JP2022152140A - 磁気冷凍装置及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置全体としてコストを抑えつつ、極数を増やす。【解決手段】磁場印加部(20)は、1つの磁場発生部(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。第1コア(30)は、磁場発生部(21)の一方の磁極側に設けられる。第2コア(40)は、磁場発生部(21)の他方の磁極側に設けられる。第1コア(30)と第2コア(40)との間には、第1方向に第1間隔の2倍以上の第2間隔をあけて、3つ以上の磁気ギャップが設けられる。【選択図】図5

Description

本開示は、磁気冷凍装置及び冷凍装置に関するものである。
特許文献1には、複数の収容部にそれぞれ永久磁石が収容され、収容部における永久磁石よりも材料容器に近い部分に設けられた2つの極部(突出部分)から磁性材料に磁場を印加するようにした磁気ヒートポンプ装置が開示されている。
国際公開第2019/150819号
ところで、特許文献1の発明では、2つの極部を構成するために、4つの永久磁石を設ける必要がある。そのため、極数を増やそうとすると、永久磁石の枚数が増えてしまい、組立工数や部品コストが増大するという問題がある。
本開示の目的は、装置全体としてコストを抑えつつ、極数を増やすことにある。
本開示の第1の態様は、第1方向に所定の第1間隔をあけて配置された複数の磁気作業物質(11)と、前記磁気作業物質(11)に対して前記第1方向に相対移動するとともに、前記磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する磁場印加部(20)と、を備え、前記磁場印加部(20)は、1つの磁場発生部(21)と、前記磁場発生部(21)の一方の磁極側に設けられた第1コア(30)と、前記磁場発生部(21)の他方の磁極側に設けられた第2コア(40)と、を有し、前記第1コア(30)と前記第2コア(40)との間には、前記第1方向に前記第1間隔の2倍以上の第2間隔をあけて、3つ以上の磁気ギャップが設けられる磁気冷凍装置である。
第1の態様では、複数の磁気作業物質(11)は、第1方向に第1間隔をあけて配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。磁場印加部(20)は、1つの磁場発生部(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。第1コア(30)は、磁場発生部(21)の一方の磁極側に設けられる。第2コア(40)は、磁場発生部(21)の他方の磁極側に設けられる。第1コア(30)と第2コア(40)との間には、第1方向に第1間隔の2倍以上の第2間隔をあけて、3つ以上の磁気ギャップが設けられる。
これにより、磁場発生部(21)の数を増やすことなく極数を増やすことができ、装置の小型化を図るとともに、組立工数を低減することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様の磁気冷凍装置において、前記相対移動は、所定の軸心周りに回転する相対回転移動であり、前記第1方向は、周方向である。
第2の態様では、磁気作業物質(11)に対して磁場印加部(20)を相対回転移動させる磁気冷凍装置を提供できる。
本開示の第3の態様は、第2の態様の磁気冷凍装置において、前記磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成され、前記第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有し、前記第2コア(40)は、径方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる。
第3の態様では、磁気作業物質(11)の軸方向に沿って磁束を流すことができる。
本開示の第4の態様は、第2の態様の磁気冷凍装置において、前記磁場発生部(21)は、径方向に磁場を発生するように構成され、前記第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有し、前記第2コア(40)は、径方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる。
第4の態様では、磁気作業物質(11)の軸方向に沿って磁束を流すことができる。
本開示の第5の態様は、第2の態様の磁気冷凍装置において、前記磁場発生部(21)は、径方向に磁場を発生するように構成され、前記第1コア(30)は、軸方向に延びる第1突部を有し、前記第2コア(40)は、軸方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる。
第5の態様では、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
本開示の第6の態様は、第2の態様の磁気冷凍装置において、前記磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成され、前記第1コア(30)は、軸方向に延びる第1突部(35)を有し、前記第2コア(40)は、軸方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる。
第6の態様では、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
本開示の第7の態様は、第2の態様の磁気冷凍装置において、前記磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成され、前記第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有し、前記第2コア(40)は、軸方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる。
第7の態様では、磁気作業物質(11)の面内方向に沿って磁束を流すことができる。
本開示の第8の態様は、第3~7の態様のいずれか1つの磁気冷凍装置において、前記磁気作業物質(11)は、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間で且つ磁気抵抗が最も小さくなる位置に配置される。
第8の態様では、第1突部(35)と第2突部(45)との間の漏れ磁束を低減することができる。
本開示の第9の態様は、第3~7の態様のいずれか1つの磁気冷凍装置において、前記磁気作業物質(11)は、前記第1突部(35)及び前記第2突部(45)の先端部に対向する位置に配置される。
第9の態様では、磁路長が短くなるため、装置全体としてコンパクト化を図るとともに、磁束密度を向上させることができる。
本開示の第10の態様は、第1~9の態様のいずれか1つの磁気冷凍装置(10)と、冷凍サイクルを行って前記磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える冷凍装置である。
第10の態様では、磁気冷凍装置(10)を備えた冷凍装置を提供できる。
図1は、実施形態1の冷凍装置の配管系統図である。 図2は、磁気冷凍装置の構成を示す斜視図である。 図3は、磁気冷凍装置の構成を示す分解斜視図である。 図4は、磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図5は、図4のA-A矢視断面図である。 図6は、実施形態1の変形例を示す平面図である。 図7は、図6のB-B矢視断面図である。 図8は、実施形態2の磁気冷凍装置の構成を示す斜視図である。 図9は、磁気冷凍装置の構成を示す分解斜視図である。 図10は、磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図11は、図10のC-C矢視断面図である。 図12は、実施形態2の変形例を示す側面断面図である。 図13は、実施形態3の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図14は、図13のD-D矢視断面図である。 図15は、実施形態3の変形例を示す側面断面図である。 図16は、実施形態4の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図17は、図16のE-E矢視断面図である。 図18は、実施形態4の変形例を示す側面断面図である。 図19は、実施形態5の磁気冷凍装置の構成を示す分解斜視図である。 図20は、磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図21は、図20のF-F矢視断面図である。 図22は、実施形態5の変形例を示す側面断面図である。 図23は、実施形態6の磁気冷凍装置の構成を示す分解斜視図である。 図24は、磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図25は、図24のG-G矢視断面図である。 図26は、実施形態7の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図27は、図26のH-H矢視断面図である。 図28は、実施形態8の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図29は、図28のI-I矢視断面図である。 図30は、実施形態9の磁気冷凍装置の構成を示す平面図である。 図31は、図30のJ-J矢視断面図である。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。
図1に示すように、冷凍装置(1)は、熱媒体回路(2)を備える。冷凍装置(1)は、例えば、空気調和装置に適用される。熱媒体回路(2)には、熱媒体が充填される。熱媒体は、例えば、冷媒、水、ブラインなどを含む。
冷凍装置(1)は、低温側熱交換器(3)と、高温側熱交換器(4)と、ポンプ(5)と、磁気冷凍装置(10)とを備える。磁気冷凍装置(10)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する。
熱媒体回路(2)は、閉ループ状に形成される。熱媒体回路(2)には、ポンプ(5)、低温側熱交換器(3)、磁気冷凍装置(10)、高温側熱交換器(4)が順に接続される。
熱媒体回路(2)は、低温側流路(2a)と、高温側流路(2b)とを含む。低温側流路(2a)は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)と、ポンプ(5)の第1ポート(6a)とを接続する。高温側流路(2b)は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)と、ポンプ(5)の第2ポート(6b)とを接続する。
〈低温側熱交換器及び高温側熱交換器〉
低温側熱交換器(3)は、磁気冷凍装置(10)で冷却された熱媒体と、所定の冷却対象(例えば、二次冷媒や空気など)とを熱交換させる。高温側熱交換器(4)は、磁気冷凍装置(10)で加熱された熱媒体と、所定の加熱対象(例えば、二次冷媒や空気など)とを熱交換させる。
〈ポンプ〉
ポンプ(5)は、第1動作と、第2動作とを交互に繰り返し行う。第1動作では、熱媒体回路(2)の熱媒体を図1で左方向に搬送する。第2動作では、熱媒体回路(2)の熱媒体を図1で右方向に搬送する。ポンプ(5)は、熱媒体回路(2)の熱媒体を往復的に流動させる搬送機構を構成する。
ポンプ(5)は、往復式のピストンポンプで構成される。ポンプ(5)は、ポンプケース(6)と、ピストン(7)とを備える。
ピストン(7)は、ポンプケース(6)の内部で進退可能に配置される。ピストン(7)は、ポンプケース(6)の内部を、第1室(S1)と第2室(S2)とに仕切る。ポンプケース(6)には、第1ポート(6a)と、第2ポート(6b)とが形成される。第1ポート(6a)は、第1室(S1)に連通する。第1ポート(6a)は、低温側流路(2a)に接続される。第2ポート(6b)は、第2室(S2)に連通する。第2ポート(6b)は、高温側流路(2b)に接続される。ピストン(7)は、駆動機構(図示省略)によって駆動される。
第1動作では、ピストン(7)が第1ポート(6a)側に移動する。第1動作では、第1室(S1)の容積が小さくなり且つ第2室(S2)の容積が大きくなる。この結果、第1室(S1)の熱媒体が第1ポート(6a)を通じて低温側流路(2a)に吐出される。同時に高温側流路(2b)の熱媒体が第2ポート(6b)を通じて第2室(S2)に吸い込まれる。
第2動作では、ピストン(7)が第2ポート(6b)側に移動する。第2動作では、第2室(S2)の容積が小さくなり且つ第1室(S1)の容積が大きくなる。この結果、第2室(S2)の熱媒体が第2ポート(6b)を通じて高温側流路(2b)に吐出される。同時に低温側流路(2a)の熱媒体が第1ポート(6a)を通じて第1室(S1)に吸い込まれる。
〈制御部〉
冷凍装置(1)は、制御部(8)を備える。制御部(8)は、所定の運転指令に応じて、ポンプ(5)及び磁気冷凍装置(10)の動作を制御する。制御部(8)は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリデバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成される。
〈磁気冷凍装置〉
図2~図5に示すように、磁気冷凍装置(10)は、磁気作業物質(11)と、磁場印加部(20)と、回転機構(15)とを備える。
磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。なお、磁気作業物質(11)は、印加された磁場が強くなることでも発熱する。磁気作業物質(11)は、印加された磁場が弱くなることでも吸熱する。
磁気作業物質(11)の材料としては、例えば、Gd5(Ge0.5Si0.54、La(Fe1-xSix13、La(Fe1-xCoxSiy13、La(Fe1-xSix13y、Mn(As0.9Sb0.1)等を用いることができる。
磁気作業物質(11)は、周方向に所定の第1間隔をあけて複数配置される。図3に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
回転機構(15)は、回転軸(16)と、モータ(17)とを有する。回転軸(16)は、モータ(17)に連結される。モータ(17)は、回転軸(16)を回転させる。回転軸(16)には、磁場印加部(20)が連結される。
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。具体的に、磁場印加部(20)は、モータ(17)の回転に伴って、回転軸(16)とともに軸心周りに回転する。これにより、磁気作業物質(11)に対して、磁場印加部(20)が相対回転移動する。つまり、第1方向は、周方向である。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)(磁場発生部)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。永久磁石(21)の材料としては、例えば、Nd-Fe-B系の磁石や、SmCo系の磁石を用いることができる。
第1コア(30)及び第2コア(40)は、磁性材料で構成される。第1コア(30)は、永久磁石(21)の一方の磁極側に設けられる。第2コア(40)は、永久磁石(21)の他方の磁極側に設けられる。第1コア(30)及び第2コア(40)は、軸方向に間隔をあけて配置される。第1コア(30)及び第2コア(40)の中心部には、回転軸(16)が連結される。
ここで、第1コア(30)及び第2コア(40)が回転軸(16)を介して短絡されないように、回転軸(16)を非磁性材料で構成するのが好ましい。また、第1コア(30)及び第2コア(40)と、磁性材料で構成された回転軸(16)との間に、図示しない非磁性材料を介在させるようにしてもよい。
図5に示す例では、永久磁石(21)は、軸方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図5で上側)がN極、第2コア(40)側(図5で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1突部(35)とを有する。第1円盤部(31)には、回転軸(16)が連結される。第1突部(35)は、第1円盤部(31)から径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図4に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に4つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第1コア(30)の第2間隔は、磁気作業物質(11)の第1間隔よりも2倍以上離れている。
第2コア(40)には、第2円盤部(41)と、第2突部(45)とを有する。第2円盤部(41)には、回転軸(16)が連結される。第2突部(45)は、第2円盤部(41)から径方向外方に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図4に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に4つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第2コア(40)の第2間隔は、磁気作業物質(11)の第1間隔よりも2倍以上離れている。
第1コア(30)及び第2コア(40)は、軸方向から見て同じ形状に形成される。第1突部(35)及び第2突部(45)は、軸方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図4に示す例では、磁気ギャップが4つ設けられる。4つの磁気ギャップは、それぞれ異なる磁気作業物質(11)に磁場を印加するように配置される。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気作業物質(11)が配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、磁場印加部(20)を回転移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-冷凍装置の運転動作-
冷凍装置(1)の基本的な運転動作について、図1を用いて説明する。冷凍装置(1)は、加熱動作と、冷却動作とを交互に繰り返し行う。加熱動作と冷却動作とを切り換える周期は、例えば、0.1秒から1秒程度に設定される。
〈加熱動作〉
加熱動作では、ポンプ(5)が第1動作を行うとともに、磁場印加部(20)が第1磁場印加動作を行う。つまり、加熱動作では、ポンプ(5)の第1ポート(6a)から熱媒体が吐出される。同時に、磁気作業物質(11)に磁場が印加される。
ポンプ(5)の第1室(S1)から低温側流路(2a)に熱媒体が吐出されると、低温側流路(2a)の熱媒体は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)に流入する。第1磁場印加動作中の冷凍装置(1)では、磁気作業物質(11)からその周囲へ熱が放出される。このため、温調流路(10a)を流れる熱媒体は、磁気作業物質(11)によって加熱される。温調流路(10a)で加熱された熱媒体は、高温側流路(2b)に流出し、高温側熱交換器(4)を流れる。高温側熱交換器(4)では、高温の熱媒体によって所定の加熱対象(例えば、二次冷媒や空気など)が加熱される。高温側流路(2b)の熱媒体は、ポンプ(5)の第2ポート(6b)から第2室(S2)に吸い込まれる。
〈冷却動作〉
冷却動作では、ポンプ(5)が第2動作を行うとともに、磁場印加部(20)が第2磁場印加動作を行う。つまり、加熱動作では、ポンプ(5)の第2ポート(6b)から熱媒体が吐出されると同時に、磁気作業物質(11)の磁場が取り除かれる。
ポンプ(5)の第2室(S2)から高温側流路(2b)に熱媒体が吐出されると、高温側流路(2b)の熱媒体は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)に流入する。第2磁場印加動作中の冷凍装置(1)では、磁気作業物質(11)がその周囲の熱を奪う。このため、温調流路(10a)を流れる熱媒体は、磁気作業物質(11)によって冷却される。温調流路(10a)で冷却された熱媒体は、低温側流路(2a)に流出し、低温側熱交換器(3)を流れる。低温側熱交換器(3)では、低温の熱媒体によって所定の冷却対象(例えば、二次冷媒や空気など)が冷却される。低温側流路(2a)の熱媒体は、ポンプ(5)の第1ポート(6a)から第1室(S1)に吸い込まれる。
-実施形態1の効果-
本実施形態の特徴によれば、複数の磁気作業物質(11)は、第1方向に第1間隔をあけて配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。磁場印加部(20)は、1つの磁場発生部(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。第1コア(30)は、磁場発生部(21)の一方の磁極側に設けられる。第2コア(40)は、磁場発生部(21)の他方の磁極側に設けられる。第1コア(30)と第2コア(40)との間には、第1方向に第1間隔の2倍以上の第2間隔をあけて、3つ以上の磁気ギャップが設けられる。
これにより、磁場発生部(21)としての永久磁石(21)の数を増やすことなく極数を増やすことができ、装置の小型化を図るとともに、組立工数を低減することができる。
本実施形態の特徴によれば、相対移動は、所定の軸心周りに回転する相対回転移動であり、第1方向は、周方向である。
これにより、磁気作業物質(11)に対して磁場印加部(20)を相対回転移動させる磁気冷凍装置を提供できる。
本実施形態の特徴によれば、磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成される。第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有する。第2コア(40)は、径方向に延び且つ第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有する。磁気ギャップは、第1突部(35)と第2突部(45)との間に設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の軸方向に沿って磁束を流すことができる。
本実施形態の特徴によれば、磁気作業物質(11)は、第1突部(35)と第2突部(45)との間で且つ磁気抵抗が最も小さくなる位置に配置される。
これにより、第1突部(35)と第2突部(45)との間の漏れ磁束を低減することができる。
本実施形態の特徴によれば、磁気冷凍装置(10)と、冷凍サイクルを行って磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える。
これにより、磁気冷凍装置(10)を備えた冷凍装置(1)を提供できる。
-実施形態1の変形例-
実施形態1において、永久磁石(21)は、径方向に着磁されていてもよい。
図6及び図7に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に所定の第1間隔をあけて複数配置される。図6に示す例では、磁気作業物質(11)は、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1筒状部(32)と、第1突部(35)とを有する。第1筒状部(32)には、回転軸(16)が連結される。第1円盤部(31)は、第1筒状部(32)の図7で上端部に設けられる。第1突部(35)は、第1円盤部(31)から径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。
図6に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第1コア(30)の第2間隔は、磁気作業物質(11)の第1間隔よりも2倍以上離れている。
第2コア(40)は、第2筒状部(42)と、第2突部(45)とを有する。第2筒状部(42)の内径は、第1筒状部(32)の外径よりも大きい。第2筒状部(42)の筒内には、第1筒状部(32)が配置される。第1筒状部(32)と第2筒状部(42)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、第2筒状部(42)の図7で下端部から径方向外方に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図6に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第2コア(40)の第2間隔は、磁気作業物質(11)の第2間隔よりも2倍以上離れている。
図7に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図7で径方向内側)がN極、第2コア(40)側(図7で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)は、軸方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図6に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気作業物質(11)が配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。このとき、回転軸(16)が磁性体でも永久磁石(21)の磁束が漏れることはない。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。
図8~図11に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に所定の第1間隔をあけて複数配置される。図10に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1リング部(33)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、基端部から先端部にかけて、第1リング部(33)の図11で上面から軸方向(上方向)に延びた後で径方向内側に延びる。第1突部(35)は、第1リング部(33)の周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図10に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に4つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2リング部(43)と、第2突部(45)とを有する。第2リング部(43)の外径は、第1リング部(33)の内径よりも小さい。第2リング部(43)は、第1リング部(33)の内部に配置される。第1リング部(33)と第2リング部(43)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2リング部(43)の図11で上面から軸方向(上方向)に延びた後で径方向外方に延びる。第2突部(45)は、第2リング部(43)の周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図10に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に4つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
図11に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図11で径方向外側)がN極、第2コア(40)側(図11で径方向内側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、径方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図10に示す例では、磁気ギャップが4つ設けられる。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気作業物質(11)が配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
-実施形態2の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場発生部(21)は、径方向に磁場を発生するように構成される。第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有する。第2コア(40)は、径方向に延び且つ第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有する。磁気ギャップは、他の位置より磁気抵抗が小さい第1突部(35)と第2突部(45)との間に設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の軸方向に沿って磁束を流すことができる。
-実施形態2の変形例-
実施形態2において、第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部が軸方向に延びる構成としてもよい。
図12に示すように、第1コア(30)は、第1リング部(33)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、第1リング部(33)の図12で上面から軸方向(上方向)に延びる。第1突部(35)は、第1リング部(33)の周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。
第2コア(40)は、第2リング部(43)と、第2突部(45)とを有する。第2リング部(43)の外径は、第1リング部(33)の内径よりも小さい。第2リング部(43)は、第1リング部(33)の内部に配置される。第1リング部(33)と第2リング部(43)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、第2リング部(43)の図12で上面から軸方向(上方向)に延びる。第2突部(45)は、第2リング部(43)の周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。
図12に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図12で径方向外側)がN極、第2コア(40)側(図12で径方向内側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1コア(30)及び第2コア(40)の先端部は、径方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気作業物質(11)が配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
-実施形態2の変形例の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場発生部(21)は、径方向に磁場を発生するように構成される。第1コア(30)は、軸方向に延びる第1突部を有する。第2コア(40)は、軸方向に延び且つ第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有する。磁気ギャップは、第1突部(35)と第2突部(45)との間に設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
《実施形態3》
実施形態3について説明する。
図13及び図14に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に所定の第1間隔をあけて複数配置される。図13に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、円筒状に形成される。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1突部(35)とを有する。第1円盤部(31)には、回転軸(16)が連結される。第1突部(35)は、基端部から先端部にかけて、第1円盤部(31)から径方向外方に延びた後で軸方向(図14で下方向)に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図13に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
第2コア(40)は、第2円盤部(41)と、第2突部(45)とを有する。第2円盤部(41)には、回転軸(16)が連結される。第1円盤部(31)と第2円盤部(41)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2円盤部(41)から径方向外方に延びた後で軸方向(図14で上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図13に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
図14に示す例では、永久磁石(21)は、軸方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図14で上側)がN極、第2コア(40)側(図14で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、径方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図13に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気作業物質(11)が配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
-実施形態3の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成される。第1コア(30)は、軸方向に延びる第1突部(35)を有する。第2コア(40)は、軸方向に延び且つ第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有する。磁気ギャップは、第1突部(35)と第2突部(45)との間に設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
-実施形態3の変形例-
実施形態3において、永久磁石(21)は、径方向に着磁されていてもよい。
図15に示すように、第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1筒状部(32)と、第1突部(35)とを有する。第1筒状部(32)には、回転軸(16)が連結される。第1円盤部(31)は、第1筒状部(32)の図15で上端部に設けられる。
第1突部(35)は、基端部から先端部にかけて、第1円盤部(31)から径方向外方に延びた後で軸方向(図15で下方向)に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2円盤部(41)と、第2筒状部(42)と、第2突部(45)とを有する。第2筒状部(42)の内径は、第1筒状部(32)の外径よりも大きい。第2筒状部(42)の筒内には、第1筒状部(32)が配置される。第1筒状部(32)と第2筒状部(42)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2筒状部(42)の図15で下端部から径方向外方に延びた後で軸方向(図15で上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
図15に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図15で径方向内側)がN極、第2コア(40)側(図15で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、径方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気作業物質(11)が配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
《実施形態4》
実施形態4について説明する。
図16及び図17に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に所定の第1間隔をあけて複数配置される。図16に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、第1円盤部(31)から径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図16に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2円盤部(41)と、第2突部(45)とを有する。第2突部(45)は、第2円盤部(41)から径方向外方に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図16に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。第1円盤部(31)と第2円盤部(41)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
図17に示す例では、永久磁石(21)は、軸方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図17で上側)がN極、第2コア(40)側(図17で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、軸方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図16に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)よりも径方向外方に配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
-実施形態4の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部に対向する位置に配置される。
これにより、磁路長が短くなるため、装置全体としてコンパクト化を図るとともに、磁束密度を向上させることができる。さらに、磁気作業物質(11)が第1突部(35)及び第2突部(45)に囲まれていないため、磁気作業物質(11)への熱媒体への出し入れが容易である。
-実施形態4の変形例-
実施形態4において、永久磁石(21)は、径方向に着磁されていてもよい。
図18に示すように、第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1筒状部(32)と、第1突部(35)とを有する。第1筒状部(32)には、回転軸(16)が連結される。第1円盤部(31)は、第1筒状部(32)の図18で上端部に設けられる。第1突部(35)は、第1円盤部(31)から径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2筒状部(42)と、第2突部(45)とを有する。第2筒状部(42)の内径は、第1筒状部(32)の外径よりも大きい。第2筒状部(42)の筒内には、第1筒状部(32)が配置される。第1筒状部(32)と第2筒状部(42)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、第2筒状部(42)の図18で下端部から径方向外方に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。
図18に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図18で径方向内側)がN極、第2コア(40)側(図18で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、軸方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)よりも径方向外方に配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
《実施形態5》
実施形態5について説明する。
図19~図21に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図20に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、基端部から先端部にかけて、第1円盤部(31)から径方向外方に延びた後で軸方向(図21で下方向)に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図20に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2円盤部(41)と、第2突部(45)とを有する。第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2円盤部(41)から径方向外方に延びた後で軸方向(図21で上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図20に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。第1円盤部(31)と第2円盤部(41)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
図21に示す例では、永久磁石(21)は、軸方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図21で上側)がN極、第2コア(40)側(図21で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、周方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図20に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)よりも径方向外方に配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の周方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
-実施形態5の変形例-
実施形態5において、永久磁石(21)は、径方向に着磁されていてもよい。
図22に示すように、第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1筒状部(32)と、第1突部(35)とを有する。第1筒状部(32)には、回転軸(16)が連結される。第1円盤部(31)は、第1筒状部(32)の図22で上端部に設けられる。第1突部(35)は、基端部から先端部にかけて、第1円盤部(31)から径方向外方に延びた後で軸方向(図22で下方向)に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2筒状部(42)と、第2突部(45)とを有する。第2筒状部(42)の内径は、第1筒状部(32)の外径よりも大きい。第2筒状部(42)の筒内には、第1筒状部(32)が配置される。第1筒状部(32)と第2筒状部(42)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2筒状部(42)の図22で下端部において径方向外方に延びた後で軸方向(図22で上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して径方向内側に離れて配置される。
図22に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図22で径方向内側)がN極、第2コア(40)側(図22で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、周方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)よりも径方向外方に配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を径方向に対向させると、磁気作業物質(11)の周方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
《実施形態6》
実施形態6について説明する。
図23~図25に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図24に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、第1円盤部(31)から径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図24に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2円盤部(41)と、第2突部(45)とを有する。第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2円盤部(41)から径方向外方に延びた後で軸方向(図24で上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図24に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第1円盤部(31)と第2円盤部(41)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
図25に示す例では、永久磁石(21)は、軸方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図25で上側)がN極、第2コア(40)側(図25で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、周方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図24に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)から軸方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させると、磁気作業物質(11)の周方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
-実施形態6の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成される。第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有する。第2コア(40)は、軸方向に延び且つ第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有する。磁気ギャップは、第1突部(35)と第2突部(45)との間に設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の面内方向に沿って磁束を流すことができる。
《実施形態7》
実施形態7について説明する。
図26及び図27に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図26に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1筒状部(32)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、基端部から先端部にかけて、第1筒状部(32)の図26で上端部から軸方向(上方向)に延びた後で径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図26に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2筒状部(42)と、第2突部(45)とを有する。第2筒状部(42)の内径は、第1筒状部(32)の外径よりも大きい。第2筒状部(42)の筒内には、第1筒状部(32)が配置される。第1筒状部(32)と第2筒状部(42)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2筒状部(42)の図26で上端部から軸方向(上方向)に延びた後で径方向内方に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図26に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
図27に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図27で径方向内側)がN極、第2コア(40)側(図27で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、周方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図26に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)から軸方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させると、磁気作業物質(11)の周方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を周方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
《実施形態8》
実施形態8について説明する。
図28及び図29に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に所定の第1間隔をあけて複数配置される。図28に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1円盤部(31)と、第1突部(35)とを有する。第1円盤部(31)には、回転軸(16)が連結される。第1突部(35)は、第1円盤部(31)から径方向外方に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図28に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
第2コア(40)は、第2円盤部(41)と、第2突部(45)とを有する。第2円盤部(41)には、回転軸(16)が連結される。第1円盤部(31)と第2円盤部(41)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、基端部から先端部にかけて、第2円盤部(41)から径方向外方に延びた後で軸方向(図29で上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数配置される。図28に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
図29に示す例では、永久磁石(21)は、軸方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図29で上側)がN極、第2コア(40)側(図29で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、径方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図28に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)に対して軸方向に対向する。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
《実施形態9》
実施形態9について説明する。
図30及び図31に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図30に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に16個配置される。
磁場印加部(20)は、1つの永久磁石(21)と、第1コア(30)と、第2コア(40)とを有する。永久磁石(21)は、例えば、リング状に形成される。
第1コア(30)は、第1筒状部(32)と、第1突部(35)とを有する。第1突部(35)は、第1筒状部(32)の図31で上端部から軸方向(上方向)に延びる。第1突部(35)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図30に示す例では、第1突部(35)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第1突部(35)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
第2コア(40)は、第2筒状部(42)と、第2突部(45)とを有する。第2筒状部(42)の内径は、第1筒状部(32)の外径よりも大きい。第2筒状部(42)の筒内には、第1筒状部(32)が配置される。第1筒状部(32)と第2筒状部(42)との間には、永久磁石(21)が挟み込まれる。
第2突部(45)は、第2筒状部(42)の図31で上端部から軸方向(上方向)に延びる。第2突部(45)は、周方向に所定の第2間隔をあけて複数設けられる。図30に示す例では、第2突部(45)が、周方向に等間隔に8つ配置される。第2突部(45)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
図31に示す例では、永久磁石(21)は、径方向に着磁される。永久磁石(21)は、第1コア(30)側(図31で径方向内側)がN極、第2コア(40)側(図31で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(21)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1突部(35)及び第2突部(45)の先端部は、径方向に対向する。第1突部(35)及び第2突部(45)は、磁場印加部(20)の磁極(25)を構成する。第1突部(35)及び第2突部(45)の間には、磁気ギャップが設けられる。図30に示す例では、磁気ギャップが8つ設けられる。磁気作業物質(11)は、第1突部(35)及び第2突部(45)から軸方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(35)及び第2突部(45)を軸方向に対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(21)から第1コア(30)の第1突部(35)に向かって磁束が流れる。第1突部(35)から第2突部(45)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。第2コア(40)の第2突部(45)から永久磁石(21)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、磁場発生部として、永久磁石(21)を用いるようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、磁場発生部として、電磁石を用いるようにしてもよい。
前記実施形態では、リング状の永久磁石(21)を用いるようにしたが、例えば、多角形状の永久磁石(21)を用いるようにしてもよい。また、永久磁石(21)の組立作業性を考慮して、例えば、永久磁石(21)を二分割した構成とし、組立後にリング状の永久磁石(21)となるようにしてもよい。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書及び特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、磁気冷凍装置及び冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
2 熱媒体回路
10 磁気冷凍装置
11 磁気作業物質
20 磁場印加部
21 永久磁石(磁場発生部)
30 第1コア
35 第1突部
40 第2コア
45 第2突部

Claims (10)

  1. 第1方向に所定の第1間隔をあけて配置された複数の磁気作業物質(11)と、
    前記磁気作業物質(11)に対して前記第1方向に相対移動するとともに、前記磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する磁場印加部(20)と、を備え、
    前記磁場印加部(20)は、1つの磁場発生部(21)と、前記磁場発生部(21)の一方の磁極側に設けられた第1コア(30)と、前記磁場発生部(21)の他方の磁極側に設けられた第2コア(40)と、を有し、
    前記第1コア(30)と前記第2コア(40)との間には、前記第1方向に前記第1間隔の2倍以上の第2間隔をあけて、3つ以上の磁気ギャップが設けられる
    磁気冷凍装置。
  2. 請求項1の磁気冷凍装置において、
    前記相対移動は、所定の軸心周りに回転する相対回転移動であり、
    前記第1方向は、周方向である
    磁気冷凍装置。
  3. 請求項2の磁気冷凍装置において、
    前記磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成され、
    前記第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有し、
    前記第2コア(40)は、径方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、
    前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる
    磁気冷凍装置。
  4. 請求項2の磁気冷凍装置において、
    前記磁場発生部(21)は、径方向に磁場を発生するように構成され、
    前記第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有し、
    前記第2コア(40)は、径方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、
    前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる
    磁気冷凍装置。
  5. 請求項2の磁気冷凍装置において、
    前記磁場発生部(21)は、径方向に磁場を発生するように構成され、
    前記第1コア(30)は、軸方向に延びる第1突部を有し、
    前記第2コア(40)は、軸方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、
    前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる
    磁気冷凍装置。
  6. 請求項2の磁気冷凍装置において、
    前記磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成され、
    前記第1コア(30)は、軸方向に延びる第1突部(35)を有し、
    前記第2コア(40)は、軸方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、
    前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる
    磁気冷凍装置。
  7. 請求項2の磁気冷凍装置において、
    前記磁場発生部(21)は、軸方向に磁場を発生するように構成され、
    前記第1コア(30)は、径方向に延びる第1突部(35)を有し、
    前記第2コア(40)は、軸方向に延び且つ前記第1突部(35)に対向する第2突部(45)を有し、
    前記磁気ギャップは、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間に設けられる
    磁気冷凍装置。
  8. 請求項3~7のいずれか1つの磁気冷凍装置において、
    前記磁気作業物質(11)は、前記第1突部(35)と前記第2突部(45)との間で且つ磁気抵抗が最も小さくなる位置に配置される
    磁気冷凍装置。
  9. 請求項3~7のいずれか1つの磁気冷凍装置において、
    前記磁気作業物質(11)は、前記第1突部(35)及び前記第2突部(45)の先端部に対向する位置に配置される
    磁気冷凍装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1つの磁気冷凍装置(10)と、
    冷凍サイクルを行って前記磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える
    冷凍装置。
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