JP2022167893A - 扉のヒンジ構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような冷蔵庫においては、扉の閉鎖操作時に扉の自重により閉鎖方向への回動力を発生させるように支持するヒンジ構造が用いられている。
このようなヒンジ構造として、従来、例えば、庫本体側に固定する第1カム部材の傾斜カム面と扉側に固定する第2カム部材の傾斜カム面が互いに噛合して摺接途中の状態にあるとき扉が閉鎖状態になるように構成して、扉の閉鎖時にも閉鎖方向の回動力をなお残存させるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、前記した点に鑑みてなされたものであり、カム部材の回動動作時において、各カム部材が局所的に当接してしまうことを防止し、扉の円滑な開閉を行うことができるとともに、長寿命化を図ることができる扉のヒンジ構造を提供することを目的とする。
これによれば、固定側境界および可動側境界をそれぞれ円弧状に形成することで、可動側カム部材が回動する際に、固定側カム接続面および可動側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことを防止することができる。
これによれば、固定側境界および可動側境界をそれぞれ円弧状に形成することで、可動側カム部材が回動する際に、固定側カム接続面および可動側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことを防止することができる。その結果、扉の開閉動作を円滑に行うことができ、固定側カム部材および可動側カム部材の耐摩耗性を向上させて長寿命化を図ることができる。
これによれば、扉を開く場合は、可動側カム接続面が固定側カム部材の固定側カム接続面に沿って摺動され、可動側カム部材を扉の開き動作に応じて徐々に上方に移動させることができる。また、扉を閉じる場合は、可動側カム接続面が固定側カム接続面に沿って下方に移動することで、扉が自動的に閉まる方向への力が働き、扉を完全に閉じることができる。
これによれば、可動側カム部材が回動する際に、可動側カム接続面および固定側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことがなく、耐摩耗性を向上させることができる。
これによれば、扉が閉じた状態では、可動側カム部材の可動側カム突起が固定側カム部材の固定側カム凹部に入り込み、可動側カム凹部には、固定側カム突起が入り込むことで、扉を閉じた状態に保持することができる。
これによれば、扉が閉じた状態では、対向する固定側カム接続面と可動側カム接続面が、当接した状態に保持されることで、扉を閉じた状態に保持することができる。
これによれば、可動側カム部材が回動する際に、可動側カム接続面および固定側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことがなく、耐摩耗性を向上させることができる。
図1は、本発明に係る扉のヒンジ構造を適用した冷蔵庫の実施形態を示す正面図である。図2は、本実施形態の冷蔵庫の右側面図である。図3は、本実施形態の冷蔵庫の左側面図である。
冷蔵庫1は、図1に示すように、業務用冷蔵庫であり、当該冷蔵庫1は、貯蔵庫2と、複数の扉3とを備えている。
貯蔵庫2は、断熱壁を備えた箱状部材であり、当該貯蔵庫2は、内部に貯蔵室が設けられ、前面が開口している。
また、各扉3の上部外側には、扉3を開閉自在に支持する軸受4が設けられており、各扉3の下部外側には、本実施形態のヒンジ5が設けられている。
これらの軸受4およびヒンジ5によって、一対の扉3は、冷蔵庫1の左右方向に開閉可能となっている。すなわち、一対の扉3は、観音開き扉3となっている。
また、各扉3の前面には、いずれも互いに隣接する側面側にハンドル6が設けられている。
図4は、本実施形態のヒンジ構造を示す斜視図である。図5は、本実施形態のヒンジ構造の固定側ヒンジ部材を示す斜視図である。図6は、本実施形態の可動側ヒンジ部材を示す斜視図である。図7は、本実施形態のヒンジ構造を示す側面図である。図8は、図7のA-Aにおける断面図である。
本実施の形態においては、図2および図3に示すように、冷蔵庫1の扉3は、ヒンジ5の回転軸と軸受4の回転軸とが垂直に位置しておらず、ヒンジ5の回転軸がわずかに貯蔵庫2の前方に位置するように傾斜して配置されている。
なお、図2および図3は回転軸の傾斜を理解しやすいように傾きを誇張して表示している。
図5に示すように、固定側ヒンジ部材10は、略長円形状の取付フランジ11を備えている。取付フランジ11の一端側には、環状の固定側カム部材12が一体に設けられている。取付フランジ11の他端部には、固定側ヒンジ部材10を貯蔵庫に取り付けるための取付用孔13が形成されている。取付フランジ11は、貯蔵庫の開口の両端下面に取付用孔13を介して締め付けられるねじ(図示せず)などにより取付けられる。
固定側カム部材12には、周方向に所定間隔をもって凸状に形成された3つの固定側カム突起14が形成されている。各固定側カム突起14の間は、固定側カム凹部15とされており、各固定側カム突起14と固定側カム凹部15とは、それぞれ第1傾斜カム面16aおよび第2傾斜カム面16bを介して連続した面を形成している。
第1傾斜カム面16aおよび第2傾斜カム面16bは、固定側カム突起14と固定側カム凹部15とを接続する固定側カム接続面として機能する。
これら各境界線17a,17bの円弧は、固定側カム部材12の中心を通る同一の曲率の円弧に形成されている。これにより、第1傾斜カム面16aは、固定側カム部材12の中心を通る円弧で形成された曲面状に形成されている。
この場合の曲面は、固定側カム突起14および固定側カム凹部15の幅方向すなわち、固定側カム部材12の半径方向における略中央部分に、曲面の頂部が位置するように形成されている。
これら各境界線18a,18bの円弧は、固定側カム部材12の中心を通る同一の曲率の円弧に形成されている。これにより、第2傾斜カム面16bは、固定側カム部材12の中心を通る円弧で形成された曲面状に形成されている。
この場合の曲面は、固定側カム部材12の半径方向における略中央部分に、円弧の頂部が位置するように形成されている。
このように曲面を構成することにより、第1傾斜カム面16aと第2傾斜カム面16bとは、互いに曲面が対向するように形成されている。
すなわち、固定側カム突起14と第1傾斜カム面16aおよび第2傾斜カム面16bとの間および、固定側カム凹部15と第1傾斜カム面16aおよび第2傾斜カム面16bとの間の固定側境界が円弧状に形成される。
可動側ヒンジ部材20は、扉3の下端面一側に軸支部材23および筒状部材29を挿入することにより固定される。
第3傾斜カム面26aおよび第4傾斜カム面26bは、可動側カム突起24と可動側カム凹部25とを接続する可動側カム接続面として機能する。
これら各境界線27a,27bの円弧は、可動側カム部材22の中心を通る同一の曲率の円弧に形成されている。これにより、第3傾斜カム面26aは、固定側カム部材12の中心を通る円弧で形成された曲面状に形成されている。
この場合の曲面は、可動側カム部材22の半径方向における略中央部分に、円弧の頂部が位置するように形成されている。
これら各境界線28,28bの円弧は、可動側カム部材22の中心を通る同一の曲率の円弧に形成されている。これにより、第4傾斜カム面26bは、固定側カム部材12の中心を通る円弧で形成された曲面状に形成されている。
この場合の曲面は、可動側カム部材22の半径方向における略中央部分に、円弧の頂部が位置するように形成されている。
このように曲面を構成することにより、第3傾斜カム面26aと第4傾斜カム面26bとは、互いに曲面が対向するように形成されている。
すなわち、可動側カム突起24と第3傾斜カム面26aおよび第4傾斜カム面26bとの間および、可動側カム凹部25と第3傾斜カム面26aおよび第4傾斜カム面26bとの間の可動側境界が円弧状に形成される。
すなわち、扉3が閉じた状態では、可動側ヒンジ部材20の可動側カム突起24は、固定側ヒンジ部材10の固定側カム凹部15に入り込むとともに、可動側ヒンジ部材20の可動側カム凹部25には、固定側ヒンジ部材10の固定側カム突起14が入り込む。この状態で、固定側ヒンジ部材10の第1傾斜カム面16aと可動側ヒンジ部材20の第3傾斜カム面26aとが当接するとともに、固定側ヒンジ部材10の第2傾斜カム面16bと可動側ヒンジ部材20の第4傾斜カム面26bとが当接した状態に保持されている。
前述のように、扉3が閉じた状態では、可動側ヒンジ部材20の可動側カム部材22は、固定側ヒンジ部材10の固定側カム部材12に係合し、固定側ヒンジ部材10の第1傾斜カム面16aと可動側ヒンジ部材20の第3傾斜カム面26aとが当接するとともに、固定側ヒンジ部材10の第2傾斜カム面16bと可動側ヒンジ部材20の第4傾斜カム面26bとが当接した状態に保持されている。
この場合に、本実施の形態においては、第2傾斜カム面16bおよび第4傾斜カム面26bを曲面状に形成しているので、可動側カム部材22が回動する際に、可動側カム部材22の第4傾斜カム面26bは、固定側カム部材12の第2傾斜カム面16bの全体に面接触しながら、摺動されることになる。これにより、可動側カム部材22が固定用カム部材に対して局所的に当接してしまうことがない。
これにより、第4傾斜カム面26bが第2傾斜カム面16bに対して、固定側カム部材12の半径方向に移動することを防止することができ、可動側カム部材22を安定して回動させることができる。
そして、扉3を閉じる場合は、扉3を閉方向に回動させることにとより、可動側カム部材22の可動側カム突起24が固定側カム部材12の固定側カム突起14から落ち込む。これにより、可動側カム部材22の第4傾斜カム面26bが固定側カム部材12の第2傾斜カム面16bに沿って下方に移動することで、扉3が自動的に閉まる方向への力が働く、そして、可動側カム部材22の可動側カム突起24が固定側カム部材12の固定側カム凹部15に係合されることで、扉3は完全に閉じられる。
図1において、左側に位置する扉3の開動作時には、可動側カム部材22が固定側カム部材12に対して時計方向に回動され、その際、第1傾斜カム面16aと第3傾斜カム面26aとが摺動されることになる。
これにより、可動側カム部材22が回動する際に、各傾斜カム面16a,16b,26a,26bが互いに面接触して摺動され、可動側カム部材22が固定側カム部材12に対して局所的に当接してしまうことがなく、耐摩耗性を向上させることができる。
これにより、各傾斜カム面16a,16b,26a,26bが互いに面接触して摺動される際に、可動側カム部材22の傾斜カム面を固定側カム部材12の傾斜カム面16a,16b,26a,26bの中心に集まるようにセンタリングさせることができ、可動側カム部材22の傾斜カム面26a,26bが固定側カム部材12の傾斜カム面16a,16bに対して、固定側カム部材12の半径方向に移動することを防止することができ、可動側カム部材22を安定して回動させることができる。
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
この構成により、固定側境界および可動側境界をそれぞれ円弧状に形成することで、可動側カム部材が回動する際に、固定側カム接続面および可動側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことを防止することができる。その結果、扉の開閉動作を円滑に行うことができ、固定側カム部材および可動側カム部材の耐摩耗性を向上させて長寿命化を図ることができる。
この構成により、扉を開く場合は、可動側カム接続面が固定側カム部材の固定側カム接続面に沿って摺動され、可動側カム部材を扉の開き動作に応じて徐々に上方に移動させることができる。また、扉を閉じる場合は、可動側カム接続面が固定側カム接続面に沿って下方に移動することで、扉が自動的に閉まる方向への力が働き、扉を完全に閉じることができる。
この構成により、可動側カム部材が回動する際に、可動側カム接続面および固定側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことがなく、耐摩耗性を向上させることができる。
この構成により、扉が閉じた状態では、可動側カム部材の可動側カム突起が固定側カム部材の固定側カム凹部に入り込み、可動側カム凹部には、固定側カム突起が入り込むことで、扉を閉じた状態に保持することができる。
この構成により、扉が閉じた状態では、対向する固定側カム接続面と可動側カム接続面が、当接した状態に保持されることで、扉を閉じた状態に保持することができる。
この構成により、可動側カム部材が回動する際に、可動側カム接続面および固定側カム接続面が互いに面接触して摺動され、可動側カム部材が固定側カム部材に対して局所的に当接してしまうことがなく、耐摩耗性を向上させることができる。
2 貯蔵庫
3 扉
4 軸受
5 ヒンジ
10 固定側ヒンジ部材
11 取付フランジ
12 固定側カム部材
14 固定側カム突起
15 固定側カム凹部
16a 第1傾斜カム面
16b 第2傾斜カム面
20 可動側ヒンジ部材
21 取付フランジ
22 可動側カム部材
24 可動側カム突起
25 可動側カム凹部
26a 第3傾斜カム面
26b 第4傾斜カム面
Claims (6)
- 貯蔵庫の開口部に設けられた扉を開閉自在に支持する扉のヒンジ構造において、
前記貯蔵庫側に固定される固定側ヒンジ部材と、前記扉側に固定される可動側ヒンジ部材とを備え、
前記固定側ヒンジ部材は、固定側カム部材を備え、前記固定側カム部材は、周方向に複数設けられた固定側カム突起と、前記固定側カム突起の間に位置する固定側カム凹部と、前記固定側カム突起と前記固定側カム凹部とを接続する固定側カム接続面と、を備え、
前記可動側ヒンジ部材は、可動側カム部材を備え、前記可動側カム部材は、周方向に複数設けられ前記固定側カム凹部に係合される可動側カム突起と、前記可動側カム突起の間に位置し、前記固定側カム突起を受け入れる可動側カム凹部と、前記可動側カム突起と前記可動側カム凹部とを接続する可動側カム接続面と、を備え、
前記固定側カム突起と前記固定側カム接続面との間および前記固定側カム凹部と前記固定側カム接続面との間の固定側境界ならびに前記可動側カム突起と前記可動側カム接続面との間および前記可動側カム凹部と前記可動側カム接続面との間の可動側境界は、それぞれ円弧状に形成されていることを特徴とする扉のヒンジ構造。 - 前記固定側カム接続面および前記可動側カム接続面は、それぞれ傾斜を備えることを特徴とする請求項1に記載の扉のヒンジ構造。
- 前記固定側カム凹部を挟んで対向する前記固定側境界および前記可動側カム凹部を挟んで対向する前記可動側境界は、それぞれ互いに反対側に曲成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉のヒンジ構造。
- 前記扉が閉じた状態では、前記可動側カム突起が、前記固定側カム凹部に入り込むとともに、前記可動側カム凹部には、前記固定側カム突起が入り込むことを特徴とする請求項1に記載の扉のヒンジ構造。
- 前記扉が閉じた状態では、対向する前記固定側カム接続面と前記可動側カム接続面が、当接した状態に保持されていることを特徴とする請求項4に記載の扉のヒンジ構造。
- 前記固定側境界は、前記固定側カム部材の中心を通る同一の曲率の円弧に形成され、前記可動側境界は、前記可動側カム部材の中心を通る同一の曲率の円弧に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の扉のヒンジ構造。
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