JP2022170332A - 作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を向上しつつ、騒音や振動の発生を抑制する。【解決手段】ハンマドリル10は、仮保持機構90を有しており、仮保持機構90は、シリンダ57の内周部に設けられたOリング92と、ピストン64の外周部に形成された係合溝94と、を含んで構成されている。そして、ドリルモードでは、ピストン64が上死点位置に配置されることで、Oリング92が係合溝94に嵌まり込む。これにより、Oリング92と係合溝94とが係合して、ピストン64が仮保持される。その結果、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動が抑制される。このため、例えば、ピストン64が上死点位置以外の位置で停止した状態のドリルモードにおいて、仮にピストン64がシリンダ57に対して相対移動したときには、ピストン64が上死点位置に到達することで、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動を仮保持機構90によって抑制できる。【選択図】図6

Description

本発明は、作業機に関するものである。
下記特許文献1に記載のハンマドリル(作業機)では、先端工具がシリンダに連結されており、シリンダの内部には、ピストンが相対移動可能に挿入されている。また、ピストンには、運動変換部材が連結されており、運動変換部材が回転軸の回転をピストンの往復移動に変換する。これにより、運動変換部材が作動することで、ピストンがシリンダの軸方向に往復移動して、先端工具に打撃力が付与される。
また、上記ハンマドリルは、ハンマドリルの動作モードを切替えるモード切替機能を有している。具体的には、ハンマドリルのドリルモードでは、回転軸の回転が運動変換部材に伝達されず、運動変換部材が回転軸に対して空転する。これにより、ドリルモードでは、ピストンが停止して、先端工具に打撃力が付与されない。
国際公開第2020/195725号
しかしながら、上記ハンマドリルでは、ドリルモードにおいて、回転軸に対して空転し且つ停止する運動変換部材が、回転軸と運動変換部材との間の摩擦などによって動く場合がある。この場合には、ピストンがシリンダに対して相対移動する。これにより、ハンマドリルの耐久性が低下すると共に、騒音や振動が発生する虞がある。
本発明は、上記事実を考慮して、耐久性を向上しつつ、騒音や振動の発生を抑制できる作業機を提供することを目的とする。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、駆動源と、軸方向の一方側の端部に先端工具が連結される筒状のシリンダと、前記シリンダに相対移動可能に収容され、前記駆動源の駆動力によって作動することで第1反転位置と前記第1反転位置に対して前記軸方向の他方側の第2反転位置との間を往復移動するピストンと、前記シリンダの内部において前記ピストンとの間に空気室を形成し、前記ピストンの往復移動による前記空気室の圧力変動によって作動して前記先端工具に打撃力を付与する打撃部材と、前記シリンダ及び前記ピストンに設けられ、前記ピストンの非作動状態において前記ピストンを仮保持して前記ピストンの前記シリンダに対する相対移動を抑制する仮保持機構と、を備えた作業機である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記シリンダは、前記軸方向に移動可能に構成されており、前記仮保持機構が、前記シリンダの前記軸方向の位置に応じて、前記ピストンを仮保持可能な仮保持可能状態又は前記ピストンを仮保持不能な仮保持不能状態に切替可能に構成されている作業機である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記駆動源の駆動力によって回転する回転軸と、前記ピストンに連結され、前記回転軸の回転を前記ピストンの往復移動に変換する運動変換部材と、前記回転軸に設けられ、前記シリンダの前記軸方向の位置に応じて、前記回転軸の回転を前記運動変換部材に伝達する伝達状態又は前記回転軸の回転の前記運動変換部材への伝達を遮断する遮断状態に切替るクラッチと、を備え、前記クラッチの遮断状態では、前記仮保持機構が前記仮保持可能状態となり、前記クラッチの伝達状態では、前記仮保持機構が前記仮保持不能状態となる作業機である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ピストンの前記第1反転位置又は前記第2反転位置において、前記仮保持機構部によって前記ピストンが仮保持される作業機である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記仮保持機構は、前記シリンダ及び前記ピストンの一方に設けられた係合部と、前記シリンダ及び前記ピストンの他方に設けられ、前記係合部と係合可能に構成された被係合部と、を含んで構成されており、前記係合部が前記被係合部に係合することで、前記ピストンが仮保持されて前記ピストンの前記シリンダに対する相対移動が抑制される作業機である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記係合部は、前記シリンダの内周部及び前記ピストンの外周部の一方に設けられたOリングであり、前記被係合部は、前記シリンダの内周部及び前記ピストンの外周部の他方に形成され、且つ前記Oリングと係合可能に構成された係合溝である作業機である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記シリンダ及び前記ピストンの他方には、複数の前記被係合部が設けられている作業機である。
上記構成の電気機器によれば、耐久性を向上しつつ、騒音や振動の発生を抑制できる。
本実施の形態に係るハンマドリルを示す左側面図である。 図1に示されるハンマドリルの内部を示す縦断面図である。 (A)は、図2に示されるハンマドリルのシリンダが初期位置からドリルモード切替位置に移動した状態を示す縦断面図であり、(B)は、図2に示されるハンマドリルのシリンダが初期位置からハンマドリルモード切替位置に移動した状態を示す縦断面図である。 図2に示されるインナハウジング、シリンダ支持部材、シリンダ、及び切替プレートを示す斜視図である。 (A)は、図1に示されるハンマドリルの操作レバーがドリルモード設定位置に配置されたときのモード設定プレートと切替プレートとの位置関係を示す後側から見た断面図(図1の5-5線位置における断面図)であり、(B)は、操作レバーがハンマドリルモード設定位置に配置されたときのモード設定プレートと切替プレートとの位置関係を示す(A)に対応する断面図である。 (A)は、ドリルモードにおいてピストンが下死点位置に配置された状態のOリングと係合溝との位置関係を説明するための説明図であり、(B)は、(A)のピストンが上死点位置に配置された状態のOリングと係合溝との位置関係を説明するための説明図である。 (A)は、ハンマドリルモードにおいてピストンが下死点位置に配置された状態のOリングと係合溝との位置関係を説明するための説明図であり、(B)は、(A)のピストンが上死点位置に配置された状態のOリングと係合溝との位置関係を説明するための説明図である。 本実施の形態の仮保持機構が適用された他のハンマドリルの要部を示す縦断面図である。 図8に示されるハンマドリルの伝達機構がハンマドリルモードからハンマモードに切替わった状態を示す縦断面図である。 (A)は、図8に示されるハンマドリルの伝達機構がハンマドリルモードからドリルモードに切替わった状態を示す縦断面図であり、(B)は、(A)のピストンが上死点位置から下死点位置に移動した状態を示す縦断面図である。
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る「作業機」としてのハンマドリル10について説明する。ハンマドリル10は、被加工物に対して穴あけ加工等を行う工具として構成されている。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印LHは、ハンマドリル10の上側、前側、左側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、ハンマドリル10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
図1及び図2に示されるように、ハンマドリル10は、ハウジング12と、ハウジング12内に収容された、インナカバー30と、「駆動源」としてのモータ40と、モータ40の駆動力を先端工具Tへ伝達する伝達機構50と、モータ40を駆動制御する制御部86と、を含んで構成されている。また、ハンマドリル10は、モード切替機構70(図5参照)を有している。そして、モード切替機構70によって、伝達機構50における先端工具Tへの伝達経路が切替えられて、ハンマドリル10が、先端工具Tに回転力のみを付与するドリルモード、又は、先端工具Tに回転力及び打撃力を付与するハンマドリルモードに切替わるように構成されている。また、ハンマドリル10は、仮保持機構90(図6及び図7参照)を有しており、ドリルモードにおける伝達機構50のピストン64の移動を仮保持機構90によって抑制するようになっている。以下、ハンマドリル10の各構成について説明する。
(ハウジング12について)
ハウジング12は、中空状に形成されて、ハンマドリル10の外郭を構成している。このハウジング12は、ハウジング12の前部を構成するフロントハウジング13と、ハウジング12の後部を構成するリヤハウジング16と、を有している。リヤハウジング16は、左側から見た側面視で、前側へ開放された略U字形状に形成されており、フロントハウジング13は、側面視で略逆L字形状に形成されている。そして、リヤハウジング16の上端部及び下端部がエラストマ等の弾性材で構成された連結部17によってフロントハウジング13に連結されている。なお、連結部17の内部には、連結プレート18が設けられており、連結プレート18によって、フロントハウジング13とリヤハウジング16とが前後方向に所定距離以上に離間しない構成になっている。
リヤハウジング16の上下方向中間部は、作業者が把持するハンドル部16Aとして構成されており、ハンドル部16Aは、上下方向に延在されている。ハンドル部16Aの上端部には、トリガ20が設けられている。また、ハンドル部16Aには、トリガ20の上斜め後方において、後述するモータ40の回転方向を切替える切替ボタン21が設けられている。さらに、ハンドル部16Aには、トリガ20の後側において、スイッチ機構22が設けられている。スイッチ機構22は、トリガ20及び切替ボタン21によって操作される、図示しないスイッチを有している。当該スイッチは、後述する制御部86に電気的に接続されており、トリガ20の操作状態及び切替ボタン21の切替状態に応じた出力信号を制御部86に出力する構成になっている。
フロントハウジング13は、第1ハウジング部14と第2ハウジング部15とを含んで構成されている。第1ハウジング部14は、後述する伝達機構50を収容するためのハウジング部として構成されて、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。第2ハウジング部15は、後述するモータ40を収容するためのハウジング部として構成され、上下方向に延在されて、第1ハウジング部14の後端部に接続されている。第2ハウジング部15の後部には、上下方向中間部において、変速スイッチ23が設けられている。変速スイッチ23は、操作されることで、後述するモータ40の回転数を多段に切替えるスイッチとして構成されており、後述する制御部86に電気的に接続されている。
また、第2ハウジング部15の下端部は、リヤハウジング16よりも下側へ突出しており、リヤハウジング16の下端部が、バッテリ取付部16Bとして構成されている。バッテリ取付部16Bには、コネクタ24が設けられており、バッテリ84が、バッテリ取付部16Bに後側から装着されている。バッテリ84は、図示しない接続端子を有しており、接続端子がコネクタ24に接続されて、バッテリ84から後述する制御部86に電力が供給される構成になっている。
(インナカバー30について)
図2~図4に示されるように、インナカバー30は、前側へ開放された略有底楕円筒状に形成されている。インナカバー30は、第1ハウジング部14の内部に配置されて、第1ハウジング部14の後端側の開口部を閉塞し且つ第1ハウジング部14と第2ハウジング部15とを区画するように、第1ハウジング部14に取付けられている。これにより、第1ハウジング部14及びインナカバー30によって、後述する伝達機構50を収容する収容部32が構成されている。なお、第1ハウジング部14とインナカバー30との間には、収容部32の気密性を確保するためのシール部材34が設けられている。
インナカバー30の上部には、後述するシリンダ57を支持するためのシリンダ支持部材36が固定されている。シリンダ支持部材36は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されており、シリンダ支持部材36の前端部が、インナカバー30よりも前側へ突出している。また、インナカバー30の下端部には、後述するモータ40の駆動軸41を支持するためのモータ支持部30Aが形成されている。モータ支持部30Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、インナカバー30の内部と連通している。
(モータ40について)
図2に示されるように、モータ40は、3相のブラシレスモータとして構成されて、ハウジング12の第2ハウジング部15内に収容されている。モータ40は、上下方向を軸方向とする駆動軸41と、駆動軸41に固定された略円筒状のロータ42と、ロータ42の径方向外側に配置された略円筒状のステータ43と、を含んで構成されている。駆動軸41の上端側部分は、軸受44に回転可能に支持されており、軸受44は、インナカバー30のモータ支持部30Aに固定されている。駆動軸41の下端部は、第2ハウジング部15に固定された軸受45に回転可能に支持されている。駆動軸41の上端部は、収容部32の内部に配置されており、駆動軸41の上端部には、モータ側ベベルギヤ41Aが形成されている。そして、モータ40が、後述する制御部86に電気的に接続されている。
駆動軸41の上端側部分には、軸受44の下側の位置において、ファン46が設けられており、ファン46は、駆動軸41に一体回転可能に固定されている。このファン46は、所謂遠心ファンとして構成されており、ファン46の中央側の空気を径方向外側へ流出させるように構成されている。
(伝達機構50について)
図2及び図3に示されるように、伝達機構50は、「回転軸」としての中間軸51と、シリンダ57と、ピストン64と、打撃部材としての打撃子65と、中間子66と、を含んで構成されて、収容部32の内部に配置されている。
(中間軸51について)
中間軸51は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、収容部32の下部に配置されている。中間軸51の前端部は、第1ハウジング部14に固定された軸受52に回転可能に支持されており、中間軸51の後端部は、インナカバー30に固定された軸受53に回転可能に支持されている。中間軸51の後端側部分には、軸側ベベルギヤ54が固定されており、軸側ベベルギヤ54は、モータ40のモータ側ベベルギヤ41Aに噛合している。これにより、モータ40が駆動して駆動軸41が回転することで、中間軸51が自身の軸回りに回転する。
中間軸51の前端側部分における外周部には、中間ギヤ部51Aが形成されている。また、中間軸51には、中間ギヤ部51Aの後側において、略円筒状のクラッチ55が外挿されている。クラッチ55は、中間ギヤ部51Aにスプライン嵌合されている。すなわち、クラッチ55が、中間ギヤ部51Aの軸方向に相対移動可能に且つ中間ギヤ部51Aと一体回転可能に連結されている。クラッチ55の後端部には、噛合い部55Aが形成されている。また、クラッチ55の前端部の外周部には、クラッチ溝55Bが形成されており、クラッチ溝55Bは、クラッチ55の周方向に延在されると共に、周方向全周に亘って形成されている。
中間軸51には、クラッチ55の後側において、運動変換部材56が回転可能に外挿されている。運動変換部材56は、中間軸51の回転力が入力されることで、中間軸51の回転運動を変換して、後述するピストン64を前後方向へ往復移動させる部材として構成されている。運動変換部材56の前端部には、噛合い部56Aが形成されている。そして、クラッチ55が後側へ移動して、噛合い部55Aが噛合い部56Aに噛合うことで、クラッチ55及び運動変換部材56が連結して、クラッチ55が、中間軸51の回転力を運動変換部材56に伝達する伝達状態になる。一方、噛合い部55A及び噛合い部56Aが離間した状態では、クラッチ55及び運動変換部材56が非連結状態となり、クラッチ55が、中間軸51の回転力の運動変換部材56への伝達を遮断する遮断状態になる。また、運動変換部材56は、上方側へ延出されたアーム部56Bを有している。
(シリンダ57について)
シリンダ57は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、中間軸51の上側において収容部32内に収容されている。シリンダ57の後端部は、軸受58に回転可能に支持されており、軸受58は、シリンダ支持部材36の内周部に固定されている。一方、シリンダ57の前端側部分は、軸受59に回転可能に支持されており、軸受59は、第1ハウジング部14に支持リング60を介して固定されている。また、シリンダ57は、略段付き円筒状に形成されており、シリンダ57の前端部の内径が、他の部分の内径よりも小さく設定されている。シリンダ57の前端部には、工具保持部62が取付けられており、工具保持部62によって先端工具Tが着脱可能に固定されている。
シリンダ57の軸方向中間部には、径方向外側へ突出したフランジ57Aが形成されている。フランジ57Aの前部には、リング状のシリンダギヤ63が設けられている。シリンダギヤ63の前側には、圧縮コイルスプリングとして構成された付勢バネ67が設けられており、付勢バネ67によって、シリンダギヤ63が、フランジ57Aに押し付けられて、シリンダ57と一体回転可能に構成されている。また、シリンダギヤ63は、中間軸51の中間ギヤ部51Aに噛合している。これにより、中間軸51が回転することで、シリンダ57及び先端工具Tがシリンダ57の軸回りに回転する構成になっている。
(ピストン64について)
ピストン64は、前側へ開放された略有底円筒状に形成されて、シリンダ57の後部内に前後方向に相対移動可能に挿入されている。ピストン64の底壁には、後側へ延出されたピストン連結部64Aが形成されており、ピストン連結部64Aには、運動変換部材56におけるアーム部56Bの上端部が左右方向を軸方向として回転可能に連結されている。これにより、クラッチ55の伝達状態では、ピストン64が作動状態となり、運動変換部材56が作動することで、ピストン64が前後方向に往復移動する。具体的には、ピストン64が、第1反転位置としての下死点位置(図6(A)に示される位置)と、下死点位置に対して後側の第2反転位置としての上死点位置(図6(B)に示される位置)と、の間を往復移動する構成になっている。一方、クラッチ55の遮断状態では、ピストン64が非作動状態となり、モータ40が駆動し、中間軸51や軸側ベベルギヤ54、シリンダギヤ63、シリンダ57等が回転していても、運動変換部材56には回転力が伝達されず、ピストン64が上死点位置と下死点位置との間の任意の位置で停止する。
(打撃子65について)
打撃子65は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ピストン64の内部に前後方向に相対移動可能に挿入されている。そして、ピストン64内におけるピストン64の底壁と打撃子65との間の空間が、空気室64Bとして構成されている。また、打撃子65の前面には、略中心部において、前側へ開放された凹部65Aが形成されている。
(中間子66について)
中間子66は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、シリンダ57の前端部内に前後方向に相対移動可能に挿入されている。また、中間子66の後端部は、打撃子65の凹部65Aの内部と当接可能に、打撃子65の前側に隣接して配置されている。これにより、ピストン64が前側へ移動して空気室64B内の圧力が上昇することで、打撃子65及び中間子66が前側へ移動して、前後方向に沿った打撃力が先端工具Tに付与される構成になっている。
(モード切替機構70について)
図2~図5に示されるように、モード切替機構70は、切替プレート71(広義には、「切替部材」として把握される要素である)と、リターンスプリング75と、操作レバー76と、を含んで構成されている。
(切替プレート71について)
切替プレート71は、前後方向を板厚方向とする略円環板状に形成されて、シリンダ57のフランジ57Aの後側において、シリンダ57に前後方向に相対移動可能に外挿されている。切替プレート71の下端部は、他の部分と比べて切替プレート71の径方向外側(下側)へ突出しており、切替プレート71の下端部には、下側へ開放された略半円状の連結凹部71A(図4参照)が形成されている。そして、連結凹部71Aが、クラッチ55のクラッチ溝55B内に挿入されて、クラッチ55及び切替プレート71が前後方向に一体に移動可能に構成されている。
切替プレート71の左端部には、上下方向中間部において、左側へ開放された切欠部71B(図4及び図5参照)が形成されている。切欠部71Bは、後述するモード設定プレート80の形状に対応した所定の形状に切り欠かれている。
また、切替プレート71とシリンダ57のフランジ57Aとの間には、スラストワッシャ72、73が設けられている。スラストワッシャ72、73は、シリンダ57に外挿されている。
(リターンスプリング75について)
リターンスプリング75は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。リターンスプリング75は、切替プレート71と軸受58との間においてシリンダ57に外挿されて、切替プレート71を介してシリンダ57を前側に付勢している。これにより、切替プレート71がシリンダ57と前後方向に一体移動可能に連結されると共に、シリンダ57が、図2に示される初期位置に保持されている。そして、シリンダ57の初期位置では、クラッチ55が運動変換部材56に対して前側へ離間しており、クラッチ55と運動変換部材56とが非連結状態になっている。
(操作レバー76について)
図1及び図5に示されるように、操作レバー76は、レバー本体77と、モード設定プレート80と、を含んで構成されている。レバー本体77は、レバー軸78を有しており、レバー軸78は、左右方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。そして、レバー軸78が、第1ハウジング部14の左側壁に貫通形成された支持孔14Bに回転可能に支持されており、レバー軸78の先端部(右端部)が、収容部32内に突出している。レバー軸78には、後述するモード設定プレート80を固定するためのスリット78Aが形成されており、スリット78Aは、レバー軸78の先端側へ開放されている。
レバー本体77は、取手部79を有しており、取手部79は、レバー軸78の基端部(左端部)からレバー軸78の径方向外側へ延出されている。取手部79は、第1ハウジング部14の外部に形成されたレバー収容凹部14C(図1参照)の内部に回動操作可能に配置されている。具体的には、操作レバー76が、図1において実線にて示されるハンマドリルモード設定位置と、ハンマドリルモード設定位置から左側から見て時計回りに略90度回転したドリル設定位置(図1において2点鎖線にて示される位置)と、の間を回転可能に構成されている。
モード設定プレート80は、略クランク形板状に形成されている。具体的には、モード設定プレート80は、略逆L字形板状の固定プレート部80Aと、固定プレート部80Aから右側へ突出したストッパプレート部80Bと、を含んで構成されている。そして、固定プレート部80Aがレバー軸78のスリット78Aに挿入されて、固定ネジ81によってレバー軸78に固定されている。また、モード設定プレート80のレバー軸78への固定状態では、ストッパプレート部80Bが、レバー軸78から右側へ突出している。
ここで、ハンマドリル10では、先端工具Tを被加工物に押し付けて、被加工物に負荷を付与した状態(以下、この状態を負荷状態という)で、被加工物に対して加工を行うようになっている。これにより、ハンマドリル10の負荷状態では、被加工物からの反力によって、シリンダ57がリターンスプリング75の付勢力に抗して後側へ移動する構成になっている。
そして、操作レバー76のドリルモード設定位置では、操作レバー76のモード設定プレート80が、上下方向を板厚方向として配置され、後側から見て、ストッパプレート部80Bの先端部が切替プレート71に重なるように配置される設定になっている(図5(A)参照)。このため、操作レバー76のドリルモード設定位置でハンマドリル10を負荷状態にすると、シリンダ57が切替プレート71と共に初期位置から後側へ所定距離移動し、切替プレート71が操作レバー76のストッパプレート部80Bに当接した位置でシリンダ57が停止するようになっている(図3(A)に示される位置であり、以下、このシリンダ57の位置を「ドリルモード切替位置」と称すると共に、広義には、第1位置として把握される位置である)。
また、シリンダ57のドリルモード切替位置では、切替プレート71と共に移動するクラッチ55が運動変換部材56に到達せずに、クラッチ55の遮断状態が維持される構成になっている。これにより、ハンマドリル10がドリルモードになり、伝達機構50によって先端工具Tに回転力のみが付与される。
一方、操作レバー76のハンマドリルモード設定位置では、操作レバー76のモード設定プレート80が、前後方向を板厚方向として配置され、後側から見て、モード設定プレート80のストッパプレート部80Bが、切替プレート71の切欠部71B内に配置される設定になっている(図5(B)参照)。すなわち、後側から見て、ストッパプレート部80Bと切替プレート71とが重ならない設定になっている。このため、ハンマドリル10の負荷状態時にシリンダ57が後側へ移動すると、切替プレート71が、ストッパプレート部80Bを通過し、シリンダ57が、切替プレート71のシリンダ支持部材36への当接位置において、停止するようになっている(図3(B)に示される位置であり、以下、このシリンダ57の位置を「ハンマドリルモード切替位置」と称すると共に、広義には、第2位置として把握される位置である)。
そして、シリンダ57のハンマドリルモード切替位置では、クラッチ55の噛合い部55Aと運動変換部材56の噛合い部56Aとが噛合い、クラッチ55が伝達状態になる。これにより、ハンマドリル10がハンマドリルモードになり、伝達機構50による回転力及び打撃力が先端工具Tに付与される。
(制御部86について)
図2に示されるように、制御部86は、第2ハウジング部15の下端部に配置されている。制御部86には、前述したスイッチ機構22のスイッチ、切替ボタン21、変速スイッチ23、及びバッテリ84が電気的に接続されている。そして、トリガ20が引き操作されることで、制御部86によってモータ40が駆動して、伝達機構50によってモータ40の駆動力が先端工具Tに伝達される構成になっている。また、制御部86によってモータ40が駆動するときには、切替ボタン21の切替状態に応じて、モータ40の回転方向が設定され、変速スイッチ23に操作位置に応じた回転速度でモータ40が回転する構成になっている。
(仮保持機構90について)
図6及び図7に示されるように、仮保持機構90は、ハンマドリル10のドリルモードにおいて、ピストン64を仮保持して、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動を抑制する機構部として構成されている。すなわち、仮保持機構90は、非作動状態のピストン64を仮保持する機構部として構成されている。
仮保持機構90は、シリンダ57の内周部に設けられた「係合部」としてのOリング92と、ピストン64の外周部に形成された「被係合部」としての係合溝94と、を含んで構成されている。シリンダ57の後端部における内周部には、Oリング92を取付けるための取付溝57Bが形成されており、取付溝57Bは、シリンダ57の周方向に沿って延在されると共に、周方向全周に亘って形成されている。Oリング92は、ゴム等の弾性材によって構成されている。そして、Oリング92が、取付溝57Bに取付けられて、シリンダ57に固定されている。
係合溝94は、ピストン64の前後方向中間部の外周面に形成されている。係合溝94は、ピストン64の周方向に沿って延在されると共に、ピストン64の周方向全周に亘って形成されている。
そして、ハンマドリル10のドリルモードにおいて、Oリング92が、係合溝94に係合することで、ピストン64が仮保持されて、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動を抑制する構成になっている。具体的には、ドリルモードでは、ピストン64の上死点位置において、ピストン64の係合溝94が、Oリング92の径方向内側に配置されて、Oリング92と係合溝94とが係合するようになっている(図6(B)参照)。また、ドリルモードにおいてピストン64が上死点位置以外の位置で停止した場合には、Oリング92が、ピストン64の外周面によって押圧されて、径方向に圧縮変形した状態で取付溝57B内に収容されるようになっている(図6(A)参照)。そして、例えば、ピストン64に入力される外力によって、ピストン64が、シリンダ57に対して相対移動して、上死点位置に到達することで、Oリング92が係合溝94に係合して、ピストン64が仮保持される。
すなわち、ハンマドリル10のドリルモード(ピストン64の非作動状態)では、前後方向において、Oリング92が、往復移動するピストン64の係合溝94における往復移動領域の一部と重なる位置に配置され、仮保持機構90がピストン64を仮保持可能な状態(以下、この状態を仮保持可能状態という)となるように構成されている。そして、仮保持機構90の仮保持可能状態において、ピストン64が、仮固定位置である上死点位置に配置されることで、仮保持機構90によってピストン64のシリンダ57に対する相対移動が抑制されるようになっている。
一方、前述のように、ハンマドリル10のハンマドリルモード(ピストン64の作動状態)では、シリンダ57が、ドリルモード時よりも後側のハンマドリルモード切替位置に配置される。このため、図7(A)及び(B)に示されるように、ハンマドリルモードでは、Oリング92が、ピストン64の係合溝94における往復移動領域よりも後側に配置される。すなわち、前後方向において、Oリング92が、係合溝94の往復移動領域に対してずれた位置に配置される。このため、ピストン64の往復移動時おいて、Oリング92と係合溝94とが係合しない構成になっている。
また、この状態では、上述と同様に、Oリング92が、ピストン64の外周面によって押圧されて、径方向に圧縮変形した状態で取付溝57B内に収容されように、ピストン64の周壁の前後方向の長さが設定されている。すなわち、Oリング92と係合溝94との非係合状態では、Oリング92とピストン64との間には、Oリング92が圧縮変形することによる摩擦力が発生するが、当該摩擦力が比較的低くなるように、Oリング92の硬度等が設定されている。より詳しくは、ハンマドリルモードにおけるモータ40の駆動時には、当該摩擦力に抗して、ピストン64が往復移動できるように、Oリング92の硬度等が設定されている。以上により、ピストン64の作動状態では、仮保持機構90がピストン64を仮保持不能な状態(以下、この状態を仮保持不能状態という)となり、モータ40の駆動力によるピストン64の往復移動が許容される設定になっている。
(作用効果)
上記のように構成されたハンマドリル10では、伝達機構50によってモータ40の駆動力が先端工具Tに伝達される。また、ハンマドリル10の非作業状態(無負荷状態)では、シリンダ57が初期位置に配置されて、伝達機構50のクラッチ55が遮断状態になっている。さらに、ハンマドリル10は、操作レバー76を有しており、操作レバー76が、ドリルモード設定位置又はハンマドリル設定位置に回転操作されることで、ハンマドリル10が、ドリルモード又はハンマドリルモードに切替わる。
そして、ハンマドリル10のドリルモードにおいて、先端工具Tによって被加工物を押し付けると、シリンダ57が初期位置からドリルモード切替位置へ移動するが、クラッチ55の遮断状態が維持される。このため、ピストン64が非作動状態となる。よって、モータ40が駆動すると、先端工具Tに回転力のみが付与される。
一方、ハンマドリル10のハンマドリルモードにおいて、先端工具Tによって被加工物を押し付けると、シリンダ57が初期位置からハンマドリルモード切替位置へ移動すると共に、クラッチ55が運動変換部材56に連結される。このため、クラッチ55が伝達状態になると共に、ピストン64が作動状態となる。よって、モータ40が駆動すると、先端工具Tに回転力及び打撃力が付与される。
ところで、ハンマドリル10のドリルモードでは、上述のように、ピストン64が非作動状態となる。このため、本来、ドリルモードでは、ピストン64はシリンダ57に対して相対移動しない。しかしながら、例えば、シリンダ57が初期位置からハンマドリルモード切替位置へ移動するときに、クラッチ55が運動変換部材56を後側へ押すことで、運動変換部材56が軸側ベベルギヤ54へ押し付けられることがある。この場合、軸側ベベルギヤ54の回転時に軸側ベベルギヤ54と運動変換部材56との間の摩擦力によって運動変換部材56が動いて、ピストン64がシリンダ57に対して相対移動する可能性がある。また、例えば、振動等の外力がピストン64に入力されることで、ピストン64がシリンダ57に対して相対移動する可能性がある。この場合には、ピストン64の耐久性が低下すると共に、ピストン64の相対移動による異音などが発生する虞がある。
ここで、ハンマドリル10は、仮保持機構90を有しており、ピストン64の非作動状態では、仮保持機構90によってピストン64が仮保持されて、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動が抑制される。具体的には、仮保持機構90は、シリンダ57の内周部に設けられたOリング92と、ピストン64の外周部に形成された係合溝94と、を含んで構成されている。そして、ドリルモードでは、ピストン64が上死点位置に配置されることで、Oリング92が係合溝94に嵌まり込む。これにより、Oリング92と係合溝94とが係合して、ピストン64が仮保持される。その結果、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動が抑制される。このため、例えば、ピストン64が上死点位置以外の位置で停止した状態のドリルモードにおいて、仮にピストン64がシリンダ57に対して相対移動したときには、ピストン64が上死点位置に到達することで、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動を仮保持機構90によって抑制できる。したがって、ピストン64の耐久性を向上しつつ、騒音や振動の発生を抑制できる。
また、ハンマドリル10では、シリンダ57の位置に応じて、伝達機構50のクラッチ55が伝達状態又は遮断状態に切替ることで、ハンマドリル10のモードが切替わる。具体的には、シリンダ57のドリルモード切替位置では、クラッチ55が遮断状態となることで、ハンマドリル10がドリルモードとなる。一方、シリンダ57のハンマドリルモード切替位置では、クラッチ55が伝達状態となることで、ハンマドリル10がハンマドリルモードとなる。そして、ドリルモードでは、前後方向において、Oリング92が、ピストン64の係合溝94における往復移動領域と重なる位置に配置されて、仮保持機構90が仮保持可能状態になる。一方、ハンマドリルモードでは、Oリング92が、ピストン64の係合溝94における往復移動領域よりも後側に配置されて、仮保持機構90が仮保持不能状態になる。これにより、ハンマドリルモードにおけるピストン64の往復移動を阻害することなく、ドリルモードにおけるピストン64のシリンダ57に対する相対移動を抑制できる。
また、ドリルモードでは、ピストン64が上死点位置に配置されることで、Oリング92と係合溝94とが係合して、ピストン64がシリンダ57に仮保持される。すなわち、前後方向に往復移動するピストン64の反転位置において、Oリング92と係合溝94とが係合する。これにより、ピストン64の往復移動時においてピストン64が最も減速する位置で、Oリング92と係合溝94とが係合する。したがって、仮保持機構90によってピストン64のシリンダ57に対する相対移動を効果的に抑制することができる。
また、上述のように、仮保持機構90は、シリンダ57の内周部に設けられたOリング92と、ピストン64の外周部に形成された係合溝94と、を含んで構成されており、Oリング92と係合溝94とが係合して、ピストン64が仮保持される。したがって、簡易な構成で、ピストン64のシリンダ57に対する相対移動を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、ハンマドリルモード及びドリルモードの2つのモードを有するハンマドリル10に仮保持機構90を適用した例を示したが、仮保持機構90を、ハンマドリルモード、ドリルモード、及びハンマモードの3つのモードを有するハンマドリルに適用してもよい。以下、図8~図10を用いて、3つのモードを有する「作業機」としてのハンマドリル100に仮保持機構90を適用した例を説明する。なお、ハンマモードとは、先端工具Tに打撃力のみを付与するモードである。
ハンマドリル100は、以下に示す点を除いて、本実施形態のハンマドリル10と同様に構成されている。なお、図8~図10では、ハンマドリル10と同様に構成されている部材には、同一の符号を付している。ハンマドリル100では、モータ40が、伝達機構50の後側に配置されており、モータ40の駆動軸41が、前後方向に沿って配置されている。駆動軸41の前端部には、モータ側ベベルギヤ41Aの代わりにピニオンギヤ41Bが形成されている。
伝達機構50では、中間軸51の後端部に伝達ギヤ102が一体回転可能に設けられており、伝達ギヤ102がピニオンギヤ41Bに噛合されている。また、中間軸51の前端部には、略円筒状のスリーブ104が前後方向に相対移動可能に外挿されている。スリーブ104の外周部には、ギヤ部が形成されており、当該ギヤ部がシリンダギヤ63に噛合されている。スリーブ104の後端部における内周部には、係合歯104Aが形成されており、係合歯104Aは、中間軸51に形成された被係合歯51Bと係合可能に構成されている。そして、スリーブ104が、連結位置(図8及び図10に示される位置)に配置された状態では、スリーブ104の係合歯104Aと中間軸51の被係合歯51Bとが係合して、スリーブ104及び中間軸51が一体回転すると共に、シリンダ57が回転する。一方、スリーブ104が連結位置よりも後側の非連結位置(図9に示される位置)に配置されると、係合歯104Aと被係合歯51Bとの係合状態が解除されて、スリーブ104及びシリンダ57が回転しない構成になっている。
また、シリンダ57は、前後方向に相対移動不能に構成されている。さらに、クラッチ55とスリーブ104との間には、圧縮コイルスプリングとして構成された付勢バネ106が設けられており、付勢バネ106は、クラッチ55及びスリーブ104を前後方向外側へ付勢している。また、クラッチ55及びスリーブ104は、図示しない連結機構によって操作レバー76(図8~図10では、不図示)に連結されており、操作レバー76の操作位置に応じて、クラッチ55及びスリーブ104の前後位置が変更される構成になっている。
そして、図8に示されるように、ハンマドリル100のハンマドリルモードでは、付勢バネ106の付勢力によって、クラッチ55が運動変換部材56に連結されると共に、スリーブ104が連結位置に配置されてスリーブ104及び中間軸51が連結されている。これにより、モータ40が駆動すると、ピストン64が前後方向に往復移動すると共に、シリンダ57が回転して、先端工具Tに回転力及び打撃力が付与される。
図9に示されるように、ハンマドリル100のハンマモードでは、操作レバー76が操作されることで、スリーブ104が、付勢バネ106の付勢力に抗して、連結位置から非連結位置へ移動する。これにより、中間軸51とスリーブ104との連結状態が解除される。一方、付勢バネ106の付勢力によって、クラッチ55と運動変換部材56との連結状態が維持される。これにより、モータ40が駆動すると、ピストン64が前後方向に往復移動して、先端工具Tに打撃力のみが付与される。
図10(A)及び(B)に示されるように、ハンマドリル100のドリルモードでは、操作レバー76が操作されることで、クラッチ55が、付勢バネ106の付勢力に抗して、ハンマドリルモード時と比べて前側へ移動する。これにより、クラッチ55と運動変換部材56との連結状態が解除される。すなわち、ピストン64が非作動状態となる。一方、付勢バネ106の付勢力によって、スリーブ104が連結位置に配置されて、中間軸51とスリーブ104との連結状態が維持される。これにより、モータ40が駆動すると、シリンダ57が回転して、先端工具Tに回転力のみが付与される。
そして、ハンマドリル100では、ハンマドリル10と同様に、仮保持機構90のOリング92が、シリンダ57の内周部に設けられており、仮保持機構90の係合溝94がピストン64の外周部に形成されている。さらに、ハンマドリル100では、ハンマドリル10と同様に、ピストン64の上死点位置において、Oリング92が係合溝94と係合するように、前後方向におけるOリング92及び係合溝94の位置が設定されている。これにより、ハンマドリル100においても、ピストン64の非作動状態(ドリルモード)において、Oリング92が係合溝94と係合することで、ピストン64を上死点位置に仮保持することができる。したがって、ハンマドリル100においても、ハンマドリル10と同様に、耐久性を向上しつつ、騒音及び異音の発生を抑制できる。
なお、ハンマドリル100では、上述のように、シリンダ57が前後方向において相対移動不能に構成されている。このため、ハンマドリル100のハンマドリルモード及びハンマモードにおいても、仮保持機構90が仮保持可能状態となり、ピストン64の上死点位置において、Oリング92が係合溝94に係合するが、モータ40の駆動力によって、ピストン64の上死点位置においてピストン64が反転するように、Oリング92の硬度や係合溝94の溝深さ等が設定されている。
また、ハンマドリル10及びハンマドリル100では、Oリング92がシリンダ57に設けられており、係合溝94がピストン64に形成されているが、Oリング92をピストン64に設けて、係合溝94をシリンダ57に形成してもよい。
また、ハンマドリル10及びハンマドリル100では、ピストン64の上死点位置において、Oリング92と係合溝94とが係合する設定になっているが、ピストン64の下死点位置において、Oリング92と係合溝94とを係合させる設定にしてよい。
また、ハンマドリル10及びハンマドリル100では、1箇所の係合溝94がピストン64に形成されているが、複数の係合溝94をピストン64に形成して、ピストン64の往復移動時において、複数の係合溝94がOリング92に係合するように構成してもよい。例えば、図示は省略するが、複数の係合溝94をピストン64の軸方向に隣接して配置した場合には、追加した係合溝94とOリング92との係合によってピストン64を減速させることができる。また、複数の係合溝94を形成する場合には、それぞれの係合溝94の溝深さを異なる深さに設定してもよい。
10 ハンマドリル(作業機)
40 モータ(駆動源)
50 伝達機構
51 中間軸(回転軸)
55 クラッチ
56 運動変換部材
57 シリンダ
64 ピストン
64B 空気室
65 打撃子(打撃部材)
90 仮保持機構
92 Oリング(係合部)
94 係合溝(被係合部)
T 先端工具

Claims (7)

  1. 駆動源と、
    軸方向の一方側の端部に先端工具が連結される筒状のシリンダと、
    前記シリンダに相対移動可能に収容され、前記駆動源の駆動力によって作動することで第1反転位置と前記第1反転位置に対して前記軸方向の他方側の第2反転位置との間を往復移動するピストンと、
    前記シリンダの内部において前記ピストンとの間に空気室を形成し、前記ピストンの往復移動による前記空気室の圧力変動によって作動して前記先端工具に打撃力を付与する打撃部材と、
    前記シリンダ及び前記ピストンに設けられ、前記ピストンの非作動状態において前記ピストンを仮保持して前記ピストンの前記シリンダに対する相対移動を抑制する仮保持機構と、
    を備えた作業機。
  2. 前記シリンダは、前記軸方向に移動可能に構成されており、
    前記仮保持機構が、前記シリンダの前記軸方向の位置に応じて、前記ピストンを仮保持可能な仮保持可能状態又は前記ピストンを仮保持不能な仮保持不能状態に切替可能に構成されている請求項1に記載の作業機。
  3. 前記駆動源の駆動力によって回転する回転軸と、
    前記ピストンに連結され、前記回転軸の回転を前記ピストンの往復移動に変換する運動変換部材と、
    前記回転軸に設けられ、前記シリンダの前記軸方向の位置に応じて、前記回転軸の回転を前記運動変換部材に伝達する伝達状態又は前記回転軸の回転の前記運動変換部材への伝達を遮断する遮断状態に切替るクラッチと、
    を備え、
    前記クラッチの遮断状態では、前記仮保持機構が前記仮保持可能状態となり、前記クラッチの伝達状態では、前記仮保持機構が前記仮保持不能状態となる請求項2に記載の作業機。
  4. 前記ピストンの前記第1反転位置又は前記第2反転位置において、前記仮保持機構によって前記ピストンが仮保持される請求項1~請求項3の何れか1項に記載の作業機。
  5. 前記仮保持機構は、
    前記シリンダ及び前記ピストンの一方に設けられた係合部と、
    前記シリンダ及び前記ピストンの他方に設けられ、前記係合部と係合可能に構成された被係合部と、
    を含んで構成されており、
    前記係合部が前記被係合部に係合することで、前記ピストンが仮保持されて前記ピストンの前記シリンダに対する相対移動が抑制される請求項1~請求項4の何れか1項に記載の作業機。
  6. 前記係合部は、前記シリンダの内周部及び前記ピストンの外周部の一方に設けられたOリングであり、
    前記被係合部は、前記シリンダの内周部及び前記ピストンの外周部の他方に形成され、且つ前記Oリングと係合可能に構成された係合溝である請求項5に記載の作業機。
  7. 前記シリンダ及び前記ピストンの他方には、複数の前記被係合部が設けられている請求項5又は請求項6に記載の作業機。
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