤と同様の架橋剤を含有することが好ましい。第2のインク受容層中における架橋剤の含有量は、第2のバインダーの含有量を基準として、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。更に、第2のバインダーがポリビニルアルコール及びその誘導体であり、架橋剤がホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも1種である場合には、第2のインク受容層中における、ホウ酸及びホウ酸塩の合計の含有量は、ポリビニルアルコール及びその誘導体の含有量を基準として、0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
第2のインク受容層は、上記の第1のインク受容層に用いられる添加剤と同様の添加剤を含有してもよい。
<下塗り層>
基材とインク受容層との密着性を向上する目的で、基材とインク受容層との間に、下塗り層を設けてもよい。下塗り層は、水溶性ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどを含有することが好ましい。下塗り層の厚さは、0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。
<バックコート層>
基材のインク受容層が設けられる面とは反対側の面に、ハンドリング性、搬送適性、多数枚積載での連続印字時の耐搬送擦過性を向上する目的でバックコート層を設けてもよい。バックコート層は、白色顔料やバインダーなどを含有することが好ましい。バックコート層の厚さは、乾燥塗工量が、1g/m以上25g/m以下となるようにすることが好ましい。
<表面ゼータ電位>
本発明において、表面ゼータ電位とは固体である第1のインク受容層または第2のインク受容層の表面と液体との界面に生じる電位を指す。本発明では、ゼータ電位計(製品名:ELS-Z2(大塚電子社製))と平板試料用セルを用いて第1のインク受容層及び第2のインク受容層の表面ゼータ電位の測定をそれぞれ行った。光散乱のモニター粒子を含むモニター粒子分散液には、モニター粒子であるポリスチレンラテックス(大塚電子社製)を、10mMのNaCl溶液により300倍に希釈したものを用いた。さらに、インク受容層と同じpHになるように、pHを低くする場合は0.1MのHCl溶液を、pHを高くする場合は0.1MのNaOH溶液を用いて、モニター粒子分散液のpHの調整を行った。本発明において、上記の方法にて測定した第1のインク受容層の表面ゼータ電位が正、第2のインク受容層の表面ゼータ電位が負であることが重要である。また、第1のインク受容層のゼータ電位は+3mV以上であることが好ましく、+5mV以上であることがより好ましい。第1のインク受容層のゼータ電位の上限値については特に制限はないが、例えば、+10mVとすることができる、第2のインク受容層の表面ゼータ電位は-3mV以下であることが好ましく、-5mV以下であることがより好ましい。第2のインク受容層のゼータ電位の下限値については特に制限はないが、例えば、-10mVとすることができる。
[記録媒体の製造方法]
記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用の塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法であることが好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有する場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
上記のようにして作製した基材を、インク受容層を形成する前に、巻芯にロール状に巻き取る工程を有することが好ましい。巻芯は、直径が50mm以上300mm以下のものが好ましく用いられる。また、巻き取る際の張力としては、50N/m以上800N/m以下が好ましい。尚、巻き取る際の張力は、巻き始めから巻き終わりまで一定でもよい。また、巻き始めの圧力集中を緩和するために、巻き始めから巻き終わりにかけて徐々に張力を低下させてもよい。
<インク受容層の形成方法>
記録媒体において、基材上にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用の塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工する。さらに、基材上に塗工された塗工液を乾燥することで、インク受容層を形成することができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥に用いられる乾燥機としては、熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機、低温の除湿した乾燥空気に当てることにより乾燥させる低温除湿乾燥機などがある。熱風乾燥機としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどが挙げられる。
[インクジェット記録方法]
インクジェット記録方法は、上記の記録媒体の、第1のインク受容層及び第2のインク受容層を有する側の表面に、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを付与して、前記記録媒体に画像を記録する。記録媒体に付与されるインクは、水性顔料インク及び水性染料インクのうちの少なくとも一方である。また、インクジェット方式の記録ヘッドから前記顔料インクと前記染料インクの両方を付与して、前記記録媒体に画像を記録することが好ましい。
インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。その中でも、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式であることが好ましい。
<インク>
インクジェット記録方法に用いるインクは、従来から用いられているインクを使用することができる。その中でも、水、または、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクであることが好ましい。
水としては、イオン交換水や純水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、インクジェット用のインクに一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ケトン類、ケトアルコール類、エーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、多価アルコール類、アルキルエーテルアセテート類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水はイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
また、インクに含有される色材としては、公知の顔料や染料を用いることができる。その中でも顔料は画像の耐退色性に優れるため、好ましい。
顔料としては、アゾ顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノフタロン顔料、メチン顔料、アゾメチン顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料等が挙げられる。
インクは、さらにアニオン性の水溶性樹脂を含むことが好ましい。
水溶性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、これらの誘導体および共重合体が挙げられ、アニオン性の官能基としてはカルボニル基、スルホ基、ホスホン基などが挙げられる。
<インク中のその他の成分>
インクには、保湿性などの維持のために、上記した成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの保湿性を有する常温で固体の化合物を含有させてよい。インク中のこのような化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
また、インクには、上記した成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
なお、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
前記第1のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第1の無機粒子を含有し、
前記第1の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第1のインク受容層の表面ゼータ電位が正であり、
前記第2のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第2の無機粒子を含有し、
前記第2の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第2のインク受容層の表面ゼータ電位が負であり、
前記第2のインク受容層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする記録媒体。
(構成2)前記第1のインク受容層中における前記第1の無機粒子の含有量が、前記第1のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上である構成1に記載の記録媒体。
(構成3)前記第2のインク受容層中における前記第2の無機粒子の含有量が、前記第2のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上である構成1又は2に記載の記録媒体。
(構成4)前記第2のインク受容層の厚さが4μm以上15μm以下である構成1乃至3のいずれか一項に記載の記録媒体。
(構成5)前記第1のインク受容層と第2のインク受容層の合計の厚さが25μm以上である構成1乃至4のいずれか一項に記載の記録媒体。
(構成6)前記第2の無機粒子が気相法シリカを含む構成1乃至5のいずれか一項に記載の記録媒体。
(構成7)前記第2のインク受容層中におけるコロイダルシリカの含有量が、前記第2のインク受容層の全質量を基準として、0質量%以上50質量%以下である構成1乃至6のいずれか一項に記載の記録媒体。
(方法1)構成1乃至7のいずれか一項に記載の記録媒体の、前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層を有する側の表面に、インクジェット方式の記録ヘッドから顔料を含む顔料インク、及び、染料を含む染料インクのうちの少なくとも一方を付与して、前記記録媒体に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
(方法2)前記顔料インクは、さらにアニオン性の水溶性樹脂を含む方法1に記載のインクジェット記録方法。
(方法3)前記記録媒体の、前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層を有する側の表面に、インクジェット方式の記録ヘッドから前記顔料インクと前記染料インクの両方を付与して、前記記録媒体に画像を記録する方法1又は2に記載のインクジェット記録方法。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCFSのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCFSのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させる。更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、厚さが100μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面を基材の表面とする。更に、低密度ポリエチレンを、基紙のもう一方の面に塗工することで、基材を得た。
<記録媒体1の作製>
上記で得た基材上に、後述の第1のインク受容層用の塗工液1-1を塗工後、80℃の熱風で乾燥し、厚さが30μmの第1のインク受容層を形成した。更に、形成された第1のインク受容層上に後述の第2のインク受容層用の塗工液2-1を塗工し、その後、80℃の熱風で乾燥し、厚さが5μmの第2のインク受容層を形成した。これにより、インク受容層全体の厚さが35μmの記録媒体1を得た。
<第1のインク受容層用の塗工液の調製>
(気相法シリカ分散液1の調製)
イオン交換水中に、気相法シリカ(製品名:AEROSIL300(EVONIK製)、平均一次粒子径7nm)を固形分の含有量が20質量%となるように添加した。次に、気相法シリカの固形分100部に対して、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー5.0部を加えて撹拌し、更に、気相法シリカの固形分の含有量が、15質量%となるようにイオン交換水を加え、気相法シリカ分散液1を得た。
(第1のインク受容層用の塗工液1-1の調製)
上記で調製した気相法シリカ分散液1と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)と、ホウ酸水溶液(ホウ酸の固形分の含有量が3質量%)とを、固形分の質量比率(気相法シリカ:ポリビニルアルコール:ホウ酸)が100:23:5となるように混合し、第1のインク受容層用の塗工液1-1を得た。
<第2のインク受容層用の塗工液の調製>
(気相法シリカ分散液2の調製)
イオン交換水中に、気相法シリカ(AEROSIL300(EVONIK製)、平均一次粒子径7nm)を固形分の含有量が20質量%となるように添加した。次に、気相法シリカの固形分100部に対して、水酸化カリウム5.0部を加えて撹拌し、更に、気相法シリカの固形分の含有量が、15質量%となるようにイオン交換水を加え、気相法シリカ分散液2を得た。
(第2のインク受容層用塗工液2-1の調製)
上記で調製した気相法シリカ分散液2と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の比率(気相法シリカ:ポリビニルアルコール)が100:23となるように混合し、第2のインク受容層用の塗工液2-1を得た。
<記録媒体2~9の作製>
第1のインク受容層の厚さ及び第2のインク受容層の厚さを、表1及び表2に記載の通りに変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体2~9を作製した。
<記録媒体10の作製>
第2のインク受容層用の塗工液を下記塗工液2-2に変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体10を作製した。
<第2のインク受容層用の塗工液の調製>
(気相法アルミナ分散液1の調製)
気相法アルミナ(製品名:AEROXIDE AluC(EVONIK製))100部、ポリアクリル酸ナトリウム10部を固形分の含有量が20質量%になるようにイオン交換水中に投入した。その後、ミキサーで30分間撹拌し、気相法アルミナ分散液1を得た。
(第2のインク受容層用の塗工液2-2の調製)
上記で調製した気相法アルミナ分散液1と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の質量比率(気相法アルミナ:ポリビニルアルコール)が100:10となるように混合し、第2のインク受容層用の塗工液2-2を得た。
<記録媒体11及び12の作製>
第2のインク受容層用の塗工液を下記塗工液2-3に変更し、第2のインク受容層の厚さを表2に記載の通りに変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体11及び12を得た。
<第2のインク受容層用の塗工液の調製>
(アルミナ水和物分散液1の調製)
イオン交換水中に、アルミナ水和物(製品名:DISPERAL HP14(サソール製)、平均一次粒径14nm)を固形分の含有量が20質量%となるように添加した。次に、アルミナ水和物の固形分100部に対して、水酸化カリウム5.0部を加えて撹拌し、更に、アルミナ水和物の固形分の含有量が、15質量%となるようにイオン交換水を加え、アルミナ水和物分散液1を得た。
(第2のインク受容層用の塗工液2-3の調製)
上記で調製したアルミナ水和物分散液1と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の質量比率(アルミナ水和物:ポリビニルアルコール)が100:10となるように混合し、第2のインク受容層用の塗工液2-3を得た。
<記録媒体13の作製>
第1のインク受容層の塗工液を下記塗工液1-2に変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体13を得た。
<第1のインク受容層用塗工液の調製>
(アルミナ水和物分散液2の調製)
イオン交換水中に、アルミナ水和物(製品名:DISPERAL HP14(サソール製)、平均一次粒径14nm)を固形分の含有量が25質量%となるように添加した。次に、アルミナ水和物の固形分100部に対して、メタンスルホン酸1.4部を加えて撹拌し、更に、アルミナ水和物の固形分の含有量が、21質量%となるようにイオン交換水を加え、アルミナ水和物分散液2を得た。
(第1のインク受容層用の塗工液1-2の調製)
上記で調製したアルミナ水和物分散液2と、ポリビニルアルコール水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の質量比率(アルミナ水和物:ポリビニルアルコール)が100:10となるように混合し、第1のインク受容層用の塗工液1-2を得た。
<記録媒体14及び15の作製>
第2のインク受容層用の塗工液を下記塗工液2-4に変更し、第2のインク受容層の厚さを表2に記載の通りに変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体14及び15を得た。
<第2のインク受容層用の塗工液の調製>
(コロイダルシリカ分散液1の調製)
イオン交換水中に、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックスST-O(日産化学社製)、平均一次粒子径12nm)を固形分の含有量が15質量%となるように添加して、コロイダルシリカ分散液1を得た。
(第2のインク受容層用の塗工液2-4の調製)
上記で調製したコロイダルシリカ分散液1と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の質量比率(コロイダルシリカ:ポリビニルアルコール)が100:10となるように混合し、第2のインク受容層用塗工液2-4を得た。
<記録媒体16の作製>
第2のインク受容層用の塗工液を下記塗工液2-5に変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体16を得た。
<第2のインク受容層用塗工液の調製>
(湿式法シリカ分散液2の調製)
イオン交換水中に、湿式法シリカ(製品名:P403(グレース社製))を固形分の含有量が20質量%になるように添加して、その後、ミキサーで30分間撹拌し、湿式法シリカ分散液2を得た。
(第2のインク受容層用の塗工液2-5の調製)
上記で調製した湿式法シリカ分散液2と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の質量比率(湿式法シリカ:ポリビニルアルコール)が100:30となるように混合し、第2のインク受容層用の塗工液2-5を得た。
<記録媒体17の作製>
第2のインク受容層用の塗工液を前記塗工液1-1に変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体16を得た。
<記録媒体18の作製>
第1のインク受容層用の塗工液を前記塗工液2-1に変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体18を得た。
<記録媒体19の作製>
第1のインク受容層用の塗工液を下記塗工液1-3に変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体19を得た。
<第1のインク受容層用塗工液の調製>
(湿式法シリカ分散液1の調製)
イオン交換水中に、湿式法シリカ(製品名:SYLOID C803(グレース社製))を固形分の含有量が20質量%になるように添加した。次に、湿式法シリカの固形分100部に対して、ポリ塩化アルミニウム(タキバイン#1500、多木化学社製)5部を加えて撹拌し、ミキサーで30分間撹拌し、湿式法シリカ分散液1を得た。
(第1のインク受容層用の塗工液1-3の調製)
上記で調製した湿式法シリカ分散液1と、ポリビニルアルコ-ル水溶液(製品名:PVA235(クラレ社製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)を、固形分の質量比率(湿式法シリカ:ポリビニルアルコール)が100:30となるように混合し、第1のインク受容層用の塗工液1-3を得た。
<記録媒体20の作製>
第2のインク受容層の厚さを表2に記載の通りに変更したこと以外は、記録媒体1と同様にして記録媒体20を得た。
Figure 2022173079000001
Figure 2022173079000002
(実施例1~13、及び、比較例1~7)
上記の得られた記録媒体1~20に対して、以下の方法によって評価した。
[評価]
(ビーディングの評価)
上記で得られた記録媒体1~20の顔料インクを用いた高速での画像記録時におけるビーディングを評価した。インクジェット記録装置としては、製品名:Pro―10(キヤノン社製)の記録方法を改造したものを使用した。改造後の記録方法は、キャリッジ速度が12.5インチ/秒で、印刷のパス数を可変とした。この記録装置における100%Dutyとは、600dpi四方に22ngのインクを付与することを意味する。
まず、記録媒体1~20のそれぞれに、上記インクジェット記録装置を用いて、記録デューティが200%のグリーン色のベタ画像を総走査回数(総スキャン回数)の変更を行いながら記録を行った。走査毎に、200%デューティを総走査回数で割った分のインクの付与を行った。総スキャン回数が少ないほど単位時間あたりに付与されるインク量が増えるため、印刷速度が速い(高速での画像記録)ということができる。得られた画像におけるビーディング現象の発生の有無を目視で確認した。尚、ビーディング現象とは、記録媒体に吸収される前のインク滴同士が合体する現象で、インク吸収性と相関が高いことが知られている。記録デューティが高い画像でもビーディング現象が発生しなければインク吸収性が高いと判断することができる。評価基準は以下の通りとした。
4:総スキャン数が2回の200%の画像でもビーディング現象が発生していなかった。
3:総スキャン数が2回の200%の画像ではビーディング現象がみられたが、総スキャン数が3回の200%の画像ではビーディング現象は発生していなかった。
2:総スキャン数が3回の200%の画像ではビーディング現象がみられたが、総スキャン数が4回の200%の画像ではビーディング現象は発生していなかった。
1:総スキャン数が4回の200%の画像でもビーディング現象がみられた。
(染料インクの発色性の評価)
上記で得られた記録媒体1~20のそれぞれの記録面に、インクジェット記録装置(商品名:XK70、キヤノン製)を用いて、写真用紙・光沢ゴールド、色補正なしモードにて、ブラックのベタ画像の記録を行った。なお、記録面とは、第1及び第2のインク受容層が存在する側の表面のことである。これらの光学濃度を光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X-Rite製)を用いてそれぞれ測定した。得られた光学濃度から、得られる画像の発色性の評価を行った。評価基準が以下の通りである。評価結果を表2に示した。
4:1.80以上であった。
3:1.70以上1.80未満であった。
2:1.60以上1.70未満であった。
1:1.60未満であった。
(光沢性の評価)
作製した記録媒体1~20のそれぞれの第1及び第2のインク受容層が存在する側の表面の20°光沢を光沢計(VG2000(日本電色工業社製))を用いて測定した。
3:20°光沢が7%以上である。
2:20°光沢が3%以上7%未満である。
1:20°光沢が3%未満である。
Figure 2022173079000003

Claims (10)

  1. 基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
    前記第1のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第1の無機粒子を含有し、
    前記第1の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第1のインク受容層の表面ゼータ電位が正であり、
    前記第2のインク受容層は、平均一次粒子径50nm以下の第2の無機粒子を含有し、
    前記第2の無機粒子は、気相法シリカ、気相法アルミナ、及びアルミナ水和物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第2のインク受容層の表面ゼータ電位が負であり、
    前記第2のインク受容層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記第1のインク受容層中における前記第1の無機粒子の含有量が、前記第1のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記第2のインク受容層中における前記第2の無機粒子の含有量が、前記第2のインク受容層の全質量を基準として、80質量%以上である請求項1に記載の記録媒体。
  4. 前記第2のインク受容層の厚さが4μm以上15μm以下である請求項1に記載の記録媒体。
  5. 前記第1のインク受容層と第2のインク受容層の合計の厚さが25μm以上である請求項1に記載の記録媒体。
  6. 前記第2の無機粒子が気相法シリカを含む請求項1に記載の記録媒体。
  7. 前記第2のインク受容層中におけるコロイダルシリカの含有量が、前記第2のインク受容層の全質量を基準として、0質量%以上50質量%以下である請求項1に記載の記録媒体。
  8. 請求項1に記載の記録媒体の、前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層を有する側の表面に、インクジェット方式の記録ヘッドから顔料を含む顔料インク、及び、染料を含む染料インクのうちの少なくとも一方を付与して、前記記録媒体に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 前記顔料インクは、さらにアニオン性の水溶性樹脂を含む請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記記録媒体の、前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層を有する側の表面に、インクジェット方式の記録ヘッドから前記顔料インクと前記染料インクの両方を付与して、前記記録媒体に画像を記録する請求項8に記載のインクジェット記録方法。
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