JP2022164505A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】日焼け止め効果、使用感および保存安定性に優れた、日焼け止め化粧料として好適な水中油型化粧料を提供する。【解決手段】下記(B)、(C)、(D)および(E)成分を含む油相が、下記(A)および(F)成分を含む水相中に分散した乳化物であり、油相中の(B)成分の含有率が40~70質量%の水中油型乳化化粧料である。(A)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水性高分子:0.1~3質量%(B)トリアルコキシアルキルシランで疎水化処理された無機粉体からなる紫外線散乱剤:10~40質量%(C)ポリヒドロキシステアリン酸:0.1~5質量%(D)HLB値が5~8のポリグリセリン脂肪酸エステル:0.1~5質量%(E)液状油:7~40質量%(F)水:30~80質量%【選択図】なし

Description

本発明は、日焼け止めとして好適な水中油型乳化化粧料に関し、さらに詳しくは、日焼け止め効果、使用感、保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料に関する。
日焼け止め化粧料には、通常、日焼け止め成分として有機紫外線吸収剤、または、酸化チタンや酸化亜鉛などの無機微粒子からなる紫外線散乱剤が用いられる。このうち、有機紫外線吸収剤は紫外線吸収効果を高めるために配合量を多くすると毒性の懸念があり、安全性を重視する見地からは無機微粒子からなる紫外線散乱剤の使用が望まれている。
日焼け止め化粧料の剤型としては、水中油型や油中水型の乳化剤型が広く用いられるが、なかでも、水が連続相となる水中油型の日焼け止め化粧料は、肌への塗布時にみずみずしい感触を与え、また、伸びや広がりの点でも優れている。その反面、水中油型の乳化剤には耐水性や保存安定性が不足するという欠点があり、それらの欠点を向上させる試みがなされている。
たとえば、特許文献1には、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体(A)、HLBが9.5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤(B)、水系増粘剤を含有する水中油型乳化化粧料が開示されている(請求項1参照)。この発明は、HLBが9.5以下、好ましくは8~9.5の特定の界面活性剤を使用することにより疎水性化微粒子無機粉体を水相に安定に配合可能としたものである(段落0014参照)。そして、界面活性剤としてジステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-6、ジステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-10などを用いた日焼け止めO/Wクリームが開示されている(実施例1~16参照)が、そのほとんどは予め微粒子無機体を水性媒体中に分散させた水分散体を用いている。このように微粒子無機粉体を水媒体中に分散させた化粧料の場合には、塗布中に水分が蒸発するため微粒子無機粉体の凝集が起こりやすく、白浮き(肌に塗布したときに不自然に白くなる現象)が生じるという問題がある。唯一、実施例15に記載されている日焼け止めO/Wクリームは、微粒子無機粉体を予め水媒体に分散させることなくセスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB:4.5)、イソステアリン酸PEG-12(HLB:12)などの他の成分と混合することによって調製されている。この実施例15には具体的な調製法についての記載がなく、微粒子無機粉体が水相、油相のいずれに分散しているのかは明らかではないが、発明の技術的特徴が「疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体を水相に含む水中油型乳化化粧料」(段落0001参照)であることから、実施例15の化粧料もほかの実施例と同様に微粒子無機粉体を水相に含むものと考えられる。
一方、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体特を油相に分散させた水中油型乳化化粧料も知られており、たとえば、特許文献2には、(a)酸化亜鉛、(b)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマーおよび/またはアクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー、(c)HLB10以上の非イオン性界面活性剤および/または親水性界面活性剤、(d)水ならびに(e)シリコーン油を含み、(a)酸化亜鉛が(e)シリコーン油を含む油系に分散された水中油型乳化化粧料が開示されている。この化粧料は、酸化亜鉛を油相に含んでおり、保存安定性(経時安定性)に優れ、使用感、耐水性に優れている(段落0011)。そして、この化粧料における良好な保存安定性は酸化亜鉛を油系、すなわち、油相に分散させることにより得られることが記載されている(段落0033参照)。しかし、この化粧料の場合、油分の少なくとも一部としてシリコーン油を含むことが必須であり、流動パラフィンのような他の油分を使用すると良好な結果を得られない旨記載されており(表3の比較例3、段落0055参照)、また、酸化亜鉛等の無機微粒子は一般に粒子間の凝集力が高く油相の粘度を上昇させるため、油相を微細に水相に分散させることが難しいという問題があった。
また、特許文献3には、(a)カルボキシル基、アミド基、ピロリドンカルボキシル基、エステル基、グリセリン基、ポリグリセリン基のいずれかによって変性されるHLB8以下のシリコーン活性剤(b)低粘度シリコーンオイル、(c)疎水化処理無機粉体からなる紫外線散乱剤、(d)水溶性高分子化合物、(e)HLB10以上の非イオン性界面活性剤、および(f)水を含有し、(c)成分が実質的に油相に分散されている水中油型日焼け止め化粧料が開示されている(請求項2参照)。この化粧料の場合、(a)成分を(c)成分の分散剤として配合することにより紫外線散乱剤の油相中での分散性を改良している。しかし、この化粧料の調製には特定のシリコーン活性剤と低粘度シリコーンオイルを用いることが必要なため原料面での制約があり、また、乳化剤としてHLB10以上の非イオン性界面活性剤も用いているために使用感が十分でないという問題があった(後出の比較例3参照)。
このように、疎水化処理無機粉体からなる紫外線散乱剤を油相に配合した水中油型乳化化粧料は従来から公知であるが、紫外線遮蔽効果を高めるために油相中に占める疎水化処理無機粉体の濃度を高めようとすると分散不良を生じ、一般に賞用されている分散剤(たとえば、ポリヒドロキシステアリン酸やセスキイソステアリン酸ソルビタン)を使用しても十分な分散性を得ることはできなかった(後出の比較例4参照)。
特開2016-074660号公報 特開2005-272389号公報 特開2014-201569号公報
本発明はこのような背景技術の下に完成したものであり、その目的は、日焼け止め効果、使用感、保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、疎水化処理された無機粉体を油相に分散させた水中油型乳化化粧料において、特定の疎水化処理無機粉体を使用し、かつ、特定の分散剤と特定の界面活性剤を組み合わせて使用すると、無機粉体からなる紫外線散乱剤を高濃度で含む場合であっても良好な分散性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(B)、(C)、(D)および(E)成分を含む油相が、下記(A)および(F)成分を含む水相中に分散してなり、油相中の(B)成分の含有率が40~70質量%であることを特徴とする水中油型化粧料が提供される。
(A)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水性高分子:0.1~3質量%
(B)トリアルコキシアルキルシランで疎水化処理された無機粉体からなる紫外線散乱剤:10~40質量%
(C)ポリヒドロキシステアリン酸:0.1~5質量%
(D)HLB値が5~8のポリグリセリン脂肪酸エステル:0.1~5質量%、
(E)液状油:7~40質量%
(F)水:30~80質量%
本発明の水中油型乳化化粧料は、日焼け止め効果、使用感および保存安定性に優れている。
本発明の水中油型乳化化粧料は、必須成分として(A)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水性高分子、(B)トリアルコキシアルキルシランで疎水化処理された無機粉体からなる紫外線散乱剤、(C)ポリヒドロキシステアリン酸、(D)HLB値が5~8のポリグリセリン脂肪酸エステル、(E)液状油および(F)水を含有する。以下、それぞれの成分について詳細に説明する。
(A:水性高分子)
本発明の(A)成分として用いられる水性高分子は、水中油型乳化物の安定化に用いられるものであり、好ましくは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩(以下、「AMPS」と略す場合がある。)を構成単位として含むコポリマー又はクロスポリマーである。なお用語「2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸」は、「アクリロイルジメチルタウリン」と同義である。水性高分子の具体例として、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンNa/VP)クロスポリマー、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等が挙げられる。これらの中でも(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーおよび(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが好ましく用いられる。
水性高分子の市販品例として、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーであるSNF社製FLOCARE PSD-30、また、このポリマーを含む分散物であるSEPPIC社製SIMULGEL-EG、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを含む分散物であるSIMULGEL-NS等が挙げられる。
(A)成分の含有量は、化粧料全体を基準として0.1~3質量%、好ましくは0.2~2質量%、さらに好ましくは0.3~1.5質量%である。(A)成分の含有量が過度に低い場合は、油相と水相の分離、油浮き、乳化破壊、凝集といった現象を引き起こしやすいため安定性に劣り、過度に多い場合は、皮膚へ伸ばしにくいものとなる。なお、以下の説明における各成分の質量%も化粧料全体を基準とするものである。
(B:紫外線散乱剤)
本発明に用いられる(B)成分は、紫外線散乱剤として使用されるトリアルコキシアルキルシランで疎水化処理無された無機粉体である。基素材となる無機粉体としては、日焼け止め化粧料において通常配合可能なものであればよく、その具体例として、たとえば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等が挙げられる。これらは一種だけで用いてもよいが、二種以上を併用することもでき、さらに二種以上を複合化したものを用いてもよい。なかでも、化粧料の使用感や仕上がりの観点から酸化亜鉛または酸化チタンが好ましい。無機粉体の粒径、形状等はとくに限定されないが、紫外線防御効果の観点から平均一次粒子径が1~100nmの範囲のものが好ましい。これらの粒子径は、透過型または走査型電子顕微鏡を用いて、個数平均粒子径として求めることができる。無機粉体の幾何学的態様は、球状、多面体状、紡錘状、針状、板状等、通常、日焼け止め化粧料に用いられるものであればいずれの形状でもよい。これら無機粉体は表面活性の封鎖、及び分散性などを付与するため、アルミナ、シリカ等の無機素材で表面処理したものを用いるのが一般的である。通常はこれらの粉体に撥水性や分散性を付与する目的で油剤、金属石鹸、オルガノポリシロキサン、フッ素などで疎水化処理が施されるが、本発明においては、トリアルコキシアルキルシランで処理したものを用いることが必要である。トリアルコキシアルキルシランの代わりに他のシリコーン化合物、たとえば、ハイドロゲンジメチコンで処理した疎水化無機粉体を使用しても本発明の効果を得ることはできない(比較例6参照)。
なお、トリアルコキシアルキルシランは、ケイ素原子に三つのアルコキシ基と一つのアルキル基が結合した化合物であり、該アルコキシ基が粉体表面の水酸基等と反応することにより、粉体表面を被覆することができる化合物である。このようなトリアルコキシアルキルシランは、下記一般式(1):
CH(CH(O(C2n)) (1)
(m、nはそれぞれ正の整数で、m=5~20、n=1~3)で表すことができる。好ましいアルコキシ基は炭素数1~3のものであり、その具体例としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。また、好ましいアルキル基は炭素数6~18のものであり、その具体例としてヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。このようなトリアルコキシアルキルシランは、例えば、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリメトキシデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリエトキシオクチルシラン(化粧品表示名称;トリエトキシカプリリルシラン)、トリエトキシデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン等が挙げられ、これらは単独で使用しても、また、二種以上を併用することもできる。
なかでも、アルキル基の炭素数が8~22のトリアルコキシアルキルシランを用いると油相中での(B)成分の分散性が良好となるため好ましく、とくに上記一般式(1)においてm=7、n=2であるトリエトキシカプリリルシランを用いると優れた分散性が得られる。
(B)成分のトリアルコキシアルキルシランで表面被覆処理された微粒子粉体は市販品を用いることができる。市販品例として、トリエトキシカプリリルシラン被覆微粒子酸化チタンであるテイカ社製MTX-05OTS(平均粒子径10nm)、トリエトキシカプリリルシラン被覆微粒子酸化亜鉛であるテイカ社製MZX-508OTS(平均粒子径25nm)およびMZX-304OTS(平均粒子径35nm)が挙げられる。
(B)成分の含有量は10~40質量%であり、好ましくは12~38質量%、より好ましくは15~35質量%、さらに好ましくは18~35質量%である。(B)成分の含有量が過度に少ない場合は、高い日焼け止め効果を得ることができず、過度に多い場合は、油相の粘度が高くなるため、微細な乳化粒子を得ることができなくなり、保存安定性が低下し、また、肌への伸ばしやすさも低下する。
(B)成分を含む油相中の粉体成分の油相全体に対する質量比[油相中の粉体成分の割合は40~70質量%、好ましくは50~60質量%である。(B)成分の量がこの範囲にあることによって、高い日焼け止め効果と、優れた使用感(伸ばしやすさやみずみずしい感触)および保存安定性を満足することができる。
(C:ポリヒドロキシステアリン酸)
本発明においては、油相中に含まれる無機粉体の分散剤として(C)ポリヒドロキシステアリン酸が用いられる。ポリヒドロキシステアリン酸は、一つの水酸基を有するヒドロキシステアリン酸の重合物であり、本発明において、ヒドロキシステアリン酸の水酸基は12位が好ましく、また、ヒドロキシステアリン酸の重合度は3~12、さらには重合度4~8が好ましい。(C)成分を含むことによって、(B)成分の無機粉体を油相中に多量に配合した場合でも、油相の粘度の上昇を抑制し、優れた使用感および保存安定性を実現することを可能にする。(C)成分の市販品としては、例えば、サラコスHS-6C(日清オイリオグループ社製)が挙げられる。(C)成分の含有量は0.1~5質量%であり、好ましくは0.2~3質量%、より好ましくは0.3~2質量%である。(C)成分の含有量が過度に少ない場合は、(B)成分の分散が不十分となり、使用感、保存安定性が低下する。(C)成分の含有量が過度に多い場合は、べたつきを生じる。
(D:ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明においては、水中油型乳化物の安定化のために(D)HLB値が5~8、好ましくは6~7.5のポリグリセリン脂肪酸エステルが油相中に含まれている。(D)成分を油相に存在させることにより多量の微粒子粉体を含む油相を水相中に安定に分散させることができ、みずみずしく伸びの良い使用感と高い保存安定性を達成することができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの疎水基部分である脂肪酸としては、炭素数が好ましくは12~30、より好ましくは16~22である。脂肪酸は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、炭素鎖に分岐があってもなくてもよいが、不飽和脂肪酸または飽和分岐脂肪酸であることが好ましい。 ポリグリセリン脂肪酸エステルの親水基部分は、グリセリンの重合度が2~20が好ましく、4~15がより好ましい、特に好ましくは10である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは5~8、好ましくは6~7.5である。HLB値がこの範囲にあることにより、多量の微粒子粉体を含む油相を水相中に安定に分散させることができ、みずみずしく伸びの良い使用感と高い保存安定性を達成することができる。しかし、HLBが8より大きいか、もしくは5より小さいポリグリセリン脂肪酸エステルを使用すると、微細な乳化滴を得にくくなり、使用感や保存安定性が十分でなくなる。なお、HLBとは、非イオン性界面活性剤について、親水性と親油性のバランスを0~20までの値で示す指標であり、0に近づくほど親油性が高く、20に近づくほど親水性が高いことを示している。HLB値の算出法としては種々の計算法が知られている他、製造元から提供されるカタログなどにその値が記載されている。本明細書においては、非イオン性界面活性剤のHLB値は、非イオン性界面活性剤が市販品である場合には、メーカーカタログ記載のHLB値を採用しており、また、市販品ではない場合には、「界面活性剤便覧」第307頁(産業図書株式会社出版、1960年発行)に記載されているグリフィン(Griffin)の方法(HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量)により算出した数値を採用している。
このようなポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-6、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、セスキカプリル酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-4、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10等が好ましく挙げられ、特に好ましくは、トリオレイン酸ポリグリセリル-10であり、これらを1種又は2種以上任意に使用できる。(D)成分の市販品例としては、NIKKOL Decaglyn 3-OV(日光ケミカルズ社製、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、HLB値7)、EMALEX DISG-6(日本エマルジョン社製、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-6EX、HLB値8)、NIKKOL Decaglyn 3-SV(日光ケミカルズ社製、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、HLB値7.5)等を挙げることができる。
(D)成分の含有量は0.1~5質量%であり、好ましくは0.2~3質量%、より好ましくは、0.3~2質量%である。(D)成分の含有量が過度に少ない場合は、使用感、保存安定性が低下する。(D)成分の含有量が過度に多い場合は、べたつきを生じる。
(E:液状油分)
本発明の水中油型日焼け止め化粧料においては、日焼け止め成分である(B)成分の無機粉体を分散させ、肌上に伸び広げるために、(E)液状油分が用いられる。ここで「液状油分」とは、常温(25℃)で流動性を有する油分および融点50℃未満の半固形油分を意味する。
本発明で用いられる(E)液状油分は、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、動物油、植物油、合成油のいずれであってもよい。液状油分の具体例としては、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、テトライソステアリン酸ジグリセリル、イソオクタン酸セチル、コレステロール脂肪酸エステル、ホホバ油等のエステル類; 揮発性イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、重質流動イソパラフィン、流動パラフィン、α - オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類; オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類; イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類; オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類; 低重合度ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルトリメチコン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン油類; パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類; ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類;等が挙げられる。
液状油分の25℃における粘度は、通常、1~200mPa・s、好ましくは5~100mPa・sであり、なかでもエステル油であることが好ましい。なお、液状油分の粘度は、B型粘度計で測定される。エステル油の具体例として、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピルを例示することができる。25℃の粘度が1~200mPa・sであるエステル油の含有量は、液状油分全体に対し、10~100質量%であることが好ましい。
(E)液状油分の含有量は7~40質量%であることが好ましく、より好ましくは10~35質量%、さらに好ましくは12~30質量%である。(E)成分が過度に少ないと(B)成分の微粒子金属酸化物を分散させることが困難になり、伸ばしやすさも低下する。過度に多い場合は、みずみずしさに欠け、べたついた使用感となる。
(油相)
本発明の水中油型日焼け止め化粧料において、油相は、本発明に用いる(B)~(E)成分を必須成分として含有する他、通常の化粧品に使用される油溶性成分および油分散性成分を含有することができる。
配合可能な油溶性成分および油分散性成分の例としては、有機紫外線吸収剤、固形油分、(D)成分以外のHLB値が8以下の親油性非イオン性界面活性剤、油溶性樹脂、油溶性抗酸化剤、油溶性ビタミンおよび油溶性動植物エキス等の油溶性有効成分ならびに(B)成分以外の粉体等が挙げられる。
有機紫外線吸収剤は、無機の微粒子粉体に比べ皮膚に対する刺激性が懸念されるため、有機紫外線吸収剤を配合する場合には、化粧料全体に対し、4質量%以下、とくに3質量%以下とするのが好ましく、最も好ましいのは配合しないことである。
(B)成分以外の粉体としては、顔料級の酸化チタン、酸化鉄、タルク、マイカ等の無機粉体類;ポリマー粉体、金属石鹸等の有機粉体類;タール系色素等の色素粉体類、金属粉体類:複合粉体類等が挙げられるが、粉体表面が疎水性もしくは親油性であるか、または、疎水化処理もしくは親油化処理されていることが保存安定性および使用感の観点から好ましい。
本発明の水中油型日焼け止め化粧料において、油相の含有量は、日焼け止め化粧料全体に対し、20~70質量%であることが好ましく、より好ましくは、25~60質量%、さらに好ましくは、30~50質量%である。油相含有量が過度に少ない場合は、無機粉体を多く含有することができず、日焼け止め効果に劣る。油相含有量が過度に多い場合は、みずみずしさに欠け、べたついた使用感となり、保存安定性も低下する。
(水相)
本発明の水中油型日焼け止め化粧料において水相は、(A)成分の水性高分子と(F)成分の水の他、通常の化粧品に使用される水溶性成分および水分散性成分を含むことができる。配合可能な水溶性または水分散性成分の例としては、低級アルコール、多価アルコール、(A)成分以外の水溶性高分子、親水性非イオン性界面活性剤、水溶性ビタミン類および水溶性動植物エキス等の水溶性有効性成分、pH調整剤、キレート剤、水溶性抗酸化剤、水溶性抗菌剤等が挙げられる。
本発明の水中油型日焼け止め化粧料においては、水相に(G)成分として親水性界面活性剤を含むことが好ましい。親水性界面活性剤を含むことにより、水中油型の乳化型が安定して得られやすい。親水性界面活性剤の例として、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、HLB値が8を越える非イオン性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸Na等の高級脂肪酸塩、ステアロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグリシンNa等のアシル化アミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、ラウリルベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、ラウラミドプロピルベタイン等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルタイン等のスルフォベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
HLB値が8を越える非イオン性界面活性剤の例としては、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10等のポリグリセリン脂肪酸エステル;PEG-60水添ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;オレイン酸PEG-10等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;オレイン酸PEG-15グリセリル等のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;脂肪酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーと長鎖アルコールとのエーテル;ポリブチレングリコールポリグリセリンコポリマーと長鎖アルコールのエーテル等が挙げられる。
これらの親水性界面活性剤の中でも、HLB値が8を越える非イオン性界面活性剤が好ましく用いられ、その中でもポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく用いられる。
親水性界面活性剤を用いる場合、その含有量は、化粧料全体に対し、0.1~3質量%であることが好ましい。親水性界面活性剤を含有する場合、乳化物の安定性は向上するが、その含有量が過度に多い場合は、塗布膜の耐水性が低下する。
本発明の水中油型日焼け止め化粧料においては、水相に(H)成分として多価アルコールを含むことが好ましい。多価アルコールを含むことにより、皮膚の保湿性を高めるとともに、水中油型の乳化型が安定して得られやすい。多価アルコールの例として、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール(化粧品表示名称:PG)、ジプロピレングリコール(化粧品表示名称:DPG)、プロパンジオール、ブチレングリコール(化粧品表示名称:BG)、ソルビトール、キシリトール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。(H)成分の好ましい含有量は2~30質量%である。
(A)成分以外の水溶性高分子の例としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グアーガム、カラギーナン、キサンタンガム、プルラン等が挙げられる。これらの内キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン等の非イオン性水溶性高分子が必須成分である微粒子金属酸化物に由来する多価金属イオンの影響を受けにくいため、好ましく用いられる。
本発明の効果を本質的に損なわない範囲であれば水相に微粒子無機粉体を含めてもよいが、水相に無機粉体が存在するとみずみずしさや伸ばしやすさの使用感が低下するとともに、油相に同量の微粒子金属酸化物を含有させた場合に比べ、肌上で凝集しやすいために可視光の隠ぺい性が増し、白浮きの現象を起こしやすい。そのため、水相に微粒子無機粉体を含む場合には、その含有量は化粧料全体に対し5質量%以下、好ましくは1質量%以下であり、さらに、水相には微粒子無機粉体を実質的に存在させないことがとくに好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料において、水相の含有量は、化粧料全体に対し、30~80質量%であることが好ましく、より好ましくは、40~75質量%、さらに好ましくは、50~70質量%である。水相含有量が過度に少ない場合は、みずみずしさに欠け、べたついた使用感となり、保存安定性も低下し、水相含有量が過度に多い場合は微粒子金属酸化物を多く含有することができず、日焼け止め効果が低下する。
本発明の型乳化化粧料は、常法にしたがって調製することができる。たとえば、(B)~(D)成分を含む油相および(A)成分を含む水相をそれぞれ調製し、撹拌しながら水相に油相を添加または油相に水相を添加して乳化し、調製することができる。水相に油相を添加して調製する方が、逆の場合に比べ、保存安定性に優れる乳化物が得られやすい。
また、水相に(G)親水性界面活性剤および(H)多価アルコールを含む場合は、これらを含むD相(界面活性剤相)と称される混合物を予め形成した後、撹拌下に油相を徐々に加えてゲル状エマルション(O/D相)とし、次いで水相を加えて水中油型乳化物とする方法(以下、D相乳化法という)によって調製することができる。D相乳化法で製造すると、粒子径の小さい安定な乳化物とすることができ、肌上での伸びや広がり易さが良好で、みずみずしい感触を与える化粧料を効率的に得ることができる。なお、D相乳化法の場合、(G)成分と(H)成分を予め混合してD相を調製するが、(G)成分と(H)成分はいずれも親水性であることから、本発明においてそれらの量は水相の量の一部として扱われる。
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、クリーム状、ゲル状、乳液状、液状(希薄な乳液)の何れの形態であってもよい。この化粧料は、日焼け止め化粧料として用いられるだけでなく、紫外線遮蔽効果を付与した他の化粧料として使用することができる。他の化粧料の具体例としては、ファンデーション、下地等のメイクアップ化粧料や、乳液、クリーム、美容液、BBクリーム、CCクリーム等のスキンケア化粧料および頭髪化粧料等が挙げられる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における処方中の配合量は、特に断りのない限り全量に対する質量%である。
また、以下の実施例および比較例における水中油型日焼け止め化粧料の評価方法は、以下のとおりである。
(評価方法a~c)
下記評価項目a~cについて、評価者10名が顔面に各試料を塗布し、下記採点基準(スコア)に基づいて4段階官能評価を行った。
(評価項目)
a.伸ばしやすさ
b.みずみずしさ
c.白浮きのなさ
(スコア)
5点: 非常に優れている。
4点: 優れている。
3点: 普通。
2点: 劣る。
1点: 非常に劣る。
( 評価基準)
A: スコア平均値4.0点以上
B: スコア平均値3.5点以上4.0点未満
C: スコア平均値2.5点以上3.5点未満
D: スコア平均値2.5点未満
(評価方法:粘度安定性)
実施例および比較例の水中型乳化化粧料を調製した後、翌日(初期粘度)および40℃にて1週間保存した後、B型粘度計(TVB-10M;東機産業社製)を使用して25℃における粘度を測定した。粘度変化率(%)=100×(40℃1週間保存後の粘度)/(初期粘度)を求め、下記の評価基準で判定した。
( 評価基準)
A: 粘度変化率;70%以上
B: 粘度変化率;50%以上70%未満
C: 粘度変化率;50%未満
D: 調製直後から均一な水中油型乳化組成物が得られなかった
実施例1及び比較例1~7
<日焼け止め乳液>
表1に示す日焼け止め乳液を下記の製造手順(D相乳化法)に従って調製し、上記の評価方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。なお、比較例3では、油相の調製に際して親水性界面活性剤であるラウリン酸ポリグリセリル-10を1.00%使用している(成分番号15)が、乳化物を調製した時点では、ラウリン酸ポリグリセリル-10は油相中には存在しないと考えられるので、その量は水相量の一部として扱われている。
(製造手順)
(1)成分1~3を混合してD相(a)を調製する。
(2)成分4~15を混合して油相(b)を調製する。
(3)成分16~22を混合して水相(c)を調製する。
(4)常温にて、D相(a)に油相(b)を少量ずつ混合し、ゲル状乳化物のO/D相(e)を調製する。
(5)上記O/D相(e)に上記水相(c)を混合して化粧料を調製する。
Figure 2022164505000001
※1:商品名 NIKKOL Decaglyn 1-L(日光ケミカルズ社)
※2:商品名 サンソフトQ-14Y-C(太陽化学社)
※3:商品名 MTX-05OTS(テイカ社)
※4:商品名 MZX-304OTS(テイカ社)
※5:商品名 MTY-110M3S(テイカ社)
※6:商品名 MZY-303S(テイカ社)
※7:商品名 サラコスHS-6C(日清オイリオ社)
※8:商品名 NIKKOL SI-15RV(日光ケミカルズ社)
※9:商品名 KF-6017(信越化学工業社)
※10:商品名 NIKKOL Decaglyn 3-OV(日光ケミカルズ社)
※11:商品名 EMALEX GWS-315(日本エマルジョン社)
※12:商品名 KF-6013(信越化学工業社)
※13:商品名 FLOCARE PSD 30(SNF社)
表1の結果から明らかなように、本発明の水中油型日焼け止め化粧料は伸ばしやすさ、みずみずしさ、白浮きのなさおよび保存安定性の点で優れていた(実施例1~3)。一方、油相に(D)成分のHLB値が5~8のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しない化粧料(比較例1)、(D)成分に替えてHLB値7のポリオキシエチレン脂肪酸エステルを使用した化粧料(比較例2)、および、ポリグリセリン脂肪酸エステルであってもHLBが15.5のラウリン酸ポリグリセリル-10を油相の調製時に配合した化粧料(比較例3)は、伸ばしやすさ、みずみずしさの点で満足できるものではなかった。また、(C)成分のポリヒドロキシステアリン酸を他の分散剤であるセスキイソステアリン酸ソルビタン、PEG-10ジメチコンにそれぞれ替えた比較例4、5の化粧料も伸ばしやすさ、みずみずしさの点で劣り、粘度安定性も満足できるものではなかった。さらに、微粒子無機粉体としてハイドロゲンジメチコンで疎水化処理した酸化チタンを用いた場合には、乳化安定性に問題があるうえ、伸ばしやすさ、みずみずしさ、白浮きのなさの点でも不十分なものであった(比較例6)。水相に微粒子酸化亜鉛を分散させた場合には、みずみずしさに劣り、白浮きが目立つものであった(比較例7)。油相中の(B)成分の割合が低い場合には、みずみずしさに劣るものであった(比較例8)。
実施例5
<化粧下地>
表2に示す処方の化粧下地を上記と同様の製造手順(D相乳化法)で調製し、上記の評価方法により評価した。その結果を処方と併せて表2に示す。なお、表2中の成分番号6~9は着色用の顔料である。
Figure 2022164505000002
※14:商品名 OTS-2 TiO2 PFC407(大東化成工業社)
※15:商品名 OTS-2 RED R-516P(大東化成工業社)
※16:商品名 OTS-2 YELLOW LL-100P(大東化成工業社)
※17:商品名 OTS-2 BLACK BL-100P(大東化成工業社)
表2の結果から明らかなように、実施例4の化粧下地は伸ばしやすさ、みずみずしさ、白浮きのなさおよび保存安定性の点で優れていた。
本発明によれば、日焼け止め効果、使用感および保存安定性に優れた、日焼け止め化粧料として好適な水中油型化粧料が提供される。

Claims (6)

  1. 下記(B)、(C)、(D)および(E)成分を含む油相が、下記(A)および(F)成分を含む水相中に分散した乳化物であり、油相中の(B)成分の含有率が40~70質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
    (A)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩を構成単位として含む水性高分子:0.1~3質量%
    (B)トリアルコキシアルキルシランで疎水化処理された無機粉体からなる紫外線散乱剤:10~40質量%、
    (C)ポリヒドロキシステアリン酸:0.1~5質量%、
    (D)HLB値が5~8のポリグリセリン脂肪酸エステル:0.1~5質量%
    (E)液状油:7~40質量%
    (F)水:30~80質量%
  2. 油相の含有量が20~70質量%、水相の含有量が30~80質量%である請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 有機紫外線吸収剤を実質的に含有しない請求項1または2に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. さらに、(G)親水性界面活性剤を含有する請求項1~3のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  5. さらに、(H)多価アルコールを含む含有する請求項1~4のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  6. (E)液状油が、エステル油を含むものである含有する請求項1~5のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
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