JP2024013628A - エッチング方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Masanori Hosoya
大亮 西出
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Abstract

【課題】マスクを保護し、エッチング形状を制御する。【解決手段】チャンバに結合され、RFソース信号を供給するRFソース電源と、電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するバイアス電源と、チャンバ内にガスを供給するガス供給部とを備えるプラズマ処理装置で実行するエッチング方法であり、(a)凹部を持つマスクと対象膜を有する基板を準備し、(b)RFソース信号を供給し、第1電力レベルのRFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号とハロゲン含有第1ガスを供給し、プラズマにより凹部に保護膜を形成し、対象膜をエッチングし、(c)RFソース信号を供給し、第1電力レベルよりも低い第2電力レベルのRFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号と第2ガスを供給し、プラズマにより保護膜を除去し、凹部の底部を幅方向にエッチングし、(b)と(c)を順に実行する。【選択図】図4

Description

本開示は、エッチング方法及びプラズマ処理装置に関する。
例えば、特許文献1では、エッチング優位の期間及び堆積優位の期間を持つエッチング方法を提案している。そのエッチング方法では、プラズマ生成領域に、二様態プロセスガス組成が供給され、プラズマを生成し、基板に対してエッチング優位の効果を引き起こすために、第1の期間にわたり、第1の高周波数電力を二様態プロセスガス組成に供給する。プラズマを生成し、基板に対して堆積優位の効果を引き起こすために、第1の期間の終了後の第2の期間にわたり、第2の高周波数電力を二様態プロセスガス組成に供給する。第1の高周波数電力及び第2の高周波数電力は、基板上で露出している標的材料を所要の量だけ除去するために必要とされる全期間にわたり、交互に且つ連続して供給される。
特開2017-112350号公報
本開示は、マスクを保護し、凹部のエッチング形状を制御することができる技術を提供する。
本開示の一の態様によれば、プラズマ処理チャンバと、前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、電極を有する基板支持部と、前記プラズマ処理チャンバに結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、前記電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、を備えるプラズマ処理装置において実行するエッチング方法であって、(a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、(b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、(c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を有し、前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行する、エッチング方法が提供される。
一の側面によれば、マスクを保護し、凹部のエッチング形状を制御することができる。
一実施形態に係るプラズマ処理システムの一例を示す図。 従来のエッチング方法の課題を説明するための図。 一実施形態に係るエッチング方法を説明するための図。 一実施形態に係るエッチング方法の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[プラズマ処理システム]
以下に、プラズマ処理システムの構成例について説明する。図1は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
プラズマ処理システムは、容量結合型のプラズマ処理装置1及び制御装置2を含む。容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF(Radio Frequency)電源31及び/又はDC(Direct Current)電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。上部電極は、基板支持部11の上方に配置される。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ処理チャンバ10において1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。第1のRF生成部31aは、上部電極又は下部電極に結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源の一例である。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号(DCバイアス信号)を生成するように構成される。生成された第1のバイアスDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
制御装置2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御装置2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御装置2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御装置2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御装置2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
[膜構造]
エッチング対象となる基板W上の膜構造としては、凹部を有するマスクの下層にエッチング対象膜が形成されている膜であればよい。マスクは、メタル(ハード)マスク、カーボンマスク、シリコンマスク、金属含有マスク等、いかなる材質のマスクであってもよい。凹部は、トレンチ、ビア、コンタクト形状等のいずれの形状であってもよい。
マスクの下層に形成されたエッチング対象膜についても、Low-k膜、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)等のシリコン含有膜、シリコン膜など、いかなる材質のエッチング対象膜であってもよい。
以下では、図2に示す膜構造を一例とする。基板Wは、シリコン基板100上に下から順にLow-k膜101、シリコン酸化膜102、メタルハードマスク(以下、マスク103という。)の膜構造を有する。Low-k膜101及びシリコン酸化膜102はシリコン対象膜である。本例では、シリコン対象膜は異なる2層の膜からなるが、1層以上の膜からなっていてもよい。
従来のエッチング方法では、図2(a)に示すように、マスク103に形成されたパターン(凹部)にシリコン酸化膜102、Low-k膜101をエッチングし、凹部104にトレンチやビアやコンタクト形状を形成する。このとき、例えば、シリコン酸化膜102等のエッチング対象膜に対するマスク103の選択比をとるために、エッチングガスにはCHガス及びCガス等の堆積成分を有するガスを使用する。このため、マスク103に堆積物が堆積し、マスク103の選択比は所望の値を維持でき、すなわち、マスク103の選択比を確保することができる。ところが、図2(a)の中央に示すようにガスの堆積成分によりマスク103等の側面が凹部104の開口が広がるようにテーパー形状になり、マスク103等の形状が先細りする場合がある。この結果、図2(b)に示すように、テーパー形状のマスク103下のシリコン酸化膜102及びLow-k膜101の垂直性が確保できず、隣り合う凹部104がつながる欠陥が発生する。
マスク103の側壁を垂直にするためには、堆積成分の少ないガスを使用することや、RFバイアス電力を上げる等の手法が考えられる。しかし、堆積成分の少ないガスを使用するとマスク103上に保護膜を形成できず、また、RF電力を上げるとマスク103へのイオンの衝突が増え、いずれもマスク103の選択比がとれない。
よって、マスク103の選択比は所望の値を維持しつつ、トレンチの角度(例えば図2(a)のθ1)を90°にする又は90°に近づけ、凹部104のエッチング形状の垂直性を保つ必要がある。そこで、本開示のエッチング方法では、まず、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101のエッチング工程(以下、第1エッチング工程とする)を実行する。その後、トレンチの角度θ1を90°にする又は90°に近づけるためのエッチング工程(以下、第2エッチング工程とする)を実行する。以下に本開示のエッチング方法を詳述する。
[エッチング方法の概要]
一実施形態に係るエッチング方法の概要について、図3を参照しながら説明する。図3は、一実施形態に係るエッチング方法を説明するための図である。本開示のエッチング方法では、第1エッチング工程の2つのステップを1回以上実行した後、第2エッチング工程の2つのステップを1回以上実行する。
(第1エッチング工程)
第1エッチング工程では、堆積成分の多いガスを使用するステップ(以下、堆積優位ステップともいう)と、堆積成分の少ないガスを使用するステップ(以下、エッチング優位ステップともいう)と、を設定回数m(m≧1)実行する。
第1エッチング工程の堆積優位ステップでは、RFソース電力を供給し、RFバイアス電力を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスを供給する。第1ガスは、CとFを含有するガスでもよいし、CとClを含有するガスでもよい。例えば、CHガス及びCガスを含んでもよい。なお、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101がエッチング対象膜である場合、第1ガスは、CとFを含有するガスである必要がある。
そして、第1ガスのプラズマにより凹部104に保護膜105を形成しながら、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101がエッチングされる。これにより、マスク103の選択比をとりながら(マスク103をある程度残しながら)、エッチング対象膜をエッチングすることができる。
図3(a)は、第1エッチング工程の堆積優位ステップを実行した結果の一例を示す。凹部104にC及びFを含有する保護膜105を形成しながら、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101をエッチングできている。
第1エッチング工程のエッチング優位ステップでは、RFソース電力を供給し、RFバイアス電力を供給し、第2ガスを供給する。第2ガスは、例えば、酸素(O)ガスを含んでもよいし、更にArガス等の希釈ガスを含んでもよい。そして、第2ガスのプラズマにより凹部104の保護膜を除去し、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101をエッチングする。なお、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101がエッチング対象膜である場合、第2ガスは、Oを含有するガスである必要がある。
図3(b)は、第1エッチング工程のエッチング優位ステップを実行した結果の一例を示す。エッチング優位ステップでは、Oラジカルにより保護膜105中のCとFとを揮発させ、保護膜105を除去する。また、Arイオン201等を保護膜105に衝突させて、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101をエッチングする。
第1エッチング工程の堆積優位ステップとエッチング優位ステップとを、この順で設定回数m(m≧1)実行し、その後、第2エッチング工程を実行する。第1エッチング工程の堆積優位ステップとエッチング優位ステップとを、この順で複数回繰り返し実行してもよい。第1エッチング工程の堆積優位ステップとエッチング優位ステップとを繰り返し実行することで、マスク103の選択比を確保しながらエッチング対象膜のエッチングを促進させることができる。なお、第1エッチング工程の実行順は、堆積優位ステップが実行された後にエッチング優位ステップが実行され、その逆の順番で実行されることはない。また、第1エッチング工程は、必ずエッチング優位ステップの実行直後に終了し、堆積優位ステップの実行直後に終了することはない。
(第2エッチング工程)
第2エッチング工程では、堆積成分の多いガスを使用するステップ(以下、堆積優位ステップともいう)と、凹部の幅方向にエッチングを行うステップ(以下、形状加工ステップともいう)と、を設定回数n(n≧1)実行する。
第2エッチング工程の堆積優位ステップでは、RFソース電力を供給し、第1の電力レベルのRFバイアス電力を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスを供給する。そして、第1ガスのプラズマにより凹部104に保護膜を形成しながら、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101をエッチングする。
図3(c)は、第2エッチング工程の堆積優位ステップを実行した結果の一例を示す。凹部104にC及びFを含有する保護膜105を形成しながら、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101がエッチングされる。
第2エッチング工程の形状加工ステップでは、RFソース電力を供給し、第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルのRFバイアス電力を供給し、第2ガスを供給する。そして、第2ガスのプラズマにより凹部104の保護膜を除去し、凹部104の底部を幅方向にエッチングする。
形状加工ステップにおいて、RFバイアス電力の第2の電力レベルは、エッチング対象膜を深さ方向にエッチングしないレベルであってよい。第2の電力レベルは、第2ガスのプラズマ中のイオンが、凹部104の底部に形成された保護膜105の下のエッチング対象膜まで到達するエネルギーよりも低いエネルギーのレベルであってよい。第2の電力レベルは、50ev以下のエネルギーのレベルであってよい。第2の電力レベルは、0W以上100W以下であってよい。ただし、第2の電力レベルは、0Wであることが好ましい。これにより、Oラジカル212等により保護膜105を除去し(図3(d))、凹部104の底部を幅方向にエッチングする(図3(e))。これにより、凹部104の角度を90°にする又は90°に近づけ、垂直形状に加工することができる。
形状加工ステップにおいて、RFバイアス電力の第2の電力レベルを0W~100W程度に制御すると、RFソース電力により生成されたプラズマ中のイオンを基板W側に引き込む力が生じない又はわずかな力になる。このとき主にエッチングに寄与するのは、ほとんど運動エネルギーをもたないラジカルとなる。つまり、イオンによる物理的エッチングは行われず、ラジカルによる化学的エッチングが支配的となる。このため凹部104の底部に形成された保護膜105の下層のLow-k膜101までラジカルが到達できない。このため、Low-k膜101を垂直方向にエッチングすることはできず、凹部104の底部を幅方向にエッチングする。凹部104の底部やその付近の側部は、保護膜105が薄いためラジカルによりエッチングされる(図3(e)の106)。これにより、凹部104は垂直方向(縦方向)にエッチングされず、凹部104の深さは維持したまま凹部104は幅方向(横方向)にエッチングされる。この結果、凹部104の垂直性が高まる。
例えば、第2ガスは、酸素(O)ガスを含有してもよい。第2ガスのプラズマに含まれる酸素ラジカルにより凹部104の保護膜を除去し、凹部104を幅方向にエッチングすることができる。
第2エッチング工程の堆積優位ステップと形状加工ステップとを、この順で設定回数n(n≧1)実行し、エッチングを終了する。第2エッチング工程の堆積優位ステップと形状加工ステップとをこの順で複数回繰り返し実行してもよい。第2エッチング工程の堆積優位ステップと形状加工ステップとを繰り返し実行することで、マスク103の選択比を確保しながらトレンチの角度θ1を約90°にし、凹部104を垂直形状に加工することができる。なお、第2エッチング工程の実行順は、堆積優位ステップが実行された後に形状加工ステップが実行され、その逆の順番で実行されることはない。また、第2エッチング工程は、必ず形状加工ステップの実行直後に終了し、堆積優位ステップの実行直後に終了することはない。
[プロセス条件]
以下にプロセス条件の一例を示す。
(第1エッチング工程のプロセス条件)
<堆積優位ステップ>
RFソース電力 上部電極又は下部電極へ供給
RFバイアス電力 下部電極へ供給
第1ガス Arガス、Nガス、CHガス、Cガス
<エッチング優位ステップ>
RFソース電力 上部電極又は下部電極へ供給
RFバイアス電力 下部電極へ供給
第2ガス Arガス、Nガス、CHガス、Oガス
(第2エッチング工程のプロセス条件)
<堆積優位ステップ>
RFソース電力 上部電極又は下部電極へ供給
RFバイアス電力 下部電極へ供給(第1の電力レベル>第2の電力レベル)
第1ガス Arガス、Nガス、CHガス、Cガス
<形状加工ステップ>
RFソース電力 上部電極又は下部電極へ供給
RFバイアス電力 下部電極へ供給(第2の電力レベル=0W~100W)
第2ガス Arガス、Nガス、CHガス、Oガス
<ガス種>
第1エッチング工程の第1ガスと、第2エッチング工程の第1ガスとは、同一ガスである。ただし、第1エッチング工程の第1ガスと、第2エッチング工程の第1ガスとは異なるガスであってもよい。Low-k膜101又はシリコン酸化膜102をエッチングする場合、第1ガスには少なくともCとFを含有するガスが含まれる。CとFを含有するガス(CHxFyガス又はCHxFyガス)の一例としては、CHFガスが挙げられる。膜種によっては、FをClに代えて、CとClを含有するガスを使用してもよい。Fラジカル等の作用により化学的エッチングが促進され、Arイオン等の作用により物理的エッチングが促進される。また、エッチングにより生成された反応副生成物であるC及びFが堆積して保護膜105が形成される。
Arガスは、希釈ガスの一例であり、他の希釈ガスを用いてもよい。また、第1ガス中にArガスは含まれてもよいし、含まれなくてもよい。同様にして第1ガス中にNガスは含まれてもよいし、含まれなくてもよい。同様にして第1ガス中にCHガスは含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
第1エッチング工程の第2ガスと、第2エッチング工程の第2ガスとは、同一ガスである。ただし、第1エッチング工程の第2ガスと、第2エッチング工程の第2ガスとは異なるガスであってもよい。Low-k膜101又はシリコン酸化膜102をエッチングする場合、第2ガスには少なくともOを含有するガスが含まれる。Oを含有するガスの一例としては、Oガスが挙げられる。Oラジカルにより保護膜105中のCとFとを揮発させ、保護膜105を除去することができる。また、CHガスにより、揮発中のCとFの比率を制御できる。
Arガスは、希釈ガスの一例であり、他の希釈ガスを用いてもよい。また、第2ガス中にArガスは含まれてもよいし、含まれなくてもよい。同様にして第2ガス中にNガスは含まれてもよいし、含まれなくてもよい。同様にして第2ガス中にCHガスは含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
<第2の電力レベル>
形状加工ステップでは、イオンの運動エネルギーをなくす、又は最小限にしたエッチャントを生成することが好ましい。このため、形状加工ステップの第2の電力レベルは、0W~100Wの範囲であればよい。これにより、イオンの運動エネルギーを極力抑えたエッチャントを生成することができる。ただし、第2の電力レベルは、0Wであることが最も好ましい。これにより、イオンの運動エネルギーを最小限にしたエッチャントを生成することができる。この結果、図3(e)に示すトレンチの角度θ1を90°にする又は90°に近づけ、トレンチを垂直形状に加工することができる。
<効果の一例>
例えば、上記プロセス条件に設定し、形状加工ステップの第2の電力レベルを0Wに設定して、第1エッチング工程の堆積優位ステップ及びエッチング優位ステップ(10秒程度)を20~30回程度繰り返した。その後、第2エッチング工程の堆積優位ステップ及び形状加工ステップ(10秒程度)を10回程度繰り返した。
この結果、第1エッチング工程の実行後であって第2エッチング工程の実行前には、図3(e)に示すトレンチの角度θ1が86.1°であったのに対して、第2エッチング工程の実行後には、角度θ1が88.2°に改善することができた。また、凹部104の底部の保護膜105により、第2エッチング工程の形状加工ステップにおいて凹部104の底部の垂直方向のエッチングを行うことなく、凹部104の幅方向のエッチングのみを行い、トレンチの角度を90°に近づけることができた。これにより、トレンチを垂直形状に加工することができた。
[エッチング方法]
一実施形態に係るエッチング方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、一実施形態に係るエッチング方法の一例を示すフローチャートである。図4のエッチング方法は、制御装置2により制御され、プラズマ処理装置1により実行される。
(基板の準備)
本処理が開始されると、まず、ステップS1において、凹部104が形成されたマスク及びエッチング対象膜を有する基板Wを基板支持部11に載置し、準備する。
(第1エッチング工程の堆積優位ステップ)
次に、ステップS3~S7において、第1エッチング工程の堆積優位ステップが実行される。ステップS3において、ガス供給部20から第1ガスを供給する。例えば第1ガスとしてArガス、Nガス、CHガス、Cガスが供給される。
次に、ステップS5において、RF電源31から例えば上部電極にRFソース電力を供給し、下部電極にRFバイアス電力を供給する。RFソース電力は下部電極に供給してもよい。
次に、ステップS7において、凹部104にCとFを含有する保護膜105を形成しながら、凹部104をエッチングする(図3(a)参照)。
(第1エッチング工程のエッチング優位ステップ)
次に、ステップS9~S11において、第1エッチング工程のエッチング優位ステップが実行される。ステップS9において、ガス供給部20から第1ガスの供給を停止し、第2ガスを供給する。例えば第2ガスとしてArガス、Nガス、CHガス、Oガスが供給される。
次に、ステップS11において、Oラジカルにより凹部104に形成された保護膜105中のCとFとを揮発させ、保護膜105を除去しながら、Arイオン201等を保護膜105に衝突させる。これにより、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101をエッチングする(図3(b)参照)。
次に、ステップS13において、第2ガスの供給を停止し、ステップS15において、設定回数m実行したかを判定する。設定回数mには1以上の値が予め設定されている。ステップS15において、設定回数m実行したと判定されるまで、ステップS3~S13の処理が繰り返され(図3(a)、(b)参照)、設定回数m実行したと判定されるとステップS17に進む。
(第2エッチング工程の堆積優位ステップ)
次に、ステップS17~S19において、第2エッチング工程の堆積優位ステップが実行される。第2エッチング工程の堆積優位ステップのプロセス条件は同じであってよい。ステップS17において、ガス供給部20から第1ガスを供給する。例えば第1ガスとしてArガス、Nガス、CHガス、Cガスが供給される。
次に、ステップS19において、凹部104にCとFを含有する保護膜105を形成しながら、凹部104をエッチングする(図3(c)参照)。
(第2エッチング工程の形状加工ステップ)
次に、ステップS21~S25において、第2エッチング工程の形状加工ステップが実行される。ステップS21において、ガス供給部20から第1ガスの供給を停止し、第2ガスを供給する。例えば第2ガスとしてArガス、Nガス、CHガス、Oガスが供給される。
次に、ステップS23において、RF電源31から例えば上部電極にRFソース電力を供給しつつ、下部電極へのRFバイアス電力を0Wにする。これにより、Oラジカル212等により凹部104に形成された保護膜105中のCとFとを揮発させ、保護膜105を除去する。第1エッチング工程のエッチング優位ステップでは、Arイオン201等を保護膜105に衝突させて、シリコン酸化膜102及びLow-k膜101をエッチングした(図3(b)参照)。
第2エッチング工程の形状加工ステップでは、この代わりに、ステップS23において、RFバイアス電力を0Wに制御して、Arイオン等にエネルギーを与えない。これにより、凹部104の深さ方向のエッチングは行われない。また、ステップS25において、Oラジカル212等により保護膜105を除去する。イオンによるシリコン酸化膜102及びLow-k膜101の縦方向(凹部104の深さ方向)のエッチングは行われない(図3(d)参照)。保護膜105の除去時に保護膜105中のCとFが微量再解離し、その微量なFラジカルを使用して凹部104が幅方向(横方向)にエッチングされる(図3(e)参照)。これにより、Low-k膜101の凹部104の底部の側壁部分106がエッチングされ、凹部104の角度を90°にする又は90°に近づけ、垂直形状に加工することができる。
次に、ステップS27において、第2ガスの供給を停止し、ステップS29において、設定回数n実行したかを判定する。設定回数nには1以上の値が予め設定されている。ステップS15において、設定回数n実行したと判定されるまで、ステップS17~S27の処理が繰り返され(図3(c)~(e)参照)、設定回数n実行したと判定されると本処理を終了する。
以上に説明したように、本実施形態のエッチング方法及びプラズマ処理装置1によれば、マスクを保護し、エッチング対象膜のエッチング形状を制御することができる。
本開示のエッチング方法を実行する装置は、Atomic Layer Deposition(ALD)装置、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のいずれのタイプのプラズマ処理装置1にも適用可能である。
<電力供給例1:RFソース電力をICP装置のアンテナに供給>
例えばInductively Coupled Plasma(ICP)では、プラズマ処理チャンバの上部にアンテナが設けられ、RFソース電力はアンテナに供給される。この場合、ICPプラズマ処理装置において、以下のエッチング方法が実行され得る。
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、電極を有する基板支持部と、
前記プラズマ処理チャンバ(アンテナ)に結合され、RFソース電力を供給するように構成されるRFソース電源と、
前記電極に結合され、RFバイアス電力を供給するように構成されるRFバイアス電源と、
前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、を備えるプラズマ処理装置におい以下のエッチング方法が実行される。
エッチング方法は、
(a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
(b)前記RFソース電力を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス電力を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
(c)前記RFソース電力を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス電力を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を有し、
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行する。
<電力供給例:RFソース電力をCCP装置の下部電極に供給>
RFソース電力は、下部電極(基板支持部11)に供給してもよい。この場合、本質的にイオンの運動エネルギーをなくすことはできない。このため、例えばプラズマ処理チャンバ10内の圧力を上げてイオンとガスとの衝突エネルギーを上げることで、イオンの運動エネルギーを低下させ、縦方向のエッチングをさせないようにしてもよい。ただし、第2の電力レベルは、0W~100Wの範囲に制御する。下部電極にRFソース電力を供給する場合には、充分に高周波(100MHz等)であって、基板W上にかかる自己バイアス電圧Vdcが十分に低い状態に制御する、又はプラズマ処理チャンバ10内を高圧にする必要がある。これにより、図3(e)に示すトレンチの角度θ1を90°にする又は90°に近づけ、トレンチを垂直形状に加工することができる。
今回開示された実施形態に係るエッチング方法及びプラズマ処理装置は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本明細書に開示の半導体製造装置は、一枚ずつ基板を処理する枚葉装置、複数枚の基板を一括処理するバッチ装置及びセミバッチ装置のいずれにも適用できる。
本明細書に開示の半導体製造装置が行う基板処理は、例えば、成膜処理、エッチング処理等が挙げられる。
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、電極を有する基板支持部と、
前記プラズマ処理チャンバに結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、
前記電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、
前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
を備えるプラズマ処理装置において実行するエッチング方法であって、
(a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
(b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
(c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を有し、
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行する、エッチング方法。
(付記2)
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で複数回実行する、
付記1に記載のエッチング方法。
(付記3)
前記第2の電力レベルは、前記エッチング対象膜を深さ方向にエッチングしないエネルギーのレベルである、
付記1又は付記2に記載のエッチング方法。
(付記4)
前記第2の電力レベルは、前記第2ガスのプラズマ中のイオンが、前記凹部の底部に形成された前記保護膜の下の前記エッチング対象膜まで到達するエネルギーよりも低いエネルギーのレベルである、
付記1~3のいずれか一項に記載のエッチング方法。
(付記5)
前記第2の電力レベルは、50ev以下のエネルギーのレベルである、
付記1~4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
(付記6)
前記第2の電力レベルは、0W以上100W以下である、
付記1~5のいずれか一項に記載のエッチング方法。
(付記7)
前記(c)の工程において、前記第2ガスは、酸素(O)ガスを含有し、前記第2ガスのプラズマに含まれる酸素ラジカルにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部を幅方向にエッチングする、
付記1~6のいずれか一項に記載のエッチング方法。
(付記8)
(d)前記RFソース信号を供給し、前記RFバイアス信号を供給し、前記第1ガスから生成されたプラズマにより凹部に保護膜を形成しながら、エッチング対象膜をエッチングする工程と、
(e)前記RFソース信号を供給し、前記RFバイアス信号を供給し、前記第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を有し、
前記(d)の工程と前記(e)の工程とを、この順で実行した後、前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行する、
付記1~7のいずれか一項に記載のエッチング方法。
(付記9)
前記(d)の工程と前記(e)の工程とを、この順で複数回実行した後、前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で複数回実行する、
付記8に記載のエッチング方法。
(付記10)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、下部電極を有する基板支持部と、
前記基板支持部の上方に配置される上部電極と、
前記上部電極又は前記下部電極に結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、
前記下部電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、
前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
制御装置と、を備えるプラズマ処理装置であって、
前記制御装置は、
(a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
(b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
(c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を含む工程を制御し、
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行するように制御する、プラズマ処理装置。
(付記11)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、電極を有する基板支持部と、
前記プラズマ処理チャンバに結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、
前記電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、
前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
制御装置と、を備えるプラズマ処理装置であって、
前記制御装置は、
(a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
(b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
(c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を含む工程を制御し、
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行するように制御する、プラズマ処理装置。
(付記12)
前記制御装置は、
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で複数回実行する、
付記10又は付記11に記載のプラズマ処理装置。
1 プラズマ処理装置
2 制御装置
2a コンピュータ
2a1 処理部
2a2 記憶部
2a3 通信インターフェース
10 プラズマ処理チャンバ
11 基板支持部
13 シャワーヘッド
21 ガスソース
20 ガス供給部
30 電源
31 RF電源
31a 第1のRF生成部
31b 第2のRF生成部
32a 第1のDC生成部
32b 第2のDC生成部
40 排気システム
101 Low-k膜
102 シリコン酸化膜
103 マスク
104 凹部
105 保護膜
111 本体部
112 リングアセンブリ

Claims (12)

  1. プラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、電極を有する基板支持部と、
    前記プラズマ処理チャンバに結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、
    前記電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、
    前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
    を備えるプラズマ処理装置において実行するエッチング方法であって、
    (a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
    (b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
    (c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を有し、
    前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行する、エッチング方法。
  2. 前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で複数回実行する、
    請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記第2の電力レベルは、前記エッチング対象膜を深さ方向にエッチングしないエネルギーのレベルである、
    請求項1又は請求項2に記載のエッチング方法。
  4. 前記第2の電力レベルは、前記第2ガスのプラズマ中のイオンが、前記凹部の底部に形成された前記保護膜の下の前記エッチング対象膜まで到達するエネルギーよりも低いエネルギーのレベルである、
    請求項1又は請求項2に記載のエッチング方法。
  5. 前記第2の電力レベルは、50ev以下のエネルギーのレベルである、
    請求項1又は請求項2に記載のエッチング方法。
  6. 前記第2の電力レベルは、0W以上100W以下である、
    請求項1又は請求項2に記載のエッチング方法。
  7. 前記(c)の工程において、前記第2ガスは、酸素(O)ガスを含有し、前記第2ガスのプラズマに含まれる酸素ラジカルにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部を幅方向にエッチングする、
    請求項1又は請求項2に記載のエッチング方法。
  8. (d)前記RFソース信号を供給し、前記RFバイアス信号を供給し、前記第1ガスから生成されたプラズマにより凹部に保護膜を形成しながら、エッチング対象膜をエッチングする工程と、
    (e)前記RFソース信号を供給し、前記RFバイアス信号を供給し、前記第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を有し、
    前記(d)の工程と前記(e)の工程とを、この順で実行した後、前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行する、
    請求項1又は請求項2に記載のエッチング方法。
  9. 前記(d)の工程と前記(e)の工程とを、この順で複数回実行した後、前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で複数回実行する、
    請求項8に記載のエッチング方法。
  10. プラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、下部電極を有する基板支持部と、
    前記基板支持部の上方に配置される上部電極と、
    前記上部電極又は前記下部電極に結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、
    前記下部電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、
    前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
    制御装置と、を備えるプラズマ処理装置であって、
    前記制御装置は、
    (a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
    (b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
    (c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を含む工程を制御し、
    前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行するように制御する、プラズマ処理装置。
  11. プラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、電極を有する基板支持部と、
    前記プラズマ処理チャンバに結合され、RFソース信号を供給するように構成されるRFソース電源と、
    前記電極に結合され、RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給するように構成されるバイアス電源と、
    前記プラズマ処理チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
    制御装置と、を備えるプラズマ処理装置であって、
    前記制御装置は、
    (a)凹部が形成されたマスクとエッチング対象膜とを有する基板を前記基板支持部に準備する工程と、
    (b)前記RFソース信号を供給し、第1の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、ハロゲンを含有する第1ガスから生成されたプラズマにより前記凹部に保護膜を形成しながら、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
    (c)前記RFソース信号を供給し、前記第1の電力レベルよりも低い第2の電力レベルの前記RFバイアス信号及び/又はDCバイアス信号を供給し、第2ガスから生成されたプラズマにより前記凹部の保護膜を除去し、前記凹部の底部を幅方向にエッチングする工程と、を含む工程を制御し、
    前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で実行するように制御する、プラズマ処理装置。
  12. 前記制御装置は、
    前記(b)の工程と前記(c)の工程とを、この順で複数回実行する、
    請求項10又は請求項11に記載のプラズマ処理装置。
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