JP2022164110A - ロックボルト構造体及び地山補強構造 - Google Patents

ロックボルト構造体及び地山補強構造 Download PDF

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Abstract

【課題】亀裂の多い地山でも長尺に亘ってロックボルト構造体を確実に地山に定着させることができる。【解決手段】前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部25が設けられている鋼管膨張型ロックボルト2と、注水管6を挿入可能な中空ロックボルト3と、前部に雌ねじ部41が形成されているジョイントスリーブ4と、雌ねじ部41の後部に螺合配置される中空管状の注水用コマ5を備え、鋼管膨張型ロックボルト2の中空の雄ねじ部25がジョイントスリーブ4の雌ねじ部41の前部に螺着され、中空ロックボルト3がジョイントスリーブ4の後部に固定され、注水用コマ5に注水管6の前端部が着脱自在に接続可能であり、中空ロックボルト3又はジョイントスリーブ4から地山穿孔内に定着材10を注入可能なロックボルト構造体1。【選択図】図2

Description

本発明は、中空ロックボルトの中空部を介して穿孔内に定着材を注入するロックボルト構造体及びこのロックボルト構造体を備える地山補強構造に関する。
従来、中空ロックボルトの中空部を介して穿孔内に定着材を注入する地山補強構造が知られている。例えば特許文献1には、先端に削孔ビットを取り付けた中空ロックボルトを回転させて地山に穿孔すると共に、中空ロックボルトを継ぎ足して所定深さまで穿孔し、穿孔終了後に穿孔内の中空ロックボルトの中空部を介して中空ロックボルトと穿孔壁面との間にグラウトを注入し、グラウトを固化して中空ロックボルトを固着する構造が開示されている(特許文献1の段落[0002]、[0018]参照)。
特開2009-97260号公報
ところで、中空ロックボルトを継ぎ足して地山の深層まで長尺に打設し、定着材を注入して定着を行う場合、地山の深層まで定着材を注入するために流動性の高い定着材を用いる必要がある。しかしながら、亀裂の多い地山の場合には、その流動性の高さによって亀裂に定着材が流れ出ていってしまい、定着材が固化する前に逸走して中空ロックボルトと穿孔壁面との間から定着材が無くなってしまうという問題を生ずる。他方で、固練りモルタルのような流動性の低い定着材を用いると、穿孔奥まで定着材を注入することができなくなり、深層に位置する中空ロックボルトの地山への定着が難しくなるという別の問題を生ずる。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、亀裂の多い地山でも長尺に亘って確実に地山に定着させることができるロックボルト構造体及びこのロックボルト構造体を備える地山補強構造を提供することを目的とする。なお、以下、本発明の説明をする便宜上、ロックボルトが穿孔に設置されたときにその穿孔の奥側に配置される側を「前」「先」として、「前端」「前部」「先端」等の呼称を、穿孔の口元側に配置される側を「後」として「後部」「後端」「後側」等の呼称を用いて、表現することがある。
本発明のロックボルト構造体は、前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトと、内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空ロックボルトと、軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成されているジョイントスリーブと、前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の後部に螺合されている中空管状の注水用コマとを備え、前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部が前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の前部に螺着されると共に、前記中空ロックボルトの前端部が前記ジョイントスリーブの後部に固定され、前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続可能であり、地山の穿孔の孔壁と前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が、前記中空ロックボルトの周壁、若しくは前記ジョイントスリーブの前記注水用コマと前記注水管の前端部との接続箇所よりも後側の周壁に形成されていることを特徴とする。
これによれば、地山の深層まで長尺にロックボルト構造体を打設して定着する場合、穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができ、流動性の高い定着材を用いて地山の深層、穿孔の奥側まで注入する必要が無くなる。また、地山の穿孔の孔壁と外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔は穿孔の口元側に配置される中空ロックボルト若しくはジョイントスリーブに形成されていることから、穿孔の奥側への定着材の逸走も抑制することができる。従って、亀裂の多い地山に長尺に亘ってロックボルト構造体を定着させる場合にも、流動性の高い定着材が固化する前に亀裂から逸走して無くなってしまうような問題を生ずることが無く、摩擦定着と定着材の定着の双方により、長尺に亘ってロックボルト構造体を確実に地山に定着させることができる。また、地山の穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができることから、固練りモルタルのような流動性の低い定着材を用いることも可能であり、使用可能な定着材の多様性を高めることができる。また、注水用コマに注水管の前端部を接続して中空の雄ねじ部を介して鋼管膨張型ロックボルトの内部に加圧注水を行うことが可能となり、鋼管膨張型ロックボルトを膨張させる際に鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水の確実性を高めることができる。また、ジョイントスリーブの周壁に定着材を注入可能な吐出孔を形成する場合には、鋼管膨張型ロックボルトのすぐ後まで定着材を充填することが可能となる。
本発明のロックボルト構造体は、前記注水用コマの内周に雌ねじが形成されており、前記注水管の前端部に形成された雄ねじが前記注水用コマの前記雌ねじに螺着可能であることを特徴とする。
これによれば、注水用コマと注水管の接続の確実性を高めることができると共に、注水用コマと注水管の着脱を螺合と螺合の取り外しで行うことを可能にし、着脱作業を容易化することができる。
本発明のロックボルト構造体は、前記注水用コマの前端に、前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部の後端面に押圧される環状シール材が設けられていることを特徴とする。
これによれば、注水用コマと鋼管膨張型ロックボルトの中空の雄ねじ部との間の隙間から注水された水が漏れることを環状シール材で確実に防止し、鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水の確実性をより一層高めることができる。
本発明の地山補強構造は、本発明のロックボルト構造体を備える地山補強構造であって、地山の穿孔の奥側から順に前記鋼管膨張型ロックボルト、前記ジョイントスリーブ、前記中空ロックボルトが配置され、前記鋼管膨張型ロックボルトが膨張状態で前記穿孔の孔壁に摩擦定着され、前記穿孔の孔壁と、前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に、定着材が充填されて固化されていることを特徴とする。
これによれば、穿孔の奥側における膨張状態の鋼管膨張型ロックボルトの摩擦定着と、穿孔の口元側における穿孔の孔壁と中空ロックボルトの外表面及びジョイントスリーブの外表面との間における定着材の定着の双方により、長尺に亘ってロックボルト構造体を確実に地山に定着させ、地山を補強することができる。
本発明のジョイントスリーブは、前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトと、地山の穿孔の孔壁と外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が形成され、内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空ロックボルトとを連結するジョイントスリーブであって、軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成され、前記雌ねじ部の前部に前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部が螺着可能であり、後部に前記中空ロックボルトの前端部が固定可能であると共に、前記雌ねじ部の後部に中空管状の注水用コマが螺合され、前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続可能であることを特徴とする。
これによれば、鋼管膨張型ロックボルトと中空ロックボルトとジョイントスリーブで構成されるロックボルト構造体を地山の深層まで長尺に打設して定着する場合、ジョイントスリーブによる連結で穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができ、流動性の高い定着材を用いて地山の深層、穿孔の奥側まで注入する必要が無くなる。また、地山の穿孔の孔壁と外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔は穿孔の口元側に配置される中空ロックボルトに形成されていることから、穿孔の奥側への定着材の逸走も抑制することができる。従って、亀裂の多い地山に長尺に亘ってロックボルト構造体を定着させる場合にも、流動性の高い定着材が固化する前に亀裂から逸走して無くなってしまうような問題を生ずることが無く、摩擦定着と定着材の定着の双方により、長尺に亘ってロックボルト構造体を確実に地山に定着させることができる。また、ジョイントスリーブによる連結で地山の穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができることから、固練りモルタルのような流動性の低い定着材を用いることも可能であり、使用可能な定着材の多様性を高めることができる。また、注水用コマに注水管の前端部を接続して中空の雄ねじ部を介して鋼管膨張型ロックボルトの内部に加圧注水を行うことが可能となり、鋼管膨張型ロックボルトを膨張させる際に鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水の確実性を高めることができる。特に注水用コマに注水管の前端部を着脱自在に接続可能であることによって、鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水時には注水管の操作によって注水用コマを鋼管膨張型ロックボルト側に押圧し水密性を高めることができる一方で、加圧注水作業完了後には注水管を注水用コマから離脱させることによって注水管の再利用と共に中空ロックボルトの中空部を定着材の注入流路として利用することができ、確実且つ効率的な施工にも寄与する。
本発明のジョイントスリーブは、前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトと、内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空ロックボルトとを連結するジョイントスリーブであって、軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成され、前記雌ねじ部の前部に前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部が螺着可能であり、後部に前記中空ロックボルトの前端部が固定可能であると共に、前記雌ねじ部の後部に中空管状の注水用コマが螺合され、前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続可能であり、地山の穿孔の孔壁と前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が、前記注水用コマと前記注水管の前端部との接続箇所よりも後側の周壁に形成されていることを特徴とする。
これによれば、鋼管膨張型ロックボルトと中空ロックボルトとジョイントスリーブで構成されるロックボルト構造体を地山の深層まで長尺に打設して定着する場合、ジョイントスリーブによる連結で穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができ、流動性の高い定着材を用いて地山の深層、穿孔の奥側まで注入する必要が無くなる。また、地山の穿孔の孔壁と外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔はジョイントスリーブに形成されていることから、穿孔の奥側への定着材の逸走も抑制することができる。従って、亀裂の多い地山に長尺に亘ってロックボルト構造体を定着させる場合にも、流動性の高い定着材が固化する前に亀裂から逸走して無くなってしまうような問題を生ずることが無く、摩擦定着と定着材の定着の双方により、長尺に亘ってロックボルト構造体を確実に地山に定着させることができる。また、ジョイントスリーブによる連結で地山の穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができることから、固練りモルタルのような流動性の低い定着材を用いることも可能であり、使用可能な定着材の多様性を高めることができる。また、注水用コマに注水管の前端部を接続して中空の雄ねじ部を介して鋼管膨張型ロックボルトの内部に加圧注水を行うことが可能となり、鋼管膨張型ロックボルトを膨張させる際に鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水の確実性を高めることができる。特に注水用コマに注水管の前端部を着脱自在に接続可能であることによって、鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水時には注水管の操作によって注水用コマを鋼管膨張型ロックボルト側に押圧し水密性を高めることができる一方で、加圧注水作業完了後には注水管を注水用コマから離脱させることによって注水管の再利用と共に中空ロックボルトの中空部を定着材の注入流路として利用することができ、確実且つ効率的な施工にも寄与する。また、ジョイントスリーブの周壁に定着材を注入可能な吐出孔を形成する場合には、鋼管膨張型ロックボルトのすぐ後まで定着材を確実に充填することが可能となる。
本発明の注水構造体は、前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトに螺着される注水構造体であって、中空ロックボルトと、前記中空ロックボルトの内部に軸方向に沿って挿入される注水管と、軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成され、後部に前記中空ロックボルトの前端部が固定されているジョイントスリーブと、前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の後部に螺合されている中空管状の注水用コマとを備え、前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続され、地山の穿孔の孔壁と前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が、前記中空ロックボルトの周壁、若しくは前記ジョイントスリーブの前記注水用コマと前記注水管の前端部との接続箇所よりも後側の周壁に形成され、前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の前部が前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部に螺着可能であることを特徴とする。
これによれば、鋼管膨張型ロックボルトと中空ロックボルトとジョイントスリーブで構成されるロックボルト構造体を地山の深層まで長尺に打設して定着する場合、注水構造体のジョイントスリーブによる連結で穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができ、流動性の高い定着材を用いて地山の深層、穿孔の奥側まで注入する必要が無くなる。また、地山の穿孔の孔壁と外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔は穿孔の口元側に配置される中空ロックボルト若しくはジョイントスリーブに形成されていることから、穿孔の奥側への定着材の逸走も抑制することができる。従って、亀裂の多い地山に長尺に亘ってロックボルト構造体を定着させる場合にも、流動性の高い定着材が固化する前に亀裂から逸走して無くなってしまうような問題を生ずることが無く、摩擦定着と定着材の定着の双方により、長尺に亘ってロックボルト構造体を確実に地山に定着させることができる。また、注水構造体のジョイントスリーブによる連結で地山の穿孔の奥側では鋼管膨張型ロックボルトの膨張状態の摩擦定着で定着させることができることから、固練りモルタルのような流動性の低い定着材を用いることも可能であり、使用可能な定着材の多様性を高めることができる。また、注水構造体の注水用コマに注水管の前端部を接続された状態で中空の雄ねじ部を介して鋼管膨張型ロックボルトの内部に加圧注水を行うことができ、鋼管膨張型ロックボルトを膨張させる際に鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水の確実性を高めることができる。特に、注水用コマに注水管の前端部を着脱自在に接続可能であることによって、鋼管膨張型ロックボルトの内部への加圧注水時には注水管の操作によって注水用コマを鋼管膨張型ロックボルト側に押圧し水密性を高めることができる一方で、加圧注水作業完了後には注水管を注水用コマから離脱させることによって注水管の再利用と共に中空ロックボルトの中空部を定着材の注入流路として利用することができ、確実且つ効率的な施工にも寄与する。また、注水用コマに注水管の前端部を接続された状態の注水構造体を用いることにより、鋼管膨張型ロックボルトを膨張させる際の加圧注水作業を容易化することができる。
本発明のロックボルト構造体の施工方法は、本発明の注水構造体を用いるロックボルト構造体の施工方法であって、前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトを非膨張状態で地山の穿孔に挿入する第1工程と、前記注水構造体の前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の前部を前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部に螺着して、前記鋼管膨張型ロックボルトを前記穿孔の孔奥に移動する第2工程と、前記注水構造体の前記注水管から注水で前記雄ねじ部を介して前記鋼管膨張型ロックボルトの内部に加圧注水し、前記鋼管膨張型ロックボルトを膨張させて前記穿孔の孔壁に摩擦定着する第3工程と、前記注水管を前記注水用コマから取り外して前記中空ロックボルトの内部から抜き去る第4工程と、前記中空ロックボルトの内部と前記吐出孔を介して、前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面と前記穿孔の孔壁との間に定着材を注入して充填し、前記定着材を固化させる第5工程を備えることを特徴とする。
これによれば、注水構造体を用い、注水用コマに着脱自在に接続された注水管を抜き去ること等により、鋼管膨張型ロックボルトと中空ロックボルトとジョイントスリーブで構成され、摩擦定着と定着材の定着の双方によって地山に定着されるロックボルト構造体を高い作業効率で地山に施工することができる。
本発明によれば、ロックボルト構造体を亀裂の多い地山でも長尺に亘って確実に地山に定着させることができる。
本発明による実施形態のロックボルト構造体の分解斜視図。 実施形態のロックボルト構造体と接続される注水管を示す部分縦断面図。 実施形態のロックボルト構造体におけるジョイントスリーブの断面斜視図。 (a)は実施形態のロックボルト構造体におけるジョイントスリーブと注水用コマの縦断面図、(b)は注水用コマが内装されたジョイントスリーブの縦断面図、(c)は同図(b)のジョイントスリーブの模式右側面図。 (a)は実施形態のロックボルト構造体に注水管が接続された状態の正面図、(b)はその縦断面図。 (a)は実施形態のロックボルト構造体の膨張状態の正面図、(b)はその縦断面図。 (a)~(d)はジョイントスリーブに注水管の接続と中空ロックボルトの固定を行う工程の工程説明図。 (a)~(d)はロックボルト構造体の施工工程を説明する工程説明図。 実施形態のロックボルト構造体が打設されたトンネルの横断説明図。 (a)は本発明の変形例のロックボルト構造体における注水用コマが内装されたジョイントスリーブの縦断面図、(b)は同図(a)のジョイントスリーブに中空ロックボルトと注水管が接続された注水構造体の縦断面図、(b)は同図(a)のジョイントスリーブに中空ロックボルトと鋼管膨張型ロックボルトが固定されたロックボルト構造体の縦断面図。
〔実施形態のロックボルト構造体〕
本発明による実施形態のロックボルト構造体1は、図1~図4に示すように、内部への加圧注水によって膨張する鋼管膨張型ロックボルト2と、中空ロックボルト3と、鋼管膨張型ロックボルト2と中空ロックボルト3を連結するジョイントスリーブ4と、ジョイントスリーブ4に内装された注水用コマ5とから構成される。
鋼管膨張型ロックボルト2は、素材鋼管を全長にわたって外側から押し潰して丸めることによって形成された基体21が断面視略C字状に折り畳まれた非膨張状態から内部への加圧注水によって略円筒状の膨張状態になるものであり(図6参照)、基体21の前端部と後端部には、それぞれ基体21の膨らみを規制する前端スリーブ22と後端スリーブ23が外周に嵌め込まれて固定されている。
前端スリーブ22の前端付近の内周側には溶接部24が設けられ、溶接部24は、鋼管膨張型ロックボルト2の基体21の内部の空間を閉塞し、且つ基体21と前端スリーブ22を固定するように、前端スリーブ22の内周で肉盛り溶接されている。なお、図示例においては鋼管膨張型ロックボルト2の基体21の内部の空間を閉塞するために溶接を用いたが、溶接部24に換えて加圧注水に耐え得るキャップで閉塞しておいても構わない。この場合、キャップは、鋼管膨張型ロックボルト2を加圧注水で膨張状態にした後に、更に水圧を増した加圧注水を行うことで解放される強度で固定されたキャップとしても良好であり、これにより、鋼管膨張型ロックボルト2の膨張後における水圧を増した加圧注水でキャップを解放し、地山100の穿孔101が横向きなど上向きや斜め上向きでない場合にも穿孔101の方向に拘わらずに、鋼管膨張型ロックボルト2の内部の水抜きが可能となる。
後端スリーブ23の後側には中空の雄ねじ部25が配置されて後端スリーブ23に固定されており、鋼管膨張型ロックボルト2の後端に雄ねじ部25が設けられる構成となっている。雄ねじ部25の中空部251は、鋼管膨張型ロックボルト2の基体21の内部と連通し、中空部251を介して鋼管膨張型ロックボルト2の基体21の内部に加圧注水することが可能となっている。
中空ロックボルト3は、地山100の穿孔101の孔壁102と外表面との間に定着材10を注入可能な吐出孔32が周壁31に形成され、内部に軸方向に沿って注水管6を挿入可能な中空部33が設けられているものである。本例の中空ロックボルト3は、周壁31にロープ雄ねじ34が形成されたロープねじ式の中空ロックボルト3になっている。
ジョイントスリーブ4は、軸方向に連通して構成される略筒状であり、鋼管膨張型ロックボルト2の後端の雄ねじ部25に螺合可能な雌ねじ部41が前部の内側に形成されている。本例のジョイントスリーブ4の後部の内側には、中空ロックボルト3のロープ雄ねじ34と螺合可能なロープ雌ねじ42が形成されており、ロープ雌ねじ42と雌ねじ部41が連通するように形成されている。また、本例では、中空ロックボルト3の前端部のロープ雄ねじ34がジョイントスリーブ4の後部のロープ雌ねじ42に螺着されることで、中空ロックボルト3の前端部がジョイントスリーブ4の後部に固定されるようになっている。
注水用コマ5は、中空管状であり、周壁51の外周に雄ねじ52が形成されている。注水用コマ5は、その雄ねじ52をジョイントスリーブ4の雌ねじ部41に螺合することにより、ジョイントスリーブ4の雌ねじ部41の後部に螺合されて配置されている。鋼管膨張型ロックボルト2の雄ねじ部25は、後部に注水用コマ5が螺合配置されたジョイントスリーブ4の雌ねじ部41の前部に螺着される。
注水用コマ5の前端には、内方に突出するようにして環状の前端壁53が形成され、環状の前端壁53で囲まれるようにして開口54が設けられている。注水用コマ5の前端には、鋼管膨張型ロックボルト2の雄ねじ部25の後端面に押圧されるオーリング等の環状シール材56が設けられている。本例では、前端壁53の前面に周状に形成された凹溝55に嵌合するようにして環状シール材56が設けられ、環状シール材56は前端壁53の前面よりも僅かに前方に突出するようにして設けられている。
注水用コマ5の前端壁53よりも後側の内周には雌ねじ57が形成されている。そして、本実施形態で用いられる注水管6の前端部には雄ねじ61が形成されており、注水管6の前端部の雄ねじ61が注水用コマ5の雌ねじ57に螺着可能になっている。即ち、本例では、注水管6の前端部の雄ねじ61を注水用コマ5の雌ねじ57に螺着する構成により、注水用コマ5と注水管6の前端部とが着脱自在に接続可能な構成になっている。
本実施形態のロックボルト構造体が地山100に打設される前の段階では、鋼管膨張型ロックボルト2を有しない状態で、中空ロックボルト3と、ジョイントスリーブ4と、注水用コマ5と、注水管6が一体化された注水構造体を構成しておくと好適である(図7(d)参照)。
この注水構造体を構成する際には、例えば図7(a)、(b)に示すように、注水用コマ5をジョイントスリーブ4の雌ねじ部41の後部に螺合配置した状態で、略雄ねじ状の注水用コマ5の定置治具7を雌ねじ部41の前部に螺合し、定置治具7の先端面を注水用コマ5の環状シール材56の前端面など注水用コマ5の最前面に当接させる。
そして、この当接で注水用コマ5を定置させた状態で、注水管6の前端部の雄ねじ61を注水用コマ5の雌ねじ57に右ねじを締付方向として螺入し、螺着する(図7(c)参照)。その後、定置治具7で注水用コマ5を定置させた状態のまま、中空ロックボルト3のロープ雄ねじ34をジョイントスリーブ4のロープ雌ねじ42に左ねじを締付方向として螺入し、中空ロックボルト3の前端部のロープ雄ねじ34のロープ雌ねじ42への螺着を完了した段階で定置治具7をジョイントスリーブ4から取り外す(図7(d)参照)。これにより、一体化された注水構造体を得ることができる。
本実施形態のロックボルト構造体1を地山に打設して地山補強構造を構築する際には、例えば図8に示すように、地山100に斜め上向き等の所要方向に形成した穿孔101に、非膨張状態の鋼管膨張型ロックボルト2を挿入する(図8(a)参照)。そして、中空ロックボルト3と、ジョイントスリーブ4と、注水用コマ5と、注水管6が一体化された注水構造体を用い、この注水構造体のジョイントスリーブ4の雌ねじ部41の前部を鋼管膨張型ロックボルト2の雄ねじ部25に螺着して、鋼管膨張型ロックボルト2を穿孔101の孔奥に移動する(図8(b)参照)。
この際、ジョイントスリーブ4の雌ねじ部41を鋼管膨張型ロックボルト2の雄ねじ部25に螺入することにより、雌ねじ部41の後部に配置され且つ注水管6で後方への移動が規制されている注水用コマ5の環状シール材56が鋼管膨張型ロックボルト2の中空の雄ねじ部25の後端面に押圧され、注水用コマ5と雄ねじ部25の連通空間の周囲が環状シール材56で水漏れしないように封止される。この封止状態で、注水用コマ5、注水管6と、中空の雄ねじ部25、鋼管膨張型ロックボルト2の内部とが連通される(図2~図5参照)。なお、注水用コマ5と鋼管膨張型ロックボルト2の中空の雄ねじ部25の後端面とのシール状態が甘い場合には、注水管6を右ねじ方向に回すことによって、注水コマ5を鋼管膨張型ロックボルト2側に締付け環状シール材56を雄ねじ部25の後端面に押し付けて確実にシールすることが出来る。
その後、注水構造体の注水管6から加圧注水を行い、中空の雄ねじ部25を介して鋼管膨張型ロックボルト2の内部に加圧注水することにより、鋼管膨張型ロックボルト2を径方向に膨張させ、基体21を略円筒状の膨張状態にして鋼管膨張型ロックボルト2を穿孔101の孔壁102に摩擦定着する(図8(c)、図6参照)。鋼管膨張型ロックボルト2を膨張させて摩擦定着を完了した後には、注水管6の雄ねじ61と注水用コマ5の雌ねじ57との螺合を外して注水管6を注水用コマ5から取り外し、注水管6を中空ロックボルト3の内部から抜き去る(図5、図7参照)。なお、取り外した注水管6は再利用する。
そして、中空ロックボルト3の後端からモルタル、ウレタン或いはシリカレジン等の定着材10を注入し、中空ロックボルト3の内部を定着材10の流路として利用して、中空ロックボルト3の先端近傍の吐出孔32を介して、中空ロックボルト3の外表面及びジョイントスリーブ4の外表面と穿孔101の孔壁102との間に定着材10を注入して充填し、定着材10を固化させて地山補強構造が構築される(図8(d)参照)。中空ロックボルト3の後端部には、定着材10の注入前或いは注入後にワッシャー103やナット104が取り付けられる。
このように構築された地山補強構造では、地山100の穿孔101の奥側から順に鋼管膨張型ロックボルト2、注水用コマ5が内装されたジョイントスリーブ4、中空ロックボルト3が配置され、穿孔101の奥側の鋼管膨張型ロックボルト2が膨張状態で穿孔101の孔壁102に摩擦定着されると共に、穿孔101の口元側では、穿孔101の孔壁102と中空ロックボルト3の外表面及びジョイントスリーブ4の外表面との間に充填されて固化された定着材10で中空ロックボルト3及びジョイントスリーブ4が定着される。
図9はトンネルTの地山100aに、複数のロックボルト構造体1を放射状に打設して構築した地山補強構造の例である。この地山補強構造の例では、放射状に打設された各ロックボルト構造体1において、膨張状態の鋼管膨張型ロックボルト2が膨張状態で穿孔孔壁に摩擦定着され、中空ロックボルト3及びジョイントスリーブ4が固化された定着材10で定着されている。
本実施形態によれば、地山100の深層まで長尺にロックボルト構造体1を打設して定着する場合、穿孔101の奥側では鋼管膨張型ロックボルト2の膨張状態の摩擦定着で定着させることができ、流動性の高い定着材を用いて地山100の深層、穿孔101の奥側まで注入する必要が無くなる。また、地山100の穿孔101の孔壁102と外表面との間に定着材10を注入可能な吐出孔32は穿孔101の口元側に配置される中空ロックボルト3に形成されていることから、穿孔101の奥側への定着材10の逸走も抑制することができる。従って、亀裂の多い地山100に長尺に亘ってロックボルト構造体1を定着させる場合にも、流動性の高い定着材が固化する前に亀裂から逸走して無くなってしまうような問題を生ずることが無い。そして、穿孔101の奥側における膨張状態の鋼管膨張型ロックボルト2の摩擦定着と、穿孔101の口元側における穿孔101の孔壁102と中空ロックボルト3の外表面及びジョイントスリーブ4の外表面との間における定着材10の定着の双方により、長尺に亘ってロックボルト構造体1を確実に地山100に定着させ、地山100を補強することができる。
また、地山100の穿孔101の奥側では鋼管膨張型ロックボルト2の膨張状態の摩擦定着で定着させることができることから、固練りモルタルのような流動性の低い定着材10を用いることも可能であり、使用可能な定着材10の多様性を高めることができる。また、注水用コマ5に注水管6の前端部を接続して中空の雄ねじ部25を介して鋼管膨張型ロックボルト2の内部に加圧注水を行うことが可能となり、鋼管膨張型ロックボルト2を膨張させる際に鋼管膨張型ロックボルト2の内部への加圧注水の確実性を高めることができる。
また、注水管6の前端部に形成された雄ねじ61を注水用コマ5の雌ねじ57に螺着することにより、注水用コマ5と注水管6の接続の確実性を高めることができると共に、注水用コマ5と注水管6の着脱を螺合と螺合の取り外しで行うことを可能にし、着脱作業を容易化することができる。
また、注水用コマ5の前端に、鋼管膨張型ロックボルト2の雄ねじ部25の後端面に押圧される環状シール材56を設けることにより、注水用コマ5と鋼管膨張型ロックボルト2の中空の雄ねじ部25との間の隙間から注水された水が漏れることを環状シール材56で確実に防止し、鋼管膨張型ロックボルト2の内部への加圧注水の確実性をより一層高めることができる。
また、中空ロックボルト3と、ジョイントスリーブ4と、注水用コマ5と、注水管6が一体化され、注水用コマ5に注水管6の前端部を接続された状態の注水構造体を用いることにより、鋼管膨張型ロックボルト2を膨張させる際の加圧注水作業を容易化することができる。また、注水構造体を用い、注水用コマ5に着脱自在に接続された注水管6を抜き去ること施工工程等により、鋼管膨張型ロックボルト2と中空ロックボルト3とジョイントスリーブ4で構成され、摩擦定着と定着材の定着の双方によって地山100に定着されるロックボルト構造体1を高い作業効率で地山100に施工することができる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態、各例の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記内容や下記の更なる変形例も含まれる。
例えば上記実施形態における中空ロックボルト3はロープねじ状の構成としたが、本発明における中空ロックボルトには、内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空部が設けられているものであれば適宜のものを用いることが可能である。
また、本発明における中空ロックボルトの前端部とジョイントスリーブの後部との固定構造や、注水用コマと注水管の前端部との着脱自在な接続構造は、雄ねじと雌ねじの螺合構造とすると好適であるが、一方の鉤状突起を他方の係止溝に係合する鉤構造等の他の固定構造や接続構造とすることも可能である。
また、本発明のロックボルト構造体を地山に打設して地山補強構造を構築する際には、上記実施形態の注水構造体を用いる施工方法で施工すると好適であるが、注水構造体の先端側に予め非膨張状態の鋼管膨張型ロックボルト2が取り付けられている構造体を用いて施工する施工方法、或いはロックボルト構造体を地山の穿孔に挿入し、その後に注水管をロックボルト構造体の注水用コマに接続して施工する施工方法を用いることも可能である。
また、本発明のロックボルト構造体や注水構造体には、図10の変形例のジョイントスリーブ4aを用いても良好である。ジョイントスリーブ4aも、軸方向に連通して構成される略筒状であり、鋼管膨張型ロックボルト2の後端の雄ねじ部25に螺合可能な雌ねじ部41aが前部の内側に形成されている。ジョイントスリーブ4aの雌ねじ部41aの後部には、上記実施形態と同様の注水用コマ5が、その雄ねじ52を雌ねじ部41aに螺合して配置されている。注水用コマ5の雌ねじ57には、上記実施形態と同様の注水管6の前端部の雄ねじ61が螺着され、注水用コマ5と注水管6の前端部とが着脱自在に接続可能な構成になっている(図10(b)参照)。
ジョイントスリーブ4aの後部の内側には、中空ロックボルト3aのロープ雄ねじ34aと螺合可能なロープ雌ねじ42aが形成されており、中空ロックボルト3aの前端部のロープ雄ねじ34aがジョイントスリーブ4aの後部のロープ雌ねじ42aに螺着されることで、中空ロックボルト3aの前端部がジョイントスリーブ4aの後部に固定される(図10(b)参照)。中空ロックボルト3aは、周壁31aの内部に軸方向に沿って上記実施形態と同様の注水管6を挿入可能な中空部33aが設けられ、周壁31aにロープ雄ねじ34aが形成されたロープねじ式であり、定着材10を吐出孔を有しないこと以外、上記実施形態の中空ロックボルト3と同様である。
雌ねじ部41aと雌ねじ42aとの間には雌ねじ部41aや雌ねじ42aよりも厚さが肉厚で雌ねじがない周壁43aが形成されており、周壁43aは、ジョイントスリーブ4aの注水用コマ5と注水管6の前端部との接続箇所よりも後側に配置されている。周壁43aには、地山100の穿孔101の孔壁102と中空ロックボルト3aの外表面及びジョイントスリーブ4aの外表面との間に定着材10を注入可能な吐出孔44aが貫通して形成されている。また、ロックボルト構造体1aを構成する際には、後部に注水用コマ5が螺合配置されたジョイントスリーブ4aの雌ねじ部41aの前部に、上記実施形態と同様の鋼管膨張型ロックボルト2の中空部251を有する雄ねじ部25が螺着される(図10(c)参照)。
図10(b)に示す注水構造体を用いて地山100に地山補強構造を構築する際には、上記実施形態と同様の施工工程で鋼管膨張型ロックボルト2を膨張させて摩擦定着を完了した後に、注水管6の雄ねじ61と注水用コマ5の雌ねじ57との螺合を外して注水管6を注水用コマ5から取り外し、注水管6を中空ロックボルト3aの内部から抜き去る。なお、取り外した注水管6は再利用する。
そして、中空ロックボルト3aの後端から定着材10を注入し、中空ロックボルト3aの内部を定着材10の流路として利用して、ジョイントスリーブ4aの周壁43aの吐出孔44aを介して、中空ロックボルト3aの外表面及びジョイントスリーブ4aの外表面と穿孔101の孔壁102との間に定着材10を注入して充填し、定着材10を固化させて地山補強構造が構築される(図8(d)参照)。尚、上記実施形態と同様に、中空ロックボルト3aの後端部には、定着材10の注入前或いは注入後にワッシャー103やナット104が取り付けられる。
このように構築された地山補強構造では、地山100の穿孔101の奥側から順に鋼管膨張型ロックボルト2、注水用コマ5が内装されたジョイントスリーブ4a、中空ロックボルト3aが配置され、穿孔101の奥側の鋼管膨張型ロックボルト2が膨張状態で穿孔101の孔壁102に摩擦定着されると共に、穿孔101の口元側では、穿孔101の孔壁102と中空ロックボルト3aの外表面及びジョイントスリーブ4aの外表面との間に充填されて固化された定着材10で中空ロックボルト3a及びジョイントスリーブ4aが定着される。このジョイントスリーブ4aを用いる変形例では、鋼管膨張型ロックボルト2のすぐ後に位置するジョイントスリーブ4aの周壁43aの吐出孔44aを介して定着材10を注入することにより、鋼管膨張型ロックボルト2のすぐ後まで定着材10を確実に充填することができる。
本発明は、ロックボルトを用いて地山補補強する際に利用することができる。
1、1a…ロックボルト構造体 2…鋼管膨張型ロックボルト 21…基体 22…前端スリーブ 23…後端スリーブ 24…溶接部 25…雄ねじ部 251…中空部 3、3a…中空ロックボルト 31、31a…周壁 32…吐出孔 33、33a…中空部 34、34a…ロープ雄ねじ 4、4a…ジョイントスリーブ 41、41a…雌ねじ部 42、42a…ロープ雌ねじ 43a…周壁 44a…吐出孔 5…注水用コマ 51…周壁 52…雄ねじ 53…前端壁 54…開口 55…凹溝 56…環状シール材 57…雌ねじ 6…注水管 61…雄ねじ 7…定置治具 10…定着材 100、100a…地山 101…穿孔 102…孔壁 103…ワッシャー 104…ナット T…トンネル

Claims (8)

  1. 前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトと、
    内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空ロックボルトと、
    軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成されているジョイントスリーブと、
    前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の後部に螺合されている中空管状の注水用コマとを備え、
    前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部が前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の前部に螺着されると共に、前記中空ロックボルトの前端部が前記ジョイントスリーブの後部に固定され、
    前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続可能であり、
    地山の穿孔の孔壁と前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が、前記中空ロックボルトの周壁、若しくは前記ジョイントスリーブの前記注水用コマと前記注水管の前端部との接続箇所よりも後側の周壁に形成されていることを特徴とするロックボルト構造体。
  2. 前記注水用コマの内周に雌ねじが形成されており、前記注水管の前端部に形成された雄ねじが前記注水用コマの前記雌ねじに螺着可能であることを特徴とする請求項1記載のロックボルト構造体。
  3. 前記注水用コマの前端に、前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部の後端面に押圧される環状シール材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のロックボルト構造体。
  4. 請求項1~3の何れかに記載のロックボルト構造体を備える地山補強構造であって、
    地山の穿孔の奥側から順に前記鋼管膨張型ロックボルト、前記ジョイントスリーブ、前記中空ロックボルトが配置され、
    前記鋼管膨張型ロックボルトが膨張状態で前記穿孔の孔壁に摩擦定着され、
    前記穿孔の孔壁と、前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に、定着材が充填されて固化されていることを特徴とする地山補強構造。
  5. 前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトと、
    地山の穿孔の孔壁と外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が形成され、内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空ロックボルトとを連結するジョイントスリーブであって、
    軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成され、
    前記雌ねじ部の前部に前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部が螺着可能であり、
    後部に前記中空ロックボルトの前端部が固定可能であると共に、
    前記雌ねじ部の後部に中空管状の注水用コマが螺合され、
    前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続可能であることを特徴とするジョイントスリーブ。
  6. 前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトと、
    内部に軸方向に沿って注水管を挿入可能な中空ロックボルトとを連結するジョイントスリーブであって、
    軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成され、
    前記雌ねじ部の前部に前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部が螺着可能であり、
    後部に前記中空ロックボルトの前端部が固定可能であると共に、
    前記雌ねじ部の後部に中空管状の注水用コマが螺合され、
    前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続可能であり、
    地山の穿孔の孔壁と前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が、前記注水用コマと前記注水管の前端部との接続箇所よりも後側の周壁に形成されていることを特徴とするジョイントスリーブ。
  7. 前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトに螺着される注水構造体であって、
    中空ロックボルトと、
    前記中空ロックボルトの内部に軸方向に沿って挿入される注水管と、
    軸方向に連通し、前部に雌ねじ部が形成され、後部に前記中空ロックボルトの前端部が固定されているジョイントスリーブと、
    前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の後部に螺合されている中空管状の注水用コマとを備え、
    前記注水用コマに前記注水管の前端部が着脱自在に接続され、
    地山の穿孔の孔壁と前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面との間に定着材を注入可能な吐出孔が、前記中空ロックボルトの周壁、若しくは前記ジョイントスリーブの前記注水用コマと前記注水管の前端部との接続箇所よりも後側の周壁に形成され、
    前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の前部が前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部に螺着可能であることを特徴とする注水構造体。
  8. 請求項7記載の注水構造体を用いるロックボルト構造体の施工方法であって、
    前端が閉塞され、後端に中空の雄ねじ部が設けられている鋼管膨張型ロックボルトを非膨張状態で地山の穿孔に挿入する第1工程と、
    前記注水構造体の前記ジョイントスリーブの前記雌ねじ部の前部を前記鋼管膨張型ロックボルトの前記雄ねじ部に螺着して、前記鋼管膨張型ロックボルトを前記穿孔の孔奥に移動する第2工程と、
    前記注水構造体の前記注水管から注水で前記雄ねじ部を介して前記鋼管膨張型ロックボルトの内部に加圧注水し、前記鋼管膨張型ロックボルトを膨張させて前記穿孔の孔壁に摩擦定着する第3工程と、
    前記注水管を前記注水用コマから取り外して前記中空ロックボルトの内部から抜き去る第4工程と、
    前記中空ロックボルトの内部と前記吐出孔を介して、前記中空ロックボルトの外表面及び前記ジョイントスリーブの外表面と前記穿孔の孔壁との間に定着材を注入して充填し、前記定着材を固化させる第5工程を備えることを特徴とするロックボルト構造体の施工方法。
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