JP2021011940A - 過負荷保護機構およびこれを備えるギヤードモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】過負荷保護機構について、機構の小型化と高い作動トルクとを両立させる。【解決手段】金属製の固定歯車と、樹脂製のクラッチ歯車と、固定歯車およびクラッチ歯車を支持する軸体と、固定歯車とクラッチ歯車との間に配置され、これらを軸体の軸線に沿って互いに反対方向に付勢する付勢部材と、を備え、クラッチ歯車のモジュールは固定歯車のモジュールよりも大きく、固定歯車は軸体に固定され、該軸体と周方向に常に一体的に回転し、クラッチ歯車および軸体は、クラッチ歯車に印加されるトルクが、クラッチ歯車が付勢部材に圧迫されることで生じる摩擦力以下のときは周方向に一体的に回転し、該摩擦力を超えるトルクが印加されたときにはいずれか一方が空転することを特徴とする過負荷保護機構により解決する。【選択図】図5
Description
本発明は、過大トルクによる歯車機構の破損を防止する過負荷保護機構、およびこれを備えるギヤードモータに関する。
下記特許文献1には、過負荷保護機構を備える歯車部材(81)が開示されている。歯車部材(81)は、共通の軸体(814)に支持された2つの樹脂製の歯車部(811,812)と、これら歯車部(811,812)を互いに離間方向に付勢するコイルバネ(813)と、を有している。歯車部材(81)は、過大トルクが加えられたときに歯車部(811,812)の一方が空転することでトルクを逃がし、動力伝達機構の破損を防止する。
歯車部材(81)のコイルバネ(813)を強力なものに替えて過負荷保護機構の作動トルクを引き上げる場合、歯車部(811,812)には過負荷保護機構が作動するまでに、より大きなトルクが加えられることとなる。特に歯車部材(81)を小型化する場合、作動トルクの引き上げによる歯車部(811,812)の欠歯や破損が問題となる。
上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、過負荷保護機構について、機構の小型化と高い作動トルクとを両立させることにある。
上記課題を解決するため、本発明の過負荷保護機構は、金属製の歯車部である固定歯車と、樹脂製の歯車部であるクラッチ歯車と、前記固定歯車および前記クラッチ歯車を支持する共通の軸体と、前記固定歯車と前記クラッチ歯車との間に配置され、該固定歯車と該クラッチ歯車とを前記軸体の軸線に沿って互いに反対方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記クラッチ歯車のモジュールは前記固定歯車のモジュールよりも大きく、前記固定歯車は前記軸体に固定され、該軸体と周方向に常に一体的に回転し、前記クラッチ歯車および前記軸体は、前記クラッチ歯車に印加されるトルクが、前記クラッチ歯車が前記付勢部材に圧迫されることで生じる摩擦力以下のときは周方向に一体的に回転し、該摩擦力を超えるトルクが前記クラッチ歯車に印加されたときにはいずれか一方が空転することを要旨とする。
軸体に固定される側の歯車部(固定歯車)を金属製にし、軸体に摩擦などにより固定される側の歯車部(クラッチ歯車)を樹脂製にするとともに、クラッチ歯車のモジュールを固定歯車のモジュールよりも大きくすることにより、固定歯車に比べて強度に劣るクラッチ歯車の欠歯や破損を防ぎつつ過負荷保護機構を小型化したり、強力な付勢部材を採用したりすることが可能となる。
また、本発明の過負荷保護機構において、前記クラッチ歯車は外周面に歯部が形成された筒部を有し、前記歯部の歯底から前記筒部の内周面までの厚みは、前記歯部の弦歯厚と同じ、または弦歯厚よりも厚いことがより好ましい。クラッチ歯車の歯部の歯底から筒部の内周面までの厚みを少なくとも歯部の歯厚と同じにすることにより、クラッチ歯車の本体部がクラッチ歯車の強度上のボトルネックとなることを防ぐことができる。
また、本発明の過負荷保護機構は、前記付勢部材がコイルバネであり、前記コイルバネは前記固定歯車側の末端が該コイルバネの径方向外側に突き出しており、前記固定歯車は、前記コイルバネの前記末端と係合し、前記コイルバネの周方向への回転を係止する回り止め部を有していることが好ましい。過負荷保護機構におけるコイルバネの位置を固定することにより、クラッチ歯車の作動トルクを安定させることができる。また、コイルバネが摺動することによる接触部品の摩耗を防ぐことができる。
また、本発明の過負荷保護機構は、前記付勢部材がコイルバネであり、前記クラッチ歯車および/または前記固定歯車は、前記コイルバネの周囲を囲む壁部を有していることが好ましい。クラッチ歯車や固定歯車にコイルバネの周囲を囲む壁部を設けることにより、過負荷保護機構の組み立て時におけるコイルバネの暴れを抑えることができる。
また、本発明の過負荷保護機構は、前記付勢部材が皿バネであってもよい。付勢部材を皿バネとすることにより、過負荷保護機構の軸線方向の寸法をより小さくすることができる。
また、前記軸体は樹脂製であり、前記付勢部材は金属製であり、前記クラッチ歯車は、一対の金属製のワッシャ部材に軸線方向に挟まれていることが好ましい。樹脂製のクラッチ歯車と金属製の付勢部材とが直接接触する場合、クラッチ歯車の端面が付勢部材に削られたり、過負荷保護機構の作動によるクラッチ歯車の回転が付勢部材に阻害されたりするおそれがある。また、樹脂どうしの面接触は摩擦係数が安定せず、さらに摺動時にきしみ音を生じやすい。金属は樹脂に比べて面の状態が安定しており、クラッチ歯車を一対の金属製のワッシャ部材により軸線方向に挟むことで、このような問題を回避することができる。
上記課題を解決するため、本発明のギヤードモータは、ロータおよびステータを有するモータと、前記モータにより駆動される歯車列と、を備え、前記歯車列は、本発明の過負荷保護機構を備える歯車部材を含むことを要旨とする。
ギヤードモータに本発明の過負荷保護機構を採用することにより、過大トルクによる歯車列の破損を防止することができる。
このように、本発明の過負荷保護機構によれば、機構の小型化と高い作動トルクとを両立させることができる。そして、ギヤードモータに本発明の過負荷保護機構を採用することにより、過大トルクによる歯車列の破損を防止することができる。
[構成概要]
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に説明するギヤードモータGは、駆動源であるステッピングモータ1の回転を減速して出力するモータユニットである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に説明するギヤードモータGは、駆動源であるステッピングモータ1の回転を減速して出力するモータユニットである。
図1はギヤードモータGの透視斜視図である。以下の説明において、「上」および「下」とは、図1等に描かれた座標軸表示のZ軸に平行な方向をいい、Z1側を「上」、Z2側を「下」とする。「前」および「後ろ」とは、同座標軸表示のX軸に平行な方向をいい、X1側を「前」、X2側を「後ろ」とする。
本形態のギヤードモータGは、ケース体90の下面にステッピングモータ1がねじ固定されている。ステッピングモータ1の出力部である第4歯車44は、ケース体90の下面に設けられた穴からケース体90の内側に差し込まれている。ケース体90の上面には開口91が設けられており、開口91からはギヤードモータGの出力部である出力軸47bが上方に突き出している。出力軸47bを有する歯車部材である出力部材47とステッピングモータ1との間には、減速歯車列である第5歯車45および第6歯車46が配置されている。ステッピングモータ1の出力トルクはこれら歯車列により増幅されて出力部材47に伝達される。
第6歯車46は過負荷保護機構を備える歯車部材である。第6歯車46は、主に、金属製の歯車部である固定歯車60、樹脂製の歯車部であるクラッチ歯車70、固定歯車60およびクラッチ歯車70を支持する共通の軸体50、並びに、固定歯車60とクラッチ歯車70との間に配置され、これらを軸体50の軸線に沿って互いに反対方向に付勢するコイルバネ80により構成されている。第6歯車46は、過大トルクが加えられたときに固定歯車60またはクラッチ歯車70の一方が空転することでトルクを逃がし、動力伝達機構の破損を防止する。本形態では、出力軸47bに過度な外力が加えられたときに第6歯車46でそのトルクを逃がすことを想定しており、通常はクラッチ歯車70が空転する。
[ステッピングモータ]
図2は、ステッピングモータ1の内部構造を示す側面視断面図である。ステッピングモータ1はステップ数を指定した回転角制御が可能であり、別途ロータリエンコーダなどによるフィードバック制御を行う必要がない。これにより、ギヤードモータG全体における部品点数の削減および小型化が図られている。
図2は、ステッピングモータ1の内部構造を示す側面視断面図である。ステッピングモータ1はステップ数を指定した回転角制御が可能であり、別途ロータリエンコーダなどによるフィードバック制御を行う必要がない。これにより、ギヤードモータG全体における部品点数の削減および小型化が図られている。
ステッピングモータ1の給電端子29は、その長手方向における両端が上下に折り曲げられたピン端子である。給電端子29の下方に折り曲げられた部分はコネクタハウジング152内に配置され、図示しないオスコネクタの端子が接続される外部接続部292を構成している。給電端子29の上方に折り曲げられた部分は、ステータコイル22,27のコイル線が絡げられる絡げ部291を構成している。
ステッピングモータ1は2相ステッピングモータであり、そのステータ20は、A相コイルボビン21に巻回されたA相ステータコイル22と、B相コイルボビン26に巻回されたB相ステータコイル27と、を有している。A相コイルボビン21の前縁には、給電端子29を保持する厚肉部である端子保持部21aが形成されている。A相ステータコイル22はクローポール形の突極である上側ヨーク23aおよび下側ヨーク23bを有している。B相ステータコイル27も同様に、上側ヨーク28aと下側ヨーク28bとを有している。なお、B相ステータコイル27の下側ヨーク28bはモータケース11の底面の一部がモータケース11内に切り起こされることで形成されている。
ステータコイル22,27の環内には所定のエアギャップを置いてロータ30が配置されている。ロータ30は、永久磁石であるロータマグネット32と、ロータマグネット32とインサート成形された樹脂製の軸体であるロータサポート31と、により構成されている。ロータサポート31の径方向中心には上下に貫通した軸穴が形成されており、その軸穴には固定軸であるロータ支軸39が挿通されている。ロータ支軸39はモータケース11の底面とカバープレート12に固定されている。ロータ30の下面は板ばねであるリーフスプリング35に支持されており、ロータ30はリーフスプリング35により上方に付勢されている。
ステータ20の上面には、平板部材であるギヤプレート13が配置されている。ロータサポート31の上端には歯車部であるピニオンギヤ31aが形成されており、ピニオンギヤ31aはギヤプレート13に設けられた貫通孔から上方に突出している。ステータ20の上面とカバープレート12には複数の支軸49が固定されており、支軸49には後述する第1歯車41、第2歯車42、および第3歯車43が回転可能に支持されている。また、第4歯車44は第3歯車43が噛合する歯車部である大径歯車部44aを有している。
第4歯車44はカバープレート12に形成された開口から上方に突き出している。第4歯車44の上端部分には大径歯車部44aよりも小径の歯車部材である小径歯車部44bが装着されている。
[減速歯車機構]
図3はステッピングモータ1の減速歯車列を示す透視平面図である。以下、図3を参照してステッピングモータ1の減速歯車列について説明する。
図3はステッピングモータ1の減速歯車列を示す透視平面図である。以下、図3を参照してステッピングモータ1の減速歯車列について説明する。
ステッピングモータ1は、ロータ30の回転を減速して出力部(第4歯車44)に伝達する第1歯車41、第2歯車42、および第3歯車43を有している。これら歯車はそれぞれ、ピッチ円径の異なる平歯車が軸線方向に一体化された複合歯車である。
ピニオンギヤ31aの回転は、第1歯車41、第2歯車42、および第3歯車43を経て減速され、第4歯車44に伝達される。具体的には、ピニオンギヤ31aは第1歯車41の大径歯車部41aと噛合しており、第1歯車41の小径歯車部41bは第2歯車42の大径歯車部42aと噛合している。同様に、第2歯車42の小径歯車部42bは第3歯車43の大径歯車部43aと噛合している。そして、第3歯車43の小径歯車部43bは第4歯車44の大径歯車部44aに噛合している。
図4はステッピングモータ1から出力部材47までの減速歯車列を示す平面図である。ステッピングモータ1の第4歯車44と出力部材47との間には、第5歯車45および第6歯車46が配置されている。第5歯車45も、ピッチ円径の異なる平歯車が軸線方向に一体化された複合歯車である。
第4歯車44の回転は、第5歯車45、および第6歯車46を経て減速され、出力部材47に伝達される。具体的には、第4歯車44の小径歯車部44bは第5歯車45の大径歯車部45aと噛合しており、第5歯車45の小径歯車部45bは第6歯車46の大径歯車部である固定歯車60と噛合している。第6歯車46の小径歯車部であるクラッチ歯車70は出力部材47の歯車部47aと噛合している。
[過負荷保護機構の構造]
図5は第6歯車46の分解斜視図である。図6は第6歯車46の側面視断面図である。以下、図5および図6を参照して第6歯車46の構造について説明する。
図5は第6歯車46の分解斜視図である。図6は第6歯車46の側面視断面図である。以下、図5および図6を参照して第6歯車46の構造について説明する。
第6歯車46は本発明の過負荷保護機構を備える歯車部材である。第6歯車46は、出力軸47bに過度な外力が加えられたときにクラッチ歯車70を空転させることでそのトルクを逃がし、ギヤードモータGの動力伝達機構の破損を防止する。上でも述べたように、第6歯車46は、主に、金属製の歯車部である固定歯車60、樹脂製の歯車部であるクラッチ歯車70、固定歯車60およびクラッチ歯車70を支持する共通の軸体50、並びに、固定歯車60とクラッチ歯車70との間に配置され、これらを軸体50の軸線に沿って互いに反対方向に付勢するコイルバネ80により構成されている。
軸体50は、上から下に向かって順に、先端部52、胴部51、フランジ部53、および基端部54を有する略円筒形状の樹脂部材である。また、軸体50はその先端部52に結合される別体の蓋部であるキャップ55を有している。キャップ55の詳細は後述する。
先端部52は、その外周面の一部に平面部522を有するDカット形状の部位である。また、先端部52の外周面には、その周方向における対称位置に、径方向外側に張り出した一対の凸部である鉤部521が形成されている。胴部51は、その周方向における対称位置に一対の平面部511が設けられた平面視略小判形の部位である。仮に先端部52および胴部51に平面部511,522がなく、これらが円筒形状であった場合、胴部51の外径は、先端部52の外径よりも大きい。フランジ部53は、胴部51よりも径方向外側に張り出した円環形状の部位である。基端部54は先端部52と略同径の筒部である。先端部52および基端部54はケース体90の内面に設けられた図示しない軸受に嵌合される。なお、軸体50の径方向中心には上下に貫通した軸穴56が形成されており、軸穴56に支軸を通して軸体50を支持することもできる。
固定歯車60は、平歯車を構成する歯部61が外周面に形成された金属製の歯車であり、その径方向中心には軸体50の胴部51と同形状の軸穴63が形成されている。固定歯車60は、軸穴63に軸体50の胴部51が挿通されることで軸体50と周方向に係合する。これにより固定歯車60は、軸体50と周方向に常に一体的に回転する。また、フランジ部53の直径は固定歯車60の軸穴63よりも大きく、固定歯車60はフランジ部53により下方への移動が係止される。固定歯車60の上面には、歯部61の内側に、環状のリブである壁部62が形成されている。壁部62には、その一部が切り欠かれることで形成された隙間である溝部621が形成されている。溝部621は、後述するコイルバネ80の回転を係止する回り止め部である。
クラッチ歯車70は樹脂製の歯車である。クラッチ歯車70は、円筒形状の筒部である壁部72を有しており、壁部72の外周面には平歯車を構成する歯部71が形成されている。クラッチ歯車70の平板部70aには、その径方向中心に円形の軸穴73が形成されている。軸穴73には軸体50の胴部51が挿通されるが、胴部51の平面部511はクラッチ歯車70の軸穴73には係合せず、クラッチ歯車70は自由に回転することができる。
コイルバネ80は、軸体50の胴部51に装着され、固定歯車60を下方に、クラッチ歯車70を上方に付勢する付勢部材である。コイルバネ80は固定歯車60側の末端81がコイルバネ80の径方向外側に突き出している。コイルバネ80の末端81は、固定歯車60の壁部62に設けられた溝部621に嵌合される。これによりコイルバネ80はその周方向への回転が係止される。コイルバネ80の位置が固定されることにより過負荷保護機構の作動トルクが安定する。
軸体50の一部であるキャップ55は、略円環形状の樹脂製のプレートである。キャップ55は、クラッチ歯車70が上方に抜けることを防ぐ抜け止め部である。キャップ55の穴部552の周縁には、キャップ55の上面が盛り上がった肉厚部であるロック部551が形成されている。穴部552はその周方向における一部の角度範囲に、穴部552の穴幅が拡げられた拡径部553を有している。また、ロック部551には、穴部552の周方向における対称位置に、ロック部551の上面が窪んだ一対の凹部554が形成されている。凹部554は穴部552から連続して形成されている。軸体50にキャップ55を取り付けるときには、軸体50の鉤部521がキャップ55の拡径部553を通る角度で先端部52をキャップ55の穴部552に挿通し、その後、軸体50の角度を変えて鉤部521をキャップ55の凹部554に嵌合させる。これによりキャップ55は、コイルバネ80に付勢されたクラッチ歯車70に上方に押されても、軸体50の鉤部521にその移動が係止される。
また、クラッチ歯車70は、その平板部70aが、一対の金属製のワッシャ部材である上側ワッシャ74および下側ワッシャ75に上下から挟まれている。上側ワッシャ74は軸体50の先端部52の平面視形状と同形状の穴部741を有している。上側ワッシャ74の穴部741は、先端部52の平面部522と周方向に係合する。下側ワッシャ75は、平面視Dカット形状の穴部751に軸体50の胴部51が挿通される。下側ワッシャ75の穴部751は、胴部51のどちらかの平面部511と周方向に係合する。すなわち、上側ワッシャ74および下側ワッシャ75は、軸体50に対する相対的な配置角度が固定されている。樹脂製のクラッチ歯車70と金属製のコイルバネ80とが直接接触する場合、クラッチ歯車70の端面がコイルバネ80に削られたり、過負荷保護機構の作動によるクラッチ歯車70の回転がコイルバネ80に阻害されたりするおそれがある。また、樹脂どうしの面接触は摩擦係数が安定せず、さらに、摺動時にきしみ音を生じやすい。金属は樹脂に比べ面の状態が安定している。第6歯車46では、クラッチ歯車70の平板部70aを金属製のワッシャ部材74,75で挟み込むことにより、このような問題を回避している。
また、本形態の第6歯車46では、固定歯車60およびクラッチ歯車70が、コイルバネ80の両端を取り囲む壁部62,72を有している。これにより、第6歯車46を組み立てる際にコイルバネ80が暴れることが抑えられ、組立作業の効率が高められている。なお、壁部62,72は固定歯車60またはクラッチ歯車70のどちらか一方のみに設けられていても相応の効果を得ることができる。
クラッチ歯車70および軸体50は、クラッチ歯車70に印加されるトルクが、クラッチ歯車70がコイルバネ80に圧迫されることで生じる摩擦力以下のときは周方向に一体的に回転し、その摩擦力を超えるトルクがクラッチ歯車70に印加されたときには、クラッチ歯車70が空転する。これによりトルクを逃がすことができ、ギヤードモータGの動力伝達機構が保護される。
図7は第6歯車46の平面図である。図7に示すように、クラッチ歯車70のモジュールは固定歯車60のモジュールよりも大きい。第6歯車46は、軸体50に固定される側の歯車部(固定歯車60)を金属製にし、軸体50に2つのワッシャ74、75により摩擦固定される側の歯車部(クラッチ歯車70)を樹脂製にするとともに、クラッチ歯車70のモジュールを固定歯車60のモジュールよりも大きくすることにより、金属製の固定歯車60に比べて強度に劣るクラッチ歯車70の欠歯や破損を防ぎつつ、過負荷保護機構を小型化したり、強力な付勢部材を採用したりすることが可能とされている。
図8は、クラッチ歯車70の下面図である。上でも述べたように、クラッチ歯車70は外周面に歯部71が形成された円筒形状の壁部72を有している。そして、クラッチ歯車70は、歯部71の歯底から壁部72の内周面までの厚みT2が、歯部71の弦歯厚T1と同じ厚さに形成されている。壁部72の厚みT2を歯部71の歯厚と同じにすることにより、クラッチ歯車70の本体部がクラッチ歯車70の強度上のボトルネックとなることが防止されている。なお、壁部72の厚みT2を歯部71の弦歯厚T1よりも厚くしても同様の効果を得ることができる。
図9は、第6歯車46の変形例46aを示す側面視断面図である。変形例46aの主な変更点は、上記実施形態のコイルバネ80が皿バネ85に変更されている点である。付勢部材を皿バネ85とすることにより、過負荷保護機構の軸線方向の寸法をより小さくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
G:ギヤードモータ,1:ステッピングモータ(モータ),20:ステータ,30:ロータ,31a:ピニオンギヤ,41−45:第1−第5歯車(歯車列),46:第6歯車(過負荷保護機構),50:軸体,51:胴部,511:平面部,52:先端部,521:鉤部,522:平面部,53:フランジ部,54:基端部,55:キャップ,551:ロック部,552:穴部,553:拡径部,554:凹部,56:軸穴,60:固定歯車,61:歯部,62:壁部,621:溝部,63:軸穴,70:クラッチ歯車,70a:平板部,71:歯部,72:壁部(筒部),73:軸穴,74:上側ワッシャ,741:穴部,75:下側ワッシャ,751:穴部,80:コイルバネ,81:末端
Claims (7)
- 金属製の歯車部である固定歯車と、
樹脂製の歯車部であるクラッチ歯車と、
前記固定歯車および前記クラッチ歯車を支持する共通の軸体と、
前記固定歯車と前記クラッチ歯車との間に配置され、該固定歯車と該クラッチ歯車とを前記軸体の軸線に沿って互いに反対方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記クラッチ歯車のモジュールは前記固定歯車のモジュールよりも大きく、
前記固定歯車は前記軸体に固定され、該軸体と周方向に常に一体的に回転し、
前記クラッチ歯車および前記軸体は、前記クラッチ歯車に印加されるトルクが、前記クラッチ歯車が前記付勢部材に圧迫されることで生じる摩擦力以下のときは周方向に一体的に回転し、該摩擦力を超えるトルクが印加されたときにはいずれか一方が空転することを特徴とする過負荷保護機構。 - 前記クラッチ歯車は外周面に歯部が形成された筒部を有し、
前記歯部の歯底から前記筒部の内周面までの厚みは、前記歯部の弦歯厚と同じ、または弦歯厚よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の過負荷保護機構。 - 前記付勢部材はコイルバネであり、
前記コイルバネは前記固定歯車側の末端が該コイルバネの径方向外側に突き出しており、
前記固定歯車は、前記末端と係合し、前記コイルバネの周方向への回転を係止する回り止め部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の過負荷保護機構。 - 前記付勢部材はコイルバネであり、
前記クラッチ歯車および/または前記固定歯車は、前記コイルバネの周囲を囲む壁部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の過負荷保護機構。 - 前記付勢部材は皿バネであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の過負荷保護機構。
- 前記軸体は樹脂製であり、
前記付勢部材は金属製であり、
前記クラッチ歯車は、一対の金属製のワッシャ部材に軸線方向に挟まれていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の過負荷保護機構。 - ロータおよびステータを有するモータと、
前記モータにより駆動される歯車列と、を備え、
前記歯車列は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の過負荷保護機構を備える歯車部材を含むことを特徴とするギヤードモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019127874A JP2021011940A (ja) | 2019-07-09 | 2019-07-09 | 過負荷保護機構およびこれを備えるギヤードモータ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021011940A true JP2021011940A (ja) | 2021-02-04 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2021011940A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113803383A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-17 | 兰州万里航空机电有限责任公司 | 一种过载保护防打滑装置 |
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2019
- 2019-07-09 JP JP2019127874A patent/JP2021011940A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113803383A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-17 | 兰州万里航空机电有限责任公司 | 一种过载保护防打滑装置 |
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