JP2022152228A - 樹脂成形体、物品、樹脂成形体の製造方法および樹脂組成物 - Google Patents

樹脂成形体、物品、樹脂成形体の製造方法および樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い磁気特性を有し、かつ、寸法精度に優れた樹脂成形体を提供する。【解決手段】 樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含む樹脂成形体である。非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm3以上1.0g/cm3以下の範囲である。非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲である。【選択図】 図1

Description

本開示は、樹脂成形体、その樹脂成形体を用いた物品および樹脂成形体の製造方法に関する。また、その樹脂成形体の原料である樹脂組成物に関する。
ボンド磁石と呼ばれる磁性粉末を含有する樹脂成形体は、優れた磁気特性および加工性を有することから、モータなどの回転機器、家電製品、OA機器、医療機器といった様々な物品に使用されている。特許文献1には、ボンド磁石の耐水性を向上させるために、所定の粒子径を有する磁性粉末と非磁性粉末を含有させることが開示されている。
特開2016-72406号公報
近年、ボンド磁石には高い寸法精度が求められており、特許文献1に開示されたボンド磁石では寸法精度が不十分であった。また、ボンド磁石中の寸法精度を高めようとして非磁性粉末の含有量を増やすと、磁性粉末の含有量が減り、磁気特性が不十分になることがあった。
上記課題を解決するための樹脂成形体は、樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含む樹脂成形体であって、前記非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であって、前記非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であることを特徴とする。
上記課題を解決するための樹脂成形体の製造方法は、樹脂と、磁性粉末および見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲である非磁性粉末と、を用意する工程と、前記非磁性粉末の含有量が8体積より多く、かつ40体積%以下になるように、前記樹脂と、前記磁性粉末および前記非磁性粉末と、を混合し樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を溶融して成形し、樹脂成形体を得る工程と、前記樹脂組成物および/または前記樹脂成形体に磁界を印加する工程と、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するための樹脂組成物は、樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含む樹脂組成物であって、前記非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であって、前記非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であることを特徴とする。
本開示によれば高い磁気特性を有し、かつ、寸法精度に優れた樹脂成形体およびその製造方法を提供することができる。また、その樹脂成形体の原料である樹脂組成物を提供することができる。
実施形態に係る樹脂成形体の製造方法の一実施態様を示したフロー図である。
以下、本開示の実施の形態について説明する。
(樹脂成形体)
本開示の樹脂成形体は、樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含み、前記非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であることを特徴とする。また、前記非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であることを特徴とする。
従来より、磁性粉末を有する樹脂成形体において、成形収縮率の大きな樹脂の一部を非磁性粉末で置換することにより、樹脂成形体の成形精度を向上させることが知られている。一方、磁性粉末の一部を非磁性粉末で置換すると、磁力が低下してしまう。そこで、本願発明者は、樹脂成形体に含有させる所定量の非磁性粉末の見掛け密度を0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲にすると、磁力の低下を抑えられることを見出した。具体的には、前記範囲の見掛け密度の非磁性粉末を用いると、磁性粉末を有する樹脂成形体に磁場を印加したときに、非磁性粉末の回転運動が容易となり、磁性粉末の配向を阻害しないことを見出した。そのため、非磁性粉体を大量に加えても、高い磁気特性と高い寸法精度とを両立する樹脂成形体を提供できることを見出した。
以下、本開示の樹脂成形体に含まれる樹脂、磁性粉末、および非磁性粉末について説明する。なお、本開示の樹脂成形体は、樹脂、磁性粉末、および非磁性粉末以外の材料を含んでもよい。例えば、酸化防止剤、滑剤などの添加剤を含んでもよい。
(樹脂組成物)
本開示の樹脂組成物は、樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含む樹脂組成物であって、前記非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であることを特徴とする。また、前記非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であることを特徴とする。本開示の樹脂成形体は、前記樹脂組成物を原料とするものであり、その構成成分は同じである。以下、樹脂成形体を構成する成分における説明は樹脂組成物を構成する成分の説明をしていることと同義である。樹脂成形体の製造方法については後述する。
(樹脂)
本開示の樹脂成形体に含まれる樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂である。中でも、成形時の硬化収縮量が小さく、かつ、温度による寸法変化が小さい、という観点において熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーの種類は特に制限はなく、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、芳香族系ポリアミド、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂、これらの分子を一部変性した変性ポリアミドなどのポリアミド樹脂;直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹脂、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、セミ架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂;低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリメチルペンテン樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂;メタクリル樹脂;ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン-四フッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリルエーテルアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、これらの樹脂系のエラストマーなどが挙げられ、これらの単重合体や他種モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、他の物質による末端基変性品なども含まれる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂などが挙げられる。その中でもポリアミド、特にポリアミド12が好ましい。ポリアミド12は、融点が低く、かつ、吸水率が低く、結晶性樹脂であるため成形性に優れている。ポリアミド12として商業的に入手可能なものは、UBEATA3012、UBEATA3014(以上、宇部興産株式会社製)が挙げられる。また、ダイアミドA1709P,ダイアミドZZ3000P(以上、ダイセルエボニック株式会社製)が挙げられる。また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、アリル樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
樹脂成形体における樹脂の含有量は、8体積%以上40体積%以下の範囲であることが好ましい。この範囲であると、高い磁気特性と優れた成形精度を両立しやすくなる。一方、樹脂の含有量が8体積%未満であると、樹脂組成物の混練抵抗(トルク)が大きくなったり、流動性が低下したりして、成形が困難となるおそれがある。また、40体積%を超えると、磁性粉末の割合が低下し、高い磁気特性が得にくくなるおそれがある。より好ましくは15体積%以上35体積%以下の範囲である。
(磁性粉末)
本開示の樹脂成形体に含まれる磁性粉末の種類は特に制限はなく、例えば、フェライトを含有するフェライト系磁性粉末と、希土類元素を含有する希土類系磁性粉末とが挙げられる。希土類系磁性粉末としては、Nd-Fe-B系磁性粉末、Sm-Co系磁性粉末、Sm-Fe-N系磁性粉末が挙げられる。中でも、Nd-Fe-B系磁性粉末を用いるのが好ましい。なお、これらの磁性粉末は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
Nd-Fe-B系磁性粉末は、立法晶化合物であるNdFe14Bを主相として有する。Nd-Fe-B系は、残留磁束密度が高く、含有量が少なくても高い磁力を発生させることができる。また、Nd-Fe-B系磁性粉末は機械強度に優れており、安価であることからコストの観点でも有利である。
Nd-Fe-B系磁性粉末において、Nd以外の希土類元素が含まれていてもよい。Nd以外の希土類元素としては、Pr、Sc、Y、La、Ce、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuが挙げられる。Nd以外の希土類元素は、1種単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、NdおよびPrを含む場合には、これらの混合物であるDiとして含まれてもよい。また、Feは、一部がCoで置換されていてもよい。
Nd-Fe-B系磁性粉末は、その他の元素を含んでいてもよい。その他の元素としては、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWが挙げられる。その他の元素は、1種単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
Nd-Fe-B系磁性粉末は、商業的に入手可能なものとして、MQP-12-8HD、MQP-10-8.5HD、MQP-12.5-8.5、MQP-11-8、MQP-8-5(以上、マグネクエンチ社製)、YMM13-9、YMM9-6、YMM8-4(以上、Yuhong Magnetic Materials Co. Ltd.社製)、ZRK B-12M、ZRK B-10M、ZRK-B-8.5M(Zhe Jiang Zhao-Ri-Ke Magnet Industries Co., Ltd.社製)が挙げられる。
樹脂成形体における磁性粉末の含有量は、40体積%以上70体積%以下の範囲であることが好ましい。この範囲であると、高い磁気特性と優れた成形精度を両立しやすくなる。一方、磁性粉末の含有量が40体積%未満であると、高い磁気特性が得にくくなるおそれがある。また、70体積%を超えると、樹脂組成物の混練抵抗(トルク)が大きくなったり、流動性が低下したりして、成形が困難となるおそれがある。
磁性粉末の平均粒子径は、10μm以上100μm以下の範囲であること好ましい。この範囲であると、低コストとなり、かつ、成形した際に平滑性に優れた成形体を得ることができる。一方、10μm未満では、磁性粉末のコストが高くなるので、コストの観点から好ましくない。また、100μmよりも大きいと、成形体や物品の表面に凹凸が現われ平滑性が悪くなり、美観を損ねるおそれがある。なお、平均粒子径とは1次平均粒子径のことである。
(非磁性粉末)
本開示の樹脂成形体に含まれる非磁性粉末は、見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲である。非磁性粉末の見掛け密度が上記範囲内であると、樹脂組成物および/または樹脂成形体に磁界を印加して磁性粉末を配向させる際に、磁性粉末の配向を非磁性粉末が阻害しない。結果、非磁性粉末の含有量を8体積%より多くしても、所望の残留磁束密度を有する樹脂成形体を得ることができる。一方、非磁性粉末の見掛け密度が1.0g/cmより大きい場合、磁界(磁場)によって配向する磁性粉末と非磁性粉末とが衝突した際に、非磁性粉末の質量が重く回転運動がしにくい。結果、磁性粉末が十分に配向せず、所望の残留磁束密度を得ることができない。また、非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cmより小さいと、機械強度が脆く、混練や成形時に破壊されやすくなる。構造が破壊された非磁性粉末は、見掛け密度が増加するため、磁性粉末が十分に配向せず、所望の残留磁束密度を得ることができない。なお、非磁性粉末の見掛け密度は原料に依るところが大きいが、複数の粉末を分級して所望の見かけ密度に調整することも可能である。
樹脂成形体中の非磁性粉末の含有量は、8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲である。この範囲であると樹脂成形体は、良好な成形収縮率となり、かつ、成形体を得るのが容易である。一方、8体積%以下であると、相対的に樹脂の割合が多くなり、樹脂組成物を成形する際の成形収縮率が大きくなる。また、40体積%より大きいと、相対的に樹脂の割合が少なくなり、樹脂組成物の流動性が悪化し、成形体を得ることが困難になる場合がある。
非磁性粉末の平均粒子径は、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。この範囲であると樹脂成形体は、成形体を容易に得ることができ、かつ、磁気特性に優れる。一方、平均粒子径が0.1μm未満であると、非磁性粉末の表面積が大きくなり、樹脂組成物の流動性が低下するおそれがある。また、平均粒子径が5μmよりも大きいと、磁場配向時に、非磁性粉末が磁性粉末の配向を妨げ、所望の磁気特性が得られなくなるおそれがある。
非磁性粉末は無機粒子であることが好ましい。樹脂組成物を混錬する際の熱による変形および反応性が少ないためである。
また、非磁性粉末は閉鎖型の中空粒子であることが好ましい。具体的には、アルミナシリケート中空粒子、アルミナ中空粒子、シリカ中空粒子、ムライト中空粒子、フライアッシュバルーンが好ましい。特にフライアッシュバルーンが好ましい。フライアッシュバルーンは、シリカ・アルミナを主成分とする無機中空バルーンである。フライアッシュバルーンは圧縮強度が高く、樹脂成形体の強度を向上させるほか、吸水性もほとんど無いため、磁性粉末が酸化し磁気特性が劣化するおそれがない。また、石炭火力発電所から発生する副生成物であり、安価な材料であることから、コストの観点からも有利である。なお、これらの非磁性粉末は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(物品)
本開示の物品は、上記樹脂成形体を有することを特徴とする。物品としては例えば、モータなどの回転機器、家電製品、OA機器、医療機器が挙げられる。物品に用いる際の樹脂成形体の形状は特に限定されない。直方体や立方体といった六面体、円柱、球体、角柱、錐体、円環形状、板状、シート状であっても構わない。
(樹脂成形体の製造方法)
続いて、本開示の樹脂成形体の製造方法を説明する。図1は本開示の樹脂成形体の製造方法の一実施態様の製造フローを示す図である。
まず、樹脂と、磁性粉末および見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲である非磁性粉末と、を用意する(S11)。磁性粉末には、酸化による磁気特性の劣化、樹脂との濡れ性、成形品の機械強度を向上させる目的で表面処理を施してもよい。表面処理に用いる化成処理剤としては、特に制限はなく、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シロキサンポリマー、リン酸系表面処理剤が挙げられる。なお、これらの処理は必要に応じて組み合わせて用いることができる。
続いて、非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下になるように、樹脂と、磁性粉末および非磁性粉末と、を混合し、樹脂組成物を得る(S12)。樹脂組成物を得る、すなわち、これらの原料を複合化する方法は特に限定されず、例えば、単軸押出し機や二軸押出し機やニーダー等のようにスクリューや羽根を用いて、原料の混合物を溶融し、剪断を加える方法が挙げられる。また、ロールミルのように、近接した複数のロール上に混合物を通すことで、溶融し、剪断を加える方法が挙げられる。また、必要に応じて、事前に、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリミキサーを用いて、混合処理を行ってもよい。また、複合化された樹脂組成物は、その後の工程で取り扱いが容易になるため、一定の大きさ以下になるよう処理してもよい。一例として、樹脂塊として取り出し、粉砕機にかけることによって微細化する方法がある。また、一定の大きさの粒状である方が、搬送性・計量性に優れるため成形工程の取り扱いに有利である。例えば、吐出孔から連続的に吐出したものを、溶融状態で切断するホットカット法や吐出孔からストランドとして連続的に吐出したものを、空冷もしくは水冷することによって、固化させた後に、細かく切断することでペレット化するコールドカット法がある。ホットカット法では、切断後の樹脂の粒同士が、融点以下の温度まで下がる前に、互いに接触することで、ペレット同士が結着することがあるので、吐出孔の穴数・位置や切断歯の速度の調整が重要である。また、コールドカット法では、ガラス転移温度以下では、樹脂が切断時にペレット形状に切断されずに、粉々に砕けてしまうおそれがあるために、ガラス転移温度以上、融点未満の温度で切断することが好ましい。また、ストランドには適度な水分が含まれていた方が切断の衝撃が吸収され、砕けづらくなるため、空冷より水冷を用いる方が好ましい。
続いて、樹脂組成物を溶融し、成形する(S13)。そして、得られて成形体に磁界を印加する(S14)。ただし、磁界の印加は成形工程が完了した後ではなく、成形工程中に樹脂組成物を溶融しながら行っても構わない(S23)。すなわち、磁界は樹脂成形体に対して印加しても良いし、樹脂組成物に対して印加しても良い。
樹脂組成物を溶融し、成形する手段は特に限定されない。例えば、射出成形、トランスファー成形、プレス成形、押出成形、圧縮成形といった手段を挙げることができる。なお、成形によって得られる成形体の形状は特に制限されず、所望する形状に応じて決定できる。
磁界を印加する手段は特に限定されないが、一例を以下に記載する。射出成形機の金型のキャビティに樹脂組成物を充填する。金型の温度を上げて、その樹脂組成物を溶融させているときに、金型の上下方向に配置された一対の第1のコイルに電流を印加し磁力を印加する。成形体を得た後に、配向した成形体に対し、その成形体の上下方向に配置された一対の第2のコイルに電流を印加し、着磁磁界をさらに与えることによって、本開示の樹脂成形体を得ることができる。すなわち本開示の樹脂成形体は磁場配向体である。
配向した成形体に着磁する手段としては、印加する電流の波形がパルス形状であるパルス着磁法が好ましい。着磁磁界は500kA/m以上1500kA/m以下の範囲であることが好ましい。着磁磁界が500kA/m未満であると、磁性粉末の保磁力に対して配向磁界が十分でなく、所望の磁気特性が得られなくなるおそれがある。一方、1500kA/mを超える場合、配向磁界を発生させるために大電流が必要となるため、コイルの断線等により装置寿命が短くなるおそれがある。なお、磁界を印加する手段はコイルに限られず、永久磁石のような磁性体であっても構わない。
以下、実施例を挙げて具体的に説明する。
まず、樹脂組成物および樹脂成形体の評価方法について説明する。
(非磁性粉末の見掛け密度の測定方法)
見掛け密度とは、試料である粒子の質量を試料の外形容積で割った値である。なお、粒子内部に空隙が存在する場合、粒子内部の空隙は体積とみなす。一般にピクノメーター法、JIS R-1620で測定することができるが、実施例では、次のようにして求めた。質量を測定した試料について、乾式自動密度計(マイクロメリティックス社製:アキュピック1330)を用い体積を測定し、見掛け密度を算出した。測定に使用したガスは窒素であり、測定温度は25℃とした。
(樹脂成形体の成形収縮率の測定方法)
成形収縮率は、次のようにして求めた。射出成型機にて、シャルピー片を作製した。なお、金型の寸法は、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmである。型から取り出して25℃で10時間冷却した後、試料の長さ、幅および厚みを測定し、成形品体積を算出した。成形収縮率の算出には次式を用いた。
成形収縮率(%)=((金型キャビティ体積-成形品体積)/金型キャビティ体積)×100
また、成形収縮率は0.6%以下であれば良好であり、評価をAとした。また、0.6%より大きなものをBとした。
(残留磁束密度の測定方法)
残留磁束密度は樹脂成形体を用いて測定した。測定には、振動試料型磁力計(東英工業株式会社製:VSM-5HSC)を用い、温度は25℃とした。成形体の配向方向に外部磁場を印加し、印加磁場は+/-2390kA/mとした。なお、残留磁束密度はペレット状の樹脂組成物でも測定可能である。
また、残留磁束密度は、2700G以上であれば、十分な磁気特性であり、評価をAとした。また、2700G未満をBと評価した。
(非磁性粉末の含有量の測定法)
樹脂組成物に含有される樹脂に対し、溶媒を用いて溶解させた後、遠心分離を行い、上澄み液を除去した。沈殿物はエタノール等の揮発溶媒を用いて数回洗浄し、十分に乾燥させた。乾燥させた沈殿物から、永久磁石で磁気的に磁性粉末を分離することで、非磁性粉末を単離した。非磁性粉末の体積測定には、乾式自動密度計(マイクロメリティックス社製:アキュピック1330)を使用した。非磁性粉末の体積と試料の体積を比較することで、非磁性粉末の含有量を算出した。
(実施例1)
(樹脂組成物の作製)
樹脂として、熱可塑性樹脂であるポリアミド12:宇部興産株式会社製UBESTA 3012U(A-1)を用意した。磁性粉末として、希土類系磁性粉末であるNd-Fe-B系磁性粉末:マグネクエンチ社製MQP-10-8.5HD(B-1)を用意した。非磁性粉末として、フライアッシュバルーン:巴工業株式会社製Cenoliteを重量分級機を用いて、見かけ密度を0.82g/cmに調整した粉末(C-1)を用意した。
これらの配合比が(A-1)23.3体積%,(B-1)56.8体積%,(C-1)19.9体積%となるように配合し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間攪拌し、混合物を得た。得られた混合物を、ホットカット装置を接続した混練機(池貝社製:2軸混練機PCM-30)を用いて、混練することによって、ペレット状の樹脂組成物を得た。
(樹脂成形体の作製)
得られたペレット状の樹脂組成物について、射出成型機を用い、金型に50kA/mの磁界を印加した状態で、磁性粉末の結晶方位を揃えながら長さ80mm×幅10mm×厚み4mmの直方体に成形した。シリンダ温度を290℃、金型温度を150℃にそれぞれ設定し、実施例1の樹脂成形体を得た。
(評価)
実施例1の樹脂成形体の残留磁束密度を測定したところ、3200Gであり、良好な磁気特性が得られた。また、成形収縮率を測定したところ、0.2%であった。
既知体積(3.19cm)の成形体をヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させた後、遠心分離を行い、上澄み液を除去した。沈殿物はエタノールを用いて数回洗浄し、十分に乾燥させた。乾燥させた沈殿物から、永久磁石で磁気的に磁性粉末を分離することで、非磁性粉末を単離した。非磁性粉末の体積を測定したところ、0.64cmであり、成形体中の非磁性粉末の割合は19.9体積%と算出された。
(実施例2~15)
実施例2は、(C-1)の代わりに、重量分級機を使用し見かけ密度を0.70g/cmに調整したCenolite(C-2)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例2の樹脂成形体を得た。
実施例3は、(C-1)の代わりに、重量分級機を使用し見かけ密度を1.00g/cmに調整したCenolite(C-3)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例3の樹脂成形体を得た。
実施例4は、(A-1)の配合量を35.2体積%,(C-1)の配合量を8.0体積%とした点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例4の樹脂成形体を得た。
実施例5は、(A-1)の配合量を8.2体積%,(C-1)の配合量を35.0体積%とした点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例5の樹脂成形体を得た。
実施例6は、樹脂として(A-1)の代わりに熱可塑性樹脂であるポリアミド6(A-2)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例6の樹脂成形体を得た。
実施例7は、樹脂として(A-1)の代わり熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(A-3)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例7の樹脂成形体を得た。
実施例8は、非磁性粉末として(C-1)の代わりにシラスバルーン(C-4)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例8の樹脂成形体を得た。
実施例9は、非磁性粉末として(C-1)の代わりに中空のポリエステル中空粒子(C-5)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例9の樹脂成形体を得た。
実施例10は、非磁性粉末として(C-1)の代わりにフェノール樹脂の中空粒子(C-6)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例10の樹脂成形体を得た。
実施例11は、ヘンシェルミキサーで混合することなく、各材料を重量フィーダーで混練機に供給した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例11の樹脂成形体を得た。
実施例12は、混練機にプラコー社製Φ40mm単軸押出し機を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例12の樹脂成形体を得た。
実施例13は、ホットカット装置の代わりに、水槽とコールドカットペレタイザを用いて点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例13の樹脂成形体を得た。
実施例14は、水槽の代わりに水冷コンベアを用いた点が実施例13と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例14の樹脂成形体を得た。
実施例15は、混練機にニーダーを用いて、得られた混錬物を粉砕した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例15の樹脂成形体を得た。
(比較例1)
比較例1は、非磁性粉末として(C-1)の代わりに見掛け密度が0.60g/cmのソーダ石灰ホウケイ酸ガラス(C-7)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、比較例1の樹脂成形体を得た。
(比較例2)
比較例2は、(C-1)の代わりに重量分級機を使用し見掛け密度を1.10g/cmに調整したフライアッシュバルーン(C-8)を用いた点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、比較例2の樹脂成形体を得た。
(比較例3)
比較例3は、(A-1)の配合量を38.2体積%,(C-1)の配合量を5.0体積%とした点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、比較例3の樹脂成形体を得た。
(比較例4)
比較例4は、(A-1)の配合量を2.2体積%,(C-1)の配合量を41.0体積%とした点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法により、比較例4の樹脂成形体を得た。
(参考例1)
参考例1は、(A-1)の配合量を48.2体積%,磁性粉末として(B―1)の代わりに希土類系磁性粉末であるNd-Fe-B系磁性粉末(B-2)を用いて配合量を51.8体積%とし、非磁性粉末を用いなかった点が実施例13と異なる。それ以外の点は実施例13と同様の方法により、参考例1の樹脂成形体を得た。
(参考例2)
参考例1は、(A-1)の配合量を43.2体積%,(B-2)の配合量を56.8体積%とした点が参考例1と異なる。それ以外の点は参考例1と同様の方法により、参考例2の樹脂成形体を得た。
(参考例3)
参考例3は、(A-1)の配合量を37.3体積%,(B-2)の配合量を62.7体積%とした点が参考例1と異なる。それ以外の点は参考例1と同様の方法により、参考例3の樹脂成形体を得た。
(参考例4)
参考例4は、(B-2)の代わりに希土類系磁性粉末であるNd-Fe-B系磁性粉末(B-3)を用いた点が参考例2と異なる。それ以外の点は参考例2と同様の方法により、参考例4の樹脂成形体を得た。
(参考例5)
参考例5は、(B-2)の代わりに希土類系磁性粉末であるNd-Fe-B系磁性粉末(B-4)を用いた点が参考例2と異なる。それ以外の点は参考例2と同様の方法により、参考例5の樹脂成形体を得た。
(参考例6)
参考例6は、(A-1)の代わりに熱可塑性樹脂であるポリアミド12(A-4)を用いた点が参考例2と異なる。それ以外の点は参考例2と同様の方法により、参考例6の樹脂成形体を得た。
(評価結果)
実施例1~15、比較例1~4および参考例1~6の樹脂、磁性粉末および非磁性粉末の含有量を表1にまとめる。
Figure 2022152228000002
実施例1~15、比較例1~4および参考例1~6の樹脂成形体の磁気特性および成形収縮率を表2にまとめた。
Figure 2022152228000003
なお、表1の種類の欄に示した、英数字は以下のことである。
(A)樹脂
A-1:宇部興産株式会社製UBESTA 3012U(ポリアミド12)
A-2:ユニチカ株式会社製ユニチカナイロン6 A1015LP-20(ポリアミド6)
A-3:ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン株式会社製ライトン(登録商標)QA200N(ポリフェニレンサルファイド)
A-4:ダイセルエボニック株式会社製ダイアミドZZ3000P(ポリアミド12)
(B)磁性粉末
B-1:マグネクエンチ社製MQP-10-8.5HD(Nd-Fe-B系磁性粉末)
B-2:Yuhong Magnetic Materials Co. Ltd.社製YMM9-6(Nd-Fe-B系磁性粉末)
B-3:Yuhong Magnetic Materials Co. Ltd.社製YMM-H13-9(Nd-Fe-B系磁性粉末)
B-4:Zhe Jiang Zhao-Ri-Ke Magnet Industries Co., Ltd.社製ZRK-B-8.5M(Nd-Fe-B系磁性粉末)
(C)非磁性粉末
C-1:巴工業株式会社製Cenolite(フライアッシュバルーン、見かけ密度0.82g/cm
C-2:巴工業株式会社製Cenolite(フライアッシュバルーン、見かけ密度0.70g/cm
C-3:巴工業株式会社製Cenolite(フライアッシュバルーン、見かけ密度1.0g/cm
C-4:巴工業株式会社製マールライトBA15(シラスバルーン、見かけ密度0.82g/cm)、
C-5:株式会社クレハ製クレハスフェアJ(ポリエステル、見かけ密度0.84g/cm
C-6:ユニオンカーバイド社製PHENOLIC MICROBALOONS(フェノール、見かけ密度0.79g/cm
C-7:スリーエム社製iM30K(ソーダ石灰ホウケイ酸ガラス、見かけ密度0.60g/cm
C-8:巴工業株式会社製Cenolite(フライアッシュバルーン、見かけ密度1.1g/cm
実施例1~15で作製した樹脂成形体はいずれも、残留磁束密度および成形収縮率の判定がAと良好であった。一方、比較例1~4で作製した樹脂成形体は残留磁束密度および成形収縮率の判定の少なくとも一方がBであった。
比較例1は、非磁性粉末の見かけ密度が0.70g/cmより小さいため、残留磁束密度が小さかった。
比較例2は、非磁性粉末の見かけ密度が1.0g/cmより大きいため、残留磁束密度が小さかった。
比較例3は、非磁性粉末の含有量が8体積%以下と小さいため、成形収縮率が大きかった。
比較例4は、非磁性粉末の含有量が40体積%以上であり、樹脂の含有量が少なかったため、粘度が増加し、ペレット状にすることができなかった。
以上より、非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であって、非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であると、磁気特性と寸法精度に優れる樹脂成形体を提供できることが分かった。

Claims (12)

  1. 樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含む樹脂成形体であって、
    前記非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であって、
    前記非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であることを特徴とする樹脂成形体。
  2. 前記非磁性粉末が、無機粒子である請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記無機粒子が、アルミナシリケート中空粒子、アルミナ中空粒子、シリカ中空粒子、ムライト中空粒子およびフライアッシュバルーンからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項2記載の樹脂成形体。
  4. 前記無機粒子が、フライアッシュバルーンである請求項3記載の樹脂成形体。
  5. 前記樹脂の含有量が、8体積%以上40体積%以下の範囲である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  6. 前記樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミドである請求項6記載の樹脂成形体。
  8. 前記磁性粉末の含有量が、40体積%以上70体積%以下の範囲である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  9. 前記磁性粉末が、フェライト系磁性粉末および/または希土類系磁性粉末である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の樹脂成形体を有することを特徴とする物品。
  11. 樹脂と、磁性粉末および見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲である非磁性粉末と、を用意する工程と、
    前記非磁性粉末の含有量が8体積より多く、かつ40体積%以下になるように、前記樹脂と、前記磁性粉末および前記非磁性粉末と、を混合し樹脂組成物を得る工程と、
    前記樹脂組成物を溶融して成形し、樹脂成形体を得る工程と、
    前記樹脂組成物および/または前記樹脂成形体に磁界を印加する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  12. 樹脂と、磁性粉末と、非磁性粉末と、を含む樹脂組成物であって、
    前記非磁性粉末の見掛け密度が0.70g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であって、
    前記非磁性粉末の含有量が8体積%より多く、かつ、40体積%以下の範囲であることを特徴とする樹脂組成物。
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