JP2022158074A - モータユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】軸穴を有するロータを固定軸で支持して回転させる構造のモータについて、その駆動中の衝突音を低減する。【解決手段】固定軸と、前記固定軸に支持される回転子であるロータと、弾性を有する部材または部位である付勢部と、を備え、前記ロータは前記固定軸が挿通される軸穴を有し、前記付勢部は、前記軸穴の内面の一部と前記固定軸とが接触した状態を維持するように前記ロータをその径方向に付勢することを特徴とするモータユニットによりこれを解決する。【選択図】図4
Description
本発明はモータユニットに関し、特に、モータ駆動時の騒音低減技術に関する。
下記特許文献1には、モータの出力軸をばねで側方に付勢するモータが開示されている。
軸穴を有するロータを固定軸で支持して回転させるモータでは、通常、ロータと固定軸との間にロータの回転自由度を確保するための(つまりロータを回転可能とするための)隙間が設けられる。このような構造のモータは、駆動中にロータの軸穴の内面が一時的に固定軸から離れ、再度接触することで、衝突音を生じさせることがある。
本発明が解決しようとする課題は、軸穴を有するロータを固定軸で支持して回転させる構造のモータについて、その駆動中の衝突音を低減することにある。
上記課題を解決するため、本発明のモータユニットは、固定軸と、固定軸に支持される回転子であるロータと、弾性を有する部材または部位である付勢部と、を備え、ロータは固定軸が挿通される軸穴を有し、付勢部は、軸穴の内面の一部と固定軸とが接触した状態を維持するようにロータをその径方向に付勢することを特徴とする。
固定軸に支持されるロータを付勢部によってその径方向に付勢し、ロータの軸穴の内面と固定軸とが接触した状態を強制的に維持することにより、これらが衝突することによる衝突音を抑えることができる。
このとき、付勢部は、ロータのその軸線方向における一方の端部またはその近傍部に配置されてもよく、又は、複数の付勢部を備え、複数の付勢部が、ロータのその軸線方向における両端またはその近傍部にそれぞれ配置されてもよい。ロータの軸線方向における両端(その近傍部含む)をその径方向に付勢することにより、軸穴の内面と固定軸との衝突をより確実に防ぐことができる。ロータの一端のみを付勢する場合でもそれ相応の効果は得られる。
また、付勢部がロータの一端のみを付勢する場合、ロータの他方の端部またはその近傍部には、歯車を構成する歯部がその外周面に形成されていることが好ましい。ロータの他端側の歯車が他の歯車と噛み合うことにより、ロータの他端側はその歯車から逃れる方向に押されることとなる。つまりロータの他端側も、他の歯車から押されることで軸穴の内面と固定軸とが接触した状態が維持される。
また、本発明のモータユニットは、付勢部がばね部材であり、ロータがその軸線方向における一方または両方の端面に凹部を有し、ばね部材が、ロータに固定されるとともに凹部内に配置され、凹部内において固定軸の周面を押圧する構成としてもよい。ロータに設けた凹部に付勢部を配置することにより、モータユニット内のスペース効率を損なうことなく付勢部を組み込むことができるとともに、既存のモータユニットへの本発明の適用も容易となる。
また、本発明のモータユニットは、付勢部が、固定軸側に板面を向けてロータに固定される片持ちの板ばねであり、その板ばねが、上または下に向かうにつれて次第に固定軸側に張り出して固定軸の周面を押圧する折曲部を有し、固定軸が挿通される前のロータを上または下から見たときに、板ばねの自由端が、軸穴の範囲よりも外側に置かれている構成としてもよい。かかる構成によれば、ロータの軸穴に差し込まれた固定軸は、板ばねの先端に突き当たることなく板ばねの折曲部に接触する。これにより板ばねは、固定軸が差し込まれるにつれてその全体が自然と軸穴の範囲外に退き、固定軸がスムーズに軸穴に挿通される。
また、本発明のモータユニットは、ロータのその軸線方向における一方の端部またはその近傍部を付勢する複数の付勢部である付勢部組を備え、ロータを上または下から見たときに、付勢部組を構成する各付勢部が、前記ロータの回転中心を対称の中心として点対称とはならない位置、かつ、前記固定軸の周方向に沿って等間隔とはならない位置に配置されている構成としてもよい。複数の付勢部で固定軸を押圧することにより、軸穴の内面をより強力に固定軸に押しつけることができる。
また、本発明のモータユニットは、付勢部が金属製のばね部材であり、前記ロータは少なくとも前記ばね部材の保持部が樹脂製であり、ロータがその軸線方向における一方または両方の端面に凹部を有し、ばね部材がロータに固定されるとともに凹部内に配置され、ロータが、凹部内におけるばね部材と固定軸との間に樹脂製の薄肉の板部である薄板部を有し、ばね部材が薄板部を介して固定軸の周面を押圧する構成としてもよい。ばね部材が樹脂製の薄板部を介して固定軸を押圧することにより、金属同士の摺動を避け、ロータと固定軸との滑り性および耐摩耗性を高めることができる。このとき、薄板部は、ロータの周方向に沿って並べられた複数の板部から構成されてもよい。またこのとき、薄板部は、固定軸が挿通される前のロータを上または下から見たときに、軸穴の範囲よりも外側に配置されてもよい。
また、本発明のモータユニットは、ロータを樹脂製とし、付勢部を金属製のばね部材とし、付勢部がロータに形成された差込口に圧入されることにより、又はインサート成形により、付勢部とロータ部とが一体化される構成としてもよい。
また、本発明のモータユニットは、固定子であるステータを備え、ロータ及びステータが同期モータを構成してもよい。本発明のロータが同期モータを構成する場合、これが非同期モータ(誘導モータ)を構成する場合に比べて、軸穴と固定軸との衝突が生じやすい。つまり本発明のロータが同期モータを構成する場合、本発明の効果がより顕著に現れる。
このように、本発明によれば、軸穴を有するロータを固定軸で支持して回転させる構造のモータについて、その駆動中の衝突音を低減することができる。
[構成概要]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明するモータユニット1は、駆動源であるステッピングモータの回転を減速して出力するギヤードモータである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明するモータユニット1は、駆動源であるステッピングモータの回転を減速して出力するギヤードモータである。
図1はモータユニット1の外観を示す斜視図である。以下の説明において、「上」および「下」とは、図1等に描かれた座標軸のZ軸に平行な方向をいい、Z1側を「上」、Z2側を「下」とする。
図1に示すように、モータユニット1は、モータケース19と、モータケース19の前方に取り付けられた端子カバー15と、モータケース19から上方に突き出した出力軸50とを有している。モータケース19は、有底筒状のステータカップ11と、ステータカップ11上部の開口を覆うカバープレート12とにより構成される金属製のケース体である。端子カバー15は、ステータカップ11の周面の一部に形成された開口に装着されている。端子カバー15は、前方に張り出すように設けられたコネクタハウジング152を有しており、コネクタハウジング152には図示しないオスコネクタが差し込まれる。
[モータ構造]
図2は、モータユニット1の内部構造を示す側面視断面図である。
図2は、モータユニット1の内部構造を示す側面視断面図である。
モータユニット1の給電端子29は、その長手方向における両端が上下に折り曲げられたピン端子である。給電端子29の下方に折り曲げられた部分はコネクタハウジング152内に配置され、図示しないオスコネクタの端子が接続される接続部292を構成している。給電端子29の上方に折り曲げられた部分は、モータユニット1のステータコイル22,27のコイル線が絡げられる絡げ部291を構成している。
モータユニット1は2相ステッピングモータをその駆動源としている。モータユニット1の固定子であるステータ20は、A相コイルボビン21に巻回されたA相ステータコイル22と、B相コイルボビン26に巻回されたB相ステータコイル27と、を有する円環形状のステータである。A相コイルボビン21の前縁には、給電端子29を保持する厚肉部である端子保持部21aが形成されている。A相ステータコイル22はクローポール形の突極である上側ヨーク23aおよび下側ヨーク23bを有している。B相ステータコイル27も同様に、上側ヨーク28aと下側ヨーク28bとを有している。なお、B相ステータコイル27の下側ヨーク28bはステータカップ11の底部11aがモータケース11内に切り起こされることで形成されている。
ステータコイル22,27の環内には所定のエアギャップを置いてロータ30が配置されている。ロータ30は、永久磁石であるロータマグネット32と、ロータマグネット32とインサート成形された樹脂製の軸体であるロータサポート31と、により構成されている。ロータサポート31の径中心には上下に貫通した貫通穴である軸穴33が形成されており、その軸穴33には金属製の固定軸であるロータ軸39が挿通されている。ロータ軸39はその基端部がステータカップ11の底部11aに圧入固定されている。ロータ30の下面は板ばねであるリーフスプリング35aに支持されており、ロータ30はリーフスプリング35aにより上方に付勢されている。
ステータ20の上面には、平板部材であるギヤプレート13が配置されている。ロータサポート31の上端部には歯車部であるロータピニオン311が形成されており、ロータピニオン311はギヤプレート13に設けられた穴から上方に突き出している。ギヤプレート13とカバープレート12との間には複数の支軸49が固定されており、支軸49には後述する第2歯車41、第3歯車42、および第4歯車43が回転可能に支持されている。また、出力軸50は第4歯車43が噛合する歯車部59を有しており、出力軸50の基端部58は、ギヤプレート13に形成された軸受131に回転可能に支持されている。
出力軸50の先端部分である軸部51は、カバープレート12に設けられたバーリング部121から上方に突き出している。バーリング部121は、カバープレート12に形成された貫通穴の縁から上方に立ち上げられた筒状部である。出力軸50の軸線方向における中ほどには、軸部51よりも大径の拡径部55が設けられている。拡径部55は含油軸受122を介してバーリング部121に支持されている。
[減速歯車機構]
図3はモータユニット1の減速歯車機構を示す透視平面図である。以下、図3を参照してモータユニット1の減速歯車機構について説明する。
図3はモータユニット1の減速歯車機構を示す透視平面図である。以下、図3を参照してモータユニット1の減速歯車機構について説明する。
モータユニット1は、ロータ30の回転を減速して出力軸50に伝達する減速歯車列である第2歯車41、第3歯車42、および第4歯車43を有している。これら歯車はいずれも、ピッチ円径の異なる平歯車が軸線方向に一体化された複合歯車部材である。
ロータピニオン311の回転は、第2歯車41、第3歯車42、および第4歯車43を経て減速され、出力軸50に伝達される。具体的には、ロータピニオン311は第2歯車41の大径歯車部41aと噛合しており、第2歯車41の小径歯車部41bは第3歯車42の大径歯車部42aと噛合している。同様に、第3歯車42の小径歯車部42bは第4歯車43の大径歯車部43aと噛合している。そして、第4歯車43の小径歯車部43bは出力軸50の歯車部59に噛合している。
[衝突音抑制機構]
図4は、モータユニット1が備える衝突音抑制機構の構造を示す図である。ここでいう「衝突音抑制機構」とは、モータユニット1の駆動中にロータ30の軸穴33の内面がロータ軸39から離れることを阻止し、離れた軸穴33とロータ軸39とが再び接触する際に生じさせる衝突音を未然に防止する機構である。図4(a)は、ロータ30及びロータ軸39の下面図、図4(b)はロータ30及びロータ軸39の側面視部分断面図、図4(c)は、モータユニット1を駆動したときの軸穴33とロータ軸39との相対位置の変化を示す模式図である。以下、図4を参照してモータユニット1の衝突音抑制機構について説明する。
図4は、モータユニット1が備える衝突音抑制機構の構造を示す図である。ここでいう「衝突音抑制機構」とは、モータユニット1の駆動中にロータ30の軸穴33の内面がロータ軸39から離れることを阻止し、離れた軸穴33とロータ軸39とが再び接触する際に生じさせる衝突音を未然に防止する機構である。図4(a)は、ロータ30及びロータ軸39の下面図、図4(b)はロータ30及びロータ軸39の側面視部分断面図、図4(c)は、モータユニット1を駆動したときの軸穴33とロータ軸39との相対位置の変化を示す模式図である。以下、図4を参照してモータユニット1の衝突音抑制機構について説明する。
モータユニット1は、軸穴33を有する回転子であるロータ30を、固定軸であるロータ軸39で支持して回転させる。ロータ30の軸穴33には、ロータ軸39との間に、ロータ30を回転可能とするための隙間が設けられている。このような構造のモータは、駆動中にロータ30の軸穴33の内面が一時的にロータ軸39から離れ、これらが再度接触したときに衝突音を生じさせることがある。本形態の衝突音抑制機構は、金属製の板ばね36aによりロータ30をその径方向に付勢し、軸穴33の内面の一部とロータ軸39とが接触した状態を強制的に維持する機構である。つまり本形態の衝突音抑制機構は、板ばね36aの付勢力で軸穴33をロータ軸39に押しつける機構である。
図4(b)に示すように、本形態の板ばね36aは、ロータ軸39側にその板面を向け、その根元部分(上端部分)がロータサポート31に固定された片持ちの板ばねである。板ばね36aは、根元部分から下に向かうにつれて次第にロータ軸39側に張り出し、ロータ軸39の周面を押圧する折曲部361を有している。
板ばね36aの自由端361a(先端・下端)は、ロータ軸39が挿通される前のロータ30を上または下から見たときに、軸穴33の範囲よりも外側に置かれるように折り込まれている。そのため、モータユニット1の組み立て時に軸穴33に差し込まれたロータ軸39は、板ばね36aの先端に突き当たることなく折曲部361に接触する。これにより板ばね36aは、ロータ軸39が差し込まれるにつれてその全体が自然と軸穴33の範囲外に退き、ロータ軸39がスムーズに軸穴33に挿通される。
図4(a)及び図4(b)に示すように、本形態のロータサポート31には、その下面の中央に、開口形状が長方形の凹部33aが形成されている。凹部33aは軸穴33から連続する空間である。凹部33aの底面には、その一辺に沿って延びる溝である差込口37が設けられており、板ばね36aはその根元部分が差込口37に圧入されている。つまり板ばね36aの根元部分の厚みは差込口37の溝幅よりも大きく、板ばね36aは差込口37を押し広げながら差し込まれている。これにより板ばね36aはロータサポート31に一定の圧力をもって保持され、その脱落が防止されている。尚、例えば板ばね36aの根元部分に穴や突起、拡幅部・減幅部などを設け、ロータサポート31に板ばね36aをインサート成形したり、又は板ばね36aをロータサポート31に溶着・接着したりすることで板ばね36aの脱落を防止してもよい。また、板ばね36aはロータサポート31に必ずしも強固に保持される必要はなく、例えばリーフスプリング35a(図2参照)により板ばね36aの脱落が防止できるのであれば、板ばね36aは差込口37に遊嵌される程度でもよい。
板ばね36aはその全体が凹部33a(差込口37含む)の中に収容され、凹部33a内においてロータ軸39の周面を押圧している。本形態では、ロータサポート31に設けた凹部33aに板ばね36aを配置することにより、モータユニット1内のスペース効率を損なうことなく、つまりモータユニット1を大型化させることなく衝突音抑制機構が実現されている。かかる構造によれば、他の既存のモータユニットに対しても比較的容易に本形態の衝突音抑制機構を適用することができると考えられる。
図4(c)の模式図は、説明の便宜上、軸穴33とロータ軸39との間の隙間Gを誇張して表現している。本形態のモータユニット1は、ロータサポート31に組み込まれた板ばね36aでロータ軸39を押圧することにより、その押圧方向とは反対方向にロータ30を付勢する。具体的には、軸穴33の内周面のうち、その周方向において板ばね36aが配置された位置の反対側の部位が、ロータ軸39側に引っ張られるようにロータ軸39に押しつけられる。これにより、モータユニット1の駆動中に軸穴33の内面がロータ軸39から離れることが阻止され、軸穴33とロータ軸39との接触状態が維持される。本形態ではロータ30側に板ばね36aが固定されているため、図4(c)に示すように、モータユニット1が駆動することで、隙間Gの位置がロータ軸39の周面に沿って移動・回転する。
特に、本形態のモータユニット1は、ロータ30とステータ20とがステッピングモータ、すなわち同期モータを構成している。同期モータはそのロータの回転原理から、非同期モータ(誘導モータ)に比べて軸穴が固定軸から離れやすく、衝突音が生じやすい。本形態では、同期モータであるモータユニット1に衝突音抑制機構を適用したことにより、衝突音の抑制効果がより顕著に現れる。
また、上でも述べたように、ロータサポート31の上端部の外周面には、ロータピニオン311を構成する歯部311a(図3参照)が形成されており、ロータピニオン311は第2歯車41の大径歯車部41aと噛合している(図3参照)。ロータピニオン311が第2歯車41と噛み合うことにより、ロータピニオン311は第2歯車41から離れる方向へ逃げようとする。より具体的には、ロータピニオン311を平面視したときに、ロータピニオン311には、ロータピニオン311の回転中心と第2歯車41の回転中心とを通る直線において第2歯車41から離れる方向に力が加えられるとともに、ロータピニオン311の回転方向(正転か又は逆転か)に応じ、ロータピニオン311の回転中心から上記直線に対して垂直に分岐する方向にも力が加えられる。その結果ロータピニオン311はこれらの合力方向に押されることとなる。つまり本形態ではロータサポート31の上端部も、第2歯車41から押されることにより軸穴33の内面とロータ軸39とが接触した状態が維持される。尚、ロータサポート31の上端部では、図4(c)に示されるような隙間Gの移動・回転はなく、ロータ軸39に対する隙間Gの位置は一定となる。
このように、本形態ではロータサポート31の軸穴33の下端部が板ばね36aによりロータ軸39に押しつけられ、上端部が第2歯車41との噛合によりロータ軸39に押しつけられる。本形態では、ロータサポート31の上端部が細径化されてロータピニオン311が形成されている都合上、その上面には凹部33aや板ばね36aを設置する余裕がなく、またその必要性も乏しいと考えられるが、仮にロータサポート31の上面にもこれらを設置可能な面積がある場合や、ロータサポート31の上端部に歯車が設けられていない場合には設置を検討してもよい。ロータサポート31の軸線方向における両端またはその近傍部に付勢部を設けることにより、軸穴33とロータ軸39との衝突をより確実に防ぐことができる。
尚、本形態ではロータ30の付勢部として金属製の板ばね36aが採用されているが、付勢部の形態は板ばね36aには限られない。付勢部は、弾性を有する部材または部位であって、ロータ30をその径方向へ付勢可能なものであればよく、例えばトーションスプリングなど他の種類のばねや、樹脂ばね、ゴム材などであってもよい。その他、例えばロータサポート31の一部を軸穴33内に張り出させ、これをロータ軸39に接触させて弾性変形させるような形態も考えられる。また、凹部33aも必須ではなく、板ばね36aがロータ30の外部に露出していても衝突音の抑制効果は得られる。
[変形例]
図5から図9は衝突音抑制機構の変形例を示す図である。以下、図5から図9を参照して衝突音抑制機構の変形例について説明する。なお、以下の説明では、上記実施形態の各構成と同様の構成については、上記実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5から図9は衝突音抑制機構の変形例を示す図である。以下、図5から図9を参照して衝突音抑制機構の変形例について説明する。なお、以下の説明では、上記実施形態の各構成と同様の構成については、上記実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5は、第1の変形例にかかるロータ30及びロータ軸39の下面図である。第1の変形例では、ロータサポート31の下面に形成された略正方形の凹部33aの中に、2つの板ばね36aからなる付勢部組が配置されている。本変形例では、2つの板ばね36aが、ロータ軸39の周方向において互いに90°ずれた位置に取り付けられている。本変形例では、複数の板ばね36aでロータ軸39が押圧されていることにより、軸穴33の内面がより強力にロータ軸39に押しつけられる。
尚、付勢部組を構成する板ばね36aの数は2つには限られない。付勢部組の板ばね36aは、これらがロータ30の回転中心Cを対称の中心としたときに点対称とはならない位置にあり、かつ、ロータ軸39の周方向に沿って等間隔とはならない位置に配置されていれば、3つ以上の板ばね36aにより構成されてもよい。つまり付勢部組は、ロータ軸39をその周囲から不均等な力で押圧可能であればよく、板ばね36aの数は問わない。付勢部組をロータサポート31の下端部だけでなく上端部にも設けてよい点や、板ばね36aは弾性を有する他の部材や部位でもよい点、凹部33aは必須ではない点は先の実施形態と同様である。
図6は、第2の変形例にかかるロータ30及びロータ軸39の側面視部分断面図である。第2の変形例は、先の実施形態と同様に、ロータ軸39が金属製であり、板ばね36aが金属製のばね部材である。そして、ロータサポート31はその下面に凹部33aを有しており、板ばね36aはロータサポート31に固定されるとともに凹部33aに配置されている。
第2の変形例では、凹部33a内における板ばね36aとロータ軸39との間に、樹脂製の薄肉の板部である薄板部34が形成されている。本変形例では、板ばね36aは薄板部34を介してロータ軸39の周面を押圧する。板ばね36aが樹脂製の薄板部34を介してロータ軸39を押圧することにより、金属同士の摺動が避けられ、ロータ30とロータ軸39との滑り性および耐摩耗性が高められている。本変形例の薄板部34は、ロータ30の周方向に沿って並べられた複数の板部から構成されている。これにより薄板部34がたわみやすくなっている。尚、薄板部34は、板ばね36aが組み付けられた位置と同位置に形成された一片の板部のみで構成されてもよい。その他、例えば金属に対する滑り性の高い素材を板ばね36aの折曲部361に貼着・塗装して、折曲部361の表面に薄板部34の機能を代替する層を形成しても同様の効果は得られる。
また、本変形例の薄板部34は、ロータ軸39が挿通される前のロータサポート31を上または下から見たときに、軸穴33の範囲内には張り出していない。すなわち、薄板部34はここでいう軸穴33の範囲よりも外側に配置されている。薄板部34は、板ばね36aに押されて変形することでロータ軸39に接触する。凹部33aや板ばね36aをロータサポート31の下端部だけでなく上端部にも設けてよい点や、板ばね36aは弾性を有する他の部材や部位でもよい点は先の実施形態と同様である。
先の実施形態、並びに図5及び図6の変形例はいずれもロータ30に板ばね36a(付勢部)を設ける例であったが、以下に説明する図7から図9の変形例は、ロータ30ではなくモータユニット1の固定部分に付勢部を設ける例である。
図7は、第3の変形例にかかるロータ30及びその周辺部材の側面視断面図である。第3の変形例では、ロータサポート31の下面に設けられた凹部33bの底面が、下方に突き出した略円錐形状の面である円錐面331を形成しており、さらに、円錐面331を支持するリーフスプリング35bの支持面351が水平ではなく所定の方向に傾けられている。第3の変形例では、付勢部は板ばね36aではなくリーフスプリング35bである。
リーフスプリング35bは、ロータ30(ロータサポート31)の上面がカバープレート12の下面に接するようにロータ30を上方へ付勢している。つまりロータ30はその円錐面331がリーフスプリング35bにより上方へ圧迫されている。支持面351が傾いたリーフスプリング35bは、そのせり上がった側の面のみがロータ30の円錐面331に接しており、ロータ30を支持面351の下り面側へも付勢する。本変形例によれば、ロータ30を常に一定の方向へ付勢することができ、つまりロータ軸39に対する隙間Gの位置が一定となり、また、ロータ30の重心位置を乱す要素がないため、ロータ30の偏芯を防ぐこともできる。なお、凹部33bは必須ではなく、円錐面331は外部に露出していてもよい。
図8は、第4の変形例にかかるロータ30及びその周辺部材の側面視断面図(a)、並びにその下面図(b)である。第4の変形例では、ロータサポート31の下面に凹部は形成されておらず、ロータサポート31の下端部には円柱形状の凸部38が形成されている。そして凸部38には引張ばね36bのフックが引っ掛けられている。引張ばね36bの他端はモータユニット1の任意の固定部に固定されている。本変形例によれば、ロータ30を常に一定の方向へ付勢することができ、また、ロータ30の重心位置を乱す要素がないため、ロータ30の偏芯を防ぐこともできる。凸部38や引張ばね36bをロータサポート31の下端部だけでなく上端部にも設けてよい点は先の実施形態と同様である。
図9は、第5の変形例にかかるロータ30及びロータ軸39の側面視部分断面図(a)、並びにロータ30の下面図(b)である。第5の変形例では、ロータ軸39がその周面の一部が平面状に切り欠かれた切欠部391を有しており、切欠部391には金属製の板ばね36cが固定されている。また本変形例ではロータサポート31の下面に開口形状が円形の凹部33cが形成されている。
板ばね36cは、その板面を凹部33cの周面に向け、その根元部分(下端部分)がロータ軸39に固定された片持ちの板ばねである。板ばね36cはその板面から半球形状に張り出した膨出部362を有しており、膨出部362は根元部分から上に向かうにつれて次第に凹部33cの周面側に張り出し、凹部33cの周面を押圧する。本変形例によれば、金属同士の摺動が避けられるとともに、ロータ30を常に一定の方向へ付勢することができる。また、ロータ30の重心位置を乱す要素がないため、ロータ30の偏芯を防ぐこともできる。凹部33cや板ばね36c及び切欠部391をロータサポート31の下端部だけでなく上端部にも設けてよい点は先の実施形態と同様である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1:モータユニット,11:ステータカップ,11a:底部,12:カバープレート,20:ステータ(固定子),30:ロータ(回転子),31:ロータサポート,311:ロータピニオン(歯車),311a:歯部,32:ロータマグネット,33:軸穴,33a,33b,33c:凹部,331:円錐面,34:薄板部,35b:リーフスプリング(付勢部),351:支持面,36a,36c:板ばね(付勢部),36b:引張ばね(付勢部),361:折曲部,362:膨出部,37:差込口,38:凸部,39:ロータ軸(固定軸),391:切欠部,41:第2歯車,41a:大径歯車部,G:隙間
Claims (12)
- 固定軸と、
前記固定軸に支持される回転子であるロータと、
弾性を有する部材または部位である付勢部と、を備え、
前記ロータは前記固定軸が挿通される軸穴を有し、
前記付勢部は、前記軸穴の内面の一部と前記固定軸とが接触した状態を維持するように前記ロータをその径方向に付勢することを特徴とするモータユニット。 - 前記付勢部は、前記ロータのその軸線方向における一方の端部またはその近傍部に配置されることを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。
- 前記ロータの他方の端部またはその近傍部には、歯車を構成する歯部がその外周面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のモータユニット。
- 複数の前記付勢部を備え、
前記複数の付勢部は、前記ロータのその軸線方向における両端またはその近傍部にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。 - 前記付勢部はばね部材であり、
前記ロータはその軸線方向における一方または両方の端面に凹部を有し、
前記ばね部材は、前記ロータに固定されるとともに前記凹部内に配置され、前記凹部内において前記固定軸の周面を押圧することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータユニット。 - 前記付勢部は、前記固定軸側に板面を向けて前記ロータに固定される片持ちの板ばねであり、
前記ロータの軸線方向に沿う方向を上下としたときに、
前記板ばねは、上または下に向かうにつれて次第に前記固定軸側に張り出し、前記固定軸の周面を押圧する折曲部を有し、
前記固定軸が挿通される前の前記ロータを上または下から見たときに、前記板ばねの自由端は、前記軸穴の範囲よりも外側に置かれていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータユニット。 - 前記ロータのその軸線方向における一方の端部またはその近傍部に配置される複数の前記付勢部である付勢部組を備え、
前記ロータの軸線方向に沿う方向を上下とし、前記ロータを上または下から見たときに、前記付勢部組を構成する前記各付勢部は、前記ロータの回転中心を対称の中心として点対称とはならない位置、かつ、前記固定軸の周方向に沿って等間隔とはならない位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のモータユニット。 - 前記固定軸は金属製であり、
前記付勢部は金属製のばね部材であり、
前記ロータはその軸線方向における一方または両方の端面に凹部を有し、
前記ばね部材は前記ロータに固定されるとともに前記凹部内に配置され、
前記ロータは、前記凹部内における前記ばね部材と前記固定軸との間に、樹脂製の薄肉の板部である薄板部を有し、
前記ばね部材は、前記薄板部を介して前記固定軸の周面を押圧することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモータユニット。 - 前記薄板部は、前記ロータの周方向に沿って並べられた複数の前記板部からなることを特徴とする請求項8に記載のモータユニット。
- 前記ロータの軸線方向に沿う方向を上下としたときに、
前記薄板部は、前記固定軸が挿通される前の前記ロータを上または下から見たときに、前記軸穴の範囲よりも外側に配置されることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のモータユニット。 - 前記付勢部は金属製のばね部材であり、
前記ロータは少なくとも前記ばね部材の保持部が樹脂製であり、
前記付勢部は、前記ロータに形成された差込口に圧入されることにより、又はインサート成形により、前記ロータ部と一体化されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のモータユニット。 - 固定子であるステータを備え、
前記ロータ及び前記ステータは同期モータを構成することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のモータユニット。
Priority Applications (1)
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JP2021062709A JP2022158074A (ja) | 2021-04-01 | 2021-04-01 | モータユニット |
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JP2022158074A true JP2022158074A (ja) | 2022-10-14 |
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ID=83559478
Family Applications (1)
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JP2021062709A Pending JP2022158074A (ja) | 2021-04-01 | 2021-04-01 | モータユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022158074A (ja) |
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2021
- 2021-04-01 JP JP2021062709A patent/JP2022158074A/ja active Pending
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