JP2022171357A - ウィスキー樽からの日本酒抽出物含有のゲル状組成物および抗炎症性飲食品 - Google Patents

ウィスキー樽からの日本酒抽出物含有のゲル状組成物および抗炎症性飲食品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒の抽出物を含む、組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒の抽出物を含む、ゲル状組成物を提供する。本発明のゲル状組成物は、取り扱いが容易であり、また抗炎症性活性を示すバニリン酸を含むため、炎症性の疾患または症状を処置することができる。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 2020年10月9日に一般社団法人 日本農村医学会 日本農村医学会雑誌,第69巻,第2号,第121~125頁にて掲載
本発明は、ウィスキー樽からの日本酒抽出物含有のゲル状組成物、およびその製造方法、並びに同組成物を含有する抗炎症性飲食品および抗炎症性組成物に関する。
ウィスキー樽の材料であるオーク材には、抗酸化作用を有するフェルラ酸が結合しているが、細胞壁にエステル結合しているため、フェルラ酸を遊離、溶解することは困難である。フェルラ酸は、バニリンおよびバニリン酸の前駆物質であり、特にバニリン酸は、酸化ストレス、サイトカイン産生およびNFkB活性化を抑制することで抗炎症作用を示すことが知られているが、同じ抗炎症作用を持つ非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と比較して、肝臓や胃に対する毒性が低いことが知られる。
日本酒の中には、醸成段階で使用した麹菌由来のフェルラ酸エステラーゼが含まれている。そこで、本願の発明者等は、フェルラ酸エステラーゼを含んだ日本酒をウィスキー用のオーク樽中で熟成させることにより、オーク樽に結合しているフェルラ酸を遊離させ、次いでフェルラ酸から空気酸化作用によりバニリン、バニリン酸へと変化させることが可能であると考え、オーク樽を用いた日本酒熟成によって、フェルラ酸だけでなく、バニリンやバニリン酸を含有する日本酒を入手することができることを報告している(非特許文献1参照)。
標準的な日本酒の製造の工程では、苦味・匂いの除去のため、活性炭処理を行うが、活性炭処理により、フェルラ酸が大幅に減少してしまう。これらフェルラ酸の含有量の減少は、この結果、フェルラ酸からの酸化によるバニリンやバニリン酸の産出量の減少につながる。
上記の日本酒原液の場合には、たとえ活性炭処理を行わない日本酒原酒を使用してウィスキー用のオーク樽中で熟成させても、得られる日本酒原酒は苦味・匂いがあり、扱いにくい。一方で、オーク樽中での熟成前の日本酒を活性炭処理した場合、あるいはオーク樽中での熟成後の日本酒を活性炭処理した場合、いずれの場合でも苦味・匂いは除外できるものの、目的のフェルラ酸の含有量の減少を生じ、バニリンやバニリン酸の産出量の減少につながる。
また、得られる日本酒原液の形態では、液状であることで取り扱いが制限され、また、添加剤として使用する場合に、その使用量の制限、およびまた使用量あたりに含まれているこれらバニリン酸の含有量がかなり低くなる。また、液状の形態であることから、組成物の安定性も低い。
よって、バニリン酸の含有量を保持しながら、液状原液よりも取り扱いやすい固体の組成物が求められている。
そこで、本願発明者等は、これらオーク樽由来のバニリン酸等を豊富に含む固体状の組成物を得るべく、種々検討の結果、活性炭処理していない日本酒原酒を用いてウィスキー用のオーク樽中で熟成させて得られる日本酒原酒を、窒素噴射処理を行い、続いて得られた混合物について凍結乾燥処理を行うことによって、ゲル状の組成物が得られることを見出した。また、得られたゲル状の組成物は、その容量が液状の日本酒原酒の場合と比較して、約20分の1にまで濃縮することができ、更にゲル状化の際に、アルコール分が消失していることが分かった。
堀田彰一朗著ら、日農医詩68巻2号 121-125頁 2020.7
本発明は、ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒の抽出物を含む、ゲル状組成物に関する。本発明はまた、当該ゲル状組成物の製造方法、および同ゲル状組成物を含有する抗炎症性飲食品および抗炎症性組成物、を提供することを目的とする。
本発明者等は、日本酒の原酒およびウィスキー樽のオーク材からの抽出物を含む液状組成物を、窒素噴射および凍結乾燥の処理を行ったところ、ゲル状組成物が得られることを見出した。また、本発明により、かかるゲル状組成物は抗炎症活性を奏するバニリン酸を含むことから、かかるゲル状組成物を添加剤として含む、抗炎症性飲食品、および抗炎症性組成物を得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を含むが、これらに限定されるものではない。
(ゲル状組成物)
[1] ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒の抽出物を含む、ゲル状組成物(以下、本明細書中で「本発明のゲル状組成物」と呼称する場合がある)。
[2] 日本酒の原酒およびウィスキー樽のオーク材からの抽出物を含む液状組成物を、窒素噴射および凍結乾燥の処理を行うことによって製造される、[1]記載のゲル状組成物。
[3] 該抽出物が、バニリン酸を含む、[1]または[2]のいずれかに記載のゲル状組成物。
[4] 該抽出物が、さらにフェルラ酸、バニリン、グルカゴリンおよびハイドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物、を含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載のゲル状組成物。
[5] 日本酒の原酒およびウィスキー樽のオーク材からの抽出物を含む液状組成物が、ウィスキー樽中で日本酒の原酒を、室温以下で12週間以上、貯蔵することによって得られる、[1]~[4]のいずれか1つに記載のゲル状組成物。
[6] ウィスキー樽中で日本酒の原酒を、遮光下、4~10℃で、11か月以上、貯蔵する、ことを特徴とする、[5]記載のゲル状組成物。
(ゲル状製造方法)
[7] 下記工程を含む、前記[1]~[6]のいずれか1つに記載のゲル状組成物の製造方法であって、
該液状組成物を、温度が20~25℃で3時間、窒素噴射によって処理する;および、
前記窒素噴射処理で得られた混合物を、8時間~12時間、凍結乾燥によって処理する、
ことを含む、当該製造方法(以下、本明細書中で「本発明の製造方法」と呼称する場合がある)。
(ゲル状組成物を含む飲食品)
[8] [1]~[6]のいずれか1つに記載のゲル状組成物または[7]に記載の製造方法によって得られるゲル状組成物を含む、飲食品(以下、本明細書中で「本発明の飲食品」と呼称する場合がある)。
[9] 飲食品が、清涼飲料水、ノンアルコール飲料、アルコール飲料、またはサプリメントである、[8]に記載の飲食品。
[10] 抗炎症性を有する、[8]または[9]のいずれかに記載の飲食品。
(ゲル状組成物を含む、炎症性疾患処置用の医薬組成物)
[11] 有効成分として、[1]~[6]のいずれか1つに記載のゲル状組成物または[7]に記載の製造方法によって得られるゲル状組成物を含む、炎症性の疾患または症状を処置するための医薬組成物(以下、本明細書中で「本発明の医薬組成物」と呼称する場合がある)。
[12] 炎症性の疾患または症状の処置が、消化管に対する化学熱傷もしくは肝障害の軽減、アルコール接取の弊害の緩和、または食欲抑制である、[10]に記載の抗炎症性飲食品、または[11]に記載の医薬組成物。
本発明の、ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒の抽出物を含むゲル状組成物は、液状組成物と比べて、添加剤として取り扱いが容易であり、また、その容量を液状組成物の場合と比べて、大幅に濃縮することができ、更に日本酒由来のアルコール分が消失されていることから、清涼飲料水やサプリメント等に使用することも可能である。更に、本発明のゲル状組成物は、抗炎症活性を奏するバニリン酸を含有することから、同ゲル状組成物を有効成分として添加して含む、抗炎症性飲飲食品、および炎症性の疾患または症状を処置するための医薬組成物を、提供することが可能となる。
(定義)
本明細書で使用する「ゲル状組成物」とは、ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒による抽出物を含むゲル状の組成物、を称する。
「ゲル」とは、物質の状態としての分散系の一種の形態であって、ゾルと同じく液体分散媒のコロイドに分類されるが、そのうちで、固体状のものを称する。
本発明のゲル状組成物は、日本酒の原酒によるウィスキー樽のオーク材からの抽出物を含む。
本発明のゲル状組成物は、以下の工程によって製造することができる。
具体的には、
オーク材からできたウィスキー熟成用樽中で日本酒の原酒を、室温以下(例えば、0~20℃であり、好ましくは4~10℃)で、一定期間(例えば、12週間以上であり、好ましくは1年間以上、より好ましくは2年間以上)、好ましくは遮光下で貯蔵して熟成させ、その後に、樽から液体(液状組成物と称する)を取り出す(必要であれば、樽から取り出した液体をろ過して、不溶物を除く);
得られた液体(液状組成物)を、温度が20~25℃で3時間を用いて窒素噴射を行い処理する(本明細書中、「窒素噴射処理」という)、
得られた処理後の混合物を、8~12時間を用いて凍結乾燥を行い処理する(本明細書中、「凍結乾燥処理」という)。
1実施態様によれば、液状組成物の約1mLを用いて、窒素噴射処理および凍結乾燥処理を行った後、約50μLのゲル状組成物を得ることができる。これらの一連の処理工程の間に、日本酒に含まれているアルコール分は失われ、ゲル状組成物にはほとんどアルコール分は含まれていない。
本発明の製造方法によれば、日本酒の製造の過程において通常、その苦味・匂いを除外する目的で行われる活性炭を用いる処理を行わないことを特徴とする。活性炭処理を行うと、苦味や匂いを除外することはできるが、同時にフェルラ酸も除外され、結果として、本明細書中に後述する通り、フェルラ酸に由来するバニリンおよびバニリン酸の算出量の減少を生じる。
本明細書で使用する「ウィスキー樽」とは、ウィスキーの製造において通常使用される樽のことを言い、貯蔵容量としてはいわゆるファーキンと呼ばれる小型の樽から、パイプと呼ばれる大型の樽のいずれであってもよく、例えば200Lの樽を挙げられるが、これらに限定されない。樽は、ウィスキーの熟成にこれから使用するもの、または既に熟成に使用されたもの(例えば、熟成3年使用済)のいずれであってもよいが、1実施態様によれば、熟成使用済の樽を使用する。
本明細書で使用する「オーク材」とは、いわゆるナラの木のことを言うが、特にウィスキー熟成用の樽に使用されるオーク材を言う。具体例としては、アメリカンホワイトオーク、ミズナラ、フレンチオーク、およびスパニッシュオークを挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用する「日本酒の原酒」とは、発酵させて絞った日本酒に、水を加えずに出荷したものをいう。具体的に使用される日本酒の原酒は、一般的に飲用されるものであればよく、特に限定されるものではない。
本明細書で使用する「液状組成物」とは、前記の日本酒の原酒をウィスキー熟成用のオーク樽中に貯蔵して熟成させた後に取り出した液体をいう。ここで、取り出す際に必要であれば液体に含まれる不溶物をろ過してもよい。
ここで、日本酒には、美肌・食欲抑制因子としても知られる、フェルラ酸が含まれている。またウィスキーの製造の過程において、オーク樽中で熟成期間中にウィスキーは樽にしみこみ、失われ、このときの失われてしまう部分はエンジェルス・シェア(天使の取り分)とも呼ばれる。このエンジェルス・シェアには、食欲抑制因子としてのバニリンと、美肌因子としてのグルコガリンが含まれることが知られる。
このエンジェルス・シェアを抽出するには、使用済のウィスキー樽に水を入れて樽から染み出させる方法(Devil's法として知られる)、しかしながら、この場合、アルコール分が薄いため、通常ウィスキー原酒にこの抽出水を混ぜて調整している。
一方で、本発明の製法によれば、日本酒の原酒を用いて貯蔵・熟成させることで、日本酒中に本来含まれるフェルラ酸エステラーゼの作用により、樽のオーク材に結合したフェルラ酸を解離させることができると推測できる。このとき、上記の水によるエンジェルス・シェアを抽出する場合とは異なって、本発明の日本酒の原酒を用いる製法では、使用済のウィスキーの樽を使用する必要がなく、未使用のオーク樽を用いてもよい。
下記に示す通り、フェルラ酸は、空気中で酸化されると、バニリンや、更にバニリン酸にまで酸化される。よって、本発明においては、ウィスキー熟成用の樽中で一定期間、貯蔵・熟成された、日本酒の原酒は、フェルラ酸由来のバニリン酸を含むことが好ましい。本明細書で使用する「液状組成物」または「ゲル状組成物」中には、バニリン酸を含み、フェルラ酸、バニリン、グルカゴリン、およびハイドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む。
本明細書で使用する「液状組成物」または「ゲル状組成物」中には、バニリン酸を含み、更にフェルラ酸、バニリン、グルカゴリン、およびハイドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を含む。
Figure 2022171357000001
本発明のゲル状組成物中のバニリン酸の含有量は、ゲル状組成物の重量に対して、通常、0.1~10重量%含まれているが、この数量範囲に限定されるものではない。
含有量の測定は、液体クロマトグラフィー(LC)法と質量分析(MS)法とを組み合わせたLC-MS法を用いて調べることができる。
(飲食品)
前記の通り、本発明の製造方法で製造したゲル状組成物は、添加剤として、飲食品中に加えることで、飲食品(以下、「本発明の飲食品」と呼称する)として使用することができる。
飲食品としては、特に限定されるものではないが、清涼飲料水(例えば、ミネラルウォーター、フルーツジュース、野菜ジュースなど)、ノンアルコール飲料(アルコール含有量が1%未満のものをいい、例えば、ノンアルコールビール、ノンアルコール酎ハイ)、アルコール飲料(例えば、日本酒、スパークリングワイン、ウィスキーなど)、健康食品(サプリメントを含む)等を挙げられる。ここで、健康食品とは、特別用途食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性食品、栄養補助食品、健康補助食品、栄養強化食品、栄養調整食品、およびサプリメントなどが挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明のゲル状組成物中に含まれるバニリン酸は、抗炎症性活性を奏するために、当該ゲル状組成物を添加剤として加えた飲食品は、その他の一般的に知られる食品添加剤をも含み、抗炎症性飲食品として使用することができる。
本発明に係る飲食品には、本発明のゲル状組成物をそのまま、または必要に応じて他の添加剤と混合されてなる組成物の形態で、飲食品に配合してもよい。例えば、本発明に係る飲食品は、本発明に係るゲル状組成物に安定剤等の慣用の添加成分を加えて飲食品として調製したもの、各種タンパク質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類等を、それらにさらに配合して調製したもの、液状、半液体状もしくは固体状にしたもの、ペースト状にしたもの、または、一般の飲食品へ本発明のゲル状組成物を添加したものであってもよい。
例えば、飲食品が飲料品(例えば、日本酒、スパーリング酒、洋酒)である場合には、適宜、果実エキスをあわせて添加して調製してもよい。
本発明において、「飲食品」は、医薬以外のものであって、哺乳動物が経口摂取可能な形態のものであれば特に制限はなく、その形態も液状物(溶液、懸濁液、乳濁液など)、半液体状物、粉末、または固体成形物のいずれのものであってもよい。このため飲食品は、例えば飲料の形態であってもよく、また、いわゆるサプリメントのような栄養補助食品の錠剤形態であってもよい。
飲食品として具体的には、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品などの即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料などの飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、唐揚げ粉、パン粉などの小麦粉製品;飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子などの菓子類;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類などの調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズなどの油脂類;乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類などの乳製品;魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品などの水産加工品;畜肉ハム・ソーセージなどの畜産加工品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアルなどの農産加工品;冷凍食品;栄養食品などが挙げられる。
本発明に係る飲食品は、本明細書に記載する炎症性の疾患または症状の予防、治療、または疾患の進行の抑制を欲している者に対して好適に使用することができる。
本発明において「飲食品」には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示が付された食品、または、病者用食品のような分類のものも包含される。さらに「飲食品」という用語は、ヒト以外の哺乳動物を対象として使用される場合には、飼料を含む意味で用いられうる。ここでいう特定保健用食品とは、所望の効果の発現を目的として食品の製造または販売等を行う場合に、保健上の観点から、各国(例えば我が国)において法上の何らかの制限を受けることがある食品をいう。このような食品は、食品が疾病リスクを低減する可能性があることを表示した食品、すなわち、疾病リスク低減表示を付した食品であってもよい。ここで、疾病リスク低減表示とは、疾病リスクを低減する可能性のある食品の表示であって、FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)の定める規格に基づいて、またはその規格を参考にして、定められた表示または認められた表示でありうる。
本発明の飲食品においては、上述した有効成分に加えて、他の機能を有する成分をさらに添加してもよい。また例えば、日常生活で摂取する食品、健康食品、機能性食品、サプリメント(例えば、カルシウム、マグネシウム等のミネラル類、ビタミンK等のビタミン類を1種以上含有する食品)に本発明の有効成分を配合することにより、本発明による効果に加えて、他の成分に基づく機能を併せ持つ飲食品を提供することができる。
本発明に係る飲食品の製造にあたっては、通常の飲食品の処方設計に用いられている糖類、香料、果汁、食品添加剤、安定剤などを適宜添加することができる。飲食品の製造は、当該技術分野に公知の製造技術を参照して実施することができる。本発明に係る飲食品は様々な形態を取ることができ、公知の医薬品の製造技術に準じて本発明に係る飲食品を製造してもよい。その場合には、本発明に係る医薬組成物や医薬製剤の製造の項目において述べたような担体や賦形剤を用いて製造することができる。また、製造段階において、本発明における機能以外の機能を発揮する他の成分または他の機能性食品と組み合わせることによって、多機能性の飲食品としてもよい。
(医薬)
本発明のゲル状組成物を添加剤として加えた医薬組成物は、その他の一般的に知られる医薬的に許容可能な担体または賦形剤をも含み、炎症性の疾患または症状を処置するための医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」または「本発明の抗炎症性医薬組成物」と呼称する)として使用することができる。
これら抗炎症性食品および抗炎症性医薬組成物は、例えば、消化管に対する化学熱傷もしくは肝障害の軽減、アルコール接取の弊害の緩和、または食欲抑制のために使用することができる。
当該抗炎症性医薬組成物の投与のための医薬製剤の剤型としては、薬学上許容され得る形態であれば、特に限定されるものではない。好ましくは、経口投与用に用いられる形態であり、例えば、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、コーティング錠、シロップ剤、または液剤を挙げられる。
抗炎症性製剤としての治療学的な有効量は、投与される被験者の種類、性別、年齢、体重、または処置する疾患もしくは該疾患の重篤度によって変わり得るが、炎症性の疾患または症状を予防または治療するのに有効な量であればよい。また、被験者に投与されるための、本明細書中に記載されている抗炎症性の医薬製剤の用量は、大きく変更可能であり、医師等の判断に従い得る。
本明細書中で使用する、用語「被験者」とは、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、またはマウスを挙げられるが、これらに限定されない)を意味する。一実施態様によれば、「被験者」は、本明細書中に記載されている疾患等の処置を必要とするヒトである。
本明細書中で使用する、用語「処置」とは、治療または予防を含むと意図する。
本明細書中で使用する、用語「治療」または「治療する」とは、障害、疾患、もしくは好ましくない健康状態、または当該障害、疾患、もしくは好ましくない健康状態に関連する1つ以上の症状を軽減するか、もしくは排除するか、または当該障害、疾患、もしくは好ましくない健康状態自体の1つもしくはそれ以上の原因を部分的に解消するかまたは根絶することを含むと意図する。
本明細書中で使用する、用語「予防」または「予防する」とは、疾患、疾病もしくは状態の発症および/またはそれに付随する病状の発生を遅延させるかおよび/または防ぐ方法、および/または対象を疾患、疾病、もしくは状態にさせないこと、または、疾患、疾病、もしくは状態になる、対象のリスクを軽減させることを含むと意図する。
本明細書中で使用する、「約」または「およそ」とは、当業者によって決定される特定の値についての許容可能な誤差を意味しており、当該誤差は、当該値がどのように測定されたか、または決定されたかに部分的に依存する。ある実施形態において、「約」または「およそ」という用語は、標準偏差が1、2、3または4の範囲内であることを意味する。例えば、所定の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%以内を意味する。
本発明のゲル状組成物を含有する医薬組成物、および該医薬組成物の投与剤形、並びに製剤の投与剤形は、各有効成分以外に、製剤化のための添加物を含み、そして、添加剤としては製剤上一般的に使用される医薬的に許容可能な担体または賦形剤を挙げられる。該賦形剤の例としては、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、保存剤、流動促進剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを挙げられ、これら賦形剤は2つ以上の混合物を含み得る。
本明細書中で使用する、用語「医薬的に許容可能な担体または賦形剤」とは、医薬的に許容可能な材料、組成物、またはビヒクルを意味すると意図する。1実施形態によれば、それぞれの担体または賦形剤は、(1)医薬製剤の他の成分と適合性であり、(2)過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトなどの動物の組織または器官と接触させる使用に好ましく、(3)合理的な利益/リスク比に見合っているという意味において、「医薬的に許容可能な」である(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,A.Gennaro,ed.,20th edition,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,Paを参照)。
本願明細書に記載する、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、保存剤、流動促進剤、着色剤、矯味剤、および矯臭剤のそれぞれの具体例については、一般的に医薬製剤の分野で使用されるものであれば、特に限定されるものではない。
本明細書中に記載されている医薬組成物は経口投与することができ、経口投与される場合、当該医薬組成物は水と一緒に服用することができる。
以下、本発明を、実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。本明細書の製造方法で使用する、材料および機器は以下に記載する通りであるが、これらに限定されるものではない。
参考製造例1
(液状組成物の製造)
本明細書に記載の製造方法で使用する液状組成物は、下記の方法に従って製造することができる。
オーク樽内に所定の日本酒を入れて、4~10℃の遮光環境にて12週間から11か月保存した。
製造例1
(ゲル状組成物の製造)
本願発明のゲル状組成物は、下記の方法に従って製造することができる。
(1)窒素噴射処理
上記参考製造例1で調製した日本酒を、窒素噴射を20~25℃の環境で3時間行った。
(2)凍結乾燥処理
上記窒素噴射後の液体を凍結乾燥機に入れ、8~12時間凍結乾燥を行い、本発明の所望するゲル状組成物を得た。
(飲食品の製造)
飲料品
適量の飲料品(例えば、1升(約1.8L)の日本酒、700mLのウィスキー、750mLのワインなど)に、適量の本発明のゲル状組成物を添加、混合して、調製した。
食品
適量の食品(例えば、クッキー)の材料に、適量の本発明のゲル状組成物を混ぜて、その材料混合物を焼くなどの処理工程を行って、調製した。
適量の食品(例えば、カレー、白飯)に、適量の本発明のゲル状組成物を振りかけて、食する。
医薬製剤
カプセル剤に通常使用される適量の賦形剤と、適量の本発明のゲル状組成物を混合し、硬抗カプセル剤(例えば、460mgのカプセル剤)に充填して、カプセル剤を調製する。
本発明によれば、オーク樽由来のバニリン酸等を豊富に含むゲル状の組成物を得ることができることを見出した。また、得られたゲル状組成物を添加剤として用いて、抗炎症性の食品または医薬を得ることができる。

Claims (12)

  1. ウィスキー樽のオーク材からの日本酒の原酒の抽出物を含む、ゲル状組成物。
  2. 日本酒の原酒およびウィスキー樽のオーク材からの抽出物を含む液状組成物を、窒素噴射および凍結乾燥の処理を行うことによって製造される、請求項1記載のゲル状組成物。
  3. 該抽出物が、バニリン酸を含む、請求項1または2のいずれかに記載のゲル状組成物。
  4. 該抽出物が、さらにフェルラ酸、バニリン、グルカゴリンおよびハイドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物、を含む、請求項1~3のいずれか1つに記載のゲル状組成物。
  5. 日本酒の原酒およびウィスキー樽のオーク材からの抽出物を含む液状組成物が、ウィスキー樽中で日本酒の原酒を、室温以下で12週間以上、貯蔵することによって得られる、請求項1~4のいずれか1つに記載のゲル状組成物。
  6. ウィスキー樽中で日本酒の原酒を、遮光下、4~10℃で、11か月以上、貯蔵する、ことを特徴とする、請求項5記載のゲル状組成物。
  7. 下記工程を含む、前記請求項1~6のいずれか1つに記載のゲル状組成物の製造方法であって、
    該液状組成物を、温度が20~25℃で3時間、窒素噴射によって処理する;および、
    前記窒素噴射処理で得られた混合物を、温度が8~12時間、凍結乾燥によって処理する、
    ことを含む、当該製造方法。
  8. 請求項1~6のいずれか1つに記載のゲル状組成物または請求項7に記載の製造方法によって得られるゲル状組成物を含む、飲食品。
  9. 食品が、清涼飲料水、ノンアルコール飲料、アルコール飲料、またはサプリメントである、請求項8に記載の飲食品。
  10. 抗炎症性を有する、請求項8または9のいずれかに記載の飲食品。
  11. 有効成分として、請求項1~6のいずれか1つに記載のゲル状組成物または請求項7に記載の製造方法によって得られるゲル状組成物を含む、炎症性の疾患または症状を処置するための医薬組成物。
  12. 炎症性の疾患または症状の処置が、消化管に対する化学熱傷もしくは肝障害の軽減、アルコール接取の弊害の緩和、または食欲抑制である、請求項10に記載の抗炎症性飲食品、または請求項11に記載の医薬組成物。
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