JP2022153177A - 二重床構造 - Google Patents

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Yasunori HAYASAKA
一朗 赤丸
Ichirou Akamaru
亮 石丸
Akira Ishimaru
宏行 桜井
Hiroyuki Sakurai
勝夫 井上
Katsuo Inoue
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Abstract

【課題】施工性を向上させることが可能となる二重床構造を提供すること。【解決手段】実施形態に係る二重床構造100は、建物におけるスラブ9と、スラブ9の上側に設けられる床構成部とを備えた二重床構造100であって、床構成部6は、第1方向Xを材軸方向として延びる、角形鋼管からなる複数の第1部材1を有し、第1部材1の第1方向に直交する第2方向Yの幅寸法をBとし、複数の第1部材1の軸心間隔をPとしたとき、P≦3Bを満たすことを特徴とする。【選択図】図5

Description

この発明は、二重床構造に関する。
従来、鉄筋コンクリート造のスラブと、このスラブの上に設けた複数の根太及びその上に設けた板状部を有する床構成部とを備えた二重床構造が知られている。
このような二重床構造においては、物の落下や、足を踏み込んだ際等に生じる衝撃荷重が板状部に作用することで当該板状部が振動し、この振動が根太を介してスラブに伝達し、このスラブの振動が階下の部屋に騒音となって現れる。このため、この騒音が上下の各階におけるトラブルの原因になることがあるという問題があった。
特許文献1には、鉄筋コンクリート造の建物におけるスラブと、このスラブの上側に設けた床構成部とを備えた二重床構造であって、床構成部は、複数の大引きと、これらの大引きの上側に配置された板状部とを少なくとも備えており、前記各大引きは、長手方向の両端部が前記スラブの上面に支持部材を介して設置され、前記各支持部材は、前記建物の壁の近傍、前記スラブを下方から支える梁に対応する部位の近傍及び当該梁に対応する部位の何れかの位置に配置されていることを特徴とする二重床構造が開示されている。
特開2018-109306号公報
ところで、二重床構造は居室等の施工に適用されるが、その施工条件として、足場を設置できない場合や、重機を使用することができない場合がある。かかる場合には、部材を人力で運搬する必要がある。しかしながら、特許文献1の開示技術は、大引きとしてH形鋼が用いられる。このため、重量の重いH形鋼では、人力で運搬がしにくく、施工性が低いという問題点がある。
また、特許文献1の開示技術では、幅寸法100mmの大引きが450mm間隔で配置されており、大引き同士の配置間隔が幅寸法の4.5倍と比較的大きい。このため、局所的な荷重を受けた場合には、荷重が分散されにくく、大引き単体が受ける荷重が大きい。したがって、二重床構造全体としての剛性が低く、歩行時等の鉛直振動に抵抗するためには、H形鋼の大断面化を図る必要がある。その結果、重量が重くなり、施工性が低下するという問題点がある。
この発明は、上記問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、施工性を向上させることが可能となる二重床構造を提供することにある。
本発明に係る部材の接合構造は、建物におけるスラブと、前記スラブの上側に設けられる床構成部とを備えた二重床構造であって、前記床構成部は、第1方向を材軸方向として延びる、角形鋼管又は溝形鋼からなる複数の第1部材を有し、前記第1部材の前記第1方向に直交する第2方向の幅寸法をBとし、複数の前記第1部材の軸心間隔をPとしたとき、P≦3Bを満たすことを特徴とする。
本発明によれば、施工性を向上させることが可能となる二重床構造を提供できる。
図1は、第1実施形態に係る二重床構造を一部分解して示す斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る二重床構造を示す平面図である。 図3は、第1実施形態に係る二重床構造を示す側面断面図である。 図4は、第1実施形態に係る二重床構造における床構成部を第2方向に直交する面で切った断面図である。 図5は、第2実施形態に係る二重床構造を一部分解して示す斜視図である。 図6は、第2実施形態に係る二重床構造を示す底面図である。 図7は、図6のE-E断面図である。 図8は、第2実施形態に係る二重床構造の第1変形例を示す底面図である。 図9は、第3実施形態に係る二重床構造を一部分解して示す斜視図である。 図10は、第3実施形態に係る二重床構造を示す底面図である。 図11は、図10のG-G断面図である。 図12は、第3実施形態に係る二重床構造における床構成部を第2方向に直交する面で切った断面図である。 図13は、実施例1の本発明例1の試験体を模式的に示す斜視図である。 図14は、実施例1の比較例1の試験体を模式的に示す斜視図である。 図15は、実施例1の試験方法を説明するための図である。 図16(a)は、第1経路で歩行した際の本発明例1と比較例1の試験結果を示す図であり、図16(b)は、第2経路で歩行した際の本発明例1と比較例1の試験結果を示す図である。 図17は、実施例2の解析モデルを説明するための図である。 図18は、図17のF-F断面を拡大して示す図である。 図19は、実施例2の各角形鋼管の鉛直変位を示す図である。 図20は、実施例2の各角形鋼管の荷重分担率を示す図である。
以下、この発明の実施形態のいくつかを、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、第1部材1の材軸方向を第1方向Xとし、第1方向Xと交差、例えば直交する第2部材2の材軸方向を第2方向Yとし、第1方向Xと第2方向Yとそれぞれと交差、例えば直交する方向を上下方向Zとする。また、各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
図1~図4を参照して、第1実施形態における二重床構造100について説明する。二重床構造100は、図1~図3に示すように、鉄筋コンクリート造や木造等の集合住宅(建物)におけるスラブ9と、このスラブ9の上側に配置された床構成部6とを備える。
スラブ9は、図2及び図3に示すように、床構成部6による二重床構造100を構成する部分が、構造躯体91によって保持される。構造躯体91は、外壁92と、これに平行に延在する梁93と、外壁92及び梁93と直交し各住戸を区切る戸境壁94によって少なくとも保持される。この場合、スラブ9は第1方向X及び第2方向Y(水平方向)に延在し、外壁92及び戸境壁94は上下方向Zに延在する。なお、各住戸のスラブ9の全体は、その周縁部が外壁92及び戸境壁94等によって保持され、その中間部が梁93やその他の梁等によって下方から支持される。
床構成部6は、第1部材1と、板状部4と、を備える。
第1部材1は、材軸方向が第1方向Xに延びる角形鋼管からなる。第1部材1は、例えば断面が長方形状あって、長辺が150mm程度、短辺が100mm程度の角形鋼管が用いられる。第1部材1は、例えば長手方向の長さが3270mm程度のものが用いられる。第1部材1は、その長手方向が床構成部6の長手方向(第1方向X)に沿って複数配置される。なお、第1部材1は、断面が正方形状であってもよい。
第1部材1は、図4に示すように、第2方向Yにおける幅寸法Bとする。また、第1部材1の第2方向Yの中央Cの間隔(第1部材1の軸心間隔)Pとする。このとき、二重床構造100は、P≦3Bを満たす。これにより、板状部4の中心に荷重が作用したとき、第2方向Yの中央に配置される第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の荷重分担率が50%以下となり、当該第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の荷重分担率が小さい。これに対して、P>3Bの場合には、板状部4の中心に荷重が作用したとき、第2方向Yの中央に配置される第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の荷重分担率が50%を超え、当該第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の荷重分担率が大きい。また、中央に配置される第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の1本隣の第1部材1の荷重分担率(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)について、P=3Bの場合ととP<3Bの場合とを比較すると、P=3Bの方が高くなる。
また、二重床構造100は、P≦2Bを満たすことが好ましい。これにより、板状部4の中心に荷重が作用したとき、第2方向Yの中央に配置される第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の1本隣の第1部材1(図3中の第1部材1-5、第1部材1-8)の荷重分担率が、第1部材1-1~第1部材1-12の中で最も高くなる。つまり、中央に配置される第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の1本隣の第1部材1(図3中の第1部材1-5、第1部材1-8)の荷重分担率は、中央に配置される第1部材1(図3中の第1部材1-6、第1部材1-7)の荷重分担率よりも高くなる。
板状部4は、図1に示すように、第1部材1と第2部材2の上側に固定される。板状部4は、平面視で長方形状に形成され、長手方向が第1方向Xに、短手方向が第2方向Yに、沿って配置される。板状部4は、構造用合板41と、構造用合板41の上に載置された床仕上げ材42とによって構成される。
構造用合板41は、例えば厚さ12mmのベニヤ合板からなる。構造用合板41は、ビスや接着剤によって、第1部材1の上面及び第2部材2の上面に固定される。
床仕上げ材42は、例えば厚さ8.7mmであって、擦り傷や凹み傷が付きにくい樹脂製の複数のクッション付きフローリングによって構成されており、両面テープや接着剤によって、構造用合板41の上面に固定される。床仕上げ材42は、損傷したクッション付きフローリングのみを張替ることが可能とされていてもよい。床仕上げ材42としてのフローリングは、フローリングを構成する複数の合板の目地が千鳥状に配置されたものであってもよいし、複数の合板の目地を揃えて配置されたものであってもよい。
本実施形態によれば、床構成部6は、第1方向Xを材軸方向として延びる、角形鋼管からなる複数の第1部材1を有し、P≦3Bを満たす。これにより、H形鋼を用いるよりも重量を軽量化することができる。このため、足場や重機を用いることができない現場であっても、第1部材1を人力で運搬することができ、施工性を向上させることが可能となる。
例えば、従来のようにH-100mm×100mm×6mm×8mmのH形鋼であって、その長さが3500mmのものを用いた場合には、その一本あたりの重量が60kg程度となり、人力で運搬することが難しい。一方で、本実施形態のように、第1部材1として150mm×100mm×2.3mmの角形鋼管であって、その長さが3270mmのものを用いる場合には、その一本あたりの重量は29kg程度となり、人力で運搬可能な重量にまで低減させることができる。このため、施工性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、P≦3Bを満たす。これにより、板状部4の中心に荷重が作用したとき、第2方向Yの中央に配置される第1部材1の荷重分担率が50%以下となる。このため、各々の第1部材1が負担する荷重が分散され、第1部材1の合成効果が高くなる。したがって、二重床構造100全体としての剛性を向上させることが可能となる。その結果、部材の断面を大型化する必要がなく重量の軽量化を図ることができ、施工性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、P≦2Bを満たす。これにより、板状部4の中心に荷重が作用したとき、第2方向Yの中央に配置される第1部材1の1本隣の第1部材1の荷重分担率が最も高くなる。つまり、第2方向Yの中央に配置される第1部材1の1本隣の第1部材1の荷重分担率は、第2方向Yの中央に配置される第1部材1の荷重分担率よりも高くなる。このため、各々の第1部材1が負担する荷重が更に分散されて、第1部材1の合成効果が更に高くなる。したがって、二重床構造100全体としての剛性を更に向上させることが可能となる。その結果、部材の断面を大型化する必要がなく重量の軽量化を図ることができ、施工性を向上させることが可能となる。
本実施形態によれば、第1部材1は、角形鋼管である。これにより、溝形鋼を用いるよりも、断面の剛性が高いものとなる。このため、二重床構造100全体としての剛性を高めることが可能となる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る二重床構造100では、図5~図8に示すように、床構成部6は、第1部材1と、板状部4と、支持部材5と、を有する。以下、上述した実施形態と相違する点について主に説明し、上述した実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
支持部材5は、第1部材1を下側から支持するものである。支持部材5は、ゴム弾性を有する弾性支持部材によって構成されている。支持部材5は、例えば、一辺が100mmの正方形状であって、厚さが20mmで、硬度が78のゴム製の防音マットが用いられる。支持部材5は、スラブ9の上面及び第1部材1の下面に両面テープや、接着剤によって固定される。
支持部材5は、図6~図8に示すように、インピーダンスの高い構造躯体91近傍に支持部材5を配置することにより、支持部材5による床衝撃音遮断性能の低下を抑制することができるため、構造躯体91から例えば、1000mm以下の領域98(図中二点鎖線の領域)に支持部材5が配置されることが好ましい。つまり、構造躯体91から1000mm以下において、支持部材5を配置することで目標とする遮音性能と床振動性能に応じて定めることができる。支持部材5は、構造躯体91から例えば、500mm~700mmの位置に配置されることが好ましい。なお、支持部材5は、構造躯体91から例えば、400mm以下の位置に配置されることがより好ましい。
例えば図6~図7に示すように、構造躯体91は、スラブ9を保持するものであって、外壁92と、梁93と、戸境壁94と、で構成される。図6に示すように、構造躯体91から500mm以下の領域98が、上下方向Zから見てコの字状に形成され、支持部材5は、この領域98内に1又は複数配置されることにより、二重床構造100を支持する。
この場合、図7に示すように、支持部材5は、領域98内において、第1部材1の第1方向Xの一端部18の下面と、第1部材1の第1方向Xの他端部19の下面とに配置される。また、支持部材5は、領域98内において、一端部18と他端部19との間に配置される。板状部4の中央に荷重が作用した場合、第1部材1の支持スパン長さは、第1部材1の長手方向の中央を挟んで両側の最も近接した2つの支持部材5間の長さとなり、第1部材1の長手方向の長さよりも短くなる。
例えば図8に示すように、構造躯体91は、外壁92と、梁93とで構成される。このとき、スラブ9が外壁92と、梁93と、により二辺支持される。このとき、構造躯体91から500mm以下の領域98(図中二点鎖線の領域)が一対形成され、支持部材5は、一対の領域98内に1又は複数配置されることにより、二重床構造100を支持する。
この場合、図7で示す例と同様に、支持部材5は、領域98内において、第1部材1の第1方向Xの一端部18の下面と、第1部材1の第1方向Xの他端部19の下面とに配置される。また、支持部材5は、領域98内において、一端部18と他端部19との間に配置される。板状部4の中央に荷重が作用した場合には、第1部材1の支持スパン長さは、第1部材1の長手方向の中央を挟んで両側の最も近接した2つの支持部材5間の長さとなり、第1部材1の長手方向の長さよりも短くなる。
なお図示は省略するが、構造躯体91は、スラブ9の四方向を囲うように構成されてもよい。このとき、スラブ9が構造躯体91により四辺支持される。構造躯体91から500mm以下の領域が、上下方向Zから見てロの字状に形成され、支持部材5は、この領域内に1又は複数配置されることにより、二重床構造100を支持する。
本実施形態によれば、第1部材1を下側から支持する支持部材5は、第1部材1の第1方向の両端部18、19と、両端部18、19の間と、に配置される。これにより、第1部材1の支持スパン長を、第1部材1自体の長さよりも短くすることができる。このため、撓みや床振動を低減することができる。
本実施形態によれば、床構成部6は、スラブ9を保持する構造躯体91から500mm以下の領域に、支持部材5を更に有する。これにより、二重床構造100の床衝撃音遮断性能の低下を抑制することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る二重床構造100では、図9~図12に示すように、床構成部6は、第1部材1と、第2部材2と、板状部4と、支持部材5と、を有する。
第1部材1は、例えば長手方向の長さ2300mm~2700mm程度のものが用いられる。第1部材1は、第1方向Xに離間した複数の第2部材2の間に配置される。
第2部材2は、材軸方向が第2方向Yに延びる角形鋼管からなる。第2部材2は、断面が正方形であって、一辺が100mm程度の角形鋼管が用いられる。第2部材2は、長手方向の長さ2400mm程度のものが用いられる。第2部材2は、長手方向が床構成部6の短手方向(第2方向Y)に沿って複数配置される。なお、第2部材2は、断面が長方形であってもよい。第2部材2は、角形鋼管の他、溝形鋼が用いられてもよい。
第2部材2は、第2方向Xにおける幅寸法Tとする。また、第2部材2の第1方向Xの中央Uの間隔(第2部材2の軸心間隔)Rとする。このとき、二重床構造100は、R≦3Tを満たすことが好ましく、R≦2Tを満たすことがより好ましい。
第2部材2は、第1部材1の第1方向Xの端部から離間して配置される。第2部材2の中央Uから第1部材の第1方向Xの端部までの間隔は、例えば3T以下である。
第2部材2の上下方向Zにおける高さは、第1部材1の上下方向Zにおける高さと同じである。
第2部材2には、下側から支持するための支持部材5が複数設けられる。支持部材5は、第2部材2の第2方向Yの両端部と、第2部材2の第2方向Yの中央近傍に配置される。
例えば、二重床構造100が設けられる部屋まで搬入する際、第1部材1等の構成部材を階段等を昇降して人力で搬入しなければならない場合がある。このとき、第1部材1が長尺のために現場に搬入できないことがある。本実施形態によれば、床構成部6は、第1方向Xに直交する第2方向Yを材軸方向として延びる、角形鋼管からなる第2部材2を有し、第2部材2は、第1部材1の第1方向Xの端部から離間して配置される。これにより、二重床構造100が設けられる部屋の寸法に対して、第1部材1の第1方向Xの長さを小さくすることができる。このため、階段等を用いて搬入が必要な場合であっても、第1部材1の搬入作業を容易に行うことができ、施工性を更に向上させることが可能となる。
本実施形態によれば、第1部材1は、第1方向Xに離間して配置される複数の第2部材2の間に配置される。これにより、二重床構造100が設けられる部屋の寸法に対して、第1部材1の第1方向Xの長さを更に小さくすることができる。このため、第1部材1の搬入作業を更に容易に行うことができ、施工性を一層向上させることが可能となる。
以下、本発明の作用効果について実施例1を用いて説明する。
実施例1では、本発明例1及び比較例1について、試験体を作製した。試験体の作製に用いた構成部材とその諸元を表1に示す。
Figure 2022153177000002
本発明例1の試験体200は、図13に示すように、12本の第1部材としての角形鋼管201を並べて配置し、その上側に板状部としてのベニヤ合板204を固定した。角形鋼管201の幅寸法Bは、150mmである。また、中央の2つの角形鋼管201の軸心間隔Pは、200mmであり、それ以外の角形鋼管201の軸心間隔Pは、205mmである。よって、P≦3Bを満たす。角形鋼管201の両端部の下面と、各々の端部から500mm離間した位置とに、支持部材としてのゴム製の防音マット205を配置した。これにより、本発明例1の試験体200は、支持スパン長が2270mmとなる。また、本発明例1の試験体200では、二辺支持となる。
比較例1の試験体900は、図14に示すように、6本のH形鋼901を並べて配置し、H形鋼901の上側に板状部としてのベニヤ合板904を設けた。H形鋼901の両端部の下面に、支持部材としてのゴム製の防音マット905を配置した。これにより、比較例1の試験体900は、支持スパン長が3270mmとなる。また、比較例1の試験体900では、二辺支持となる。
次に試験方法について説明する。図15は、試験体の模式平面図である。試験は、図15に示すように、試験体の中心Oに加速度ピックアップを設置し、成人男性1人による歩行加振を与え、時刻歴応答加速度を測定した。歩行者は同一人物とし、歩行方法は試験体の長辺3往復(第1経路W1)と短辺3往復(第2経路W2)の2通りとした。評価に用いる諸元は、社団法人日本建築学会発行の「建築物の振動に関する居住性能評価指針同解説(第2版2004年5月)」の人の動作・設備による鉛直振動の評価方法を参照し、1/3オクターブバンド分析による応答加速度の最大値とした。
図16に試験の結果を示す。図16では、横軸を振動数とし、縦軸を応答加速度とした。上記した試験を実施し、本発明例1と比較例1の床振動性能を評価した。試験では、応答加速度が小さいほど、床振動性能が良いものとして評価することができる。本実施例1では、床振動性能の評価において「建築物の振動に関する居住性能評価指針同解説(第2版2004年5月)」の人の動作・設備による鉛直振動の評価方法を参照し、評価対象となる振動数範囲を3Hz以上30Hz以下とした。
図16(a)に示すように、第1経路W1で歩行した場合、3Hz以上30Hz以下の振動数における応答加速度は、本発明例1が比較例1よりも小さくなった。図16(b)に示すように、第2経路W2で歩行した場合も同様に、3Hz以上30Hz以下の振動数における応答加速度は、本発明例1が比較例1よりも小さくなった。
以上から、本発明例1の床振動性能は、比較例1のものよりも高いと評価できる。本発明例1では、P≦3Bを満たす。これにより、ベニヤ合板204に荷重が作用したとき、各々の角形鋼管201が負担する荷重が効果的に分散されたと考えられる。対して、比較例1では、H形鋼901同士の軸心間隔が、H形鋼901の幅寸法の3倍を超えることから、ベニヤ合板904に荷重が作用したとき、各々のH形鋼901が負担する荷重が分散されにくいものと考えられる。
このため、本発明例1における各々の角形鋼管201の合成効果は、比較例1のものよりも高く、二重床構造全体としての剛性を向上させることが可能となる。その結果、部材の断面を大型化する必要がなく重量の軽量化を図ることができ、施工性を向上させることが可能となる。
次に、実施例2について説明する。
実施例2では、本発明例2~4及び比較例2について、FEM(Finite Element Method:有限要素法)解析を行った。図17及び図18に示すように、解析モデル300は、第1部材としての角形鋼管301と、板状部としての構造用合板304と、をモデル化し、角形鋼管301の軸心間隔Pをパラメータとした。解析モデル300では、角形鋼管両端部の支持部材305が位置する面積(100mm×100mm)を単純支持し、構造用合板の中心Mに4000N(重量床衝撃音の加振源であるバングマシン衝撃荷重値)の集中荷重Qを載荷した。角形鋼管301と構造用合板304の接着方法は、固着とした。解析では、各角形鋼管301の長手方向の中央(1800mmの位置)の図18中の軸心位置Dにおける鉛直変位を解析し、各角形鋼管301の鉛直変位の分布と、各角形鋼管301の荷重分担率を確認した。
表2に、解析ケースの一覧を示す。表2に示すように、本発明例2~4では、P≦3Bを満たし、本発明例2及び本発明例3では、更にP≦2Bを満たす。
Figure 2022153177000003
図19は、各解析ケースにおける各角形鋼管301の鉛直変位の分布を示す。図15は、中央に配置される角形鋼管301の配置位置を基準(ゼロ)としたときの幅方向における各角形鋼管301の配置位置を横軸とし、各角形鋼管301の鉛直変位を縦軸とした。つまり、横軸における「ゼロ」は、載荷点を示し、図19中のマーカーの位置は、角形鋼管301が配置されている位置での鉛直変位を示す。
図19に示すように、軸心間隔Pが小さくなるにつれて、載荷点直下にある角形鋼管301の鉛直変位が小さくなった。また、隣接する各角形鋼管301は、本発明例2~4及び比較例2の何れの場合も、鉛直方向に変位している。このことから、構造用合板304による床の幅方向への荷重が分散され、一定の合成効果を発揮されていることが確認された。
図20は、各解析ケースにおける各角形鋼管301の荷重分担率を示す結果である。図16において、幅方向の中央に配置される角形鋼管301を単に「中央」と、「中央」の角形鋼管301の1本隣の角形鋼管301を単に「1本隣」と、「中央」の角形鋼管301の2本隣の角形鋼管301を単に「2本隣」と、「中央」の角形鋼管301の3本隣の角形鋼管301を単に「3本隣」と、「中央」の角形鋼管301の4本隣の角形鋼管301を単に「4本隣」と、「中央」の角形鋼管301の5本隣の角形鋼管301を単に「5本隣」と、「中央」の角形鋼管301の6本隣の角形鋼管301を単に「6本隣の角形鋼管」と、表記する。
図20に示すように、「中央」の角形鋼管301の荷重分担率については、本発明例2では、16.1%であり、本発明例3では、27.0%であり、本発明例4では、43.3%であった。これに対して、比較例2では、55.8%であった。このことから、P≦3Bを満たす本発明例2~4では、「中央」の角形鋼管301の荷重分担率を50%以下とすることができる。これに対し、P>3Bの場合である比較例2では、「中央」の角形鋼管301の荷重分担率が50%を超えた。このため、本発明例2~4では、各々の角形鋼管301に荷重が分散され、角形鋼管301の合成効果が高くなることが確認された。
したがって、本発明例2~4では、二重床構造全体としての剛性を向上させることが可能となる。その結果、部材の断面を大型化する必要がなく重量の軽量化を図ることができ、施工性を向上させることが可能となる。
特に、「1本隣」の角形鋼管301の荷重分担率については、本発明例4では、35.9%であった。本発明例2では、26.7%であり、本発明例3では、34.2%であり、比較例2では、33.5%であった。つまり、本発明例4では、「1本隣」の角形鋼管301の荷重分担率は、他の解析ケースの中で最も高くなった。
また、本発明例2と本発明例3では、「1本隣」の角形鋼管301の荷重分担率が最も高くなったのに対し、本発明例4と比較例2では、「中央」の角形鋼管301の荷重分担率が最も高くなった。そして、P≦2Bを満たす本発明例2及び本発明例3では、鉛直変位については、荷重の載荷点直下にある「中央」の角形鋼管301が最も大きくなるにもかかわらず、荷重分担率については、「1本隣」の角形鋼管301が最も大きくなった。よって、本発明例2及び本発明例3では、軸心間隔Pを小さくすることにより更に荷重が分散され、角形鋼管301の合成効果が更に高くすることができる。
したがって、本発明例2及び本発明例3では、二重床構造全体としての剛性を更に向上させることが可能となる。その結果、部材の断面を大型化する必要がなく重量の更なる軽量化を図ることができ、施工性を更に向上させることが可能となる。
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、これらの実施形態の各例は、適宜組み合わせて実施することが可能である。さらに、この発明は、上記いくつかの実施形態の各例の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記いくつかの実施形態の各例のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
100 :二重床構造
1 :第1部材
18 :端部
19 :端部
1a :第1部材
1b :第1部材
2 :第2部材
4 :板状部
41 :構造用合板
42 :床仕上げ材
5 :支持部材
5a :支持部材
5b :支持部材
6 :床構成部
9 :スラブ
91 :構造躯体
92 :外壁
93 :梁
94 :戸境壁
98 :領域
B :幅寸法
X :第1方向
Y :第2方向
Z :上下方向
P :軸心間隔

Claims (6)

  1. 建物におけるスラブと、前記スラブの上側に設けられる床構成部とを備えた二重床構造であって、
    前記床構成部は、
    第1方向を材軸方向として延びる、角形鋼管又は溝形鋼からなる複数の第1部材を有し、
    前記第1部材の前記第1方向に直交する第2方向の幅寸法をBとし、複数の前記第1部材の軸心間隔をPとしたとき、
    P≦3Bを満たすこと
    を特徴とする二重床構造。
  2. P≦2Bを満たすこと
    を特徴とする請求項1記載の二重床構造。
  3. 前記床構成部は、前記第1部材を支持する支持部材を更に有し、
    前記支持部材は、スラブを保持する構造躯体から1000mm以下の領域に配置されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の二重床構造。
  4. 前記第1部材は、角形鋼管であること
    を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の二重床構造。
  5. 前記床構成部は、前記第1方向に直交する第2方向を材軸方向として延びる、角形鋼管又は溝形鋼からなる第2部材を有し、
    前記第2部材は、前記第1部材の前記第1方向の端部から離間して配置されること
    を特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の二重床構造。
  6. 前記第1部材は、前記第1方向に離間して配置される複数の前記第2部材の間に配置されること
    を特徴とする請求項5記載の二重床構造。
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