JP2022163971A - 発泡型急結剤及び吹付工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネル等の吹付け作業で発生する粉塵の発生を抑えて作業性を向上させることが可能で、湧水や地山面が悪化した状況下においても高い急結性が得られ、長期的な強度発現性を求められる箇所への適用が可能な発泡型急結剤を提供する。【解決手段】粉体混和材と、液体急結剤とを混合して使用する発泡型急結剤であって、前記粉体混和材が、SiO2含有量が7質量%以下であり、ガラス化率が30~98質量%であり、硫黄含有量が0.007~0.5%であるカルシウムアルミネート粉末と炭酸アルカリ粉末とを含み、前記カルシウムアルミネート粉末を前記粉体混和材100質量部中20質量部以上含有し、前記炭酸アルカリを前記粉体混和材100質量部中0.1質量部以上含有し、前記液体急結剤が、pH1~5を呈する硫酸アルミニウムを前記液体急結剤100質量部中20質量部以上含有する発泡型急結剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡型急結剤及び吹付工法に関する。
従来、トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために急結剤をコンクリートに配合した急結コンクリートの吹付工法が行われている(特許文献1)。この工法は、通常、掘削工事現場に設置した、セメント、骨材、及び水等の計量混合プラントで吹付コンクリートを調製し、アジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結剤と混合し、急結性吹付コンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹付ける工法である。
従来から使用されている急結剤としては、カルシウムアルミネート、アルカリ金属アルミン酸塩、及びアルカリ金属炭酸塩等との混合物、焼ミョウバン、アルカリ金属アルミン酸塩、及びアルカリ金属炭酸塩等の混合物、カルシウムアルミネートと3CaO・SiOとの混合物、消石灰、アルカリ金属アルミン酸塩、及びアルカリ金属炭酸塩の混合物等が知られている(特許文献2~5)。
これらの急結剤は、セメントの凝結を促進させる働きがあり、いずれもセメントコンクリートと混合して地山面に吹付けられる。
急結剤の添加方法は、通常、空気輸送による粉体混合のために、粉塵量が多くなる方法であった。そのため、作業環境が悪化する場合があり、吹付け時には保護眼鏡や防塵マスクなどを着用して作業する必要があり、粉塵量のより少ない工法が求められていた。粉塵発生量が少ない工法として、急結剤をスラリー化してセメントコンクリートに添加混合した後、さらに、アルカリ金属アルミン酸塩の溶液を別途圧送し、混合し、吹付け施工する方法が提案されている(特許文献6)。この方法は、高アルカリの液体を使用するため、取り扱いにくく、吹付け時には保護眼鏡や手袋等が必要となり、作業性が低下するという課題があった。
これに対して、急結剤をスラリー化し、かつ、セメントコンクリートにミョウバン類を配合することにより、作業環境を改善する急結施工方法が提案されている(特許文献7)。また、作業性、粉塵低減効果をさらに良くし、工期短縮の面で、急結性を向上した急結施工方法が提案されている(特許文献8)。
しかしながら、カルシウムアルミネートにアルカリ金属アルミン酸塩やアルカリ金属炭酸塩等を混合した急結剤よりも低pH値のもので、弱アルカリ性、好ましくは、中性または弱酸性の急結剤が求められており、この問題を解決するため液体急結剤として、塩基性アルミニウム塩や有機カルボン酸を主成分とするもの(特許文献9)、硫酸アルミニウムやアルカノールアミンを主成分とするもの(特許文献10)、並びにアルミニウムの塩基性水溶液、ケイ酸リチウム、およびアルミン酸リチウムを主成分とするもの(特許文献11)等が用いられている。この液体急結剤は、初期強度発現性が得られ難く、従来のカルシウムアルミネートを主成分とする急結剤と比較してトンネル坑内で厚吹きした場合には剥落することが懸念された(特許文献12、13)。
そこで、アルミニウムやイオウを主成分とする酸性液体急結剤と粉末の硫酸アルミニウム、硫酸塩、アルミン酸塩、水酸化物からなる無機化合物の群から選ばれる何れか一種または二種以上を添加することを特徴とする吹付け材料が開発された(特許文献14)。また、更に液体急結剤とアルカリ炭酸塩類とを混合した発泡状急結剤が開発された(特許文献15)。
特公昭60-4149号公報 特開昭64-051351号公報 特公昭56-27457号公報 特開昭61-026538号公報 特開昭63-210050号公報 特開平05-139804号公報 特開平05-097491号公報 特開2003-81664号公報 特表2001-509124号公報 特開平10-087358号公報 特開2001-130935号公報 特開2002-047048号公報 特開2003-246659号公報 特開2007-055831号公報 特開2012-017235号公報
しかし、特許文献15の発泡状急結剤はセメントとの反応性が強く、高い強度発現性を示すが、長期耐久性の向上が求められる箇所への適用性についてはより向上させることが望ましい。
本発明は、トンネル等の吹付け作業で発生する粉塵の発生を抑えて作業性を向上させることが可能で、湧水や地山面が悪化した状況下においても高い急結性が得られ、長期的な強度発現性を求められる箇所への適用が可能な発泡型急結剤を提供する。
本発明者らは、上記のような問題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の粉体混和材と特定の液体急結剤との組み合わせにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1] 粉体混和材と、液体急結剤とを混合して使用する発泡型急結剤であって、前記粉体混和材が、SiO含有量が7質量%以下であり、ガラス化率が30~98質量%であり、硫黄含有量が0.007~0.5%であるカルシウムアルミネート粉末と炭酸アルカリ粉末とを含み、前記カルシウムアルミネート粉末を前記粉体混和材100質量部中20質量部以上含有し、前記炭酸アルカリを前記粉体混和材100質量部中0.1質量部以上含有し、前記液体急結剤が、pH1~5を呈する硫酸アルミニウムを前記液体急結剤100質量部中20質量部以上含有する発泡型急結剤。
[2] 前記カルシウムアルミネート粉末のCaO/Alモル比が1.8~2.9である[1]に記載の発泡型急結剤。
[3] 前記カルシウムアルミネート粉末中に、3CaO・Alを1~40質量%含有する[1]又は[2]に記載の発泡型急結剤。
[4] 前記炭酸アルカリ粉末が、炭酸ナトリウム粉末である[1]~[3]のいずれかに記載の発泡型急結剤。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の発泡型急結剤が、コンクリートが吹付けられる直前で前記コンクリートに添加される吹付工法であって、前記粉体混和材がコンクリート中のセメント100質量部中、3質量部以上添加され、前記液体急結剤がコンクリート中のセメント100質量部中、4質量部以上添加される吹付け工法。
本発明によれば、トンネル等の吹付け作業で発生する粉塵の発生を抑えて作業性を向上させることが可能で、湧水や地山面が悪化した状況下においても高い急結性が得られ、長期的な強度発現性を求められる箇所への適用が可能な発泡型急結剤を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
[1]発泡型急結剤
本発明の一実施形態(本実施形態)に係る発泡型急結剤は、粉体混和材と、液体急結剤とで構成される2材型の発泡型急結剤で、これらを混合して使用するものである。例えば、粉体混和材と液体急結剤は、使用前は別々になっており、これらを同時に混合したり、あるいは、コンクリート等に一方を混合した後、他方を混合したりして、発泡が生じるものである。
<粉体混和材>
本実施形態に係る粉体混和材は、粉体混和材は、カルシウムアルミネート粉末と炭酸アルカリ粉末とを含む。以下、これらについて説明する。
(カルシウムアルミネート粉末)
カルシウムアルミネート粉末は、SiO含有量が7質量%以下であり、ガラス化率が30~98質量%であり、硫黄含有量が0.007~0.5%である。
SiO含有量が7%を超えると、急結性状が低下するため好ましくなく、6%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。また、ガラス化が30%以下とならないことを考慮すると0.1%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましい。SiO含有量は蛍光X線により測定することができる。
また、SiO含有量は、カルシウムアルミネート粉末を作製する際の原料中のSiO量を調整したり、新たにSiOを添加したりして調整することができる。
また、ガラス化率が30%未満、又は、98%を超えると急結性状が低下する。ガラス化率は、40~95%であることが好ましい。
ここで、ガラス化率は、加熱前のサンプルの粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、1000℃で2時間加熱後、1~10℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求め、更に、これらのS及びSの値を用い、下記の式を用いてガラス化率を算出することができる。
ガラス化率(%)=100×(1-S/S
なお、ガラス化率は、例えば、カルシウムアルミネート粉末を作製する際の加熱温度や加熱後の冷却速度により、所望の範囲に調整することができる。
さらに、硫黄含有量が0.007%未満であると、硫酸アルミニウム粉末と混合した際、発泡量が少なくなることがあり、0.5%を超えると、急結性状を阻害する傾向があり好ましくない。硫黄含有量は0.01~0.3%であることが好ましい。
硫黄含有量は蛍光X線により測定することができる。また、硫黄含有量は、カルシウムアルミネート粉末を作製する際の原料中の硫黄量を調整したり、硫黄源を添加したりして調整することができる。
ここで、カルシウムアルミネート(以下、CA若しくはCA類ともいう)は、CaOとAlを主成分とし、水和活性を有する化合物の総称であり、CaO及び/又はAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAlを主成分とするものにこれらが少量固溶した物質である。
なお、本実施形態で用いるカルシウムアルミネート粉末は、工業原料からは微量のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が混入し、このアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含むCA類が一部生成する可能性があるが、これらのわずかなアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の存在によって何ら制限を受けるものではない。
カルシウムアルミネート粉末はアルカリ性であることが好ましく、pHが10~14であることがより好ましい。アルカリ性(特にpHが10~14)であることでカルシウムアルミネート粉末の有する特性を発揮させやすくすることができる。
なお、pHはカルシウムアルミネート粉末と水からなる5倍量以上の水溶液を調整した上澄み液を採取し、JIS Z8802のpH測定方法などに代表される一般的なpH測定方法によって測定することができる。
カルシウムアルミネート粉末のCaO/Alモル比は特に限定はされないが、極初期の強度発現性を考慮すると、当該モル比は1.8~2.9が好ましい。モル比が1.8以上であると、極初期の凝結性状を良好にすることができ、2.9以下であると、良好な長期強度発現性が得られやすくなる。CaO/Alモル比は2.2~2.8がより好ましい。
また、カルシウムアルミネート粉末中に3CaO・Alを1~40%含有することが好ましく、5~30%含有することがより好ましい。1~40%含有することで、3CaO・Alは、X線回折により定量することができる。また、3CaO・Alの含有率はCaO/Alモル比を2.8に近づけた原料割合で熱処理したり、更にガラス化率を95%以下に調整したりすることによって調整することができる。
カルシウムアルミネート粉末のブレーン比表面積(以下、単に「ブレーン」ということがある)は、4000~8000cm/gであることが好ましく、5000~7000cm/gであることがより好ましい。4000~8000cm/gであることで、初期強度発現性が得られやすく、吹き付け時のモルタル及び/又はコンクリートの取扱い性を良好にすることができる。
なお、ブレーン比表面積とは、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に記載された比表面積試験に基づいて測定されたものである。
カルシウムアルミネート粉末は粉体混和材100質量部中20質量部以上含有し、20~90部含有することが好ましく、30~70部含有することがより好ましい。カルシウムアルミネートが20部未満では、極初期強度が低下し、リバウンド率が高まる可能性があり、90部を超えてしまうと、長期強度が低下してしまう。
本実施形態に係る急結剤用カルシウムアルミネート粉末の製造方法としては、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理を施す方法が挙げられる。この原料混合の際に、SiO成分を含む原料や硫黄成分を含む原料を配合することも可能であり、原料に関して、特に制限はない。
(炭酸アルカリ粉末)
炭酸アルカリ粉末は、セメントの初期凝結を促進し、強度発現性を促進するものであり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。これらの中で、初期凝結促進の面や保存性の面で、炭酸ナトリウム粉末が好ましい。発泡性の面で、炭酸アルカリ粉末のブレーン値は300g/cm以上が好ましく、500g/cm以上がより好ましい。300g/cm以上であると、良好な発泡が促進されやすくなる。
炭酸アルカリ粉末は、粉体混和材100部に対して、0.1部以上含有し、0.1~10部含有することが好ましく、0.2~7.5部含有することがより好ましい。炭酸アルカリ粉末が0.1部未満では、発泡がうまく発生せず、配管内での固結により、コンクリートとの混合性が低下し、極初期からの強度発現性が低下してしまう。
カルシウムアルミネート粉末と炭酸アルカリ粉末との質量混合比率(カルシウムアルミネート粉末/炭酸アルカリ粉末)は、カルシウムアルミネートと炭酸アルカリ由来の粉体混和材の活性による極初期強度発現性向上と、カルシウムアルミネートと炭酸アルカリ粉末由来の発泡によるコンクリートとの混合性を高めたり、配管固結を防止したりする観点から、200/1~2/1であることが好ましく、150/1~3/1であることがより好ましい。
粉体混和材は、上記の成分以外に、硫酸カルシウム等の吹付けコンクリート用の急結剤で一般的に用いられる材料を配合してもよい。また、炭酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸等の無機酸、及びこれらの塩(ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム)やモノカルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びこれらの塩(ナトリウム、カリウム、リチウム)等を併用可能である。これらのなかでも、水への溶解性、取扱いの面から、ジカルボン酸、オキシカルボン酸、及びこれらの塩を併用することができる。
<液体急結剤>
本実施形態に係る液体急結剤は、pH1~5を呈する硫酸アルミニウムを液体急結剤100部中20部以上含有する。当該硫酸アルミニウムの含有量が20部未満であると、極初期強度発現性が低下し、コンクリートの付着不良が起こってしまう。硫酸アルミニウムの含有量は、20~35であることが好ましく、24~30であることがより好ましい。
また、液体急結剤は、凝結性の観点から、硫酸アルミニウム水溶液が好ましい。
硫酸アルミニウム水溶液は、水に硫酸アルミニウム粉末を溶解させた、或いは、水酸化アルミニウムと硫酸の反応で得られた酸性の水溶液である。pHが酸性領域にあることで水和生成物の硬化速度を速めることができる。硫酸アルミニウム水溶液の濃度は、20~35%が好ましい。硫酸アルミニウムは、無水や含水のいずれも使用可能であり特に限定されるものではない。
ここで、発泡型急結剤は、水やセメントコンクリートなどと接触した際に、急結剤自体が発泡するものである。すなわち、発泡状急結剤となる。この発泡はカルシウムアルミネート由来の硫黄分と硫酸アルミ由来による硫化水素や、炭酸アルカリと硫酸アルミ由来の炭酸ガスが発生し、コンクリートへ添加されると同時に硫化水素、炭酸ガスの発生はなくなるため、人体に影響はない。急結剤自体が発泡することで、コンクリートと混合合流する際の閉塞トラブルが起こらないため、危険作業が少なく、安全な吹付け施工が行うことができる。
なお、作業性の観点から、実質的にアルミン酸アルカリを含有しないことが好ましい。ここでいう「実質的にアルミン酸アルカリを含有しない」とは、X線回折で測定した際に、その含有量が%オーダーで0の場合をいう。
粉体混和材と液体急結剤との質量混合比率(粉体混和材:液体急結剤)は、発泡型急結剤の調整や、極初期強度発現性の向上、発泡による配管固結減少やコンクリートへの混合性を高める観点で、4:1~1:5が好ましく、3:1~1:4であることがさらに好ましい。
[2]吹付け工法
本発明の実施形態に係る吹付け工法は、既述の本発明の発泡型急結剤が、コンクリートが吹付けられる直前でコンクリートに添加される吹付工法であって、粉体混和材がコンクリート中のセメント100部中、3部以上添加され、液体急結剤がコンクリート中のセメント100部中、3部以上添加される。
粉体混和材の添加量が3部未満では、極初期強度発現性が低下してしまう。粉体混和材の添加量は、3~20部であることが好ましく、4~17部であることがより好ましい。
また、液体急結剤の添加量が3部未満では、極初期強度発現性が低下してしまう。液体急結剤の添加量は、4~14部であることが好ましく、5~12部であることがより好ましい。
本実施形態に係る発泡型急結剤が合流混合されるコンクリートで使用するセメントは、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、中庸熱、及び低熱の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、及び石灰石微粉末を混合したフィラーセメント、並びに都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)等が挙げられ、これらを微粉末化して使用することも可能である。混合セメントにおける混合物とセメントの割合は特に限定されるものではなく、これら混和材をJISで想定する以上に混合したものも使用可能である。
本発明で使用するコンクリートは、セメントと骨材とを含有するものであり、骨材は吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましい。
骨材は、吹付けできれば特に限定されるものではないが、細骨材としては、川砂、山砂、海砂、石灰砂、及び珪砂等が使用可能であり、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用可能であり、砕砂、砕石の使用も可能である。
また、本発明の発泡型急結剤を用いた吹付け工法としては、要求される物性、経済性、及び施工性等に応じた種々の吹付け工法が可能である。例えば、乾式吹付け工法、湿式吹付け工法、いずれの工法も可能である。
「実験例1」
(1)粉体混和材
粉体混和材として、下記の材料を用いた。
(カルシウムアルミネート粉末)
炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリカ、及び硫黄を種々の割合(シリカ等が0%の場合を含む)で混合し、電気炉で1600℃にて溶融後、冷却速度を調整し、ボールミルで粉砕した後、分級してブレーン値が8,000cm/g程度で、表1に示すシリカ含有量、ガラス化率、硫黄含有量、及びCaO/Al(モル比)を有するカルシウムアルミネート(CA)粉末を作製した。
Figure 2022163971000001
表1に示す種類のカルシウムアルミネート粉末を60部、炭酸アルカリAを5部、硫酸カルシウム粉末を35部、を混合して、粉体混和材を作製した。
(炭酸アルカリ粉末)
・炭酸アルカリA:市販の炭酸ナトリウム(ブレーン比表面積800cm/g)
(硫酸カルシウム粉末)
・硫酸カルシウム:市販の硫酸カルシウム無水品(ブレーン比表面積4,500cm/g)
(2)液体急結剤
液体急結剤として、下記の材料を用いた。
・液体急結剤α:試薬特級の硫酸アルミニウムを純水に溶解し、濃度27%に調整
(pH2.0)
[モルタル試験]
モルタルミキサーにセメント800g、細骨材2000g、水(水道水)480gを投入し、練混ぜてモルタルを調製し、セメント100部に対して、表1に示す種類の粉体混和材6部及び液体急結剤α6部を、素早くモルタルへ投入し、練混ぜ、急結モルタルを調製した。その後、モルタルの凝結時間、圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
なお、セメントは普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,200cm/g、比重3.16を使用し、細骨材は新潟県糸魚川市姫川水系川砂、表乾状態、比重2.62、最大粒径5mmを使用した。
<測定方法>
凝結時間:土木学会基準「吹付けコンクリート用急結剤品質規格(JSCE D-102)」に準じて測定。
圧縮強度(3時間、1日、28日):JIS R 5201に準じて測定。
[吹付けコンクリート試験]
表2に示すフレッシュ性状とコンクリート配合のコンクリートを調整し、吹付け圧力0.4MPa、吹付け速度12m/hの条件下で、コンクリート圧送機「MKW-25SMT」によりポンプ圧送し、圧送中のポンプ圧のモニタリングを行った。
一方、セメント100部に対して、液体急結剤αが6部、粉体助剤6部になるように、圧送圧力0.5MPaの条件下で、液体急結剤を液体ポンプで定量搬送し、途中より、空気搬送し、もう一方より、粉体助剤(表3参照)を「NATMクリート」を用いて空気搬送し、コンクリートと合流手前で液体急結剤と粉体助剤を混合合流させて、発泡型急結剤を調整し、この急結剤をY字管のもう一方から圧送されたコンクリートに混合し、吹付けコンクリートとした。この急結性吹付けコンクリートについてコンクリート圧縮強度、リバウンド率、粉じん量、混合性評価を測定した。また、吹付け終了後、Y字管の急結剤側を確認し、固結状況を確認した。表3に示す。
<コンクリート配合>
Figure 2022163971000002
なお、セメントは普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,200cm/g、比重3.16を使用し、細骨材は新潟県糸魚川市姫川水系川砂、表乾状態、比重2.62、最大粒径5mmを使用し、粗骨材は新潟県糸魚川市姫川水系砕石1505、表乾状態、比重2.67、最大粒径15mmを使用し、水は上水道水を使用した。
また、コンクリートは強制二軸ミキサを用いて調整し、練り上がったコンクリートを、JIS A1101に準じて測定した。
<測定方法>
コンクリート圧縮強度:材齢1時間と1日の圧縮強度は、縦50cm×横50cm×奥行15cmの木枠に吹付けコンクリートを吹付けて、NEXCO試験法726に準じて木枠に吹付けてから、材齢毎に12本ピンを貫入し、ピンの貫入抵抗から、圧縮強度を算出した。材齢28日の圧縮強度は、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性吹付けコンクリートを吹付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
リバウンド率:急結性吹付けコンクリートを10m/hの圧送速度で10分間、湧水を想定のもと、上部より、毎分10リットルの水を流している鉄板でアーチ状に作成した高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹付けた。その後、(リバウンド率)=(模擬トンネルに付着せずに落下した急結性吹付けコンクリートの量+10分の湧水量100kg分)/(模擬トンネルに吹付けた急結性吹付けコンクリートの量+10分の湧水量100kg分)×100(%)で算出した。
粉じん量:急結性吹付けコンクリートを10m/hの圧送速度で10分間、模擬トンネルに吹付けた。その後、吹付け場所より5mの定位置で粉じん量を測定した。
固結量:コンクリートと急結剤のY字状の合流管を試験終了後、水で洗い流し、乾燥させてからの固結量を測定した。測定は、固結量=使用後のY字合流管の重量-使用前のY字合流管の重量で算出した。
混合性評価:材齢1時間と1日の圧縮強度試験であるピン貫入抵抗値測定の12本の圧縮強度から標準偏差を求めた。標準偏差値より、混合性を評価した。
およその目安として、1時間では標準偏差が0.8を超えるものはバラツキが大きいと判断され、24時間では2.0を超えるものはバラツキが大きいと判断される。
Figure 2022163971000003
「実験例2」
表4に示す種類の炭酸アルカリ5部、カルシウムアルミネート(ウ)60部、硫酸カルシウム粉末35部からなる粉体混和材を用いる以外は、すべての材料、試験方法、添加量が実験例1と同じモルタル試験とコンクリート吹付け試験を行った。結果を表4に示す。
(炭酸アルカリ)
・炭酸アルカリB:市販の炭酸カリウム(ブレーン比表面積600cm/g)
・炭酸アルカリC:市販の炭酸水素ナトリウム(ブレーン比表面積500cm/g)
・(比較)炭酸アルカリ土類:市販の炭酸カルシウム(ブレーン比表面積600cm/g)
Figure 2022163971000004
「実験例3」
表5に示す種類の液体急結剤を用いる以外は、すべての材料、試験方法、添加量が実験例1と同じモルタル試験とコンクリート吹付け試験を行った。結果を表5に示す。
(液体急結剤)
・液体急結剤β:試薬特級の硫酸アルミニウムを純水に溶解し、濃度27%に調整し、pHが5.0となるように、水酸化ナトリウムで調整したもの
・液体急結剤γ:試薬特級の硫酸アルミニウムを純水に溶解し、濃度27%に調整し、pHが6.0となるように、水酸化ナトリウムで調整したもの
Figure 2022163971000005
「実験例4」
表6に示す配合%のカルシウムアルミネート(ウ)、炭酸アルカリAを5部、硫酸カルシウムからなる粉体混和材を用いる以外は、すべての材料、試験方法、添加量が実験例1と同じモルタル試験とコンクリート吹付け試験を行った。結果を表7に示す。
尚、カルシウムアルミネート(ウ)の配合に伴い粉体混和材が100部とならない分は、硫酸カルシウム量を調整した。
Figure 2022163971000006
「実験例5」
表7に示す配合%の硫酸アルミニウムと残りを純水とした液体急結剤を用いる以外は、すべての材料、試験方法、添加量が実験例1と同じモルタル試験とコンクリート吹付け試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 2022163971000007
「実験例6」
表8に示す配合%の炭酸アルカリA、カルシウムアルミネート(ウ)60部、硫酸カルシウムからなる粉体混和材を用いる以外は、すべての材料、試験方法、添加量が実験例1と同じモルタル試験とコンクリート吹付け試験を行った。結果を表8に示す。
尚、炭酸アルカリAの配合に伴い粉体混和材が100部とならない分は、硫酸カルシウム量を調整した。
Figure 2022163971000008
「実験例7」
表9に示すセメント100部対する部を配合する、炭酸アルカリAを5部、カルシウムアルミネート(ウ)60部、硫酸カルシウム35部からなる粉体混和材、液体急結剤αをすべての材料、試験方法が実験例1と同じモルタル試験とコンクリート吹付け試験を行った。結果を表9に示す。
Figure 2022163971000009
本発明は、トンネル等の吹付け作業において、高い急結性が得られ、長期的な強度発現性を求められる箇所への適用が可能となる。

Claims (5)

  1. 粉体混和材と、液体急結剤とを混合して使用する発泡型急結剤であって、
    前記粉体混和材が、SiO含有量が7質量%以下であり、ガラス化率が30~98質量%であり、硫黄含有量が0.007~0.5%であるカルシウムアルミネート粉末と炭酸アルカリ粉末とを含み、
    前記カルシウムアルミネート粉末を前記粉体混和材100質量部中20質量部以上含有し、
    前記炭酸アルカリを前記粉体混和材100質量部中0.1質量部以上含有し、
    前記液体急結剤が、pH1~5を呈する硫酸アルミニウムを前記液体急結剤100質量部中20質量部以上含有する発泡型急結剤。
  2. 前記カルシウムアルミネート粉末のCaO/Alモル比が1.8~2.9である請求項1に記載の発泡型急結剤。
  3. 前記カルシウムアルミネート粉末中に、3CaO・Alを1~40質量%含有する請求項1又は2に記載の発泡型急結剤。
  4. 前記炭酸アルカリ粉末が、炭酸ナトリウム粉末である請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡型急結剤。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡型急結剤が、コンクリートが吹付けられる直前で前記コンクリートに添加される吹付工法であって、
    前記粉体混和材がコンクリート中のセメント100質量部中、3質量部以上添加され、前記液体急結剤がコンクリート中のセメント100質量部中、4質量部以上添加される吹付け工法。
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