JP7152161B2 - 皮膚外用剤又は化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、油中水型の皮膚外用剤又は化粧料に関するものであり、詳細には、ニコチン酸アミド、紫外線防御剤、平均粒子径5~30μmの球状粉体及びHLBが7以下の非イオン性界面活性剤を含有し、滑らかな延び広がり、紫外線防御効果及び使用感の良さに優れる油中水型の皮膚外用剤又は化粧料に関する。
近年、皮膚外用剤や化粧料には、太陽光線中の紫外線を遮断し、紫外線による悪影響から肌を守る効果を付与することが強く求められる場合があり、酸化亜鉛や酸化チタン等の金属酸化物粉体や有機紫外線吸収剤を含有することにより、高い紫外線防御効果をもつ皮膚外用剤や化粧料が開発されている。また、皮膚外用剤や化粧料において、高い紫外線防御効果を発揮するためには化粧膜の均一性に優れることが重要な品質の一つであり、様々な検討がなされてきた。例えば、化粧膜の均一性を向上させる技術としては、油溶性紫外線吸収剤と水溶性増粘剤と、水溶性紫外線吸収剤、および脂肪酸PEGグリセリル系界面活性剤、水添ヒマシ油系界面活性剤、PEG・PPGアルキルエーテル系界面活性剤の中から選ばれる1種または2種以上の親水性非イオン性界面活性剤および/またはソルビタン系界面活性剤を用いる技術(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
一方、皮膚は加齢やストレスなどの内的要因や、紫外線や空気の乾燥などの外的要因により、しみやシワ、たるみ、色素沈着等を生じることが知られている。中でもシワ、たるみといった形態的変化は、外観の印象を大きく左右するため改善を望む人は多い。それらシワ、たるみを予防・改善するために多くの薬剤が提案されている。このような中でも、ニコチン酸アミドは、皮膚老化防止効果を有することが知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
また、油中水型の日焼け止め剤型で、官能を追及する検討もなされている。例えば、水相比が50質量%以上である高内水相油中水日焼け止め化粧料であって、架橋型ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン0.1~10質量%、及び紫外線吸収剤を含有する、日焼け止め化粧料等の技術(例えば、特許文献4参照)が知られている。
特開2008-162930号公報 特開平10-130135号公報 特開平10-1414号公報 特開2016-145157号公報
しかしながら、ニコチン酸アミドを多量に含有するとべたつき感が強いなど、望ましくない使用感触があることが知られており、製剤に含有する際にべたつき感が強く、延展性に欠け、化粧膜の均一性を損なってしまうという課題があり、皮膚外用剤や化粧料の紫外線防御効果を低下させてしまう原因となる場合があった。一方、特許文献4のように、高内水相とすることで、みずみずしい使用感は向上するものの、架橋型ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン及び紫外線吸収剤を組み合わせるだけでは、ニコチン酸アミドを多量に含有した際のべたつき感や延展性に満足のいく官能品質を実現できなかった。また、紫外線防御剤を組み合わせることで、紫外線散乱剤を使用した場合にはきしみ感が生じる場合があり、有機紫外線吸収剤を使用した場合には、紫外線吸収剤固有のべたつき感が生じる場合があった。このため、ニコチン酸アミドを多量に含有し、紫外線防御剤を組み合わせた油中水型の皮膚外用剤又は化粧料において、滑らかな延び広がりに優れながらも、紫外線防御効果に優れ、きしみ感やべたつき感等のない良好な使用感に優れる皮膚外用剤又は化粧料の開発が困難であった。さらに、特許文献2~4等の従来の技術を組み合わせても、ニコチン酸アミドを多量に含有する油中水型の皮膚外用剤又は化粧料において、紫外線防御効果に優れ、滑らかな延び広がりに優れながらも、きしみ感やべたつき感等のない良好な使用感を得ることは困難であった。このため、上記課題を解決した、ニコチン酸アミドを多量に含有しながらも、滑らかに延び広がり、紫外線防御効果に優れ、使用感の良い皮膚外用剤又は化粧料の開発が望まれていた。
本発明者は、鋭意検討の結果、まず、ニコチン酸アミド1~10%及び紫外線防御剤を含有する油中水型の皮膚外用剤又は化粧料において、油中水型とするために、低HLBの非イオン性界面活性剤を組み合わせた。非イオン性界面活性剤を組み合わせたのは、油相と水相の安定性を保つために必要であり、その中でもHLB7以下であれば安定的に油中水型の乳化滴を作ることができるからである。そこに球状粉体を組み合わせることで、多量のニコチン酸アミド、及び紫外線防御剤を含有することで生じる延び広がり、べたつき感やきしみ感等の使用感の低下、及び均一な化粧膜とならないことで生じる紫外線防御効果の低下といった課題を解決できることを見出した。その中でも、平均粒子径5~30μmの球状粉体を使用することで、延び広がりの良さ、良好な使用感に特に優れることを見出した。前記4成分、すなわち、ニコチン酸アミドを1~10質量%、紫外線防御剤、平均粒子径5~30μmの球状粉体およびHLBが7以下の非イオン性界面活性剤を組み合わせることで、十分な本願効果を得ることができるが、さらに、安息香酸アルキル(C12-15)を組み合わせることで、肌への親和性を高め、良好な使用感を向上させるだけではなく、延び広がりもより滑らかになることを見出した。また、主に保湿効果を目的として使用される、シロキクラゲ多糖体を含有すると、べたつき感等の使用感が生じる場合があるが、本発明に組み合わせて用いると、使用感を損なうことなく、水相に適度な粘度を付与し、均一な化粧膜を作ることで、紫外線防御効果をより効果的に得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の成分(a)~(d);
成分(a)ニコチン酸アミド 1~10質量%
成分(b)紫外線防御剤
成分(c)平均粒子径5~30μmの球状粉体
成分(d)HLBが7以下の非イオン性界面活性剤
を含有する油中水型の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
前記成分(c)がシリコーン樹脂粉体、ポリメタクリル酸メチル、シリカよりなる群から選ばれる1種または2種以上である油中水型の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
前記成分(b)が疎水化表面処理された無機紫外線散乱剤及び有機紫外線吸収剤を併用するものである油中水型の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
前記成分(a)および成分(c)の質量含有割合が、(a)/(c)=0.5~10である油中水型の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(e)安息香酸アルキル(C12-15)を含有する油中水型の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(f)シロキクラゲ多糖体を含有する油中水型の皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
本発明により、滑らかに延び広がり、紫外線防御効果に優れ、使用感の良い皮膚外用剤又は化粧料を提供することができる。
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明における成分(a)ニコチン酸アミドは、ニコチン酸(ビタミンB3/ナイアシン)のアミド化合物である。ニコチン酸アミドは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つである公知の物質であり、天然物(米ぬかなど)から抽出されたり、あるいは公知の方法によって合成することができる。具体的には、第15改正日本薬局方2008に収載されているものを用いることが出来る。
本発明において成分(a)の含有量は、皮膚外用剤又は化粧料全量に対し、1~10質量%(以下、単に「%」と略す)であり、1~10%が好ましく、4~9%が特に好ましい。この範囲であれば、本願効果において特に優れた効果を得ることができるが、成分(a)の含有量が、1%未満であると皮膚老化防止効果が満足のいくものではなく、10%を超えると、滑らかに延び広がりに欠け、均一な化粧膜を作り難く、紫外線防御効果が劣る場合がある。
本発明に用いられる成分(b)紫外線防御剤は、有機紫外線吸収剤及び金属酸化物等の無機紫外線遮蔽剤を含むものである。本発明の成分(b)は、皮膚外用剤又は化粧料に使用できるものであれば、特に限定されず、いずれのものも使用できる。
有機紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、シリコーン系等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、オキシベンゾン、4-tert-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、サリチル酸-2-エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、(1,3,5)-トリアジン-2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びそのナトリウム塩、ポリシリコーン-15等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
金属酸化物粉体としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられ、好ましくは酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化セリウムであり、紫外線防御効果の観点から酸化亜鉛、二酸化チタンを組み合わせて用いることがより好ましい。本発明に用いられる金属酸化物粉体としては、皮膚外用剤又は化粧料に一般的に使用されるものであれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。金属酸化物粉体の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、5~1000nmのものが、高い紫外線防御効果が得られる等の点から好ましく、更に10~100nmのものがそれらの効果が特に顕著であるためより好ましい。これらの粉体は、公知の表面処理方法、例えば、シリカ処理、水酸化アルミニウム処理、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、脂肪酸処理、シラン処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、デキストリン処理、セラミド処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アクリル樹脂処理、金属酸化物粉体処理等の方法で表面処理していてもよく、これらの1種又は2種以上で表面処理されていても良い。本発明において、成分(b)が疎水化表面処理された紫外線遮蔽剤を含有することで、滑らかな延び広がり、紫外線防御効果、使用感の良さの観点から好ましい。疎水化処理の中でも、優れた延展性を有し、紫外線防御効果により優れる点から、シリコーン処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、脂肪酸処理がより好ましく、これらの中でも本発明の油中水型の皮膚外用剤又は化粧料中で、金属酸化物粉体の分散性に特に優れるシランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、脂肪酸処理が優れた延展性を有し、紫外線防御効果及び良好な使用感により優れる観点から、特に好ましい。
金属酸化物粉体の市販品としては、例えばFINEX-50(堺化学工業社製)、ZnO-350(住友大阪セメント社製)、酸化亜鉛FZO-50(石原産業社製)、微粒子酸化亜鉛MZ-500(テイカ社製)、TIPAQUE CR-50(石原産業社製)、TIPAQUE A-100(石原産業社製)、TITANIX JR-800(テイカ社製)、MICRO TITANIUM DIOXIDE MT-500SA(テイカ社製)、MT-05(テイカ社製)等が挙げられる。
本発明において、成分(b)の金属酸化物粉体及び後述の成分(c)の球状粉体の平均粒子径の測定方法は、走査型電子顕微鏡を用いて、任意の視野の粒子10個について、粒子径を測定した結果から算出する。
本発明において、成分(b)紫外線防御剤において、紫外線防御効果の観点から有機紫外線吸収剤及び無機紫外線遮蔽剤を組み合わせて用いることが好ましい。また、有機紫外線吸収剤及び無機紫外線遮蔽剤を組み合わせることで、べたつき感やきしみ感等の使用感を生じ易くなるが、本発明の組み合わせで用いることで、べたつき感やきしみ感等の使用感を生じずに良好な使用感を得る効果を奏するため好ましい。
本発明に使用される成分(b)紫外線防御剤の含有量は、特に限定されないが、皮膚外用剤又は化粧料全量に対して、紫外線防御剤総量として0.5~40%であると、高い紫外線防御効果を得ながらも良好な使用感が得られる等の点で好ましく、1.0~35%とするとそれらの効果が特に顕著であるためより好ましい。有機紫外線吸収剤を用いる場合は、特に限定されないが、皮膚外用剤又は化粧料全量に対して、0.5~20%が好ましく、1.0~15%がより好ましい。無機紫外線遮蔽剤を用いる場合は、特に限定されないが、皮膚外用剤又は化粧料全量に対して、0.5~30%が好ましく、1.0~20%がより好ましい。
本発明の成分(c)平均粒子径5~30μmの球状粉体は、通常皮膚外用剤又は化粧料に使用される球状の粉体であれば、多孔質、無孔質、中空、多層等の粒子構造等により特に限定されず、有機粉体、無機粉体等が挙げられる。ここで、球状とは真球状だけでなく、略球状、楕円球状、偽球状などを包含し、長径/短径の比が好ましくは1.5/1~1/1、より好ましくは、1.2/1~1/1の範囲のものである。具体的には、オルガノポリシロキサンエラストマー、メチルシロキサン網状重合体、架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体、ポリアクリル酸アルキル、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ウレタン、ウール、シルク、結晶セルロース、N-アシルリジン等の有機粉体、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらの球状粉体の中でも、オルガノポリシロキサンエラストマー、メチルシロキサン網状重合体、架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体等のシリコーン樹脂粉体、ポリメタクリル酸メチル、シリカよりなる群から選ばれる1種または2種以上を用いると、優れた延展性と均一な付着性等により優れるため、より好ましい。
一方、球状粉体の中でもナイロンやウレタン等を用いた場合、シリコーン樹脂粉体等を用いた方がより優れる効果が得られる結果を得ており、このことから、化学式に窒素原子を有していることが本願効果に影響していることが考察される。すなわち、化学式に窒素原子を有さない球状粉体の方が、化学式に窒素原子を有する粉体に比べ、本願発明の使用感の良さにより優れ、より好ましいと言える。しかしながら、本発明者はナイロン、ウレタン、ウール、シルク、N-アシルリジン等の化学式に窒素原子を有する球状粉体に関しても、良好な使用感が得られないか検討を行った。その結果、シリカ等で表面処理することで、シリコーン樹脂粉体等と同等の延び広がりの良さ等の使用感を具現化することができることを見出した。表面処理としては、シリカ処理、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、金属酸化物粉体処理を行うと特に好ましく、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。表面処理量としては、0.5~5%が好ましく、1~3%がより好ましい。この範囲の表面処理量であれば、良好な使用感が得られるため好ましい。
市販品としては、オルガノポリシロキサンエラストマーであるトレフィルE505、E506、E701(何れも、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等、メチルシロキサン網状重合体であるトスパール2000B*(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等、架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体であるKSP-100、101、102、105、300(何れも信越化学工業社製)等、ポリメタクリル酸メチルであるマツモトマイクロスフェアーM-101、305(何れも、松本油脂製薬社製)、ガンツパールGM-2800(アイカ工業社製)等、シリカであるCHIFFONSIL P-3R(日揮触媒化成社製)、シリカマイクロビード BA-1(日揮触媒化成社製)、シリカ処理ウレタンであるPLASTIC POWDER-D400(根上工業社製)等が挙げられる。
また、成分(c)の平均粒子径5~30μmの球状粉体は、表面処理して用いてもよい。表面処理方法としては、公知の方法を使用でき、例えば、シリカ処理、アルミナ処理、水酸化アルミニウム処理、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理、油剤処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等が挙げられる。
成分(c)の平均粒子径は、5~30μmであり、より好ましくは5~15μmである。平均粒子径が5μm未満の場合、塗布時に皮溝に球状粉体が落ちてしまい、満足のいく延展性及び滑らかな延び広がりが得られない場合があり、平均粒子径が30μmを超える場合は、満足のいく化粧膜の均一な付着性が得られず、紫外線防御効果を低下させてしまう原因となる場合がある。
本発明に使用される成分(c)の平均粒子径5~30μmの球状粉体の含有量は、特に限定されないが、皮膚外用剤又は化粧料全量に対して、0.1~25%が好ましく、0.2~20%がより好ましく、0.5~15%が特に好ましい。この範囲であると、滑らかな延び広がりと紫外線防御効果により優れる等の点で、より好ましい。
本発明においては、上記した成分(a)と成分(c)を適宜含有することで得られるものではあるものの、含有する量比を特定することにより、より高い効果が期待できるため好ましい。このような量比は、特に限定されないが、成分(a)と成分(c)の含有質量比(a)/(c)=0.5~10であることが好ましく、0.7~5であることがより好ましい。この範囲であると、滑らかな延び広がりと紫外線防御効果、使用感の良さにより優れる等の点で、より好ましい。
本発明においては、上記した成分(b)と成分(c)を適宜含有することで得られるものではあるものの、含有する量比を特定することにより、より高い効果が期待できるため好ましい。このような量比は、特に限定されないが、成分(b)と成分(c)の含有質量比(b)/(c)=0.5~10であることが好ましく、0.7~5であることがより好ましい。この範囲であると、滑らかな延び広がりと紫外線防御効果、使用感の良さにより優れる等の点で、より好ましい。
本発明に用いられる成分(d)HLBが7以下の非イオン性界面活性剤は、後述の式にて求められるHLBが7以下である非イオン性の界面活性剤である。非イオン性とは、同一分子内に親油基と親水基の両方を有し、水に溶けたときにノニオン性を示すものである。本発明における成分(d)は、HLBが7以下であり、非イオン性の界面活性剤であれば特に限定されるものではなく、直鎖状であっても、分岐構造を含んでいてもいずれでもよく、これらから必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。本発明において、成分(d)のHLBは、好ましくはHLBが1.5以上6以下であり、2以上5以下であるとより好ましい。
ここで、本発明において、HLBとは、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを表す値であり、本発明において、具体的には、下記の川上の式で求めることができる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
(ここでMwは親水基部の分子量、Moは新油基部の分子量をそれぞれ表す。)
具体的な成分(d)HLBが7以下の非イオン性界面活性剤としては、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル3-ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリオキシエチレン・ブチレン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブチレン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン等が挙げられ、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンが好ましく、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30が、延び広がりが良好であり、使用感の良さの点で特に好ましい。
市販品として、例えば、KF-6017、KF-6016(信越化学工業社製)、5200 Formulation Aid(東レ・ダウコーニング社製)、KF-6048、KF-6028、KF-6038、KF-6105(信越化学工業社製)、FZ-2250、FZ-2233(東レ・ダウコーニング社製)、SILWET 236-L日本ユニカー社製)、CITHROL DPHS(クローダジャパン社製)、コスモール82(日清オイリオグループ社製)、NIKKOL SO-10V、NIKKOL SS-15V、NIKKOL SI-10RV(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明における成分(d)の含有量は、特に限定されないが、皮膚外用剤又は化粧料全量に対し、0.1~6%が好ましく、0.5~4%であるとより好ましい。この範囲であると滑らかな延び広がりと使用感の良さにより優れる等の点で、より好ましい。
さらに、本発明には、成分(e)として、安息香酸アルキル(C12-15)を更に含有しても良い。安息香酸アルキル(C12-15)は、安息香酸と炭素数12~15の高級アルコールとのエステルを指すものである。本発明においては、成分(e)を含有することで、滑らかな延び広がり、使用感の良さをより高める効果を奏する。
このような成分(e)安息香酸アルキル(C12-15)としては、通常、皮膚外用剤又は化粧料に用いられるものであれば、特に限定されないが、具体的な市販品としては、例えば、FINSOLV TN(INNOSPEC ACTIVE CHEMICALS社製)、CRODAMOL AB(クローダジャパン社製)等が挙げられる。
本発明における成分(e)安息香酸アルキル(C12-15)の含有量は、特に限定されないが、0.1~25%が好ましく、0.5~15%であることがより好ましい。この範囲であると滑らかな延び広がりと使用感の良さにより優れる等の点で、より好ましい。
本発明には、成分(f)として、シロキクラゲ多糖体を更に含有しても良い。シロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲから得られる高分子多糖体である。本発明においては、成分(f)を含有することで、滑らかな延び広がり、使用感の良さをより高める効果を奏する。
このような成分(f)シロキクラゲ多糖体としては、通常、皮膚外用剤又は化粧料に用いられるものであれば、特に限定されないが、具体的な市販品としては、例えば、Tremoist TP、Tremoist SL(日本精化社製)等が挙げられる。
本発明における成分(f)シロキクラゲ多糖体の含有量は、特に限定されないが、0.0005~3%が好ましく、0.001~1%であることがより好ましい。この範囲であるとニコチン酸アミドによるべたつきを抑制し、滑らかな延び広がり、使用感の良さにより優れる等の点で、より好ましい。
本発明は、油中水型の皮膚外用剤又は化粧料であるため、前記成分(a)~(f)以外に水を必須とするものである。本発明において、水とは、水道水を用いても良く、蒸留等で精製した精製水、温泉水、深層水等を用いても良い。また、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ水等の植物抽出液を用いても良い。本発明における水の含有量は特に限定されないが、1~70%含まれ得るものであり、油中水型としての安定性及び滑らかな延び広がりの観点から、好ましくは10~60%、より好ましくは30~50%である。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料は、上記の成分(a)~(f)の他に、通常皮膚外用剤又は化粧料に使用される成分、例えば、油性成分、粉体、界面活性剤、繊維、多価アルコール、水溶性高分子、水溶性皮膜形成性樹脂、保湿剤等の水性成分、糖類、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
油性成分は、通常皮膚外用剤又は化粧料に用いられる油であれば特に制約なく使用することができ、動物油、植物油、合成油等の起源や半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類等を使用することができる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレンの炭化水素類、オリーブ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ホホバ油、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等が挙げられる。
粉体は、通常皮膚外用剤又は化粧料に用いられる粉体であれば、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、硫酸バリウム、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等や、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、セルロース等の維等が挙げられ、これらの粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、更に表面処理や複合化したものを用いても良い。表面処理剤としては、例えば、フッ素化合物、シリコ-ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤は、通常皮膚外用剤又は化粧料に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
水性成分は、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等が挙げられる。特に、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトールよりなる群から選ばれる1種または2種以上を含有すると保湿感を高めながらも、ニコチン酸アミドのべたつき感も抑制することが出来るため、滑らかな延び広がりと使用感の良さの観点で好ましい。ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトールよりなる群から選ばれる1種または2種以上の含有量は、特に限定されるものではないが、滑らかな延び広がりにより優れる等の点で、0.1~10%が好ましい。
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2-ペンタジオール等が挙げられる。
美容成分としては例えばアスタキサンチン、ビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられ、特に、アスタキサンチンを含有すると、ニコチン酸アミドの皮膚老化防止効果をより高めながらも、ニコチン酸アミドのべたつき感も抑制することが出来るため、滑らかな延び広がりの観点で好ましい。アスタキサンチンの含有量は、特に限定されるものではないが、滑らかな延び広がりにより優れる等の点で、0.0001~0.2%が好ましい。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料は常法に従って製造することができ、例えば、成分(b)、(c)、(d)に他の界面活性剤や粉体、油剤等を加え、90℃に加熱して均一に混合し、予め他の水性成分等と混合された成分(a)を加えて乳化することによって得ることができる。成分(e)を含有する場合は、成分(b)、(c)、(d)等と共に混合すれば良く、成分(f)を含有する場合には、成分(a)等の水性成分と共に混合すれば良い。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料の性状は、特に限定されず、液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状等のいずれであってもよい。また、本発明の皮膚外用剤又は化粧料は油中水型であれば特に限定されず、その油相、水相の量比を適宜選択できる。ここで、油中水型とは、油を外相とし、内相となる水性成分を乳化あるいは分散させた状態のことを言う。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料としては、医薬品等の皮膚外用剤や化粧料等を挙げることでができ、例えば、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等や、乳液、化粧水、パック化粧料、洗顔料、マッサージ用化粧料、ヘア用化粧料、日焼け止め料、ボディクリーム等のボディ用化粧料、日中用美容液等の美容液、アイクリーム等の目周り用化粧料、リップエッセンス、リップクリーム等の口唇ケア用化粧料、ファンデーション、下地、コンシーラー、白粉、アイシャドウ、頬紅、口紅、マスカラ、アイブロウ等のメーキャップ製剤等が挙げられる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1~20及び比較例1~6:油中水型日焼け止め
下記表1~3に示す処方の油中水型日焼け止めを調製し、イ.滑らかな延び広がり、ロ.紫外線防御効果、ハ.使用感の良さについて下記評価方法により評価した。その結果も併せて表1~3に示す。
(評価方法)
下記イ、ハの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が下記評価基準1にて7段階に評価し評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準1により判定した。下記ロの項目については、各試料をポリメチルメタクリレート板に、厚さ50μmで塗布し、24時間室温にて乾燥後、SPF アナライザー UV-2000S(Labsphere社製)にてSPF値を3回測定し、下記判定基準2により判定した。尚、ハ(使用感の良さ)については、実施例及び比較例の各試料を肌全体に手で塗布して馴染ませ、使用後の肌上でのべたつき感のなさやきしみ感のなさを評価したものである。
(評価項目)
イ.滑らかな延び広がり
ロ.紫外線防御効果
ハ.使用感の良さ
<評価基準1>
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準1>
(判定):(評点の平均点)
A :5点を超える
B :3.5点を超え5点以下
C :2.5点を超え3.5点以下
D :2.5点以下
<判定基準2>
(判定):(SPF測定結果(N=3)の平均値)
A :25を超える
B :20を超え25以下
C :15を超え20以下
D :15以下
Figure 0007152161000001
Figure 0007152161000002
Figure 0007152161000003
※1:5%トリエトキシカプリリルシラン処理
※2:5%トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理
※3:5%メチルハイドゲンポリシロキサン処理
※4:KF-6028P(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(14)をロールミルにて均一に混合分散する。
B:成分(15)~(21)を80℃で均一に混合溶解し、Aと混合する。
C:成分(22)~(26)を均一に混合する。
D:BにCを加え、ディスパーミキサーで2000rpm、室温で5分間乳化する。
E:Dを容器に充填し、油中水型日焼け止めを得た。
表1~3の結果から明らかなように、本発明の実施例1~20の油中水型日焼け止めは、比較例1~6に比べ、滑らかな延び広がり、紫外線防御効果、使用感の良さに優れたものであった。一方、成分(a)が多い比較例1では、ニコチン酸アミドのべたつき感が強く、化粧膜が均一でないため、紫外線防御効果に満足のいくものが得られなかった。また、成分(c)を含有していない比較例2では、ニコチン酸アミドのべたつき感が強いため、滑らかに延び広がらず、化粧膜が均一でないため、紫外線防御効果に欠け、使用感についても満足のいくものが得られなかった。成分(c)の代わりに平均粒子径が0.1μmの球状粉体を用いた比較例3では、平均粒子径が小さいため塗布時に皮溝に球状粉体が落ちてしまい、満足のいく延展性及び滑らかな延び広がりが得られず、化粧膜の均一性に劣るため、紫外線防御効果に満足のいくものが得られなかった。成分(c)の代わりに平均粒子径が45μmの球状粉体を用いた比較例4では、平均粒子径が大きいため塗布時にムラになりやすく、化粧膜の均一性に劣るため、紫外線防御効果に満足のいくものが得られなかった。成分(c)の代わりに形状が平板状である粉体を用いた比較例5では、延展性に欠けるため、満足のいく滑らかな延び広がりが得られず、化粧膜が均一でないため、紫外線防御効果も十分ではなく、使用感においても満足のいくものが得られなかった。成分(d)の代わりにHLBが7より高い非イオン性界面活性剤を用いた比較例6では、安定性に劣り、化粧膜が均一でないため、紫外線防御効果も十分ではなく、使用感においても満足のいくものが得られなかった。これらの結果から、本発明において成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(d)は必須の成分であり、このいずれが欠けても発明の効果が得られないことが示された。
実施例21:油中水型リキッドファンデーション
(成分) (%)
(1)ポリメチルシルセスキオキサン※5 5
(2)シリカ※6 1.5
(3)トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理二酸化チタン※7 8
(4)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化亜鉛※8 5
(5)イソドデカン 8
(6)シクロペンタシロキサン 15
(7)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5
(8)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 1
(9)セバシン酸ジイソプロピル 3
(10)エチルヘキサン酸セチル 2
(11)ラウリルPEG-9
ポリジメチルシロキシエチルジメチコン※9 3
(12)精製水 残量
(13)ニコチン酸アミド 7
(14)エタノール 5
(15)ジプロピレングリコール 5
(16)1,3-ブチレングリコール 5
(17)メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール 2
(18)メチルパラベン 0.2
(19)フェノキシエタノール 0.2
(20)加水分解ヒアルロン酸 0.5
(21)加水分解コラーゲン 0.5
(22)テアニン 0.5
(23)アスタキサンチン 0.002
(24)酢酸トコフェロール 0.01
(25)ハマナス抽出物 0.006
(26)セラミド3 0.01
(27)サリチル酸 0.002
(28)ボタンピ抽出物 0.03
(29)アスコルビン酸 0.001
※5:トスパール2000B*(東芝シリコーン社製) 平均粒子径6μm
※6:サイロスフェア C-1504(富士シリシア化学社製) 平均粒子径5μm
※7:TIPAQUE CR-50(石原産業社製)
平均粒子径0.25μmを2%処理したもの
※8:MZ-500(テイカ社製) 平均粒子径0.025μmを8%処理したもの
※9:KF-6038(信越化学工業社製) HLB:3.0
(製造方法)
A:成分(1)~(6)をロールミルにて均一に混合分散する。
B:成分(7)~(11)を80℃で均一に混合溶解し、Aと混合する。
C:成分(12)~(29)を均一に混合する
D:BにCを加え、ディスパーミキサーで2000rpm、5分間乳化する。
E:Dを容器に充填し、油中水型リキッドファンデーションを得た。
実施例21の油中水型リキッドファンデーションは、滑らかな延び広がり、紫外線防御効果、使用感の良さに優れたものであった。
実施例22:油中水型軟膏
(成分) (%)
(1)架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体※10 2
(2)ステアリン酸処理二酸化チタン※11 2
(3)イソステアリン酸処理酸化亜鉛※12 4
(4)ワセリン 15
(5)酢酸トコフェロール 0.5
(6)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5
(7)流動パラフィン 5
(8)ミツロウ 5
(9)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30※13 2.5
(10)精製水 残量
(11)ニコチン酸アミド 8
(12)グリセリン 5
(13)プロピレングリコール 3
(14)1,3-ブチレングリコール 3
(15)メチルパラベン 0.2
(16)パンテノール 0.1
(17)ソルビトール 3
※10:KSP-102(信越化学工業社製) 平均粒子径30μm
※11:MICRO TITANIUM DIOXIDE MT-500SA(テイカ社製)
平均粒子径0.035μmを8%処理したもの
※12:FINEX-50(堺化学工業社製) 平均粒子径0.02μmを10%処理したもの
※13:CITHROL DPHS(クローダジャパン社製) HLB:5.0
(製造方法)
A:成分(1)~(9)をロールミルにて均一に混合分散する。
B:成分(10)~(17)を均一に混合する
C:AにBを加え、ディスパーミキサーで2000rpm、5分間乳化する。
D:Cを容器に充填し、油中水型軟膏を得た。
実施例22の油中水型軟膏は、滑らかな延び広がり、紫外線防御効果、使用感の良さに優れたものであった。

Claims (4)

  1. 以下の成分(a)~(d)および成分(e);
    成分(a)ニコチン酸アミド 1~10質量%
    成分(b)紫外線防御剤
    成分(c)平均粒子径5~30μmの球状粉体
    成分(d)HLBが7以下の非イオン性界面活性剤
    成分(e)安息香酸アルキル(C12-15)
    を含有し、
    前記成分(b)がシランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、および脂肪酸処理からなる群から選択される少なくとも1種で疎水化表面処理された無機紫外線遮蔽剤及び有機紫外線吸収剤を組み合わせて用いるものである、油中水型の皮膚外用剤又は化粧料。
  2. 前記成分(c)がシリコーン樹脂粉体、ポリメタクリル酸メチル、シリカよりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の油中水型の皮膚外用剤又は化粧料。
  3. 前記成分(a)および成分(c)の質量含有割合が、(a)/(c)=0.5~10である請求項1または2に記載の油中水型の皮膚外用剤又は化粧料。
  4. 成分(f)シロキクラゲ多糖体を含有する請求項1~のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤又は化粧料。
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