JP2022153510A - 積層型コイル部品及びバイアスティー回路 - Google Patents

積層型コイル部品及びバイアスティー回路 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波特性に優れる積層型コイル部品を提供する。【解決手段】積層型コイル部品1は、複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり内部にコイルを内蔵する積層体10と、第1の外部電極21及び第2の外部電極22と、を備える。コイルは、絶縁層と共に長さ方向に積層された複数のコイル導体32が接続されてなる。積層体は、長さ方向で相対する第1の端面11及び第2の端面12と、高さ方向で相対する第1の主面13及び第2の主面14と、幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有する。第1の外部電極及び第2の外部電極は夫々、第1の端面、第2の端面の少なくとも一部を覆う。積層体の積層方向とコイルの中心軸Aは、第1の主面と平行であり、積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法L3は、積層体の長さ寸法L1の85%以上、95%以下であり、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離Dは、12μm以上、40μm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、積層型コイル部品に関する。
コイル部品として、例えば、特許文献1には、積層方向とコイル軸がいずれも実装面と平行なコイル部品が開示されている。
特開2017-212372号公報
特許文献1では、コイル状の導体部を含む素体が、コイルの中心軸に対して平行な方向に順に位置する第1部分、第2部分及び第3部分を含み、第2の部分のガラス含有量が第1部分及び第2部分よりも高く、10GHz程度の高周波帯における特性が良好であるとされている。
しかしながら、近年の電気機器の通信速度の高速化、及び、小型化に応じて、積層型インダクタにはさらなる高周波帯(例えば、60GHz以上のGHz帯)での高周波特性が充分であることが求められている。特許文献1に記載のコイル部品は、60GHz以上の高周波特性が充分ではないという問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、高周波特性に優れる積層型コイル部品を提供することを目的とする。
本発明の積層型コイル部品は、複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵する積層体と、上記コイルに電気的に接続されている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備え、上記コイルは、上記絶縁層とともに上記長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されてなり、上記積層体は、上記長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、上記長さ方向と直交する高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、上記長さ方向及び上記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有し、上記第1の外部電極は、上記第1の端面の少なくとも一部を覆い、上記第2の外部電極は、上記第2の端面の少なくとも一部を覆い、上記積層体の積層方向と上記コイルのコイル軸方向とは、上記第1の主面と平行であり、上記積層方向における上記コイル導体の配置領域の寸法は、上記積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、上記積層方向に隣り合う上記コイル導体間の距離は、12μm以上、40μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高周波特性に優れる積層型コイル部品を提供することができる。
図1は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す斜視図である。 図2(a)は、図1に示す積層型コイル部品の側面図であり、図2(b)は、図1に示す積層型コイル部品の正面図であり、図2(c)は、図1に示す積層型コイル部品の底面図である。 図3は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、図3に示す積層型コイル部品を構成する絶縁層の様子を模式的に示す分解斜視図である。 図5は、コイル導体同士を接続する箇所の拡大断面図である。 図6は、透過係数S21を測定する方法を模式的に示す図である。 図7は、実施例で作製した試料の透過係数S21を示すグラフである。
以下、本発明の積層型コイル部品について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す斜視図である。
図2(a)は、図1に示す積層型コイル部品の側面図であり、図2(b)は、図1に示す積層型コイル部品の正面図であり、図2(c)は、図1に示す積層型コイル部品の底面図である。
図1、図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示す積層型コイル部品1は、積層体10と第1の外部電極21と第2の外部電極22とを備えている。積層体10は、6面を有する略直方体形状である。積層体10の構成については後述するが、複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵している。第1の外部電極21及び第2の外部電極22は、それぞれ、コイルに電気的に接続されている。
本発明の積層型コイル部品及び積層体では、長さ方向、高さ方向、幅方向を、図1におけるx方向、y方向、z方向とする。ここで、長さ方向(x方向)と高さ方向(y方向)と幅方向(z方向)は互いに直交する。
図1、図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示すように、積層体10は、長さ方向(x方向)に相対する第1の端面11及び第2の端面12と、長さ方向に直交する高さ方向(y方向)に相対する第1の主面13及び第2の主面14と、長さ方向及び高さ方向に直交する幅方向(z方向)に相対する第1の側面15及び第2の側面16とを有する。
図1には示されていないが、積層体10は、角部及び稜線部に丸みが付けられていることが好ましい。角部は、積層体の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体の2面が交わる部分である。
第1の外部電極21は、図1及び図2(b)に示すように、積層体10の第1の端面11の一部を覆い、かつ、図1及び図2(c)に示すように、第1の端面11から延伸して第1の主面13の一部を覆って配置されている。図2(b)に示すように、第1の外部電極21は、第1の端面11のうち、第1の主面13と交わる稜線部を含む領域を覆っているが、第1の端面11から延伸して第2の主面14を覆っていてもよい。
なお、図2(b)では、積層体10の第1の端面11を覆う部分の第1の外部電極21の高さは一定であるが、積層体10の第1の端面11の一部を覆う限り、第1の外部電極21の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第1の端面11において、第1の外部電極21は、端部から中央部に向かって高くなる山なり形状であってもよい。また、図2(c)では、積層体10の第1の主面13を覆う部分の第1の外部電極21の長さは一定であるが、積層体10の第1の主面13の一部を覆う限り、第1の外部電極21の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第1の主面13において、第1の外部電極21は、端部から中央部に向かって長くなる山なり形状であってもよい。
図1及び図2(a)に示すように、第1の外部電極21は、さらに、第1の端面11及び第1の主面13から延伸して第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていてもよい。この場合、図2(a)に示すように、第1の側面15及び第2の側面16を覆う部分の第1の外部電極21は、いずれも、第1の端面11と交わる稜線部及び第1の主面13と交わる稜線部に対して斜めに形成されていることが好ましい。なお、第1の外部電極21は、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていなくてもよい。
第2の外部電極22は、積層体10の第2の端面12の一部を覆い、かつ、第2の端面12から延伸して第1の主面13の一部を覆って配置されている。第1の外部電極21と同様、第2の外部電極22は、第2の端面12のうち、第1の主面13と交わる稜線部を含む領域を覆っている。
また、第1の外部電極21と同様に、第2の外部電極22は、第2の端面12から延伸して、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆っていてもよい。
第1の外部電極21と同様、積層体10の第2の端面12の一部を覆う限り、第2の外部電極22の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第2の端面12において、第2の外部電極22は、端部から中央部に向かって高くなる山なり形状であってもよい。また、積層体10の第1の主面13の一部を覆う限り、第2の外部電極22の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第1の主面13において、第2の外部電極22は、端部から中央部に向かって長くなる山なり形状であってもよい。
第1の外部電極21と同様、第2の外部電極22は、さらに、第2の端面12及び第1の主面13から延伸して、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていてもよい。この場合、第1の側面15及び第2の側面16を覆う部分の第2の外部電極22は、いずれも、第2の端面12と交わる稜線部及び第1の主面13と交わる稜線部に対して斜めに形成されていることが好ましい。なお、第2の外部電極22は、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていなくてもよい。
以上のように第1の外部電極21及び第2の外部電極22が配置されているため、積層型コイル部品1を基板上に実装する場合には、積層体10の第1の主面13が実装面となる。
本発明の積層型コイル部品のサイズは特に限定されないが、0603サイズ、0402サイズ又は1005サイズであることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の長さ(図2(a)中、両矢印Lで示される長さ)は、0.63mm以下であることが好ましく、0.57mm以上であることが好ましく、0.60mm(600μm)以下、0.56mm(560μm)以上であることがより好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の幅(図2(c)中、両矢印Wで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の高さ(図2(b)中、両矢印Tで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の長さ(図2(a)中、両矢印Lで示される長さ)は、0.63mm以下であることが好ましく、0.57mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の幅(図2(c)中、両矢印Wで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の高さ(図2(b)中、両矢印Tで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ(図2(c)中、両矢印Eで示される長さ)は、0.12mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さは、0.12mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
なお、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ、及び、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さが一定でない場合、最も長い部分の長さが上記範囲にあることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ(図2(b)中、両矢印Eで示される長さ)は、0.10mm以上、0.20mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さは、0.10mm以上、0.20mm以下であることが好ましい。この場合、外部電極に起因する浮遊容量を低減することができる。
なお、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ、及び、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さが一定でない場合、最も高い部分の高さが上記範囲にあることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の長さは、0.38mm以上、0.42mm以下であることが好ましく、積層体の幅は、0.18mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の高さは、0.18mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の長さは、0.42mm以下であることが好ましく、0.38mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さは、0.08mm以上、0.15mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さは、0.08mm以上、0.15mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さは、0.06mm以上、0.13mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さは、0.06mm以上、0.13mm以下であることが好ましい。この場合、外部電極に起因する浮遊容量を低減することができる。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の長さは、0.95mm以上、1.05mm以下であることが好ましく、積層体の幅は、0.45mm以上、0.55mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の高さは、0.45mm以上、0.55mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の長さは、1.05mm以下であることが好ましく、0.95mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さは、0.20mm以上、0.38mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さは、0.20mm以上、0.38mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さは、0.15mm以上、0.33mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さは、0.15mm以上、0.33mm以下であることが好ましい。この場合、外部電極に起因する浮遊容量を低減することができる。
本発明の積層型コイル部品を構成する積層体が内蔵するコイルについて説明する。
コイルは、絶縁層とともに長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されることにより形成される。
図3は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す断面図であり、図4は、図3に示す積層型コイル部品を構成する絶縁層の様子を模式的に示す分解斜視図である。
図3は、絶縁層、コイル導体及び連結導体、並びに、積層体の積層方向を模式的に示すものであり、実際の形状及び接続等を厳密には表していない。例えば、コイル導体はビア導体を介して接続されている。
積層体10の積層方向、及び、コイルの軸方向(図3中、コイル軸をAを示す)は、実装面である第1の主面13に対して平行である。
図3に示すように、積層型コイル部品1は、絶縁層とともに積層された複数のコイル導体32が電気的に接続されることにより形成されるコイルを内蔵する積層体10と、コイルに電気的に接続される第1の外部電極21及び第2の外部電極22を備える。
積層体10には、コイル導体が配置された領域10aと、第1の連結導体41又は第2の連結導体42が配置された領域10bとが存在する。積層体10の積層方向、及び、コイルの軸方向(図3中、コイル軸Aを示す)は、実装面である第1の主面13に対して平行である。
積層方向におけるコイル導体の配置領域10aの寸法Lは、積層体の長さ寸法Lの85%以上、95%以下(図3では90%)となっている。積層方向におけるコイル導体32の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であると、高いインダクタンスを発揮することができる。
積層体10の積層方向に隣り合うコイル導体32間の距離Dは、12μm以上、40μm以下である。積層体10の積層方向に隣り合うコイル導体32間の距離Dが12μm以上、40μm以下であると、高周波特性が向上する。
積層方向に隣り合うコイル導体間の距離Dが12μm未満であると、浮遊容量が増加し、高周波特性が低下してしまう。一方、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離Dが40μmを超えると、コイルのインダクタンスが低下してしまう。
積層方向におけるコイル導体32の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、かつ、積層方向に隣り合うコイル導体32間の距離が12μm以上、40μm以下であると、浮遊容量が低下するため、高周波特性が向上し、60GHzでの透過係数S21を-2dB以上とすることができる。
積層型コイル部品の60GHzでの透過係数S21が-2dB以上である場合、例えば、光通信回路内のバイアスティー(Bias-Tee)回路等に好適に使用できる。透過係数S21は、入力信号に対する透過信号の電力の比から求められる。周波数毎の透過係数S21は、例えば、ネットワークアナライザを用いて求められる。透過係数S21は、基本的に無次元量であるが、通常、常用対数をとってdB単位で表される。
図4に示すように、積層体10は、複数の絶縁層35a(35a及び35a)、31a、31b、31c、31d、31e及び35b(35b及び35b)が長さ方向(x方向)に積層されて構成されている。
なお、積層体を構成する複数の絶縁層が積み重なる方向を積層方向という。
すなわち、本発明の積層型コイル部品において、積層体の長さ方向と、絶縁層の積層方向とは一致する。
絶縁層31a、31b、31c及び31dには、それぞれ、コイル導体32a、32b、32c及び32dと、ビア導体33a、33b、33c及び33dとが設けられている。
コイル導体32a、32b、32c、32dはそれぞれ、ライン部と、ライン部の端部に配置されるランド部とを有している。図4に示すように、ランド部のサイズは、ライン部の線幅よりも若干大きいことが好ましい。
コイル導体32a、32b、32c及び32dは、それぞれ、絶縁層31a、31b、31c及び31dの主面上に設けられており、絶縁層31a、31b、31c、31d及び31eとともに積層される。図4では、各コイル導体が3/4ターン形状を有しており、絶縁層31a、31b、31c及び31dを1つの単位(3ターン分)として、繰り返し積層される。
ただし、絶縁層31a、31b、31c及び31dは互いに直接隣接して積層されることはなく、絶縁層31eを介して積層される。
ビア導体33g、33a、33b、33c、33d、33e及び33hは、それぞれ、絶縁層35a(35a及び35a)、31a、31b、31c、31d、31e及び35b(35b及び35b)を積層方向(図4ではx方向)に貫通するように設けられている。
以上のように構成された絶縁層35a、35a、31a、31b、31c、31d、31e、35b及び35bは、図4に示すようにx方向に積層される。
絶縁層31aと31bの間、絶縁層31bと31cの間、絶縁層31cと31dの間には、それぞれ絶縁層31eが2層ずつ配置されている。さらに、絶縁層31a、31b、31c及び31dがこの順で繰り返し積層される場合、絶縁層31dと31aの間にも、絶縁層31eが2層ずつ配置される。
従って、積層方向に隣り合うコイル導体のランド部は、積層方向に連続する複数個(図4では3個)のビア導体を介して互いに接続されている。その結果、積層体10内において、x方向に延在するコイル軸を有するソレノイド状のコイルが形成される。
一方、ビア導体33g及び33hは積層体10内で連結導体となって、積層体10の両端面に露出する。後述するように、連結導体は、積層体10内において、第1の外部電極21とこれに対向するコイル導体32aとの間をビア導体33gが直線状に接続し、第2の外部電極22とこれに対向するコイル導体32dとの間をビア導体33hが直線状に接続する。
積層方向から平面視したときに、コイルを構成するコイル導体は互いに重なることが好ましい。また、積層方向から平面視したとき、コイルの形状は円形であることが好ましい。なお、コイルがランド部を含む場合には、ランド部を除いた形状(すなわちライン部の形状)をコイルの形状とする。
また、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
第1の連結導体41が第1の外部電極21とコイルとの間を直線状に接続するとは、積層方向から平面視したとき、第1の連結導体41を構成するビア導体33g同士が重なっていることを意味し、ビア導体33g同士は厳密に直線状に並んでいなくてもよい。
また、第2の連結導体42が第2の外部電極22とコイルとの間を直線状に接続するとは、積層方向から平面視したとき、第2の連結導体42を構成するビア導体33h同士が重なっていることを意味し、ビア導体33h同士は厳密に直線状に並んでいなくてもよい。
なお、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
なお、図4に示すコイル導体は、繰り返しパターンが円形となるような形状であるが、繰り返しパターンが四角形等の多角形となるようなコイル導体であってもよい。
またコイル導体の繰り返し形状は3/4ターン形状ではなく、1/2ターン形状であってもよい。
積層方向から平面視したとき、コイルが多角形状である場合、多角形の面積相当円の直径をコイル径とし、多角形の重心を通り積層方向に延伸する軸をコイル軸とする。
積層方向から平面視したとき、コイル導体において、ライン部の線幅は、好ましくは30μm以上、80μm以下であり、より好ましくは30μm以上、60μm以下である。ライン部の線幅が30μmよりも小さい場合、コイルの直流抵抗が大きくなることがある。ライン部の線幅が80μmよりも大きい場合、コイルの静電容量が大きくなるため、積層型コイル部品の高周波特性が低下することがある。
積層方向から平面視したとき、コイル導体において、ランド部の外周縁は、ライン部の内周縁と接していることが好ましい。これにより、ライン部の外周縁の外側に位置するランド部の面積が充分小さくなり、ランド部に起因する浮遊容量が充分小さくなるため、積層型コイル部品の高周波特性がより向上する。
積層方向から平面視したときのランド部の形状は、円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。ランド部の形状が多角形状である場合、多角形の面積相当円の直径をランド部の径とする。
コイル導体の厚みは特に限定されないが、3μm以上6μm以下であることが好ましい。
ランド部の直径は、特に限定されないが、20μm以上、40μm以下であることが好ましい。
ランド部の直径が20μm未満であると、ビア導体の直径が小さくなりすぎて、コイル導体間の電気抵抗が大きくなりすぎる場合がある。一方、ランド部の直径が40μmを超えると、浮遊容量が大きくなりすぎて、高周波特性が低下することがある。
ビア導体のテーパー角は特に限定されないが、60°以上120°以下であることが好ましい。
ビア導体のテーパー角は、積層体を積層方向に沿って切断した切断面において、ビア導体の両側面を延長した場合に、両端面から延長した延長線同士が交わる角度である。
テーパー角が60°以上120°以下であると、ランド部の大きさを大きくすることなく、ビア導体を形成することができるため、浮遊容量を抑え、高周波特性を向上させることができる。
本発明の積層型コイル部品において、絶縁層の厚さは特に限定されないが、3μm以上、10μm以下であることが好ましい。
絶縁層の厚さが10μmを超える場合、積層方向に隣り合うコイル導体同士を接続するためにランド部を大きくする必要が生じ、浮遊容量が大きくなってしまう場合がある。一方、絶縁層の厚さが3μm未満である場合、絶縁層が薄すぎて絶縁層の厚さにばらつきが生じ、コイル特性が悪化することがある。
本発明の積層型コイル部品においては、積層方向に隣り合うコイル導体のランド部は、積層方向に連続する複数個のビア導体を介して互いに接続されていることが好ましい。
積層方向に隣り合うコイル導体のランド部が、積層方向に連続する複数個のビア導体を介して互いに接続されていると、ランド部の大きさを大きくすることなく、コイル導体間の距離を大きくすることができる。
積層方向に隣り合うコイル導体のランド部が、積層方向に連続する複数個のビア導体を介して互いに接続されるためには、コイル導体が設けられた絶縁層だけを積層するのではなく、コイル導体が設けられた絶縁層同士の間に、ビア導体だけが設けられた絶縁層を積層する方法が挙げられる。
コイル導体が設けられた絶縁層とビア導体だけが設けられた絶縁層の厚さは同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
本発明の積層型コイル部品は、積層方向から平面視したときに、ランド部が、ライン部の内周縁よりも内側に位置せず、かつ、ライン部と部分的に重なることが好ましい。
ランド部がライン部の内周縁よりも内側に位置すると、インピーダンスが低下してしまうことがある。
また、積層方向から平面視したときに、ランド部の直径は、ライン部の線幅の1.05倍以上、1.6倍以下であることが好ましく、1.05倍以上、1.3倍以下であることがより好ましい。
ランド部の径がライン部の線幅の1.05倍未満であると、ランド部とビア導体との接続が不十分となることがある。一方、ランド部の径がライン部の線幅の1.6倍を超えると、ランド部に起因する浮遊容量が大きくなるため、高周波特性が低下することがある。
本明細書において、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離とは、ビアを介して接続されているコイル導体間の積層方向における最短距離である。従って、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離と、浮遊容量を発生させるコイル導体間の距離とは、必ずしも一致しない。
図5は、コイル導体同士を接続する箇所の拡大断面図である。
図5に示すように、積層体の長さ方向に沿って切断した切断面からコイル導体同士の接続箇所を見た場合、コイル導体32aと32bが、積層方向に連続する複数個(図5では3個)のビア導体33a、33e及び33eを介して接続されており、積層方向に隣り合うコイル導体32a、32b間の距離はDで表される。
ビア導体33a、33e及び33eのテーパー角は90°である。
コイル導体同士が積層方向に連続する複数個のビア導体で接続されていると、単一のビア導体を介してコイル導体同士を接続する場合と比較して、ランド部の大きさを小さくすることができる。
本発明の積層型コイル部品において、実装面は特に限定されないが、第1の主面が実装面であることが好ましい。
各コイル導体及び各連結導体の好ましい寸法の具体例について、積層型コイル部品1のサイズが、0603サイズ、0402サイズ、又は、1005サイズである場合に分けて以下に説明する。
(1)積層型コイル部品1が0603サイズである場合
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、50μm以上、100μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは15μm以上、45μm以下であり、より好ましくは15μm以上、30μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、30μm以上、60μm以下である。
(2)積層型コイル部品1が0402サイズである場合
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、30μm以上、70μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは10μm以上、30μm以下であり、より好ましくは10μm以上、25μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、20μm以上、40μm以下である。
(3)積層型コイル部品1が1005サイズである場合
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、80μm以上、170μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは25μm以上、75μm以下であり、より好ましくは25μm以上、50μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、40μm以上、100μm以下である。
[積層型コイル部品の製造方法]
本発明の積層型コイル部品の製造方法の一例について説明する。
最初に、後に絶縁層となるセラミックグリーンシートを作製する。例えば、まず、フェライト材料に、ポリビニルブチラール系樹脂等の有機バインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、分散剤と、等を加えて混練し、スラリー状にする。その後、ドクターブレード法等の方法によって、厚みが12μm程度のセラミックグリーンシートを作製する。
フェライト材料としては、例えば、下記の方法で作製されるものが挙げられる。まず、鉄、ニッケル、亜鉛、及び、銅の酸化物原料を混合し、800℃で1時間仮焼成する。その後、得られた仮焼成物をボールミルによって粉砕し、乾燥させることによって、平均粒径が約2μmのNi-Zn-Cu系のフェライト材料(酸化物混合粉末)を作製する。
フェライト材料を用いてセラミックグリーンシートを作製する場合、高いインダクタンスを得るためには、フェライト材料の組成が、Fe:40mоl%以上、49.5mоl%以下、ZnO:5mоl%以上、35mоl%以下、CuO:4mоl%以上、12mоl%以下、残部:NiO及び微量添加剤(不可避不純物を含む)、であることが好ましい。
セラミックグリーンシートの材料としては、上述したフェライト材料等の磁性材料以外に、例えば、ガラスセラミック材料等の非磁性材料、磁性材料及び非磁性材料の混合材料、等を用いてもよい。
次に、セラミックグリーンシートに、後にコイル導体及びビア導体となる導体パターンを形成する。例えば、まず、セラミックグリーンシートにレーザー加工を施すことによって、直径20μm以上、30μm以下程度のビアホールを形成する。そして、銀ペースト等の導電性ペーストをビアホールに充填し、ビア導体用導体パターンを形成する。更に、セラミックグリーンシートの主面上に、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷等の方法によって、厚みが11μm程度のコイル導体用導体パターンを印刷する。コイル導体用導体パターンとしては、例えば、図4に示すようなコイル導体に相当する導体パターンなどを印刷する。
その後、乾燥させることによって、セラミックグリーンシートにコイル導体用導体パターン及びビア導体用導体パターンが形成された構成を有するコイルシートが得られる。コイルシートにおいては、コイル導体用導体パターン及びビア導体用導体パターンが互いに接続されている。
また、コイルシートとは別に、セラミックグリーンシートにビア導体用導体パターンが形成された構成を有するビアシートを作製する。ビアシートのビア導体用導体パターンは、後に連結導体を構成するビア導体となる導体パターンである。
次に、個片化及び焼成後に実装面と平行なコイル軸を有するコイルが積層体の内部に形成されるように、コイルシートを所定の順序で積層させる。このとき、各コイルシートの間に少なくとも1枚のビアシートを挟む。コイルシート間に挟むビアシートの数は1枚以上7枚以下が好ましく、2枚以上4枚以下がより好ましい。
ビアシートの厚さはコイルシートと同じであってもよいが、異なっていてもよい。
更に、コイルシートの積層体の上下にビアシートを積層させる。
次に、コイルシート及びビアシートの積層体を熱圧着して圧着体を得た後、所定のチップサイズとなるように切断することによって、個片化したチップを得る。個片化したチップに対しては、例えば、バレル研磨を施すことによって、角部及び稜線に丸みを付けてもよい。
次に、個片化したチップに対して、所定の温度及び時間で脱バインダ処理及び焼成を施すことによって、内部にコイルを内蔵する積層体(焼成体)を形成する。この際、コイル導体用導体パターン及びビア導体用導体パターンは、各々、焼成後にコイル導体及びビア導体となる。コイルは、コイル導体同士がビア導体を介して接続されてなる。また、積層体の積層方向とコイルのコイル軸方向とは、実装面と平行になる。
次に、銀ペースト等の導電性ペーストを所定の厚みに引き伸ばした層に、積層体を斜めに浸漬して焼き付けることによって、積層体の4面(主面、端面、及び、両側面)に外部電極の下地電極層を形成する。このような方法では、積層体の主面及び端面の2回に分けて下地電極層を形成する場合と比較して、下地電極層を1回で形成できる。
銀ペーストを所定の厚みに引き伸ばした層に、チップを垂直に浸漬させる方法を用いると、積層体の5面(各端面に加えて、隣接する主面及び側面の4面)に外部電極の下地電極を形成することができる。
次に、下地電極層に対して、めっきによって、所定の厚みのニッケル被膜及びスズ被膜を順次形成する。その結果、外部電極が形成される。
以上により、本発明の積層型コイル部品が製造される。
以下、本発明の積層型コイル部品をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[試料の作製]
(実施例1)
(1)所定の組成を有するフェライト材料(仮焼粉末)を準備した。
(2)上記仮焼粉末に有機バインダ(ポリビニルブチラール系樹脂)、有機溶剤(エタノール及びトルエン)をPSZボールとともにポットミルに入れ、湿式で充分に混合粉砕し、磁性体スラリーを作製した。
(3)ドクターブレード法により、上記磁性体スラリーをシート状に成形加工し、これを矩形に打ち抜くことにより、厚さ12μmのセラミックグリーンシートをそれぞれ複数枚作製した。
(4)Ag粉末と有機ビヒクルを含む内部導体用の導電性ペーストを準備した。
(5)ビアシートの作製
セラミックグリーンシートの所定箇所にレーザーを照射することにより、ビアホールを形成した。ビアホールに導電性ペーストを充填してビア導体を形成、その周囲に円形に導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、ランド部を形成した。
(6)コイルシートの作製
セラミックグリーンシートの所定箇所にビアホールを形成し、導電性ペーストを充填してビア導体を形成した後、ランド部及びライン部からなるコイル導体を印刷し、コイルシートを得た。
(7)これらのシートを図4に示した順序から、コイルシート間のビアシートの数を1枚に変更した順序で積層した後、加熱、加圧し、ダイサーで切断して個片化することにより積層成形体を作製した。
(8)積層成形体を焼成炉に入れて、大気雰囲気下、500℃の温度で脱バインダ処理を行い、その後、900℃の温度で焼成することにより、積層体(焼成済み)を作製した。
得られた積層体30個の寸法をマイクロメーターを用いて測定し平均値を求めたところ、L=0.60mm、W=0.30mm、T=0.30mmであった。
(9)Ag粉末とガラスフリットを含有する外部電極用の導電性ペーストを塗膜形成槽に流し込み、所定厚みの塗膜が形成されるようにした。この塗膜に、積層体の外部電極を形成する箇所を浸漬した。
(10)浸漬後、800℃程度の温度で焼き付けることで、外部電極の下地電極を形成した。
(11)電解めっきで、下地電極の上にNi皮膜及びSn皮膜を順次形成して、外部電極を形成した。
以上により、図3に示すような積層体の内部構造を有する実施例1の試料を作製した。
実施例1の試料では、積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の93.1%であり、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離が12.7μmであった。
(透過係数S21の測定)
図6は、透過係数S21を測定する方法を模式的に示す図である。
図6に示すように、信号経路61とグランド導体62を設けた測定用治具60に試料(積層型コイル部品1)をはんだ付けした。積層型コイル部品1の第1の外部電極21が信号経路61に接続され、第2の外部電極22がグランド導体62に接続される。
ネットワークアナライザ63を用いて、試料への入力信号と透過信号の電力を求め、周波数を変化させて透過係数S21を測定した。ネットワークアナライザ63には、信号経路61の一端と他端が接続される。
測定結果を図7に、60GHzにおける透過係数S21を表1にそれぞれ示す。図7は、実施例で作製した試料の透過係数S21を示すグラフである。なお、透過係数S21は、0dBに近いほど損失が少ないことを示す。
(実施例2~5、比較例1~2)
表1に示したように、コイルシート間に配置するビアシートの数及びビアシートの厚さを調整することで、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様の手順で実施例2~5及び比較例1~2に係る積層型コイル部品を作製し、透過係数S21を測定した。結果を表1に示す。全ての試料について、積層体の長さ寸法に対する積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法の割合は、実施例1と同じく93.1%であった。
Figure 2022153510000002
表1の結果より、本発明の積層型コイル部品は、60GHzにおける透過係数S21が-2dB以上であり、高周波特性に優れることがわかった。
1 積層型コイル部品
10 積層体
11 第1の端面
12 第2の端面
13 第1の主面
14 第2の主面
15 第1の側面
16 第2の側面
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
31a,31b,31c,31d,31e,35a(35a,35a)、35b(35b,35b) 絶縁層
32a,32b,32c,32d コイル導体
33a,33b,33c,33d,33e,33g,33h ビア導体
41 第1の連結導体
42 第2の連結導体
60 測定用治具
61 信号経路
62 グランド導体
63 ネットワークアナライザ
A コイルの中心軸
D 積層方向に隣り合うコイル導体間の距離
第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ
第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ
積層体の長さ寸法
積層型コイル部品の長さ寸法
積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法
積層体の高さ寸法
積層型コイル部品の高さ寸法
積層体の幅寸法
積層型コイル部品の幅寸法

Claims (8)

  1. 複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵する積層体と、
    前記コイルに電気的に接続されている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備え、
    前記コイルは、前記絶縁層とともに前記長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されてなり、
    前記積層体は、前記長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、前記長さ方向と直交する高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、前記長さ方向及び前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有し、
    前記第1の外部電極は、前記第1の端面の少なくとも一部を覆い、
    前記第2の外部電極は、前記第2の端面の少なくとも一部を覆い、
    前記積層体の積層方向と前記コイルのコイル軸方向とは、前記第1の主面と平行であり、
    前記積層方向における前記コイル導体の配置領域の寸法は、前記積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、
    前記積層方向に隣り合う前記コイル導体間の距離は、12μm以上、40μm以下であり、
    前記コイル導体は、ライン部と、前記ライン部の端部に配置されるランド部と、を有し、
    前記積層方向に隣り合う前記コイル導体の前記ランド部は、前記積層方向に連続する複数個のビア導体を介して互いに接続されており、
    60GHz以上の高周波帯で光通信回路内のバイアスティー回路に用いられることを特徴とする、積層型コイル部品。
  2. 前記積層方向から平面視したとき、前記ランド部は、前記ライン部の内周縁よりも内側に位置せず、かつ、前記ライン部と部分的に重なる、請求項1に記載の積層型コイル部品。
  3. 前記ランド部の直径は、前記ライン部の線幅の1.05倍以上、1.6倍以下である請求項1又は2に記載の積層型コイル部品。
  4. 前記絶縁層の厚さは、3μm以上、10μm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
  5. 前記コイル導体の厚みが、3μm以上、6μm以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
  6. 前記第1の主面が実装面であり、
    前記第1の外部電極は、前記第1の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆い、
    前記第2の外部電極は、前記第2の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆う、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
  7. 前記積層体の長さは、560μm以上600μm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の積層型コイル部品を備えることを特徴とする、光通信回路内のバイアスティー回路。
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