JP2022156805A - 遅延回路、及び遅延回路の制御方法 - Google Patents

遅延回路、及び遅延回路の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トランジスタの閾値電圧に依存しない安定した遅延量を生成すると共に、簡単に遅延量を制御する。【解決手段】遅延回路1は、電流源13、14に接続されたインバータ11、入力端がインバータ11の出力端に接続されたインバータ12、及び一端がインバータ11の出力端に接続されたキャパシタ15を備えた第1遅延回路10と、入力端が第1遅延回路10の出力端に接続された極性を反転するインバータ20と、入力端がインバータ20の出力端に接続され、かつ電流源33、34に接続されたインバータ31、入力端がインバータ31の出力端に接続されたインバータ32、及び一端がインバータ31の出力端に接続されたキャパシタ35を備えた第2遅延回路30と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、遅延回路、及び遅延回路の制御方法に関する。
従来より、遅延時間を定める信号特性を抵抗(R)とキャパシタ(C)の時定数(以下、RC時定数という。)で決定し、その信号をインバータで受け取る回路構成の遅延回路(以下、RC遅延回路という。)が知られている。そして、遅延回路には、入力信号に対して安定した時間だけ遅延させる遅延時間を生成し、当該安定した遅延時間だけ遅延された出力信号を出力することが要求される。ところが従来の遅延回路では、インバータを構成するトランジスタのばらつきなどによって、得られる遅延時間がばらつくことがある。
例えば、遅延回路のインバータとしてCMOSインバータを用いるとき、個体差や製造プロセスのばらつきなどによってCMOSインバータを構成するPMOSトランジスタの閾値電圧の絶対値およびNMOSトランジスタの閾値電圧の絶対値が互いに逆方向にばらつく場合がある。この閾値電圧のばらつきによって結果として遅延時間がばらついてしまう。このため、遅延時間のばらつきを抑制するRC遅延回路に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、RC遅延回路において第1の遅延回路と第2の遅延回路と2つの遅延回路の間に極性を反転するインバータとを設けている。これにより、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの閾値電圧の絶対値が逆方向にばらついた場合であっても、第1の遅延回路と第2の遅延回路との遅延時間の変化を打ち消しあうようにして遅延時間のばらつきを抑制可能にしている。
特開2000-22510号公報
しかしながら、RC遅延回路では、遅延時間を定める信号、例えば、インバータで受け取る信号は、RC時定数により定まるので、遅延時間を定めるための遅延量を示す電圧値は指数関数のように非線形特性となる。従って、RC遅延回路において遅延量を制御することは困難である。
また、遅延時間のばらつきを抑制するため、特許文献1のようにRC遅延回路を用いた第1の遅延回路と第2の遅延回路とにより遅延時間の変化を打ち消しあう構成を導入しても、電圧値は指数関数のように大きく変動し、遅延量を制御することは困難である。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、トランジスタの閾値電圧に依存しない安定した遅延量を生成すると共に、簡単に遅延量を制御することができる遅延回路、及び遅延回路の制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る遅延回路の1態様は、入力端に入力信号が入力され、かつ第1電流源に接続された第1インバータと、入力端が前記第1インバータの出力端に接続された第2インバータ、及び一端が前記第1インバータの出力端に接続された第1キャパシタを備えた第1遅延回路と、入力端が前記第1遅延回路の出力端に接続された第3インバータと、入力端が前記第3インバータの出力端に接続され、かつ第2電流源に接続された第4インバータと、入力端が前記第4インバータの出力端に接続された第5インバータ、及び一端が前記第4インバータの出力端に接続された第2キャパシタを備えた第2遅延回路と、を含む。
前記遅延回路では、前記第1電流源は、充電時に前記第1キャパシタに定電流を供給する第1充電電流源、及び放電時に当該第1キャパシタから定電流を放出する第1放電電流源を備え、前記第2電流源は、充電時に前記第2キャパシタに定電流を供給する第2充電電流源、及び放電時に当該第2キャパシタから定電流を放出する第2放電電流源を備えることができる。
本発明に係る遅延回路の制御方法の1態様は、入力端に入力信号が入力され、かつ第1電流源に接続された第1インバータと、入力端が前記第1インバータの出力端に接続された第2インバータ、及び一端が前記第1インバータの出力端に接続された第1キャパシタを備えた第1遅延回路と、入力端が前記第1遅延回路の出力端に接続された第3インバータと、入力端が前記第3インバータの出力端に接続され、かつ第2電流源に接続された第4インバータと、入力端が前記第4インバータの出力端に接続された第5インバータ、及び一端が前記第4インバータの出力端に接続された第2キャパシタを備えた第2遅延回路と、を含む遅延回路において、前記第1遅延回路における前記第1インバータを介して、前記第1電流源によって前記第1キャパシタが充電又は放電されることで当該第1インバータの出力端の電圧が時間に応じて線形に変化し、前記第2遅延回路における前記第4インバータを介して、前記第2電流源によって前記第2キャパシタが充電又は放電されることで当該第4インバータの出力端の電圧が時間に応じて線形に変化することを特徴とする。
前記遅延回路の制御方法では、前記遅延回路は、前記第1電流源と並列に接続され、当該第1電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きい第1変更回路と、前記第2電流源と並列に接続され、当該第2電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きい第2変更回路とを含み、前記第1インバータの出力が前記第2インバータの閾値に達したときに、前記第1変更回路によって前記閾値に達するまでの前記第1電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きく変化し、前記第4インバータの出力が前記第4インバータの閾値に達したときに、前記第2変更回路によって前記閾値に達するまでの前記第2電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きく変化することができる。
本発明によれば、トランジスタの閾値電圧に依存しない安定した遅延量を生成すると共に、簡単に遅延量を制御することができる遅延回路、及び遅延回路の制御方法が提供される。
第1実施形態に係る遅延回路の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る遅延回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。 第1実施形態に係る遅延回路について動作の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る遅延回路の構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る遅延回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。 第2実施形態に係る遅延回路について動作の流れを示すフローチャートである。 比較例に係るRC遅延回路の構成を示すブロック図である。 比較例に係るRC遅延回路の動作を示すタイミングチャートである。 他の比較例に係る遅延回路の構成を示すブロック図である。 他の比較例に係る遅延回路の動作を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態の一例を説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本発明の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
図1は、実施形態に係る遅延回路1の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の遅延回路1は、第1遅延回路10、インバータ20、第2遅延回路30、インバータ40を含む。第1遅延回路10、インバータ20、第2遅延回路30、インバータ40は、入力信号(IN)が入力される入力端から出力信号(OUT)が出力される出力端に向けて直列に接続されている。
第1遅延回路10は、インバータ11、インバータ12、電流源13、電流源14、及びキャパシタ15を含む。インバータ11の出力端とインバータ12の入力端は接続ノードaを介して接続されている。キャパシタ15の一端は、インバータ11の出力端、接続ノードaに接続され、他端は接地電圧(Vss)を有する部位(以下、GND)に接続されている。電流源13は、一端は図示しない電源電圧(Vdd)を有する部位(以下、VDD)に接続され、他端はインバータ11に接続されている。電流源14は、一端はインバータ11に接続され、他端はGNDに接続されている。インバータ11は、本発明の第1インバータの一例であり、インバータ12は、本発明の第2インバータの一例である。電流源13及び電流源14は、本発明の第1電流源の一例である。また、電流源13は、本発明の第1充電電流源の一例であり、電流源14は、本発明の第1放電電流源の一例である。VDDは、本発明の第1電位を示す第1部位の一例であり、GNDは、本発明の第2電位を示す第2部位の一例である。
インバータ20は、入力端が第1遅延回路10の出力端に接続されており、出力端が第2遅延回路30の入力端に接続されている。インバータ20は、本発明の第3インバータの一例である。
第2遅延回路30は、第1遅延回路10と同様の構成であり、インバータ31、インバータ32、電流源33、電流源34、及びキャパシタ35を含む。インバータ31の出力端とインバータ32の入力端は接続ノードbを介して接続されている。キャパシタ35の一端は、インバータ31の出力端、接続ノードbに接続され、他端はGNDに接続されている。電流源33は、一端は図示しないVDDに接続され、他端はインバータ31に接続されている。電流源34は、一端はインバータ31に接続され、他端はGNDに接続されている。インバータ31は、本発明の第4インバータの一例であり、インバータ32は、本発明の第5インバータの一例である。電流源33及び電流源34は、本発明の第2電流源の一例である。また、電流源33は、本発明の第2充電電流源の一例であり、電流源34は、本発明の第2放電電流源の一例である。
インバータ40は、入力端が第2遅延回路30の出力端である接続ノードcに接続されている。インバータ40を含むことによって、遅延回路1の入力信号と出力信号の符号を一致させることができる。インバータ40は、本発明の第6インバータの一例である。
上記インバータ11、12、20、31、32、40の各々は、CMOSインバータで構成することが可能である。図1には、インバータ40を、P型トランジスタ(PMOSトランジスタ)及びN型トランジスタ(NMOSトランジスタ)を組み合わせて構成したCMOSインバータの一例が示されている。図1に示す例ではインバータ40は、VDDとGNDとの間にPMOSトランジスタのソース・ドレイン間とNMOSトランジスタのドレイン・ソース間が直列に接続され、上記PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲート同士が接続されてなる構成を有する。なお、以下の説明では、インバータを構成するPMOSトランジスタをPMOSと称し、NMOSトランジスタをNMOSと称する。
次に、図2を参照して本実施形態に係る遅延回路1の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る遅延回路1の動作の一例を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図2に示すように、遅延回路1に入力信号(IN)として方形波が連続して入力される場合を一例として説明する。以下の説明では、遅延回路1において遅延時間を定めるための遅延量の一例として、キャパシタ15の一端に接続された接続ノードa、キャパシタ35の一端に接続された接続ノードb、インバータ32と40とを接続する接続ノードcにおける電圧を用いて説明する。
遅延回路1では、入力信号(IN)が低いレベルであるローレベル(L)から高いレベルであるハイレベル(H)に変化すると、インバータ11のNMOSがオンし、インバータ11のNMOSと電流源14を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードaに接続されたキャパシタ15の電荷が放電される。キャパシタ15の電荷が放電されることで、接続ノードaの電圧が下がる。そしてインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するとインバータ12によって反転され、インバータ12の出力端の電圧レベルは、ハイレベル(H)に変化する。そしてインバータ20によって反転され、インバータ20の出力端の電圧レベルは、ローレベル(L)に変化する。インバータ20の出力端の電圧レベルがローレベル(L)に変化すると、インバータ31のPMOSがオンし、インバータ31のPMOSと電流源33を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードbに接続されたキャパシタ35に電荷が充電される。キャパシタ35に電荷が充電されることで、接続ノードbの電圧が上がる。そしてインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達するとインバータ32によって反転され、接続ノードcの電圧レベルがローレベル(L)に変化する。そして、接続ノードcにおける電圧レベルはインバータ40によって反転され、出力信号(OUT)がハイレベル(H)に変化する。
よって、第1遅延回路10において放電が開始されてからインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するまでの時間(放電時間)と、第2遅延回路30において充電が開始されてからインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達するまでの時間(充電時間)との合計時間が、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化したときの遅延回路1における出力信号(OUT)の遅延時間t1となる。
なお、上記の一定の電圧特性(傾き)で放電されるとは、定電流を供給する電流源14を用いてインバータ11を介してキャパシタ15から放電されることで接続ノードaの電圧が時間に応じて線形に変化し、接続ノードaにおける一定の電圧特性、すなわち所定値の変化率で放電されることである。すなわち、電流源14は、放電時に用いられるものであり、時間に対する電圧の大きさの変化量の比率(以下、放電変化率という)が所定値で電圧が変化するようになっている。電流源14の放電変化率は、本発明の第2変化率の一例である。
また、上記の一定の電圧特性(傾き)で充電されるとは、定電流を供給する電流源33を用いてインバータ31を介してキャパシタ35に充電されることで接続ノードbの電圧が時間に応じて線形に変化し、接続ノードbにおける一定の電圧特性、すなわち所定値の変化率で充電されることである。すなわち、電流源33は、充電時に用いられるものであり、時間に対する電圧の大きさの変化量の比率(以下、充電変化率という)が所定値で電圧が変化するようになっている。電流源33の充電変化率は、本発明の第3変化率の一例である。
一方、遅延回路1で、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化すると、インバータ11のPMOSがオンし、インバータ11のPMOSと電流源13を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードaに接続されたキャパシタ15に電荷が充電される。キャパシタ15に電荷が充電されることで、接続ノードaの電圧が上がる。そしてインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するとインバータ12によって反転され、インバータ12の出力端の電圧レベルはローレベル(L)に変化する。そしてインバータ20によって反転され、インバータ20の出力端の電圧レベルは、ハイレベル(H)に変化する。インバータ20の出力端の電圧レベルがハイレベル(H)に変化すると、インバータ31のNMOSがオンし、インバータ31のNMOSと電流源34を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードbに接続されたキャパシタ35の電荷が放電される。キャパシタ35の電荷が放電されることで、接続ノードbの電圧が下がる。そしてインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達するとインバータ32によって反転され、接続ノードcにおける電圧レベルがハイレベル(H)に変化する。そして、接続ノードcにおける電荷レベルはインバータ40によって反転され、出力信号(OUT)がローレベル(L)に変化する。
よって、第1遅延回路10において充電が開始されてからインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するまでの時間(充電時間)と、第2遅延回路30において放電が開始されてからインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達するまでの時間(放電時間)との合計時間が、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化したときの遅延回路1における出力信号(OUT)の遅延時間t2となる。
なお、上記の一定の電圧特性(傾き)で充電されるとは、電流源33による充電と同様に、定電流を供給する電流源13を用いてインバータ11を介してキャパシタ15に充電することで接続ノードaの電圧が時間に応じて線形に変化し、接続ノードaにおける電圧特性、すなわち所定値の変化率で充電されることである。すなわち、電流源13は、充電時に用いられるものであり、充電変化率が所定値で電圧が変化するようになっている。電流源13の充電変化率は、本発明の第1変化率の一例である。
また、上記の一定の電圧特性(傾き)で放電されるとは、電流源14による放電と同様に、定電流を供給する電流源34を用いてインバータ31を介してキャパシタ35から放電されることで接続ノードbの電圧が時間に応じて線形に変化し、接続ノードbにおける一定の電圧特性、すなわち所定値の変化率で放電されることである。すなわち、電流源34は、放電時に用いられるものであり、放電変化率が所定値で電圧が変化するようになっている。電流源34の放電変化率は、本発明の第4変化率の一例である。
電流源13の充電変化率及び電流源14の放電変化率は共通の特性、すなわち充電変化率及び放電変化率の絶対値が同じ比率の値に設定することが好ましい。また、電流源33の充電変化率及び電流源34の放電変化率についても。共通の特性、すなわち充電変化率及び放電変化率の絶対値が同じ比率の値に設定することが好ましい。
(遅延回路の動作の流れ)
次に、本実施形態に係る遅延回路1を用いた方法について、動作の流れを示すフローチャートを参照してさらに説明する。遅延回路1は、電源が投入されると、図3に一例を示したフローチャートの処理にしたがって作動する。
遅延回路1は、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化すると、ステップS100で肯定判断し、ステップS102で、第1遅延回路10において、接続ノードaに接続されたキャパシタ16の電荷がインバータ11と電流源14を介して一定の電圧特性(傾き)で放電される。この場合、接続ノードaの電圧がインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達すると、インバータ12の出力端の電圧レベルがローレベル(L)からハイレベル(H)に変化し、インバータ20の出力端の電圧レベルが、ハイレベル(H)からローレベル(L)に変化する。そして、ステップS104で、第2遅延回路30において、インバータ31と電流源33を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードbに接続されたキャパシタ35に電荷が充電される。この場合、接続ノードbの電圧がインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達すると、接続ノードcの電圧レベルがローレベル(L)に変化し、インバータ40によって反転された出力信号(OUT)がハイレベル(H)に変化する。そして、ステップS106で、第1遅延回路10において放電が開始されてからインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するまでの時間と、第2遅延回路30において充電が開始されてからインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達するまでの時間との合計時間が、遅延回路1における遅延時間t1として遅延された出力信号が出力される。
一方、遅延回路1で、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化すると、ステップS100で否定判断し、ステップS108で、第1遅延回路10において、接続ノードaに接続されたキャパシタ15の電荷がインバータ11と電流源13を介して一定の電圧特性(傾き)で充電される。この場合、接続ノードaの電圧がインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するとインバータ12の出力端の電圧レベルがハイレベル(H)からローレベル(L)に変化し、インバータ20の出力端の電圧レベルがローレベル(L)からハイレベル(H)に変化する。そして、ステップS110で、第2遅延回路30において、インバータ31と電流源34を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードbに接続されたキャパシタ35の電荷が放電される。この場合、接続ノードbの電圧がインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達すると、接続ノードcの電圧レベルがハイレベル(H)に変化し、インバータ40によって反転された出力信号(OUT)がローレベル(L)に変化する。そして、ステップS112で、第1遅延回路10において充電が開始されてからインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に到達するまでの時間と、第2遅延回路30において放電が開始されてからインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達するまでの時間との合計時間が、遅延回路1における遅延時間t2として遅延された出力信号(OUT)が出力される。
(比較例)
ここで、一般的な遅延回路として比較例を説明する。図7は、比較例に係るRC遅延回路50の構成を示すブロック図である。図7に示すように、比較例に係るRC遅延回路50は、インバータ51、52、抵抗53、及びキャパシタ54を有している。インバータ51の出力端は、抵抗53を介してインバータ52の入力端に接続され、抵抗53とインバータ52の出力端の間の接続ノードaxは、キャパシタ54を介してGNDに接続される。比較例に係るRC遅延回路50は、遅延時間を定めるための遅延量を示す電圧特性を抵抗53とキャパシタ54のRC時定数で決定し、それをインバータ52で受け取る回路構成である。
次に、図8を参照して比較例に係るRC遅延回路50の動作について説明する。図8は、比較例に係るRC遅延回路50の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図8に示すように、比較例に係るRC遅延回路50では、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化すると、接続ノードaxにおける電圧特性は指数関数のように非線形な電圧特性となる。また、ハイレベル(H)からローレベル(L)に変化する場合も、接続ノードaxにおける電圧特性は指数関数のように非線形な電圧特性となる。よって、RC時定数により定まる電圧特性の傾きが一定ではないため、遅延時間の制御が困難である。
また、図8に示すように、インバータ51及び52の閾値電圧Vtが電源電圧(Vdd)の1/2、3/4、1/4のそれぞれの場合について遅延時間が異なる。つまり、遅延時間はインバータの閾値電圧Vtに依存、インバータを構成するトランジスタの閾値電圧に依存している。
これに対し、本実施形態に係る第1遅延回路10では、充電時に、RC遅延回路50におけるRC時定数によって非線形(例えば指数関数的)に電圧が変化するのではなく、線型的に一定の変化量で電圧が変化する。これは電流源13から定電流を供給し、キャパシタ15に充電することで、線型的に変化する電圧による充電を可能としているためである。
また、放電時に、RC遅延回路50におけるRC時定数によって非線形に電圧が変化するのではなく、線型的に一定の変化量で電圧により示される遅延量が変化する。これは電流源14から定電流を供給し、キャパシタ15から放電することで、線型的に変化する電圧による放電を可能としているためである。
さらに、本発明の実施形態に係る遅延回路1では、遅延時間がインバータを構成するトランジスタの閾値電圧に依存しない。これは第1遅延回路10と第2遅延回路30とを直列に2つ接続し、第1遅延回路10と第2遅延回路30との間に、極性を変更するインバータ20を追加することで、インバータ12の閾値電圧Vt12に達するまでの時間とインバータ32の閾値電圧Vt32に達するまでの時間である、充電時間(放電時間)と放電時間(充電時間)との合計時間を遅延時間としているためである。
以上説明したように、本実施形態では、定電流を供給する電流源(電流源13.電流源14、電流源33、電流源34)を用いてキャパシタ(キャパシタ15、キャパシタ35)に電荷の充電及び放電を行うことで時間に応じて線形的に電圧が変化するために、遅延時間を定めるための遅延量の制御を容易に行うことが可能となる。
また、電流源13、電流源14、電流源31、電流源32の定電流の値の設定を変更することで、電流源13、電流源14、電流源31、電流源32による一定の電圧特性(傾き)を変更することが可能である。すなわち、電流源における定電流の電流値を調整することで、電流源13の充電変化率、電流源14の放電変化率、電流源31の充電変化率、電流源32の放電変化率を調整することができる。従って、電流源の値を調整するのみで、遅延時間を定めるための遅延量を容易に設定することが可能となる。
また、キャパシタ15、キャパシタ35の容量を変更することで一定の電圧特性(傾き)を変更することが可能である。すなわち、キャパシタの容量を変更することで、電流源13の充電変化率、電流源14の放電変化率、電流源31の充電変化率、電流源32の放電変化率を調整することができる。従って、キャパシタの容量を調整するのみで、遅延時間を定めるための遅延量を容易に設定することが可能となる。
さらに、第1遅延回路10と第2遅延回路30とを直列に2つ接続し、第1遅延回路10と第2遅延回路30との間に、極性を変更するインバータ20を追加することで、インバータ12の閾値電圧Vt12に達するまでの時間とインバータ32の閾値電圧Vt32に達するまでの時間である、充電時間(放電時間)と放電時間(充電時間)との合計時間を遅延時間とし、インバータを構成するトランジスタの閾値電圧に依存しない遅延時間を生成することが可能となる。
例えば、Vt12=Vt32かつ、Vt12及びVt32が電源電圧の1/2よりも高い場合は、充電時間が長く、放電時間が短くなる。一方、Vt12=Vt32でかつ、Vt12及びVt32が電源電圧の1/2より低い場合は、充電時間が短く、放電時間が長くなる。そのため、充電時間と放電時間の合計は同じ時間になる。従って、充電時間と放電時間の合計時間を遅延時間とすることで、インバータを構成するトランジスタの閾値電圧に依存しない遅延時間を生成することが可能となる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図4は、第2実施形態に係る遅延回路1Aの構成の一例を示すブロック図である。遅延回路1Aは、図1に示す遅延回路1における電流源の各々に、MOS型トランジスタを追加した回路である。
遅延回路では、電源電圧(Vdd)にノイズが重畳して、インバータの閾値電圧Vt付近においてチャタリングが発生する場合がある。このチャタリングの発生によって、遅延時間を定めるための遅延量、すなわち、インバータに入力される電圧値が変化する。従って、遅延回路では、遅延時間を安定化するために、チャタリングの発生を抑制することが好ましい。そこで、本実施形態では、第1実施形態に係る遅延回路1から、さらにインバータの閾値電圧Vt付近においてチャタリングを抑制することができる遅延回路を実現する。
本実施の形態の遅延回路1Aは、第1遅延回路10A、インバータ20、第2遅延回路30A、インバータ40を含む。
第1遅延回路10Aは、図1に示す第1遅延回路10の電流源13及び14に、それぞれMOS型トランジスタを追加したものである。具体的には、VDD及び電流源13のインバータ11側ノードにソース及びドレインが並列に接続されたPMOSトランジスタ16と、電流源14のインバータ11側ノード及びGNDにドレイン及びソースが並列に接続されたNMOSトランジスタ17と、を有する。PMOSトランジスタ16のゲート及びNMOSトランジスタ17のゲートは、インバータ12の出力端の接続ノードdに接続されている。PMOSトランジスタ16及びNMOSトランジスタ17を含む構成は、本発明の第1変更回路の一例である。
同様に、第2遅延回路30Aは、図1に示す第2遅延回路30の電流源33及び34に、それぞれMOS型トランジスタを追加したものである。具体的には、VDD及び電流源33のインバータ31側ノードにソース及びドレインが並列に接続されたPMOSトランジスタ36と、電流源34のインバータ31側ノード及びGNDにドレイン及びソースが並列に接続されたNMOSトランジスタ37と、を有する。また、PMOSトランジスタ36のゲート及びNMOSトランジスタ37のゲートは、インバータ32の出力端の接続ノードcに接続されている。PMOSトランジスタ36及びNMOSトランジスタ37を含む構成は、本発明の第2変更回路の一例である。
次に、図5を参照して本実施形態に係る遅延回路1Aの動作について説明する。図5は、遅延回路1Aについてインバータ12の閾値電圧Vt12及びインバータ32の閾値電圧Vt32が電源電圧(Vdd)の1/2(Vt=1/2Vdd)、電源電圧(Vdd)の3/4(Vt=3/4Vdd)、電源電圧(Vdd)の1/4(Vt=1/4Vdd)の各々の動作の一例を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図5に示すように、遅延回路1Aに入力信号(IN)として方形波が連続して入力される場合を一例として説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様に遅延回路1Aにおいて遅延時間を定めるための遅延量の一例として、キャパシタ15の一端に接続された接続ノードa、キャパシタ35の一端に接続された接続ノードb、インバータ32とインバータ40とを接続する接続ノードc、インバータ12とインバータ20とを接続する接続ノードdにおける電圧を用いて説明する。
遅延回路1Aでは、上述した第1実施形態と同様に、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化すると、インバータ11のNMOSと電流源14を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードaに接続されたキャパシタ15の電荷が放電され、接続ノードaの電圧が下がる。そしてインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に達するとインバータ12の出力端の接続ノードdの電圧レベルがハイレベル(H)に変化する。そして、接続ノードdにゲートが接続されたPMOSトランジスタ16はオフし、NMOSトランジスタ17はオンする。NMOSトランジスタ17がオンすることで、インバータ11のNMOSとNMOSトランジスタ17を介して接続ノードaに接続されたキャパシタ15の電荷が放電される。そして、電流源14を介して放電していた時と比べて接続ノードaの電圧が急速に下がる。インバータ20の出力端の電圧レベルがローレベル(L)に変化すると、インバータ31と電流源33を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードbに接続されたキャパシタ35に電荷が充電され、接続ノードbの電圧が上がる。そしてインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に達するとインバータ32の出力端に接続された接続ノードcの電圧レベルがローレベル(L)に変化する。そして、接続ノードcにゲートが接続されたPMOSトランジスタ36はオンし、NMOSトランジスタ37はオフする、PMOSトランジスタ36がオンすることで、インバータ31のPMOSとPMOSトランジスタ36を介して接続ノードbに接続されたキャパシタ35に電荷が充電される。そして、電流源33を介して充電していた時と比べて接続ノードbの電圧が急速に上がる。インバータ40は出力信号(OUT)がハイレベル(H)に変化する。
よって、第1遅延回路10Aにおいて放電が開始されてからインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に達するまでの時間(放電時間)と、第2遅延回路30Aにおいて充電が開始されてからインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に達するまでの時間(充電時間)との合計時間が、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化したときの遅延回路1Aにおける出力信号(OUT)の遅延時間t3となる。
また、遅延時間t3は、Vt=1/2Vddの場合は放電時間t31と充電時間t32との合計時間であり、Vt=3/4Vddの場合は放電時間t33と充電時間t34との合計時間であり、Vt=1/4Vddの場合は放電時間t35と充電時間36との合計時間である。遅延時間t3は、Vt=1/2Vddの場合、Vt=3/4Vddの場合、Vt=1/4Vddの場合の何れの場合であっても同じ時間になる。
上記説明したように、NMOSトランジスタ17は放電時に用いられる変更回路であり、放電変化率が所定値で電圧が変化するようになっている。そして、電流源14を用いた時の電圧の変化よりNMOSトランジスタ17を用いた時の電圧の変化の方が大きい。つまり、電流源14の放電変化率よりNMOSトランジスタ17の放電変化率の方が大きい。また、PMOSトランジスタ36は充電時に用いられる変更回路であり、充電変化率が所定値で電圧が変化するようになっている。そして、電流源33を用いた時の電圧の変化よりPMOSトランジスタ36を用いた時の電圧の変化の方が大きい。つまり、電流源33の充電変化率よりPMOSトランジスタ36の充電変化率の方が大きい。
一方、遅延回路1Aで、上述した第1実施形態と同様に、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化すると、インバータ11のPMOSと電流源13を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードaに接続されたキャパシタ15に電荷が充電され、接続ノードaの電圧が上がる。そしてインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に達するとインバータ12の出力端の接続ノードdの電圧レベルがローレベル(L)に変化する。そして、接続ノードdにゲートが接続されたPMOSトランジスタ16はオンし、NMOSトランジスタ17はオフする。PMOSトランジスタ16がオンすることで、インバータ11のPMOSとPMOS17を介して接続ノードaに接続されたキャパシタ15に電荷が充電される。そして、電流源13を介して充電していた時と比べて接続ノードaの電圧が急速に上がる。インバータ20の出力端の電圧レベルがハイレベル(H)に変化すると、インバータ31のNMOSと電流源34を介して一定の電圧特性(傾き)で接続ノードbに接続されたキャパシタ35の電荷が放電され、接続ノードbの電圧が下がる。そしてインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に達するとインバータ32の出力端に接続された接続ノードcの電圧レベルがハイレベル(H)に変化する。そして、接続ノードcにゲートが接続されたPMOSトランジスタ36はオフし、NMOSトランジスタ37はオンする、NMOSトランジスタ37がオンすることで、インバータ31のNMOSとNMOSトランジスタ37を介して接続ノードbに接続されたキャパシタ35の電荷が放電される。そして、電流源34を介して放電していた時と比べて接続ノードbの電圧が急速に下がる。インバータ40は出力信号(OUT)がハイレベル(H)に変化する。
よって、第1遅延回路10Aにおいて充電が開始されてからインバータ12の閾値電圧Vt12の電位に達するまでの時間(充電時間)と、第2遅延回路30Aにおいて放電が開始されてからインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に達するまでの時間(放電時間)との合計時間が、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化したときの遅延回路1Aにおける出力信号(OUT)の遅延時間t4となる。
また、遅延時間t4は、Vt=1/2Vddの場合は充電時間t41と放電時間t42との合計時間であり、Vt=3/4Vddの場合は充電時間t43と放電時間t44との合計時間であり、Vt=1/4Vddの場合は充電時間t45と放電時間t46との合計時間である。遅延時間t4は、Vt=1/2Vddの場合、Vt=3/4Vddの場合、Vt=1/4Vddの場合の何れの場合であっても同じ時間になる。
上記説明したように、PMOSトランジスタ16は充電時に用いられる変更回路であり、充電変化率が所定値で電圧が変化するようになっている。そして、電流源13を用いた時の電圧の変化よりPMOSトランジスタ16を用いた時の電圧の変化の方が大きい。つまり、電流源13の充電変化率よりPMOSトランジスタ16の充電変化率の方が大きい。また、NMOSトランジスタ37は放電時に用いられる変更回路であり、放電変化率が所定値で電圧が変化するようになっている。そして、電流源34を用いた時の電圧の変化よりNMOSトランジスタ37を用いた時の電圧の変化の方が大きい。つまり、電流源34の放電変化率よりNMOSトランジスタ37の放電変化率の方が大きい。
PMOSトランジスタ16の充電変化率及びNMOSトランジスタ17の放電変化率は共通の特性、すなわち充電変化率及び放電変化率の絶対値が同じ比率の値に設定することが好ましい。また、PMOSトランジスタ36の充電変化率及びNMOSトランジスタ37の放電変化率は共通の特性、すなわち充電変化率及び放電変化率の絶対値が同じ比率の値に設定することが好ましい。さらに、PMOSトランジスタ16の充電変化率及びNMOSトランジスタ17の放電変化率、並びに、PMOSトランジスタ36の充電変化率及びNMOSトランジスタ37の放電変化率は共通の特性、すなわち充電変化率及び放電変化率の絶対値が同じ比率の値に設定することが好ましい。
(遅延回路の動作の流れ)
次に、本実施形態に係る遅延回路1Aを用いた方法について、動作の流れを示すフローチャートを参照してさらに説明する。遅延回路1Aは、電源が投入されると、図6に一例を示したフローチャートの処理にしたがって作動する。
遅延回路1Aは、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化すると、ステップS100で肯定判断し、ステップS102で、第1遅延回路10Aにおいて、接続ノードaに接続されたキャパシタ15の電荷がインバータ11と電流源14を介して一定の電圧特性(傾き)で放電される。次に、ステップS103で、接続ノードaの電圧がインバータ12の閾値Vt12の電位に到達すると、上述したように、NMOSトランジスタ17を用いた急速な放電が開始される。そして、ステップS104で、第2遅延回路30Aにおいて、インバータ31と電流源33を介して接続ノードbに接続されたキャパシタ35に電荷が一定の電圧特性(傾き)で充電される。次に、ステップS105で、接続ノードbの電圧がインバータ32の閾値Vt32の電位に到達すると、上述したように、PMOSトランジスタ36を用いた急速な充電が開始される。そして、ステップS106で、第1遅延回路10Aにおいて放電が開始されてからインバータ12の閾値Vt12の電位に到達するまでの時間(放電時間)と、第2遅延回路30Aにおいて充電が開始されてからインバータ32の閾値Vt32の電位に到達するまでの時間(充電時間)との合計時間が、遅延回路1Aにおける遅延時間t3として遅延された出力信号が出力される。
一方、遅延回路1で、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化すると、ステップS100で否定判断し、ステップS108で、第1遅延回路10Aにおいて、接続ノードaに接続されたキャパシタ15の電荷がインバータ11と電流源13を介して一定の電圧特性(傾き)で充電される。次に、ステップS109で、接続ノードaの電圧がインバータ12の閾値Vt12の電位に到達すると、上述したように、PMOSトランジスタ16を用いた急速な充電が開始される。そして、ステップS110で、第2遅延回路30Aにおいて、インバータ31と電流源34を介して接続ノードbに接続されたキャパシタ35の電荷が一定の電圧特性(傾き)で放電される。次に、ステップS111で、接続ノードbの電圧がインバータ32の閾値Vt32の電位に到達すると、上述したように、NMOSトランジスタ37を用いた急速な放電が開始される。そして、ステップS112で、第1遅延回路10Aにおいて充電が開始されてからインバータ12の閾値Vt12の電位に到達するまでの時間(充電時間)と、第2遅延回路30Aにおいて放電が開始されてからインバータ32の閾値Vt32の電位に到達するまでの時間(放電時間)との合計時間が、遅延回路1Aにおける遅延時間t4として遅延された出力信号が出力される。
(比較例)
ここで、遅延回路として他の比較例を説明する。図9は、他の比較例に係る遅延回路60の構成を示すブロック図である。図9に示す様に、他の比較例に係る遅延回路60は、第1の実施形態に係る遅延回路1において、インバータ12とインバータ32をシュミットトリガインバータ(以下、シュミットトリガと称する。)61、62に代えた場合の回路構成を一例として説明する。
シュミットトリガ61、62はインバータの閾値電圧Vtを、ローレベル(L)の電位からハイレベル(H)の電位への変化の閾値電圧Vtlhと、ハイレベル(H)からローレベル(L)の電位への変化の閾値電圧Vthlとの各々に対して異なる値を持たせることで、インバータの閾値電圧Vt付近で生じるチャタリングを防止するものとして使用される。
次に、図10を参照して他の比較例に係るシュミットトリガ61、62を用いた遅延回路60の動作について説明する。図10は、他の比較例に係る遅延回路60について、シュミットトリガ61、62における2つの閾値電圧(Vtlh、Vthl)の幅であるヒステリシス幅が小さい場合(ヒステリシス幅(Vtlh-Vthl)小)、ヒステリシス幅が大きい場合(ヒステリシス幅(Vtlh-Vthl)大)の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図10に示すように、シュミットトリガ61、62を用いた遅延回路60では、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化する場合の閾値電圧Vtlhと、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化する場合の閾値電圧Vthlと、を異なる値にしている。そして、ヒステリシス幅が小さい場合(ヒステリシス幅(Vtlh-Vthl)小)とヒステリシス幅が大きい場合(ヒステリシス幅(Vtlh-Vthl)大)とでは、ヒステリシス幅が大きい場合(ヒステリシス幅(Vtlh-Vthl)大)の方が、ヒステリシス幅が小さい場合(ヒステリシス幅(Vtlh-Vthl)小)より遅延時間が長くなる。つまり、ヒステリシス幅が変化することで遅延時間が異なる。つまり、閾値電圧Vtlhと閾値電圧Vthlの値が変化するとその変化に伴って遅延時間も変化する。よって、シュミットトリガ61、62を用いた遅延回路60の遅延時間は、シュミットトリガ61、62を構成するトランジスタ(例えば、PMOS、NMOS)の閾値電圧に依存するため、遅延時間を一定にすることは困難である。
これに対し、本発明の実施形態に係る遅延回路1Aによれば、上述したようにインバータ12の閾値電圧Vt12及びインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達した後、変更回路であるMOS型トランジスタ(PMOSトランジスタ16、NMOSトランジスタ17、PMOSトランジスタ36、NMOSトランジスタ37)を用いてキャパシタ(キャパシタ15、キャパシタ35)に充電及び放電を行う構成としたことで、電流源(電流源13、電流源14、電流源32、電流源34)を用いたときと比較してより急速な電圧変化にすることができる。よって、変更回路を追加したことでインバータの閾値電圧Vt付近でチャタリングの発生を防止することが可能となる。また、シュミットトリガ61、62のように異なる2つの閾値電圧(Vtlh、Vthl)を持つようなものではないので、インバータを構成するトランジスタの閾値電圧に依存しない安定した遅延時間を生成することが可能となる。
以上説明したように、インバータ12の閾値電圧Vt12及びインバータ32の閾値電圧Vt32の電位に到達した後に電流源を用いた緩やかな電圧変化を、MOS型トランジスタを用いてより急速な電圧変化に変更する回路構成としたので、ノイズにより発生するチャタリングを防止することができる。これにより、電流源を用いて遅延量を制御する場合と比べて、よりノイズによる遅延時間の変動を抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、インバータを構成するトランジスタの閾値電圧に依存しない遅延時間を生成することが可能となる。すなわち、キャパシタ(キャパシタ15、35)の充電及び放電に対して、電流源(電流源13、電流源14、電流源32、電流源34)における定電流によって電圧の変化率を一定にすることで、遅延時間の変動を抑制でき、遅延量の制御を容易に行うことが可能となる。
具体的には、図5に示すように、入力信号(IN)がローレベル(L)からハイレベル(H)に変化すると、インバータの閾値電圧Vt=1/2Vddの場合、遅延時間t3に寄与する第1遅延回路10Aの時間と第2遅延回路30Aの時間とは同じ時間(t31=t32)である。また、インバータの閾値電圧Vt=3/4Vddの場合は、充電時間t34は時間t32より長くなり、放電時間t33は時間t31より短くなる。しかし、充電時間と放電時間の合計は、インバータの閾値電圧Vt=1/2Vddの場合と同じ時間になる。また、インバータの閾値電圧Vt=1/4Vddの場合は、充電時間t36は時間t32より充電時間が短くなり、放電時間t35は時間t31より長くなる。しかし、充電時間と放電時間の合計はインバータの閾値電圧Vt=1/2Vddの場合と同じ時間になる。従って、インバータの閾値電圧Vtが変化した場合でも、安定した遅延時間を得ることが可能となり、インバータの閾値電圧Vtに対する依存性を抑制することができる。
同様に、入力信号(IN)がハイレベル(H)からローレベル(L)に変化した場合も、遅延時間t4に寄与する第1遅延回路10Aの時間と第2遅延回路30Aの時間との合計は、インバータの閾値電圧Vtに拘らず同じ時間(t4=t41+t42=t43+t44=t45+t46)となる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、入力信号を遅延する遅延回路として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上述したように安定した遅延時間(遅延量)を得ることが可能な遅延機能を用いて、クロック生成回路を形成することが可能である。具体的には、ハイレベルからローレベルへの遷移を繰り返すクロック(H→L→H→L→・・・)を入力信号として、入力信号と、遅延回路の出力信号との、排他的論理和(XOR)を出力する回路構成とすることで例えば、2逓倍回路(入力クロックの2倍周期のクロック生成回路)を構成することが可能である。この場合、クロックの周期を安定化するために、電流源における定電流の電流値を調整(トリミング)する機能を有する調整回路を備えることが好ましい。
なお、上記では、本開示の技術を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である。
1、1A 遅延回路
10、10A 第1遅延回路
11、12 インバータ
13、14 電流源
15 キャパシタ
16、17 トランジスタ
20 インバータ
30、30A 第2遅延回路
31、32 インバータ
33、34 電流源
35 キャパシタ
36、37 トランジスタ
40 インバータ
Vt 閾値電圧
a、b、c、d 接続ノード

Claims (11)

  1. 入力端に入力信号が入力され、かつ第1電流源に接続された第1インバータと、入力端が前記第1インバータの出力端に接続された第2インバータ、及び一端が前記第1インバータの出力端に接続された第1キャパシタを備えた第1遅延回路と、
    入力端が前記第1遅延回路の出力端に接続された第3インバータと、
    入力端が前記第3インバータの出力端に接続され、かつ第2電流源に接続された第4インバータと、入力端が前記第4インバータの出力端に接続された第5インバータ、及び一端が前記第4インバータの出力端に接続された第2キャパシタを備えた第2遅延回路と、
    を含む遅延回路。
  2. 前記第1電流源は、充電時に前記第1キャパシタに定電流を供給する第1充電電流源、及び放電時に当該第1キャパシタから定電流を放出する第1放電電流源を備え、
    前記第2電流源は、充電時に前記第2キャパシタに定電流を供給する第2充電電流源、及び放電時に当該第2キャパシタから定電流を放出する第2放電電流源を備える
    請求項1に記載の遅延回路。
  3. 前記第1充電電流源の前記定電流の供給によって前記第1キャパシタの電圧の大きさが時間に応じて第1変化率で変化し、
    前記第1放電電流源の前記定電流の放出によって前記第1キャパシタの電圧の大きさが時間に応じて第2変化率で変化し、
    前記第2充電電流源の前記定電流の供給によって前記第2キャパシタの電圧の大きさが時間に応じて第3変化率で変化し、
    前記第2放電電流源の前記定電流の放出によって前記第2キャパシタの電圧の大きさが時間に応じて第4変化率で変化し、
    前記第1変化率の絶対値と前記第2変化率の絶対値とが同じであると共に、前記第3変化率の絶対値と前記第4変化率の絶対値とが同じである
    請求項2に記載の遅延回路。
  4. 前記第1充電電流源及び前記第2充電電流源は、各々一端が第1電位を示す第1部位に接続され、他端が前記第1インバータ及び前記第4インバータに接続されており、
    前記第1放電電流源及び前記第2充電電流源は、各々一端が前記第1インバータ及び前記第4インバータに接続され、他端が前記第1電位とは異なる第2電位を示す第2部位に接続されている
    請求項2又は請求項3に記載の遅延回路。
  5. 前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは、各々他端が前記第2電位を示す第2部位に接続されている
    請求項4に記載の遅延回路。
  6. 前記第1電流源と並列に接続され、当該第1電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きい第1変更回路を含み、
    前記第2電流源と並列に接続され、当該第2電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きい第2変更回路を含む
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の遅延回路。
  7. 前記第1変更回路及び前記第2変更回路は、前記第1電流源及び前記第2電流源の各々に対して、充電側にP型トランジスタを接続し、放電側にN型トランジスタを接続する
    請求項6に記載の遅延回路。
  8. 前記第1変更回路は、前記第2インバータの出力端にゲートが接続されており、
    前記第2変更回路は、前記第4インバータの出力端にゲートが接続されている
    請求項7に記載の遅延回路。
  9. 入力端が前記第2遅延回路の出力端に接続された第6インバータをさらに含む
    請求項1から請求項8の何れか1項に記載の遅延回路。
  10. 入力端に入力信号が入力され、かつ第1電流源に接続された第1インバータと、入力端が前記第1インバータの出力端に接続された第2インバータ、及び一端が前記第1インバータの出力端に接続された第1キャパシタを備えた第1遅延回路と、
    入力端が前記第1遅延回路の出力端に接続された第3インバータと、
    入力端が前記第3インバータの出力端に接続され、かつ第2電流源に接続された第4インバータと、入力端が前記第4インバータの出力端に接続された第5インバータ、及び一端が前記第4インバータの出力端に接続された第2キャパシタを備えた第2遅延回路と、
    を含む遅延回路において、
    前記第1遅延回路における前記第1インバータを介して、前記第1電流源によって前記第1キャパシタが充電又は放電されることで当該第1インバータの出力端の電圧が時間に応じて線形に変化し、
    前記第2遅延回路における前記第4インバータを介して、前記第2電流源によって前記第2キャパシタが充電又は放電されることで当該第4インバータの出力端の電圧が時間に応じて線形に変化する
    ことを特徴とする遅延回路の制御方法。
  11. 前記遅延回路は、
    前記第1電流源と並列に接続され、当該第1電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きい第1変更回路と、
    前記第2電流源と並列に接続され、当該第2電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きい第2変更回路とを含み、
    前記第1インバータの出力が前記第2インバータの閾値に達したときに、前記第1変更回路によって前記閾値に達するまでの前記第1電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きく変化し、
    前記第4インバータの出力が前記第4インバータの閾値に達したときに、前記第2変更回路によって前記閾値に達するまでの前記第2電流源による電圧の変化より電圧の変化が大きく変化する
    ことを特徴とする請求項10に記載の遅延回路の制御方法。
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