JP2022158811A - エッチング方法及びエッチング処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッチング処理に際して、高アスペクト比のエッチング形状を適切に形成する。【解決手段】基板のエッチング方法であって、(a)チャンバ内の基板支持体上に、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とを含む基板を提供する工程と、(b)ハイドロフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスから生成されたプラズマにより、前記基板をエッチングする工程と、を備え、前記ハイドロフルオロカーボンガスは、CxHyFz(xは2以上の整数を表し、y及びzは1以上の整数を表す。)で表され、不飽和結合を有する第1のハイドロフルオロカーボンガスを含む。【選択図】図6
Description
本開示は、エッチング方法及びエッチング処理装置に関する。
特許文献1には、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜が交互に設けられることによって構成された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とをエッチングする方法が開示されている。特許文献1に記載のエッチング方法によれば、ハイドロフルオロカーボンを含む第1の処理ガスのプラズマを生成する工程と、フルオロカーボンを含む第2の処理ガスのプラズマを生成する工程と、が交互に繰り返して実行される。
本開示にかかる技術は、高アスペクト比のエッチング形状を適切に形成する。
本開示の一態様は、基板のエッチング方法であって、(a)チャンバ内の基板支持体上に、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とを含む基板を提供する工程と、(b)ハイドロフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスから生成されたプラズマにより、前記基板をエッチングする工程と、を備え、前記ハイドロフルオロカーボンガスは、CxHyFz(xは2以上の整数を表し、y及びzは1以上の整数を表す。)で表され、不飽和結合を有する第1のハイドロフルオロカーボンガスを含むエッチング方法である。
本開示によれば、高アスペクト比のエッチング形状を適切に形成することができる。
半導体デバイスの製造工程では、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の表面に積層して形成されたエッチング対象層に対して、パターンが形成されたマスク層をマスクとしたエッチング処理が行われている。このエッチング処理は、一般的にプラズマ処理装置で行われる。
ここで、近年のプラズマ処理装置においては、前述のエッチング処理として、積層して形成された基板に対してホールを深掘り形成する、3DのNAND HARC(High Aspect Ratio Contact)工程が行われる場合がある。かかる3DのNAND HARC工程においては、ボーイング(Bowing)等の形状異常を抑制しつつ、高アスペクト比のホールを形成することが求められている。
しかしながら、形成されるホールのアスペクト比が高くなれば高くなるほど、形状異常を抑制することは困難となる。特に、スループットの向上のためにエッチングレート(Etching Rate)を上げるとエッチングホールの側壁に対するボーイングが発生しやすくなる。
本開示に係る技術は上記事情に鑑みてなされたものであり、エッチング処理に際して、ボーイング等の形状異常を抑制し、高アスペクト比のエッチング形状を適切に形成する。以下、一実施形態にかかるプラズマ処理システム、及び本実施形態にかかるエッチング方法を含むプラズマ処理方法ついて、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<プラズマ処理システム>
先ず、一実施形態にかかるプラズマ処理システムについて説明する。図1は、プラズマ処理システムの構成の概略を示す縦断面図である。
先ず、一実施形態にかかるプラズマ処理システムについて説明する。図1は、プラズマ処理システムの構成の概略を示す縦断面図である。
プラズマ処理システムは、容量結合型のプラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持体11及びガス導入部を含む。基板支持体11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。シャワーヘッド13は、基板支持体11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10の内部には、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持体11により規定されたプラズマ処理空間10sが形成される。プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間10sからガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。側壁10aは接地される。シャワーヘッド13及び基板支持体11は、プラズマ処理チャンバ10とは電気的に絶縁される。
基板支持体11は、本体部材111及びリングアセンブリ112を含む。本体部材111の上面は、基板(ウェハ)Wを支持するための中央領域111a(基板支持面)と、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111b(リング支持面)とを有する。環状領域111bは、平面視で中央領域111aを囲んでいる。リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含み、1又は複数の環状部材のうち少なくとも1つはエッジリングである。
一実施形態において本体部材111は、基台113及び静電チャック114を含む。基台113は導電性部材を含む。基台113の導電性部材は下部電極として機能する。静電チャック114は、基台113の上面に配置される。静電チャック114の上面は前述の中央領域111a及び環状領域111bを有する。
また、図示は省略するが、基板支持体11は、リングアセンブリ112、静電チャック114及び基板Wのうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路には、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。また、基板支持体11は、基板Wの裏面と静電チャック114の上面との間に伝熱ガス(バックサイドガス)を供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、導電性部材を含む。シャワーヘッド13の導電性部材は上部電極として機能する。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、ソースRF信号及びバイアスRF信号のような少なくとも1つのRF信号(RF電力)を、下部電極及び/又は上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ処理チャンバ10において1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して下部電極及び/又は上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、13MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、下部電極及び/又は上部電極に供給される。第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のバイアスDC信号は、下部電極に印加される。一実施形態において、第1のDC信号が、静電チャック内の電極のような他の電極に印加されてもよい。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、上部電極に印加される。種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aを含んでもよい。コンピュータ2aは、例えば、処理部(CPU:Central Processing Unit)2a1、記憶部2a2、及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。処理部2a1は、記憶部2a2に格納されたプログラムに基づいて種々の制御動作を行うように構成され得る。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、本実施形態においてはプラズマ処理システムが容量結合型(CCP;Capacitively Coupled Plasma)のプラズマ処理装置1を有する場合を例に説明を行ったが、プラズマ処理システムの構成はこれに限定されるものではない。例えばプラズマ処理システムは、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等のプラズマ生成部を含む処理装置を有していてもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部を含む処理装置が用いられてもよい。
<プラズマ処理方法>
次に、以上のように構成されたプラズマ処理装置1を用いて行われる本開示の技術に係る基板Wのエッチング処理について説明する。図3は、一実施形態にかかる基板Wのエッチング処理の流れを示すフロー図である。
次に、以上のように構成されたプラズマ処理装置1を用いて行われる本開示の技術に係る基板Wのエッチング処理について説明する。図3は、一実施形態にかかる基板Wのエッチング処理の流れを示すフロー図である。
なお本実施形態では、図2(a)に示すように、表面に下地層G(例えばSiN膜)、エッチング対象層E、及び、有機系又はボロン系のマスク層Mが積層形成された基板Wのエッチング処理を行う場合を例に説明を行う。本実施形態においてエッチング対象層Eは、シリコン酸化膜SiOとシリコン窒化膜SiNとが交互に積層された多層膜ONを有する第1領域R1と、単層のシリコン酸化膜SiOを有する第2領域R2と、を含む。有機系のマスク層Mとしては、例えば、スピンオンカーボン、炭化タングステン又はアモルファスカーボンを含む膜を用いることができる。ボロン系のマスク層Mとしては、例えば、窒化ボロン又は炭化ボロンを含む膜を用いることができる。
また本実施形態では、図2(b)に示すように、プラズマ処理によってエッチング対象層Eに高アスペクト比のエッチングホールHを形成する場合を例に説明を行う。
ステップS1では、プラズマ処理チャンバ10の内部に基板Wを搬入し、基板支持体11上に基板Wを載置する。その後、基板支持体11の下部電極に直流電圧を供給することにより、基板Wはクーロン力によって静電チャック114に吸着保持される(図3のステップS1:基板Wの提供)。
静電チャック114に基板Wが保持されると、プラズマ処理チャンバ10の内部が密閉され、排気システム40によってプラズマ処理チャンバ10の内部を所望の真空度まで減圧する。その後、後述する第1処理ガスを用いたエッチング処理(図3のステップS2:第1エッチング処理)と、第2処理ガスを用いたエッチング処理(図3のステップS3:第2エッチング処理)を含むシーケンスが複数回実行される。換言すれば、ステップS2及びステップS3が交互に繰り返し実行される。これらエッチング処理では、図2(b)に示したようにエッチング対象層Eがエッチングされ、基板W上にマスクパターン(エッチングホールH)が形成される。
ステップS2では、先ず、ガス供給部20からシャワーヘッド13を介してプラズマ処理空間10sに、ハイドロフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスを供給する。ステップS2におけるハイドロフルオロカーボンガスは、CxHyFz(xは2以上の整数を表し、y及びzは1以上の整数を表す。)で表され、不飽和結合(例えばCの2重結合)を有する第1のハイドロフルオロカーボンガスを含む。また第1のハイドロフルオロカーボンガスは、フッ素置換基、例えばトリフルオロメチル基(―CF3)を含む。第1のハイドロフルオロカーボンガスの一例は、C3H2F4ガス(図4の構造式を参照)である。
ステップS2では、第1のRF生成部31aによりプラズマ生成用の高周波電力HFを上部電極又は下部電極に供給し、処理ガスを励起させてプラズマを生成する。また更に、第2のRF生成部31bによりバイアス用の高周波電力LFを下部電極に供給し、基板Wに対するイオンの入射を制御する。そして、生成されたプラズマの作用によって、基板W上に形成されたエッチング対象層E(第1領域R1及び前記第2領域R2)にエッチング処理が施される。
ステップS2では、第1のRF生成部31aによりプラズマ生成用の高周波電力HFを上部電極又は下部電極に供給し、処理ガスを励起させてプラズマを生成する。また更に、第2のRF生成部31bによりバイアス用の高周波電力LFを下部電極に供給し、基板Wに対するイオンの入射を制御する。そして、生成されたプラズマの作用によって、基板W上に形成されたエッチング対象層E(第1領域R1及び前記第2領域R2)にエッチング処理が施される。
なお、第1の処理ガスは、第1のハイドロフルオロカーボンガスに加えて、第1のハイドロフルオロカーボンガスと異なる第2のハイドロフルオロカーボンガスを含んでもよい。第2のハイドロフルオロカーボンガスは、不飽和結合を有さないハイドロフルオロカーボンガスであってよい。また、第2のハイドロフルオロカーボンガスは、第1のハイドロフルオロカーボンガスよりも分子量が小さいハイドロフルオロカーボンガスであってよい。第2のハイドロフルオロカーボンガスは、例えば、CH2F2ガス及びCHF3ガスの群から選択される少なくとも1種であってよい。第1の処理ガスが第2のハイドロフルオロカーボンガスを含む場合、第2のハイドロフルオロカーボンガスに対する第1のハイドロフルオロカーボンガスの流量比は0.3以上0.5以下であってよい。
また、第1の処理ガスは、C4F6ガス、CF4ガス、C4F8ガス及びC3F8ガスの群から選択される少なくとも一種のフルオロカーボンガスを更に含んでよい。第1の処理ガスは、COガス、COSガス、O2ガス、NF3ガス及びSF6ガスの群から選択される少なくとも1種を更に含んでもよい。第1の処理ガスは、不活性ガス(例えば、Ar等の希ガスやN2ガス)を更に含んでもよい。
ステップS2において、バイアス用の高周波電力LFは、例えば20kW以上であってよい。バイアス用の高周波電力LFを20kW以上とすることにより、高アスペクト比のエッチングホールHの底部に到達するイオン量を増加させて、エッチングホールHの底部におけるエッチングを促進することができる。
また、ステップS2において、プラズマ生成用の高周波電力HF及びバイアス用の高周波電力LFは、いずれも周期的に供給されてよい。プラズマ生成用の高周波電力HFが上部電極又は下部電極に供給される期間は、バイアス用の高周波電力LFが下部電極に供給される期間と同期していてよい。プラズマ生成用の高周波電力HFが供給される周期を規定する周波数は、例えば2kHz以上10kHz以下、又は2kHz以上5kHz以下であってよい。この場合、1周期内でプラズマ生成用の高周波電力HFが上部電極に供給されている時間が占める割合を示すDuty比は、例えば20%以上60%以下、又は30%以上50%以下であってよい。プラズマ生成用の高周波電力HFの周波数及びDuty比を上記範囲に制御することにより、プラズマの解離が抑えられ、高分子のラジカルの生成量を増やすことができる。この結果、エッチングホールHの側壁に付着する保護膜としてのポリマーの量を増やすことができる。
なお、ステップS2において用いられる第1の処理ガスに含まれる第1のハイドロフルオロカーボンガスから生成されるプラズマは、シリコン酸化膜SiOよりもシリコン窒化膜SiNに対して高いエッチングレートを有する。すなわち、ステップS2では、第1領域R1のエッチングレートが、第2領域R2のエッチングレートよりも高い。従って、ステップS2においては、第2領域R2よりも第1領域R1が優先的にエッチングされる。このため、第1領域R1に形成されるエッチングホールHの深さと、第2領域R2に形成されるエッチングホールHの深さとの差が大きい場合には、次述するステップS3を実施してもよい。
ステップS3では、先ず、ガス供給部20からシャワーヘッド13を介してプラズマ処理空間10sに、C4F6ガス、CF4ガス、C4F8ガス及びC3F8ガスの群から選択される少なくとも一種のフルオロカーボンガスを含む第2の処理ガスを供給する。第2の処理ガスは、第1のハイドロフルオロカーボンガスを含まなくてもよく、又は第1の処理ガスの総流量に対する第1のハイドロフルオロカーボンガスの流量比と異なる流量比で第1のハイドロフルオロカーボンガスを含んでもよい。一例では、第2の処理ガスは、第1の処理ガスの総流量に対する第1のハイドロフルオロカーボンガスの流量比よりも低い流量比で第1のハイドロフルオロカーボンガスを含む。
ステップS3では、第1のRF生成部31aによりプラズマ生成用の高周波電力HFを上部電極又は下部電極に供給し、第2の処理ガスを励起させてプラズマを生成する。また更に、第2のRF生成部31bによりバイアス用の高周波電力LFを下部電極に供給し、基板Wに対するイオンの入射を制御する。そして、生成されたプラズマの作用によって、基板W上に形成されたエッチング対象層E(第1領域R1及び前記第2領域R2)にエッチング処理が施される。
ステップS3では、第1のRF生成部31aによりプラズマ生成用の高周波電力HFを上部電極又は下部電極に供給し、第2の処理ガスを励起させてプラズマを生成する。また更に、第2のRF生成部31bによりバイアス用の高周波電力LFを下部電極に供給し、基板Wに対するイオンの入射を制御する。そして、生成されたプラズマの作用によって、基板W上に形成されたエッチング対象層E(第1領域R1及び前記第2領域R2)にエッチング処理が施される。
なお、第2の処理ガスは、第1のハイドロフルオロカーボンガスと異なる第3のハイドロフルオロカーボンガスを含んでもよい。第3のハイドロフルオロカーボンガスは、第2のハイドロフルオロカーボンガスと同じガスであってもよい。
また、第2の処理ガスは、COガス、COSガス、O2ガス、NF3ガス及びSF6ガスの群から選択される少なくとも1種を更に含んでもよい。また、第2の処理ガスは、不活性ガス(例えば、Ar等の希ガスやN2ガス)を更に含んでもよい。
ステップS3において、バイアス用の高周波電力LFは、20kW以上であってよい。また、プラズマ生成用の高周波電力HF及びバイアス用の高周波電力LFは、いずれも周期的に供給されてよく、プラズマ生成用の高周波電力HF及びバイアス用の高周波電力LFが供給される期間は同期していてよい。プラズマ生成用の高周波電力HFが供給される周期を規定する周波数は、例えば2kHz以上10kHz以下、又は2kHz以上5kHz以下であってよい。この場合、プラズマ生成用の高周波電力HFのDuty比は、例えば20%以上60%以下、又は30%以上50%以下であってよい。
ステップS3において用いられる第2の処理ガスに含まれるフルオロカーボンガスから生成されるプラズマは、シリコン窒化膜SiNよりもシリコン酸化膜SiOに対して高いエッチングレートを有する。すなわち、ステップS3では、第2領域R2のエッチングレートが、第1領域R1のエッチングレートよりも高い。従って、ステップS3においては、第1領域R1よりも第2領域R2が優先的にエッチングされる。このため、ステップS2において、第1領域R1に形成されるエッチングホールHの深さと、第2領域R2に形成されるエッチングホールHの深さとの差が大きい場合には、ステップS3を実施することで、その差を低減することができる。
本実施形態においては、かかるステップS2とステップS3を含むシーケンスを交互に繰り返し実行してもよい。これにより、第1領域R1に形成されるエッチングホールHの深さと、第2領域R2に形成されるエッチングホールHの深さとの間に差異が生じることが更に抑制される。
なお、かかるシーケンスにおいて実行されるステップS2とステップS3の処理時間の比率は任意に決定できる。一例では、第1領域R1と第2領域R2の双方に対するエッチングホールHの形成を適切に行う観点から、ステップS3(第2エッチング処理)の処理時間に対するステップS2(第1エッチング処理)の処理時間の比率は、2以上3以下としてよい。
なお、かかるシーケンスにおいて実行されるステップS2とステップS3の処理時間の比率は任意に決定できる。一例では、第1領域R1と第2領域R2の双方に対するエッチングホールHの形成を適切に行う観点から、ステップS3(第2エッチング処理)の処理時間に対するステップS2(第1エッチング処理)の処理時間の比率は、2以上3以下としてよい。
基板Wのエッチング対象層Eに対するマスクパターン(エッチングホールH)の形成が完了すると、プラズマ処理装置1におけるエッチング処理を終了する。(図3のステップS4:エッチング処理の停止)。
エッチング処理が施された基板Wは、その後、図示しない基板搬送機構によりプラズマ処理チャンバ10から搬出され(図3のステップS5:基板Wの搬出)、基板Wに対する一連のプラズマ処理が終了する。
<本開示の技術の作用効果>
図5は、実施例に係るエッチング処理結果の傾向を一例として示す説明図である。図5(a)はCH2F2ガスのみを供給した場合(参考例1)、図5(b)はCH2F2ガスとC3H2F4ガスを混合して供給した場合(実施例1)、図5(c)はC3H2F4ガスのみを供給した場合(実施例2)、におけるエッチングホールHの側壁に対するポリマーPの形成量をそれぞれ示す。なお、図5(b)及び(c)では、ポリマーの形成量を、参考例1におけるポリマーの形成量を基準値「1」とした場合における比率でそれぞれ示している。
また図6は、実施例に係るエッチング処理結果の傾向を一例として示す説明図である。図6(a)は、CH2F2ガスのみを供給した場合におけるエッチングホールHのCD値の傾向を示したものである(参考例2)。図6(b)は、CH2F2ガスとC3H2F4ガスを混合して供給した場合におけるエッチングホールHのCD値の傾向を示したものである(実施例3)。
図5は、実施例に係るエッチング処理結果の傾向を一例として示す説明図である。図5(a)はCH2F2ガスのみを供給した場合(参考例1)、図5(b)はCH2F2ガスとC3H2F4ガスを混合して供給した場合(実施例1)、図5(c)はC3H2F4ガスのみを供給した場合(実施例2)、におけるエッチングホールHの側壁に対するポリマーPの形成量をそれぞれ示す。なお、図5(b)及び(c)では、ポリマーの形成量を、参考例1におけるポリマーの形成量を基準値「1」とした場合における比率でそれぞれ示している。
また図6は、実施例に係るエッチング処理結果の傾向を一例として示す説明図である。図6(a)は、CH2F2ガスのみを供給した場合におけるエッチングホールHのCD値の傾向を示したものである(参考例2)。図6(b)は、CH2F2ガスとC3H2F4ガスを混合して供給した場合におけるエッチングホールHのCD値の傾向を示したものである(実施例3)。
図5に示すように、エッチング処理においてCH2F2ガスに対するC3H2F4ガスの流量比が大きくなるに伴い、エッチングホールHの側壁に対するポリマーPの形成位置が変化していることがわかる。具体的には、供給されるC3H2F4ガスの流量比が増加するに従い、ポリマーPの形成位置がエッチングホールHの上部側(shoulder)から底部側(Btm Side)に遷移していることがわかる。
また、図6に示すように、エッチング処理においてCH2F2ガスに加えてC3H2F4ガスをプラズマ処理空間10sに供給することにより、エッチングホールHに対するボーイングの形成が抑制されることがわかる。具体的には、実施例3におけるBowCD値(エッチングホールHの中程でのCD値)が参考例2におけるBowCD値よりも小さくなっていることがわかる。また、BtmCD値(エッチングホールHの底部でのCD値)が参考例2におけるBtmCD値よりも大きくなっていることがわかる。換言すれば、TopCD値(エッチングホールHの上部でのCD値)、BowCD値、BtmCD値の差が小さくなり、ボーイングが抑制されて高アスペクト比のエッチングホールHが適切に形成されたことがわかる。
このように、エッチング処理においてエッチングガスとしてC3H2F4ガスを用いることで、反応生成物であるポリマーの形成位置をエッチングホールHの底部側へと遷移させ、当該エッチングホールHに生じるボーイングを改善できる。
これは、C3H2F4ガスの反応性がCH2F2ガスと比較して小さいことに起因するものと考えられる。具体的には、ポリマーの形成位置がエッチングホールHの上部側からボーイングの発生位置である側壁面へと遷移することで、当該エッチングホールHの側壁面が保護されてボーイングの発生が抑制される。また、高アスペクト比のエッチングホールHの底部に到達するイオン量が増加することで、エッチングホールHの底部におけるエッチングが促進される。
これは、C3H2F4ガスの反応性がCH2F2ガスと比較して小さいことに起因するものと考えられる。具体的には、ポリマーの形成位置がエッチングホールHの上部側からボーイングの発生位置である側壁面へと遷移することで、当該エッチングホールHの側壁面が保護されてボーイングの発生が抑制される。また、高アスペクト比のエッチングホールHの底部に到達するイオン量が増加することで、エッチングホールHの底部におけるエッチングが促進される。
また本実施形態においては、上述したようにバイアス用の高周波電力LFを、例えば20kW以上のパルス波で下部電極に供給する。これにより、当該高周波電力LFのON時間においてはエッチングホールHにイオンを引き込んでエッチングを進行させることができ、OFF時間においてはエッチングホールHにイオンを引き込まずにエッチングホールHの側壁に保護膜としてのポリマーを均一かつ強固に生成できる。換言すれば、OFF時間において形成されたポリマーにより、ON時間におけるエッチングホールHの側壁を保護することができ、これによりボーイングの発生が抑制される。
続いて図7は、実施例に係るエッチング処理結果の傾向を一例として示す説明図である。図7(a)はCH2F2ガスのみを供給した場合(参考例3)、図7(b)はCH2F2ガスとC3H2F4ガスを混合して供給した場合(実施例4)、におけるエッチングホールHの深さ(エッチングレート)をそれぞれ示す。なお、図7(b)は、エッチングホールHの深さを、参考例3におけるエッチングホールHの深さを基準値「1」とした場合における比率で示したものである。
なお実施例4においては、参考例3とのエッチングレートの比較を適切に行うため、参考例3と同一の処理条件(処理時間、処理圧力、処理温度等)でプラズマ処理を行うとともに、処理ガス中のO2ガス比率を調整することでネックCD値が一様となるように調整を行った。
なお実施例4においては、参考例3とのエッチングレートの比較を適切に行うため、参考例3と同一の処理条件(処理時間、処理圧力、処理温度等)でプラズマ処理を行うとともに、処理ガス中のO2ガス比率を調整することでネックCD値が一様となるように調整を行った。
図7に示すように、エッチング処理においてCH2F2ガスに加えてC3H2F4ガスをプラズマ処理空間10sに供給することにより、エッチングホールHの形成速度、すなわちエッチングレート(時間当たりのエッチング量)が大きくなることがわかる。具体的には、本発明者らが検討を行ったところ、エッチングガスとしてC3H2F4ガスを処理ガスに混合することにより、(a)参考例3に対して、エッチングレートを5%以上(図示の例では6%)向上できることがわかった。
これは、上述したように、高アスペクト比のエッチングホールHの底部に到達するイオン量が増加することで、エッチングホールHの底部におけるエッチングが促進されたことに起因するものと考えられる。
これは、上述したように、高アスペクト比のエッチングホールHの底部に到達するイオン量が増加することで、エッチングホールHの底部におけるエッチングが促進されたことに起因するものと考えられる。
続いて図8は、C3H2F4ガスを含む第1の処理ガスを用いた場合における、エッチング対象層Eのエッチングレート(横軸)とシリコン系チャンバ内部材のエッチングレート(縦軸)を表すグラフである。図8中において実線は第1の処理ガスを用いた場合(実施例5)、破線は第1の処理ガスを用いない場合(参考例4)、におけるエッチング対象層E及びシリコン系チャンバ内部材のエッチングレートをそれぞれ示す。
エッチング対象層Eのエッチング処理(図3のステップS2及びステップS3)に際しては、エッチング対象層Eのエッチングと同時にプラズマ処理チャンバ10の内部に配置されたシリコン系の部材(例えばシャワーヘッド13やリングアセンブリ112等)がエッチングされ、消耗する。そして、このようにシリコン系チャンバ内部材が消耗した場合、プラズマ処理チャンバ10の内部におけるプラズマの生成環境が変化し、基板Wに対して均一なエッチング処理結果を得られなくなるおそれがある。
この点、本実施形態にかかるエッチング処理においては、第1のハイドロフルオロカーボンガスとしてのC3H2F4ガスを含む第1の処理ガスを用いて基板Wのエッチング処理を行うことにより、シリコン系チャンバ内部材の消耗を低減できる。具体的には、図8に示したように、エッチングガスとしてC3H2F4ガスを処理ガスに混合することにより、参考例4と比較してエッチングレートを向上(図7に示したように5%以上向上)させつつ、シリコン系チャンバ内部材の消耗(エッチングレート)を50%程度に低減できることがわかった。
これは、上述したように、C3H2F4ガスがフッ素置換基(実施の形態ではトリフルオロメチル基)を含むことでエッチングレートが向上すると共に、不飽和結合(実施の形態ではCの2重結合)を含むことでシリコン系チャンバ内部材の表面に保護膜としてのポリマーを形成できることに起因するものと考えられる。
これは、上述したように、C3H2F4ガスがフッ素置換基(実施の形態ではトリフルオロメチル基)を含むことでエッチングレートが向上すると共に、不飽和結合(実施の形態ではCの2重結合)を含むことでシリコン系チャンバ内部材の表面に保護膜としてのポリマーを形成できることに起因するものと考えられる。
以上、図5~図7に示す結果からわかるように、エッチング処理においてエッチングガスとしてC3H2F4ガスを用いることで、エッチングホールHの側壁に対するボーイングの発生が抑制される。また、当該エッチング処理におけるエッチングレートを向上できる。
また本実施形態によれば、上述したように第1のハイドロフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスを用いたプラズマ処理(ステップS2)とフルオロカーボンガスを含む第2の処理ガスを用いたプラズマ処理(ステップS3)とを交互に繰り返し行うことにより、エッチング対象層Eとしての第1領域R1及び第2領域R2の双方に、適切にエッチングホールHを形成できる。
また本実施形態によれば、図8に示す結果から分かるように、エッチング処理においてエッチングガスとしてC3H2F4ガスを用いることで、エッチングレートが向上させつつ、シリコン系チャンバ内部材の消耗を低減できる。
なお、以上の実施形態によれば、エッチング処理において、第1のハイドロフルオロカーボンガスと、第2のハイドロフルオロカーボンガスを組み合わせて使用し、かつ、各ハイドロフルオロカーボンガスの流量を制御することで、エッチングホールHに対するポリマーの形成位置を適宜調整することができる。
なお、以上の実施形態においては、上述のようにエッチング対象層Eが、シリコン酸化膜SiOとシリコン窒化膜SiNとが交互に積層された多層膜ONを有する第1領域R1と、単層のシリコン酸化膜SiOを有する第2領域R2と、を含む場合を例に説明を行ったが、基板Wに形成されるエッチング対象層Eの種類はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば基板Wの表面にエッチング対象層として第1領域R1(シリコン酸化膜SiOとシリコン窒化膜SiNとが交互に積層された多層膜ON)のみが形成されている場合であっても、以上の実施形態にかかるプラズマ処理を実行することができる。
また、上記実施形態においては第1領域R1と第2領域R2とに形成されるエッチングホールHの深さを均一に制御するためにステップS2とステップS3を交互に繰り返して実行したが、このようにエッチング対象層として第1領域R1のみが形成される場合、第2領域が優先的にエッチングされるステップS3は、適宜省略されてもよい。また、このように第1領域R1のみが形成される場合、ステップS3と比較してステップS2の処理時間が長くなるように、ステップS2とステップS3の処理時間の比率を適宜変更してもよい。
なお、以上の実施形態においては、エッチング対象層Eに対してマスクパターンとしてのエッチングホールHを形成する場合を例に説明を行ったが、エッチング対象層Eに形成されるパターニング形状はホール形状に限定されるものではなく、例えばトレンチ形状であってもよい。
なお、以上の実施形態においては、第1のハイドロフルオロカーボンガスが含む不飽和結合がCの2重結合、フッ素置換基がトリフルオロメチル基(―CF3)である場合を例に説明を行ったが、第1のハイドロフルオロカーボンガスの構造はこれに限定されない。すなわち、例えば第1のハイドロフルオロカーボンガスが含む不飽和結合がCの3重結合であってもよいし、フッ素置換基は任意のフルオロメチル基(―CFx)であり得る。また、例えば第1のハイドロフルオロカーボンガスに含まれる不飽和結合やフルオロメチル基の数も1つには限定されない。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 プラズマ処理装置
10 プラズマ処理チャンバ
10s プラズマ処理空間
11 基板支持体
31 RF電源
ON 多層膜
SiO シリコン酸化膜
R1 第1領域
R2 第2領域
SiN シリコン窒化膜
W 基板
10 プラズマ処理チャンバ
10s プラズマ処理空間
11 基板支持体
31 RF電源
ON 多層膜
SiO シリコン酸化膜
R1 第1領域
R2 第2領域
SiN シリコン窒化膜
W 基板
Claims (20)
- (a)チャンバ内の基板支持体上に、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とを含む基板を提供する工程と、
(b)ハイドロフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスから生成されたプラズマにより、前記基板をエッチングする工程と、
を備え、
前記ハイドロフルオロカーボンガスは、CxHyFz(xは2以上の整数を表し、y及びzは1以上の整数を表す。)で表され、不飽和結合を有する第1のハイドロフルオロカーボンガスを含む、エッチング方法。 - 第1のハイドロフルオロカーボンガスはフルオロメチル基(―CFx)を有する、請求項1に記載のエッチング方法。
- 前記第1のハイドロフルオロカーボンガスは、C3H2F4である、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
- 前記第1の処理ガスは、前記第1のハイドロフルオロカーボンガスと異なる第2のハイドロフルオロカーボンガスをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載のエッチング方法。
- 前記第2のハイドロフルオロカーボンガスは、不飽和結合を有さない、請求項4に記載のエッチング方法。
- 前記第2のハイドロフルオロカーボンガスは、前記第1のハイドロフルオロカーボンガスよりも分子量が小さい、請求項4又は5に記載のエッチング方法。
- 前記(b)において、前記第2のハイドロフルオロカーボンガスに対する前記第1のハイドロフルオロカーボンガスの流量比は0.3以上0.5以下である、請求項4~6のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記第2のハイドロフルオロカーボンガスは、CH2F2及びCHF3の群から選択される少なくとも1種である、請求項4~7のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- (c)フルオロカーボンガスを含む第2の処理ガスから生成したプラズマにより、前記基板をエッチングする工程、を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記第2の処理ガスは、前記第1のハイドロフルオロカーボンガスを含まない、又は前記第1の処理ガスの総流量に対する前記第1のハイドロフルオロカーボンガスの流量比と異なる流量比で前記第1のハイドロフルオロカーボンガスを含む、請求項9に記載のエッチング方法。
- 前記第2の処理ガスは、前記第1のハイドロフルオロカーボンガスと異なる第3のハイドロフルオロカーボンガスを含む、請求項9又は10に記載のエッチング方法。
- 前記第3のハイドロフルオロカーボンガスは、不飽和結合を有さず、前記第1のハイドロフルオロカーボンガスよりも分子量が小さい、請求項11に記載のエッチング方法。
- 前記(b)及び前記(c)を交互に繰り返す、請求項9~12のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記(c)における処理時間に対する前記(b)における処理時間の比率は2以上3以下である、請求項13に記載のエッチング方法。
- 前記第1の処理ガスは、フルオロカーボンガスを更に含む、請求項1~14のいずれか一項のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記フルオロカーボンガスは、C4F6ガス、CF4ガス、C4F8ガス及びC3F8ガスの群から選択される少なくとも1種である、請求項9~15のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記第1の処理ガスは、COガス、COSガス、O2ガス、NF3ガス及びSF6ガスの群から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記(b)において、前記基板支持体に20kW以上のバイアス用の高周波電力を供給する、請求項1~17のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 前記基板の表面に有機系又はボロン系のマスクを有する、請求項1~18のいずれか一項に記載のエッチング方法。
- 処理チャンバと、
前記処理チャンバの内部に設けられ、基板を保持する基板支持体と、
前記基板に施されるエッチング処理を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
(a)前記基板支持体の上に、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層された多層膜を有する第1領域と、単層のシリコン酸化膜を有する第2領域とを含む前記基板を提供する工程と、
(b)ハイドロフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスから生成されたプラズマにより、前記基板をエッチングする工程と、
を含み、
前記制御部は、
前記ハイドロフルオロカーボンガスが、CxHyFz(xは2以上の整数を表し、y及びzは1以上の整数を表す。)で表され、不飽和結合を有する第1のハイドロフルオロカーボンガスを含むように、前記エッチング処理を制御する、エッチング処理装置。
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