JP5965753B2 - 無拡幅長尺鋼管先受け工法及びその工法に使用する端末管における注入材の注入構造 - Google Patents
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その鋼管Pの打設は、ドリルジャンボ3のガイドセル3aに搭載された削岩機4に接続された中空の削孔ロッド5から先端の削孔ビット6に回転と打撃および削孔水を供給しながら地山を削孔するとともに、長尺鋼管Pの先端部に設けた先端シュー(図示せず)を打撃しながら牽引するように鋼管Pの設置を進める。
前者は、長尺鋼管の端末管を切除せず、支保工2の配置を上下にズラし(変化させ)ながら施工するため、トンネル内空断面に拡幅部が生じることから、拡幅AGF工法と称されている(特許文献1図5参照)。
後者は、天端の吹付コンクリート層C内に長尺鋼管Pの例えば、3m程が位置する端末部(端末管:図7の破線部分)を切除しつつ、掘削を行なう(本願図7、特許文献1図1参照)。このため、トンネル内空断面のコンクリート層Cは段差が生じないことから、無拡幅AGF工法と称されている。近年では後者の工法が主流である。
その鋼製シース管は、厚さ0.5mm程度の鋼帯を引き出しながら螺旋状に成形し、両幅端を連続カシメ加工した鋼管であり、理論上はどのような直径の管でも安価に製造でき、軽量で作業性に優れると共に使用する資源量と製造エネルギー量が小さくて環境負荷の小さな商品であるが、スパイラルリブのピッチは通常の鋼管ネジに比べて極めて大きく、この部分でのネジ嵌合は緩みやすい。
その分離作業をなくすため、切除される端末管部分には、注入材を充填せず、端末管のみを切断除去する技術がある(特許文献2要約、図1、図2参照)。
この構造は、特殊パッカーの構成部品数が多く、袋体を膨張させる注入ホースも追加で必要となり、不経済で、更なる簡単で容易な特殊パッカーと同等の機能を有する技術が求められている。
つぎに、その押し込み材を端末管の最端末に固定すると共に、注入材用ホースをその閉塞材を水密に貫通させて上記鋼管内に導入させたのである。
このようにすれば、閉塞材は押し込み材によって装填状態が維持されるため、鋼管内への注入材の加圧注入によって端末管側に移動することがない。
なお、上記「閉塞材による閉塞」及び「ホースを水密に貫通」とは、端末管の廃棄に支障がない程度の端末管への注入材の漏れ出しも含む。また、接続部内とは、切断除去される部分以外の端末管内に閉塞材が位置する場合もその接続部内に位置するものとする。切断除去されないのであれば、注入材が充填されていても支障が無いからである。
上記押し込み材は、上記注入材用ホースが挿通するパイプ等を採用する。
鋼製シース管は、市販品で安価で、軽量であり作業性も良く、その厚みは0.5mm程度であるが、打設時、牽引によって端末管の約3mのみ地盤中に挿入されるため、その強度は十分である。一方、厚み:0.5mm程度であるためスリットなどを設けない管体構造であっても、掘削機で容易に切断できる。
鋼製シース管の外側スパイラルリブがカシメられて接続部材外周面に係合しておれば、接続部材と鋼製シース管の接続は、スパイラルリブによるネジ結合とそのカシメによる係合の両者で、ネジ緩みが防止されてその強度が担保されるため、その接続強度は高いものとなる。
その接続部材は、掘削後の廃材処理を勘案すると鋼製シース管と同じ金属製が好ましい。また、この接続部材は、工場において(出荷前に)端末管に組み付けておくのが好ましい。
この発明は、上記第1の課題を達成する発明に組み合わせることができる。
また、閉塞材とその押込み材によって端末管内への注入材の流入阻止を行なったので、その阻止構造も簡単であって安価である。
さらに、地山に打設される無拡幅の長尺先受け鋼管(AGF鋼管)の端末管に鋼製シース管を用いて施工時の打撃振動で鋼管と外れない構造を構築でき、極めて軽くて作業性がよく、経済性にも優れた施工が可能となる。
この端末管10は、全長:約3m(切除される長さ)でリブ山(スパイラルリブ)11aの外径φ112mm、内径φ105mm、壁厚0.5mmの標準品の連続スパイラルリブ付き鋼製シース管である。
鋼管Pとの接続側の接続部材20は、図5に示すように、その一側にシース内側のスパイラル溝11bに嵌合できる間隔の2本の独立したスパイラル突起からなって極めて大きいネジピッチの2条ネジからなる雄ネジ21を有しており、このネジ21の終点部はスパイラル突起のない「かしめ部V」となっている。また、接続部材20の内径25は削孔ビットや削岩ロッドの挿入・回収が可能で削孔時のスライム排除や注入工程での注入管挿入が可能な中空構造となっている。
また,接続部材20の他側は通常の鋼管P接続用の雄ネジ22a(図5(a))又は雌ネジ22b(同図(b))が成形される。
注入材はセメント系と樹脂系があるが、ここでは多用される樹脂系の注入で説明する。また、樹脂系注入材は、複数の注入ホースで複数のポンプを用いて圧入するが、ここでは事例が多くなっている同時注入方式で説明する。
次に、口元反力治具30のヒンジボルト31を押込みパイプ35のスティフナー付き反力プレート37にセット(図2の状態)してからナット32を所定位置まで締め込んでゴムコーン27を接続部材20a内面突起区間に押込む。このゴムコーン27の押し込み圧接によって、接続部材20a内が閉塞されて、鋼管Pと端末管10が水密に区画されて、端末管10側への注入材の流入防止構造を実現している。
鋼管P(P3)と端末管(一般的な鋼管)10aとの接続部材20cは、図6に示すように、一方側が鋼管P3端末にねじ込まれ、その内径は端末管10aの内径(ここではφ102.3mm)よりも若干小さいφ98.3mmの筒体内面突起区間構造とし、最大径φ101mm、幅60mmのゴムコーン27がこの位置で水密性を保って圧入されるとともに、前記接続部材20c他端側には鋼管Pと同一サイズの環状溝(スリット)13付き端末鋼管10aを溶接接続することができる。
C 吹付コンクリート
1 切羽
2 支保工
10鋼製シース管製端末管
10a 鋼管製端末管
11a スパイラルリブ
11b スパイラル溝
12 シースプロテクター
13 環状溝
20、20a、20b、20c 接続部材
21 接続部材の外周面のネジ山(スパイラルリブ)
22a 接続部材の雄ネジ
22b 接続部材の雌ネジ
27 ゴムコーン
30 口元反力治具
31 ヒンジボルト
32 ナット
35 押込みパイプ(押込み材)
40 注入材用ホース
Claims (2)
- トンネルの切羽(1)外周の地山内にトンネル掘進方向に対し上向き角度(θ)で複数本の注入孔付き鋼管(P、P1、P2、P3)及び端末管(10、10a)を直列に接続しながら長尺打設し、打設後に鋼管(P)内から前記注入孔を介して地山補強用注入材を圧入して周辺地山を改良し、前記注入材が硬化した後、前記端末管を切除する無拡幅長尺鋼管先受け工法であって、
上記端末管の最端末の開口からパイプ状押し込み材(35)を介して前記端末管(10、10a)と上記鋼管(P3)との接続部内に先端部が徐々に縮径する柱状ゴムコーンからなる閉塞材(27)を押込み介在して閉塞し、前記押し込み材(35)内を挿通して前記閉塞材(27)を水密に貫通した注入材用ホース(40)を前記鋼管内に導入して、前記押し込み材(35)を前記端末管の最端末に固定し、前記注入材用ホース(40)から鋼管(P)内に地山補強用注入材を圧入し、上記注入孔を介して地山補強用注入材を圧入して周辺地山を改良することを特徴とする無拡幅長尺鋼管先受け工法。 - 上記端末管(10)をスパイラルリブ付き鋼製シース管としたことを特徴とする請求項1に記載の無拡幅長尺鋼管先受け工法。
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