JP2022167184A - ウェハを保持体で保持するめっき処理装置 - Google Patents

ウェハを保持体で保持するめっき処理装置 Download PDF

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史朗 原
Shiro Hara
史人 居村
Fumito Imura
ソマワン クンプアン
Somawang Kumpuan
夕起 石田
Yuki Ishida
敏博 菊野
Toshihiro Kikuno
孝文 吉永
Takafumi Yoshinaga
佳代 釜崎
Kayo Kamasaki
充彦 福山
Mitsuhiko Fukuyama
哲也 森園
Tetsuya Morisono
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KUMAMOTO BOUSEI KOGYO KK
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KUMAMOTO BOUSEI KOGYO KK
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

【課題】ウェハを精度良くめっき処理できるめっき処理装置を提供する。【解決手段】本発明は、ウェハWを保持する保持具32と、めっき槽62と、保持具32を昇降させてウェハWをめっき槽62に出し入れするためのアーム昇降駆動部34と、を具備し、保持具32は、上下方向に分離可能な下型37と上型38とで構成され、下型37は、上面を開口して底面にウェハWより小さな開口42が設けられた収容凹部41を有し、上型38は、下型37の収容凹部41に挿脱可能な挿入突部51を有し、ウェハWは、収容凹部41の底面に載置可能であり、保持具32は、挿入突部51を収容凹部41に挿入した状態で、挿入突部51と収容凹部41の底面との間で、収容凹部41の底面に載置されたウェハWを挟持する構成とされている。【選択図】図8

Description

本発明は、ウェハに対してCuめっき等のめっき処理を行なうためのめっき処理装置に関する。
近年、この種のめっき処理装置が用いられる半導体デバイスの製造ラインは、広大なクリーンルーム内に、同種機能の半導体処理装置をまとめたベイと呼ばれるユニットを複数備え、そのベイ間を搬送ロボットやベルトコンベアで接続するジョブショップ方式を採用したレイアウトが主流になっている。また、そのような製造ラインで処理されるワークには、12インチなどの大口径のウェハが使用され、1枚のウェハから数千個の半導体チップが製造される生産システムとされている。
ところがジョブショップ方式では、複数の似た処理工程を繰り返す場合においては、ベイ内での搬送やベイ間での搬送距離が大幅に伸びるとともに、待機時間も増加するため、製造時間が増大し、仕掛品の増大を招くなどコストアップの要因となる。特に、半導体チップを大量生産する製造ラインでは、生産性の低さが問題となる。そこで、従来のジョブショップ方式の製造ラインに代え、半導体処理装置を処理工程順に配置したフローショップ方式による製造ラインが提案されている。
フローショップ方式による製造ラインは、単一の製品を大量に製造する場合に最適であるが、製造品を変えることで製造手順(レシピ)を変えなければならない。また、製造ラインにおける各半導体処理装置の設置を、製造する半導体チップの処理フロー順に並べ替える必要がある。しかしながら、製造する半導体チップが変わるたびに、半導体製造装置の並び替えを行うことは、配置のための手間と時間を考慮すると現実的ではない。特に、クリーンルームという閉鎖空間内に巨大な半導体処理装置が固定配置されている現状では、半導体処理装置をその都度再配置することは、現実的に不可能である。
また、エンジニアサンプルやユビキタスセンサー用など、製造単位数が数個~数百個という超少量の半導体を製造するニーズも存在する。しかしながら、上述したジョブショップ方式やフローシップ方式による巨大な製造ラインでは、超少量の半導体を製造すると、コストパフォーマンスが極端に悪くなってしまうため、同一の製造ラインに異なる半導体の製造を流さざるを得ない。
ところが、このように異なる半導体の製造を同時に生産すると、製造ラインの生産性は半導体の品種数の増大ととともに一層低下するため、このような巨大な製造ラインでは、超少量生産でかつ多品種生産に適切に対応できない。
また、この種の製造ラインに用いられるめっき処理装置としては、基板ホルダが垂直に取り付けられており、この基板ホルダに基板を垂直に保持させてから、処理槽内の処理液に浸漬させて基板の一側面をめっき処理する構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014-189901号公報
上述した特許文献1に開示された従来技術においては、比較的大きな基板を対象としためっき処理であるため、基板ホルダが垂直に取り付けられており、基板ホルダに保持された基板もまた垂直な状態となっている。よって、この状態で基板ホルダを下降させ、処理槽内の処理液に垂直に基板を浸漬させてめっき処理する場合には、基板ホルダに垂直に保持された基板の上端までを処理槽内の処理液に浸漬させる必要がある。このため、処理槽内の処理液に基板全体を浸漬させるための基板ホルダの駆動が容易ではなく、特に処理槽内に設置された電極の形状や配置等によっては、基板の一側面に対する電界斑が生じ、基板の一側面にめっき斑が生じるおそれがあるため、精度良くめっき処理することが容易ではない。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、ウェハを精度良くめっき処理できるめっき処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ウェハを保持する保持体と、処理槽と、前記保持体を昇降させて前記ウェハを前記処理槽に出し入れするための昇降駆動部と、を具備し、前記保持体は、上下方向に分離可能な下型と上型とで構成され、前記下型は、上面を開口して底面に前記ウェハより小さな開口が設けられた収容凹部を有し、前記上型は、前記下型の前記収容凹部に挿脱可能な挿入突部を有し、前記ウェハは、前記収容凹部の底面に載置可能であり、前記保持体は、前記挿入突部を前記収容凹部に挿入した状態で、前記挿入突部と前記収容凹部の底面とで、前記収容凹部の底面に載置された前記ウェハを挟持することを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、下型の収容凹部の底面にウェハを載置させることによって、収容凹部の開口からウェハの下面が露出する。この状態で、上型の挿入突部を下型の収容凹部に挿入し、挿入突部と収容凹部の底面との間でウェハを挟持する。そして、昇降駆動部にて保持体を降下させて、下型の収容凹部の底面の開口から露出したウェハの下面を、処理槽に出し入れすることによって、ウェハの下面全体を精度良く処理することができるから、ウェハの下面を精度良くめっき処理することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記上型は、前記収容凹部の底面に載置された前記ウェハに通電可能な電極部を有することを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明によれば、下型の収容凹部の底面にウェハを載置した状態で、上型の挿入突部を収容凹部に挿入することによって、上型の電極部がウェハに通電するため、電極の確保を容易に行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記処理槽は、上面が開口し、前記下型は、前記収容凹部から外側に突出する被覆片部を有し、前記被覆片部は、前記処理槽の上面を被覆可能であることを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、昇降駆動部にて保持体を降下させると、下型の被覆片部にて処理槽の上面が被覆されるため、例えば処理槽に充填された処理液にウェハを浸漬させた場合であっても、処理槽からの処理液のこぼれを防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、圧力差を調整するための圧力調整手段を具備し、前記保持体は、前記挿入突部を前記収容凹部に挿入した状態で前記収容凹部内を密閉する密閉手段を有し、前記処理槽は、処理液が充填され、前記圧力調整手段は、前記密閉手段にて密閉された前記収容凹部内の圧力と前記処理槽に充填された前記処理液の圧力との圧力差を調整可能であることを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、下型の収容凹部の底面にウェハを載置させ、上型の挿入突部を下型の収容凹部に挿入させて、収容凹部内を密閉手段にて密閉する。次いで、昇降駆動部にて保持体を降下させて、下型の収容凹部の底面の開口から露出したウェハの下面を、処理槽に充填された処理液に浸漬させる。この状態で、収容凹部内の圧力と、処理槽に充填された処理液の圧力とを圧力調整手段にて等しくする。この結果、収容凹部内の圧力と処理液の圧力との圧力差をなくすことができるから、下型の収容凹部の底面からの処理液の侵入を防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記保持体を回転可能に軸支する支持体と、前記保持体を軸回りに回転させるウェハ回転駆動部と、具備していることを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、保持体を軸回りにウェハ回転駆動部にて回転させることにより、保持体にて保持したウェハを軸回りに回転できるから、例えばウェハに付着した処理液を振り切ったり、ウェハを乾燥させたりできる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記下型から前記上型を取り外すための取外手段を具備し、前記保持体は、前記挿入突部を前記収容凹部に挿入した状態で前記下型と前記上型とを取り外し可能に一体化させる一体化手段を有し、前記下型は、係止部を有し、前記取外手段は、前記係止部に係止可能な被係止部を有し、前記昇降駆動部は、前記被係止部を前記係止部に係止させた状態で、前記上型を上昇させることによって、前記一体化手段による前記下型と上型との一体化を解除させることを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、下型の収容凹部に上型の挿入突部を挿入して一体化手段にて下型と上型とを一体化にした状態で、下型の係止部に取外手段の被係止部を係止させる。この状態で、昇降駆動部にて上型を上昇させることによって一体化手段による下型と上型との一体化が解除されて下型から上型が分離されるため、下型の収容凹部からウェハを取り出すことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の前記処理槽と、ウェハを前記複数の処理槽へ搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段は、一端側に前記保持体が設けられたアームと、前記アームを他端側を中心に回転させるアーム回転駆動部と、を有し、前記複数の処理槽は、前記保持体の回動軌跡上に所定間隔を介して配置されていることを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、アームを回転させた場合の保持体の回動軌跡上に、複数の処理槽が所定間隔を介して配置されているため、アーム回転駆動部にてアームを回転させるという簡単な構成で、保持体にて保持したウェハを複数の処理槽へ搬送することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記ウェハは、外径12.5mmの円盤状であることを特徴としためっき処理装置とした。
このように構成された本発明は、ウェハを外径12.5mmの円盤状とすることにより、いわゆるミニマルファブシステムに用いられるウェハとなる。
本発明によれば、下型の収容凹部の底面の開口から露出したウェハの下面を処理槽に出し入れすることによって、ウェハの下面全体を精度良く処理することができるから、ウェハの下面を精度良くめっき処理することができる。
本発明の一実施形態に係るめっき処理装置が収容される筐体を示す概略断面図である。 上記筐体を示す斜視図である。 上記めっき処理装置を示す概略平面図である。 上記めっき処理装置を構成するステージ、下型およびウェハ反転機構を示す説明図で、(a)はウェハ受け時、(b)はアーム上昇時、(c)はアーム回転時、(d)はウェハ載置時である。 上記めっき処理装置を構成する保持体および搬送手段を示す説明図である。 上記めっき処理装置を構成する保持体を示す側面図である。 上記めっき処理装置を構成する保持体の内部構造を示す概略図である。 上記めっき処理装置を構成する保持体を処理槽に浸漬させた状態を示す概略図である。 上記めっき処理装置を構成する処理槽を示す概略図である。 上記めっき処理装置を構成する保持体、搬送手段および取外手段を示す説明図で、(a)は上型挿入前、(b)は上型挿入時、(c)は保持体上昇時、(d)は保持体下降時、(e)は取外手段作動時、(f)上型分離時である。 上記めっき処理装置の吸込口から空気を吸い込んだ圧力状態を示す説明図である。 上記めっき処理装置の吸込口から空気を吸い込んだ筐体内の圧力状態を示す概略断面図である。 上記めっき処理装置の乾燥部で温風を供給した圧力状態を示す説明図である。 上記めっき処理装置の乾燥部で温風を供給した筐体内の圧力状態を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
<全体構成>
本発明の一実施形態に係るめっき処理装置1は、ウェハWの表面の被処理面Bに対して、例えばCuめっき等のめっき処理を行なうものであって、図1に示すように、予め規格された大きさの筐体2内に収容されている。筐体2は、ミニマルファブ(minimal fabrication)構想に基づいて規格されている。ミニマルファブ構想とは、多品種少量という半導体製造市場に最適なもので、省資源・省エネルギ・省投資・高性能な多様なファブに対応でき、例えば特開2012-54414号公報に記載の生産をミニマル化させるミニマル生産システムを実現させるものである。
筐体2は、図2に示すように、幅(x)0.30m×奥行(y)0.45m×高さ(z)1.44mの大きさに統一された上下方向に長い略直方体状であって、内部への微粒子およびガス分子のそれぞれの侵入を遮断する構造とされている。また、筐体2は、上側の装置上部2aと下側の装置下部2bとで構成されている。
装置上部2aには、図1および図3に示すように、めっき処理装置1が収容されている。装置上部2aの上下方向の中間部は、図1および図2に示すように、装置上部2aの正面側が凹状に切り欠かれた側面視凹状の形状とされている。装置上部2aの上側の正面側には、操作パネル2cが取り付けられている。装置上部2aの凹状に切り欠かれた部分の下側には、ウェハWを筐体2内に搬出入させるための前室2dが設けられている。前室2dの上面の略中央部には、搬送容器としてのシャトル(図示せず)を設置するためのシャトル収容部としての略円形状のドッキングポート2eが設けられている。
前室2dは、筐体2内への微粒子およびガス分子のそれぞれを遮断する構成とされている。すなわち、前室2dには、シャトル内に収容されているウェハWを外気に曝す等することなく筐体2内へ出し入れできるようにする搬送装置としてのPLAD(Particle Lock Air-tight Docking)システム9が収容されている。PLADシステム9は、被処理面Bを上側に向けた状態でドッキングポート2eから搬入されてくるウェハWをめっき処理装置1の所定位置へ搬送し、めっき処理装置1にてめっき処理された後のウェハWをドッキングポート2eへ搬出する。
装置上部2aの上方には、図2に示すように、筐体2の外部の空気、すなわち外気を筐体2内に取り込むための通気口2fが設けられている。通気口2fの上側、すなわち筐体2の上面には、図1に示すように、吸気手段としてのファン2gが取り付けられている。ファン2gの下側には、ファン2gで取り込んだ空気中に含まれるパーティクルを捕捉するためのエアフィルタ2hが取り付けられている。エアフィルタ2hとしては、例えばULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)等が用いられる。また、装置上部2a内には、ファン2gで取り込んだ空気を整流する整流器2iが取り付けられている。
装置下部2bには、装置上部2a内のめっき処理装置1を制御する制御装置(図示せず)や、めっき処理装置1にて用いるめっき液M、純水、後処理液等の処理液が蓄えられた種々の薬液タンクや、排液タンク等(図示せず)が収容されている。また、装置下部2bには、図1に示すように、めっき処理装置1中に生じる有害な霧(ミスト)状の薬液、例えばめっき液M等の処理液を含む空気を吸引して除去するための吸引器としてのスクラバー2jが取り付けられている。装置下部2bの背面には、スクラバー2jにて霧状の薬液を吸着除去した後の空気を筐体2外へ排出させるためのアウトレットとなる排気部2kが設けられている。装置下部2bの下面には、図2に示すように、筐体2を支持するための支持部2mが設けられている。
<めっき処理装置>
めっき処理装置1にてめっき処理するウェハWは、所定の大きさ、例えば直径12.5mm(ハーフインチサイズ)の円形状の表面を有し、単結晶シリコン(Si)にて構成された円盤状に形成されている。ウェハWの表面は、所定のパターンが形成され、めっき処理前の状態の被処理面Bとされている。めっき処理装置1は、ウェハWの被処理面Bのみをめっき処理する構成とされている。
具体的に、めっき処理装置1は、図1および図3に示すように、筐体2内の前室2dの後側上部に設置されたチャンバであるめっき室11を備えている。めっき室11は、ファン2gによって筐体2内の他の箇所に比べ負圧状態に制御されている。めっき室11には、PLADシステム9からウェハWが受け渡される受渡部としての受渡台であるステージ12と、ステージ12に受け渡されたウェハWを搬送するための搬送手段13と、ステージ12に受け渡されたウェハWをめっき処理するためのプロセス部である複数の処理部14とが設けられている。
複数の処理部14は、図3に示すように、ステージ12の中心位置を中心とした同一円周上に並べて配置されている。さらに、複数の処理部14は、図3中の上側から下側に向けて、前処理部14a、めっき部14b、水洗部14c、後処理部14d、乾燥部14eおよびウェハ収納部14fの順に円弧上に並べて設置されている。これら前処理部14a、めっき部14b、水洗部14c、後処理部14d、乾燥部14eおよびウェハ収納部14fは、それぞれの中心位置が、ステージ12の中心位置を基準とした同一円周上に並べて配置されている。
ステージ12には、図3に示すように、このステージ12を2分する挿入凹部12aが設けられている。挿入凹部12aは、上下方向および水平方向のそれぞれにおいてステージ12を貫通している。また、ステージ12には、ステージ12に設置されたウェハWの表裏面を反転させるためのウェハ反転部としてのウェハ反転機構22が取り付けられている。ウェハ反転機構22は、反転アーム23と、反転アーム23の先端側に取り付けられた吸着パッド24と、反転アーム23の基端側に取り付けられた回転駆動部25と、反転アーム23を上下方向に昇降させる昇降駆動部26とを備えている。
ウェハ反転機構22の反転アーム23は、ステージ12へのウェハWの搬送を待機している状態で、その先端側をステージ12の挿入凹部12aに挿入させて設置されており、回転駆動部25にて反転アーム23の基端側を回転中心として回動可能とされている。また、反転アーム23は、昇降駆動部26にて上下方向に昇降可能とされている。吸着パッド24は、いわゆるバキュームチャックであって、反転アーム23の先端側に直角に取り付けられた支持片23aの先端部に取り付けられている。さらに、吸着パッド24は、図4(a)に示すように、反転アーム23の先端側をステージ12の挿入凹部12aに挿入して、反転アーム23の長手方向を水平にした状態で上向きになるように取り付けられている。よって、吸着パッド24は、ステージ12に設置されたウェハWの裏面に着脱可能に吸着する構成とされている。
搬送手段13は、ウェハ反転機構22にて反転されたウェハWが収容され、このウェハWを複数の処理部14へ順次搬送するためのものである。具体的に、搬送手段13は、図5に示すように、搬送アーム31と、保持体としての保持部である保持具32と、アーム回転駆動部33と、アーム昇降駆動部34と、ウェハ回転駆動部35とを備えている。搬送アーム31は、長手方向を水平方向に向けた状態とされて設置され、その基端側をステージ12の中心位置に位置させ、この基端側を回転中心としてめっき室11の底面に沿って、アーム回転駆動部33にて回動する構成とされている。
アーム回転駆動部33は、搬送アーム31の他端側を回転中心として搬送アーム31を所定角度の範囲内において扇状に回転駆動させる。要するに、アーム回転駆動部33は、水平面内において搬送アーム31を円弧移動させるもので、例えばロボロータリ等で構成されている。アーム回転駆動部33には、アーム昇降駆動部34が取り付けられ、アーム昇降駆動部34に搬送アーム31の基端側が接続され、この搬送アーム31を上下動、すなわち昇降移動させる構成とされている。
ウェハ回転駆動部35は、搬送アーム31の先端部の上側に設置され、例えばモータ等で構成されている。ウェハ回転駆動部35は、搬送アーム31の先端部の下面から下方に突出した円筒状の支持体としての回転軸36を周方向に回転駆動させる。保持具32は、回転軸36に軸支され、この回転軸36をウェハ回転駆動部35にて軸回りに回転させることによって、保持具32の中心位置を回転中心として回転移動する構成とされている。
保持具32は、搬送アーム31の一端側に取り付けられており、図5~図8に示すように、上下方向に分離可能な下型37と上型38とで構成されている。下型37は、図7および図8に示すように、上面が開口し、ウェハWが載置可能な底面を有する収容凹部41を備えている。収容凹部41は、ウェハWの外形寸法にほぼ等しい内径寸法を有する有底円筒状に形成されている。収容凹部41の底面には、ウェハWの外形寸法より若干小さな内径寸法を有する開口42が同心状に設けられている。収容凹部41の底面の内周縁には、ウェハWをシールするための円形状のOリング43が取り付けられている。Oリング43は、収容凹部41の底面にウェハWを載置させた状態で、このウェハWの被処理面Bの外周縁部を周方向に亘ってシールする。
収容凹部41の側面には、収容凹部41内の圧力と収容凹部41外の圧力を等しくするための圧力調整孔44が設けられている。また、収容凹部41の開口縁には、収容凹部41の外周面から外側に突出する円盤状の被覆片部45が同心状に取り付けられている。被覆片部45の外周縁には、上側に突出する円環状の周面部46が同心状に取り付けられている。そして、周面部46の上下方向の中間位置には、断面凹状の係止部としての係合凹部47が、周面部46の周方向に亘って設けられている。また、周面部46内には、磁性体48が取り付けられている。磁性体48は、例えば鉄等にて構成され、収容凹部41の内径寸法に略等しい円形状の開口49が中心位置に設けられ、周面部46の内径寸法に略等しい外径寸法を有する円環状に形成されている。
上型38は、図6~図7に示すように、下型37の収容凹部41に挿脱可能な有底円筒状の挿入突部51を備えている。挿入突部51は、収容凹部41の内径寸法に略等しい外径寸法に形成されている。そして、挿入突部51は、下型37の収容凹部41に挿入した状態で、収容凹部41の底面との間で、収容凹部41の底面に載置されたウェハWを挟持する構成とされている。さらに、挿入突部51の内部には、ウェハWに通電する電極部52が取り付けられている。電極部52は、その先端を挿入突部51の下端面より下方に突出させた状態で挿入突部51内に収容され、収容凹部41に挿入突部51を挿入した状態で、収容凹部41の底面に載置されたウェハWに通電する構成とされている。
挿入突部51の周面には、収容凹部41の内周面と挿入突部51の外周面とをシールするOリング53が取り付けられている。Oリング53は、挿入突部51を収容凹部41に挿入した状態で収容凹部41内を密閉する構成とされている。よって、Oリング43,53によって、収容凹部41の底面にウェハを載置し収容凹部41に挿入突部を挿入した状態における収容凹部41内の空間を密閉する密閉手段が構成されている。
また、挿入突部51の上端には、下型37の周面部46の外形寸法に略等しい円盤状の支持片部54が同心状に設けられている。支持片部54の下面には、円環状の磁石体55が同心状に埋設されて取り付けられている。磁石体55は、その下面を支持片部54の下面と面一な状態にして取り付けられている。支持片部54の上面側には、ウェハ回転駆動部35の回転軸36の下端が同心状に固定されて取り付けられている。よって、磁性体48と磁石体55とによって、下型37と上型38とを取り外し可能に一体化させる一体化手段が構成されている。
さらに、複数の処理部14は、搬送手段13の反転アーム23の回転駆動による保持具32の回動軌跡上に所定間隔を介して配置されている。前処理部14aは、処理液としてのめっき液Mが充填された有底円筒状の処理槽である前処理槽61を有している。前処理槽61は、保持具32の下型37の収容凹部41の外形寸法より大きな内径寸法を有している。そして、前処理槽61は、保持具32の収容凹部41の下端側が、前処理槽61に充填されためっき液M中に浸漬される。この状態で、前処理槽61は、保持具32の収容凹部41の開口42から露出するウェハWの被処理面Bを前処理、例えばウェハWの被処理面Bに付着するめっき液M中の気泡を抜く処理等を行なう構成とされている。
めっき部14bは、図8に示すように、ウェハWの被処理面Bを、例えばCuめっき等のめっき処理を行なう処理槽であるめっき槽62を有している。めっき槽62には、前処理槽61に充填されためっき液Mと同一のめっき液Mが充填されている。また、めっき槽62は、上面が開口し、保持具32の下型37の被覆片部45の外形寸法に略等しい外径寸法に形成され、下型37の被覆片部45によりめっき槽62の上面が被覆可能な構成とされている。そして、めっき槽62の上面の開口縁には、めっき槽62の上面を周方向に亘って覆うように、円環状のゴムパッキン63が同心状に取り付けられている。さらに、めっき槽62には、めっき槽62内の圧力を調整するための開口部64が設けられている。開口部64には、開口部64を介してめっき槽62内の圧力を減圧させるための減圧手段である減圧ポンプ(図示せず)が取り付けられている。減圧ポンプは、Oリング53にて密閉された収容凹部41内の圧力とめっき槽62に充填されためっき液Mの圧力との圧力差を調整する。すなわち、減圧ポンプは、圧力調整孔44、ゴムパッキン63および開口部64とにより、収容凹部41内の圧力とめっき槽61内のめっき液Mとの圧力差を調整するための圧力調整手段を構成する。
さらに、めっき槽62には、図9に示すように、めっき槽62に充填されためっき液Mを循環させる循環機構66が取り付けられている。循環機構66は、所定量、例えば1リットルのめっき液Mが蓄えられためっき液タンクであるリザーブタンク66aを備えている。リザーブタンク66aには、リザーブタンク66aに蓄えられためっき液Mを汲み上げるポンプ66bが取り付けられている。ポンプ66bには、ポンプ66bにて汲み上げためっき液Mをめっき槽62内に供給する液上げ配管66cが取り付けられている。液上げ配管66cは、めっき槽62内に挿入されて取り付けられたノズル部66dを有している。ノズル部66dは、めっき槽62内のめっき液Mに浸漬されるウェハWの被処理面Bに対向する位置に取り付けられ、ノズル部66dから噴出するめっき液MがウェハWの被処理面Bに直接供給される構成にされている。また、めっき槽62には、オーバーフロー槽66eが取り付けられている。オーバーフロー槽66eは、めっき槽62内のめっき液Mが所定量を超えると越流してめっき槽62から排出させる構成とされている。そして、オーバーフロー槽66eには、オーバーフロー槽66eへ越流しためっき液Mをリザーブタンク66aへ戻す液戻り配管66fが取り付けられている。
めっき槽62の周囲には、図3に示すように、主として前処理部14aによる前処理や、めっき部14bによるめっき処理時に、ウェハWの被処理面Bから吹き飛ばされる霧状のめっき液M等の薬液をめっき室11から排出するための吸込口67が設けられている。吸込口67には、スクラバー2jが接続されている。スクラバー2jは、めっき室11内に漂う霧状のめっき液M等の薬液を強制的に吸引してめっき室11外へ排気させる。
水洗部14cは、図3に示すように、保持具32の収容凹部41の外形寸法より大きな内径寸法を有する有底円筒状の処理槽である水洗槽71を備えている。水洗槽71の下面の中心位置には、開口72が形成されている。開口72には、処理液である純水を供給する純水供給機構(図示せず)が取り付けられている。そして、純水供給機構から開口72を介して水洗槽71内に純水を供給して、水洗槽71内に挿入されたウェハWの被処理面Bを水洗する構成とされている。なお、水洗槽71に供給された純水は、水洗槽71を越流して、水洗槽71の周囲に設けられた排液口73からめっき室11外へ排出される構成とされている。
後処理部14dは、水洗部14cと略同様の構成であり、保持具32の収容凹部41の外形寸法より大きな内径寸法を有する有底円筒状の処理槽である後処理槽74を備えている。後処理槽74の下面の中心位置に開口75が形成され、開口75には、処理液である後処理液を供給する後処理液供給機構(図示せず)が取り付けられている。ここで、後処理液としては、ウェハWの被処理面Bに形成されためっき面上に保護膜、例えば有機膜を被覆するための液状の防錆処理材等が用いられる。そして、後処理部14dは、後処理液供給機構から開口75を介して後処理槽74内に後処理液を供給して、後処理槽74に挿入されたウェハWの被処理面B上のめっき面に保護膜を形成する構成とされている。なお、後処理槽74に供給された後処理液もまた、後処理槽74を越流して、後処理槽74の周囲に設けられた排液口73からめっき室11外へ排出される。
乾燥部14eは、保持具32の収容凹部41の外形寸法より大きな内径寸法を有する有底円筒状の処理槽である乾燥槽76を備えている。乾燥槽76の下面の中心位置には開口77が形成され、この開口77には、例えば45℃の温風を供給する温風供給機構(図示せず)が取り付けられている。そして、温風供給機構から開口77を介して乾燥槽76内に温風を供給して、乾燥槽76に挿入されたウェハWの被処理面B上の保護膜を乾燥する構成とされている。
ウェハ収納部14fは、図3に示すように、保持具32の下型37が設置される待機ポートであって、ウェハ反転機構22にて表裏が反転されたウェハWを、ウェハ収納部14fに設置された下型37の収容凹部41に搬送して収容させる。そして、ウェハ収容部14fには、図10(a)~図10(f)に示すように、ウェハ収容部14fに設置された下型37の係合凹部47に嵌合し、この下型37から上型38を取り外すための取外手段としてのチャック機構78が設けられている。チャック機構78は、径方向に移動可能な被係止部としての係合片部79と、係合片部79を径方向に移動させる駆動機構(図示せず)とを有している。そして、チャック機構78は、ウェハ収容部14fに下型37を設置した状態で、駆動機構にて係合片部79を中心軸方向に移動させて、係合片部79を下型37の係合凹部47に係合させる。また、チャック機構78は、下型37から上型38を分離させた状態においては、駆動機構にて係合片部79を径方向に移動させて、係合片部79による下型37の係合凹部47の係合を解除する。
めっき室11には、図3に示すように、めっき室11内を2つの領域に仕切る仕切り板81が取り付けられている。仕切り板81は、めっき室11内において霧状の薬液が生じる薬液浮遊領域82、具体的には前処理部14a、めっき部14b、排液口73、水洗部14cおよび後処理部14dの設置箇所を、その他の箇所から間仕切っている。すなわち、仕切り板81は、PLADシステム9からステージ12までのウェハ搬送経路、ステージ12からウェハ収納部14fへのウェハ搬送経路、および乾燥部14eの設置箇所、すなわち非薬液浮遊領域83を、薬液浮遊箇所82から仕切っている。ただし、仕切り板81には、保持具32をウェハ収納部14fから前処理部14a、めっき部14b、水洗部14cおよび後処理部14dへ搬出入するための開口部84が設けられている。
<作用>
次に、上記一実施形態に係るめっき処理装置1を用いためっき処理方法について説明する。
(搬入工程)
まず、被処理面Bを上側に向けた状態でウェハWが収容されたシャトルを、筐体2の前室2dのドッキングポート2eに嵌合させて設置する。この状態で、筐体2の所定位置、例えば操作パネル2c等に表示等されているスタートスイッチ(図示せず)を押す。
すると、筐体2の上部に取り付けられているファン2gが駆動し、筐体2外の空気が通気口2fから吸気され、通気口2fから吸気した空気に含まれるパーティクルがエアフィルタ2hにて捕捉されて筐体2内に吸気される。同時に、筐体2の下部に取り付けられているスクラバー2jが駆動し、めっき室11の薬液浮遊領域82に漂う空気が吸込口67から強制的に吸引されて排気部2kから筐体2外へ排気される。このとき、めっき室11は、図11に示すように、めっき室11外の空気が非薬液浮遊領域83から開口部84を介して薬液浮遊領域82へ給気され吸込口67からめっき室11外へ排気される。このため、めっき室11は、図12に示すように、筐体2内の他の領域の圧力よりも負圧となり、めっき室11内の空気が筐体2内に放出されない状態となる。
その後、ドッキングポート2eに設置されたシャトルが開放される。そして、シャトル内に収容されているウェハWが、被処理面Bを上側に向けた状態で、PLADシステム9にて、図4(a)に示すように、めっき室11内のステージ12上へ搬送されて受け渡される。
(ウェハ反転工程)
次いで、ウェハ反転機構22の昇降駆動部26にて反転アーム23が上方に移動されて吸着パット24がウェハWの下面に接触してウェハWが吸着される。この後、昇降駆動部26にて反転アーム23がさらに上方に移動されて、図4(b)に示すように、吸着パッド24に吸着されたウェハWがステージ12の上方へ移動される。
この状態で、回転駆動部25にて反転アーム23の基端側を回転中心として反転アーム23が180°回転される。この結果、図4(c)に示すように、吸着パッド24に吸着されたウェハWの被処理面Bが下方を向き、このウェハWの被処理面Bが、ウェハ収納部14fに設置されている保持具32の下型37の収容凹部41に臨む位置とされる。次いで、昇降駆動部26にて反転アーム23が下方に移動されて、図4(d)に示すように、吸着パッド24に吸着されたウェハWが下型37の収容凹部41に挿入されて載置される。その後、吸着パッド24によるウェハWの吸着が解除される。次いで、昇降駆動部26にて反転アーム23が上方に移動された後、回転駆動部25にて反転アーム23が逆方向に180°回転されてから、昇降駆動部26にて反転アーム23が下方に移動される。そして、図4(a)に示すように、ステージ12内に吸着パッド24が収容された初期状態とされる。
(ウェハ収容工程)
次いで、図10(a)に示すように、搬送手段13のアーム回転駆動部33にて保持具21の上型38が、ウェハ収納部14fに設置されている下型37に臨む位置へ移動される。この状態で、アーム昇降駆動部34にて上型38が下方に移動されて、図10(b)に示すように、上型38の挿入突部51が下型37の収容凹部41に嵌合される。このとき、上型38の挿入突部51と収容凹部41の底面とにより、収容凹部41の底面に載置させたウェハWが挟持される。そして、ウェハWは、その被処理面Bを下型37の開口42から下方に露出させつつ、上型38の電極部52が接触して通電した状態とされる。また、下型37の磁性体48と上型38の磁石体55との磁力により、これら下型37と上型38とが一体化される。さらに、下型37のOリング43によって、ウェハWの被処理面Bの外周縁が収容凹部41の底面側に押し付けられてシールされた状態とされる。
(前処理工程)
この後、搬送手段13のアーム昇降駆動部34により、図10(c)に示すように、上型38と下型37とが一体化された保持具32が上方に移動される。次いで、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32が前処理槽61上に搬送される。この状態で、アーム昇降駆動部34にて保持具32が下方に移動され、この保持具32の下型37の開口42から露出しているウェハWの被処理面Bが、前処理槽61に充填されているめっき液M中に浸漬される。このとき、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が回転され、めっき室11内が減圧されていることから、ウェハWの被処理面Bに付着するめっき液M中の気泡を抜く処理が行われる。この後、アーム昇降駆動部34にて保持具32が上方に移動され、保持具32の下型37の開口42から露出している被処理面Bが、前処理槽61内のめっき液Mから取り出される。次いで、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に高速回転され、ウェハWの被処理面Bからめっき液Mがたれ落ちない程度の液切り処理が行われる。
(めっき処理工程)
この後、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32がめっき槽62上に搬送される。このとき、図9に示すように、循環機構66のポンプ66bが駆動され、リザーブタンク66a内のめっき液Mが液上げ配管66cを介してノズル部66dからめっき槽62内に供給される。めっき槽62内のめっき液Mは、所定量を超えるとオーバーフロー槽66eへ越流して液戻り配管66fを介してリザーブタンク66aへ戻される。
そして、めっき槽62内のめっき液Mが循環機構66により循環している状態で、アーム昇降駆動部34にて保持具32が下方に移動され、この保持具32の下型37の開口42から露出しているウェハWの被処理面Bが、めっき槽62内のめっき液M中に浸漬される。このとき、図8に示すように、減圧ポンプが駆動され、めっき槽62内の空気が開口部64から排気されるとともに、保持具32の収容凹部41内の空気が圧力調整孔44から排気されて、めっき槽62内のめっき液Mの圧力と、保持具32の下型37の収容凹部41内の圧力とが等しくなるように調整される。
この状態で、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に回転されるとともに、保持具32の上型38の電極部52からウェハWに電力が供給され、このウェハWとめっき槽62との電位差によって、ウェハWの被処理面Bにめっき面を形成するめっき処理が行われる。この後、アーム昇降駆動部34にて保持具32を上方に移動させ、保持具32の下型37の開口42から露出している被処理面Bが、めっき槽62内のめっき液Mから取り出される。次いで、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に高速回転され、ウェハWの被処理面Bに付着しているめっき液Mの振り切り処理が行われる。
(水洗処理工程)
この後、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32が水洗槽71上に搬送される。この状態で、アーム昇降駆動部34にて保持具32が下方に移動され、この保持具32の下型37の開口42から露出しているウェハWの被処理面Bが水洗槽71内に挿入される。この後、純水供給機構にて水洗槽71の開口72から純水が水洗槽71内に供給されるとともに、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に回転され、ウェハWの被処理面Bに形成しためっき面の純水による水洗処理が行われる。このとき、水洗槽71から越流する純水は、排液口73からめっき室11外へ排出される。
この後、アーム昇降駆動部34にて保持具32が上方に移動され、保持具32の下型37の開口42から露出している被処理面Bが、水洗槽71内から取り出される。次いで、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に高速回転され、ウェハWの被処理面Bに形成しためっき面に付着した純水の振り切り処理が行われる。
(後処理工程)
さらに、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32が後処理槽74上に搬送される。この状態で、アーム昇降駆動部34にて保持具32が下方に移動され、この保持具32の下型37の開口42から露出しているウェハWの被処理面Bが、後処理槽74に充填されている後処理液中に浸漬される。このとき、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に回転され、ウェハWの被処理面Bに形成しためっき面上に後処理液を付着させる処理が行われる。
この後、アーム昇降駆動部34にて保持具32が上方に移動され、保持具32の下型37の開口42から露出している被処理面Bが、後処理槽74内の後処理液から取り出される。次いで、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に回転され、ウェハWのめっき面に付着した後処理液を乾燥させて硬化させて保護膜とする処理が行われる。
(水洗処理工程)
次いで、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32が水洗槽71上に搬送され、アーム昇降駆動部34にて保持具32が下方に移動され、保持具32の下端部が水洗槽71内に挿入される。この後、純水供給機構にて水洗槽71の開口72から純水が水洗槽71内に供給され、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に回転され、ウェハWの保護膜の水洗処理が行われる。
この後、アーム昇降駆動部34にて保持具32が上方に移動され、保持具32の下型37の開口42から露出している被処理面Bが、水洗槽71内から取り出される。次いで、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に高速回転され、ウェハWの保護膜に付着した純水の振り切り処理が行われる。
(乾燥処理工程)
次いで、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32が乾燥槽76上に搬送される。この状態で、アーム昇降駆動部34にて保持具32が下方に移動され、この保持具32の下型37の開口42から露出しているウェハWの被処理面Bが乾燥槽76内に挿入される。この後、温風供給機構にて乾燥槽76の開口77から温風が乾燥槽76内に供給されるとともに、ウェハ回転駆動部35にて保持具32が周方向に高速回転され、ウェハWの乾燥処理が行われる。
このとき、図13に示すように、温風供給機構にて乾燥槽76の開口77から温風が乾燥槽76内に供給されるとともに、スクラバー2jの駆動によって薬液浮遊領域82の空気が吸込口67から排気されていることにより、非薬液浮遊領域83に漂う空気が開口部84を介して薬液浮遊領域82へ流れていくとともにめっき室11外に排出される。この結果、図14に示すように、非薬液浮遊領域83が筐体2外および薬液浮遊領域82よりも正圧となり、これら薬液浮遊領域82および筐体2外からの薬液やパーティクル等の侵入が抑制される除外システムとして機能する。
この後、アーム昇降駆動部34にて保持具32が上方に移動され、保持具32の下型37の開口42から露出している被処理面Bが乾燥槽76内から取り出される。
(搬出工程)
次いで、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31が扇状に回転されて保持具32がウェハ収納部14f上に搬送される。この後、図10(d)に示すように、アーム昇降駆動部34にて保持具32がウェハ収納部14fに載置された状態とされる。そして、駆動機構にてチャック機構78の係合片部79が中心軸方向に移動され、図10(e)に示すように、この係合片部79が保持具32の下型37の係合凹部47に係合される。この状態で、下型37の磁性体48と上型38の磁石体55との間の磁力に抗して、アーム昇降駆動部34にて上型38が上方に移動され、図10(g)に示すように、磁性体48と磁石体55との間の磁力による下型37と上型38との一体化が解除され、下型37から上型38が取り外される。
この状態で、ウェハ反転機構22の昇降駆動部26にて反転アーム23が上方に移動されてから、回転駆動部25にて反転アーム23の基端側を回転中心として反転アーム23が180°回転された後、昇降駆動部26にて反転アーム23が下方に移動されて、図4(d)に示すように、吸着パッド24を下型37の収容凹部41に載置されているウェハWの上面に接触させて、この吸着パッド24にてウェハWが吸着される。次いで、昇降駆動部26にて反転アーム23が上方に移動された後、回転駆動部25にて反転アーム23が逆方向に180°回転されてから、昇降駆動部26にて反転アーム23が下方に移動され、図4(a)に示すように、被処理面Bを上側に向けた状態でウェハWがステージ12上に設置される。
その後、PLADシステム9によって、ステージ12上に設置されたウェハWが搬出され、ドッキングポート2eに設置されたシャトル上にウェハWが設置されてから、シャトルが閉操作されてウェハWが収容される。さらに、ウェハWが収容されたシャトルを、前室2dのドッキングポート2eから取り外すことによって、ウェハWが搬出される。
<効果>
上述のように、上記一実施形態に係るめっき処理装置1においては、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31を扇状に回転させた場合における保持具32の中心位置の回動軌跡上に、複数の処理部14である前処理槽61、めっき槽62、水洗槽71および後処理槽74のそれぞれと、保持具32の下型37の待機場所であるウェハ収納部14fとを所定間隔を介して配置した構成としている。したがって、ウェハ収納部14fに設置した下型37の収容凹部41にウェハWを載置させ、アーム昇降駆動部34にて上型38を下降させて上型38の挿入突部51を下型37の収容凹部41に挿入し、これら下型37と上型38とを一体化させて保持具32とする。この状態で、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31を扇状に回転させるという簡単な構成および簡単な動作によって、保持具32にて保持しているウェハWを前処理槽61、めっき槽62、水洗槽71および後処理槽74のそれぞれへ、比較的少ない移動距離で順次搬送することができる。また、これら前処理槽61、めっき槽62、水洗槽71および後処理槽74へのウェハWの搬送動作と連動する保持具32の回転動作で、ウェハ収納部14fへの保持具32の搬出入動作が可能となる。
特に、被処理面Bを下方に向けた状態で、保持具32の下型37の収容凹部41の底面にウェハWを載置させることによって、収容凹部41の開口42からウェハWの被処理面Bが露出する。この状態で、上型38の挿入突部51を下型37の収容凹部41に挿入し、これら下型37と上型38とを一体化することによって、上型38の挿入突部51と下型37の収容凹部41の開口縁との間でウェハWを挟持することができる。したがって、アーム昇降駆動部34にて保持具32を下降させて、保持具32の下型37の収容凹部41の下端部を、例えばめっき槽62内のめっき液M中に浸漬させることによって、保持具32の下型37の開口42から露出する被処理面Bを精度良くかつ確実にめっき液M中に浸漬させることができる。よって、ウェハWの被処理面Bを精度良くかつ確実にめっき処理することができる。
また、保持具32の下型37の収容凹部41の底面にウェハWを載置させた状態で、上型38の挿入突部51を収容凹部41に挿入し、これら上型38と下型37とを一体化することによって、上型38の電極部52がウェハWの上面に接して通電する構成とされている。したがって、保持具32の下型37の収容凹部41にウェハWを載置させ、上型38の挿入突部51を収容凹部41に挿入するという一連の動作だけで、めっき処理時に必要となるウェハWに対する電極の確保が容易にできる。
また、ウェハWの被処理面Bを下方に向けた状態で、保持具32の下型37の収容凹部41の底面にウェハWを載置させ、このウェハWの被処理面Bを保持具32の下型37の開口42から露出した状態としてから、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31を扇状に回転させて、前処理槽61、めっき槽62、水洗槽71および後処理槽74のいずれかの上方に保持具32を搬送する。この状態で、アーム昇降駆動部34にて保持具32を昇降させることによって、保持具32にて保持するウェハWを、これら前処理槽61、めっき槽62、水洗槽71および後処理槽74のいずれかに出し入れできる。したがって、アーム昇降駆動部34による保持具32の昇降動作のみで、保持具32にて保持するウェハWの被処理面Bの、前処理槽61、めっき槽62、水洗槽71および後処理槽74への浸漬、挿入および取り出し動作のそれぞれが可能となるので、ウェハWの搬送動作が簡略であり、ウェハWの搬送に必要な構成を簡略化できる。また、保持具32の下型37の開口42から露出しているウェハWの被処理面Bのみをめっき処理等する構成であるため、複数の処理部14によるウェハWに対するめっき処理を簡単な構成にできる。
特に、アーム昇降駆動部34にて保持具32を下降させ、保持具32の下型37の収容凹部41の下端部を、例えばめっき槽62内のめっき液M中に浸漬させた場合、図8に示すように、下型37の被覆片部45がめっき槽62の開口縁を覆うため、めっき槽62の開口縁を下型37の被覆片部45にて被覆することができる。したがって、保持具32の下型37の収容凹部41の下端部をめっき槽62内のめっき液Mに浸漬させてめっき処理する場合における、めっき槽62の開口縁からめっき槽62の外部へのめっき液のこぼれを防止することができる。
さらに、めっき部14bにおいては、アーム昇降駆動部34にて保持具32を下降させて、保持具32の収容凹部41の下端部をめっき槽62内のめっき液M中に浸漬させる。そして、図8に示すように、保持具32の下型37の被覆片部45を、めっき槽62の開口縁に取り付けられたゴムパッキン63に接触させる。この状態で、減圧ポンプが駆動され、めっき槽62内の空気が開口部64から排気されることによって、保持具32の下型37の被覆片部45がめっき槽62の開口縁に取り付けられたゴムパッキン63に押し付けられてめっき槽62内が気密な状態になるともに、保持具32の収容凹部41内の空気が圧力調整孔44から排気されて、めっき槽62内のめっき液Mの圧力と、保持具32の下型37の収容凹部41内の圧力とが等しくなる。この結果、収容凹部41内の圧力とめっき液Mの圧力との圧力差をなくすことができるから、圧力差に基づく下型37の収容凹部41の開口42からのめっき液Mの侵入を簡単な構成で精度良く防止することができる。
また、保持具32の下型37の収容凹部41の底面にウェハWを載置させ上型38の挿入突部51を下型37の収容凹部41に挿入して一体化させた状態で、ウェハ回転駆動部35にて保持具32を周方向に回転させることによって、保持具32にて保持するウェハWを回転させることができる。したがって、ウェハ回転駆動部35による保持具32の回転動作という同一の動作で、前処理工程時における被処理面Bに付着しためっき液Mの液切り処理、めっき処理工程時における被処理面Bに付着しためっき液Mの振り切り処理、水洗処理工程におけるウェハWのめっき面に付着した純水の振り切り処理、後処理工程におけるウェハWのめっき面に付着した後処理液の乾燥処理、水洗処理工程におけるウェハWの保護膜に付着した純水の振り切り処理、および乾燥処理工程におけるウェハWの乾燥処理等のそれぞれの処理を行なうことができる。
さらに、ウェハ反転機構22にてウェハWの表裏面を反転させてから、保持具32の下型37の収容凹部41の底面にウェハWを載置させる構成としているため、被処理面Bを上側に向けた状態でステージ12へ搬送されたウェハWの被処理面Bをウェハ反転機構22にて反転させて下方に向けた状態として、下型37の収容凹部41の底面にウェハWを収容させることができる。よって、下型37の開口42からウェハWの被処理面Bが露出した状態となり、保持具32の下型37の収容凹部41の下部を、前処理槽61、めっき槽62または後処理槽74に挿入することによって、これら前処理槽61、めっき槽62または後処理槽74に充填されためっき液Mまたは後処理液に、ウェハWの被処理面Bを浸漬させることができる。この結果、アーム昇降駆動部34による保持具32の昇降動作のみで、保持具32にて保持したウェハWの被処理面Bの前処理、めっき処理および後処理等の処理を容易に行なうことができる。
また、被処理面Bを上側に向けた状態でシャトルに収容されているウェハWを、被処理面Bを上側に向けた状態のまま、シャトルから取り出してPLADシステム9にてウェハWの下面を支持してステージ12へ搬送する。そして、ステージ12へ搬送されたウェハWの表裏面をウェハ反転機構22にて反転させて被処理面Bを下側に向けた状態としてから、保持具32の下型37の収容凹部41に載置させる構成としている。このため、シャトルから取り出してステージ12へ搬送するまでにおいては、被処理面B以外の箇所、すなわちウェハWの下面を支持してPLADシステム9にて搬送するため、被処理面Bに触れることなくウェハWを搬送することができる。また、ステージ12から保持具32の収容凹部41へウェハWを載置させるまでにおいては、ウェハ反転機構22の吸着パッド24にてウェハWの裏面を吸着して表裏面を反転させてから下型37の収容凹部41にウェハWを収容させる。よって、ウェハWの被処理面B以外の面、すなわち下面に吸着パッド24を吸着させるだけでウェハWを反転させて収容凹部41に収容させているため、被処理面Bに触れることなくウェハWを収容凹部41に挿入して載置させることができる。
同様に、下型37の収容凹部41からウェハWを取り出してステージ12に搬送するまでにおいても、吸着パッド24にて被処理面B以外の面、すなわち裏面を吸着して表裏面を反転させてからステージ12へ搬送するため、被処理面Bに吸着パッド24が触れることなくウェハWを搬送することができる。また、ステージ12からシャトルへウェハWを収納するまでにおいても、PLADシステム9にてウェハWの下面を支持して搬送するため、被処理面Bに触れることなくウェハWを搬送することができる。したがって、シャトルから保持具32の下型37の収容凹部41の底面に載置させるまで、および下型37の収容凹部41からウェハWを取り出してシャトルに収容させるまでのそれぞれにおける、ウェハWの搬送時の被処理面Bの損傷を確実に防止することができる。
特に、被処理面Bをめっき処理した後においては、アーム回転駆動部33にて搬送アーム31を扇状に回転させて保持具32をウェハ収納部14fへ搬送した後に、アーム昇降駆動部34にて搬送アーム31を下降させて保持具32の下型37をウェハ収納部14fへ載置させた状態とする。この状態で、駆動機構にてチャック機構78の係合片部79を中心軸方向に移動して、図10(e)に示すように、係合片部79を保持具32の下型37の係合凹部47に係合させる。そして、下型37の磁性体48と上型38の磁石体55との間の磁力に抗して、アーム昇降駆動部34にて上型38を上方に移動させることによって、図10(g)に示すように、上型38を下型37から取り外すことができ、下型37の収容凹部41の底面に載置させたウェハWを、ウェハ反転機構22にて収容凹部41から取り出してステージ12上に搬出することができる。
また、外径12.5mmの円盤状のウェハWであるため、いわゆるミニマルファブシステムに用いることが可能である。また同様に、このウェハWをめっき処理するめっき処理装置1としているため、いわゆるミニマルファブシステムに用いられるめっき処理装置として用いることができる。
<技術的課題>
なお、めっき処理装置としては、主として、(1)めっき処理にて形成されためっき面の膜厚の均一性、およびめっき処理に要する時間の短縮化、(2)生産性の向上という技術的な課題が存在している。これらの技術的な課題のうち、(1)の技術的な課題を解決する具体的な方法としては、ウェハや基板等の被処理物表面のめっき液の更新を高速化する必要性から、例えば(1A)めっき液を攪拌(非特許文献:門田他、「三次元実装用貫通電極の高速めっき技術」、エレクトロニクス実装学会誌、Vol.13,No.3,第213頁~第219頁(2010)等参照。)したり、(1B)被処理物を動したりする対応が考えられる。
そして、上記(1A)のめっき液を攪拌する方法としては、(a1)スターラーを用いてめっき液を攪拌する方法、(a2)いわゆるスキージを用いてめっき液を水平に攪拌させる方法(特許文献:特開2005-054206公報等参照。)、(a3)噴流ノズルを用いてめっき液を被処理物に吹き付ける方法(特許文献:特開2007-277676号公報、特開2006―265709号公報等参照。)、および(a4)めっき液を高速流として循環させる方法(特許文献:特開2005-054206号公報等参照。)等が考えられる。
また、上記(1B)の被処理物を動かす方法としては、(b1)めっき液内で被めっき物を直線的に往復運動させる方法(特許文献:特開2002-363796号公報等参照。)、(b2)めっき液内で被処理物を水平または垂直に回転運動させる方法(特許文献:特開2004-300462号公報、特開2010-265532号公報等参照。)等が考えられる。なお、めっき液内で被処理物を回転させる方向によってが、めっき液から受ける回転抵抗が大きく攪拌力が減少してしまったりするおそれがある。
一方、上記の(2)の技術的な課題を解決する具体的な方法としては、例えば(2A)基板を垂直に立てた状態で基板上端等を保持して搬送する垂直連続搬送式(特許文献:特開2002-363796号公報等参照。)や、(2B)ロボット等を用いた水平搬送方式(特開2003-171791号公報等参照。)といった、連続プロセスで被処理物をめっき処理する方法が考えられる。
そして、これら方法のうち、上記の(1)及び(2)の技術的な課題のそれぞれを解決する方法としては、上記の(2A)垂直連続搬送方式に、上記の(a3)の噴流ノズルにてめっき液を被処理物に吹き付ける方法、または上記の(b1)の被処理物を直線往復運動させる方法等を組み合わせることが考えられるものの、これらの組み合わせではめっき液の攪拌力が小さく、めっき液を適切に攪拌することができないおそれがある。
また、上記の(2B)の水平搬送方式に、上記の(a2)のスキージを用いてめっき液を攪拌させる方法、上記の(a3)の噴流ノズルにてめっき液を被処理物に吹き付ける方法、上記の(a4)のめっき液を高速循環させる方法、または上記の(b2)のめっき液内で被処理物を回転転運動させる方法等を組合わせることも考えられるが、これらの組み合わせでは、水平搬送方式であることから、被処理物をめっきする度にめっき液の充填および排出が必要であるとともに、めっき液の攪拌力が小さく、めっき液を適切に攪拌できないおそれがあり、その構造によって被処理物を回転させるための回転軸をシールする構造が複雑であるとともに、被処理物の搬出入が容易ではない。
これらの事項を踏まえ、上記一実施形態に係るめっき処理装置1においては、ウェハ回転駆動部35による保持具32の回転動作で、めっき槽62内のめっき液中でウェハWを周方向に回転させて、このウェハWを高速回転させてめっき液の高速流を生じさせている。また、複数の処理部14、すなわち前処理部14a、めっき部14b、水洗部14c、後処理部14d、乾燥部14eおよびウェハ収納部14fを、ステージ12の中心位置を中心とした同一円周上に並べて配置し、これら複数の処理部14へのウェハWの搬送を一台の搬送アーム31の円弧移動にて行っている構成としたことにより、これら複数の処理部14による処理を連続プロセスとして行うことができる。
さらに、ウェハ反転機構22にてウェハWを反転させてから、保持具32にてウェハWを保持し、この状態で、保持具32とともにウェハWを、複数の処理部14へ搬送し、この保持具32を回転させることによってウェハWが回転する構成としているため、各処理部14にて処理する際にウェハWを高速回転させることができるとともに、このウェハWを高速回転させるための各処理工程に応じた特別な制御を不要にでき、これら複数の処理部14による処理を連続プロセスとして行うことができる。
<その他>
なお、上記一実施形態においては、保持具32が移動する回動軌跡上に、前処理部14a、めっき部14b、水洗部14c、後処理部14d、乾燥部14eおよびウェハ収納部14fのそれぞれを、所定間隔を介して配置した構成としている。しかしながら、本発明はこれに限定されることはなく、めっき処理に用いる種々の処理部についても同様に、保持具32が移動する回動軌跡上に所定間隔を介して配置する等して、対応させて用いることができる。
また、単結晶シリコン構造のウェハW以外や、ハーフインチサイズのミニマルウェハより大きな大口径のウェハであっても対応させて用いることができる。
1 めっき処理装置
2 筐体
2a 装置上部
2b 装置下部
2c 操作パネル
2d 前室
2e ドッキングポート
2f 通気口
2g ファン
2h エアフィルタ
2i 整流器
2j スクラバー
2k 排気部
2m 支持部
9 PLADシステム
11 めっき室
12 ステージ
12a 挿入凹部
13 搬送手段
14 処理部
14a 前処理部
14b めっき部
14c 水洗部
14d 後処理部
14e 乾燥部
14f ウェハ収納部
22 ウェハ反転機構
23 反転アーム
24 吸着パッド
25 回転駆動部
26 昇降駆動部
31 搬送アーム
32 保持具(保持体,保持部)
33 アーム回転駆動部
34 アーム昇降駆動部
35 ウェハ回転駆動部
36 回転軸(支持体)
37 下型
38 上型
41 収容凹部
42 開口
43 Oリング(密閉手段)
44 圧力調整孔(圧力調整手段)
45 被覆片部
46 周面部
47 係合凹部(係止部)
48 磁性体(一体化手段)
49 開口
51 挿入突部
52 電極部
53 Oリング(密閉手段)
54 支持片部
55 磁石体(一体化手段)
61 前処理槽
62 めっき槽
63 ゴムパッキン(圧力調整手段)
64 開口部(圧力調整手段)
66 循環機構
66a リザーブタンク
66b ポンプ
66c 液上げ配管
66d ノズル部
66e オーバーフロー槽
66f 液戻り配管
67 吸込口
71 水洗槽
72 開口
73 排液口
74 後処理槽
75 開口
76 乾燥槽
77 開口
78 チャック機構(取外手段)
79 係合片部(被係止部)
81 仕切り板
82 薬液浮遊領域
83 非薬液浮遊領域
84 開口部
W ウェハ
B 被処理面
M めっき液

Claims (8)

  1. ウェハを保持する保持体と、
    処理槽と、
    前記保持体を昇降させて前記ウェハを前記処理槽に出し入れするための昇降駆動部と、を具備し、
    前記保持体は、上下方向に分離可能な下型と上型とで構成され、
    前記下型は、上面を開口して底面に前記ウェハより小さな開口が設けられた収容凹部を有し、
    前記上型は、前記下型の前記収容凹部に挿脱可能な挿入突部を有し、
    前記ウェハは、前記収容凹部の底面に載置可能であり、
    前記保持体は、前記挿入突部を前記収容凹部に挿入した状態で、前記挿入突部と前記収容凹部の底面とで、前記収容凹部の底面に載置された前記ウェハを挟持する
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  2. 請求項1に記載のめっき処理装置において、
    前記上型は、前記収容凹部の底面に載置された前記ウェハに通電可能な電極部を有する
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のめっき処理装置において、
    前記処理槽は、上面が開口し、
    前記下型は、前記収容凹部から外側に突出する被覆片部を有し、
    前記被覆片部は、前記処理槽の上面を被覆可能である
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のめっき処理装置であって、
    圧力差を調整するための圧力調整手段を具備し、
    前記保持体は、前記挿入突部を前記収容凹部に挿入した状態で前記収容凹部内を密閉する密閉手段を有し、
    前記処理槽は、処理液が充填され、
    前記圧力調整手段は、前記密閉手段にて密閉された前記収容凹部内の圧力と前記処理槽に充填された前記処理液の圧力との圧力差を調整可能である
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のめっき処理装置であって、
    前記保持体を回転可能に軸支する支持体と、
    前記保持体を軸回りに回転させるウェハ回転駆動部と、具備している
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のめっき処理装置であって、
    前記下型から前記上型を取り外すための取外手段を具備し、
    前記保持体は、前記挿入突部を前記収容凹部に挿入した状態で前記下型と前記上型とを取り外し可能に一体化させる一体化手段を有し、
    前記下型は、係止部を有し、
    前記取外手段は、前記係止部に係止可能な被係止部を有し、
    前記昇降駆動部は、前記被係止部を前記係止部に係止させた状態で、前記上型を上昇させることによって、前記一体化手段による前記下型と上型との一体化を解除させる
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のめっき処理装置であって、
    複数の前記処理槽と、
    ウェハを前記複数の処理槽へ搬送する搬送手段と、を備え、
    前記搬送手段は、一端側に前記保持体が設けられたアームと、前記アームを他端側を中心に回転させるアーム回転駆動部と、を有し、
    前記複数の処理槽は、前記保持体の回動軌跡上に所定間隔を介して配置されている
    ことを特徴とするめっき処理装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のめっき処理装置であって、
    前記ウェハは、外径12.5mmの円盤状である
    ことを特徴とするめっき処理装置。
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