JP2022163847A - 複合加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化や設備コストの増大を招くことなくワークに対して複数種類の切削加工を行うことが可能な複合加工機を提供する。【解決手段】本発明にかかる複合加工機100の代表的な構成は、ワーク120を回転させるワーク主軸122と、主軸工具110を回転させる工具主軸112と、工具主軸112を旋回させる回転テーブル106と、工具主軸112の側面に固定工具(バイト132)を取り付けるベース130と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の工具を切り替えて加工することが可能な複合加工機に関するものである。
従来から、ワークを切削することによる切削加工が知られている。切削加工に用いられる工作機械としては特許文献1に、タレット刃物台を備えるNC(Numerical Control;数値制御)旋盤が開示されている。特許文献1のNC旋盤では、タレット刃物台に対して旋回可能に設けられたタレットに複数の工具ユニットが放射状に取り付けられていて、タレット刃物台等を移動させて加工対象のワークを加工している。そして、タレットを旋回させることによりワーク加工に使用する工具ユニットを切り替えている。また近年では、特許文献1のNC旋盤のような旋削加工が可能な装置と、穴あけ加工やスカイビング加工が可能な装置とを一体化した複合加工機が実用化されている。
特開2011-11269号公報
特許文献1の構成によれば、タレットを旋回させることで、作業員による工具の交換作業を伴うことなく、工具の切り替えを行うことができる。これにより、ワークを加工するための複数の工程を連続して行うことが可能となる。しかしながら、特許文献1にも記載されているようにタレットに複数の工具ユニットが取り付けられていると、タレット全体の大きさや重量が増大する。またタレットを旋回させるために専用の駆動装置が必要となるため、設備コストが増大してしまう。すると、複合加工機においても装置の大型化や設備コストの増大を招いてしまう。
また、ATC(工具自動交換装置)によって工具を交換する構成も知られている。しかしながらATCは設備コストが大きく、工具交換に時間を要するため加工時間の短縮が難しい。また複合加工機内に占める容積も大きいため、装置全体の大型化を招いてしまうという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑み、大型化や設備コストの増大を招くことなくワークに対して複数種類の工具による切削加工を行うことが可能な複合加工機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明にかかる複合加工機の代表的な構成は、ワークを回転させるワーク主軸と、主軸工具を回転させる工具主軸と、工具主軸を旋回させる回転テーブルと、工具主軸の側面に固定工具を取り付けるベースと、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、回転テーブルを旋回させることによって、主軸工具または固定工具によってワークに対する切削加工を行うことができる。このとき、固定工具には専用の駆動装置は不要である。したがって、装置の大型化や設備コストの増大を抑制することができる。
上記ベースには、複数の固定工具を櫛歯状に配列しているとよい。かかる構成によれば、ワークに対してさらに多くの工具による切削加工を行ったり、同じ固定工具を複数取り付けることで摩耗によって消耗した固定工具を交換することなく他の同じ固定工具によって切削加工を継続したりすることが可能となる。
上記工具主軸の側面に、回転工具を固定的に取り付けるチャックを備えているとよい。かかる構成によれば、ワークを回転させることにより、ワークに穴あけ加工を行うことが可能となる。
上記主軸工具に対してワーク主軸の反対側に第2ワーク主軸を備えているとよい。これにより、ワーク主軸および第2ワーク主軸に異なるワークを保持させれば、1つの複合加工機によって異なるワークの加工を連続的に行うことができる。またワーク主軸および第2ワーク主軸に同一のワークを保持させれば、2つの同一のワークを効率的に加工することが可能となる。
本発明によれば、大型化や設備コストの増大を招くことなくワークに対して複数種類の工具による切削加工を行うことが可能な複合加工機を提供することが可能になる。
本実施形態にかかる複合加工機の全体斜視図である。 図1の工具主軸の近傍の拡大斜視図である。 本実施形態の複合加工機によるワークの加工について説明する図である。 本実施形態の複合加工機の他の例を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示または説明を省略する。
図1は、本実施形態にかかる複合加工機100の全体斜視図である。図1に示すように、本実施形態にかかる複合加工機100では、台座102においてコラム104がレール102aによってZ軸方向(左右方向)に走行可能に備えられており、コラム104において回転テーブル106がY軸方向(上下方向)に移動可能に備えられている。回転テーブル106には工具主軸112が取り付けられていて、回転テーブル106が回転することによって工具主軸112の角度(姿勢)を設定することができる。工具主軸112には主軸工具110が交換可能に取り付けられる。工具主軸112はモーターを内蔵していて、主軸工具110を回転させて切削などの加工を行うことができる。
ワーク主軸122は台座102に形成されたレール102bによってX軸方向(前後方向)に移動可能である。ワーク主軸122はモーターを内蔵していて、交換可能に取り付けたワーク120を回転させることができる。
図2は、図1の工具主軸112の近傍の拡大斜視図である。図2(a)は、図1の工具主軸を前方から観察した拡大斜視図である。図2(b)は、図1の工具主軸を後方から観察した拡大斜視図である。
図2(a)および(b)に示すように、本実施形態の複合加工機100では、工具主軸112の側面(図2では下面)には、ベース130が取り付けられている。そして、かかるベース130に、固定工具として複数のバイト132(132a-132d)が取り付けられている。以下の説明においてバイト132a-132dを呼び分ける必要がないときは、単にバイト132と称呼する。バイト132としては、旧来からある一体型のバイトであってもよいし、シャンクの先端にチップを取り付けた刃先交換式のバイトであってもよい。
図2(a)および(b)では、ベース130に複数の種類のバイト132を櫛歯状に配置している。複数の種類とは、片刃バイト、突切りバイト、ねじ切りバイト、剣バイト、隅バイト、それらの左右違い、刃物角違いなどである。ただし本発明においては、複数のバイトのうち一部または全部を同じバイトにしてもよい。
また図2(b)に示すように、他の固定工具として、工具主軸112の側面にチャック140を取り付け、回転工具であるエンドミル142やドリルを固定的に保持している。このエンドミル142は回転しないが、ワーク120が回転することによって加工を行うことができる。なお、主軸工具110による加工はワーク120の任意の位置に行うことができるが、エンドミル142による加工はワーク120の回転中心にしか行うことができない。
図3は、本実施形態の複合加工機100によるワーク120の加工について説明する図である。図3(a)では、工具主軸112を旋回させて主軸工具110を所定の角度(姿勢)でワーク120に当てて、主軸工具110とワーク120を同期回転させることにより、ギヤスカイビング加工している。なお、図示はしていないが、複合加工機100によれば、旋削加工やフライス加工も行うことができる。
図3(b)では、工具主軸112を旋回させて固定工具であるバイト132がワーク120に当たる角度(姿勢)とし、ワーク主軸122を回転させることで、ワーク120の旋削加工を行っている。
図3(c)は、固定工具であるバイト132およびエンドミル142を、図3(a)(b)と比べて、工具主軸112の反対側の側面に取り付けた例である。すなわち、固定工具は工具主軸112の両側面のいずれにも取り付けることができる。そして図3(c)では、工具主軸112を旋回させてエンドミル142をワーク120に対向させている。またコラム104のY軸、Z軸、ワーク主軸122のX軸を調節することにより、ワーク主軸122の回転中心とエンドミル142の中心を一致させている。そしてワーク120を回転させることで、固定されたエンドミル142によってワーク120の中心に穴開け加工を行っている。
上記説明したように、本実施形態の複合加工機100によれば、工具主軸112の側面に取り付けられた固定工具であるバイト132やエンドミル142を用いて、主軸工具110による加工以外にも多くの工具にて加工を行うことができる。このとき、バイト132は工具主軸112の側面に固定的に取り付けられているため、従来のようにタレットを旋回させるような専用の駆動装置やATC(工具自動交換装置)は不要である。したがって、装置の大型化や設備コストの増大を招くことなくワーク120に対して複数種類の切削加工を行うことができる。
また上述したように本実施形態の複合加工機100では、複数のバイト132が櫛歯状に配列されている。これにより、複数のバイト132を異ならせることでさらに多くの種類の工具による切削加工を行うことができる。また複数のバイト132の一部または全部に同一のバイト132を取り付けることで、摩耗によって消耗したバイト132を交換することなく他の同じバイト132によって切削加工を継続することが可能となる。
図4は、本実施形態の複合加工機の他の例を説明する図である。図4に示す複合加工機200では、主軸工具110に対してワーク主軸122の反対側に第2ワーク主軸222を備えている。これにより、ワーク主軸122および第2ワーク主軸222に異なるワーク120・220を保持させれば、1つの複合加工機200によって異なるワークの加工を連続的に行うことができる。またワーク主軸122および第2ワーク主軸222に同一のワーク120・220を保持させれば、2つの同一のワークを効率的に加工することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、複数の工具を切り替えて加工することが可能な複合加工機として利用することができる。
100…複合加工機、102…台座、102a…レール、102b…レール、104…コラム、106…回転テーブル、110…主軸工具、112…工具主軸、120…ワーク、122…ワーク主軸、130…ベース、132…固定工具、140…チャック、142…エンドミル、200…複合加工機、220…ワーク、222…第2ワーク主軸

Claims (4)

  1. ワークを回転させるワーク主軸と、
    主軸工具を回転させる工具主軸と、
    前記工具主軸を旋回させる回転テーブルと、
    前記工具主軸の側面に固定工具を取り付けるベースと、
    を備えたことを特徴とする複合加工機。
  2. 前記ベースには、複数の前記固定工具を櫛歯状に配列していることを特徴とする請求項1に記載の複合加工機。
  3. 前記工具主軸の側面に、回転工具を固定的に取り付けるチャックを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合加工機。
  4. 前記主軸工具に対して前記ワーク主軸の反対側に第2ワーク主軸を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の複合加工機。
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