JP2022138582A - 抗ウイルス性化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、光による変色を抑制し、適切な意匠性を付与できる、抗ウイルス性化粧シートを提供することを目的とする。【解決手段】抗ウイルス層、第一樹脂層、繊維基布及び第二樹脂層をこの順に有し、前記抗ウイルス層は抗ウイルス剤を含み、前記抗ウイルス剤が、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを含有する粒子、及び/又は、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子との混合粒子である、抗ウイルス性化粧シート。【選択図】図1

Description

本発明は、抗ウイルス性化粧シートに関する。
近年、新コロナウィルスに代表されるウイルス病が世界的に猛威をふるっており、人類にとって脅威となっている。
これらウイルスや菌に対応するため、以前より、衛生面の観点から、建築物の内装材料、車両の内装材料、OA機器及びタッチパネル等の人が手で触れる物の表面に、抗ウイルス性又は抗菌性を有する組成物を塗布し、抗菌処理を施すことが行われていた。
また、これらウイルス病の爆発的な流行により、最近では、病院施設内での対応の他に、医療用テント内での対応も増加している。
抗ウイルス性を有する組成物及び物品に関して、特許文献1には、銀系無機添加剤又は亜鉛系無機添加剤を配合した抗ウイルス性を有する内装用化粧シートが提案されている。
また、特許文献2には、ウイルスを不活化させるに有効な抗ウイルス材料を担持した膜材、防水布製品、及びテントを提供することを目的として、金属フタロシアニン誘導体を抗ウイルス材料として含む樹脂層が積層されている膜材が提案されている。
特許第6229429号公報 特開2011-042095号公報
しかしながら、特許文献1の抗ウイルス性を有する内装用化粧シートは、銀系無機添加剤が光(可視光線、紫外線)により褐色に変色するという性質をもつものであり、特に、抗ウイルス性を発現するために銀系無機添加剤の添加量を増やした際に、光により変色するという問題が顕著であった。
特許文献2の膜材は、金属フタロシアニン誘導体を有することから、抗ウイルス材料である金属フタロシアニン誘導体に由来する色味を防ぐことができないものであった。また、抗ウイルス材料の色味を呈することから、膜材表面に文字や絵柄等を施した際のデザインに制限がかかるものであったため、医療現場のテント等して用いた場合に、必要な情報を、膜材の表面に適切な形で印刷等することが困難である問題があった。
本発明は、光による変色を抑制し、適切な意匠性を付与できる、抗ウイルス性化粧シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、以下の[1]~[10]を提供する。
[1]抗ウイルス層、第一樹脂層、繊維基布及び第二樹脂層をこの順に有し、前記抗ウイルス層は抗ウイルス剤を含み、前記抗ウイルス剤が、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを含有する粒子、及び/又は、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子との混合粒子である、抗ウイルス性化粧シート。
[2]前記抗ウイルス層が、バインダー樹脂を含む、[1]に記載の抗ウイルス性化粧シート。
[3]前記バインダー樹脂が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物である、[2]に記載の抗ウイルス性化粧シート。
[4]前記抗ウイルス剤の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下である、[2]又は[3]に記載の抗ウイルス性化粧シート。
[5]前記抗ウイルス剤の平均粒子径をD、前記抗ウイルス層の厚みをTと定義した際に、D/Tが1.0以下である、[1]~[4]のいずれに記載の抗ウイルス性化粧シート。
[6]前記抗ウイルス剤は、その構成成分がスチレン、スルホン酸ナトリウム、アクリル酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群から選択される少なくとも一種の構造を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の抗ウイルス性化粧シート。
[7]前記繊維基布が、ガラス繊維を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の抗ウイルス性化粧シート。
[8]前記第一樹脂層と前記繊維基布との間及び前記第二樹脂層と前記繊維基布との間に、接着剤層を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の抗ウイルス性化粧シート。
[9]前記抗ウイルス層と前記第一樹脂層との間、又は前記第一樹脂層と前記繊維基布との間に、装飾層を有する、[1]~[8]のいずれかに記載の抗ウイルス性化粧シート。
[10]前記第一樹脂層及び前記第二樹脂層が、塩化ビニル系樹脂を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の抗ウイルス性化粧シート。
本発明によれば、光による変色を抑制し、適切な意匠性を付与できる、抗ウイルス性化粧シートを提供することができる。
本発明の抗ウイルス性化粧シートの一実施形態を示す断面図である。 本発明の抗ウイルス性化粧シートのその他の実施形態を示す断面図である。 本発明の抗ウイルス性化粧シートのその他の実施形態を示す断面図である。 本発明の抗ウイルス性化粧シートの一実施形態の抗ウイルス層を示す部分断面図である。
[抗ウイルス性化粧シート]
本発明の抗ウイルス性化粧シートは、抗ウイルス層、第一樹脂層、繊維基布及び第二樹脂層をこの順に有し、前記抗ウイルス層は抗ウイルス剤を含み、前記抗ウイルス剤が、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを含有する粒子、及び/又は、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子との混合粒子であることを特徴としている。つまり、本発明における抗ウイルス剤は、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを一緒に含有する粒子であってもよく、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子とを別々に含有する混合粒子であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。以下、これらの態様を包含する用語として「抗ウイルス剤」と記載する。
図1~3は、後述する図4の抗ウイルス層を有する、本発明の抗ウイルス性化粧シート100の実施の形態を示す断面図である。
図1の抗ウイルス性化粧シート100は、抗ウイルス層10、第一樹脂層20、繊維基布40及び第二樹脂層30をこの順に有している。また、前記抗ウイルス層10は、バインダー樹脂11及び抗ウイルス剤12を含む。
第一樹脂層20及び第二樹脂層30は、透明でもよく、着色されていてもよい。また、図示はされていないが、必要に応じて、第一樹脂層20と繊維基布40との間及び第二樹脂層30と繊維基布40との間に、接着剤層を設けてもよい。
図2の抗ウイルス性化粧シート100は、抗ウイルス層10、装飾層50、第一樹脂層20、繊維基布40及び第二樹脂層30をこの順に有している。また、前記抗ウイルス層10は、バインダー樹脂11及び抗ウイルス剤12を含む。
装飾層50としては、文字や図柄を形成する絵柄層や、ベタ印刷層が挙げられ、必要に応じ適宜組み合わせてもよい。また、第一樹脂層20及び第二樹脂層30は、透明でもよく、着色されていてもよい。また、図示はされていないが、必要に応じて、第一樹脂層20と繊維基布40との間及び第二樹脂層30と繊維基布40との間に、接着剤層を設けてもよい。
図3の抗ウイルス性化粧シート100は、抗ウイルス層10、第一樹脂層20、装飾層50、繊維基布40及び第二樹脂層30をこの順に有している。また、前記抗ウイルス層10は、バインダー樹脂11及び抗ウイルス剤12を含む。
装飾層50としては、文字や図柄を形成する絵柄層や、ベタ印刷層が挙げられ、必要に応じ適宜組み合わせてもよい。図3のウイルス性化粧シートにおいて、第一樹脂層20は、装飾層の絵柄等をウイルス性化粧シート100の抗ウイルス層側から装飾層を良好に視認できるようにするために、透明であることが好ましい。第二樹脂層30は、透明でもよく、着色されていてもよい。また、図示はされていないが、必要に応じて、第一樹脂層20と繊維基布40との間及び第二樹脂層30と繊維基布40との間に、接着剤層を設けてもよい。
図4(A)~(E)は、図1~3に示す、本発明の抗ウイルス性化粧シート100における、抗ウイルス層の実施の形態を示す部分断面図である。
図4(A)~(E)の抗ウイルス層は、抗ウイルス剤12及びバインダー樹脂11を有している。
図4(A)の抗ウイルス層10は、抗ウイルス剤12を、厚み方向(同図のZ軸方向)及び面内方向(同図のXY平面内の各方向)の両方向において、抗ウイルス層10の全体に含んでいる。図4(B)の抗ウイルス層10は、抗ウイルス剤12を抗ウイルス層10の表面側(図の上側)に含んでいる。図4(C)の抗ウイルス層10は、抗ウイルス剤12を、抗ウイルス層10の表面側(図の上側)及び背面側(図の下側)に含んでいる。図4(D)の抗ウイルス層10は、抗ウイルス剤11を、抗ウイルス層10の表面側(図の上側)の面内方向において一部の領域に含んでいる。図4(E)の抗ウイルス層10は、抗ウイルス剤12を、抗ウイルス層10の表面側(図の上側)の一部の領域及び硬化物層10の背面側(図の下側)の一部の領域に含んでいる。
図4(A)~(E)に示すように、抗ウイルス層10内において、抗ウイルス剤12の存在箇所は特に限定されない。但し、抗ウイルス性を高める観点からは、人が触れる側の面に抗ウイルス剤12が存在することが好ましい。
[抗ウイルス層]
抗ウイルス層は、抗ウイルス剤を含むことを要する。抗ウイルス層は、抗ウイルス剤及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。抗ウイルス層に抗ウイルス剤を含むことによって、本発明の抗ウイルス性化粧シートは、抗ウイルス性を発現することができる。
<抗ウイルス剤>
抗ウイルス剤は、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを含有する粒子、及び/又は、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子との混合粒子であることを特徴とする。前述の通り、本発明における抗ウイルス剤は、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを一緒に含有する粒子であってもよく、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子とを別々に含有する混合粒子であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
抗ウイルス剤は、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを含有し、その構成成分はスチレン、スルホン酸ナトリウム、アクリル酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群から選択される少なくとも一種の構造を有することが好ましく、特にスチレン及びスルホン酸ナトリウムの少なくとも一種の構造、並びにアクリル酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群から選択される少なくとも一種の構造の両方を有することが好ましい。
本発明では、抗ウイルス剤におけるスチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物との含有割合は限定されないが、エンベロープウイルスに対してのみ抗ウイルス性を有していれば良い場合はスチレンポリマー誘導体化合物のみを含有していれば十分である。但し、活性阻害が困難なノンエンベロープウイルスに対しても抗ウイルス性を有することを考慮すると、スチレンポリマー誘導体化合物及び不飽和カルボン酸誘導体化合物を両方含有することが好ましい。スチレンポリマー誘導体化合物及び不飽和カルボン酸誘導体化合物の含有割合としては、質量比が30:70~70:30であることが好ましく、40:60~60:40であることがより好ましい。
抗ウイルス剤が、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子(粒子A)と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子(粒子B)とを別々に含有する混合粒子である場合には、粒子Aと粒子Bの質量比が30:70~70:30であることが好ましく、40:60~60:40であることがより好ましい。これらの粒子A、粒子Bとしては、それぞれの成分を含有する各種用途で上市されている粒子をそのまま使用してもよく、溶剤系の状態で市販されているものを乾燥、形成することで粒子化して使用してもよい。
上記の抗ウイルス剤が抗ウイルス性を発揮する理由については下記に推測されるメカニズムに拘束される訳ではないが、下記のように考えられる。
例えば、インフルエンザウイルスは、宿主細胞表面の糖鎖受容体(糖鎖末端はノイラミン酸)に結合して宿主細胞内に侵入するところ、スチレンスルホン酸塩を含む共重合体はノイラミン酸と類似したイオン基を有するため、宿主細胞の代わりにウイルスと結合してウイルスを捕捉することで、ウイルスが宿主細胞の受容体に結合するのを防止して抗ウイルス効果を発揮すると考えられる。また、不飽和カルボン酸誘導体化合物は、水分と接触することにより水酸基(OH-)を生じさせて水酸基が抗ウイルス性の作用を及ぼすものと考えられる。
抗ウイルス剤の形状は特に制限されず、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられる。
抗ウイルス性粒子の平均粒子径は、0.1μm~10.0μmが好ましく、0.5μm~8.0μmがより好ましく、1.0μm~7.0μmが更に好ましい。平均粒子径を0.1μm以上とすることにより、抗ウイルス剤による抗ウイルス性を発現しやすくできる。また、平均粒子径を10.0μm以下とすることにより、外観不良、耐傷性及び耐汚染性の低下、並びに塗膜の白化を抑制しやすくできる。
尚、本明細書において、平均粒子径は、レーザ光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものを意味する。
抗ウイルス剤の平均粒子径をD、抗ウイルス層の厚みをTと定義した際に、D/Tは1.0以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.5以下であることが更に好ましい。
D/Tを1.0以下とすることにより、抗ウイルス剤が抗ウイルス層の表面から突出することによる外観不良、耐傷性及び耐汚染性の低下、並びに塗膜の白化を抑制しやすくできる。
D/Tの下限は特に制限されないが、通常は0.01以上であり、好ましくは0.05以上である。
抗ウイルス剤の含有量は、後述のバインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部~20.0質量部であることが好ましく、1.0質量部~18.0質量部であることがより好ましく、1.5質量部~15.0質量部であることが更に好ましく、2.0質量部~10.0質量部であることがより更に好ましい。抗ウイルス剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより、抗ウイルス性を良好にしやすくできる。また、抗ウイルス剤の含有量を20.0質量部以下とすることにより、塗膜強度や耐傷性などの塗膜物性の低下を抑えることができる。更に、抗ウイルス剤の含有量を20.0質量部以下とすることにより、抗ウイルス剤が抗ウイルス層の表面から突出することによる耐汚染性の低下及び塗膜の白化を抑制しやすくできる。
本発明において、抗ウイルス層中に含まれる抗ウイルス剤は実質的に上述の抗ウイルス剤のみであることが好ましい。例えば、補足的でも銀及び銀イオンを実質的に含有しないことが好ましい。銀又は銀イオンを含む銀系の抗ウイルス剤は、光により褐色に変色する要因となるためである。実質的に含有しないとは、抗ウイルス層の全固形分に対して、銀及び銀イオンの含有量が0.1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。
また、抗ウイルス層中には、金属及び金属イオンを実質的に含有しないことが好ましい。銀又は銀イオン以外の金属及び金属イオンも色味の原因となり得るためである。実質的に含有しないとは、抗ウイルス層の全固形分に対して、金属及び金属イオンの含有量が0.1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。
<バインダー樹脂>
抗ウイルス層はバインダー樹脂を含むことが好ましい。バインダー樹脂を含むことにより、抗ウイルス剤を抗ウイルス層に固定しやすくでき、摩擦などによる抗ウイルス剤の脱落を防ぎやすくできる。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。熱可塑性樹脂と、硬化性樹脂組成物の硬化物とは混合してもよい。
抗ウイルス層のバインダー樹脂としては、本発明の抗ウイルス性化粧シートを用いる際に、抗ウイルス層の耐久性を向上させる観点から、硬化性樹脂組成物の硬化物を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、アイオノマー、各種オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合等の塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂;ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂;三酢酸セルロース、セロファン、セルロイド等のセルロース系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール;エチレン-酢酸ビニル共重合;エチレン-ビニルアルコール共重合;ポリカーボネート樹脂;ウレタン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリイミド樹脂;等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物の硬化物としては、熱硬化性樹脂組成物の硬化物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられ、中でも耐擦傷性及び生産効率の観点から熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物には、これら熱硬化性樹脂に加えて、必要に応じて硬化剤及び硬化触媒等が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電子線硬化性樹脂組成物及び紫外線硬化性樹脂組成物が代表的なものとして挙げられ、これらの中でも、重合開始剤が不要のため臭気が少ない、着色がしにくいなどの観点から、電子線硬化性樹脂組成物が好ましい。また、抗ウイルス剤含有層が後述する紫外線吸収剤を含有する場合、電子線硬化性樹脂組成物の方が抗ウイルス剤含有層の架橋密度を高くしやすく、耐擦傷性及び耐汚染性を良好にしやすい点でも好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。
電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。また、電離放射線硬化性官能基としては、エポキシ基及びオキセタニル基も挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクロイル基を示す。また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。また、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性化合物は、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマー(「重合性プレポリマー」と呼称されることもある)の中から適宜選択して用いることができる。
電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
<添加剤>
抗ウイルス層は、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤及び体質顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
《酸化防止剤》
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
抗ウイルス層中の酸化防止剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部~10質量部であることが好ましく、0.3質量部~5質量部であることがより好ましく、0.5質量部~3.0質量部であることが更に好ましい。
《光安定剤》
光安定剤としては、芳香族系化合物、アミン系化合物、有機酸系化合物、カテキン系化合物及びヒンダードアミン系化合物が挙げられ、中でもヒンダードアミン系化合物が好ましい。ヒンダードアミン系化合物とは、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン骨格を分子内に含む構造を有するものである。
抗ウイルス層中の光安定剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部~10質量部であることが好ましく、0.3質量部~8.0質量部であることがより好ましく、1.0質量部~5.0質量部であることが更に好ましい。なお、光安定剤として、ヒンダードアミン系化合物を前記範囲で含むことが好ましい。
《紫外線吸収剤》
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
また、トリアジン系紫外線吸収剤の中でも、トリアジン環に、ヒドロキシフェニル基、アルコキシフェニル基及びこれらの基を含む有機基から選ばれる少なくとも一つの有機基が三つ連結したヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤がより好ましく、下記一般式(A)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は、分岐構造を有するため、硬化物層からブリードアウトしにくくなることが期待され、より長期的に優れた耐候性が得られる。
また、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する紫外線吸収剤は、ブリードアウトを抑制しやすい点で好ましい。
Figure 2022138582000002
一般式(A)中、R11は2価の有機基であり、R12は-C(=O)OR15で示されるエステル基であり、R13、R14及びR15は各々独立して1価の有機基であり、n11及びn12は各々独立して1~5の整数である。
11の2価の有機基としては、アルキレン基、アルケニレン基等の脂肪族炭化水素基が挙げられ、耐候性の観点から、アルキレン基が好ましく、その炭素数は、1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましく、1以上8以下が更に好ましく、1以上4以下が特に好ましい。アルキレン基、アルケニレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
炭素数1以上20以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,1-エチレン基、1,2-エチレン基、1,3-プロピレン、1,2-プロピレン、2,2-プロピレン等の各種プロピレン基(以下、「各種」は、直鎖状、分岐状、及びこれらの異性体のものを含むものを示す。)、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種へプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基、各種ウンデシレン基、各種ドデシレン基、各種トリデシレン基、各種テトラデシレン基、各種ペンタデシレン基、各種ヘキサデシレン基、各種ヘプタデシレン基、各種オクタデシレン基、各種ノナデシレン基、各種イコシレン基が挙げられる。
13及びR14の1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基等が挙げられ、アリール基、アリールアルキル基等の芳香族炭化水素基が好ましく、アリール基が好ましい。中でも、R13及びR14の1価の有機基としては、フェニル基が好ましい。
アリール基としては、好ましくは炭素数6以上20以下、より好ましくは炭素数6以上12以下、更に好ましくは炭素数6以上10以下のアリール基、例えば、フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等が挙げられる。アリールアルキル基としては、好ましくは炭素数7以上20以下、より好ましくは炭素数7以上12以下、更に好ましくは炭素数7以上10以下のアリールアルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、各種フェニルプロピル基、各種フェニルブチル基、各種メチルベンジル基、各種エチルベンジル基、各種プロピルベンジル基、各種ブチルベンジル基、各種ヘキシルベンジル基等が挙げられる。
15の1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基等が挙げられ、アルキル基、アルケニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。すなわち、R12としては、アルキルエステル基、アルケニルエステル基が好ましく、アルキルエステル基がより好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1以上20以下、より好ましくは2以上16以下、更に好ましくは6以上12以下のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種イコシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは炭素数2以上20以下、より好ましくは3以上16以下、更に好ましくは6以上12以下のアルケニル基、例えば、ビニル基、各種プロペニル基、各種ブテニル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基が挙げられる。
一般式(A)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物としては、より具体的には、R11が炭素数1以上20以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数1以上20以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上20以下のアリール基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が好ましく、R11が炭素数1以上12以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数2以上16以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上12以下のアリール基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物がより好ましく、R11が炭素数1以上8以下のアルキレン基であり、R12がR15及び炭素数6以上12以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上10以下のアリール基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が更に好ましく、R11が炭素数1以上4以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数8のアルキル基であるエステル基であり、R13及びR14がフェニル基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が特に好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.2質量部~10.0質量部が好ましく、0.5質量部~5.0質量部がより好ましく、1.0質量部~4.0質量部が更に好ましい。
抗ウイルス層は、体質顔料を含有してもよい。体質顔料は、例えば、抗ウイルス性化粧シートの意匠性を調整するために用いられる。
体質顔料としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミノシリケート及び硫酸バリウム等の無機粒子、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリカーボネート及びポリアミド(ナイロン)等の有機粒子が挙げられる。
体質顔料の形状としては、特に制限はないが、多面体、球形、鱗片状などが好ましい。
また、体質顔料の平均粒径は、通常1μm~10μm程度であり、好ましくは3μm~8μmである。
抗ウイルス層の厚さは、加工特性及び耐擦傷性のバランスの観点から、1.5μm以上30μm以下が好ましく、2μm以上20μm以下がより好ましく、3μm以上15μm以下が更に好ましい。
<抗ウイルス層形成方法>
抗ウイルス層は、例えば、抗ウイルス層を構成する材料(バインダー樹脂、抗ウイルス剤等)をタンブラー等にて撹拌混合した混合物をペレット化し、当該ペレットを溶融押出装置に投入して、押出工程により形成することができる。また、抗ウイルス層を構成する材料(バインダー樹脂、抗ウイルス剤等)を、必要に応じて添加する溶剤等を含む抗ウイルス層形成用インキを、基材上に塗布、乾燥、硬化することにより形成することもできる。また、離型性を有する基材上に、抗ウイルス層形成用インキを塗布、乾燥、硬化して抗ウイルス層を形成し、当該抗ウイルス層を別の基材等に転写することによって、抗ウイルス層を形成することもできる。
[繊維基布]
本発明の抗ウイルス性化粧シートは、繊維基布を有する。繊維基布を有することにより、本発明の抗ウイルス性化粧シートは、引張強度に優れ、特に天井膜や医療用テントの用途に好適に用いることができる。
本発明の抗ウイルス性化粧シートの繊維基布は、ガラス繊維を含むことが好ましい。ガラス繊維を含むことにより、本発明の抗ウイルス性化粧シートの引張強度をより向上させやすくできる。
ガラス繊維は、ガラス、好ましくは石英ガラスなどの無アルカリガラスを融解、牽引して繊維状にしたものである。
ガラス繊維としては、シラン化合物で表面処理されたものを使用することが好ましい。表面処理剤としてのシラン化合物としては、カップリング剤や、その重合物からなるポリシロキサンが使用できる。このようなシラン系カップリング剤の具体例としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランの他、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン等を挙げることが出来る。ガラス繊維に表面処理を行う方法は、例えば、シラン化合物を含有する溶液をガラス繊維表面に塗布、乾燥して行うことが出来る。シラン化合物の付着量は、通常、ガラス繊維100質量部に対して0.05質量部~5質量部程度である。
本発明の抗ウイルス性化粧シートの繊維基布は、ガラス織布を有する層であることが好ましい。ガラス織布とは、ガラス繊維の束を糸として、経糸と緯糸から製織したものである。製織する前に、二つ以上のガラス繊維の束を予め合撚してもよい。経糸の織り密度を20本/25mm~75本/25mm、緯糸の織り密度を20本/25mm~75本/25mmとなるように平織りで形成されたものであることが好ましく、織り密度の一例としては、経糸、緯糸とも32本/25mmである。ガラス織布は、高い不燃性能を有し、シート状のガラス繊維として容易に入手することができ、またガラス不織布より引張強度に優れる。そのため、本発明の抗ウイルス性化粧シートの引張強度を向上させ、不燃性を付与することができるため、耐久性を向上させやすくできる。
本発明の抗ウイルス性化粧シートの繊維基布は、ガラス不織布を有する層であってもよい。ガラス不織布は、例えば、ガラス繊維を水中に分散させ、抄紙機で抄造する湿式法で製造され、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂及びエポキシ樹脂等のバインダーを用いて、ガラス繊維同士を結着させたものである。ガラス不織布は、高い不燃性能を有し、シート状のガラス繊維として容易に入手することができ、かつガラス織布より安価である。
繊維基布の厚さは、加工特性及び耐久性のバランスの観点から、20μm以上300μm以下が好ましく、50μm以上200μm以下がより好ましく75μm以上150μm以下が更に好ましい。
[第一樹脂層及び第二樹脂層]
本発明の抗ウイルス性化粧シートは、繊維基布の一方の面に第一樹脂層を有し、繊維基布の第一樹脂層側とは反対側の面に第二樹脂層を有する。第一樹脂層及び第二樹脂層を有することにより、本発明の抗ウイルス性化粧シートの耐久性及び耐候性を向上させることができる。
第一樹脂層及び第二樹脂層は、塩化ビニル系樹脂を含むことが好ましい。第一樹脂層及び第二樹脂層が塩化ビニル樹脂を含むことによって、本発明の抗ウイルス性化粧シートに耐久性及び耐候性を向上しやすくできる。
また、第一樹脂層及び第二樹脂層は、塩化ビニル系樹脂を主成分とする塩化ビニル系樹脂フィルムであることが好ましい。このような塩化ビニル系樹脂フィルムは、製造時において塩化ビニル樹脂粉末などを調製したコンパウンドを作り、そのコンパウンドを種々の加工機械に供給し、加工成形することで得ることができる。塩化ビニル系樹脂は、不燃性能、防炎性能に優れており、可塑剤の添加量によって表面硬度や伸び率(弾性率)が容易に調整可能であるため、本発明の抗ウイルス性化粧シートに不燃性を付与することができ、また、耐久性及び耐候性を維持しつつ、取り扱い性を向上しやすくできる。
第一樹脂層及び第二樹脂層は、抗ウイルス性化粧シートの用途に応じ、軟質及び硬質の塩化ビニル系樹脂フィルムを用いることができ、抗ウイルス性化粧シートの取り扱い性を向上しやすくするために、軟質の塩化ビニル系樹脂フィルムを用いることが好ましい。
本発明において第一樹脂層及び第二樹脂層が軟質であるということは、第一樹脂層及び第二樹脂層の弾性率が20MPa以下である場合をいう。
第一樹脂層及び第二樹脂層の弾性率は、塩化ビニル系樹脂フィルムにおいて、例えば可塑剤部数により調整することができ、例えば第一樹脂層及び第二樹脂層のいずれも可塑剤部数を30質量部以上とすることにより、第一樹脂層及び第二樹脂層の弾性率を20MPa以下とすることができる。
また、本発明において第一樹脂層及び第二樹脂層が硬質であるということは、第一樹脂層及び第二樹脂層の弾性率が20MPaより大きい場合をいう。
第一樹脂層及び第二樹脂層の弾性率は、塩化ビニル系樹脂フィルムにおいて、例えば可塑剤部数により調整することができ、例えば第一樹脂層及び第二樹脂層のいずれも可塑剤部数を30質量部未満とすることにより、第一樹脂層及び第二樹脂層の弾性率を20MPaより大きくすることができる。
尚、上記の弾性率は、第一樹脂層及び第二樹脂層を15cm×1cmに切出し、その長尺方向が伸び方向となる様に伸び計にセットして、温度23℃±5℃、相対湿度40%~65%の条件下、チャック間距離100mm、速度50mm/minで0.25kNに達するまで引っ張ることにより測定したものである。
第一樹脂層及び第二樹脂層は、透明でもよく、着色されていてもよい。一方で、後述の装飾層が第一樹脂層と繊維基布との間に形成される場合、形成された装飾層を良好に視認できるようにするために、第一樹脂層は透明であることが好ましい。
第一樹脂層及び第二樹脂層が着色されている場合、着色剤を有するフィルムを用いることができる。特に、第一樹脂層及び第二樹脂層が塩化ビニル系樹脂フィルムである場合、製造時において塩化ビニル樹脂粉末に着色剤を配合して調製したコンパウンドを作り、そのコンパウンドを種々の加工機械に供給し、加工成形することで得ることができる。着色剤は顔料、染料のいずれでも構わないが、顔料が用いられることが多く、白色に着色する場合には、例えば酸化チタンあるいは体質顔料としてシリカ、あるいはその両方などが用いられる。これらのように、無機顔料で白色化されたものは、紫外線の反射率が上がるため、抗ウイルス性化粧シートの耐久性を向上しやすくできる。
なお、塩化ビニル系樹脂とは、以下のいずれかの形態の樹脂を意味する総称である。
(1)塩化ビニル単量体(monomer)の単独重合体、すなわち狭義のポリ塩化ビニル。
(2)塩素化ポリ塩化ビニル。
(3)塩化ビニル単量体に塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させた塩化ビニル共重合体、ここで他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、エチレン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
(4)前記(1)のポリ塩化ビニル、前記(2)の塩素化ポリ塩化ビニル、前記(3)の塩化ビニル共重合体のいずれか2種又は3種の混合物。
(5)前記(1)のポリ塩化ビニル、前記(2)の塩素化ポリ塩化ビニル、前記(3)の塩化ビニル共重合体のいずれか1種又は2種以上、あるいは(4)の混合物に、更に、他の樹脂を混合した混合物。ここで他の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
なお、前記(1)から(5)に列記の各種塩化ビニル系樹脂には、必要に応じて、各種添加剤を添加する。該添加剤としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤(ラジカル捕捉剤等)、紫外線吸収剤(UVA)、難燃剤、界面活性剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤等が挙げられる。
これら添加剤のうち、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)等のフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリ-n-オクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられる。この中でも、塩化ビニル系樹脂フィルムの弾性率を調整しやすいことから、フタル酸エステル系可塑剤を用いることが好ましく、ジイソノニルフタレート(DINP)を用いることがより好ましい。
第一樹脂層及び第二樹脂層が塩化ビニル系樹脂フィルムの場合、可塑剤の種類、塩化ビニル系樹脂の種類及び重合度により依存するが、可塑剤の添加量を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、30質量部以上とすることが好ましく、40質量部以上70質量部以下とすることがより好ましい。可塑剤の添加量を30質量部以上とすることにより、塩化ビニル系樹脂フィルムを軟質とすることができる。一方、可塑剤の添加量を70質量部以下とすることで、可塑剤のブリードアウトを防ぎやすくでき、抗ウイルス性化粧シートの耐久性を向上しやすくできる。
有機系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のヒドロキフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等のトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、例えば、平均粒径200nm以下の酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等の金屬酸化物粒子等が挙げられる。
一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、具体的には、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。
なお、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
難燃剤としては、三酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤、三酸化モリブデン等のモリブデン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物系難燃剤、塩素化パラフィン、ヘキサブロモシクロドデカン等のハロゲン系難燃剤等が挙げられる。
第一樹脂層及び第二樹脂層の厚さは、25μm以上300μm以下が好ましく、50μm以上250μm以下がより好ましく、100μm以上200μm以下が更に好ましい。
第一樹脂層及び第二樹脂層の厚さが25μm以上であることにより、抗ウイルス性化粧シートの耐候性及び耐久性を向上しやすくできる。また、第一樹脂層及び第二樹脂層の厚みが300μm以下であることにより、抗ウイルス性化粧シートの厚さ及び重量を大きくすることなく、取り扱い性を向上させることができる。
また、第一樹脂層と第二樹脂層との厚みは、同一でもよく、異なっていいてもよい。
第一樹脂層の表面の表面粗さRaは、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが更に好ましい。第一樹脂層の表面の表面粗さRaが2μm以下であることにより、後述の装飾層をより高精細に形成しやすくできる。
なお、第一樹脂層の表面の表面粗さRaは、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994に準拠して測定される、算術平均粗さとして求められる。
[接着剤層]
本発明の抗ウイルス性化粧シートは、第一樹脂層と繊維基布との間及び第二樹脂層と繊維基布との間に、接着剤層を有することが好ましい。また、本発明の抗ウイルス性化粧シートが、第一樹脂層と繊維基布との間に後述の装飾層を有する場合、装飾層と繊維基布との間に接着剤層を有することが好ましい。接着剤層を有することにより、第一樹脂層と繊維基布との間及び第二樹脂層と繊維基布との間並びに装飾層と繊維基布との間の密着性を向上させることができ、抗ウイルス性化粧シートの耐久性を向上しやすくできる。
接着剤層は、接着剤を含み、その接着剤の組成としては、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリオレフィン系共重合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を挙げることができ、中でも塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。接着剤層の組成が塩化ビニル系樹脂であると、特に第一樹脂層及び第二樹脂層が塩化ビニル系樹脂フィルムの場合、密着性を向上しやすくでき、抗ウイルス性化粧シートの耐久性を向上しやすくできる。また、後述の装飾層が第一樹脂層と繊維基布との間に形成される場合、形成された装飾層を良好に視認できるようにする観点からも好ましい。
接着剤層を形成することにより、繊維基布と第一樹脂層及び第二樹脂層とを、接着剤層を介して熱圧着によるラミネートをすることができる。
接着剤層の塗布量は、加工特性及び繊維基布とその他の層との密着性のバランスの観点から、繊維基布の両面における合計として、5g/m以上100g/m以下が好ましく、10g/m以上80g/m以下がより好ましく、20g/m以上60g/m以下が更に好ましい。
[装飾層]
本発明の抗ウイルス性化粧シートは、前記抗ウイルス層と前記第一樹脂層との間、又は前記第一樹脂層と前記繊維基布との間に、装飾層を有することが好ましい。装飾層を有することによって、抗ウイルス性化粧シートの表面に、文字や絵柄等の適切な意匠を付与することができる。
《絵柄層》
本発明の抗ウイルス性化粧シートにおける装飾層は、絵柄層を有することが好ましい。絵柄層の絵柄としては、絵柄層の絵柄としては、例えば木目絵柄、石目絵柄、布目絵柄、皮紋絵柄、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄、単色ベタ柄、単色グラデーションを挙げることができ、また、これらを組み合わせたものであってもよい。
絵柄層は、例えば、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、スプレー印刷法及びインクジェット印刷法等の印刷手法、並びに、印刷された図柄を転写する転写手法等、公知の方法により形成することができる。その中では、グラビア印刷法、インクジェット印刷法が好ましい。
グラビア印刷法は、高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、また大量生産する場合には高速な印刷が可能であるため費用面で有利である。一方、インクジェット印刷法の場合には、絵柄層を形成しようとする面の平滑性が比較的悪くても適用でき、高精細な印刷が可能である。また段取り時間が短く機動性の高い印刷が可能であるため、少量生産に適している。
本発明における絵柄層は、第一樹脂層が繊維基布と貼り合わされる前に第一樹脂層の一方の面に印刷等により形成されてもよく、第一樹脂層が繊維基布と貼り合わされた後に、第一樹脂層側の表面に印刷等により形成されてもよい。
第一樹脂層は、通常、繊維基布と比較してはるかに平滑性が高く、かつ剛性も比較的高いため、グラビア印刷法により絵柄層を好適に形成することが可能である。仮に繊維基布に対し絵柄層を形成しようとする場合には、絵柄層の精細さを担保するために、平坦化する層を別途介在させる必要があり、グラビア印刷法を適用しようとすれば、繊維基布が平坦化する層の印刷面にあまり影響を及ぼさない程度に平坦化する層を厚くする必要が生じ、工程負荷が高くなり、更に化粧シートとしての厚さが増し、重量も重くなることから好ましくない。
印刷等による絵柄層の形成に用いるインキは、公知の着色剤(染料又は顔料)を、樹脂、すなわちバインダー樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得ることができる。着色剤として、無機顔料、有機顔料、金属粉顔料、真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等が挙げられる。例えば、無機顔料としては、カーボンブラック、黒色酸化鉄、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、黄鉛、カドミウムレッド等を、有機顔料としては、アゾメチンアゾ系黒顔料、ペリレン系黒顔料、各種色相の有彩色アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ニッケル-アゾ錯体、ジオキサジン顔料等を、金属粉顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の鱗片状箔片を、真珠光沢顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の鱗片状箔片を挙げることができる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用したり、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに使用したりしてもよい。
絵柄層に使用する樹脂(バインダー樹脂)としては、各種ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体のアクリル系樹脂、ポリオール化合物を主剤としイソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等を使用することもできる。上記樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記樹脂には架橋剤、重合開始剤、又は、重合促進剤を添加して、塗膜強度、及び耐久性を向上させることが好ましく、上記樹脂のなかでは アクリル系樹脂又はアクリル系樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との混合物が好ましい。
アクリル系樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体との混合物の場合、混合の質量比は、[アクリル系樹脂の質量]/[塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の質量]は2/8~8/2の範囲とすることが、絵柄層及び後述のベタ印刷層の第一樹脂層への印刷適性及び密着性、並びに耐候性及び耐擦傷性等の耐久性の点で好ましい。
絵柄層の厚さは、好ましくは0.5μm以上50μm以下であり、より好ましくは2μm以上25μm以下である。
《ベタ印刷層》
本発明の抗ウイルス性化粧シートにおいて、特に、第一樹脂層が透明であり、装飾層が第一樹脂層と繊維基布との間に形成される場合は、装飾層は、更にベタ印刷層を有することが好ましい。装飾層が上述の絵柄層を有する場合、ベタ印刷層は、絵柄層の第一樹脂層側とは反対側の面に形成されることが好ましい。
ベタ印刷層の絵柄としては、いわゆるベタ柄、すなわち好ましくはベタ印刷層を形成する単色、すなわち、同一の明度、色相、及び彩度の着色インキが絵柄層又は第一樹脂層の全面に隙間なく形成された絵柄である。しかし、ベタ印刷層を形成する目的が、繊維基布を視覚的に隠蔽することや、絵柄層の見かけ上の色を補うことであることを鑑みると、厳密に単色の着色インキが絵柄層又は第一樹脂層の全面に隙間なく形成された場合のみに限定されない。例えば、単色の着色インキが一定の面積割合で絵柄層又は第一樹脂層の全面に一様に分布形成されることにより、あるいはその色相、明度、及び/又は、彩度に面内分布(階調ないし勾配)がある場合であっても、視覚的に十分ベタ柄に見えるような場合、更には、使用するインキ色は単色に限定されず、複数色の各単色の着色インキが各一定の面積割合で絵柄層又は第一樹脂層の全面に一様に分布形成されることにより、全体としてベタ柄に見えるような場合であっても、上記視覚的効果が得られる態様であればベタ印刷層に含まれるものとする。
ベタ印刷層の形成方法としては、各種印刷方法が適用可能であるが、絵柄層と同様にグラビア印刷法、インクジェット印刷法が好ましい。そして絵柄層とベタ印刷層とは同じ印刷方法であることが好ましい。同じ印刷方法の場合には、絵柄層とベタ印刷層との相互の親和性が高く、また印刷設備も共有でき効率的だからである。とりわけ、装飾層に絵柄層及びベタ印刷層の両方が含まれる場合は、グラビア印刷法で形成されていることが好ましい。絵柄層において高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する印刷が可能であり、大量生産する場合においては特に、絵柄層及びベタ印刷層において安価かつ高速な印刷が可能だからである。一方、インクジェット印刷法の場合には、絵柄層において、形成しようとする面の平滑性が悪くても適用でき、かつ高精細な印刷が可能である。また、絵柄層及びベタ印刷層において、段取り時間が短く機動性の高い安価な印刷が可能であるため、少量生産に適している。
ベタ印刷層の形成方法、用いるインキ、使用する樹脂などは、上記絵柄層において例示したものと同様である。ベタ印刷層に用いるインキ色は特に限定はなく、繊維基布を視覚的に隠蔽する効果や、絵柄層の見かけ上の色を補う効果を鑑みて適宜選択することができる。一例として、絵柄層が木目模様層、ベタ印刷層が白色ベタ層である組み合わせが挙げられる。
ベタ印刷層の厚さについて、好ましくは0.5μm以上50μm以下であり、より好ましくは2μm以上25μm以下である。厚さを得るために、同じ色を複数のユニットで重ねて印刷したり、印刷を複数回行って重ねたりしても良い。
装飾層が単層の場合、装飾層の厚さの好ましい範囲は、上記絵柄層又はベタ印刷層で例示した厚さの範囲と同様である。
装飾層が絵柄層及びベタ印刷層等の複数の層からなる場合、装飾層の厚さは2μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下がより好ましく、4μm以上25μm以下が更に好ましい。装飾層の厚さを2μm以上とすることで、繊維基布を視覚的に隠蔽しやすくでき、また、絵柄層の見かけ上の色を補うことができるため、意匠性の高い抗ウイルス性化粧シートを得ることができる。また、100μm以下とすることで、装飾層形成時の乾燥時間を短くし、印刷速度を上げることができるため、生産性を向上させることができ、また、ブロッキングが発生を抑制しやすくできる。
抗ウイルス性化粧シートの厚さは、加工特性及び耐久性のバランスの観点から、25μm以上300μm以下が好ましく、50μm以上250μm以下がより好ましく、100μm以上200μm以下が更に好ましい。
[抗ウイルス性化粧シートの製造方法]
本発明の抗ウイルス性化粧シートの製造方法は、繊維基布に第一樹脂層及び第二樹脂層を形成する工程及び第一樹脂層上に抗ウイルス層を形成する工程を少なくとも含む。
<第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程>
第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程は、繊維基布の一方の面に第一樹脂層を形成すると共に、繊維基布の第一樹脂層側とは反対側の面に第二樹脂層を形成する工程である。
第一樹脂層及び第二樹脂層の形成方法としては、公知のラミネート方法を用いることができ、熱ラミネート、ドライラミネート及び押出ラミネート等で形成することができる。この中でも、例えば、第一樹脂層及び第二樹脂層となるフィルムをあらかじめ形成し、これらを繊維基布へ熱ラミネートする方法が好ましい。
<抗ウイルス層形成工程>
抗ウイルス層形成工程は、第一樹脂層の繊維基布側とは反対側の面に、抗ウイルス層を形成する工程である。抗ウイルス層形成工程は、抗ウイルス層は、前述の第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程の前に実施されてもよく、前述の第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程の後に実施されてもよい。尚、第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程の前に実施される場合は、第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程で第一樹脂層が形成される際に、第一樹脂層の抗ウイルス層とは反対側の面が、繊維基布と接するようにして、第一樹脂層が積層される。
抗ウイルス層の形成方法としては、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、抗ウイルス層の組成物をあらかじめペレット化し押出ラミネートによって、第一樹脂層の表面に塗布する形成方法、抗ウイルス層の組成物をインキ化しグラビア印刷等の印刷法によって塗布する形成方法等により、形成することができる。
<装飾層形成工程>
本発明の抗ウイルス性化粧シートの製造工程は、更に装飾層形成工程を有することが好ましい。
装飾層形成工程は、抗ウイルス層と第一樹脂層との間又は第一樹脂層と繊維基布との間に、装飾層を形成する工程である。装飾層形成工程では、装飾層を第一樹脂層の表面に形成してもよく、繊維基布側に形成してもよいが、より高精細な装飾層とする観点から、第一樹脂層の表面に形成することが好ましい。装飾層を抗ウイルス層と第一樹脂層との間に形成する場合は、装飾層形成工程は、前述の抗ウイルス層形成工程の前に実施される。また、装飾層を第一樹脂層と繊維基布との間に形成される場合は、装飾層形成工程は、前述の第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程の前に実施される。
装飾層の形成方法としては、公知の印刷方法を用いることができ、その中でも、前述の通り、グラビア印刷法及びインクジェット印刷法を用いることが好ましい。グラビア印刷法で装飾層を形成することにより、高精細かつ階調表現の豊かな、すなわち高い意匠性を有する装飾層を形成することができ、また大量生産する場合には高速な印刷が可能であるため好ましい。一方、インクジェット印刷法で装飾層を形成することにより、装飾層を形成しようとする面の平滑性が比較的悪くても適用できることから高精細な印刷ができるため好ましい。また、インクジェット印刷法は、段取り時間が短く機動性の高い印刷が可能であるため、少量生産に適している。
<接着剤層形成工程>
本発明の抗ウイルス性化粧シートの製造工程は、更に接着剤層形成工程を有することが好ましい。
接着剤層形成工程は、前記第一樹脂層と前記繊維基布との間及び前記第二樹脂層と前記繊維基布との間に、接着剤層を形成する工程である。接着剤層形成工程では、通常、接着剤層は接着剤層形成工程は、前述の第一樹脂層及び第二樹脂層形成工程の前に実施される。
接着剤層の形成方法としては、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、繊維基布を、接着剤層を形成するための接着剤に浸し、含浸又は塗工することにより形成することができる。
[抗ウイルス性化粧シートの用途]
本発明の抗ウイルス性化粧シートは、上述のような構成を有することから、優れた抗ウイルス性を有することから、特に、病院や介護施設等、衛生環境を特に整える必要のある屋内の他、保育所、学校、会社、スーパーマーケット、その他商業施設等人の多く集まる屋内の壁面、天井、間仕切、衝立、屏風、窓口の仕切板、カーテン、垂れ幕、暖簾等に好適に用いることができる。
更に、光による変色が抑制されることから、屋外での使用にも適しており、気密性を重視した感染症対策用の陰圧式エアテント、又は飛沫感染対策用の開放テント等、種々のテントに好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、この例によって何ら限定されるものではない。
1.評価
1-1.抗ウイルス活性値
ISO21702に準拠した下記の測定方法により、実施例及び比較例で得られた抗ウイルス性化粧シートの抗ウイルス活性値を測定した。測定結果を表1にまとめた。なお、下記測定方法で算出される抗ウイルス活性値が、2.0以上であると、有効な抗ウイルス性を有していると判断できる。
≪抗ウイルス活性値の測定方法≫
5cm角の試験片(抗ウイルス加工品と無加工品)に0.4mlのウイルス液を滴下し、4cm角のフィルムで被覆し、試験片とした。この試験片を25℃×24時間静置。静置後、試験片上のウイルスを洗いだして回収し、ウイルス感染価を測定し、次式(1)により抗ウイルス活性値を算出した。
R=Ut-At (1)
R:抗ウイルス活性値
Ut:無加工品の24時間静置後のウイルス感染価(PFU/cm)の常用対数の平均
At:抗ウイルス加工品の24時間静置後のウイルス感染価(PFU/cm)の常用対数の平均
1-2.抗ウイルス性化粧シートの変色の評価
実施例1及び比較例2の抗ウイルス性化粧シートに関して、製造直後のL値を測定した。測定装置は、分光測色計(「Spectrolino」(型番)、GretagMacbeth社製)を用いた。
次いで、実施例1及び比較例2の抗ウイルス性化粧シートに対して、メタルハライドランプ(MWOM)による促進耐候試験(下記の照射条件で20時間紫外線を照射した後、下記の結露条件で4時間結露を行う工程を1サイクルとして、該サイクルを繰り返し行う試験)を約8サイクル(200時間)実施した。そして、促進耐候試験後のL値を測定した。
そして、製造直後の測定値及び促進耐候試験後の測定値から色差(ΔEab)を算出
した。結果は表2にまとめた。
(色差(ΔEab)の算出)
色差(ΔEab)は、製造直後の測定値をL*1、a*1及びb*1とし、促進耐候試験後の測定値をL*2、a*2及びb*2としたときに、下記の数式で算出することができる。
ΔEab=〔(L*2-L*1)2+(a*2-a*1)2+(b*2-a*2)2〕1/2
(促進耐候試験の条件)
<試験装置>
ダイプラ・ウィンテス社製の商品名「ダイプラ・メタルウェザー」
<照射条件>
照度:65mW/cm、ブラックパネル温度:63℃、槽内湿度:50%RH、時間:20時間
<結露条件>
照度:0mW/cm、槽内湿度:98%RH、時間:4時間
2.抗ウイルス性化粧シートの作製
厚さ150μmで可塑剤部数がジイソノニルフタレート30質量部の透明ポリ塩化ビニルフィルムを第一樹脂層として、その一方の面に、下記グラビアインキ1を用いて、多色刷りグラビア印刷により木目柄の印刷層を形成した。更に、前記印刷層の上に、下記グラビアインキ2を用いて、グラビア印刷によりベタ印刷をし、白色ベタ層を形成した。印刷層と白色ベタ層との厚さの和は5μmであった。
<グラビアインキ1>
・バインダー樹脂:アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂との5対5質量比の混合物
・着色剤
C:シアニンブルー
M:キナクリドンレッド
Y:イソインドリノンイエロー
K:カーボンブラック
・溶剤:適量(酢酸エチル、MEK及び酢酸イソブチルの混合溶剤)
<グラビアインキ2>
・バインダー樹脂:アクリル樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂との5対5質量比の混合物
・着色剤:チタン白
・溶剤:適量(酢酸エチル、MEK及び酢酸イソブチルの混合溶剤)
次いで、前記透明ポリ塩化ビニルフィルムの印刷層及び白色ベタ層を形成した面とは反対側の面に、グラビア印刷により、下記の抗ウイルス層形成用組成物1を塗工し、ドライヤーによる風乾により熱風で加熱して乾燥させて厚さ10μmの抗ウイルス層を形成した。
<抗ウイルス層形成用組成物1>
・熱硬化性樹脂(2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂) 100質量部
・抗ウイルス剤 3質量部
(平均粒径3μm、下記粒子A及び粒子Bを質量比1:1で含む)
粒子A:スチレンポリマー誘導体化合物を含有する粒子(島貿易株式会社製のポリス
チレンスルホン酸誘導体、商品名「VERSA-TL3」)
粒子B:不飽和カルボン酸誘導体化合物を含有する粒子(BYK製の溶剤系不飽和ポ
リカルボン酸ポリマー、商品名「BYK-P104」を乾燥成形した粒子)
・酸化防止剤 0.05質量部
・溶剤(酢酸エチル) 40質量部
次いで、繊維基布として、経糸及び緯糸の織り密度が32本/25mmであるガラス織布準備し、前記ガラス基布を塩化ビニル系樹脂の着色接着剤に浸し、前記着色接着剤の塗布量が両面合わせて40g/mになるようにし、その後乾燥させることにより、ガラス織布の両面に接着剤層を形成した。
次に、前記透明ポリ塩化ビニルフィルム上の白色ベタ層面側とガラス織布の一方の面側とを接着剤層を介して熱圧着によりラミネートし、ガラス織布の他方の面側と、第二樹脂層として、酸化チタン及びシリカを含む厚さ150μmで可塑剤部数がジイソノニルフタレート30質量部でチタン白を10質量部含むポリ塩化ビニルフィルムとを接着剤層を介して熱圧着によりラミネートし、実施例1の抗ウイルス性化粧シート得た。
<実施例2>
経糸及び緯糸の織り密度がともに32本/25mmであるガラス織布を繊維基布として準備し、前記ガラス織布を塩化ビニル系樹脂を含む接着剤に浸し、接着剤の塗布量が両面合わせて40g/mとなるように含浸させ、ガラス織布の両面に接着剤層を形成した。
次に、ガラス織布の一方の面側と、第一樹脂層として、酸化チタン及びシリカを含む、厚さ150μmで可塑剤部数がジイソノニルフタレート60質量部の白色ポリ塩化ビニルフィルムとを接着剤層を介して熱圧着によりラミネートするとともに、ガラス織布の他方の面側と、第二樹脂層として、酸化チタン及びシリカを含む厚さ150μmで可塑剤部数がジイソノニルフタレート60質量部でチタン白を10質量部含む白色ポリ塩化ビニルフィルムとを接着剤層を介して熱圧着によりラミネートし、積層体を得た。
次いで、前記積層体の第一樹脂層側の表面に、下記の紫外線硬化型インクジェットインキを用い、インクジェット印刷機(EFI社製、「VUTEk GS5000r」)でインクジェット印刷を行い、木目柄の印刷層を形成した。該インクジェット印刷機の印刷ヘッドに搭載された紫外線光源はメタルハライドランプであり、また、印刷層の塗布量は20g/mであった。
<紫外線硬化型インクジェットインキ>
・バインダー樹脂:アクリル樹脂
・着色剤(顔料)
C:銅フタロシアニン
M:Pigment Red122
Y:Pigment Yellow11
K:カーボンブラック
ホワイト:酸化チタン
次いで、印刷層の上に、溶剤系のインクジェット印刷機(OKI製、「H3-104s」)でインクジェット印刷により、上記の抗ウイルス層形成用組成物1を塗工し、ドライヤーによる風乾により熱風で加熱して乾燥させて厚さ10μmの抗ウイルス層を形成し、実施例2の抗ウイルス性化粧シートを得た。
<実施例3>
酸化チタン及びシリカを含む、厚さ150μmで可塑剤部数がジイソノニルフタレート27.5質量部の白色ポリ塩化ビニルフィルムを第一樹脂層とし、また、酸化チタン及びシリカを含む厚さ150μmで可塑剤部数がジイソノニルフタレート60質量部でチタン白を10質量部含むポリ塩化ビニルフィルムを第二樹脂層とした以外は、実施例2と同様にして、実施例3の抗ウイルス性化粧シートを得た。
<比較例1>
抗ウイルス層を、下記の抗ウイルス層形成用組成物2を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の抗ウイルス性化粧シートを得た。
<抗ウイルス層形成用組成物2>
・熱硬化性樹脂(2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂) 100質量部
・抗ウイルス剤 3質量部
(ホウ素を含むガラス及び銀を高温でイオン交換してなる粒子状の抗ウイルス剤、平均粒子径40μm)
・酸化防止剤 0.05質量部
・溶剤(酢酸エチル) 40質量部
<比較例2>
抗ウイルス層を、下記の抗ウイルス層形成用組成物3を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の抗ウイルス性化粧シートを得た。
<抗ウイルス層形成用組成物3>
・熱硬化性樹脂(2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂) 100質量部
・抗ウイルス剤 3質量部
(ゼオライトに銀イオンを担持させてなる抗ウイルス性を有する添加剤(シナネンゼオミック製、品番「AJ10N」、平均粒径2.5μm))
・酸化防止剤 0.05質量部
・溶剤(酢酸エチル) 40質量部
Figure 2022138582000003
Figure 2022138582000004
表1に示すように、本発明で例示された抗ウイルス剤を有する実施例1~3の抗ウイルス性化粧シートは、これを有しない比較例1と比較して、有効な抗ウイルス性を有していることが確認できる。
また、表2に示すように、本発明の抗ウイルス性化粧シートは、過酷な環境下でも、変色を抑制し得ることが確認できる。
10 抗ウイルス層
11 バインダー樹脂
12 抗ウイルス剤
20 第一樹脂層
30 第二樹脂層
40 繊維基布
50 装飾層
100 抗ウイルス性化粧シート

Claims (10)

  1. 抗ウイルス層、第一樹脂層、繊維基布及び第二樹脂層をこの順に有し、
    前記抗ウイルス層は抗ウイルス剤を含み、
    前記抗ウイルス剤が、スチレンポリマー誘導体化合物と不飽和カルボン酸誘導体化合物とを含有する粒子、及び/又は、スチレンポリマー誘導体化合物を含む粒子と不飽和カルボン酸誘導体化合物を含む粒子との混合粒子である、抗ウイルス性化粧シート。
  2. 前記抗ウイルス層が、バインダー樹脂を含む、請求項1に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  3. 前記バインダー樹脂が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物である、請求項2に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  4. 前記抗ウイルス剤の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下である、請求項2又は3に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  5. 前記抗ウイルス剤の平均粒子径をD、前記抗ウイルス層の厚みをTと定義した際に、D/Tが1.0以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  6. 前記抗ウイルス剤は、その構成成分がスチレン、スルホン酸ナトリウム、アクリル酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群から選択される少なくとも一種の構造を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  7. 前記繊維基布が、ガラス繊維を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  8. 前記第一樹脂層と前記繊維基布との間及び前記第二樹脂層と前記繊維基布との間に、接着剤層を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  9. 前記抗ウイルス層と前記第一樹脂層との間、又は前記第一樹脂層と前記繊維基布との間に、装飾層を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗ウイルス性化粧シート。
  10. 前記第一樹脂層及び前記第二樹脂層が、塩化ビニル系樹脂を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の抗ウイルス性化粧シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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