JP2022155404A - 化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法 - Google Patents

化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法 Download PDF

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【課題】 高い不燃性能と高い意匠性を有し施工性が良い化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法を提供する。【解決手段】 本開示の化粧シートは、基体シートの一方の面側に半硬質塩化ビニル系樹脂シートが、他方の面側に軟質塩化ビニル系樹脂シートが、各接着剤層を介して積層された化粧シートであり、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層が積層され、基体シートはガラス繊維から構成される層を有する。【選択図】 図1

Description

本開示は、化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法に関するものである。
東日本大震災などでの天井落下による被害拡大を受けて、内装用天井材として軽量な膜天井材の需要が高まっている。内装用天井材として使用するためには、軽量かつ不燃性能を持つことが必須であり、さらに近年では木目絵柄などのような高い意匠性も求められている。そこで、不燃性能を得るために、ガラス繊維や塩化ビニルシートを使用した製品が提案されている。また、施工性の観点からは適度な柔軟性を有することが好ましい。
例えば特許文献1においては、ガラス繊維基材の両面にシートを貼り合わせた耐火性シート(カーテン用途)が提案されている。
また特許文献2においては、ガラス繊維からなる平織物の両面を塩化ビニル系樹脂で被覆したインクジェット印刷用メディアについて、その少なくとも一面に広告向けなどの意匠を付与したプリント物が提案されている。
また特許文献3においては、ガラス繊維の両面に着色された塩化ビニル層を配置し、該塩化ビニル層をガラス繊維表面の粗面を平滑化して印刷適性を向上せしめる平滑化層として利用し、当該層の表面にグラビア印刷法により意匠層を形成した天井用などに使用可能な化粧シートが提案されている。
特開平8-132241号公報 特開2011-161645号公報 特開2014-117850号公報
しかしながら特許文献1においては、溶接や溶断作業時に火花の飛散を防止する溶接・溶断工事用シートとしての使用を想定したものであり、建築内装に使用されるような意匠性はほとんど想定されていない。
また特許文献2においては、両面に用いる塩化ビニル系樹脂の可塑剤部数は35質量部で両面同一であり、35質量部と可塑剤が多い場合には、ガラス繊維との貼り合わせ前に意匠を付与することが難しい。可塑剤部数が35質量部の塩化ビニル系樹脂シート単体に印刷しようとした場合、溶剤系のインクジェット印刷やグラビア印刷では、基材への溶剤アタックや乾燥時の熱、テンションにより、基材の伸びやガイドロールへの貼り付きが生じてしまい製造が困難となる。特許文献2に記載のUV系インクジェット印刷であれば印刷可能だが、膜天井に使用する様な約2m幅の基材に対する連続印刷では、搬送時にテンションにより、しわ等が発生し、連続印刷が難しいといった問題がある。
また特許文献3においては、着色塩化ビニル系樹脂シート上にグラビア印刷により意匠を付与したシートとガラス繊維とを熱ラミネートなどにより貼り合わせた内装用化粧シートを提案している。該内装用化粧シートにおいては、製造時における寸法安定性を得るために、実施形態においても可塑剤部数11質量部などの半硬質塩化ビニル系樹脂シートを片面あるいは両面に使用している。特許文献3の様に、グラビア印刷にて意匠付与する場合には、半硬質の塩化ビニル系樹脂シートが有効であり、溶剤系インクジェットやUV系インクジェットでの連続印刷も可能である。しかしながら、半硬質の塩化ビニル系樹脂シートを用いた化粧シートを膜天井として大面積で施工しようとした場合、硬すぎて伸びが悪く、施工し難いといった欠点がある。
また、かかる膜天井材における燃焼試験での不燃性能獲得には、下記2つの項目を満たす必要がある。
ア.発熱速度200kW/m2超過時間(10s以内)
イ.総発熱量8MJ/m2以内
以上から、本開示の目的は、高い不燃性能と高い意匠性を有し、施工性が良い化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法を提供することである。
本開示の化粧シートは、基体シートの一方の面側に半硬質塩化ビニル系樹脂シートが、他方の面側に軟質塩化ビニル系樹脂シートが、各接着剤層を介して積層された化粧シートであり、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層が積層され、基体シートはガラス繊維から構成される層を有する、化粧シートである。
上記化粧シートにおいて、基体シートと半硬質塩化ビニル系樹脂シートとの間に絵柄層が積層され、半硬質塩化ビニル系樹脂シートは透明であってもよい。
上記化粧シートにおいて、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの基体シート側の面とは反対の面側に絵柄層が積層され、半硬質塩化ビニル系樹脂シートが着色されていてもよい。
上記化粧シートにおいて、ガラス繊維から構成される層がガラス織布を有する層であってもよい。
上記化粧シートにおいて、ガラス繊維から構成される層がガラス不織布を有する層であってもよい。
上記化粧シートにおいて、半硬質塩化ビニル系樹脂シートと絵柄層との間にアクリル系樹脂層を有し、絵柄層はアクリル系樹脂層に対しインクジェット印刷により積層されたものであってもよい。
上記化粧シートにおいて、絵柄層は、半硬質塩化ビニル系樹脂シートに対しグラビア印刷により積層されたものであってもよい。
上記化粧シートは、ISO5660-1に準拠した発熱性試験において、200kW/m2超過時間が10秒以下であり、総発熱量が8MJ/m2以下であってもよい。
上記化粧シートにおいて、半硬質塩化ビニル系樹脂シートは可塑剤部数が30質量部以下であり、前記軟質塩化ビニル系樹脂シートは可塑剤部数が40質量部以上であってもよい。
本開示の建築物内装材は、上記化粧シートを有する建築物内装材である。
本開示の化粧シートの製造方法は、半硬質塩化ビニル系樹脂シートと基体シートと軟質塩化ビニル系樹脂シートとを有する化粧シートの製造方法であって、透明な半硬質塩化ビニル系樹脂シートを準備する工程と、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層を積層する絵柄層積層工程と、ガラス繊維から構成される層を有する基体シートを準備する工程と、基体シートの一方の面側と絵柄層の半硬質塩化ビニル系樹脂シート側の面とは反対の面側とが対向する様に積層する工程と、基体シートの他方の面側と軟質塩化ビニル系樹脂シートとが対向する様に積層する工程と、を有する化粧シートの製造方法である。
本開示の化粧シートの製造方法は、半硬質塩化ビニル系樹脂シートと基体シートと軟質塩化ビニル系樹脂シートとを有する化粧シートの製造方法であって、着色された半硬質塩化ビニル系樹脂シートを準備する工程と、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層を積層する絵柄層積層工程と、ガラス繊維から構成される層を有する基体シートを準備する工程と、基体シートの一方の面側と半硬質塩化ビニル系樹脂シートの絵柄層側の面とは反対の面側とが対向する様に積層する工程と、基体シートの他方の面側と軟質塩化ビニル系樹脂シートとが対向する様に積層する工程と、を有する化粧シートの製造方法である。
上記化粧シートの製造方法において、絵柄層積層工程は、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側にアクリル系樹脂層を積層し、アクリル系樹脂層の半硬質塩化ビニル系樹脂シート側の面とは反対の面側にインクジェット印刷により絵柄層を積層する工程であってもよい。
上記化粧シートの製造方法において、絵柄層積層工程は、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側にグラビア印刷により絵柄層を積層する工程であってもよい。
本開示によれば、高い不燃性能と高い意匠性を有し、施工性が良い化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法を提供することができる。
本開示の第1実施形態の化粧シートの層構成の概略を示す断面図 本開示の第1実施形態の変形形態に係る化粧シートの層構成の概略を示す断面図 本開示の第2実施形態の化粧シートの層構成の概略を示す断面図 本開示の第1実施形態に係る化粧シートの製造方法を説明する層構成の概略を示す断面図 本開示の第2実施形態に係る化粧シートの製造方法を説明する層構成の概略を示す断面図
〔化粧シート〕
(第1実施形態)
以下、本開示の第1実施形態について、図1を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は適宜置き換えても、本開示の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。本開示においては、シートの語を、いわゆる板、シート、およびフィルムと通常呼称されている厚みの形態のものも包含する広義の意味で用いるものとする。
また、本明細書において表面、裏面の言葉を使用しているが、表面、裏面の区別に技術的な意味は無く、シートの一方の面を表面としたときに、他方の面が裏面である。本明細書における化粧シートにおいては、化粧シートを使用する際に通常の観察面となる側の面を表面と、その反対側の裏面として説明している。
図1(a)に本開示の第1実施形態に係る化粧シート1の層構成の概略を示す断面図を示す。
化粧シート1は、基体シート10の一方の面側に半硬質塩化ビニル系樹脂シート21が、他方の面側に軟質塩化ビニル系樹脂シート12が、各接着剤層(絵柄接着剤層31および基体接着剤層32)を介して積層されており、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の一方の面に絵柄層22が積層され、基体シート10はガラス繊維から構成される層11を有している。第1実施形態に係る化粧シート1においては、絵柄層22は基体シート10と半硬質塩化ビニル系樹脂シート21との間に積層され、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は透明である。
すなわち図1(a)に示す第1実施形態に係る化粧シート1は、図1(a)における下側から順に、軟質塩化ビニル系樹脂シート12、基体接着剤層32、ガラス繊維から構成される層11(基体シート10)、絵柄接着剤層31、絵柄層22、および半硬質塩化ビニル系樹脂シート21がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本開示の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
例えば図1(b)に示す様に、絵柄層22と絵柄接着剤層31との間に着色ベタ印刷層23が積層されていてもよい。すなわち図1(b)に示す第1実施形態に係る化粧シート1は、図1(b)における下側から順に、軟質塩化ビニル系樹脂シート12、基体接着剤層32、ガラス繊維から構成される層11(基体シート10)、絵柄接着剤層31、着色ベタ印刷層23、絵柄層22、および半硬質塩化ビニル系樹脂シート21がこの順に積層されている。
<基体シート>
以下、本開示の化粧シート1における各構成について詳細に説明する。
本開示の化粧シート1において、基体シート10はガラス繊維から構成される層11を有している。ガラス繊維から構成される層11は、ガラス織布あるいはガラス不織布などの様なシート状のガラス繊維から構成される。厚さは10μm以上150μm以下が好ましい。化粧シート1として形成された際の厚さ、強度、重量などを加味し適当なものを選択すればよく、一例として50μmである。
ガラス繊維は、ガラス、好ましくは石英ガラスなどの無アルカリガラスを融解、牽引して繊維状にしたものである。
ガラス繊維としては、シラン化合物で表面処理されたものを使用することが好ましい。表面処理剤としてのシラン化合物としては、カップリング剤や、その重合物からなるポリシロキサンが使用できる。このようなシラン系カップリング剤の具体例としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランの他、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン等を挙げることが出来る。ガラス繊維に表面処理を行う方法は、例えば、シラン化合物を含有する溶液をガラス繊維表面に塗布、乾燥して行うことが出来る。シラン化合物の付着量は、通常、ガラス繊維100質量部に対して0.05~5質量部程度である。なお、ここで、「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味する。以下も同様である。
ガラス繊維から構成される層11は、ガラス織布を有する層であることが好ましい。ガラス織布とは、ガラス繊維の束を糸として、経糸と緯糸から製織したものである。製織する前に、二つ以上のガラス繊維の束を予め合撚してもよい。経糸の織り密度を20~75本/25mm、緯糸の織り密度を20~75本/25mmとなるように平織りで形成されたものであることが好ましく、織り密度の一例としては、経糸、緯糸とも32本/25mmである。ガラス織布は、高い不燃性能を有し、シート状のガラス繊維として容易に入手することができ、またガラス不織布より引張強度に優れるからである。
ガラス繊維から構成される層11は、ガラス不織布を有する層であってもよい。ガラス不織布は例えば、ガラス繊維を水中に分散させ、抄紙機で抄造する湿式法で製造され、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等のバインダーを用いて、ガラス繊維同士を結着させたものである。ガラス不織布は、高い不燃性能を有し、シート状のガラス繊維として容易に入手することができ、かつガラス織布より安価である。
<半硬質塩化ビニル系樹脂シート>
第1実施形態に係る化粧シート1においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は透明である。透明でないと、化粧シート1における通常の観察面である表面側(半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対して基体シート10側の面とは反対の面側)から、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21を通して絵柄層22が視認し難い、すなわち絵柄層22に係る絵柄が見え難いからである。無色透明であっても、表面から絵柄層が視認できるのであれば有色透明であっても良い。
半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムであることが好ましい。このような半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、製造時において塩化ビニル樹脂粉末などを調製したコンパウンドを作り、そのコンパウンドを種々の加工機械に供給し、加工成形することで得ることができる。塩化ビニル系樹脂は、不燃性能、防炎性能に優れており、可塑剤の添加量によって表面硬度や伸び率(剛性)が容易に調整可能だからである。
また、本開示に係る半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、可塑剤部数が30質量部以下である、すなわち半硬質であることが好ましい。半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し絵柄層22を印刷(積層)する際に、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の可塑剤部数が30質量部を上回る場合には、溶剤系のインクジェット印刷やグラビア印刷では、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21への溶剤アタックや乾燥時の熱、テンションにより、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の伸びやガイドロールへの貼り付きが生じてしまい印刷(製造)が困難だからである。UV系インクジェット印刷であれば印刷可能ではあるものの、膜天井に使用する様な約2m幅の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対する連続印刷においては、搬送時にテンションにより、しわ等が発生し、連続印刷が困難となる。
本開示においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の可塑剤部数が30質量部以下と半硬質であるため、上記各問題が生じ難く、その表面に絵柄層22、場合によってはさらには着色ベタ印刷層23をグラビア印刷法などで良好に形成することができる。すなわち半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の可塑剤部数が30質量部以下(半硬質)であることにより印刷適性が良い。そして印刷適性が良いため、意匠性の高い絵柄の印刷が可能となる。
半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の厚さは25μm以上300μm以下が好ましい。印刷に対する適用性や、化粧シート1として形成された際の重量、厚さ、しなやかさなどを加味し適当な厚さを選択すればよく、一例として150μmである。
本開示の第1実施形態においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、塩化ビニル系樹脂を主成分とする透明かつ半硬質なフィルムである。しかし、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に代えて、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレン-4フッ化エチレン共重合体、ポリ4フッ化エチテン等のフッ素系樹脂を主成分とする透明かつ半硬質なフィルムであってもよい。透明かつ半硬質なフッ素系樹脂シートの場合であっても、透明な半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の場合の上記各特性、すなわち不燃性能、防炎性能、適度なしなやかさ、可視光透過性をほとんど損なうことなく、耐候性や耐溶剤性などを大幅に向上させることができる。一方、フッ素系樹脂は半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の場合に比べ、防炎性能に若干劣り、また高価である。
<軟質塩化ビニル系樹脂シート>
軟質塩化ビニル系樹脂シート12は、基体シート10に対し、絵柄層22が積層される面側(一方の面側)とは反対の面側(他方の面側)に積層されるものである。軟質塩化ビニル系樹脂シート12は、塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムであり、着色されていることが好ましい。化粧シート1において、軟質塩化ビニル系樹脂シート12側の面から光を取り込む場合、軟質塩化ビニル系樹脂シート12側の面から観察されることもあるため、意匠的観点から、軟質塩化ビニル系樹脂シート12は着色されていることが好ましいのである。
本開示に係る軟質塩化ビニル系樹脂シート12は軟質であり、具体的には可塑剤部数が40質量部以上であることが好ましい。上記説明した様に、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、主に印刷適性の観点から半硬質であることが好ましい。ここで軟質塩化ビニル系樹脂シート12も硬質、あるいは半硬質であった場合には、化粧シート1を膜天井として大面積で施工しようとした場合、硬すぎて伸びが悪く、施工し難いものとなってしまう。一方、軟質塩化ビニル系樹脂シート12が軟質であれば、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21が半硬質であっても、化粧シート1全体としてある程度の柔軟性を確保することができる。そのため、化粧シート1を膜天井として大面積で施工する場合であっても施工性を確保することができる。
このような軟質塩化ビニル系樹脂シート12は、製造時において塩化ビニル樹脂粉末に着色剤を配合して調製したコンパウンドを作り、そのコンパウンドを種々の加工機械に供給し、加工成形することで得ることができる。着色剤は顔料、染料のいずれでも構わないが、顔料が用いられることが多く、白色に着色する場合には、例えば酸化チタンあるいは体質顔料としてシリカ、あるいはその両方などが用いられる。これらのように、無機顔料で白色化されたものは、紫外線の反射率が上がるため、耐久性が向上する。
厚さは25μm以上300μm以下が好ましい。化粧シート1として形成された際の重量、しなやかさなどを加味し適当な厚さを選択すればよく、一例として150μmである。
本開示の化粧シート1の最外層は図1に示す通り、基体シート10に対し、一方の面側が半硬質塩化ビニル系樹脂シート21であり、他方の面側が軟質塩化ビニル系樹脂シート12となっている。上述の通り、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21、および軟質塩化ビニル系樹脂シート12はともに塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムであり、塩化ビニル系樹脂は、不燃性能、防炎性能に優れる。すなわち化粧シート1の最外層(一方の面側、および他方の面側)は、不燃性能、防炎性能に優れた塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムから構成されている。そのため化粧シート1も不燃性能、防炎性能に優れたものとなっている。
なお、塩化ビニル系樹脂とは、以下のいずれかの形態の樹脂を意味する総称である。
(1)塩化ビニル単量体(monomer)の単独重合体、すなわち狭義のポリ塩化ビニル。
(2)塩素化ポリ塩化ビニル。
(3)塩化ビニル単量体に塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させた塩化ビニル共重合体、ここで他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、エチレン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
(4)前記(1)のポリ塩化ビニル、前記(2)の塩素化ポリ塩化ビニル、前記(3)の塩化ビニル共重合体のいずれか2種または3種の混合物。
(5)前記(1)のポリ塩化ビニル、前記(2)の塩素化ポリ塩化ビニル、前記(3)の塩化ビニル共重合体のいずれか1種または2種以上、あるいは(4)の混合物に、さらに、他の樹脂を混合した混合物。ここで他の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
なお、前記(1)から(5)に列記の各種塩化ビニル系樹脂には、必要に応じて、各種添加剤を添加する。該添加剤としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤(ラジカル捕捉剤等)、紫外線吸収剤(UVA)、界面活性剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤等が挙げられる。
これら添加剤のうち、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート(略称DOP)、ジイソノニルフタレート(略称DINP)等のフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート(略称TOTM)、トリ-n-オクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
紫有機系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のヒドロキフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等のトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、例えば、平均粒径200nm以下の酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等の金屬酸化物粒子等が挙げられる。
一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、具体的には、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。
なお、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
<絵柄層>
第1実施形態に係る絵柄層22は、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21と基体シート10との間に積層されるものである。本開示において絵柄層22は、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し、その一方の面側に積層(印刷)される。その後、第1実施形態においては、絵柄層22の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21側の面とは反対の面側に基体シート10が積層される(後述)。
絵柄層22の絵柄としては、例えば木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄、単色ベタ柄、単色グラデーション等を挙げることができる。
絵柄層22の形成方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、オフセット印刷法等の有版印刷法、インクジェット印刷法、各種転写印刷法等の無版印刷法等の各種印刷方法が適用可能であるが、グラビア印刷法あるいはインクジェット印刷法が好ましく、とりわけグラビア印刷法が好ましい。高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、また大量生産する場合には高速な印刷が可能であるため費用面で有利である。
一方、インクジェット印刷法の場合には、印刷に係る版胴を作成する必要がないため段取り時間が短く機動性の高い印刷が可能であるため、少量生産に適している。特にインクジェット印刷法の場合には、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21と絵柄層22との間にアクリル系樹脂層25を有していても良い。これについては後述する。
本開示における絵柄層22は、基体シート10と接着される前に、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21(あるいはアクリル系樹脂層25)の一方の面側に形成(通常は印刷)される。半硬質塩化ビニル系樹脂シート21(あるいはアクリル系樹脂層25)は、その表面は基体シート10表面に比べはるかに平滑性が高く、かつ適度な剛性を有するため、グラビア印刷法により絵柄層22を好適に形成することが可能である。仮に基体シート10に対し絵柄層22を形成しようとする場合には、絵柄層22の精細さを担保するために、平坦化する層を別途介在させる必要があり、グラビア印刷法を適用しようとすれば、基体シート10の凹凸が平坦化する層の印刷面にあまり影響を及ぼさない程度に平坦化する層を厚くする必要が生じ、工程負荷が高くなる、化粧シートとしての厚さが増し、重量も重くなるなど好ましくない。
絵柄層22の形成(通常は印刷)に用いるインクは、公知の着色剤(染料又は顔料)を樹脂、すなわちバインダー樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得ることができる。着色剤として、無機顔料、有機顔料、金属粉顔料、真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等が挙げられる。例えば、無機顔料としては、カーボンブラック、黒色酸化鉄、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、黄鉛、カドミウムレッド等を、有機顔料としては、アゾメチンアゾ系黒顔料、ペリレン系黒顔料、各種色相の有彩色アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ニッケル-アゾ錯体、ジオキサジン顔料等を、金属粉顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の鱗片状箔片を、真珠光沢顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の鱗片状箔片を挙げることができる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用したり、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに使用したりしてもよい。
絵柄層22に使用する樹脂(バインダー樹脂)としては、各種ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体のアクリル系樹脂、ポリオール化合物を主剤としイソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等を使用することもできる。上記樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記樹脂には架橋剤、重合開始剤、または、重合促進剤を添加して、塗膜強度、および耐久性を向上させることが好ましく、上記樹脂のなかでは アクリル系樹脂またはアクリル系樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との混合物が好ましい。アクリル系樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との混合物の場合、混合の質量比は、[アクリル系樹脂の質量]/[塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の質量]は2/8~8/2の範囲とすることが、絵柄層22及び着色ベタ印刷層23の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21への印刷適性と密着性、並びに耐候性、耐擦傷性等の耐久性の点で好ましい。
絵柄層22の厚さは、通常は0.5μm以上49μm以下であり、好ましくは2μm以上25μm以下である。
絵柄層22をインクジェット印刷法により印刷形成する場合には、紫外線硬化型のインクを用いることが好ましい。印刷ヘッド部分に搭載された紫外線光源により吐出後のインクを瞬時に硬化させることができるためインクの厚盛が可能となり、幅広い色調表現が可能である。また硬化(乾燥)の際に熱をかける必要がないため、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し熱によるダメージが少なく、また硬化(乾燥)時間も短い。また、溶剤系のインクは一般的に高艶であるが、紫外線硬化型のインクであれば、膜天井用途において好まれる低艶から溶剤系のインクと同様の高艶まで好みに応じて調整可能である。
絵柄層22をインクジェット印刷法により印刷形成する場合に用いる紫外線硬化型のインクとしては、光重合タイプを一般的に用い、光重合性オリゴマー、光重合成モノマー、光重合開始剤、有機又は無機の顔料からなる色材等を主要な組成とする。このような紫外線硬化型のインクは、紫外線照射によって光重合開始剤からラジカルが発生し、反応性モノマーやオリゴマーを攻撃し活性化させる。その後、活性化した反応性モノマーやオリゴマー同士が反応し高分子化され、これによって半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に定着される。このため、水分を吸収しにくい半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対しても、確実な定着が得られ、ポリ塩化ビニル(PVC)の他、ポリ・エチル・テトラエチレン(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)への印刷も可能である。
また、使用樹脂としては、アクリレート系が一般的である。
開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾフエノン等を用いる。
なお、ポリマー性のインクの場合、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21をはじめ、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリ・エチル・テトラエチレン(PET)、ポリ炭酸塩(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などのプラスチック材料、およびその他の有機ポリマーで構成された被印刷物に対し好適に適用可能である。
絵柄層22をインクジェット印刷法により印刷形成する場合における絵柄層22の塗布量は0.5~40g/m2が好ましく、2~25g/m2であることがより好ましい。2g/m2を下回る場合は濃度の薄い意匠しか表現することができないため意匠が限定される懸念があり、25g/m2を上回る場合には有機分が増加するため不燃性能が損なわれる懸念があるからである。
<着色ベタ印刷層>
着色ベタ印刷層23は上述の通り、絵柄層22と絵柄接着剤層31との間に積層されるが、本開示の化粧シート1においては必須の構成ではない。着色ベタ印刷層23の絵柄は、その名の通りいわゆるベタ柄、すなわち好ましくは着色ベタ印刷層23を形成する単色、すなわち、同一の明度、色相、および彩度の着色インクが絵柄層22上の全面に隙間なく形成された絵柄である。しかし着色ベタ印刷層23を形成する目的が、ガラス繊維から構成される層11を視覚的に隠蔽することや、絵柄層22の見かけ上の色を補うことであることを鑑みると、厳密に単色の着色インクが絵柄層22の全面に隙間なく形成された場合のみに限定されない。例えば、単色の着色インクが一定の面積割合で絵柄層22の全面に一様に分布形成されることにより、あるいはその色相、明度、および/または彩度に面内分布(階調ないし勾配)がある場合であっても、視覚的に十分単色ベタ柄に見えるような場合、さらには、使用するインク色は単色に限定されず、複数色の各単色の着色インクが各一定の面積割合で絵柄層22の全面に一様に分布形成されることにより、全体として単色ベタ柄に見えるような場合であっても、上記視覚的効果が得られる態様であれば着色ベタ印刷層23に含まれるものとする。
着色ベタ印刷層23の形成方法としては、各種印刷方法が適用可能であるが、絵柄層22と同様にグラビア印刷法やインクジェット印刷法が好ましい。そして絵柄層22と着色ベタ印刷層23とは同じ印刷方法であることが好ましい。同じ印刷方法の場合には相互の印刷層(22、23)の親和性が高く、また印刷設備も共有でき効率的だからである。とりわけ両印刷層(22、23)がグラビア印刷法で形成されていることが好ましい。絵柄層22において高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、大量生産する場合においては特に、両印刷層(22、23)において安価かつ高速な印刷が可能だからである。一方、インクジェット印刷法の場合には、絵柄層22において、形成しようとする面の平滑性が悪くても適用でき、かつ高精細な印刷が可能である。また両印刷層(22、23)において、段取り時間が短く機動性の高い安価な印刷が可能であるため、少量生産に適している。
着色ベタ印刷層23の形成方法、用いるインク、使用する樹脂などは、上記絵柄層22において説明したものと同様である。着色ベタ印刷層23に用いるインク色は特に限定はなく、ガラス繊維から構成される層11を視覚的に隠蔽する効果や、絵柄層22の見かけ上の色を補う効果を鑑みて適宜選択することができる。一例として、絵柄層22が木目模様層、着色ベタ印刷層23が白色ベタ層である組み合わせが挙げられる。着色ベタ印刷層23の厚さは、通常は1μm以上49μm以下であり、好ましくは5μm以上35μm以下である。厚さを得るために、同じ色を複数のユニットで重ねて印刷したり、印刷を複数回行って重ねたりしても良い。
絵柄層22、および着色ベタ印刷層23の合計の厚さが、5μm以上50μm以下であることが好ましい。5μmを下回る場合には、上記ガラス繊維から構成される層11を視覚的に隠蔽することや、絵柄層22の見かけ上の色を補うことが困難となり、意匠性の高い化粧シートとすることが困難となる。また50μmを上回る場合には、乾燥時間が長くなり印刷速度を上げることができないため生産性が悪くなる、ブロッキングが発生しやすくなる、有機分が増加するため燃焼性が高くなってしまうなどの懸念がある。
(変形形態)
<アクリル系樹脂層>
上述の通り、インクジェット印刷法により絵柄層22を印刷(形成)する場合には、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の一方の面にアクリル系樹脂層25を積層し、その後アクリル系樹脂層25上にインクジェット印刷法により絵柄層22を印刷することが好ましい。
図2に本開示の第1実施形態に係る化粧シート1において、アクリル系樹脂層25を有する場合の層構成の概略を示す断面図を示す。図2(a)は着色ベタ印刷層を有さない場合における断面図であり、図2(b)は着色ベタ印刷層を有する場合における断面図である。
アクリル系樹脂層25は、アクリル系樹脂および塩化ビニル系樹脂を含む層であり、通常は印刷あるいはコーティング、好ましくはグラビア印刷法により形成される。上述のように、絵柄層22をインクジェット印刷法により印刷形成する場合における絵柄層22にはアクリル系樹脂が含まれることが一般的であるため、絵柄層22と被印刷物表面との密着性は、被印刷物の表面が半硬質塩化ビニル系樹脂シート21である場合よりもアクリル系樹脂層25である場合の方が優れる。すなわち半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の上にアクリル系樹脂層25を形成することで、さらにその上に印刷形成される絵柄層22の密着性をより高めることが可能となる。
アクリル系樹脂としては例えば、主成分がアクリル酸(メタクリル酸を含む)及びその誘導体であるアクリルアミド、アクリロニトリル等を重合して得られるアクリル樹脂、他のアクリル酸エステル、エチレン、スチレン等の他のモノマーとの共重合体樹脂が挙げられる。
具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体が挙げられる。
なお、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルを意味する。
また、アクリル系樹脂層25の厚さは1μm以上5μm以下であることが好ましい。厚さが1μmを下回る場合には、アクリル系樹脂層25をグラビア印刷法で均一に塗布形成することが困難となり、また5μmを上回る場合には、化粧シート1としてのしなやかさが損なわれてしまうからである。
アクリル系樹脂層25を有する形態であれば、アクリル系樹脂を含む絵柄層22と、同様にアクリル系樹脂を含むアクリル系樹脂層25との密着性を高めることができ、結果的に化粧シート1の耐久性、信頼性を高めることができる。
アクリル系樹脂層25をグラビア印刷法にて形成することが好ましい理由としては、アクリル系樹脂層25はベタ柄であり、しかもアクリル系樹脂層25は絵柄層22に係る絵柄いかんによらず共通、汎用の層であるため、版胴を共用し得るからである。すなわち、一度版胴を作成すれば、その版胴は印刷幅が共通であれば品種いかんによらず共通に使用することが可能であるため版胴の作成負荷は高くなく、また印刷幅が共通であれば品種が異なっていても一度に印刷して作り置きが可能であるため工程負荷もさほど高くない。さらにグラビア印刷機において使用するユニットは1ユニットのみであるため、品種の切り替え時に版胴の交換が必要な場合であっても、その負荷はさほど高くない。すなわち、アクリル系樹脂層25の形成においては、グラビア印刷法の適用性は悪くはない。
<基体接着剤層>
基体接着剤層32は、ガラス繊維から構成される層11を有する基体シート10と軟質塩化ビニル系樹脂シート12との間に形成される両者を接着するための層である。基体接着剤層32は、接着剤を含み、その組成として塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリオレフィン系共重合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を挙げることができ、中でも塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。基体接着剤層32は、ガラス繊維から構成される層11と軟質塩化ビニル系樹脂シート12とを基体接着剤層32を介して熱圧着によるラミネートで形成されることが好ましい。
また、基体接着剤層32は本開示においては必須の構成ではない。例えば、基体シート10における半硬質塩化ビニル系樹脂シート21が積層される面側とは反対の面側に、着色された塩化ビニル樹脂の液状組成物をコーティングし該液状組成物を固化することにより軟質塩化ビニル系樹脂シート12を形成した場合は、基体接着剤層32の介在無しに直接、基体シート10上に軟質塩化ビニル系樹脂シート12が形成される。なお、この形態の場合、該液状組成物の固化層が基体接着剤層32および軟質塩化ビニル系樹脂シート12の両層を兼備していると見なすこともできる。
また、軟質塩化ビニル系樹脂シート12と同色とした着色塩化ビニル系樹脂組成物からなる基体接着剤層32をコーティングして、別途成膜済みの軟質塩化ビニル系樹脂シート12と該基体接着剤層32とを熱圧着によるラミネートしたような場合には、化粧シート1において、軟質塩化ビニル系樹脂シート12と基体接着剤層32との両層が存在しているにも関わらず、両層(12と32)が異なる層として識別できないこともあり得る。
<絵柄接着剤層>
絵柄接着剤層31は、第1実施形態に係る化粧シート1においては絵柄層22(さらに着色ベタ印刷層23を有する場合には着色ベタ印刷層23)と、ガラス繊維から構成される層11を有する基体シート10と、の間に形成される両者を接着するための層である。絵柄接着剤層31は、接着剤を含み、その組成は上記基体接着剤層32と同様であり、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリオレフィン系共重合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を挙げることができ、中でも塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。絵柄接着剤層31は、基体シート10と、絵柄層22(着色ベタ印刷層23)とを絵柄接着剤層31を介した熱圧着によるラミネートに用いられることが好ましい。本開示のように、絵柄接着剤層31がこのように形成される場合は、絵柄層22(および着色ベタ印刷層23)は、平滑性の高い半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に形成されることになるため、グラビア印刷法を好適に適用でき、高い意匠性を有する絵柄層22を形成することができる。
以上説明した通り、本開示の第1実施形態に係る化粧シート1は、ガラス繊維から構成される層11を有する基体シート10に対し、その一方の面側に半硬質塩化ビニル系樹脂シート21が、他方の面側に軟質塩化ビニル系樹脂シート12が積層され、絵柄層22は、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21と基体シート10との間に積層されている。すなわち第1実施形態に係る化粧シート1は、一方の最表面が半硬質塩化ビニル系樹脂シート21であり、他方の最表面が軟質塩化ビニル系樹脂シート12であるため、最表面は表裏ともに塩化ビニル系樹脂シートとなっている。ガラス繊維、および表裏の最表面に係る材料である塩化ビニル系樹脂は、共に高い不燃性能を有するため、第1実施形態に係る化粧シート1は、高い不燃性能を有する。
本開示の化粧シート1に係る絵柄層22は、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し、その一方の面側に積層(印刷)される。そして上述の通り、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は半硬質であるため印刷適性が良い。そのため、印刷対象である半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の伸縮や、ガイドロールへの貼り付き、しわ等が生じ難く、グラビア印刷においても、インクジェット印刷においても高品質な印刷が可能となる。従って、本開示に係る化粧シート1は高い意匠性を有することができる。
本開示の化粧シート1は、基体シート10を挟み込む表裏の塩化ビニル系樹脂シートの内の一方が、軟質である軟質塩化ビニル系樹脂シート12となっている。そのため、塩化ビニル系樹脂シートの内の他方が半硬質である半硬質塩化ビニル系樹脂シート21であるものの、化粧シート1全体としてある程度の柔軟性を確保することができる。そのため、化粧シート1を膜天井として大面積で施工する場合であっても施工性を確保することができる。
(第2実施形態)
図3(a)に本開示の第2実施形態に係る化粧シート101の層構成の概略を示す断面図を示す。
化粧シート101は、基体シート10の一方の面側に半硬質塩化ビニル系樹脂シート21が、他方の面側に軟質塩化ビニル系樹脂シート12が、各接着剤層(絵柄接着剤層31および基体接着剤層32)を介して積層されており、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の一方の面に絵柄層22が積層され、基体シート10はガラス繊維から構成される層11を有している。第2実施形態に係る化粧シート101においては、絵柄層22は半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の基体シート10側の面とは反対の面側に積層されている点、および半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は好ましくは着色されている点、において第1実施形態に係る化粧シート1と異なっている。
すなわち図3に示す第2実施形態に係る化粧シート101は、図3における下側から順に、軟質塩化ビニル系樹脂シート12、基体接着剤層32、ガラス繊維から構成される層11(基体シート10)、絵柄接着剤層31、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21、および絵柄層22がこの順に積層されている。なお上記積層順を乱さず、本開示の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
第2実施形態に係る化粧シート101においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は好ましくは着色されている。着色されていない場合には、化粧シート1における通常の観察面である表面側(半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対して基体シート10側の面とは反対の面側)から、絵柄層22および半硬質塩化ビニル系樹脂シート21を通して基体シート10に係るガラス繊維から構成される層11が視認できてしまう事により、化粧シート1の意匠性が低くなってしまう。半硬質塩化ビニル系樹脂シート21が着色されていればガラス繊維から構成される層11を視覚的に隠蔽することや、絵柄層22の見かけ上の色を補うことにより、化粧シート1を意匠性の高いものとすることができる。
上記の様な着色された半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、軟質塩化ビニル系樹脂シート12において説明した方法と同様の方法により着色することができる。すなわち、着色された半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は、製造時において塩化ビニル樹脂粉末に着色剤を配合して調製したコンパウンドを作り、そのコンパウンドを種々の加工機械に供給し、加工成形することで得ることができる。着色剤は顔料、染料のいずれでも構わないが、顔料が用いられることが多く、白色に着色する場合には、例えば酸化チタンあるいは体質顔料としてシリカ、あるいはその両方などが用いられる。これらのように、無機顔料で白色化されたものは、紫外線の反射率が上がるため、耐久性が向上する。
第2実施形態に係る絵柄層22は、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の基体シート10側の面とは反対の面側に積層されている。第2実施形態においても第1実施形態と同様に絵柄層22は、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し、その一方の面側に積層(印刷)される。その後、第2実施形態においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の絵柄層22側の面とは反対の面側に基体シート10が積層される(後述)。
絵柄層22の塗布量は0.5~40g/m2が好ましく、2~25g/m2であることがより好ましい。2g/m2を下回る場合は濃度の薄い意匠しか表現することができないため意匠が限定される懸念があり、25g/m2を上回る場合には有機分が増加するため不燃性能が損なわれる懸念があるからである。
第2実施形態に係る化粧シート101においても第1実施形態に係る化粧シート1と同様に、絵柄層22をインクジェット印刷法により印刷してもよい。そして、インクジェット印刷法により絵柄層22を印刷(形成)する場合には、第1実施形態と同様に半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の一方の面にアクリル系樹脂層25を積層し、その後アクリル系樹脂層25上にインクジェット印刷法により絵柄層22を印刷することが好ましい。図3(b)に本開示の第2実施形態に係る化粧シート101においてアクリル系樹脂層25を有する場合における層構成の概略を示す断面図を示す。インクジェット印刷に係るインクや、アクリル系樹脂層25の形成方法、層厚、効果などは、第1実施形態に係る絵柄層22、およびアクリル系樹脂層25と同様である。
第2実施形態に係る化粧シート101は図3に示す通り、ガラス繊維から構成される層11を有する基体シート10、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21、および軟質塩化ビニル系樹脂シート12を主体として構成されている。上述の通り、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21、および軟質塩化ビニル系樹脂シート12はともに塩化ビニル系樹脂を主成分とするフィルムであり、塩化ビニル系樹脂は、不燃性能、防炎性能に優れる。またガラス繊維から構成される層11も不燃性能、防炎性能に優れる。第2実施形態に係る化粧シート101においては、最外層に絵柄層22が位置するものの、上記の通り絵柄層22の塗布量が25g/m2以下であれば不燃性能を得ることができる。この様に第2実施形態に係る化粧シート101においても、不燃性能に優れたものとなっている。
第2実施形態に係る化粧シート101に係る絵柄層22についても、上述の第1実施形態に係る化粧シート1に係る絵柄層22と同様に、半硬質である半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し、その一方の面側に積層(印刷)される。そのため、第1実施形態に係る化粧シート1と同様に、グラビア印刷においても、インクジェット印刷においても高品質な印刷が可能となる。従って、第2実施形態に係る化粧シート101においても高い意匠性を有することができる。
また、第2実施形態に係る化粧シート101においても、第1実施形態に係る化粧シート1と同様に、化粧シート101全体としてある程度の柔軟性を確保することができる。そのため、化粧シート101を膜天井として大面積で施工する場合であっても施工性を確保することができる。
〔建築物内装材〕
上記化粧シート1、101は、その高い不燃性能と高い意匠性、および優れた施工性のため、化粧シート1、101単体で膜天井として建築物の天井に施工する事が容易である。
化粧シート1、101は、単体で膜天井として使用するのみならず、化粧シート1、101と基板、吊り具、枠材、棧、ねじ等他の部材を組み合わせた上で、建築物内装材として使用することもできる。化粧シート1、101の適度に柔軟であるという特徴により、上記他の部材と組み合わせ建築物内装材とすることが容易である。建築物内装材の用途としては、空港、駅、店舗内などの天井材の他、天井からの吊り下げ広告、柱巻きなどの店舗装飾、展示会パネル、ビニールカーテン、簡易間仕切り、養生シート、機械などの各種カバー、破れ補修や生地の補強材などを挙げることができる。上記例における建築物内装材においても、高い不燃性能、高い意匠性、高い耐候性、軽量であること、耐水性などの特長により、不特定多数が利用する空間や、建築工事現場内などで好適に使用することができる。
〔化粧シートの製造方法〕
(第1実施形態の製造方法)
次に、第1実施形態に係る化粧シート1の製造方法の一例について、層構成の概略を示す断面図である図4を参照して説明する。ここでは、アクリル系樹脂層25および着色ベタ印刷層23を有する形態の製造方法を説明するが、アクリル系樹脂層25あるいは着色ベタ印刷層23の一方または両方を有さない場合には、該当する工程を省略すればよい。
まず透明な半硬質塩化ビニル系樹脂シート21を準備し(図4(a))、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の一方の面側(図4における下面側)にアクリル系樹脂層25をグラビア印刷法にて形成する(図4(b))。次にアクリル系樹脂層25の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21側の面とは反対の面側にインクジェット印刷により絵柄層22を積層する(絵柄層積層工程、図4(c))。アクリル系樹脂層25を有さない形態においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の準備後、その一方の面側(図4における下面側)に絵柄層22をグラビア印刷法にて形成すればよい。好ましくはグラビア印刷法であるが、インクジェット印刷法による印刷でもよい。次に絵柄層22の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21側の面とは反対の面側にグラビア印刷法あるいはインクジェット印刷により着色ベタ印刷層23を積層する(図4(d))。絵柄層22の積層と着色ベタ印刷層23の積層とは同一の印刷法であることが好ましいが、異なる印刷法であっても構わない。該着色ベタ印刷層23の積層は、本開示の化粧シートの製造方法においては必須の工程ではなく、省略してもよい
次にガラス繊維から構成される層11を有する基体シート10を準備し(図4(e))、基体シート10を接着剤に浸すことにより接着剤を基体シート10に含浸させ、その後乾燥させることにより、その一方の面側に絵柄接着剤層31となる接着剤が、他方の面側に基体接着剤層32となる接着剤が塗布された状態とする(図4(f))。
その後、絵柄層22(あるいは着色ベタ印刷層23)の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21側の面とは反対の面側と基体シート10の一方の面側(図4における上面側)とが対向する様に絵柄接着剤層31を介してラミネートにより接着する(以下絵柄接着とも言う)とともに、基体シート10の他方の面側(図4における下面側)と軟質塩化ビニル系樹脂シート12とが対向する様に基体接着剤層32を介してラミネートにより接着し(以下基体接着とも言う)、化粧シート1を得る(図4(g))。
また上記説明では、絵柄接着と基体接着とを同一工程で行っているがこれに限らず、絵柄接着を先に行いその後基体接着を行ってもよく、また基体接着を先に行いその後絵柄接着を行ってもよい。
上記の通り、アクリル系樹脂層25の有無に関わらず、絵柄層22を印刷する工程(絵柄層積層工程)における基材は半硬質塩化ビニル系樹脂シート21である。そして上述の通り、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は半硬質であるため、軟質の塩化ビニル系樹脂シート単体(ここでは軟質基材とも言う)に絵柄層22を印刷する場合に想定される、絵柄層22に係る溶剤が軟質基材に対しアタックしたり、乾燥時の熱、テンションにより、軟質基材が伸びたり、ガイドロールへ貼り付いたり、といった不具合を回避することができる。すなわち、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21は印刷適性が良いため、印刷対象である半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の伸縮や、ガイドロールへの貼り付き、しわ等が生じ難く、グラビア印刷においても、インクジェット印刷においても高品質な印刷が可能となる。従って、本開示の製造方法に係る化粧シート1は高い意匠性を有することができる。
絵柄層積層工程においてグラビア印刷法を適用する場合は、高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、また大量生産する場合には高速な印刷が可能であるため費用面で有利である。
絵柄層積層工程においてインクジェット印刷法を適用する場合には、印刷に係る版胴を作成する必要がないため、段取り時間が短く機動性の高い印刷が可能であるため、少量生産に適している。またインクジェット印刷法においては、紫外線硬化型のインクを用いることが好ましく、その場合には印刷ヘッド部分に搭載された紫外線光源により吐出後のインクを瞬時に硬化させることができるためインクの厚盛が可能となり、幅広い色調表現が可能である。また硬化(乾燥)の際に熱をかける必要がないため、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21に対し熱によるダメージが少なく、また硬化(乾燥)時間も短い。また、溶剤系のインクは一般的に高艶であるが、紫外線硬化型のインクであれば、膜天井用途において好まれる低艶から溶剤系のインクと同様の高艶まで好みに応じて調整可能である。
上記製造方法にて製造した化粧シート1は、化粧シート1について上記説明した様に、高い不燃性能を有し、また適度な柔軟性を有することから、化粧シート1を膜天井として大面積で施工する場合であっても施工性を確保することができる。
(第2実施形態の製造方法)
次に、第2実施形態に係る化粧シート101の製造方法の一例について、層構成の概略を示す断面図である図5を参照して説明する。ここでは、アクリル系樹脂層25を有する形態の製造方法を説明するが、アクリル系樹脂層25を有さない形態の製造方法は、下記のうちアクリル系樹脂層25を積層する工程を省略すればよい。
まず透明な半硬質塩化ビニル系樹脂シート21を準備し(図5(a))、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の一方の面側(図5における上面側)にアクリル系樹脂層25をグラビア印刷法にて形成する(図5(b))。次にアクリル系樹脂層25の半硬質塩化ビニル系樹脂シート21側の面とは反対の面側にインクジェット印刷により絵柄層22を積層する(絵柄層積層工程、図5(c))。アクリル系樹脂層25を有さない形態においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の準備後、その一方の面側(図5における上面側)に絵柄層22をグラビア印刷法にて形成すればよい。好ましくはグラビア印刷法であるが、インクジェット印刷法による印刷でもよい。
次にガラス繊維から構成される層11を有する基体シート10を準備し(図5(d))、基体シート10を接着剤に浸すことにより接着剤を基体シート10に含浸させ、その後乾燥させることにより、その一方の面側に絵柄接着剤層31となる接着剤が、他方の面側に基体接着剤層32となる接着剤が塗布された状態とする(図5(e))。
その後、半硬質塩化ビニル系樹脂シート21の絵柄層22側の面とは反対の面側と基体シート10の一方の面側(図5における上面側)とが対向する様に絵柄接着剤層31を介してラミネートにより接着する(以下絵柄接着とも言う)とともに、基体シート10の他方の面側(図5における下面側)と軟質塩化ビニル系樹脂シート12とが対向する様に基体接着剤層32を介してラミネートにより接着し(以下基体接着とも言う)、化粧シート101を得る(図5(f))。
また上記説明では、絵柄接着と基体接着とを同一工程で行っているがこれに限らず、絵柄接着を先に行いその後基体接着を行ってもよく、また基体接着を先に行いその後絵柄接着を行ってもよい。
上記の通り第2実施形態に係る製造方法においても、アクリル系樹脂層25の有無に関わらず、絵柄層22を印刷する工程における基材は、半硬質である半硬質塩化ビニル系樹脂シート21である。そのため第1実施形態に係る製造方法と同様に、絵柄層22を印刷する際の印刷適性が良く、よって本開示の製造方法に係る化粧シート101は高い意匠性を有するものとすることができる。
またグラビア印刷法を適用した場合の効果、およびインクジェット印刷法を適用した場合の効果についても、第1実施形態に係る製造方法に場合と同様の効果を得ることができる。
上記製造方法にて製造した化粧シート101は、化粧シート101について上記説明した様に、高い不燃性能を有し、また適度な柔軟性を有することから、化粧シート101を膜天井として大面積で施工する場合であっても施工性を確保することができる。
(第1の実施例)
以下本開示に係る実施例を説明する。
第1の実施例として、カレンダー法にて製造された、DINPを可塑剤としてその部数が27.5質量部、厚さ150μmである透明な半硬質塩化ビニル系樹脂シートを用意した。その一方の面側に、バインダー樹脂がアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂との5対5質量比の混合物からなり、着色剤としてキナクリドンレッド、カーボンブラック、シアニンブルー及びイソインドリノンイエローを含むインクを用いて多色刷りのグラビア印刷機にて木目模様層(絵柄層22)を形成し、その表面にさらに木目模様層と同じバインダー樹脂に着色剤としてチタン白を含むインクからなる白色全面ベタ柄をグラビア印刷し、白色ベタ層(着色ベタ印刷層23)を形成した。次に、経糸および緯糸の織り密度が32本/25mmであるガラス織布(ガラス繊維から構成される層11)に対し塩化ビニル系樹脂の着色接着剤を40g/m2含浸させ、その後乾燥させることにより、ガラス織布の両面に塩化ビニル系樹脂の着色接着剤(絵柄接着剤層31および基体接着剤層32)が塗布された状態とした。次にガラス織布の一方の面側と、酸化チタンおよびシリカを含むDINPを可塑剤としてその部数が60質量部、チタン白を10質量部含む厚さ150μmのポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)とを塩化ビニル系樹脂の着色接着剤(基体接着剤層32)を介して熱ラミネートにより接着した。次に半硬質塩化ビニル系樹脂シートに係る白色ベタ層(着色ベタ印刷層23)が形成された面側とガラス織布の他方の面側とを塩化ビニル系樹脂の着色接着剤(絵柄接着剤層31)を介して熱ラミネートにより接着することで第1の実施例に係る化粧シートを得た。該第1の実施例に係る化粧シートは、上記説明における第1実施形態に係る化粧シートに対応した形態である。
(第2の実施例)
第2の実施例として、カレンダー法にて製造された、DINPを可塑剤としてその部数が27.5質量部、厚さ150μmである白色の半硬質塩化ビニル系樹脂シートを用意した。その一方の面側に、バインダー樹脂がアクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂との5対5質量比の混合物からなり、着色剤としてキナクリドンレッド、カーボンブラック、シアニンブルー及びイソインドリノンイエローを含むインクを用いて多色刷りのグラビア印刷機にて木目模様層(絵柄層22)を形成した。次に、経糸および緯糸の織り密度が32本/25mmであるガラス織布(ガラス繊維から構成される層11)に対し塩化ビニル系樹脂の着色接着剤を40g/m2含浸させ、その後乾燥させることにより、ガラス織布の両面に塩化ビニル系樹脂の着色接着剤(絵柄接着剤層31および基体接着剤層32)が塗布された状態とした。次にガラス織布の一方の面側と、酸化チタンおよびシリカを含むDINPを可塑剤としてその部数が60質量部、チタン白を10質量部含む厚さ150μmのポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)とを塩化ビニル系樹脂の着色接着剤(基体接着剤層32)を介して熱ラミネートにより接着した。次に半硬質塩化ビニル系樹脂シートに係る木目模様層(絵柄層22)が形成された面側とは反対の面側とガラス織布の他方の面側とを塩化ビニル系樹脂の着色接着剤(絵柄接着剤層31)を介して熱ラミネートにより接着することで第2の実施例に係る化粧シートを得た。該第2の実施例に係る化粧シートは、上記説明における第2実施形態に係る化粧シートに対応した形態である。
(第3の実施例)
第3の実施例として、カレンダー法にて製造された、DINPを可塑剤としてその部数が27.5質量部、厚さ150μmである白色の半硬質塩化ビニル系樹脂シートを用意した。その一方の面側に、グラビア印刷にてアクリル樹脂層(アクリル系樹脂層25)を形成し、該アクリル樹脂層(アクリル系樹脂層25)に対しEFI社製インクジェット印刷機 VUTEk GS5500LXrにて紫外線硬化型のインクを用いてインクジェット印刷にて木目模様層(絵柄層22)を形成した。以降の工程は第2の実施例と同様に実施して、第3の実施例に係る化粧シートを得た。該第3の実施例に係る化粧シートは、上記説明における第2実施形態に係る化粧シートに対応した形態である。
(比較例1)
比較例1として、第2の実施例における半硬質塩化ビニル系樹脂シート、およびポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)の可塑剤部数について、いずれも35質量部に変更した以外は、第2の実施例と同様として比較例1に係る化粧シートを得た。
(比較例2)
比較例2として、第2の実施例における半硬質塩化ビニル系樹脂シート、およびポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)の可塑剤部数について、いずれも11質量部に変更した以外は、第2の実施例と同様として比較例2に係る化粧シートを得た。
(比較例3)
比較例3として、第3の実施例の形態で、半硬質塩化ビニル系樹脂シート、およびポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)の厚さを150μmから200μmに変更した以外は、第3の実施例と同様として比較例3に係る化粧シートを得た。
(評価1:生産性評価)
評価(各実施例、各比較例)に係る各化粧シートに対し、絵柄層の色間見当ずれを目視にて確認した。また絵柄層の印刷時において印刷原反すなわちポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)のガイドロールへの貼り付き発生の有無を確認した。
目視にて色間見当ずれが認識できず、かつガイドロールへの貼り付き発生も認められなかったものを〇とし、目視にて色間見当ずれが認識された、あるいはガイドロールへの貼り付き発生が認められた、のいずれかに該当するものを×とした。
(評価2:施工性評価)
化粧シートの膜天井材としての施工性を評価するにあたり、施工性が悪い場合の理由が硬すぎて伸びが悪いことであることを鑑み、化粧シートの弾性率を評価した。弾性率が高すぎると伸びが悪くすなわち施工性が悪いと言える。評価に係る各化粧シートに対し、化粧シートを15cm×3cmに切断し、その長尺方向が伸び方向となる様に伸び計にセットして、チャック間距離100mm、速度50mm/minで0.25kNに達するまで引っ張ることにより弾性率を測定した。評価においては、弾性率17kMPa以下を〇とし、弾性率17kMPaを超えるものを×とした。
(評価3:発熱性試験)
評価に係る各化粧シートに対し、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメーター試験機を用いて、加熱開始後20分間の総発熱量(MJ/m2)、および加熱開始後20分間の最大発熱速度として、200kW/m2を超える時間(以下超過時間ともいう)を秒単位で求め、評価基準は以下の通りとした。総発熱量7.2MJ/m2以下、かつ超過時間6秒以下:◎、総発熱量7.2MJ/m2以下、かつ超過時間8秒以下:〇、総発熱量7.2MJ/m2を超え8MJ/m2以下、あるいは超過時間8秒を超え10秒以下であり×に該当しない:△、総発熱量8MJ/m2を超える、あるいは超過時間10秒を超える:×。
評価に係る各化粧シートに対する評価1~3の結果を表1に示す。
Figure 2022155404000002
(評価1結果)
生産性を評価する評価1の結果は表1の通り、比較例1を除き〇であった。×となった比較例1においては、目視で確認できる色間見当ずれが一部で発生していた。またウェブ(搬送原反)がガイドロールに貼り付きかかっては剥がれてという動きを細かい周期で繰り返すことにより、ウェブ(搬送原反)にばたつきが発生していることが目視で確認できた。このばたつきによりウェブ(搬送原反)の張力変動が大きくなると考えられ、この張力変動が色間見当ずれの原因と考えられる。比較例1にて上記現象が確認された理由は、比較例1に係る化粧シートを構成する、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの可塑剤部数が35質量部と、半硬質塩化ビニル系樹脂シートが実際には軟質であったためと考えられる。この結果により、第1の実施例~第3の実施例の化粧シートにおける、可塑剤部数が27.5質量部である半硬質塩化ビニル系樹脂シートは、半硬質であることにより張力変動による見当ずれが発生しにくいため印刷適性が高く、高品質の印刷が可能でとなる。そのため、高い意匠性を有する化粧シートとすることができ、また生産性が良いことが確認された。すなわち本開示に係る化粧シートは高い意匠性を有することが可能で、また生産性も良いことが確認された。
(評価2結果)
施工性を評価する評価2の結果は表1の通り、比較例2を除き〇であった。×となった比較例2においては、化粧シートの弾性率が17kMPaを上回った。その理由は、比較例2に係る化粧シートを構成する、半硬質塩化ビニル系樹脂シート、およびポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)の可塑剤部数がいずれも11質量部と半硬質であるものの、2枚の半硬質シートが積層された化粧シート全体としては比較的硬質な、すなわち弾性率が高いものとなったと考えられる。また、第1の実施例~第3の実施例においては、半硬質塩化ビニル系樹脂シートの可塑剤部数が27.5質量部と半硬質でありながら、ポリ塩化ビニルフィルム(軟質塩化ビニル系樹脂シート12)の可塑剤部数が60質量部と軟質であることにより、化粧シート全体としては高すぎない適度な弾性率となり、よって良好な施工性が得られることが確認された。
(評価3結果)
発熱性すなわち不燃性能を評価する評価3の結果は表1の通り、第1の実施例は◎、第2の実施例、第3の実施例、比較例1、比較例2は〇、比較例3は△となった。第1の実施例の化粧シートでは、最外層に配置された半硬質塩化ビニル系樹脂シートにより、急激な発熱が抑制された結果、200kW/m2を超える時間を6秒以下とすることができた。比較例3では、表面の有機分は変わらないため、200kW/m2を超える時間は8秒以下であるが、樹脂分が増えることで、総発熱量が7.2MJ/m2以を超過し、△となった。評価3の結果から、本開示に係る化粧シートは高い不燃性能を有することが確認された。
以上、本開示に係る化粧シート、建築物内装材、および化粧シートの製造方法について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本開示の技術的範囲に包含される。
本開示に係る化粧シート、および建築物内装材は、高い不燃性能と高い意匠性を有し、施工性にも優れたものである。そのため、膜天井用シートや吊り天井用シート、ブラインドなどとして好適に利用することができる。また天井、床、壁面など、あるいは室内の建具や扉、間仕切りなどに被覆して、それらの不燃性能を高めつつ、優れた意匠外観とするような利用も可能である。
1、101 化粧シート
10 基体シート
11 ガラス繊維から構成される層
12 軟質塩化ビニル系樹脂シート
21 半硬質塩化ビニル系樹脂シート
22 絵柄層
23 着色ベタ印刷層
25 アクリル系樹脂層
31 絵柄接着剤層
32 基体接着剤層

Claims (14)

  1. 基体シートの一方の面側に半硬質塩化ビニル系樹脂シートが、他方の面側に軟質塩化ビニル系樹脂シートが、各接着剤層を介して積層された化粧シートであり、
    前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層が積層され、
    前記基体シートはガラス繊維から構成される層を有する、化粧シート。
  2. 前記基体シートと前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートとの間に前記絵柄層が積層され、前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートは透明である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの前記基体シート側の面とは反対の面側に前記絵柄層が積層され、前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートが着色されている、請求項1に記載の化粧シート。
  4. 前記ガラス繊維から構成される層がガラス織布を有する層である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記ガラス繊維から構成される層がガラス不織布を有する層である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートと前記絵柄層との間にアクリル系樹脂層を有し、
    前記絵柄層は前記アクリル系樹脂層に対しインクジェット印刷により積層された、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記絵柄層は、前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートに対しグラビア印刷により積層された、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. ISO5660-1に準拠した発熱性試験において、200kW/m2超過時間が10秒以下であり、総発熱量が8MJ/m2以下である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の化粧シート。
  9. 前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートは可塑剤部数が30質量部以下であり、前記軟質塩化ビニル系樹脂シートは可塑剤部数が40質量部以上である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の化粧シート。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の化粧シートを有する建築物内装材。
  11. 半硬質塩化ビニル系樹脂シートと基体シートと軟質塩化ビニル系樹脂シートとを有する化粧シートの製造方法であって、
    透明な前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートを準備する工程と、
    前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層を積層する絵柄層積層工程と、
    ガラス繊維から構成される層を有する前記基体シートを準備する工程と、
    前記基体シートの一方の面側と、前記絵柄層の前記半硬質塩化ビニル系樹脂シート側の面とは反対の面側とが対向する様に積層する工程と、
    前記基体シートの他方の面側と、前記軟質塩化ビニル系樹脂シートとが対向する様に積層する工程と、を有する化粧シートの製造方法。
  12. 半硬質塩化ビニル系樹脂シートと基体シートと軟質塩化ビニル系樹脂シートとを有する化粧シートの製造方法であって、
    着色された前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートを準備する工程と、
    前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側に絵柄層を積層する絵柄層積層工程と、
    ガラス繊維から構成される層を有する前記基体シートを準備する工程と、
    前記基体シートの一方の面側と、前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの前記絵柄層側の面とは反対の面側とが対向する様に積層する工程と、
    前記基体シートの他方の面側と、前記軟質塩化ビニル系樹脂シートとが対向する様に積層する工程と、を有する化粧シートの製造方法。
  13. 前記絵柄層積層工程は、前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側にアクリル系樹脂層を積層し、前記アクリル系樹脂層の前記半硬質塩化ビニル系樹脂シート側の面とは反対の面側にインクジェット印刷により前記絵柄層を積層する工程である、請求項11または請求項12に記載の化粧シートの製造方法。
  14. 絵柄層積層工程は、前記半硬質塩化ビニル系樹脂シートの一方の面側にグラビア印刷により前記絵柄層を積層する工程である、請求項11または請求項12に記載の化粧シートの製造方法。
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