JP2022153510A - 積層型コイル部品及びバイアスティー回路 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、近年の電気機器の通信速度の高速化、及び、小型化に応じて、積層型インダクタにはさらなる高周波帯(例えば、60GHz以上のGHz帯)での高周波特性が充分であることが求められている。特許文献1に記載のコイル部品は、60GHz以上の高周波特性が充分ではないという問題があった。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図2(a)は、図1に示す積層型コイル部品の側面図であり、図2(b)は、図1に示す積層型コイル部品の正面図であり、図2(c)は、図1に示す積層型コイル部品の底面図である。
また、第1の外部電極21と同様に、第2の外部電極22は、第2の端面12から延伸して、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆っていてもよい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の幅(図2(c)中、両矢印W1で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の高さ(図2(b)中、両矢印T1で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の幅(図2(c)中、両矢印W2で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の高さ(図2(b)中、両矢印T2で示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
なお、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ、及び、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さが一定でない場合、最も長い部分の長さが上記範囲にあることが好ましい。
なお、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ、及び、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さが一定でない場合、最も高い部分の高さが上記範囲にあることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の高さは、0.18mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
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本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の高さは、0.45mm以上、0.55mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
コイルは、絶縁層とともに長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されることにより形成される。
図3は、絶縁層、コイル導体及び連結導体、並びに、積層体の積層方向を模式的に示すものであり、実際の形状及び接続等を厳密には表していない。例えば、コイル導体はビア導体を介して接続されている。
積層体10の積層方向、及び、コイルの軸方向(図3中、コイル軸をAを示す)は、実装面である第1の主面13に対して平行である。
積層体10には、コイル導体が配置された領域10aと、第1の連結導体41又は第2の連結導体42が配置された領域10bとが存在する。積層体10の積層方向、及び、コイルの軸方向(図3中、コイル軸Aを示す)は、実装面である第1の主面13に対して平行である。
積層方向に隣り合うコイル導体間の距離Dが12μm未満であると、浮遊容量が増加し、高周波特性が低下してしまう。一方、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離Dが40μmを超えると、コイルのインダクタンスが低下してしまう。
積層型コイル部品の60GHzでの透過係数S21が-2dB以上である場合、例えば、光通信回路内のバイアスティー(Bias-Tee)回路等に好適に使用できる。透過係数S21は、入力信号に対する透過信号の電力の比から求められる。周波数毎の透過係数S21は、例えば、ネットワークアナライザを用いて求められる。透過係数S21は、基本的に無次元量であるが、通常、常用対数をとってdB単位で表される。
なお、積層体を構成する複数の絶縁層が積み重なる方向を積層方向という。
すなわち、本発明の積層型コイル部品において、積層体の長さ方向と、絶縁層の積層方向とは一致する。
コイル導体32a、32b、32c、32dはそれぞれ、ライン部と、ライン部の端部に配置されるランド部とを有している。図4に示すように、ランド部のサイズは、ライン部の線幅よりも若干大きいことが好ましい。
ただし、絶縁層31a、31b、31c及び31dは互いに直接隣接して積層されることはなく、絶縁層31eを介して積層される。
絶縁層31aと31bの間、絶縁層31bと31cの間、絶縁層31cと31dの間には、それぞれ絶縁層31eが2層ずつ配置されている。さらに、絶縁層31a、31b、31c及び31dがこの順で繰り返し積層される場合、絶縁層31dと31aの間にも、絶縁層31eが2層ずつ配置される。
従って、積層方向に隣り合うコイル導体のランド部は、積層方向に連続する複数個(図4では3個)のビア導体を介して互いに接続されている。その結果、積層体10内において、x方向に延在するコイル軸を有するソレノイド状のコイルが形成される。
また、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
また、第2の連結導体42が第2の外部電極22とコイルとの間を直線状に接続するとは、積層方向から平面視したとき、第2の連結導体42を構成するビア導体33h同士が重なっていることを意味し、ビア導体33h同士は厳密に直線状に並んでいなくてもよい。
なお、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
またコイル導体の繰り返し形状は3/4ターン形状ではなく、1/2ターン形状であってもよい。
積層方向から平面視したとき、コイルが多角形状である場合、多角形の面積相当円の直径をコイル径とし、多角形の重心を通り積層方向に延伸する軸をコイル軸とする。
ランド部の直径が20μm未満であると、ビア導体の直径が小さくなりすぎて、コイル導体間の電気抵抗が大きくなりすぎる場合がある。一方、ランド部の直径が40μmを超えると、浮遊容量が大きくなりすぎて、高周波特性が低下することがある。
ビア導体のテーパー角は、積層体を積層方向に沿って切断した切断面において、ビア導体の両側面を延長した場合に、両端面から延長した延長線同士が交わる角度である。
テーパー角が60°以上120°以下であると、ランド部の大きさを大きくすることなく、ビア導体を形成することができるため、浮遊容量を抑え、高周波特性を向上させることができる。
絶縁層の厚さが10μmを超える場合、積層方向に隣り合うコイル導体同士を接続するためにランド部を大きくする必要が生じ、浮遊容量が大きくなってしまう場合がある。一方、絶縁層の厚さが3μm未満である場合、絶縁層が薄すぎて絶縁層の厚さにばらつきが生じ、コイル特性が悪化することがある。
積層方向に隣り合うコイル導体のランド部が、積層方向に連続する複数個のビア導体を介して互いに接続されていると、ランド部の大きさを大きくすることなく、コイル導体間の距離を大きくすることができる。
コイル導体が設けられた絶縁層とビア導体だけが設けられた絶縁層の厚さは同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
ランド部がライン部の内周縁よりも内側に位置すると、インピーダンスが低下してしまうことがある。
また、積層方向から平面視したときに、ランド部の直径は、ライン部の線幅の1.05倍以上、1.6倍以下であることが好ましく、1.05倍以上、1.3倍以下であることがより好ましい。
ランド部の径がライン部の線幅の1.05倍未満であると、ランド部とビア導体との接続が不十分となることがある。一方、ランド部の径がライン部の線幅の1.6倍を超えると、ランド部に起因する浮遊容量が大きくなるため、高周波特性が低下することがある。
図5に示すように、積層体の長さ方向に沿って切断した切断面からコイル導体同士の接続箇所を見た場合、コイル導体32aと32bが、積層方向に連続する複数個(図5では3個)のビア導体33a、33e及び33eを介して接続されており、積層方向に隣り合うコイル導体32a、32b間の距離はDで表される。
ビア導体33a、33e及び33eのテーパー角は90°である。
コイル導体同士が積層方向に連続する複数個のビア導体で接続されていると、単一のビア導体を介してコイル導体同士を接続する場合と比較して、ランド部の大きさを小さくすることができる。
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、50μm以上、100μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは15μm以上、45μm以下であり、より好ましくは15μm以上、30μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、30μm以上、60μm以下である。
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、30μm以上、70μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは10μm以上、30μm以下であり、より好ましくは10μm以上、25μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、20μm以上、40μm以下である。
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、80μm以上、170μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは25μm以上、75μm以下であり、より好ましくは25μm以上、50μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、40μm以上、100μm以下である。
本発明の積層型コイル部品の製造方法の一例について説明する。
ビアシートの厚さはコイルシートと同じであってもよいが、異なっていてもよい。
更に、コイルシートの積層体の上下にビアシートを積層させる。
銀ペーストを所定の厚みに引き伸ばした層に、チップを垂直に浸漬させる方法を用いると、積層体の5面(各端面に加えて、隣接する主面及び側面の4面)に外部電極の下地電極を形成することができる。
(実施例1)
(1)所定の組成を有するフェライト材料(仮焼粉末)を準備した。
セラミックグリーンシートの所定箇所にレーザーを照射することにより、ビアホールを形成した。ビアホールに導電性ペーストを充填してビア導体を形成、その周囲に円形に導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、ランド部を形成した。
セラミックグリーンシートの所定箇所にビアホールを形成し、導電性ペーストを充填してビア導体を形成した後、ランド部及びライン部からなるコイル導体を印刷し、コイルシートを得た。
得られた積層体30個の寸法をマイクロメーターを用いて測定し平均値を求めたところ、L=0.60mm、W=0.30mm、T=0.30mmであった。
以上により、図3に示すような積層体の内部構造を有する実施例1の試料を作製した。
実施例1の試料では、積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の93.1%であり、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離が12.7μmであった。
図6は、透過係数S21を測定する方法を模式的に示す図である。
図6に示すように、信号経路61とグランド導体62を設けた測定用治具60に試料(積層型コイル部品1)をはんだ付けした。積層型コイル部品1の第1の外部電極21が信号経路61に接続され、第2の外部電極22がグランド導体62に接続される。
測定結果を図7に、60GHzにおける透過係数S21を表1にそれぞれ示す。図7は、実施例で作製した試料の透過係数S21を示すグラフである。なお、透過係数S21は、0dBに近いほど損失が少ないことを示す。
表1に示したように、コイルシート間に配置するビアシートの数及びビアシートの厚さを調整することで、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様の手順で実施例2~5及び比較例1~2に係る積層型コイル部品を作製し、透過係数S21を測定した。結果を表1に示す。全ての試料について、積層体の長さ寸法に対する積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法の割合は、実施例1と同じく93.1%であった。
10 積層体
11 第1の端面
12 第2の端面
13 第1の主面
14 第2の主面
15 第1の側面
16 第2の側面
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
31a,31b,31c,31d,31e,35a(35a1,35a2)、35b(35b1,35b2) 絶縁層
32a,32b,32c,32d コイル導体
33a,33b,33c,33d,33e,33g,33h ビア導体
41 第1の連結導体
42 第2の連結導体
60 測定用治具
61 信号経路
62 グランド導体
63 ネットワークアナライザ
A コイルの中心軸
D 積層方向に隣り合うコイル導体間の距離
E1 第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ
E2 第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ
L1 積層体の長さ寸法
L2 積層型コイル部品の長さ寸法
L3 積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法
T1 積層体の高さ寸法
T2 積層型コイル部品の高さ寸法
W1 積層体の幅寸法
W2 積層型コイル部品の幅寸法
Claims (8)
- 複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵する積層体と、
前記コイルに電気的に接続されている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備え、
前記コイルは、前記絶縁層とともに前記長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されてなり、
前記積層体は、前記長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、前記長さ方向と直交する高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、前記長さ方向及び前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有し、
前記第1の外部電極は、前記第1の端面の少なくとも一部を覆い、
前記第2の外部電極は、前記第2の端面の少なくとも一部を覆い、
前記積層体の積層方向と前記コイルのコイル軸方向とは、前記第1の主面と平行であり、
前記積層方向における前記コイル導体の配置領域の寸法は、前記積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、
前記積層方向に隣り合う前記コイル導体間の距離は、12μm以上、40μm以下であり、
前記コイル導体は、ライン部と、前記ライン部の端部に配置されるランド部と、を有し、
前記積層方向に隣り合う前記コイル導体の前記ランド部は、前記積層方向に連続する複数個のビア導体を介して互いに接続されており、
60GHz以上の高周波帯で光通信回路内のバイアスティー回路に用いられることを特徴とする、積層型コイル部品。 - 前記積層方向から平面視したとき、前記ランド部は、前記ライン部の内周縁よりも内側に位置せず、かつ、前記ライン部と部分的に重なる、請求項1に記載の積層型コイル部品。
- 前記ランド部の直径は、前記ライン部の線幅の1.05倍以上、1.6倍以下である請求項1又は2に記載の積層型コイル部品。
- 前記絶縁層の厚さは、3μm以上、10μm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
- 前記コイル導体の厚みが、3μm以上、6μm以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
- 前記第1の主面が実装面であり、
前記第1の外部電極は、前記第1の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆い、
前記第2の外部電極は、前記第2の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆う、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。 - 前記積層体の長さは、560μm以上600μm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の積層型コイル部品を備えることを特徴とする、光通信回路内のバイアスティー回路。
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