JP2022157036A - 配線モジュール及び配線モジュール付きパネル - Google Patents

配線モジュール及び配線モジュール付きパネル Download PDF

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Abstract

【課題】車両における車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される機器の設計の自由度を高くできる技術を提供することを目的とする。【解決手段】配線モジュール20は、車両10において車体パネル13と内装部材16との間の配置空間に配置される配線モジュール20であって、少なくとも1つの機器30と、前記少なくとも1つの機器30のそれぞれから延びる伝送部材40と、パネル固定部60と複数の機器固定部52とを含む剛性部材50と、を備える。前記少なくとも1つの機器30のそれぞれは、前記複数の機器固定部52から選択されたいずれかの機器固定部52に固定され、前記伝送部材40のうち前記少なくとも1つの機器30のそれぞれから延び出た部分が、前記剛性部材50に保持される。配線モジュール20は、前記パネル固定部60によって前記車体パネル13に固定される。【選択図】図3

Description

本開示は、配線モジュール及び配線モジュール付きパネルに関する。
特許文献1は、車両の天井とルーフライナとの間に配置されるワイヤハーネス組付体を開示している。特許文献1に記載のワイヤハーネス組付体において、天井に配置される機器用のワイヤハーネスが、防音材と保護材との間に配置されている。
特開2018-90229号公報
車両における天井などの車体パネルとルーフライナなどの内装部材との間の配置空間に配置される機器の設計の自由度を高くできることが望まれる。
そこで、車両における車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される機器の設計の自由度を高くできる技術を提供することを目的とする。
本開示の配線モジュールは、車両において車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される配線モジュールであって、少なくとも1つの機器と、前記少なくとも1つの機器のそれぞれから延びる伝送部材と、パネル固定部と複数の機器固定部とを含む剛性部材と、を備え、前記少なくとも1つの機器のそれぞれは、前記複数の機器固定部から選択されたいずれかの機器固定部に固定され、前記伝送部材のうち前記少なくとも1つの機器のそれぞれから延び出た部分が、前記剛性部材に保持され、前記パネル固定部によって前記車体パネルに固定される、配線モジュールである。
本開示によれば、車両における車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される機器の設計の自由度を高くできる。
図1は配線モジュールが組込まれた車両を示す概略斜視図である。 図2は実施形態1にかかる配線モジュール及びこれを備える配線モジュール付きパネルを示す斜視図である。 図3は実施形態1にかかる配線モジュール及びこれを備える配線モジュール付きパネルを示す分解斜視図である。 図4は実施形態1にかかる配線モジュールを示す斜視図である。 図5は実施形態1にかかる配線モジュールを示す平面図である。 図6は図5のV-V線に沿った断面図である。 図7は図5のVI-VI線に沿った断面図である。 図8は実施形態1にかかる配線モジュールを示す分解平面図である。 図9は実施形態2にかかる配線モジュールを示す平面図である。 図10は図9のX-X線に沿った断面図である。 図11は実施形態2にかかる配線モジュールの第1変形例を示す断面図である。 図12は実施形態2にかかる配線モジュールの第2変形例を示す断面図である。 図13は実施形態2にかかる配線モジュールの第3変形例を示す斜視図である。 図14は実施形態2にかかる配線モジュールの第3変形例を示す断面図である。 図15は第1変形例にかかる剛性部材を示す平面図である。 図16は複数の分割部材の連結構造を示す部分拡大斜視図である。 図17は複数の分割部材の連結構造を示す部分分解斜視図である。 図18は複数の分割部材の連結構造を示す部分拡大側面図である。 図19は複数の分割部材の連結構造の変形例を示す部分拡大斜視図である。 図20は複数の分割部材の連結構造の変形例を示す部分分解斜視図である。 図21は複数の分割部材の連結構造の変形例を示す断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の配線モジュールは、次の通りである。
(1)車両において車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される配線モジュールであって、少なくとも1つの機器と、前記少なくとも1つの機器のそれぞれから延びる伝送部材と、パネル固定部と複数の機器固定部とを含む剛性部材と、を備え、前記少なくとも1つの機器のそれぞれは、前記複数の機器固定部から選択されたいずれかの機器固定部に固定され、前記伝送部材のうち前記少なくとも1つの機器のそれぞれから延び出た部分が、前記剛性部材に保持され、前記パネル固定部によって前記車体パネルに固定される、配線モジュールである。少なくとも1つの機器のそれぞれが、複数の機器固定部から選択されたいずれかの機器固定部に固定されているため、機器の取付位置の変更、機器の仕様の変更、又は機器の増設などに容易に対応することができる。また、通常、車体パネルの剛性は、内装部材の剛性よりも高い。この車体パネルに配線モジュールが固定されるため、機器が増えるなどして配線モジュールの重量が増加しても、車両において配線モジュールが適切に支持されることができる。これらより、車両における車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される機器の設計の自由度を高くできる。
(2)(1)の配線モジュールにおいて、前記複数の機器固定部として、前記剛性部材の表面に複数の固定穴が形成されており、前記少なくとも1つの機器のそれぞれが、前記複数の固定穴から選択されたいずれかの固定穴の組を用いて固定されていてもよい。これにより、機器の固定に用いられる固定穴の組を変更することによって、機器の固定位置の変更、機器の大きさの変更などに容易に対応可能となる。
(3)(1)又は(2)の配線モジュールにおいて、前記剛性部材は、前記伝送部材が保持される配線保持部を含み、前記配線保持部は、前記剛性部材の表面に溝状に形成されて前記伝送部材が収容された配線収容部と、前記配線収容部からの前記伝送部材の抜けを抑制する突起とを有してもよい。これにより、伝送部材を保持するための部材を剛性部材とは別に設けずに済む。また、機器の変更時に、伝送部材が配線保持部に対して容易に着脱可能とされる。また、配線収容部の出口を通して複数の機器の伝送部材が一群となって剛性部材から延び出ることができ、複数の機器の伝送部材を1つの配線群として扱うことができる。
(4)(1)から(3)のいずれか1つの配線モジュールにおいて、前記配置空間は、前記車体パネルとしてのルーフパネルと、前記内装部材としてのルーフライナとの間のルーフ内空間であってもよい。これにより、ルーフ内空間に配置される機器の変更、増設などに容易に対応することができる。
(5)(1)から(4)のいずれか1つの配線モジュールにおいて、前記剛性部材が複数設けられ、複数の前記剛性部材から延びる前記伝送部材が1つの束にまとめられていてもよい。これにより、複数の剛性部材から延びる伝送部材の取り回しが容易となる。
(6)また本開示の配線モジュール付きパネルは、(1)から(5)のいずれか1つの配線モジュールと、前記車体パネルと、を備え、前記車体パネルには、前記剛性部材の前記パネル固定部が固定される受部と、前記伝送部材のうち前記剛性部材の外方を延びる部分が保持されるパネル側配線保持部とが設けられている、配線モジュール付きパネルである。これにより、配線モジュールが車体パネルに固定される際、複数の伝送部材のうち剛性部材の外方を延びる部分も一緒に車体パネルに固定されることができる。
(7)(6)の配線モジュール付きパネルにおいて、前記配線モジュール、前記受部及び前記パネル側配線保持部が、1つの前記車体パネルに複数設けられ、複数の前記パネル側配線保持部のうち少なくとも1つには、複数の前記配線モジュールの前記伝送部材がまとめて保持されてもよい。これにより、複数の配線モジュールの伝送部材が1つの車体パネルに簡易に保持されることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線モジュールの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる配線モジュールについて説明する。
<配線モジュールが組込まれる車両について>
図1は配線モジュール20が組込まれる車両10の一例を示す概略斜視図である。車両10は、ボディ12を備える。ボディ12は、車両10の外形をなす部分である。ボディ12は、モノコックボディであってもよいし、ラダーフレーム上に搭載されるボディであってもよい。ここでは、ボディ12は、車室を囲む側方パネル、ルーフパネル13、さらには、乗員が乗り降りするための乗降用ドアパネル、荷物を出し入れするためのリアドアパネル等を含む。ボディ12は、金属によって形成されてもよいし、樹脂によって形成されてもよい。ボディ12は、金属と樹脂との組合せによって構成されていてもよい。ボディ12のうち車室の上方を覆う板状の部分がルーフパネル13である。つまり、ルーフパネル13は、車両10の屋根部分11を形成する。ルーフパネル13は、ボディ12の外観形状を形作るべく一部又は全体的に湾曲していてもよい。ルーフパネル13は、金属で形成されてもよいし、樹脂で形成されてもよい.ルーフパネル13は、金属と樹脂との組合せによって構成されていてもよい。
図2は実施形態1にかかる配線モジュール20及びこれを備える配線モジュール付きパネル100を示す斜視図である。図3は実施形態1にかかる配線モジュール20及びこれを備える配線モジュール付きパネル100を示す分解斜視図である。図2には、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向が示されている。本開示において、配線モジュール20が車両10に配置された状態で、X方向が車両10の前後方向とされ、Y方向が車両10の幅方向とされ、Z方向が鉛直方向とされるものとする。配線モジュール20は、車両10に組込まれる。配線モジュール20は、車両10において車体パネル13と内装部材16との間の配置空間に配置される。配線モジュール20が車体パネル13に固定されて、配線モジュール付きパネル100とされる。本実施形態では、配線モジュール20が、ルーフパネル13を含む屋根部分11に組込まれる例が説明される。つまり、本実施形態では、配線モジュール20の配置空間は、車体パネル13としてのルーフパネル13と、内装部材16としてのルーフライナ16との間のルーフ内空間である。
図2においては、屋根部分11が図示されている。図2において示される伝送部材40は、概略的な経路を示しており、1本の線として描かれていても、複数の電線等を含む場合がある。屋根部分11としては、上記ルーフパネル13と内装部材16とが図示されている。ルーフパネル13の内面(下向き面)には、受部14及びパネル側配線保持部15が設けられる。受部14は、配線モジュール20における剛性部材50を固定するための部材である。パネル側配線保持部15は、配線モジュール20における伝送部材40のうち剛性部材50の外方を延びる部分を保持するための部材である。ルーフパネル13が金属である場合、金属で形成された受部14及びパネル側配線保持部15がルーフパネル13の内面に溶接されていてもよい。受部14及びパネル側配線保持部15は、車両10において、ルーフを横断するように設けられる補強材(ルーフリンホース又はルーフ用ステイ等などとも呼ばれる)に設けられてもよい。
本実施形態では、受部14は、ルーフパネル13の幅方向に沿って延びる細長い部材である。受部14は、ルーフリンホース又はルーフ用ステイ等などと呼ばれる補強材とは別に設けられたブラケットであってもよい。受部14の延在方向に沿った両端部14aは、ルーフパネル13の内面に溶接等によって固定されている。受部14の延在方向に沿った中間部14bは、ルーフパネル13と間隔をあけるように両端部14aよりも下方に位置する。受部14は、細長い板材が曲げ加工されるなどして形成される。当該中間部14bに剛性部材50が固定される。例えば、中間部14bに貫通孔14cが形成される。当該貫通孔14cにネジS又はクリップなどが挿入されるなどして、剛性部材50が受部14に固定される。剛性部材50は、受部14を介してルーフパネル13に吊り下げ支持される。ここでは、ルーフパネル13の前後方向において間隔をあけた一対の受部14によって、1つの剛性部材50が支持される。1つの受部14によって、1つの剛性部材50が支持されてもよい。受部14の中間部14bとルーフパネル13との間に、ナット、ネジSの頭部、又はクリップの先端部などの固定部材の一部が配置されることができる。貫通孔14cは、受部14の延在方向において間隔をあけて複数設けられる。ルーフリンホース又はルーフ用ステイ等などと呼ばれる補強材が、受部14として用いられてもよい。
パネル側配線保持部15は、伝送部材40の経路上に設けられる。伝送部材40のうち剛性部材50から延び出た部分は、例えば、車両10の幅方向に沿って剛性部材50よりも外側の縁を通りつつ、車両10の前後方向に沿って車両10の前方に向けて延びる。パネル側配線保持部15は、車両10の幅方向に沿って受部14よりも外側の縁に近い位置に設けられる。伝送部材40の経路上において、例えば、パネル側配線保持部15は、剛性部材50に対応する位置に設けられる。パネル側配線保持部15は、ルーフパネル13の前後方向において剛性部材50と同じかそれよりも若干前方に設けられる。これにより、パネル側配線保持部15は、伝送部材40において剛性部材50から延び出た部分のうち、剛性部材50に近い部分を保持することができる。特に、パネル側配線保持部15は、伝送部材40において剛性部材50から側方に延び出た後に前後方向に曲がる部分に近い部分を保持することができる。
パネル側配線保持部15は、ルーフパネル13に固定される固定部15aと、伝送部材40を保持する保持部15bとを有する。本実施形態では、固定部15aは、ルーフパネル13に沿って広がる板状に形成されている。保持部15bは、固定部15aから下方に延びる板状に形成されている。保持部15bには、伝送部材40を収容する凹部15cが形成されている。凹部15cは、側方に開口する。当該開口部から伝送部材40が凹部15c内に収容される(図6参照)。伝送部材40は凹部15cの底壁に支持されることによって、保持部15bに保持される。伝送部材40のうち剛性部材50の外方を延びる部分は、パネル側配線保持部15を介してルーフパネル13に吊り下げ支持される。開口部は、凹部15cの高さ方向に沿って凹部15cよりも小さくされている。開口部は、高さ方向に沿って凹部15cの上方に設けられる。開口部の下方に凹部15cの側壁が設けられる。これにより、伝送部材40が開口部を通じて凹部15cから抜けるのが抑制される。凹部15cにおいて、幅方向の寸法が高さ方向の寸法よりも大きい。これにより、パネル側配線保持部15は、複数の伝送部材40を扁平な態様で保持することができる。
本実施形態では、配線モジュール20、受部14及びパネル側配線保持部15が、1つの車体パネル13に複数組(図3に示す例では、3組)設けられている。3つの配線モジュール20の剛性部材50を支持できるように、受部14が三対設けられている。3つの配線モジュール20は、車両10の前後方向に分かれて配置される。三対の受部14は、車両10の前後方向に分かれて配置される。パネル側配線保持部15は、ルーフパネル13の前後方向において間隔をあけて複数(図3に示す例では、3つ)設けられる。3つのパネル側配線保持部15のうち少なくとも1つ(ここでは車両10の前側のパネル側配線保持部15)には、3つの配線モジュール20の伝送部材40がまとめて固定される。
内装部材16は、樹脂等で形成された板状部材である。内装部材16は、車室内の天井形状を形作る部分である。内装部材16は、一部又は全体的に湾曲していてもよい。内装部材16は、ルーフパネル13に対して下側に取付けられる。内装部材16は、車室内に露出する部分である。内装部材16は、ルーフライナ(roof liner)と呼ばれることもある。
内装部材16には、断熱機能、防音機能及び電波遮蔽機能のうちの少なくとも1つを奏する層が設けられていてもよい。断熱機能、防音機能及び電波遮蔽機能のうちの少なくとも1つを奏する層を有する機能性シートが、内装部材16とは別に設けられていてもよい。機能性シートは、配線モジュール20と内装部材16との間に設けられてもよい。なお、配線モジュール20における機器30が、自身の機能を果たすために車室に露出する必要がある場合、内装部材16、機能性シートには、機器30に対応する位置に機器30を通すための挿通孔が形成されるとよい。
断熱機能を奏する層は、例えば、一方主面側及び他方主面側の間で、熱が伝わり難いようにする断熱性を奏する層であってもよい。断熱機能を奏する層は、熱放射エネルギーを反射する層であってもよい。断熱機能を奏する層は、他の層よりも熱伝導率が低い層であってもよい。例えば、断熱機能を奏する層は、複数の繊維が織られずに絡み合った不織シートの他、発泡シート等のように、細かい隙間を含むシートが用いられてもよい。断熱機能を奏する層としては、断熱塗料、遮熱塗料が用いられてもよい。
防音機能を奏する層は、例えば、一方主面側及び他方主面側の間で、音が伝わり難いようにする防音性を奏する層であってもよい。防音機能を奏する層は、音を反射する層であってもよい。防音機能を奏する層は、音のエネルギーを熱エネルギーとして吸収する層であってもよい。例えば、防音機能を奏する層は、複数の繊維が織られずに絡み合った不織シートの他、発泡シート等のように、細かい隙間を含むシートが用いられてもよい。防音機能を奏する層としては、吸音塗料が用いられてもよい。1つの層が断熱機能と防音機能との両方を奏するものであってもよいし、断熱機能を奏する層と防音機能を奏する層とが物理的に別の層として設けられてもよい。
電波遮蔽機能を奏する層は、例えば、一方主面側及び他方主面側の間で、電波が伝わり難いようにする層である。電波遮蔽機能を奏する層は、全ての周波数に対して電波遮蔽性を有していてもよい。電波遮蔽機能を奏する層は、一部の周波数帯に対して選択的な電波遮蔽性を有していてもよい。この場合、一部の周波数帯の電波は、電波遮蔽機能を奏する層において反射又は吸収の少なくとも一方がなされればよい。電波遮蔽機能を奏する層は、アルミニウム、鉄等の金属箔で形成された層であってもよい。選択的な電波遮蔽性を有する電波遮蔽機能を奏する層としては、周知の周波数選択膜(FSS: Frequency Selective Surface)が用いられてもよい。周波数選択膜は、例えば、樹脂等で形成されたベースフィルム上に金属箔等によってユニットセル(素子)を形成したものであってもよい。かかる周波数選択膜は、ユニットセル(素子)の周波数特性に応じて1つ又は複数の周波数帯の電波を選択的に遮蔽し、他の周波数帯の電波を通過させる性質を有する。選択的な電波遮蔽性を有する電波遮蔽層は、断熱層又は防音層に直接導電性ペースト等を印刷することによって形成されていてもよい。
<配線モジュールについて>
配線モジュール20について、より具体的に説明する。図4は実施形態1にかかる配線モジュール20を示す斜視図である。図5は実施形態1にかかる配線モジュール20を示す平面図である。図6は図5のV-V線に沿った断面図である。図7は図5のVI-VI線に沿った断面図である。図8は実施形態1にかかる配線モジュール20を示す分解平面図である。
配線モジュール20は、機器30と伝送部材40と剛性部材50とを備える。伝送部材40は、各機器30から延びる。機器30及び伝送部材40が剛性部材50に固定される。剛性部材50は、ルーフパネル13に固定される。機器30及び伝送部材40は、剛性部材50を介してルーフパネル13に固定される。剛性部材50は、機器30及び伝送部材40を支持しつつルーフパネル13に固定された状態で、所定の形状を保つことができる剛性を有しているとよい。
機器30は、屋根部分11に配設され、伝送部材40の接続先となる機器である。機器30は、伝送部材40を介して電気信号又は光信号を送信し又は受信する。または、機器30は、伝送部材40を介して電力供給を受けたり、電力を分配したりする。機器30としては、例えば、電子制御ユニット、ランプ(特にマップランプ、室内ランプ)、スピーカ、室内カメラ、モニタ、投影機器、外部通信用アンテナ、室内側アンテナ等が想定される。機器30の仕様、種類及び数等は、車種、グレード及びオプション等に応じて、代わり得る。
剛性部材50は、機器30の仕様、種類及び数等の設計変更に柔軟に対応可能とされる。1つの剛性部材50に、機器30は、少なくとも1つ設けられる。ここでは1つの剛性部材50に、複数(図3に示す例では、3つ)の機器30が設けられる。剛性部材50における機器30の配置位置は任意である。また配線モジュール20が屋根部分11に組込まれた状態で、屋根部分11における機器30の配置位置は任意である。好ましくは、機器30は、屋根部分11に対して、機器30が果たす役割に適した位置に固定される。例えば、機器30がマップランプである場合を想定すると、当該機器30は、前席斜め上前方位置に配設されることになる部分に固定されてもよい。また、例えば、機器30が外部通信用アンテナである場合を想定すると、当該機器30は、ルーフパネル13に形成されたアンテナ用孔に対応する位置に配設されることになる部分に固定されてもよい。
伝送部材40は、電気又は光等を伝送する部材であり、少なくとも一端部が機器30に接続される配線経路に沿って設けられる部材である。例えば、伝送部材40は、芯線と芯線の周囲の被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、シールド線、電気ケーブル、エナメル線、ニクロム線、同軸線、光ファイバ等であってもよい。つまり、伝送部材40は、電気を伝送する線状の部材であってもよい。電気を伝送する線状の部材としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。また、電気を伝送する線状の伝送部材40は、単一の線状物であってもよいし、複数の線状物の複合物(ツイスト線、複数の線状物を集合させてこれをシースで覆ったケーブル等)であってもよい。伝送部材40は、シート状部材に対する導電性塗料の塗布、銅箔に対するエッチング等によって形成されてもよい。ここで、伝送部材40が一般電線であることを想定した説明がなされる。
伝送部材40の一端部と機器30との接続は、コネクタを介して行われてもよい。伝送部材40が機器30内に直接導入され、機器30内の電気要素に直接に接続されていてもよい。伝送部材40の他端部は、機器30とは別の機器(例えば、電子制御ユニット又は電源等)に向けて延びる。伝送部材40のうち機器30から延び出た部分が剛性部材50に保持される。伝送部材40のうち剛性部材50から延び出た部分がルーフパネル13に保持される。伝送部材40のうちルーフパネル13に保持される部分よりも他端部側の部分は、ピラー等に引出され、車両10において屋根部分11よりも下方の機器に接続されてもよい。
剛性部材50は、複数の機器固定部52と、パネル固定部60とを含む。各機器30は、複数の機器固定部52から選択されたいずれかの機器固定部52に固定されている。配線モジュール20は、パネル固定部60によって車体パネル13に固定される。ここでは剛性部材50は、配線保持部54をさらに含む。伝送部材40のうち各機器30から延び出た部分が配線保持部54に保持されている。ここでは、剛性部材50は、細長い長方形板状に形成されている。剛性部材50の長尺方向が車両10の幅方向に沿うように、剛性部材50が車両10に配置される。剛性部材50の長尺方向が車両10の前後方向に沿うように、剛性部材50が車両10に配置されてもよい。
複数の機器固定部52として、剛性部材50の表面に複数の固定穴53が形成されている。各機器30が、複数の固定穴53から選択されたいずれかの固定穴53の組を用いて固定されている。機器30が剛性部材50に固定された状態で、機器30の固定に用いられていない固定穴53(機器30の固定の際に選択されなかった固定穴53)が存在する。ここでは固定穴53を用いて、機器30と剛性部材50とがネジ止めされている。固定穴53にクリップが挿し込まれるなどして、機器30と剛性部材50とが固定されていてもよい。
複数の固定穴53が規則的に形成された領域が3つ設けられている。各領域において、複数の固定穴53は第1方向と、第1方向に交差する第2方向とに並んでいる。第1方向及び第2方向は任意である。ここでは第1方向は剛性部材50の長尺方向であり、第2方向は第1方向と直交する方向である。第1方向における固定穴53の間隔及び第2方向における固定穴53の間隔は任意である。ここでは第1方向における固定穴53の間隔は、等間隔である。第2方向における固定穴53の間隔は、等間隔である。第1方向における固定穴53の間隔と第2方向における固定穴53の間隔とは等しい。3つの領域は、第1方向に沿って並んでいる。第1方向における領域の間隔は、第1方向における固定穴53の間隔よりも大きい。
上記3つの領域のそれぞれに機器30が固定される。このため、1つの剛性部材50に対して、3つの機器30が剛性部材50の長手方向に沿って分かれて配置されている。複数の領域に跨って配置される機器があってもよい。複数の領域の固定穴53が1つの機器の固定に用いられてもよい。剛性部材50の長手方向が車両10の幅方向に沿うように剛性部材50が車両10に配置される場合、1つの剛性部材50に設けられる複数の機器30が、車両10の幅方向に分かれて配置される。
図7には、ネジS及びナットを用いて、機器30が機器固定部52に固定されている例が示されている。機器30の筐体31には、固定片32が設けられている。固定片32には、固定穴33が形成されている。ネジSが固定穴33、53を貫通した状態で、ネジSの先端部にナットが締結されることによって、機器30及び機器固定部52が固定される。固定穴33、53のいずれかに雌ネジが形成されている場合、ナットは省略されてもよい。機器30及び機器固定部52の固定態様は、ネジS及びナットによるネジ締結以外の固定態様であってもよい。例えば、固定片32にクリップが下向きに突設されており、当該クリップが機器固定部52に形成された固定穴53に抜け止状態で係止する構成であってもよい。また例えば、機器固定部52に設けられた凸部が固定片32に形成された固定穴33に係止してもよい。その他、リベット止等によって、機器30が機器固定部52に固定されてもよい。
1つの機器30には、複数(ここでは4つ)の固定片32が設けられている。4つの固定片32は、第1方向及び第2方向に並ぶ。各固定片32に固定穴33が形成される。第1方向における固定穴33の間隔は、第1方向における機器固定部52の固定穴53の間隔の整数倍(等倍を含む)であるとよい。同様に、第2方向における固定穴33の間隔は、第2方向における機器固定部52の固定穴53の間隔の整数倍(等倍を含む)であるとよい。
第1方向における固定穴33の間隔は、第1方向における機器固定部52の固定穴53の間隔の整数倍(等倍を含む)でなくともよい。同様に、第2方向における固定穴33の間隔は、第2方向における機器固定部52の固定穴53の間隔の整数倍(等倍を含む)でなくともよい。固定穴33の間隔が、固定穴53の間隔と異なる場合、図7及び図8に示すように、機器30が、間隔調整部材34を介して機器固定部52に固定されてもよい。
間隔調整部材34は細長い板状に形成されている。間隔調整部材34には、4つの固定穴35a、35bが形成されている。4つの固定穴35a、35bのうち2つの固定穴35aの間隔は、固定穴33の間隔と等倍である。当該2つの固定穴35aを用いて、機器30が間隔調整部材34に固定される。4つの固定穴35a、35bのうち2つの固定穴35bの間隔は、固定穴53の間隔の整数倍(等倍を含む)である。当該2つの固定穴35bを用いて、間隔調整部材34が機器固定部52に固定される。1つの機器30が、一対の間隔調整部材34を介して機器固定部52に固定される。なお、1つの固定片32に対して、1つの間隔調整部材が設けられてもよい。また、4つの固定片32に対して、1つの間隔調整部材が設けられてもよい。
図8に示す機器30の例では、第1方向及び第2方向のいずれか一方のみにおいて固定穴33の間隔が固定穴53の間隔と異なる。第1方向及び第2方向の両方において固定穴33の間隔が固定穴53の間隔と異なっていてもよい。この場合、一対の間隔調整部材34の一方に形成される固定穴35bと、他方に形成される固定穴35bとの間隔が、固定穴53の間隔の整数倍(等倍を含む)となるように、固定穴35a、35bがずれて形成されていてもよい。
パネル固定部60として、剛性部材50を厚み方向に貫通する貫通孔61が形成されている。貫通孔61は、受部14の貫通孔14cに対応する位置に形成される。図6及び図7には、ネジS及びナットを用いて、受部14にパネル固定部60が固定されている例が示されている。すなわち、ネジSが貫通孔14c、61を貫通した状態で、ネジSの先端部にナットが締結されることによって、受部14及びパネル固定部60が固定される。ここでは貫通孔61は、機器固定部52よりも剛性部材50の側縁部に近い位置に設けられる。剛性部材50の両側縁部において、複数(ここでは4つ)の貫通孔61が、剛性部材50の長尺方向に沿って並んでいる。4つの貫通孔61のうち2つは、3つの領域の間に設けられる。4つの貫通孔61のうち残りの2つは、3つの領域の外側に設けられる。
剛性部材50は、受部14に対応する位置に配置される。ルーフパネル13に対する受部14及び剛性部材50の配設領域は、任意である。受部14及びパネル固定部60の固定態様は、ネジS及びナットによる締結以外の固定態様であってもよい。例えば、ルーフパネル13にクリップが下向きに突設されており、当該クリップが剛性部材50に形成された孔に抜け止状態で係止する構成であってもよい。また例えば、剛性部材50に設けられたクリップが受部14に形成された孔に係止してもよい。その他、リベット止等によって、剛性部材50が受部14に固定されてもよい。
配線保持部54は、配線収容部55と突起58、59とを有する。配線収容部55は、剛性部材50の表面に溝状に形成されている。配線収容部55には、伝送部材40が収容されている。突起58、59は、配線収容部55の上部開口からの伝送部材40の抜けを抑制する。
配線収容部55は、第1収容部56と第2収容部57とを有する。第1収容部56は、剛性部材50の幅方向に沿って固定穴53と貫通孔61との間に設けられる。第1収容部56は、剛性部材50の長手方向に沿って延在する。第1収容部56の一端部は、剛性部材50の外縁部に達する。従って、第1収容部56は、剛性部材50の外縁部に開口する。当該開口部から伝送部材40が剛性部材50の外方に延び出る。第2収容部57は、第1収容部56と交差する方向に延びる。第2収容部57の一端部は第1収容部56と連通する。第2収容部57は、第1収容部56から機器固定部52に向けて延びる。第2収容部57は、第1収容部56の長手方向に沿って間隔をあけて複数(ここでは3つ)設けられる。第1収容部56には複数の機器30の伝送部材40が収容され、第2収容部57には一部の機器30の伝送部材40が収容される。このため、ここでは各第2収容部57は第1収容部56よりも小さい。特にここでは、各第2収容部57の幅寸法は、第1収容部56の幅寸法よりも小さい。第2収容部57の他端部には、傾斜面が設けられている。これにより、伝送部材40が傾斜面を通じて緩やかに第2収容部57から機器30に向けて延び出ることができる。
突起58は第1収容部56に設けられ、突起59は第2収容部57に設けられている。第1収容部56に設けられた突起58と、第2収容部57に設けられた突起59とは、形状が異なっている。
突起58は、第1収容部56の開口部の縁から第1収容部56の開口部を覆うように突出する。突起58は、伝送部材40の上方を覆いつつ第1収容部56の開口部を狭めて、第1収容部56からの伝送部材40の抜けを抑制する。また突起58は、伝送部材40が通過可能な隙間をあけるように設けられる。この隙間から伝送部材40が第1収容部56に収容されることができる。隙間の大きさは、伝送部材40の太さと同じか、それよりも若干小さく設けられるとよい。これにより、第1収容部56に収容された伝送部材40が、隙間を通じて抜けることが抑制される。突起58は、隙間が大きくなるように弾性変形可能に設けられてもよい。
ここでは、突起58は、第1収容部56の長手方向に沿って間隔をあけた複数箇所に設けられる。各箇所において、突起58は一対設けられる。一対の突起58は、第1収容部56の両側から互いに近づくように突出する。一対の突起58の先端部の間に、上記隙間が生じている。一対の突起58は、隙間が大きくなるように弾性変形可能に設けられてもよい。
突起59は、第2収容部57の側壁の内面から第2収容部57の収容空間を狭めるように突出する。突起59は、伝送部材40と接触する。伝送部材40は、突起59が設けられた位置において、第2収容部57に圧入された状態とされる。突起59は、各第2収容部57の長手方向に沿って1箇所に設けられる。突起59は一対設けられる。一対の突起59は、第2収容部57の両側から互いに近づくように突出する。一対の突起59の先端部の間に伝送部材40が圧入される。
伝送部材40は第2収容部57に圧入されているが、第1収容部56には圧入されていない。このため、伝送部材40のうち第1収容部56に収容された部分は、第2収容部57に収容部に収容された部分よりも比較的自由に動くことができる。
ここでは複数の機器30のすべてが、剛性部材50の上面に配置されている。複数の機器30のすべてが、剛性部材50の下面に配置されてもよい。複数の機器30が、剛性部材50の上面及び下面の両方に分かれて配置されてもよい。複数の機器30は、果たす役割に応じて、剛性部材50の上面及び下面に選択的に設けられてもよい。例えば、機器30が外部通信用アンテナの場合、剛性部材50の上面に設けられて、ルーフパネル13に形成されたアンテナ用孔に収められてもよい。また例えば、機器30がランプの場合、剛性部材50の下面に設けられて、内装部材16に形成された孔を通じて車室内に露出してもよい。
複数の機器30の伝送部材40は、第1収容部56の開口部を通じて、まとまって剛性部材50から延び出る。これにより、機器30の数によらず、複数の機器30の伝送部材40を1つの配線群として扱うことができる。
剛性部材50は、内装部材16よりも高剛性であってもよい。ここでの剛性の高低は、例えば、剛性部材50の長手方向に対して直交する面を基準面とし、剛性部材50の当該基準面における曲げ剛性と、内装部材16のうち当該剛性部材50と対向する部分的な領域における当該基準面における曲げ剛性とによって評価されてもよい。例えば、内装部材16は、ウレタンフォームなどに意匠面となる表皮層が設けられた積層体であり、剛性部材50は、中身が埋った中実な樹脂(例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)等)製の板材又は棒材であってもよい。剛性部材50は、ハニカム構造部材のように、強度を持たせつつ軽量化が図られた部材であってもよい。剛性部材50は、鉄、アルミニウム等の金属によって形成されていてもよい。剛性部材50の長さ寸法は、任意であるが、例えば車両10の幅寸法よりも短く設定される。
<効果等>
以上のように構成された配線モジュール20及びこれを備える配線モジュール付きパネル100によると、各機器30が、複数の機器固定部52から選択されたいずれかの機器固定部52に固定されているため、機器30の取付位置の変更、機器30の仕様の変更、又は機器30の増設などに容易に対応することができる。また、通常、車体パネル13の剛性は、内装部材16の剛性よりも高い。この車体パネル13に配線モジュール20が固定されるため、機器30が増えるなどして配線モジュール20の重量が増加しても、車両10において配線モジュール20が適切に支持されることができる。これらより、車両10における車体パネル13と内装部材16との間の配置空間に配置される機器30の設計の自由度を高くできる。
また、複数の機器固定部52として、剛性部材50の表面に複数の固定穴53が形成されており、各機器30が、複数の固定穴53から選択されたいずれかの固定穴53の組を用いて固定されている。これにより、機器30の固定に用いられる固定穴53の組を変更することによって、機器30の固定位置の変更、機器30の大きさの変更などに容易に対応可能となる。
また、剛性部材50は、伝送部材40が保持される配線保持部54を含み、配線保持部54は、剛性部材50の表面に溝状に形成されて伝送部材40が収容された配線収容部55と、配線収容部55の開口部を覆って伝送部材40の抜けを抑制する突起58、59とを有する。これにより、伝送部材40を保持するための部材を剛性部材50とは別に設けずに済む。また、機器30の変更時に、伝送部材40が配線保持部54に対して容易に着脱可能とされる。また、配線収容部55の出口を通して複数の機器30の伝送部材40が一群となって剛性部材50から延び出ることができ、複数の機器30の伝送部材40を1つの配線群として扱うことができる。
また、配置空間は、車体パネル13としてのルーフパネル13と、内装部材16としてのルーフライナ16との間のルーフ内空間である。これにより、ルーフ内空間に配置される機器30の変更、増設などに容易に対応することができる。
また、車体パネル13には、剛性部材50のパネル固定部60が固定される受部14と、伝送部材40のうち剛性部材50の外方を延びる部分が保持されるパネル側配線保持部15とが設けられている。これにより、配線モジュール20が車体パネル13に固定される際、伝送部材40のうち剛性部材50の外方を延びる部分も一緒に車体パネル13に保持されることができる。
また、配線モジュール20、受部14及びパネル側配線保持部15が、1つの車体パネル13に複数設けられ、複数のパネル側配線保持部15のうち少なくとも1つには、複数の配線モジュール20の伝送部材40がまとめて保持される。これにより、複数の配線モジュール20の伝送部材40が1つの車体パネル13に簡易に保持されることができる。
例えば、複数の配線モジュール20の伝送部材40は、パネル側配線保持部15に保持される前の段階でまとめられていない。このため、複数の配線モジュール20は、車体パネル13に固定される前の段階で、別々に保管、運搬等ができる。これにより、配線モジュール20の保管スペース、運搬スペースを小さくすることができる。また、複数の配線モジュール20は、パネルに対して、別々に組付けられることができる。
[実施形態2]
実施形態2にかかる配線モジュールについて説明する。図9は実施形態2にかかる配線モジュール120を示す平面図である。図10は図9のX-X線に沿った断面図である。なお、本実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。以下の各実施形態及び変形例の説明についても同様である。
配線モジュール120は、剛性部材150に流路62が設けられる点で、上記配線モジュール20とは異なる。流路62には、ダクト17から冷却用空気が流入する。これにより、剛性部材150に固定された機器30が冷却されることができる。
図9に示すダクト17は、後席用のダクト17である。ダクト17はダクト側流路18A、18B、18Cを有する。ダクト側流路18A、18Bは、車両10の両側方において、X方向に延びる。ダクト側流路18Cは、車両10の後方において、Y方向に延び、ダクト側流路18A、18Bを連結する。ダクト17には、後席に向けての吹出口19Aが設けられている。吹出口19A、19Bは、例えば、ダクト側流路18A、18Bに設けられる。なお、車両10において、エアコンユニットなどの空調設備の本体は、通常、ルーフ内空間には配置されず、ルーフ内空間よりも下方(例えば、インストルメントパネルの内部又は後席の後ろなど)に配置される。後席用のダクト17は、例えば、Cピラーを通るダクトなどを介して、後席の後ろに配置される空調設備の本体と接続される。空調設備の本体からの冷気が、吹出口19A、19Bを介して後席に向けて放出される。
剛性部材150の流路62は、中空の剛性部材150の内部に形成されている。剛性部材150の内部の空間と、当該空間を囲う内面とによって流路62が構成されている。流路62は剛性部材150の長手方向に延びる。
流路62は、車両10におけるダクト17のダクト側流路と接続される。ここでは流路62は、車両10の両側のダクト側流路18A、18Bのうち一方のダクト側流路18Aのみと接続される。流路62は、3方に開口している。3つの開口は、吸気口63、露出用孔65及び排気口64である。流路62は固定穴35とは連通していない。例えば、流路62は剛性部材150の幅方向に沿って固定穴35の間に設けられてもよい。機器30は流路62を跨ぐように配置されてもよい。
吸気口63は、剛性部材150の外面のうちY方向を向く面(ダクト側流路18Aを向く面)に開口している。吸気口63がダクト側流路18Aと接続される。これにより、ダクト側流路18Aから吸気口63を介して、流路62内に冷却用空気が流れることができる。ここでは、管状部材80を介して、流路62とダクト側流路18Aとが接続される。ダクト側流路18Aには、後席に向けての吹出口19Aとは別に、剛性部材50に向けての吹出口19Bが設けられる。吹出口19Bは、剛性部材50を向く面に開口している。吸気口63と吹出口19Bとは、XZ平面で対応する位置に設けられる。吸気口63と吹出口19Bとが管状部材80を介して接続されている。吸気口63は流路62よりも小さい開口である。このため、吸気口63の周縁部は、XZ平面に沿って広がる平板部とされる。
露出用孔65は、剛性部材150の上面に開口している。露出用孔65は、上面のうち機器30と対向する部分に開口している。例えば、露出用孔65は、Z方向から見てX方向よりもY方向に長い長方形状である。もっとも、露出用孔65の大きさ及び形状は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
排気口64は、吸気口63及び露出用孔65とは別の開口である。流路62の延在方向に沿って、吸気口63及び排気口64の間に、機器30が設けられる。排気口64は、剛性部材150の外面のうちY方向を向く面であって、排気口64が開口する面とは逆向きの面(ダクト側流路18Bを向く面)に開口している。排気口64は流路62と同じ大きさの開口である。
機器30には、放熱部36が設けられている。放熱部36は、露出用孔65に面する。これにより、放熱部36は、冷却用空気と直接的に接することができる。ここでは、放熱部36が筐体31のうち剛性部材150と接する部分よりも露出用孔65側に突出する。もっとも、放熱部36の外面は、筐体31のうち剛性部材150と接する部分と同一の平面であってもよい。ここでは、放熱部36が流路62まで突出する。もっとも、放熱部36は露出用孔65内で留まり、流路62まで突出していなくてもよい。ここでは放熱部36として、伝熱部材37及びヒートシンク38が設けられている。
伝熱部材37は、筐体31の下面に取付けられている。伝熱部材37としては、特に限定されるものではないが、例えば、筐体31となるべく隙間なく密着可能な部材であると良い。かかる伝熱部材37としては、例えば、放熱グリス、放熱シート、放熱ゴムなどであってもよい。
ヒートシンク38は、伝熱部材37の下面に取付けられている。ヒートシンク38は、ベース及び複数のフィンを含む。ベース及び複数のフィンは、平板状に形成されている。ベースはXY平面に平行に広がる。ベースは、Z方向に沿って機器30側において、複数のフィンを連結している。複数のフィンは、流路62内に位置する。複数のフィンは、ベースの一方の面から互いに平行にZ方向に突出する。各フィンは、YZ平面に平行に広がる。複数のフィンは、X方向に沿って互いに離れている。これにより、互いに対向するフィン同士の間を冷却用空気が通り抜けることができ、ヒートシンク38と冷却用空気との間で熱交換される熱量が大きくなる。
図10には、流路62における冷却用空気の流れが、矢符Aによって示されている。吸気口63から流路62内に入った冷却用空気は、排気口64に向かう途中に、機器30が設けられた部分を通る。このとき、冷却用空気は、機器30からの熱を受け取り、暖められる。機器30は、冷却用空気に熱を渡すことによって、冷やされる。暖められた冷却用空気は、排気口64からルーフ内空間に放出される。これにより、暖められた冷却用空気が流路62内に留まって、冷却用空気と機器30との間の熱交換の効率が悪化することが抑制される。つまり、空調設備の本体が稼働して冷却用空気が流路62に送られる場合、機器30は、常に新しい冷却用空気との間で熱交換を行うことができる。
特にここでは、放熱部36としてのヒートシンク38が流路62内に配置されている。これにより、流路62を流れる冷却用空気がヒートシンク38と熱交換でき、より大きな熱が機器30側から冷却用空気に渡されることができる。
管状部材80は、剛性部材150とダクト17との間に介在する。管状部材80は、剛性部材150と後席用のダクト17とを接続する。管状部材80は、剛性部材50の一端部において、剛性部材150とダクト17とを接続している。ここでは、管状部材80の一端部が吸気口63に接続され、管状部材80の他端部が吹出口19Bに接続されている。管状部材80は蛇腹状に形成された管状本体部と管状本体部よりも大きく広がる鍔部とを含む。蛇腹状の管状本体部によって、吸気口63及び吹出口19Bの位置ずれを吸収できる。鍔部は管状本体部の両端部に設けられる。鍔部によって管状部材80の両端部が、剛性部材150及びダクト17に接続された状態に維持される。より具体的には、管状部材80の一端部は、吸気口63から流路62に入り、鍔部が吸気口63の周縁部に引っ掛かっている。管状部材80の他端部は、吹出口19Bからダクト側流路18に入り、鍔部が吹出口19Bの周縁部に引っ掛かっている。
図11は実施形態2にかかる配線モジュール120の第1変形例を示す断面図である。
本例の配線モジュール120Aにおいて、図11の矢符Bで示される冷却用空気の流れが、上記配線モジュール120における冷却用空気の流れとは異なっている。機器130Aの筐体131Aには、筐体側吸気口31aが形成されている。筐体側吸気口31aは、筐体131Aのうち剛性部材150Aの露出用孔65Aを向く面に形成されている。流路62Aを流れる冷却用空気が露出用孔65A、筐体側吸気口31a及び筐体131Aの内部を通って、ルーフ内空間に放出される。これにより、筐体131Aの内部が、冷却用空気によって直接的に冷却されることができる。
図11に示す例では、筐体131Aには、第1貫通孔31a及び第2貫通孔31bが形成されている。第1貫通孔31aは、筐体131Aのうち露出用孔65Aを向く面に形成されている。第2貫通孔31bは、筐体131Aのうち第1貫通孔31aが形成された面とは別の面に形成されている。筐体131Aの内部において、第1貫通孔31aの開口がある空間と、第2貫通孔31bの開口がある空間とがつながっている。第1貫通孔31aが、筐体側吸気口31aとして機能する。第2貫通孔31bが、筐体側排気口31bとして機能する。なお、筐体131Aにおいて、筐体側排気口31bとして、第2貫通孔31bが形成されている必要はない。例えば、筐体が蓋のない容器のみで構成されている場合、容器の開口が筐体側排気口として機能する。また例えば、筐体において、外部空間と内部空間とをつなぐ隙間がある場合に、当該隙間が筐体側排気口として機能してもよい。かかる隙間として、例えば、容器と蓋との隙間、又は、伝送部材40と接続されるコネクタを露出させるための隙間などであってもよい。
剛性部材150Aにおいて、上記排気口64が省略されている。流路62Aは、吸気口63及び露出用孔65A以外に開口していない。つまり、流路62Aは、吸気口63及び露出用孔65A以外に閉口している。これにより、流路62Aを流れる冷却用空気は、基本的に、露出用孔65Aを通ってルーフ内空間に放出される。従って本例では、露出用孔65Aが排気口として機能する。流路62Aは、上記流路62よりもY方向に短い。流路62Aは、Y方向に沿って、露出用孔65Aをわずかに越えた位置で閉じられている。
また、本例では、放熱部36としての伝熱部材37及びヒートシンク38は設けられていない。本例においても、伝熱部材37及びヒートシンク38のいずれか一方又は両方が設けられていてもよい。
図12は実施形態2にかかる配線モジュール120の第2変形例を示す断面図である。
本例の配線モジュール120Bにおいて、図12の矢符Cで示される冷却用空気の流れが、上記配線モジュール120における冷却用空気の流れとは異なっている。本例では、剛性部材150Bの上面のうち露出用孔65Bの周辺部分と機器30との間に隙間が設けられている。流路62Bを流れる冷却用空気が、露出用孔65B及び上記隙間を通って、ルーフ内空間に放出される。これにより、機器30が、冷却用空気によって直接的に冷却されることができる。
ここでは、剛性部材150Bの上面において、露出用孔65Bの隣の部分に凹部66が形成されている。凹部66の位置における剛性部材150Bの上面が、凹部66の周辺の位置における剛性部材150Bの上面よりも下がっている。凹部66のY方向に沿った縁部は、機器30よりも外側に位置する。これらより、凹部66の外面と機器30の外面との間に、露出用孔65からルーフ内空間に冷却用空気が放出される隙間が生じている。
本例では、放熱部36として、伝熱部材37が設けられている。伝熱部材37は、露出用孔65Bの周辺部分と機器30との間の隙間を小さくしている。
また本例では、機器30は、2つ設けられている。2つの機器30は、1つの剛性部材150BにY方向に離れて設けられている。剛性部材150Bの上面には、2つの機器30用に2つの露出用孔65Bが設けられている。
剛性部材150Bの内部には、仕切67が設けられている。仕切67は、流路62Bを、一方の機器30用の第1流路と、他方の機器30用の第2流路とに仕切る。これにより、冷却用空気が2つの機器30に向けて流れる際、それぞれ別の流路を流れることができる。これにより、一方の機器30へ向かう冷却用空気と比べて他方の機器30に向かう冷却用空気が少なすぎたり、一方の機器30との熱交換によって暖められた冷却用空気が他方の機器30に向かったりすることを抑制できる。
仕切67はX方向に沿った両側で流路62Bにおける内面とつながっている。仕切67のY方向に沿った第1端部は、一方の機器30用の露出用孔65Bと吸気口63との間に位置する。仕切67のY方向に沿った第1端部は、Y方向に沿って流路62Bにおける内面とつながっていない。仕切67のY方向に沿った第2端部は、一方の機器30用の露出用孔65Bと他方の機器30用の露出用孔65Bとの間に位置する。仕切67のY方向に沿った第2端部は、Z方向に曲がっている。仕切67の第2端部は、Z方向に沿って、上面側に位置する内面とつながっている。一方の機器30用の流路は、第1端部側の開口及び一方の機器30用の露出用孔65B以外に閉口している。他方の機器30用の流路は、第1端部側の開口及び他方の機器30用の露出用孔65B以外に閉口している。
本例でも、剛性部材150Bにおいて、排気口64が省略されている。流路62Bは、吸気口63及び露出用孔65B以外に閉口している。流路62Bは、吸気口63及び露出用孔65B以外に開口していない。露出用孔65Bが排気口を兼ねる。これにより、流路62Bを流れる冷却用空気は、基本的に、露出用孔65Bからルーフ内空間に放出される。流路62Bは、上記流路62よりもY方向に短い。流路62Bは、Y方向に沿って、露出用孔65Bをわずかに越えた位置で閉じられている。
図13は実施形態2にかかる配線モジュール120の第3変形例を示す斜視図である。図14は実施形態2にかかる配線モジュール120の第3変形例を示す断面図である。
本例の配線モジュール120Cにおいて、ダクト17Cは、後席用のダクト17ではなく、前席用のダクト17Cである。ダクト17Cには、前席に向けての吹出口19Cが設けられている。管状部材80Cは、剛性部材150Cと前席用のダクト17Cとを接続する。これにより、剛性部材150Cと前席用のダクト17Cとが管状部材80Cを介して接続されることができる。
前席用のダクト17Cは、上記後席用のダクト17と同様にルーフ内空間に配置されてもよい。前席用のダクト17Cは、ルーフ内空間に配置されていなくてもよい。例えば、前席用のダクト17Cは、インストルメントパネルの裏側の空間などに配置されてもよい。
管状部材80Cは、上記管状部材80よりも、長く形成されている。ダクト17Cは、ルーフ内空間において剛性部材150CとX方向に離れて配置される。又はダクト17Cは、ルーフ内空間に配置されずに、ルーフ内空間の下方に配置される。このため、管状部材80Cは、剛性部材150Cとの接続部からX方向に延びている。ダクト17Cが、ルーフ内空間に配置されずに、ルーフ内空間の下方に配置される場合、管状部材80Cが、ルーフ内空間からAピラーに沿って下がるように延びて、当該ダクト17Cと接続されてもよい。
なお、管状部材80Cの端部には、管状部材80と同様に鍔部が設けられて、鍔部によって流路62Cからの抜け止めがなされている。また、管状部材80Cの管状本体部は、直管状であるが、上記管状部材80の管状本体部と同様に、蛇腹管状であってもよい。
本例の剛性部材150Cも上記剛性部材150Bと同様に、露出用孔65Cの周辺部分と機器30との間に隙間が設けられている。当該隙間は、凹部66によって生じている。また剛性部材150Cにおいて、排気口64が省略されている。流路62Cは、吸気口63及び露出用孔65C以外に閉口している。なお本例の剛性部材150Cでは、1つの機器30を支持している。従って、図14の矢符Dに示されるように、流路62Cを流れる冷却用空気が、露出用孔65C及び上記隙間を通って、ルーフ内空間に放出される。これにより、機器30が、冷却用空気によって直接的に冷却されることができる。
本例では、剛性部材150Cが複数設けられる。複数の剛性部材150Cそれぞれに機器30が支持される。複数の剛性部材150Cは、X方向に離れて設けられる。1つの管状部材80Cが、ダクト17C側から複数の剛性部材150Cに向かう途中に分岐しつつ、複数の剛性部材150Cそれぞれと接続される。従って、管状部材80Cには、分岐部が設けられる。これにより、複数の剛性部材150Cとダクト17Cとが1つの管状部材80Cを介して接続されることができる。もっとも、複数の剛性部材150Cはそれぞれ別の管状部材を介してダクト17Cと接続されていてもよい。
[剛性部材の変形例]
図15は変形例にかかる剛性部材250を示す平面図である。
これまで、1つの車体パネル13に配線モジュール20が複数設けられるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。1つの車体パネル13に配線モジュール20が1つ設けられてもよい。1つの配線モジュール20の1つの剛性部材50が車体パネル13の大部分を覆うことができる大きさに形成されていてもよい。当該剛性部材50は、例えば、一つの成形部材が車体パネル13の大部分を覆うことができるように構成されていてもよい。また例えば、図15に示される剛性部材250のように、それぞれが車体パネル13の一部を覆う複数の分割部材70が合体して1つの剛性部材250が構成されていてもよい。複数の分割部材70の連結構造について、図16から図18を参照しつつ、説明する。図16は複数の分割部材70の連結構造を示す部分拡大斜視図である。図17は複数の分割部材70の連結構造を示す部分分解斜視図である。図18は複数の分割部材70の連結構造を示す部分拡大側面図である。
複数の分割部材70は、相対的に変位可能に連結される。複数の分割部材70は、少なくとも1方向において相対的に変位可能であればよい。複数の分割部材70は、互いに接近及び離隔移動可能(図18の矢符E参照)、かつ、剛性部材250の厚み方向(図18の矢符F参照)に揺動可能、かつ、複数の分割部材70の接近離隔方向と剛性部材250の厚み方向とに交差する方向に揺動可能(図16の矢符G参照)に連結されていてもよく、本実施形態では、そのための構成が説明される。連結される2つの分割部材70のうち一方が分割部材70Aとされ、他方が70Bとされて説明される。
分割部材70Aは、板状に広がる本体部71Aと、連結片74とを含む。本体部71Aのうち分割部材70B側の縁部に連結片74が設けられる。連結片74は、本体部71Aから分割部材70B側に向けて延びている。
より具体的には、本体部71Aと連結片74とは、樹脂によって金型一体形成されている。本体部71Aのうち分割部材70B側の側面の厚み方向中間部に連結片74が突出している。
分割部材70Bは、板状に広がる本体部71Bと、第1挟持片72と、第2挟持片73とを含む。本体部71Bのうち分割部材70A側の縁部に第1挟持片72と第2挟持片73とが設けられている。第1挟持片72と第2挟持片73とは、Y方向に沿って延在している。
ここでは、本体部71Bと、第1挟持片72と、第2挟持片73とは、樹脂によって金型一体形成されている。第1挟持片72は、本体部71Bのうち本体部71Bの下面寄りの位置から分割部材70A側に突出している。第2挟持片73は、本体部71Bのうち本体部71Bの上面寄りの位置から一方の分割部材70A側に突出している。
第1挟持片72と第2挟持片73とは、分割部材70Bの平面視において重なり合うように、本体部71Bの厚み方向において対向し合っている。第1挟持片72と第2挟持片73との間に、連結片74の厚み寸法T1以上の隙間T2が形成されている。そして、連結片74が第1挟持片72と第2挟持片73との間に配置された状態で、分割部材70A、70Bが連結されている。このため、連結片74が第1挟持片72と第2挟持片73との間で動ける範囲内で、組付の支障となるような過剰な垂下がりを抑制しつつ、分割部材70A、70Bが剛性部材250の厚み方向に揺動できる。
分割部材70A、70Bの一方にロック片75が設けられ、他方に受凹部76が設けられる。本実施形態では、分割部材70Bにロック片75が設けられ、分割部材70Aに受凹部76が設けられる例が示される。これとは逆に、一対の挟持片72、73を有する分割部材70Bに受凹部76が設けられ、連結片74を有する分割部材70Aにロック片75が設けられてもよい。
ロック片75は、細長い部分の先端部にロック突部75aが突設された形状とされる。ロック突部75aは、例えば、ロック片75の先端部に向うに従って徐々に突出寸法が小さくなる部分を有する形状に形成される。ロック突部75aのうちロック片75の基端側を向く面は、ロック片75の延在方向に対して直交する面であってもよい。
ロック片75は、第1挟持片72と第2挟持片73との間に設けられる。ここでは、第1挟持片72と第2挟持片73との延在方向両端に一対のロック片75が設けられる。ロック片75は、本体部71Bのうち分割部材70Aを向く側面において、第1挟持片72と第2挟持片73との間に突出している。ロック突部75aは、第1挟持片72と第2挟持片73との間において、それらの長手方向外側を向くように突出している。
受凹部76は、分割部材70Aにおける連結片74に形成される。より具体的には、連結片74の長手方向両端部に、受凹部76が形成される。ここでは、連結片74のうち分割部材70B側の端部から本体部71Aに向うように形成された方形状の有底穴部分76aが形成される。この有底穴部分76aの奥に受凹部76が形成される。有底穴部分76aは、ロック片75を挿入可能な大きさ及び深さに形成される。受凹部76は、有底穴部分76aの奥の側面に対して凹む(ここでは外側に開口する)形状に形成されている。受凹部76は、ロック突部75aを配置可能な大きさに形成される。受凹部76は、分割部材70A、70Bの厚み方向及び接近離隔方向において、ロック突部75aの移動を許容する大きさに設定される。より具体的には、分割部材70A、70Bの接近離隔方向E(分割部材70A、70Bが並ぶ方向)において、受凹部76の寸法L2は、ロック突部75aの寸法L1よりも大きい。このため、ロック突部75aは、方向Eにおいて、受凹部76内を移動することができる。また、分割部材70A、70Bの厚み方向において、受凹部76の寸法M2は、ロック突部75aの寸法M1よりも大きい。このため、ロック突部75aは、分割部材70A、70Bの厚み方向においても、受凹部76内を移動することができる。
なお、本実施形態では、連結片74に受凹部76が形成されているが、必ずしもその必要は無い。連結片74とは別に突片が形成され、その突片に受凹部が形成されてもよい。
また、分割部材70Aに、第1挟持片72と第2挟持片73とのうちの少なくとも一方の外面に接触可能な補助片77が設けられる。ここでは、本体部71Aのうち分割部材70B側を向く面であって、連結片74に対して第1挟持片72を介して対向する部分に補助片77が設けられる。補助片77は、本体部71Aに対して樹脂によって金型一体形成されている。
連結片74と補助片77との間には、第1挟持片72の厚み寸法よりも大きい隙間が形成されている。このため、第1挟持片72は、連結片74と補助片77との間を、分割部材70A、70Bの厚み方向に移動することができる。しかしながら、分割部材70Aに対して分割部材70Bが支持され、結果、ロック突部75aが受凹部76内において下縁に接する状態で、補助片77が第1挟持片72の外向き面(下向き面)に接触するようになっている。これにより、分割部材70A、70Bが相対変位した場合において、分割部材70Bの荷重が、ロック突部75aと受凹部76との間だけではなく、補助片77によっても分散して受止められる。これにより、分割部材70A、70Bが分離し難くなっている。
本体部71Aの側面からの補助片77の突出長は、連結片74の突出長よりも小さく設定されていることが好ましい。これにより、分割部材70A、70Bの相対的な変位を、補助片77が妨げないようにすることができる。
この剛性部材250によると、連結片74を、第1挟持片72と第2挟持片73との間に配置しつつ、一対のロック片75を有底穴部分76aに挿入する。すると、ロック突部75aが有底穴部分76a内の外側側面に接触して、ロック片75が弾性変形する。ロック突部75aが受凹部76に達すると、ロック片75が元の形状に復帰し、ロック突部75aが受凹部76に嵌り込んだ状態となる。
この状態では、ロック突部75aが受凹部76内を移動することができ、かつ、連結片74が第1挟持片72と第2挟持片73との間で移動できる範囲で、分割部材70A、70Bの厚み方向F、及び、分割部材70A、70Bの接近離隔方向Eに、分割部材70A、70Bが相対的に変位することができる。また、連結片74の両端で、ロック突部75aが受凹部76内を方向Eに沿って移動できることから、連結片74の一端側でロック突部75aが本体部71Aに近く、連結片74の他端側でロック突部75aが本体部71Aから遠くに位置したり、また、その逆に位置したりすることが可能となり、結果、分割部材70A、70Bは、車両10の前後方向Gにおいても相対的に揺動変位することができる。
図19は複数の分割部材70の連結構造の変形例を示す部分拡大斜視図である。図20は複数の分割部材70の連結構造の変形例を示す部分分解斜視図である。図21は複数の分割部材70の連結構造の変形例を示す断面図である。連結される2つの分割部材70のうち一方が分割部材70Cとされ、他方が70Dとされて説明される。
分割部材70Cは、板状に広がる本体部71Cと、連結片74Cとを含む。本体部71Cのうち分割部材70D側の縁部に連結片74Cが取付けられている。連結片74Cは、分割部材70D側に向けて延びている。
分割部材70Dは、板状に広がる本体部71Dと、第1挟持片72Dと、第2挟持片73Dとを含む。本体部71Dのうち分割部材70C側の縁部に第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとが設けられている。第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとは、分割部材70Dの平面視において重なり合うように、本体部71Dの厚み方向において対向し合っている。第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとの間に、連結片74Cの厚み寸法T1以上の隙間T2が形成されている。そして、連結片74Cが第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとの間に配置された状態で、分割部材70C、70Dが連結されている。このため、連結片74Cが第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとの間で動ける範囲内で、組付の支障となるような過剰な垂下がりを抑制しつつ、分割部材70C、70Dが剛性部材250Aの厚み方向に揺動できる。
より具体的には、上記分割部材70Cにおいて、本体部71Cと連結片74Cとは別体に形成されている。例えば、本体部71Cが樹脂によって形成され、連結片74Cが金属板によって形成されていてもよい。連結片74Cは樹脂によって形成されてもよい。連結片74Cは、本体部71Cの側部に外方に突出するように取付けられる。本実施形態では、本体部71Cの一方面(上面)のうち分割部材70D側の側部に沿って、細長い凹溝部78gが形成される。連結片74Cのうち本体部71Cに取付けられる側の取付側部74aが、連結片74Cの幅方向中央に対して段部を介して突出する形状に形成されている。そして、その取付側部74aが、凹溝部78gの底面に接するように当該凹溝部78g内に配置された状態で、取付側部74aが凹溝部78gの底部分にネジSによって固定される。
本体部71Cに対する連結片74Cの取付構成は上記例に限定されず、他のリベット固定構造、溶着固定構造であってもよい。また、上記連結片74Cが本体部71Cと別体であることは必須ではなく、連結片74Cと本体部71Cとが樹脂によって金型一体成形されてもよい。
連結片74Cのうち分割部材70D側の側部は、連結片74Cの幅方向中央に対して段部を介して当該連結片74Cの一方面側(下面側)に突出する側方凸部74bに形成される。側方凸部74bは、分割部材70C、70Dの境界に沿って延在している。
分割部材70D側の第1挟持片72Dは、本体部71Dのうち分割部材70C側の側部に沿って延在する細長い部分である。ここでは、本体部71Dと第1挟持片72Dとは、樹脂によって、金型一体形成される。
第1挟持片72Dには、分割部材70C、70Dの境界に沿って延在する凹溝部72gが形成されている。凹溝部72gは、上記境界に沿って延びる細長い溝である。凹溝部72gの平面的な大きさは、上記側方凸部74bよりも大きく設定される。例えば、分割部材70C、70Dの接近離隔方向(分割部材70C、70Dが並ぶ方向)において、凹溝部72gの幅W2は、上記側方凸部74bの幅W1よりも大きい。また、例えば、分割部材70C、70Dの境界の方向において、凹溝部72gの長さは、上記側方凸部74bの長さよりも大きい。この凹溝部72gに、側方凸部74bが収容され得る。側方凸部74bが凹溝部72gに収容された状態で、上記大きさに余裕がある分、側方凸部74bが凹溝部72g内で移動することができる。
凹溝部72gの長手方向両端外側には、凹溝部72gの底面よりも突出する一対の支持凸部72tが形成されている。凹溝部72gの周囲4方は壁面によって囲まれている。凹溝部72gの底面に対する支持凸部72tの突出長は、連結片74Cの厚み寸法T1よりも大きい。ここでは、支持凸部72tに、連結片74Cの端部14aを嵌込可能な凹部が形成されており、凹溝部72gの底面に対する凹部の底面の高さが支持凸部72tの突出長に対応する。この突出長によって上記隙間の寸法T2が設定され得る。
第2挟持片73Dは、本体部71Dとは別体に形成されている。第2挟持片73Dは、例えば、金属板であってもよい。第2挟持片73Dは、上記凹溝部72gよりも長い長方形板状に形成される。第2挟持片73Dの両端部が支持凸部72tに接した状態で、第2挟持片73Dが第1挟持片72Dに対して一定位置に取付けられる。例えば、第2挟持片73Dの両端部が一対の支持凸部72tに重ね合わされた状態で、ネジSによって第2挟持片73Dの端部が支持凸部72tにネジ止される。この部分の固定は、他のリベット止等によってなされてもよい。
上記凹溝部72g内に側方凸部74bを収容した状態で、第2挟持片73Dを第1挟持片72Dに取付けることで、第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとの間に連結片74Cの側方凸部74bが挟込まれた状態となる。この状態で、第2挟持片73Dは、連結片74Cに対して第1挟持片72Dとは反対側で対向し、側方凸部74bを凹溝部72g内に収容された状態に保つ。
第2挟持片73Dは、上記支持凸部72tに接した状態とされているため、凹溝部72gの底と第2挟持片73Dとの間に、支持凸部72tの突出長に応じて上記寸法T2の隙間が確保される。このため、連結片74Cが第1挟持片72Dと第2挟持片73Dとの間で動ける範囲内で、分割部材70C、70Dがそれらの厚み方向Fにおいて揺動することができる。また、側方凸部74bは、凹溝部72gの4方を囲む壁面の内側で移動することができる。特に、分割部材70C、70Dが並ぶ方向において、凹溝部72gの幅W2は、側方凸部74bの幅W1よりも大きい。この大きい分、側方凸部74bが凹溝部72g内を移動することができ、これにより、分割部材70C、70Dは、それらの接近離隔方向Eにおいて相対移動することができる。また、側方凸部74bは、凹溝部72gの長手方向長端において別々移動することができる。例えば、側方凸部74bの一端部が凹溝部72g内において本体部71D側に偏り、側方凸部74bの他端部は凹溝部72g内において本体部71Dから遠ざかる方向に偏るような移動及びその逆の移動が可能である。これにより、分割部材70C、70Dは、車両10の前後方向Gに揺動するような相対移動も可能となる。
[その他の変形例]
これまで、複数の機器固定部52として、複数の固定穴53が形成されているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、複数の機器固定部52として、凸部が複数、設けられていてもよい。
またこれまで、剛性部材50が配線保持部54を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。剛性部材50において、伝送部材40が保持される部分は、単なる平面であってもよい。この場合、伝送部材40は接着剤、粘着テープなどで剛性部材50に固定されてもよい。また、伝送部材40にクリップが設けられ、当該クリップが固定孔のうち空いている部分に固定されていてもよい。また、配線保持部54が設けられる場合でも、配線保持部54の構成は上記したものに限られない。例えば、配線収容部55として第2収容部57が省略されて、第1収容部56のみが設けられてもよい。
またこれまで、配置空間がルーフ内空間であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。配線モジュール20の配置空間は、車体パネル13としてのドアパネルと、内装部材16としてのドアトリムとの間の空間などであってもよい。
またこれまで、車体パネル13にパネル側配線保持部15が設けられるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。車体パネル13にパネル側配線保持部15が設けられていなくてもよい。この場合、伝送部材40のうち剛性部材50の外方に延びる部分は、内装部材16上に支持されてもよい。また、車体パネル13にパネル側配線保持部15が設けられる場合でも、パネル側配線保持部15の構成は上記したものに限られない。例えば、保持部15bは、伝送部材40に設けられたクリップなどを固定できる孔であってもよい。
また実施形態1の例において、複数の配線モジュール20の伝送部材40のうち剛性部材50の外方を延びる部分が、パネル側配線保持部15に保持される前に、テープ又は結束バンドなどの結束部材によって、予め1つの束にまとめられていてもよい。この場合、1つの配線モジュール20に複数の剛性部材50が設けられているととらえることもできる。つまり、配線モジュール20には、剛性部材50が複数設けられ、複数の剛性部材50から延びる伝送部材40が1つの束にまとめられていてもよい。これにより、複数の剛性部材50から延びる伝送部材40の取り回しが容易となる。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10 車両
11 屋根部分
12 ボディ
13 ルーフパネル(車体パネル)
14 受部
14a 端部
14b 中間部
14c 貫通孔
15 パネル側配線保持部
15a 固定部
15b 保持部
15c 凹部
16 ルーフライナ(内装部材)
17、17D ダクト
18A、18B、18C ダクト側流路
19A、19B、19C 吹出口
20、120、120A、120B、120C 配線モジュール
30、130A 機器
31、131A 筐体
31a 筐体側吸気口(第1貫通孔)
31b 筐体側排気口(第2貫通孔)
32 固定片
33 固定穴
34 間隔調整部材
35 固定穴
36 放熱部
37 伝熱部材
38 ヒートシンク
40 伝送部材
50、150、150A、150B、150C、150D、250、250A 剛性部材
52 機器固定部
53 固定穴
54 配線保持部
55 配線収容部
56 第1収容部
57 第2収容部
58、59 突起
60 パネル固定部
61 貫通孔
62 流路
63 吸気口
64 排気口
65 露出用孔
66 凹部
67 仕切
70、70A、70B、70C、70D 分割部材
71A、71B、71C、71D 本体部
72、72D 第1挟持片
72g 凹溝部
72t 支持凸部
73、73D 第2挟持片
74、74C 連結片
74a 取付側部
74b 側方凸部
75 ロック片
75a ロック突部
76 受凹部
76a 有底穴部分
77 補助片
78g 凹溝部
80 管状部材
100 配線モジュール付きパネル
S ネジ

Claims (7)

  1. 車両において車体パネルと内装部材との間の配置空間に配置される配線モジュールであって、
    少なくとも1つの機器と、
    前記少なくとも1つの機器のそれぞれから延びる伝送部材と、
    パネル固定部と複数の機器固定部とを含む剛性部材と、
    を備え、
    前記少なくとも1つの機器のそれぞれは、前記複数の機器固定部から選択されたいずれかの機器固定部に固定され、
    前記伝送部材のうち前記少なくとも1つの機器のそれぞれから延び出た部分が、前記剛性部材に保持され、
    前記パネル固定部によって前記車体パネルに固定される、配線モジュール。
  2. 請求項1に記載の配線モジュールであって、
    前記複数の機器固定部として、前記剛性部材の表面に複数の固定穴が形成されており、
    前記少なくとも1つの機器のそれぞれが、前記複数の固定穴から選択されたいずれかの固定穴の組を用いて固定されている、配線モジュール。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の配線モジュールであって、
    前記剛性部材は、前記伝送部材が保持される配線保持部を含み、
    前記配線保持部は、前記剛性部材の表面に溝状に形成されて前記伝送部材が収容された配線収容部と、前記配線収容部からの前記伝送部材の抜けを抑制する突起とを有する、配線モジュール。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線モジュールであって、
    前記配置空間は、前記車体パネルとしてのルーフパネルと、前記内装部材としてのルーフライナとの間のルーフ内空間である、配線モジュール。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線モジュールであって、
    前記剛性部材が複数設けられ、
    複数の前記剛性部材から延びる前記伝送部材が1つの束にまとめられている、配線モジュール。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線モジュールと、
    前記車体パネルと、
    を備え、
    前記車体パネルには、前記剛性部材の前記パネル固定部が固定される受部と、前記伝送部材のうち前記剛性部材の外方を延びる部分が保持されるパネル側配線保持部とが設けられている、配線モジュール付きパネル。
  7. 請求項6に記載の配線モジュール付きパネルであって、
    前記配線モジュール、前記受部及び前記パネル側配線保持部が、1つの前記車体パネルに複数設けられ、
    複数の前記パネル側配線保持部のうち少なくとも1つには、複数の前記配線モジュールの前記伝送部材がまとめて保持される、配線モジュール付きパネル。
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