JP2012237545A - 磁気ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転効率を向上することが可能な磁気ヒートポンプ装置を提供すること。
【解決手段】圧力弁42a、蓄圧タンク41aにより冷媒流れを止め磁場印加除去手段32により励磁する第1ステップ、圧力弁42aを開いて作業室311内の他端部311bから一端部311aへ冷媒を流通しつつ冷媒の流速に応じた増加率で励磁する第2ステップ、圧力弁42b、蓄圧タンク41bより冷媒流れを止め磁場印加除去手段32により減磁する第3ステップ、圧力弁42bを開いて作業室311内の一端部311aから他端部311bへ冷媒を流通しつつ冷媒の流速に応じた減少率で減磁する第4ステップを、順に繰り返すサイクル運転を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気作業物質の磁気熱量効果を利用した磁気ヒートポンプ装置に関する。
従来から、磁気作業物質からなる磁気熱量素子を、磁気的に作動および作動解除するとともに、磁気的な作動段階および作動解除段階と同期するように、磁気熱量素子の両側の高温室および低温室に向かって磁気熱量素子を通過するように冷却液を交互に流し、熱移動を行う磁気ヒートポンプ装置がある。このような装置では、磁気的な作動段階および作動解除段階の最中に、磁気熱量素子を通過する冷却液の通過方向を逆転させ、常に冷却液が往復流動するようになっている(例えば、下記特許文献1参照。)。
仏国特許出願公開第2943406号明細書
しかしながら、上記特許文献1には、磁気ヒートポンプ装置において磁気熱量素子に印加される磁場の増減率と冷却液の移動速さとの関係について何ら開示されておらず、理想的な熱サイクルの一例であるカルノーサイクルから乖離してしまい、充分な運転効率が得難いという問題がある。
本発明者らは、この問題点について鋭意検討を行い、磁場が増減する際の変化率と熱媒体である冷却液の移動速さとを所定の関係に調整すれば、略等温状態で磁気熱量素子を励磁および減磁することが可能であり、理想的な熱サイクルからの乖離度を低減できることを見出した。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、運転効率を向上することが可能な磁気ヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
磁気熱量効果を有する磁気作業物質(30)が配置されるとともに熱媒体が流通する作業室(311)が形成された容器(31)と、
磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを変更する磁場変更手段(32)と、
磁気作業物質(30)を挟む作業室(311)の両端部のうち、一端部(311a)側と他端部(311b)側との間で熱媒体を往復移動させる熱媒体移動手段(34A、34B)と、
一端部(311a)側の熱媒体が有する熱を外部へ放熱する放熱手段(13)と、
他端部(311b)側の熱媒体へ外部の熱を吸熱する吸熱手段(12)と、を備え、
磁気作業物質(30)を昇温させる第1ステップと、
第1ステップで昇温した磁気作業物質(30)に対し磁場変更手段(32)によって印加する磁場の大きさを増大させつつ、熱媒体移動手段(34A、34B)によって他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させる第2ステップと、
第2ステップの後、磁気作業物質(30)を降温させる第3ステップと、
第3ステップで降温した前記磁気作業物質(30)に対し磁場変更手段(32)によって印加する磁場の大きさを減少させつつ、熱媒体移動手段(34A、34B)によって一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させる第4ステップとを、
第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で繰り返して動作するヒートポンプサイクルによって、吸熱手段(12)で吸熱した熱を放熱手段(13)から放熱する磁気ヒートポンプ装置であって、
第2ステップおよび第4ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)による熱媒体の移動の速さが速いときほど磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、熱媒体移動手段(34A、34B)と磁場変更手段(32)とが連動することを特徴としている。
これによると、第2ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)は、他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させる。これに加えて、磁場変更手段(32)は、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの増大率が大きくなるように、磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを増大させる。
したがって、熱媒体の移動の速さが速く磁気作業物質から熱媒体への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増大率を大きくして磁気作業物質における発熱量(生成発熱量)を大きくする。これにより、第2ステップにおいて、磁気作業物質をほぼ等温状態とすることが可能である。
また、第4ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)は、一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させる。これに加えて、磁場変更手段(32)は、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの減少率が大きくなるように、磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを減少させる。
したがって、熱媒体の移動の速さが速く熱媒体から磁気作業物質への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの減少率を大きくして磁気作業物質における吸熱量(生成冷熱量)を大きくする。これにより、第4ステップにおいて、磁気作業物質をほぼ等温状態とすることが可能である。
このようにして、第2ステップでは、運転効率において理想的な熱サイクルの等温励磁過程からの乖離度を低減し、第4ステップでは、運転効率において理想的な熱サイクルの等温減磁過程からの乖離度を低減することができる。これにより、磁気ヒートポンプ装置の運転効率を低減することができる。
本請求項に記載の発明は、次のように言うこともできる。
磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさおよび熱媒体移動手段(34A、34B)による熱媒体の移動を周期的に変化させて動作するヒートポンプサイクルによって、吸熱手段(12)で吸熱した熱を放熱手段(13)から放熱する磁気ヒートポンプ装置であって、
ヒートポンプサイクルは、運転効率において理想的なサイクルを想定したときに、磁気作業物質(30)の温度が変化しない状態で磁気作業物質(30)に印加される磁場の大きさが大きくなる等温励磁過程と、磁気作業物質(30)の温度が変化しない状態で磁気作業物質(30)に印加される磁場の大きさが小さくなる等温減磁過程と、を有するものであり、
等温励磁過程では、熱媒体移動手段(34A、34B)によって他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させつつ、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを増大させ、
等温減磁過程では、熱媒体移動手段(34A、34B)によって一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させつつ、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを減少させ、
等温励磁過程および等温減磁過程では、熱媒体移動手段(34A、34B)による熱媒体の移動の速さが速いときほど磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、熱媒体移動手段(34A、34B)と磁場変更手段(32)とが連動することを特徴としている。
これによると、理想的なサイクルにおける等温励磁過程では、熱媒体移動手段(34A、34B)は、他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させる。これに加えて、磁場変更手段(32)は、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの増大率が大きくなるように、磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを増大させる。
したがって、熱媒体の移動の速さが速く磁気作業物質から熱媒体への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増大率を大きくして磁気作業物質における発熱量を大きくする。これにより、等温励磁過程において、磁気作業物質をほぼ等温状態とすることが可能である。
また、理想的なサイクルにおける等温減磁過程では、熱媒体移動手段(34A、34B)は、一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させる。これに加えて、磁場変更手段(32)は、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁場変更手段(32)による磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの減少率が大きくなるように、磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを減少させる。
したがって、熱媒体の移動の速さが速く熱媒体から磁気作業物質への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの減少率を大きくして磁気作業物質における吸熱量を大きくする。これにより、等温減磁過程において、磁気作業物質をほぼ等温状態とすることが可能である。
このようにして、等温励磁過程および等温減磁過程において理想的な熱サイクルからの乖離度を低減でき、磁気ヒートポンプ装置の運転効率を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明では、磁場変更手段(32)は、第2ステップおよび第4ステップでは、ヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に応じて、磁気作業物質(30)を通る磁気回路の磁気抵抗を変化させて磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを変更し、熱媒体の移動の速さに応じた磁場の大きさの変化率を設定することを特徴としている。
これによると、磁場変更手段(32)は、磁気作業物質(30)を通る磁気回路の磁気抵抗を変化させることで、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさを容易に変更することができる。したがって、磁場変更手段は、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易に変更することが可能である。
また、請求項3に記載の発明では、磁気回路には、磁気作業物質(30)が配置されるギャップ(31G)が形成されており、磁場変更手段(32)は、位相に応じて、ギャップ(31G)の大きさを変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させることを特徴としている。
これによると、磁場変更手段(32)は、位相に応じて磁気回路のギャップ(31G)の大きさを変化させて磁気回路の磁気抵抗を変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、請求項4に記載の発明では、磁場変更手段(32A)は、位相に応じて、磁気回路中に配置される磁気抵抗部材(324)の磁気抵抗値を変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させることを特徴としている。
これによると、磁場変更手段(32A)は、位相に応じて磁気回路中に配置される磁気抵抗部材(324)の磁気抵抗値を変化させて磁気回路の磁気抵抗を変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、請求項5に記載の発明では、磁気回路の一部を構成するヨーク(322)を備え、このヨーク(322)には、磁気作業物質(30)が配置されるギャップとは異なる隙間部(3221)が形成されており、磁場変更手段(32B)は、位相に応じて、隙間部(3221)の隙間寸法を変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させることを特徴としている。
これによると、磁場変更手段(32B)は、位相に応じてヨーク(322)の隙間部(3221)の隙間寸法を変化させて磁気回路の磁気抵抗を変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、請求項6に記載の発明では、磁場変更手段(32C)は、磁気作業物質(30)と相対的に位置を変更する永久磁石(3231)を具備し、永久磁石(3231)がヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に対応して磁気作業物質と相対的に位置を変更する方向に異なる磁気特性を有することで、磁場変更手段(32C)は、第2ステップおよび第4ステップでは、熱媒体の移動の速さに応じた磁場の大きさの変化率を設定することを特徴としている。
これによると、磁場変更手段(32C)は、永久磁石(3231)の磁気特性を相対的に位置を変更する方向に異なるものとすることで、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさを容易に変更することができる。したがって、磁場変更手段(32C)は、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易に変更することが可能である。
また、請求項7に記載の発明では、永久磁石(3231)の磁気特性は、残留磁束密度もしくは保持力の少なくともいずれかであることを特徴としている。これによると、永久磁石(3231)の残留磁束密度もしくは保持力の少なくともいずれかを磁気作業物質と相対的に位置を変更する方向に異ならせることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、請求項8に記載の発明では、永久磁石(3232)の磁気特性は、着磁方向であることを特徴としている。これによると、永久磁石(3232)の着磁方向を磁気作業物質と相対的に位置を変更する方向に異ならせることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、請求項9に記載の発明では、永久磁石(3233)は、相対的に位置を変更する方向において厚さが異なることで、位相に対応して相対的に位置を変更する方向に異なる磁気特性を有することを特徴としている。これによると、永久磁石(3233)の厚さを磁気作業物質と相対的に位置を変更する方向に異ならせることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、請求項10に記載の発明では、磁場変更手段は、電磁石(132)を具備し、磁場変更手段は、第2ステップおよび第4ステップでは、ヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に対応して電磁石(132)に通電する電流値を変更することで、熱媒体の移動の速さに応じた磁場の大きさの変化率を設定することを特徴としている。
これによると、磁場変更手段は、電磁石(132)に通電する電流値を変化させることで、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさを容易に変更することができる。したがって、磁場変更手段(132)は、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさの増減率を容易に変更することが可能である。
また、請求項11に記載の発明では、
第1ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)による作業室(311)内の熱媒体の移動を停止した状態で、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させ、
第1ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、第2ステップを実行し、
第3ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)による作業室(311)内の熱媒体の移動を停止した状態で、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させ、
第3ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、第4ステップを実行することを特徴としている。
これによると、第1ステップでは、作業室(331)内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質(30)に対して印加する磁場を増大させ、磁気作業物質(30)を昇温させることができる。第2ステップでは、作業室(311)の他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質(30)が有する温熱を略等温状態で熱媒体に伝達して一端部(331a)側へ運ぶことができる。第3ステップでは、作業室(331)内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質(30)に対して印加する磁場を減少させ、磁気作業物質(30)を降温させることができる。第4ステップでは、作業室(311)の一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質(30)が有する冷熱を略等温状態で熱媒体に伝達して他端部(331b)側へ運ぶことができる。
したがって、第1ステップでは、等エントロピ的に磁気作業物質(30)を昇温させ、第2ステップでは、第1ステップで確実に昇温した磁気作業物質(30)が有する温熱を略等温状態で磁気作業物質から熱媒体へ効率よく伝達させ作業室(311)の一端部(331a)側へ運ぶことができる。また、第3ステップでは、等エントロピ的に磁気作業物質(30)を降温させ、第4ステップでは、第3ステップで確実に降温した磁気作業物質(30)が有する冷熱を略等温状態で磁気作業物質から熱媒体へ効率よく伝達させ作業室(311)の他端部(331b)側へ運ぶことができる。これにより、吸熱手段(12)で吸熱した熱を、作業室(311)内の一端部(331a)側から他端部(311b)側へ極めて効率よく移動させ、放熱手段(13)から放熱することができる。
このようにして、第2ステップにおいて理想的な熱サイクルの等温励磁過程からの乖離度を低減できるとともに、第4ステップにおいて理想的な熱サイクルの等温減磁過程からの乖離度を低減できるばかりでなく、第1ステップにおいても理想的な熱サイクルの断熱励磁過程からの乖離度を低減できるとともに、第4ステップにおいても理想的な熱サイクルの断熱減磁過程からの乖離度を低減できる。これにより、磁気ヒートポンプ装置の運転効率を一層向上することができる。
請求項12ないし請求項16のいずれかに記載の発明は、下記の課題を解決するためのものである。
前述した特許文献1に開示された従来技術の磁気冷凍サイクル装置では、磁場が増加もしくは減少しているときにも冷却液を流動しているため、断熱状態で磁気作業物質に対して磁場の増加や減少が行われず、理想的な熱サイクルであるカルノーサイクルから大きく乖離してしまい、充分な運転効率が得難いという問題がある。
請求項12〜請求項16に記載の発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、運転効率を向上することが可能な磁気ヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項12に記載の発明では、
磁気熱量効果を有する磁気作業物質(30)が配置されるとともに熱媒体が流通する作業室(311)が形成された容器(31)と、
磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを変更する磁場変更手段(32)と、
磁気作業物質(30)を挟む作業室(311)の両端部のうち、一端部(311a)側と他端部(311b)側との間で熱媒体を往復移動させる熱媒体移動手段(34A、34B)と、
一端部(311a)側の熱媒体が有する熱を外部へ放熱する放熱手段(13)と、
他端部(311b)側の熱媒体へ外部の熱を吸熱する吸熱手段(12)と、を備え、
熱媒体移動手段(34A、34B)による作業室(311)内の熱媒体の移動を停止した状態で、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させる第1ステップと、
第1ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、磁場変更手段(32)により磁気作業物質(30)に印加する磁場を第1ステップで増大させた磁場よりも減少させることなく、熱媒体移動手段(34A、34B)によって作業室(311)の他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させる第2ステップと、
第2ステップの後、熱媒体移動手段(34A、34B)による熱媒体の移動を停止した状態で、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させる第3ステップと、
第3ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、磁場変更手段(32)により磁気作業物質(30)に印加する磁場を前記第3ステップで減少させた磁場よりも増大させることなく、熱媒体移動手段(34A、34B)によって作業室(311)の一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させる第4ステップとを、
第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で繰り返して、吸熱手段(12)で吸熱した熱を放熱手段(13)から放熱することを特徴としている。
これによると、第1ステップでは、作業室(331)内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質(30)に対して印加する磁場を増大させ、磁気作業物質(30)を昇温させることができる。第2ステップでは、作業室(311)の他端部(311b)側から一端部(311a)側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質(30)が有する温熱を熱媒体に伝達して一端部(331a)側へ運ぶことができる。第3ステップでは、作業室(331)内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質(30)に対して印加する磁場を減少させ、磁気作業物質(30)を降温させることができる。第4ステップでは、作業室(311)の一端部(311a)側から他端部(311b)側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質(30)が有する冷熱を熱媒体に伝達して他端部(331b)側へ運ぶことができる。
したがって、第1ステップでは、等エントロピ的に磁気作業物質(30)を昇温させ、第2ステップでは、第1ステップで確実に昇温した磁気作業物質(30)が有する温熱を作業室(311)の一端部(331a)側へ運ぶことができる。また、第3ステップでは、等エントロピ的に磁気作業物質(30)を降温させ、第4ステップでは、第3ステップで確実に降温した磁気作業物質(30)が有する冷熱を作業室(311)の他端部(331b)側へ運ぶことができる。これにより、吸熱手段(12)で吸熱した熱を、作業室(311)内の一端部(331a)側から他端部(311b)側へ効率よく移動させ、放熱手段(13)から放熱することができる。このようにして、磁気ヒートポンプ装置の運転効率を向上することができる。
また、請求項13に記載の発明では、
熱媒体移動手段(34A、34B)は、熱媒体を往復移動させるように連続的に駆動するものであり、
作業室(311)内の熱媒体の移動を禁止する熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)を備え、
第1ステップおよび第3ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)を駆動した状態で、熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)によって作業室(311)内の熱媒体の移動を禁止することにより、熱媒体の移動を停止することを特徴としている。
これによると、熱媒体移動手段(34A、34B)を連続的に駆動して、第1ステップおよび第3ステップでは、熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)によって作業室(311)内の熱媒体の移動を禁止することにより、熱媒体の作業室(311)内での移動を停止することができる。したがって、熱媒体移動手段(34A、34B)を、第1ステップおよび第3ステップでは停止する断続的な駆動とする必要がない。このようにして、熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)によって作業室(311)内の熱媒体の移動を禁止することで、熱媒体移動手段(34A、34B)を停止制御することなく、磁気作業物質(30)を断熱状態とすることができる。
また、請求項14に記載の発明では、
熱媒体移動手段(34A、34B)は、作業室(311)の外部に設けられ、連続的に作動室(344a、344b)の容積を変化させて作業室(311)の熱媒体を吸入および吐出することで、熱媒体を往復移動させるポンプ手段(34A、34B)であり、
熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)は、
ポンプ手段(34A、34B)の作動室(344a、344b)と連通して、ポンプ手段(34A、34B)の吐出圧および吸入圧の少なくともいずれかを蓄圧する蓄圧手段(41a、41b)と、
蓄圧手段(41a、41b)の蓄圧により作業室(311)と作動室(344a、344b)との圧力差が所定圧力差に到達したときに開弁して、ポンプ手段(34A、34B)が吐出もしくは吸入する熱媒体を作業室(311)に流入させる所定圧開弁装置(42a、42b)と、を有し、
第1ステップを開始して、時間経過に伴い変化する物理量である作業室(311)と作動室(344a)との圧力差が所定圧力差に到達したときに、所定圧開弁装置(42a)が開弁して第1ステップから第2ステップへ移行し、
第3ステップを開始して、時間経過に伴い変化する物理量である作業室(311)と作動室(344b)との圧力差が所定圧力差に到達したときに、所定圧開弁装置(42b)が開弁して第3ステップから第4ステップへ移行することを特徴としている。
これによると、ポンプ手段(34A、34B)を連続的に駆動して、第1ステップでは、ポンプ手段(34A)の吐出圧および吸入圧の少なくともいずれかを蓄圧手段(41a)に蓄圧させ、蓄圧手段(41a)の蓄圧により作業室(311)と作動室(344a)との圧力差が所定圧力差に到達したときに所定圧開弁装置(42a)を開弁して、ポンプ手段(34A)が吐出もしくは吸入する熱媒体を作業室(311)に流入させて第2ステップへ移行することができる。また、第3ステップでは、ポンプ手段(34B)の吐出圧および吸入圧の少なくともいずれかを蓄圧手段(41b)に蓄圧させ、蓄圧手段(41b)の蓄圧により作業室(311)と作動室(344b)との圧力差が所定圧力差に到達したときに所定圧開弁装置(42b)を開弁して、ポンプ手段(34B)が吐出もしくは吸入する熱媒体を作業室(311)に流入させて第4ステップへ移行することができる。
したがって、ポンプ手段(34A、34B)を連続的に駆動したまま、蓄圧手段(41a、41b)および所定圧開弁装置(42a、42b)からなる比較的簡単な構成により、第1ステップの断熱状態の形成および第1ステップから第2ステップへの移行、並びに、第3ステップの断熱状態の形成および第3ステップから第4ステップへの移行を、容易に行うことができる。
また、請求項15に記載の発明では、
第2ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)による作業室(311)の他端部(311b)側から一端部(311a)側への熱媒体の移動速度に応じて、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させ、
第4ステップでは、熱媒体移動手段(34A、34B)による作業室(311)の一端部(311a)側から他端部(311b)側への熱媒体の移動速度に応じて、磁場変更手段(32)によって磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させることを特徴としている。
これによると、第2ステップでは、作業室(311)内の熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させ、磁気作業物質(30)を略等温状態とすることが可能である。また、第4ステップでは、作業室(311)内の熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させ、磁気作業物質(30)を略等温状態とすることが可能である。したがって、第2ステップおよび第4ステップでは、磁気作業物質(30)と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持することができる。これにより、磁気ヒートポンプ装置の運転効率を一層向上することができる。
また、請求項16に記載の発明では、
第2ステップでは、第1ステップよりも、磁場変更手段(32)により磁気作業物質(30)に印加する磁場を緩やかに増大させ、
第4ステップでは、第3ステップよりも、磁場変更手段(32)により磁気作業物質(30)に印加する磁場を緩やかに減少させることを特徴としている。
すなわち、第1ステップでは、第2ステップよりも、磁場変更手段(32)で磁気作業物質(30)に印加する磁場を急峻に増大させ、第3ステップでは、第4ステップよりも、磁場変更手段(32)で磁気作業物質(30)に印加する磁場を急峻に減少させることを特徴としている。
これによると、第1ステップでは、断熱状態を形成して、磁気作業物質(30)を速やかに昇温させることができる。また、第3ステップでは、断熱状態を形成して、磁気作業物質(30)を速やかに降温させることができる。したがって、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップを順に繰り返すサイクル運転を速やかに行い、磁気ヒートポンプ装置の運転効率をより一層向上することができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明を適用した第1の実施形態における磁気ヒートポンプ装置である磁気冷凍システム2の概略構成を示す模式図である。 磁気冷凍システム2の熱交換容器31の軸直交断面図である。 熱交換容器31の要部を直線状に展開した拡大断面図である。 磁気冷凍システム2の作動説明を行うための要部断面図である。 磁気冷凍システム2の作動説明を行うための要部断面図である。 磁気冷凍システム2の作動説明を行うための要部断面図である。 磁気冷凍システム2の作動説明を行うための要部断面図である。 作業室311内の熱媒体の流速の変化を示すグラフである。 作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を示すグラフである。 磁気冷凍システム2の熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に示したグラフである。 熱交換容器の変形例の断面図である。 図11の熱交換容器の要部を直線状に展開した拡大断面図である。 熱交換容器の変形例の断面図である。 図13の熱交換容器の要部を直線状に展開した拡大断面図である。 熱交換容器の変形例の断面図である。 熱交換容器の変形例の断面図である。 熱交換容器の変形例の要部を直線状に展開した拡大断面図である。 第2の実施形態の作業室311内の熱媒体の流速の変化を示すグラフである。 第2の実施形態の作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を示すグラフである。 第3の実施形態の磁気ヒートポンプ装置である磁気冷凍システムの概略構成を示す模式図である。 第4の実施形態の磁気ヒートポンプ装置である磁気冷凍システムを備える車両用空調装置1の概略構成を示す模式図である。 第4の実施形態の磁気冷凍システムの軸方向断面図である。 第4の実施形態の熱交換容器の軸直交断面図である。 第4の実施形態の作業室311内の熱媒体の流速の変化を示すグラフである。 第4の実施形態の作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を示すグラフである。 第4の実施形態の磁気冷凍システムの熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に示したグラフである。 第5の実施形態の作業室311内の熱媒体の流速の変化を示すグラフである。 第5の実施形態の作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を示すグラフである。 第5の実施形態の磁気冷凍システムの熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に示したグラフである。 第6の実施形態の作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を示すグラフである。 第6の実施形態の磁気冷凍システムの熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に示したグラフである。 他の実施形態の磁気冷凍システムの軸方向断面図である。 他の実施形態の熱交換容器の軸直交断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施形態における磁気ヒートポンプ装置である磁気冷凍システム2の概略構成を示す模式図である。また、図2は、磁気冷凍システム2の熱交換容器31の断面図(軸直交断面図)である。なお、図1に示す磁気冷凍システム2の主要部である磁気冷凍機3は、図2のA−A線断面を示している。また、図3は、磁気冷凍システム2の熱交換容器31の要部拡大断面図であり、周方向の構成を直線状に展開した図である。
図1に示す磁気冷凍システム2は、磁気熱量効果により生成された冷熱および温熱を磁気作業物質30自体に蓄えるAMR(Active Magnetic Refrigerator)方式を採用している。本実施形態の磁気冷凍システム2は、磁気熱量効果により冷熱および温熱を生成する磁気冷凍機3、磁気冷凍機3で生成した温熱により昇温した熱媒体(例えば、不凍液を含む水等の液体、以下、冷媒と呼ぶことがある)を加熱用熱交換器13(放熱手段に相当)に循環させる高温側冷媒回路4、磁気冷凍機3で生成した冷熱により降温した冷媒を冷却用熱交換器12(吸熱手段に相当)に循環させる低温側冷媒回路5等を備えて構成されている。
本実施形態の磁気冷凍システム2は、例えば、車両用の空調装置に適用して好適なシステムであって、冷却用熱交換器12で空調ケース内を流通する空気から吸熱して空気を冷却した後、冷却された空気を加熱用熱交換器13からの放熱等で適宜再加熱して、車室内へ温度調節した空調風を吹き出し、車室内を空調することが可能である。
磁気冷凍機3は、内部に磁気熱量効果を有する磁気作業物質30(具体的には、磁気熱量効果材料が充填され材料間を熱媒体が移動するベッド)が収容されると共に熱輸送媒体である冷媒(熱媒体)が流通する作業室311が形成された熱交換容器31(容器に相当)、磁気作業物質への磁場の印加・除去を行うとともに印加する磁場の大きさを変更する磁場印加除去装置32(磁場変更手段に相当)、熱交換容器31内の冷媒を移動させる一対の冷媒ポンプ34A、34B(ポンプ手段、熱媒体移動手段に相当)、磁気冷凍機3の駆動源である電動モータ35等を有して構成されている。
図1に示すように、一対の冷媒ポンプ34A、34Bは、熱交換容器31の両側に配設され、熱交換容器31および冷媒ポンプ34A、34Bは、同軸上に配置されている。
熱交換容器31は、中空円柱状の容器で構成されている。熱交換容器31は、その周壁に磁気作業物質30を収容すると共に冷媒が流通する作業室311が形成されている。なお、図2に示すように、熱交換容器31には、周方向に等間隔に並んだ複数の(本例では12の)作業室311が形成されている。
また、図1に示すように、熱交換容器31には、各作業室311に対応して、作業室311の軸線方向(図示左右方向)の一端部311a側および他端部311b側のそれぞれに、冷媒の入口および出口が形成されている。
各作業室311の一端部311a側には、冷媒入口312aおよび冷媒出口312bが形成され、各作業室311の他端部311b側には、冷媒入口313aおよび冷媒出口313bが形成されている。冷媒出口312bには、高温側冷媒回路4の上流端が接続しており、冷媒出口313bには、低温側冷媒回路5の上流端が接続している。
熱交換容器31内には、作業室311の一端部311a側の空間を、冷媒入口312aおよび冷媒出口312bのいずれかと連通するように切り替える圧力弁42bが配設されている。また、熱交換容器31内には、作業室311の他端部311b側の空間を、冷媒入口313aおよび冷媒出口313bのいずれかと連通するように切り替える圧力弁42aが配設されている。両圧力弁42a、43aは、本実施形態における所定圧開弁装置に相当するものである。
圧力弁42aは、冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧より低い場合には、冷媒入口313aから作業室311の他端部311bへの冷媒経路を遮断するとともに、作業室311の他端部311bから冷媒出口313bへの冷媒経路を開放する。一方、冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧以上となった場合には弁体がリフトし、冷媒入口313aから作業室311の他端部311bへの冷媒経路を開放するとともに、作業室311の他端部311bから冷媒出口313bへの冷媒経路を遮断する。
また、圧力弁42bは、冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧より低い場合には、冷媒入口312aから作業室311の一端部311aへの冷媒経路を遮断するとともに、作業室311の一端部311aから冷媒出口312bへの冷媒経路を開放する。一方、冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧以上となった場合には弁体がリフトして、冷媒入口312aから作業室311の一端部311aへの冷媒経路を開放するとともに、作業室311の一端部311から冷媒出口312bへの冷媒経路を遮断する。
熱交換容器31の内部には、磁場印加除去装置32の一部を構成する回転軸321、回転軸321に固定されたロータ(回転子)322、およびロータ322の外周面に埋設された永久磁石323が収容されている。
回転軸321は、熱交換容器31の軸線方向両端部に設けられた支持部である軸受部により回転可能に支持されている。そして、熱交換容器31に収容された回転軸321は、両側の端部が熱交換容器31の外部に延在しており、後述する一対の冷媒ポンプ34A、34Bの駆動軸341に、後述する変速機構37を介してそれぞれ接続されている。なお、一方の冷媒ポンプ34Aの回転軸341には、回転軸341を回転させる電動モータ35が接続されている。
図2に示すように、ロータ322は、外周面に永久磁石323が設けられた状態で、熱交換容器31の内周面に対して所定の空隙を空けて回転するように回転軸321に固定されている。
また、永久磁石323は、回転軸321の回転に応じて、熱交換容器31の各作業室311に周期的に近づくように、ロータ322における外周面に複数(本例では2つ)設けられている。なお、ロータ322には、外周面に永久磁石323が配設されいない部分に、外周面から凹んで軸線方向に延びる溝部が形成されている。
これにより、回転軸321の回転に応じて、熱交換容器31およびロータ322をヨークとして、永久磁石323の周囲に生ずる磁場が、各作業室311内に収容された磁気作業物質30に印加・除去されるようになっている。各作業室311の周囲には、非磁性材料である例えば樹脂材料からなる保持部材33が形成され、この保持部材33により、各作業室311が熱交換容器31内に位置決めされている。
図3は、ロータ322に設けられた2つの永久磁石323のうち片方の永久磁石323の配設部分について、熱交換容器31も含め図示した要部断面図である。図3は、作業室311が配列された周方向(熱交換容器31の延在方向、ロータ322の回転方向)を直線状に展開した図としている。
図2では詳細図示を省略しているが、図3に示すように、ロータ322の外周面に設けられた永久磁石323は、略一定に着磁されているとともに厚さはほぼ均一であるものの、ロータ322の回転中心からの距離が異なるように形成されている。これにより、永久磁石323の外周面(図3では図示上面)は、対向する熱交換容器31の内周面との距離が、周方向において変化している。
磁気作業物質30を収容する作業室311を挟んで対向する永久磁石323の外周面と熱交換容器31の内周面との間は、永久磁石323とヨークを構成する熱交換容器31およびロータ322とにより形成される磁気回路において、ギャップ31Gとなっている。
ギャップ31Gは、ロータ322が回転したときに、各作業室311内に収容された磁気作業物質30に印加する磁場(磁界)を、所定のパターンで変更するように形成されている。具体的には、図9に示すような磁場の印加パターンとなるように形成されている。図3に示す永久磁石323の上面の形状は、ロータ回転方向の先頭側から順に、図9に示す磁場曲線に対応した形状となっている。なお、ロータ322に形成された溝部が、図9に示す印加磁場がほぼ消滅する部分に対応している。
図1に示す冷媒ポンプ34A、34Bは、熱交換容器31に形成された作業室311内の一端部311a側と他端部311b側との間で冷媒を往復移動させる冷媒移動手段(熱媒体移動手段)を構成している。本実施形態では、冷媒ポンプ34A、34Bとして、一つの駆動軸341により二つの吸入吐出機構が同軸上に作動するタンデム型のピストンポンプを採用し、それぞれ片側のポンプ機構を用いている。なお、上記構成の冷媒ポンプを1台採用して、両側のポンプ機構を用いるようにしてもかまわない。
具体的には、本実施形態の冷媒ポンプ34A、34Bは、図1に示すように、ハウジング340、ハウジング340内に回転可能に支持された駆動軸341、駆動軸341に対して傾いた傾斜面を有して駆動軸341と一体的に回転する斜板342、斜板342の回転に応じて往復動するピストン343、ハウジング340におけるピストン343の両側に形成されたシリンダボア344a、344b(作動室に相当)等で構成されている。
駆動軸341は、ハウジング340の軸線方向両端部に設けられた支持部である軸受部により回転可能に支持されている。そして、駆動軸341は、その端部がハウジング340の外部に延在し、変速機構37を介して回転軸321に接続されている。
ここで、変速機構37は、電動モータ35に連結された冷媒ポンプ34Aの回転軸341を介して、電動モータ35による動力を、熱交換容器31の回転軸321、更に冷媒ポンプ34Bの回転軸341に伝達する動力伝達機構を構成する。
本実施形態の変速機構37は、冷媒ポンプ34A、34Bの駆動軸341の回転数に対する回転軸321の回転数の比(減速比)を調整可能に構成されている。なお、減速比は、回転軸321に固定された永久磁石323の磁石の数に応じて決定される。例えば、本例のように永久磁石323の数が2つの場合、冷媒ポンプ34A、34Bのピストン343が2往復したときに回転軸321が一回転するように減速比を決定することができる。
本実施形態の冷媒ポンプ34A、34Bは、磁気作業物質30への磁場の印加、除去に同期して、熱交換容器31の各作業室311に対する冷媒の吸入、吐出を行うように構成されている。
冷媒ポンプ34Aのシリンダボア344aは、連通路314aを介して、熱交換容器31の冷媒入口313aに接続されている。冷媒ポンプ34Bのシリンダボア344bは、連通路314bを介して、熱交換容器31の冷媒入口312aに接続されている。
連通路314aには、低温側冷媒回路5の下流端が接続している。低温側冷媒回路5には、上流端から下流端への冷媒流れを許可し下流端から上流端への冷媒流れを禁止する逆止弁(一方向弁)43bが介設されている。
また、連通路314aには、蓄圧タンク41a(蓄圧手段に相当)が配設されている。蓄圧タンク41a内部空間は、気体が充填されるとともに、連通路314aを介して冷媒ポンプ34Aのシリンダボア344aと連通している。蓄圧タンク41aは、内部の気体の体積変化により蓄圧が可能となっている。
一方、連通路314bには、高温側冷媒回路4の下流端が接続している。高温側冷媒回路4には、上流端から下流端への冷媒流れを許可し下流端から上流端への冷媒流れを禁止する逆止弁(一方向弁)43aが介設されている。
また、連通路314bには、蓄圧タンク41b(蓄圧手段に相当)が配設されている。蓄圧タンク41b内部空間は、気体が充填されるとともに、連通路314bを介して冷媒ポンプ34Bのシリンダボア344bと連通している。蓄圧タンク41bも、内部の気体の体積変化により蓄圧が可能となっている。
なお、蓄圧タンク41a、41bおよび圧力弁42a、42bからなる構成が、本実施形態における熱媒体移動禁止手段に相当する。
詳細な図示は省略しているが、本実施形態の磁気冷凍機3は、熱交換容器31の作動室311の数に対応したシリンダ数(気筒数)の冷媒ポンプ34A、34Bを用いて、各作業室311に対して、上述した冷媒移動構成をそれぞれ備えている。なお、冷却用熱交換器12および加熱用熱交換器13は、各作業室311に対応してそれぞれ設けるものに限定されず、冷却用熱交換器12および加熱用熱交換器13のそれぞれを、作業室311の数よりも少ない1つもしくは複数にまとめるものであってもよい。
上述の構成に基づき、本実施形態の磁気冷凍システム2の作動について、図4〜図9も用いて説明する。なお、上記したように、本実施形態の磁気冷凍機3は、複数の作動室311のそれぞれに対して同一の冷媒移動構成を備えているので、図4〜図7では1つの作動室311について図示し、以下の作動説明も1つの作動室311について行う。複数の作動室311では、後述する作動が位相をずらして行われることになる。なお、図4〜図7では、電動モータ35の図示も省略している。
電動モータ35の回転軸から回転軸341に回転出力されると、磁気冷凍システム2は、以下に説明する第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップを順に繰り返し、冷却用熱交換器12で外部流体から吸熱した熱量を、熱媒体で移送して、加熱用熱交換器13から外部流体に放熱する。
図8は、作業室311内の熱媒体の流速の変化を例示するグラフであり、他端部311bから一端部311a方向の流れを正としている。また、図9は、作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を例示するグラフである。図8および図9では、第1ステップをI、第2ステップをII、第3ステップをIII、第4ステップをIVとしている。
図4に示すように、冷媒ポンプ34Aのピストン343がシリンダボア344a内を下死点から上死点に向かって移動を開始すると、冷媒ポンプ34Bのピストン343がシリンダボア344b内を上死点から下死点に向かって移動を開始し、第1ステップが実行される。
第1ステップでは、冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧より低く、圧力弁42aが冷媒入口313aから作業室311の他端部311bへの冷媒経路を遮断している。したがって、冷媒ポンプ34Aから吐出される冷媒は作業室311に流入せず、作動室311内での冷媒の移動は行われない(図8のI参照)。冷媒ポンプ34Aの吐出に伴う圧力エネルギーは、図4に破線で示したように、蓄圧タンク41a内の気体体積収縮により蓄圧される。冷媒ポンプ34Bは冷媒を吸入し、蓄圧タンク41b内の圧力を若干低下させつつ、高温側冷媒回路4からシリンダボア344bへ冷媒が流入する。
このとき、作業室311内の磁気作業物質30には、永久磁石323によって印加される磁場が、印加磁場がほぼ消滅した状態から急激に増加する(図9のI参照)。すなわち、作業室311内の熱媒体の移動を停止した状態で、磁気作業物質30に印加する磁場を増大させる第1ステップが実行される。第1ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止して、磁気作業物質30を断熱状態として、磁気作業物質30に対して印加する磁場を急激に増大させ、磁気作業物質30を昇温させることができる。
第1ステップを継続していくと、図5に示すように、冷媒ポンプ34Aのピストン343がシリンダボア344a内を上死点へ向かって更に移動し、冷媒ポンプ34Bのピストン343がシリンダボア344b内を下死点へ向かって更に移動する。そして、冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、圧力弁42aの弁体がリフトし、冷媒入口313aから作業室311の他端部311bへの冷媒経路を開放する。これにより、図4に示す第1ステップから図5に示す第2ステップへの移行が行われる。
第2ステップでは、冷媒ポンプ34Aから吐出される冷媒に加え、蓄圧タンク41aに蓄圧されていたエネルギーにより、作業室311の他端部311bに冷媒が流入し、作動室311内に他端部311bから一端部311aへ向かう冷媒流れが形成される(図8のII参照)。冷媒の流速は、第2ステップの前半部にピークを持つ流速パターンとなる。冷媒ポンプ34Bは高温側冷媒回路4を介して冷媒を吸入し、作業室311の一端部311aから高温側冷媒回路4へ、磁気作業物質30で加熱され高温となった冷媒が流出する。
このとき、作業室311内の磁気作業物質30には、永久磁石323によって印加される磁場が、第1ステップで増加させた磁場(第1ステップ終了時点の磁場)から徐々に増加する(図9のII参照)。すなわち、第1ステップを開始して、時間経過に伴い増加する冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、磁気作業物質30に印加する磁場を第1ステップ終了時点よりも減少させることなく徐々に増加させて、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させる第2ステップが実行される。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から熱媒体へ温熱を伝達して一端部331a側へ運ぶことができる。
第2ステップでは、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に増大させて、第2ステップで生じた分の熱量を磁気作業物質30から熱媒体へ伝達している。
図3の左方部に示した、位相に応じて減少するギャップ31Gを形成することにより、第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率が大きくなるように、磁場の大きさを増大させる。例えば、熱媒体の流速が最大となったときに、磁場の増加率(図9のIIにおける磁場曲線の傾き)が最大となる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第2ステップが継続する間、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
冷媒ポンプ34Aのピストン343がシリンダボア344a内で上死点に到達し、図6に示すように、ピストン343がシリンダボア344a内を上死点から下死点に向かって移動を開始すると、冷媒ポンプ34Bのピストン343がシリンダボア344b内を下死点から上死点に向かって移動を開始し、第3ステップが実行される。
第3ステップでは、冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧より低く、圧力弁42bが冷媒入口312aから作業室311の一端部311aへの冷媒経路を遮断している。したがって、冷媒ポンプ34Bから吐出される冷媒は作業室311に流入せず、作動室311内での冷媒の移動は行われない(図8のIII参照)。冷媒ポンプ34Bの吐出に伴う圧力エネルギーは、図6に破線で示したように、蓄圧タンク41b内の気体体積収縮により蓄圧される。冷媒ポンプ34Aは冷媒を吸入し、蓄圧タンク41a内の圧力を若干低下させつつ、低温側冷媒回路5からシリンダボア344aへ冷媒が流入する。
このとき、作業室311内の磁気作業物質30には、永久磁石323によって印加される磁場が、図3の略中央部に示す永久磁石323の段差(ギャップ31Gの急激な増大)によって、第2ステップで増加させた磁場(第2ステップ終了時点の磁場)から急激に減少する(図9のIII参照)。すなわち、作業室311内の熱媒体の移動を停止した状態で、磁気作業物質30に印加する磁場を減少させる第3ステップが実行される。第3ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止して、磁気作業物質30を断熱状態として、磁気作業物質30に対して印加する磁場を急激に減少させ、磁気作業物質30を降温させることができる。
第3ステップを継続していくと、図7に示すように、冷媒ポンプ34Bのピストン343がシリンダボア344b内を上死点へ向かって更に移動し、冷媒ポンプ34Aのピストン343がシリンダボア344a内を下死点へ向かって更に移動する。そして、冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、圧力弁42bの弁体がリフトし、冷媒入口312aから作業室311の一端部311aへの冷媒経路を開放する。これにより、図6に示す第3ステップから図7に示す第4ステップへの移行が行われる。
第4ステップでは、冷媒ポンプ34Bから吐出される冷媒に加え、蓄圧タンク41bに蓄圧されていたエネルギーにより、作業室311の一端部311aに冷媒が流入し、作動室311内に一端部311aから他端部311bへ向かう冷媒流れが形成される(図8のIV参照)。冷媒の流速は、第4ステップの前半部にピークを持つ流速パターンとなる。冷媒ポンプ34Aは低温側冷媒回路5を介して冷媒を吸入し、作業室311の他端部311bから低温側冷媒回路5へ、磁気作業物質30で冷却され低温となった冷媒が流出する。
このとき、作業室311内の磁気作業物質30には、永久磁石323によって印加される磁場が、第3ステップで減少させた磁場(第3ステップ終了時点の磁場)から徐々に減少し、印加磁場がほぼ消滅した状態となる(図9のIV参照)。すなわち、第3ステップを開始して、時間経過に伴い減少する冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、磁気作業物質30に印加する磁場を第3ステップ終了時点よりも増加させることなく徐々に減少させて、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させる第4ステップが実行される。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から熱媒体へ冷熱を伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
第4ステップでは、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に減少させて、第4ステップで減少した分の熱量を熱媒体から磁気作業物質30へ伝達している。
図3の右方部に示した、位相に応じて増大するギャップ31Gを形成することにより、第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率が大きくなるように、磁場の大きさを減少させる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第4ステップが継続する間、熱媒体と磁気作業物質30との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
冷媒ポンプ34Bのピストン343がシリンダボア344b内で上死点に到達し、ピストン343がシリンダボア344b内を上死点から下死点に向かって移動を開始すると、冷媒ポンプ34Aのピストン343がシリンダボア344a内を下死点から上死点に向かって移動を開始し、次サイクルの第1ステップが実行される。
上述の構成および作動によれば、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で実行するサイクルを繰り返して、冷却用熱交換器12で吸熱した熱を加熱用熱交換器13から放熱することができる。
第1ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質30に対して印加する磁場を増大させ、磁気作業物質30を昇温させることができる。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から、第2ステップでの発熱分の温熱を熱媒体へ伝達して、一端部331a側へ運ぶことができる。
また、第3ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質30に対して印加する磁場を減少させ、磁気作業物質30を降温させることができる。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から、第4ステップでの減熱分の冷熱を熱媒体へ伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側への熱媒体の移動速度に応じて、磁気作業物質30に印加する磁場を増大させ、磁気作業物質30を略等温状態とすることができる。また、第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側への熱媒体の移動速度に応じて、磁気作業物質30に印加する磁場を減少させ、磁気作業物質30を略等温状態とすることができる。したがって、第2ステップおよび第4ステップでは、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持することができる。
具体的には、第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させつつ、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさを増大させ、第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させつつ、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさを減少させるように、冷媒ポンプ34A、34Bと磁場印加除去装置32とを連動させている。そして、第2ステップおよび第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、冷媒ポンプ34A、34Bと磁場印加除去装置32とを連動させている。
これによると、第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速く磁気作業物質30から熱媒体への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率を大きくして磁気作業物質における発熱量を大きくする。これにより、第2ステップにおいて、磁気作業物質30をほぼ等温状態とすることができる。
また、第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速く熱媒体から磁気作業物質30への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率を大きくして磁気作業物質における吸熱量を大きくする。これにより、第4ステップにおいて、磁気作業物質30をほぼ等温状態とすることができる。
これらにより、磁気冷凍システム2の運転効率を確実に向上することができる。図10は、本実施形態の磁気冷凍システム2の熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に例示したものである。一点鎖線で示したサイクルが運転効率面において理想的な熱サイクルの一例であるカルノーサイクルである。比較例として破線で示したサイクルは、作動室内の冷媒を停止することなく往復動させるとともに、磁場印加中に磁場を変動させない場合である。
本発明を適用した磁気冷凍システム2では、磁気作業物質30を、第1ステップIでは励磁断熱変化させ、第2ステップIIでは励磁等温変化させ、第3ステップIIIでは消磁(減磁)断熱変化させ、第4ステップIVでは消磁(減磁)等温変化させることができる。
図10に一点鎖線で示した理想的な熱サイクルであるカルノーサイクルは、断熱励磁過程、等温励磁過程、断熱減磁過程および等温減磁過程よりなる。本実施形態の磁気冷凍システム2によれば、第1ステップIを理想的な断熱励磁過程に近似させ、第2ステップIIを理想的な等温励磁過程に近似させることができる。また、第3ステップIIIを理想的な断熱減磁過程に近似させ、第4ステップIVを理想的な等温減磁過程に近似させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、図10に実線で示す熱サイクルのように、極めて理想的なサイクルに近似させることができる。このようにして、断熱励磁過程、等温励磁過程、断熱減磁過程および等温減磁過程において理想的な熱サイクルからの乖離度を低減でき、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。
また、磁場印加除去装置32は、第2ステップおよび第4ステップでは、熱サイクル(ヒートポンプサイクル)の動作周期中の位相に応じて、磁気作業物質30を通る磁気回路の磁気抵抗を変化させて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさを変更し、熱媒体の移動の速さに応じた磁場の大きさの変化率を設定している。
そして、磁気回路には、磁気作業物質30が配置されるギャップ31Gが形成されており、磁場印加除去装置32は、位相に応じて、ギャップ31Gの大きさを変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させている。
これによると、磁場印加除去装置32は、位相に応じて磁気回路のギャップ31Gの大きさを変化させて磁気回路の磁気抵抗を容易に変化させることができる。そして、この磁気回路の磁気抵抗の変化により、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、蓄圧タンク41a、41bおよび圧力弁42a、42bを設けるという比較的簡単な構成により、冷媒ポンプ34A、34Bを連続的に駆動したまま、第1ステップの断熱状態の形成および第1ステップから第2ステップへの移行、並びに、第3ステップの断熱状態の形成および第3ステップから第4ステップへの移行を、容易に行うことができる。
また、第1ステップでは、第2ステップよりも、磁気作業物質30に印加する磁場を急峻に増大させ、第3ステップでは、第4ステップよりも、磁気作業物質30に印加する磁場を急峻に減少させている。したがって、第1ステップでは、断熱状態を形成して、磁気作業物質30を速やかに昇温させることができ、第3ステップでは、断熱状態を形成して、磁気作業物質30を速やかに降温させることができる。これにより、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップを順に繰り返すサイクル運転を速やかに行い、磁気ヒートポンプ装置の運転効率をより一層向上することができる。
なお、上述した例では、磁場印加除去装置32は、位相に応じて、ギャップ31Gの大きさを変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させていたが、これに限定されるものではない。
例えば、図11に示す磁場印加除去装置32Aを用いてもよい。図11に示すように、磁場印加除去装置32Aは、ロータ回転方向に延設された永久磁石3239の外周面に沿って取り付けられた磁気抵抗部材324を備えている。永久磁石3239は、周方向に延びて軸直交断面が円弧状をなし一定の着磁がなされた厚さが一定の永久磁石である。
図11では詳細図示を省略しているが、図12に直線状に展開した断面図を示すように、磁気抵抗部材324は、ロータ回転方向において磁気抵抗値が異なる異種材(例えば、比較的磁気抵抗値が大きい樹脂材や比較的磁気抵抗値が小さい鉄材等)を並設して構成されている。磁気抵抗部材324は、磁気作業物質30へ印加する磁場を大きくするところほど磁気抵抗値が小さくなっている。このように、位相に応じて、磁気回路中に配置される磁気抵抗部材324の磁気抵抗値を変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させる。
このような構成によると、磁場印加除去装置32Aは、位相に応じて磁気回路中に配置される磁気抵抗部材324の磁気抵抗値を変化させて磁気回路の磁気抵抗を変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、例えば、図13に示す磁場印加除去装置32Bを用いてもよい。図13に示すように、磁場印加除去装置32Bは、ヨークの一部を構成するロータ322に、周方向(ロータ回転方向)および軸方向に延びる隙間部3221(切欠き部)が形成されている。
図13では詳細図示を省略しているが、図14に直線状に展開した断面図を示すように、隙間部3221は、ロータ回転方向において隙間寸法が変化している。隙間部3221は、磁気作業物質30へ印加する磁場を大きくするところほど隙間寸法が小さくなっている(最小では0となる)。このように、位相に応じて、ロータ322中に形成された隙間部3221の隙間寸法を変化させることで、磁気回路の磁気抵抗を変化させる。
このような構成によると、磁場印加除去装置32Bは、位相に対応して磁気回路中のヨーク隙間部寸法を変化させて磁気回路の磁気抵抗を変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
なお、隙間部3221は、空間部であってもよいが、隙間部3221内に磁気抵抗材料を充填したものであってもよい。
また、磁場印加除去装置は、永久磁石が熱サイクル(ヒートポンプサイクル)の動作周期中の位相に対応して周方向(ロータ回転方向)に異なる磁気特性を有することで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、熱媒体の移動の速さに応じた磁場の大きさの変化率を設定するものであってもよい。
例えば、図15に示す磁場印加除去装置32Cを用いてもよい。図15に示すように、磁場印加除去装置32Cは、ロータ回転方向に延設された永久磁石3231を備えている。永久磁石3231は、ロータ回転方向において磁気特性の異なる複数の磁石を並設して構成されている。永久磁石3231は、磁気作業物質30へ印加する磁場を大きくするところほど残留磁束密度もしくは保持力の少なくともいずれかが大きくなっている。
このような構成によると、磁場印加除去装置32Cは、位相に応じて、永久磁石3231の残留磁束密度もしくは保持力の少なくともいずれかを変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
また、例えば、図16に示す磁場印加除去装置32Dを用いてもよい。図16に示すように、磁場印加除去装置32Dは、ロータ回転方向に延設された永久磁石3232を備えている。永久磁石3232は、ロータ回転方向において着磁方向の異なる複数の磁石を並設して構成されている。図16に示した磁石上の矢印が着磁方向を示している。このように、ロータ回転方向において異なる永久磁石の磁気特性を着磁方向としても、磁場印加除去装置32Cと同様の効果を得ることができる。
図15および図16に示した永久磁石3231、3232は、複数の磁石を並設して構成されていたが、例えば1つの磁石の中で上述した磁気特性を異ならせるものであってもかまわない。
また、例えば、図17に示す磁場印加除去装置32Eを用いてもよい。図17に磁場印加除去装置32Eの要部を直線状に展開した断面図を示すように、磁場印加除去装置32Eは、ロータ回転方向に延設された永久磁石3233を備えている。永久磁石3233は、ロータ回転方向において厚さが変化している。永久磁石3233は、磁気作業物質30へ印加する磁場を大きくするところほど厚さが厚くなっている。
このような構成によると、磁場印加除去装置32Eは、位相に応じて、永久磁石3233の厚さを変化させて磁気特性を変化させることで、第2ステップおよび第4ステップにおいて、位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増減率を容易かつ確実に変更することができる。
図17に示した永久磁石3233は、1つの磁石の厚さを変化させていたが、厚さの異なる複数の磁石を並設するものであってもかまわない。
また、位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさおよび磁場の大きさの増減率を変更するために、上述した構成を複数組み合わせてもかまわない。すなわち、位相に対応して、ギャップ31Gの寸法、磁気抵抗部材324の磁気抵抗値、隙間部3221の隙間寸法、永久磁石の残留磁束密度、永久磁石の保持力、永久磁石の着磁方向、および、永久磁石の厚さの2つ以上を変化させるものであってもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図18および図19に基づいて説明する。
本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、熱媒体の流速パターンと磁場の印加パターンが異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する場合がある。
図18は、本実施形態における作業室311内の熱媒体の流速の変化を示すグラフである。また、図19は、作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を示すグラフである。
本実施形態の磁気冷凍システムは、第1の実施形態とほぼ同様である。第1の実施形態の磁気冷凍システム2に対し、例えば斜板342の形状を若干変更することにより図18に示す熱媒体の流速パターンを得ている。また、磁場印加除去装置では、第1の実施形態で説明した位相に応じて磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさおよび磁場の大きさの増減率を変更する6つの手段のうち、1つもしくは複数を組み合わせることにより、図19に示す磁場の印加パターンを得ている。
本実施形態の磁気冷凍システムの作動時には、第1ステップおよび第3ステップでは、第1の実施形態と同様の作動をする。
第2ステップでは、冷媒ポンプ34Aから吐出される冷媒に加え、蓄圧タンク41aに蓄圧されていたエネルギーにより、作業室311の他端部311bに冷媒が一気に流入し、作動室311内に他端部311bから一端部311aへ向かうほぼ定速の冷媒流れが速やかに形成される(図18のII参照)。冷媒ポンプ34Bは高温側冷媒回路4を介して冷媒を吸入し、作業室311の一端部311aから高温側冷媒回路4へ、磁気作業物質30で加熱され高温となった冷媒が流出する。
このとき、作業室311内の磁気作業物質30には、永久磁石323によって印加される磁場が、第1ステップで増加させた磁場(第1ステップ終了時点の磁場)から徐々に増加する(図19のII参照)。すなわち、第1ステップを開始して、時間経過に伴い増加する冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、磁気作業物質30に印加する磁場を第1ステップ終了時点よりも減少させることなく徐々に増加させて、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させる第2ステップが実行される。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から熱媒体へ温熱を伝達して一端部331a側へ運ぶことができる。
第2ステップでは、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に増大させて、第2ステップで生じた分の熱量を磁気作業物質30から熱媒体へ伝達している。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第2ステップが継続する間、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
第4ステップでは、冷媒ポンプ34Bから吐出される冷媒に加え、蓄圧タンク41bに蓄圧されていたエネルギーにより、作業室311の一端部311aに冷媒が一気に流入し、作動室311内に一端部311aから他端部311bへ向かうほぼ定速の冷媒流れが速やかに形成される(図18のIV参照)。冷媒ポンプ34Aは低温側冷媒回路5を介して冷媒を吸入し、作業室311の他端部311bから低温側冷媒回路5へ、磁気作業物質30で冷却され低温となった冷媒が流出する。
このとき、作業室311内の磁気作業物質30には、永久磁石323によって印加される磁場が、第3ステップで減少させた磁場(第3ステップ終了時点の磁場)から徐々に減少し、印加磁場がほぼ消滅した状態となる(図19のIV参照)。すなわち、第3ステップを開始して、時間経過に伴い減少する冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、磁気作業物質30に印加する磁場を第3ステップ終了時点よりも増加させることなく徐々に減少させて、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させる第4ステップが実行される。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から熱媒体へ冷熱を伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
第4ステップでは、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に減少させて、第4ステップで減少した分の熱量を熱媒体から磁気作業物質30へ伝達している。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第4ステップが継続する間、熱媒体と磁気作業物質30との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
上述の構成および作動によれば、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で実行するサイクルを繰り返して、冷却用熱交換器12で吸熱した熱を加熱用熱交換器13から放熱することができる。
第1ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質30に対して印加する磁場を増大させ、磁気作業物質30を昇温させることができる。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から、第2ステップでの発熱分の温熱を熱媒体へ伝達して、一端部331a側へ運ぶことができる。
また、第3ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質30に対して印加する磁場を減少させ、磁気作業物質30を降温させることができる。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から、第4ステップでの減熱分の冷熱を熱媒体へ伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側への熱媒体の移動速度に応じて、磁気作業物質30に印加する磁場を増大させ、磁気作業物質30を略等温状態とすることができる。また、第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側への熱媒体の移動速度に応じて、磁気作業物質30に印加する磁場を減少させ、磁気作業物質30を略等温状態とすることができる。したがって、第2ステップおよび第4ステップでは、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持することができる。
これらにより、第1の実施形態と同様に磁気冷凍システム2の運転効率を確実に向上することができる。
本発明を適用した本実施形態の磁気冷凍システムにおいても、図10に示した熱サイクル特性のように、磁気作業物質30を、第1ステップIでは励磁断熱変化させ、第2ステップIIでは励磁等温変化させ、第3ステップIIIでは消磁(減磁)断熱変化させ、第4ステップIVでは消磁(減磁)等温変化させることができる。したがって、本実施形態によれば、図10に実線で示す熱サイクルのように、極めて理想的なサイクルに近似させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図20に基づいて説明する。
本第3の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、熱交換容器31を、磁気熱量効果により温熱を生成するための高温側容器31aと磁気熱量効果により冷熱を生成するための低温側容器31bに分割した点が異なる。なお、第1、第2の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する場合がある。
図20に示すように、本実施形態では、熱交換容器31は、磁気熱量効果により温熱を生成するための高温側容器31aと磁気熱量効果により冷熱を生成するための低温側容器31bに分割されている。高温側容器31aおよび低温側容器31bは、1つの冷媒ポンプ34を介して同軸上に並んで配置されている。
高温側容器31aおよび低温側容器31bは、中空円柱状の容器で構成されている。各容器31a、31bは、その周壁に磁気作業物質30を収容すると共に冷媒が流通する作業室311が形成されている。なお、各容器31a、31bには、周方向に並んで複数の作業室311が形成されている。
また、各容器31a、31bにおける冷媒ポンプ34と反対側の端面に一対の冷媒出入口312、313が形成されており、一対の冷媒出入口312、313を介して、冷媒の吸入および吐出が可能となっている。
一対の冷媒出入口312、313のうち、高温側容器31aに形成された高温側出入口312は、高温側容器31aの各作業室311に対応してそれぞれ形成され、作業室311に連通している。
各高温側出入口312は、冷媒を吸入する冷媒吸入部(冷媒入口)312a、および冷媒を吐出する冷媒吐出部(冷媒出口)312bを有して構成されている。そして、冷媒吸入部312aには、冷媒を吸入する際に開放されるサクションバルブ(吸入弁)312cが設けられ、冷媒吐出部312bに冷媒を吐出する際に開放されるディスチャージバルブ(吐出弁)312dが設けられている。
また、一対の冷媒出入口312、313のうち、低温側容器31bに形成された低温側出入口313は、低温側容器31bの各作業室311に対応してそれぞれ形成され、作業室311に連通している。
各低温側出入口313は、高温側出入口312と同様に、冷媒吸入部(冷媒入口)313aおよび冷媒吐出部(冷媒出口)313bを有し、冷媒吸入部313aにサクションバルブ313cが設けられ、冷媒吐出部313bにディスチャージバルブ313dが設けられている。
また、各容器31a、31bにおける冷媒ポンプ34側の端面には、冷媒ポンプ34のシリンダボア344a、344b内に連通する連通路314a、314bが形成されている。なお、各容器31a、31b内の構成は、第1の実施形態で説明した熱交換容器31内の構成と同様であるので、説明を省略する。
高温側容器31aに収容された回転軸321は、冷媒ポンプ34側の端部が、高温側容器31aの外部に延在し、冷媒ポンプ34の駆動軸341に、変速機構37を介して接続されている。
また、低温側容器31bに収容された回転軸321は、冷媒ポンプ34側の端部が、低温側容器31bの外部に延在し、冷媒ポンプ34の駆動軸341に、変速機構37を介して接続されている。さらに、低温側の回転軸321は、冷媒ポンプ34と反対側の端部が、低温側容器31bの外部に延在し、電動モータ35が接続されている。
冷媒ポンプ34は、熱交換容器31に形成された高温側出入口312側と低温側出入口313側との間で冷媒を往復移動させる冷媒移動手段を構成している。本実施形態では、冷媒ポンプ34として、一つの駆動軸341により二つの圧縮機構が同軸上に作動するタンデム型のピストンポンプを作用している。
具体的には、本実施形態の冷媒ポンプ34は、ハウジング340、ハウジング340内に回転可能に支持された駆動軸341、駆動軸341に対して傾いた傾斜面を有して駆動軸341と一体的に回転する斜板342、斜板342の回転に応じて往復動するピストン343、ハウジング340におけるピストン343の両側に形成されたシリンダボア344a、344b等で構成されている。
駆動軸341は、その両端部がハウジング340の外部に延在し、各変速機構37を介して高温側の回転軸321および低温側の回転軸321に接続されている。
シリンダボア344は、高温側容器31aの各連通路314aが接続する高温側ボア部344a、低温側容器31bの各連通路314bが接続する低温側ボア部344bを有して構成されている。なお、シリンダボア344a、344bは、高温側ボア部344a内の冷媒と低温側ボア部344b内の冷媒とが熱交換可能に構成されている。
ここで、各サクションバルブ312c、313cおよび各ディスチャージバルブ312d、313dは、第1、第2の実施形態の逆止弁43a、43bと同様に、高温側冷媒回路4および低温側冷媒回路5の冷媒の逆流を防止するために設けられている。
本実施形態では、ディスチャージバルブ312d、313dを、作業室311と各冷媒回路4、5との圧力差が所定圧以上となった際に開弁する圧力弁(所定圧開弁装置)としている。また、第1、第2の実施形態と同様に、連通路314aに蓄圧タンク41aを設け、連通路314bに蓄圧タンク41bを設けている。本実施形態では、蓄圧タンク41a、41bおよびディスチャージバルブ312d、313dからなる構成が、熱媒体移動禁止手段に相当する。
本実施形態の構成によっても、電動モータ35により両容器31a、31b内の磁場印加除去装置32および冷媒ポンプ34を連続的に駆動すれば、第1、第2の実施形態と同様に、磁気作業物質30を、励磁断熱変化させる第1ステップ、励磁等温変化させる第2ステップ、消磁(減磁)断熱変化させる第3ステップ、および消磁(減磁)等温変化させる第4ステップを、順に実行するサイクルを繰り返すことができる。これにより、第1、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第3の実施形態において、例えば、冷媒ポンプの斜板342の形状設定により、第1ステップおよび第3ステップで熱媒体の移動を禁止すれば、蓄圧手段等を設けなくても、第1ステップ及び第3ステップで熱作動物質30を断熱状態とすることが可能である。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図21〜図26に基づいて説明する。
本第4の実施形態は、前述の第1〜第3の実施形態と比較して、第1ステップおよび第3ステップで磁気作業物質を断熱状態としないサイクル作動を行う点が異なる。なお、第1〜第3の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する場合がある。
図21は、本発明を適用した第4の実施形態における磁気ヒートポンプ装置である磁気冷凍システム2を備える車両用空調装置1の概略構成を示す模式図である。また、図22は、磁気冷凍システム2の磁気冷凍機103の軸方向断面図であり、図23は、磁気冷凍システム2の熱交換容器31の断面図(軸直交断面図)である。なお、図21および図22に示す磁気冷凍システム2の主要部である磁気冷凍機103は、図23のB−B線断面を示している。
本実施形態では、本発明を適用した磁気冷凍システム2を、車両の車室内の空調を行う車両用空調装置1に適用している。本実施形態の車両用空調装置1は、例えば、内燃機関(エンジン)から車両走行用の駆動力を得る車両に搭載される空調装置である。
車両用空調装置1は、図21に示すように、エンジンルーム内に配置される磁気冷凍システム2、車室内に配置される室内空調ユニット10、空調制御装置100を備えている。
本実施形態の磁気冷凍システム2は、車室内を冷房する冷房モード、車室内を暖房する暖房モード、車室内の暖房時に除湿を行う除湿モードの冷媒回路を切替え可能に構成されており、車両用空調装置1において車室内の冷房、暖房、除湿を行うことができる。
図21に示す磁気冷凍システム2は、磁気熱量効果により生成された冷熱および温熱を磁気作業物質からなる磁気作業物質体30自体に蓄えるAMR(Active Magnetic Refrigerator)方式を採用している。本実施形態の磁気冷凍システム2は、磁気熱量効果により冷熱および温熱を生成する磁気冷凍機103、磁気冷凍機103で生成した温熱により昇温した熱媒体(例えば、不凍液を含む水等の液体、以下、冷媒と呼ぶことがある)を加熱用熱交換器(第1熱交換器)13(放熱手段に相当)に循環させる高温側冷媒回路(第1冷媒循環回路)4、磁気冷凍機103で生成した冷熱により降温した冷媒を冷却用熱交換器(第2熱交換器)12(吸熱手段に相当)に循環させる低温側冷媒回路(第2冷媒循環回路)5等を備えて構成されている。
磁気冷凍機103は、内部に磁気熱量効果を有する磁気作業物質で形成された磁気作業物質体30が収容されると共に熱輸送媒体である冷媒(熱媒体)が流通する作業室311が形成された熱交換容器31(容器に相当)、磁気作業物質体への磁場の印加・除去を行う磁場印加除去装置32(磁場印加除去手段に相当)、熱交換容器31内の冷媒を移動させる冷媒ポンプ34(ポンプ手段、熱媒体移動手段に相当)、磁気冷凍機103の駆動源である電動モータ35等を有して構成されている。
図22に示すように、本実施形態の熱交換容器31は、磁気熱量効果により温熱を生成するための高温側容器31aと磁気熱量効果により冷熱を生成するための低温側容器31bに分割されている。高温側容器31aおよび低温側容器31bは、冷媒ポンプ34を介して同軸上に並んで配置されている。
本実施形態の磁気冷凍機103は、高温側容器31a、低温側容器31bおよび冷媒ポンプ34が一体となっており、共通のハウジング内に両容器31a、容器31bおよび冷媒ポンプ34の各機能部が収容されている。
高温側容器31aおよび低温側容器31bは、中空円柱状の容器で構成されている。各容器31a、31bには、その周壁に磁気作業物質体30を収容すると共に冷媒が流通する作業室311が形成されている。なお、図23に示すように、各容器31a、31bには、周方向に等間隔に並んだ複数の(本例では12の)作業室311が形成されている。
また、図22に示すように、各容器31a、31bにおける冷媒ポンプ34と反対側の端面に冷媒出入口312、313が形成されており、冷媒出入口312、313を介して、冷媒の吸入および吐出が可能となっている。
高温側容器31aおよび低温側容器31bからなる熱交換容器31には、各作業室311に対応して、作業室311の軸線方向(図示左右方向)の一端部311a側および他端部311b側のそれぞれに、冷媒の入口および出口が形成されている。
冷媒出入口312、313のうち、高温側容器31aに形成された高温側出入口312は、図22では2つ図示されており、その一方が高温側容器31aにおける図示上方側の作業室311に連通し、他方が高温側容器31aにおける図示下方側に位置する作業室311に連通している。
各高温側出入口312は、冷媒を吸入する冷媒吸入部(冷媒入口)312a、および冷媒を吐出する冷媒吐出部(冷媒出口)312bを有して構成されている。そして、冷媒吸入部312aには、冷媒を吸入する際に開放されるサクションバルブ(吸入弁)312cが設けられ、冷媒吐出部312bに冷媒を吐出する際に開放されるディスチャージバルブ(吐出弁)312dが設けられている。
また、冷媒出入口312、313のうち、低温側容器31bに形成された低温側出入口313は、図22では2つ図示されており、その一方が低温側容器31bにおける図示上方側の作業室311に連通し、他方が低温側容器31bにおける図示下方側に位置する作業室311に連通している。
各低温側出入口313は、高温側出入口312と同様に、冷媒吸入部(冷媒入口)313aおよび冷媒吐出部(冷媒出口)313bを有し、冷媒吸入部313aにサクションバルブ313cが設けられ、冷媒吐出部313bにディスチャージバルブ313dが設けられている。
また、各容器31a、31bにおける冷媒ポンプ34側の端面には、冷媒ポンプ34のシリンダボア344内に連通する連通路314、315が形成されている。なお、当該連通路314、315は、各高温側出入口312および各低温側出入口313に対応して複数形成されている。
各容器31a、31bそれぞれの内部には、磁場印加除去装置32の一部を構成する回転軸321a、321b、回転軸321a、321bに固定されたロータ(回転子)322a、322b、およびロータ322a、322bの外周面に埋設された永久磁石323a、323bが収容されている。
各回転軸321a、321bそれぞれは、各容器31a、31bの長手方向両端部に設けられた支持部である軸受部により回転可能に支持されている。
高温側容器31aに収容された高温側回転軸321a、および、低温側容器31bに収容された低温側回転軸321bは、冷媒ポンプ34の駆動軸341と一体となっている。
また、低温側容器31bに収容された低温側回転軸321bは、冷媒ポンプ34と反対側の端部が、低温側容器31bの外部に延在し、各回転軸321a、321bおよび駆動軸341を回転させる電動モータ35が接続されている。
各ロータ322a、322bは、外周面に永久磁石323a、323bが設けられた状態で、各容器31a、31bの内周面に対して所定の空隙を空けて回転するように回転軸321a、321bに固定されている。
また、永久磁石323a、323bは、図22に示すように、各回転軸321a、321bの回転に応じて、各容器31a、31bの各作業室311に周期的に近づくように、ロータ322a、322bにおける外周面の約5/6の範囲を占め磁石が2つ設けられている。なお、ロータ322a、322bには、外周面に永久磁石323a、323bが配設されいない部分に、外周面から凹んで軸線方向に延びる溝部が形成されている。
これにより、回転軸321a、321bの回転に応じて、各容器31a、31bおよびロータ322a、322bをヨークとして、永久磁石323a、323bの周囲に生ずる磁場が、各容器31a、31bにおける永久磁石323a、323bに近い部位に収容された磁気作業物質体30に印加され、永久磁石323a、323bに対して遠い部位に設けられた磁気作業物質体30から除去される。各作業室311内の磁気作業物質体30に対して、各容器31a、31bの径方向が印加される磁場方向となる。
本実施形態の磁場印加除去装置32は、例えば、第1の実施形態で説明した、ギャップ31Gの寸法、磁気抵抗部材324の磁気抵抗値、隙間部3221の隙間寸法、永久磁石の残留磁束密度、永久磁石の保持力、永久磁石の着磁方向、および、永久磁石の厚さのうち、1つもしくは2つ以上を、位相に対応して変化させる構成を有し、後述する図25に示すような磁場印加パターンを形成するようになっている。
各作業室311の周囲には、非磁性材料である例えば樹脂材料からなる保持部材33が形成され、この保持部材33により、各作業室311が各熱交換容器31a、31b内に位置決めされている。
冷媒ポンプ34は、熱交換容器31に形成された高温側出入口312側と低温側出入口313側との間で冷媒を往復移動させる冷媒移動手段を構成している。本実施形態では、冷媒ポンプ34として、駆動軸341に取り付けられた制御カム342Aにより、周方向に配置された複数の(作動室311と同数の)吸入吐出機構が径方向に作動するラジアル型のピストンポンプを採用している。
具体的には、本実施形態の冷媒ポンプ34は、図22に示すように、ハウジング340、ハウジング340内に回転可能に支持された駆動軸341、駆動軸341に対して固定されて駆動軸341と一体的に回転する制御カム342A、制御カム342Aの回転に応じて径方向に往復動するピストン343、ピストン343が往復動するシリンダボア344等で構成されている。駆動軸341は、ハウジング340の軸線方向両端部に設けられた支持部である軸受部により回転可能に支持されている。
本実施形態の制御カム342Aは、回転軸321に固定された永久磁石323の磁石の数に応じて形状が決定される。例えば、本例のように永久磁石323の数が2つの場合、カムフォロアである冷媒ポンプ34のピストン343が2往復したときに回転軸321a、321bが一回転するようにカムの形状を決定することができる。
シリンダボア344には、高温側容器31aの連通路314および低温側容器31bの連通路315が共に連通している。これにより、シリンダボア344内では、高温側容器31a側の冷媒と低温側容器31b側の冷媒とが同一空間で熱交換可能となっている。
ここで、本実施形態の冷媒ポンプ34は、磁気作業物質体30への磁場の印加、除去に同期して、各容器31a、31bの各作業室311に対する冷媒の吸入、吐出を行うように構成されている。
例えば、冷媒ポンプ34は、高温側容器31aにおいて作業室311内の磁気作業物質体30に磁場が印加されるとともに、低温側容器31bにおいて作業室311内の磁気作業物質体30から磁場が除去された際に、両作業室311に連通する共通のシリンダボア344内から冷媒を吐出する。
一方、冷媒ポンプ34は、高温側容器31aにおいて作業室311内の磁気作業物質体30から磁場が除去されるとともに、低温側容器31bにおいて作業室311内の磁気作業物質体30に磁場が印加された際に、両作業室311に連通する共通のシリンダボア344内へ冷媒を吸入する。
このように構成される冷媒ポンプ34によって、各容器31a、31bの作業室311に冷媒が吐出されると、各容器31a、31bの冷媒吐出部312b、313bに設けられたディスチャージバルブ312d、313dが開放されて、各容器31a、31bにおける冷媒吐出部312b、313b(作業室311の一端部311aおよび他端部311bでもある)付近の冷媒が外部に吐出される。
また、冷媒ポンプ34によって、各容器31a、31bの作業室311から冷媒が吸入されると、各容器31a、31bの冷媒吸入部312a、313aに設けられたサクションバルブ312c、313cが開放されて、各容器31a、31bにおける冷媒吸入部312a、313a(作業室311の一端部311aおよび他端部311bでもある)付近に外部から冷媒が導入される。
図21に示す電動モータ35は、車載されたバッテリ(図示略)からの電源供給により作動し、回転軸321a、321bおよび駆動軸341に動力を付与して、磁気冷凍機103を駆動する駆動手段である。
ここで、本実施形態では、各容器31a、31bに収容された回転軸321a、321b、ロータ322a、322b、永久磁石323a、323b、および熱交換容器31の外部に設けられた電動モータ35が、磁場印加除去手段である磁場印加除去装置32を構成している。また、永久磁石323a、323bは、磁場を発生させる磁場発生部を構成している。
詳細な図示は省略しているが、本実施形態の磁気冷凍機103は、熱交換容器31の作動室311(相互に連通する高温側容器31aの作業室311および低温側容器31bの作業室311からなる作業室対)の数に対応したシリンダ数(気筒数)の冷媒ポンプ34を用いて、各作業室311に対して、上述した冷媒移動構成をそれぞれ備えている。
上述の構成に基づき、本実施形態の磁気冷凍システム2の作動について、図24および図25も用いて説明する。なお、上記したように、本実施形態の磁気冷凍機103は、複数の作動室311のそれぞれに対して同一の冷媒移動構成を備えているので、図22図示上方の1つの作動室311について作動説明を行う。複数の作動室311では、後述する作動が位相をずらして行われることになる。
図24は、作業室311内の熱媒体の流速の変化を例示するグラフであり、他端部311bから一端部311a方向の流れを正としている。また、図25は、作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を例示するグラフである。図24および図25では、第1ステップをI、第2ステップをII、第3ステップをIII、第4ステップをIVとしている。
冷媒ポンプ34のシリンダボア344内のピストン343が下死点付近に位置し(図24のI参照)、永久磁石323aが高温側容器31aの作業室311に近づくと、作業室311に収容された磁気作業物質体30に磁場が印加(増磁、励磁)される(磁場印加過程、図25のI参照)。この際、磁気熱量効果によって磁気作業物質体30が発熱して、作業室311内の冷媒が昇温される。図24および図25のIに示す過程は、非断熱励磁過程である。
その後、シリンダボア344内のピストン343が下死点側から上死点側へと移動して、作業室311内の冷媒が冷媒ポンプ34側から高温側出入口312側に移動する(図24のII参照)。この際、高温側出入口312の冷媒吐出部312bに設けられたディスチャージバルブ312dが開放されて、冷媒吐出部312b(対をなす作業室311の一端部311a)付近に存する高温冷媒が加熱用熱交換器13側に吐出される(冷媒吐出過程)。
このとき、図24および図25のIIに示すように、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に増大させて、第2ステップで生じた分の熱量を磁気作業物質30から熱媒体へ伝達している。
第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率が大きくなるように、磁場の大きさを増大させる。例えば、熱媒体の流速が最大となったときに、磁場の増加率(図25のIIにおける磁場曲線の傾き)が最大となる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第2ステップが継続する間、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
その後、シリンダボア344内のピストン343が上死点付近に位置し(図24のIII参照)、永久磁石323aが高温側容器31aの作業室311から遠ざかると、作業室311に収容された磁気作業物質体30から磁場が除去(減磁)される(磁場除去過程、図25のIII参照)。図24および図25のIIIに示す過程は、非断熱減磁過程である。
その後、シリンダボア344内のピストン343が上死点側から下死点側へと移動して、作業室311内の冷媒が高温側出入口312側から冷媒ポンプ34側に移動する(図24のIV参照)。この際、高温側出入口312の冷媒吸入部312aに設けられたサクションバルブ312cが開放されて、加熱用熱交換器13から流出した冷媒が冷媒吸入部312a付近に吸入される(冷媒吸入過程)。
このとき、図24および図25のIVに示すように、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に減少させて、第4ステップで減少した分の熱量を熱媒体から磁気作業物質30へ伝達している。
第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率が大きくなるように、磁場の大きさを減少させる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第4ステップが継続する間、熱媒体と磁気作業物質30との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
そして、冷媒ポンプ34のピストン343が下死点付近に位置に戻ると、次の磁場印加過程となる。
このような磁場印加過程、冷媒吐出過程、磁場除去過程、冷媒吸入過程といった四つの工程によって、高温側容器31aの作業室311に収容された磁気作業物質体30の磁気熱量効果により生ずる温熱を加熱用熱交換器13側に輸送することができる。
低温側容器31bの作業室311側では、高温側容器31aの作業室311側における磁場除去過程時に、シリンダボア344内のピストン343が上死点付近に位置した状態で(図24のI参照)、磁気作業物質体30に磁場が印加される(図25のI参照)。
その後、シリンダボア344内のピストン343が上死点側から下死点側へと移動して、作業室311内の冷媒が低温側出入口313側から冷媒ポンプ34側に移動する(図24のII参照)。この際、低温側出入口313の冷媒吸入部313aに設けられたサクションバルブ313cが開放されて、冷却用熱交換器12から流出した冷媒が冷媒吸入部313a付近に吸入される(冷媒吸入過程)。
このとき、図24および図25のIIに示すように、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に増大させて、第2ステップで生じた分の熱量を磁気作業物質30から熱媒体へ伝達している。
第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率が大きくなるように、磁場の大きさを増大させる。例えば、熱媒体の流速が最大となったときに、磁場の増加率(図25のIIにおける磁場曲線の傾き)が最大となる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第2ステップが継続する間、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
その後、低温側容器31bの作業室311側では、高温側容器31aの作業室311側における磁場印加過程時に、シリンダボア344内のピストン343が下死点付近に位置した状態で(図24のIII参照)、作業室311に収容された磁気作業物質体30から磁場が除去される(図25のIII参照)。
その後、シリンダボア344内のピストン343が下死点側から上死点側へと移動して、作業室311内の冷媒が冷媒ポンプ34側から低温側出入口313側に移動する(図24のIV参照)。この際、低温側出入口313の冷媒吐出部313bに設けられたディスチャージバルブ313cが開放されて、冷媒吐出部313b(対をなす作業室311の他端部311b)付近に存する低温冷媒が冷却用熱交換器12側に吐出される(冷媒吐出過程)。
このとき、図24および図25のIVに示すように、作業室311内に形成される熱媒体の移動速度に応じて磁気作業物質30に印加する磁場を徐々に減少させて、第4ステップで減少した分の熱量を熱媒体から磁気作業物質30へ伝達している。
第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率が大きくなるように、磁場の大きさを減少させる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第4ステップが継続する間、熱媒体と磁気作業物質30との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
このような磁場印加過程、冷媒吸入過程、磁場除去過程、冷媒吐出過程といった四つの工程によって、低温側容器31bの作業室311に収容された磁気作業物質体30の磁気熱量効果により生ずる冷熱を冷却用熱交換器12側に輸送することができる。
ここで、熱交換容器31全体で見ると、磁気作業物質体30に磁場を印加された後に、低温側出入口313(作業室311の他端部311b)側から高温側出入口312(作業室311の一端部311a)側へ向けて冷媒が移動し、磁気作業物質体30から磁場を除去された後に高温側出入口312側から低温側出入口313側へ向けて冷媒が移動することとなる。
そして、熱交換容器31における高温側容器31a側にて磁場印加過程、冷媒吐出過程、磁場除去過程、冷媒吸入過程が繰り替えされ、低温側容器31b側にて磁場印加過程、冷媒吸入過程、磁場除去過程、冷媒吐出過程が繰り替えされることで、高温側容器31aの作業室311に収容された磁気作業物質体30と、低温側容器31bの作業室311に収容された磁気作業物質体30との間に大きな温度勾配を生成することができる。
次に、高温側冷媒回路4および低温側冷媒回路5について説明する。高温側冷媒回路4は、高温側容器31aにおける高温側出入口312の冷媒吐出部312bから吐出された冷媒を、加熱用熱交換器13の冷媒流入口13aに導く共に、加熱用熱交換器13の冷媒流出口13bから流出した冷媒を高温側出入口312の冷媒吸入部312aに戻す冷媒循環回路である。
具体的には、高温側出入口312の冷媒吐出部312b側には、加熱用熱交換器13の冷媒流入口13a側が接続されている。加熱用熱交換器13は、室内空調ユニット10のケース11内に配置されて、その内部を流通する冷媒と、冷却用熱交換器12通過後の送風空気とを熱交換させることで、送風空気を加熱する熱交換器(第1熱交換器)である。
加熱用熱交換器13の冷媒流出口13b側には、第1電気式三方弁141が接続されている。第1電気式三方弁141は、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される流路切替手段を構成している。
より具体的には、第1電気式三方弁141は、空調制御装置100からの制御信号に応じて、加熱用熱交換器13の冷媒流出口13b側と高温側容器31aの冷媒吸入部312a側との間を接続する冷媒回路、および加熱用熱交換器13の冷媒流出口13b側と吸放熱用熱交換器6の放熱側冷媒流入口61a側との間を接続する冷媒流路を切り替える。
吸放熱用熱交換器6は、エンジンルーム内に配置されて、その内部を流通する冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器である。本実施形態の吸放熱用熱交換器6は、加熱用熱交換器13から流出した冷媒が流れる放熱部61、および低温側容器31bから吐出された冷媒が流れる吸熱部62といった二つの熱交換部を有して構成されている。
吸放熱用熱交換器6の放熱部61は、放熱側冷媒流入口61aから流入した冷媒(加熱用熱交換器13から流出した冷媒)と外気とを熱交換させる熱交換部である。また、吸放熱用熱交換器6の吸熱部62は、吸熱側冷媒流入口62aから流入した冷媒(低温側容器31bから吐出された冷媒)と外気とを熱交換させる熱交換部である。
なお、放熱部61および吸熱部62は、吸放熱用熱交換器6の内部において放熱部61を流れる冷媒と吸熱部62を流れる冷媒が混在しないように、互いに冷媒流路が独立して構成されている。
吸放熱用熱交換器6における放熱側冷媒流出口61b側には、高温側容器31aの冷媒吸入部312aが接続されており、吸放熱用熱交換器6にて放熱された冷媒が高温側容器31aの作業室311に戻る。
従って、高温側冷媒回路4は、高温側容器31aの冷媒吐出部312b→加熱用熱交換器13→第1電気式三方弁141→高温側容器31aの冷媒吸入部312aといった順に冷媒が循環する循環回路と、高温側容器31aの冷媒吐出部312b→加熱用熱交換器13→第1電気式三方弁141→吸放熱用熱交換器6の放熱部61→高温側容器31aの冷媒吸入部312aといった順に冷媒が循環する循環回路とで構成される。
なお、高温側冷媒回路4には、加熱用熱交換器13と第1電気式三方弁141との間には、固定絞り142を介して、高温側冷媒回路4内の冷媒量を調整するためのリザーバタンク143が接続されている。なお、固定絞り142としては、オリフィスやキャピラリチューブ等を採用することができる。
低温側冷媒回路5は、低温側容器31bにおける低温側出入口313の冷媒吐出部313bから吐出された冷媒を、冷却用熱交換器12の冷媒流入口12aに導く共に、冷却用熱交換器12の冷媒流出口12bから流出した冷媒を低温側出入口313の冷媒吸入部313aに戻す冷媒循環回路である。
具体的には、低温側出入口313の冷媒吐出部313b側には、第2電気式三方弁51が接続されている。第2電気式三方弁51は、第1電気式三方弁141と同様に、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される流路切替手段を構成している。
第2電気式三方弁51は、空調制御装置100からの制御信号に応じて、低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と吸放熱用熱交換器6の吸熱側冷媒流入口62a側との間を接続する冷媒回路、および低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と第3電気式三方弁52との間を接続する冷媒回路を切り替える。そして、吸放熱用熱交換器6の吸熱側冷媒流出口62b側には、第3電気式三方弁52が接続されている。
第3電気式三方弁52は、第1、第2電気式三方弁141、51と同様に、空調制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される流路切替手段を構成している。
具体的には、第3電気式三方弁52は、第2電気式三方弁51に連動して作動するように構成されている。すなわち、第3電気式三方弁52は、第2電気式三方弁51にて低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と第3電気式三方弁52との間を接続する冷媒回路に切り替えられると、第2電気式三方弁51と冷却用熱交換器12の冷媒流入口12a側との間を接続する冷媒回路に切り替える。また、第3電気式三方弁52は、第2電気式三方弁51にて低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と吸放熱用熱交換器6の吸熱側冷媒流入口62a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられると、第2電気式三方弁51と低温側出入口313の冷媒吸入部313a側との間を接続する冷媒回路に切り替える。
第3電気式三方弁52に接続された冷却用熱交換器12は、室内空調ユニット10のケース11内のうち、加熱用熱交換器13の送風空気流れ上流側に配置されて、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する熱交換器である。そして、冷却用熱交換器12の冷媒流出口12b側には、低温側出入口313の冷媒吸入部313aが接続されている。
このように、低温側冷媒回路5は、低温側容器31bの冷媒吐出部313b→第2電気式三方弁51→第3電気式三方弁52→冷却用熱交換器12→低温側容器31bの冷媒吸入部313aといった順に冷媒が循環する循環回路と、低温側容器31bの冷媒吐出部313b→吸放熱用熱交換器6の吸熱部62→第2電気式三方弁51→第3電気式三方弁52→低温側容器31bの冷媒吸入部313aといった順に冷媒が循環する循環回路とで構成される。
なお、低温側冷媒回路5には、第2電気式三方弁51および吸放熱用熱交換器6と第3電気式三方弁52との間には、固定絞り53を介して、低温側冷媒回路5内の冷媒量を調整するためのリザーバタンク54が接続されている。なお、固定絞り53としては、オリフィスやキャピラリチューブ等を採用することができる。
次に、室内空調ユニット10について説明する。室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケース11内に図示しない送風機、前述の冷却用熱交換器12、加熱用熱交換器13、ヒータコア14等を収容したものである。
ケース11は、車室内に送風される送風空気の空気流路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケース11内の送風空気流れ最上流側には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する図示しない内外気切替箱が配置されている。
内外気切替箱の空気流れ下流側には、内外気切替箱を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機が配置されている。この送風機は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置100から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機の空気流れ下流側には、前述の冷却用熱交換器12が配置されている。さらに、冷却用熱交換器12の空気流れ下流側には、冷却用熱交換器12通過後の空気を流す加熱用冷風通路15、冷風バイパス通路16といった空気通路、並びに、加熱用冷風通路15および冷風バイパス通路16から流出した空気を混合させる混合空間17が形成されている。
加熱用冷風通路15には、冷却用熱交換器12通過後の空気を加熱するための加熱手段としての加熱用熱交換器13、およびヒータコア14が、送風空気流れ方向に向かってこの順で配置されている。ヒータコア14は、車両走行用駆動力を出力するエンジン(図示略)の冷却水と冷却用熱交換器12通過後の空気とを熱交換させて、冷却用熱交換器12通過後の空気を加熱する熱交換器である。
一方、冷風バイパス通路16は、冷却用熱交換器12通過後の空気を、加熱用熱交換器13、およびヒータコア14を通過させることなく、混合空間17に導くための空気通路である。従って、混合空間17にて混合された送風空気の温度は、加熱用冷風通路15を通過する空気および冷風バイパス通路16を通過する空気の風量割合によって変化する。
そこで、本実施形態では、冷却用熱交換器12の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路15および冷風バイパス通路16の入口側に、加熱用冷風通路15および冷風バイパス通路16へ流入させる冷風の風量割合を連続的に変化させるエアミックスドア18を配置している。つまり、エアミックスドア18は、加熱用熱交換器13に流入する送風空気の風量を調整して、混合空間17内の空気温度(車室内へ吹き出す空気の温度)を調整する温度調整手段を構成する。
さらに、ケース11の送風空気流れ最下流部には、混合空間17から冷却対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す図示しない吹出口(例えば、フェイス吹出口、フット吹出口、デフロスタ吹出口)が配置されている。なお、各吹出口の空気流れ上流側には、吹出口の開口面積を調整するドアが配置されており、各ドアの開閉により車室内に空調風を吹き出す吹出口を切り替えることが可能となっている。
空調制御装置100は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。そして、空調制御装置100は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された電動モータ35、流路切替手段を構成する各電気式三方弁141、51、52、送風機、エアミックスドア18の駆動手段等の作動を制御する。
空調制御装置100の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル(図示略)に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置1の作動スイッチ、オートスイッチ、運転モード(冷房モード、暖房モード、除湿モード等)の切替スイッチ等が設けられている。
なお、空調制御装置100のうち、磁気冷凍機103の駆動手段を構成する電動モータ35を制御する構成が電動モータ制御手段を構成し、各電気式三方弁141、51、52を制御する構成が流路切替制御手段を構成している。
上記構成の磁気冷凍システム2を含む車両用空調装置1では、操作パネルに設けられた運転モードの切替スイッチ、または空調制御装置100の制御処理によって、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード等の各種運転モードを実行することができる。
例えば、冷房運転モードでは、空調制御装置100からの制御信号によって、高温側冷媒回路4が、第1電気式三方弁141にて加熱用熱交換器13の冷媒流出口13b側と吸放熱用熱交換器6の放熱側冷媒流入口61a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられる。また、低温側冷媒回路5は、第2電気式三方弁51にて低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と第3電気式三方弁52との間を接続する冷媒回路に切り替えられる共に、第3電気式三方弁52にて第2電気式三方弁51と冷却用熱交換器12の冷媒流入口12a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられる。
また、暖房運転モードでは、空調制御装置100からの制御信号によって、高温側冷媒回路4が、第1電気式三方弁141にて加熱用熱交換器13の冷媒流出口13b側と高温側容器31aの冷媒吸入部312a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられる。また、低温側冷媒回路5は、第2電気式三方弁51にて低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と吸放熱用熱交換器6の吸熱側冷媒流入口62a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられると共に、第3電気式三方弁52にて第2電気式三方弁51と低温側出入口313の冷媒吸入部313a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられる。
また、除湿運転モードでは、空調制御装置100からの制御信号によって、高温側冷媒回路4が、第1電気式三方弁141にて加熱用熱交換器13の冷媒流出口13b側と高温側容器31aの冷媒吸入部312a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられる。また、低温側冷媒回路5は、第2電気式三方弁51にて低温側出入口313の冷媒吐出部313b側と第3電気式三方弁52との間を接続する冷媒回路に切り替えられる共に、第3電気式三方弁52にて第2電気式三方弁51と冷却用熱交換器12の冷媒流入口12a側との間を接続する冷媒回路に切り替えられる。
このようにして、各運転モードにおいて、熱交換容器31の作業室311の一端部311a側で得られる温熱および他端部311b側で得られる冷熱を利用して、車室内を空調することができる。
第1〜第3の実施形態では詳細な説明を省略していたが、第1〜第3の実施形態における冷却用熱交換器12および加熱用熱交換器13も、本実施形態のように車両用空調装置に適用することが可能である。
前述した本実施形態の磁気冷凍システムによれば、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で実行するサイクルを繰り返して、冷却用熱交換器12で吸熱した熱を加熱用熱交換器13から放熱することができる。
第1ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を僅かに行いつつ、磁気作業物質30に対して印加する磁場を増大させ、磁気作業物質30を昇温させることができる。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から、第2ステップでの発熱分の温熱を熱媒体へ伝達して、一端部331a側へ運ぶことができる。
また、第3ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を僅かに行いつつ、磁気作業物質30に対して印加する磁場を減少させ、磁気作業物質30を降温させることができる。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から、第4ステップでの減熱分の冷熱を熱媒体へ伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
第1の実施形態と同様に、第2ステップおよび第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、冷媒ポンプ34と磁場印加除去装置32とを連動させている。
これによると、第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速く磁気作業物質30から熱媒体への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率を大きくして磁気作業物質における発熱量を大きくする。これにより、第2ステップにおいて、磁気作業物質30をほぼ等温状態とすることができる。
また、第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速く熱媒体から磁気作業物質30への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率を大きくして磁気作業物質における吸熱量を大きくする。これにより、第4ステップにおいて、磁気作業物質30をほぼ等温状態とすることができる。
これらにより、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。図26は、本実施形態の磁気冷凍システム2の熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に例示したものである。一点鎖線で示したサイクルが運転効率面において理想的な熱サイクルの一例であるカルノーサイクルである。比較例として破線で示したサイクルは、作動室内の冷媒を停止することなく往復動させるとともに、磁場印加中に磁場を変動させない場合である。
本発明を適用した磁気冷凍システム2では、磁気作業物質30を、第1ステップIおよび第3ステップIIIでは断熱状態としていないが、第2ステップIIでは略等温励磁変化させ、第4ステップIVでは略等温減磁変化させることができる。
図26に一点鎖線で示した理想的な熱サイクルであるカルノーサイクルは、断熱励磁過程、等温励磁過程、断熱減磁過程および等温減磁過程よりなる。本実施形態の磁気冷凍システム2によれば、第2ステップIIを理想的な等温励磁過程に近似させることができる。また、第4ステップIVを理想的な等温減磁過程に近似させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、図26に実線で示す熱サイクルのように、理想的なサイクルに近似させることができる。このようにして、等温励磁過程および等温減磁過程において理想的な熱サイクルからの乖離度を低減でき、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。
なお、本実施形態の磁気冷凍機103において、例えば、制御カムの形状設定により、第1ステップおよび第3ステップで熱媒体の移動を禁止すれば、第1ステップ及び第3ステップで熱作動物質30を断熱状態とすることが可能である。これによれば、第1の実施形態と同様に、断熱励磁過程、等温励磁過程、断熱減磁過程および等温減磁過程において理想的な熱サイクルからの乖離度を低減でき、磁気冷凍システム2の運転効率を確実に向上することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について図27〜図29に基づいて説明する。
本第5の実施形態は、前述の第4の実施形態と比較して、磁場の印加パターンが異なる。なお、第1〜第4の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する場合がある。
図27は、作業室311内の熱媒体の流速の変化を例示するグラフであり、他端部311bから一端部311a方向の流れを正としている。また、図28は、作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を例示するグラフである。図28および図29では、第1ステップをI、第2ステップをII、第3ステップをIII、第4ステップをIVとしている。
本実施形態の磁気冷凍システムは、第4の実施形態とほぼ同様である。第4の実施形態の磁気冷凍システム2に対し、磁場印加除去装置32と冷媒ポンプ34とが連動する際の相互の位相が若干シフトしており、図27に示す熱媒体の流速パターンと図28に示す磁場印加パターンとが同期するようになっている。また、本実施形態の磁場印加除去装置32は、例えば、第1の実施形態で説明した、ギャップ31Gの寸法、磁気抵抗部材324の磁気抵抗値、隙間部3221の隙間寸法、永久磁石の残留磁束密度、永久磁石の保持力、永久磁石の着磁方向、および、永久磁石の厚さのうち、1つもしくは2つ以上を、位相に対応して変化させる構成を有し、図28に示すような磁場印加パターンを得ている。
本実施形態の磁気冷凍システムでは、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で実行するサイクルを繰り返して、冷却用熱交換器12で吸熱した熱を加熱用熱交換器13から放熱することができる。
第1ステップでは、作業室331の一端部311a側から他端部311b側への熱媒体の移動の速さを減少させ(図27のI参照)、磁気作業物質30に対して磁場は印加しない(磁場の大きさを変更しない。ただし本例では磁場強さ=0。図28のI参照)。第1ステップでは、磁場の大きさは変化しないので磁気作業物質30は温熱を生成しないが、作業室311内を移動する熱媒体からの熱伝達により、磁気作業物質30を昇温させることができる。
第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側への熱媒体の移動の速さを増大させ(図27のII参照)、磁気作業物質30に印加する磁場も増大させる(図28のII参照)。第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率が大きくなるように、磁場の大きさを増大させる。例えば、熱媒体の流速が最大となったときに、磁場の増加率(図9のIIにおける磁場曲線の傾き)が最大となる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第2ステップが継続する間、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から、第2ステップでの発熱分の温熱を熱媒体へ伝達して、一端部331a側へ運ぶことができる。
また、第3ステップでは、作業室331の他端部311b側から一端部311a側への熱媒体の移動の速さを減少させ(図27のIII参照)、磁気作業物質30に対して印加する磁場の大きさを変更しない。(図28のIII参照)。第3ステップでは、磁場の大きさは変化しないので磁気作業物質30は冷熱を生成しないが、作業室311内を移動する熱媒体への熱伝達により、磁気作業物質30を降温させることができる。
第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側への熱媒体の移動の速さを増大させ(図27のIV参照)、磁気作業物質30に印加する磁場を減少させる(図28のIV参照)。第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率が大きくなるように、磁場の大きさを増大させる。これにより、磁気作業物質30を略等温状態とし、第4ステップが継続する間、磁気作業物質30と熱媒体との間の熱伝達率を高い状態で維持するようにしている。
第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から、第4ステップでの減熱分の冷熱を熱媒体へ伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
本実施形態の磁気冷凍システムによれば、第2ステップおよび第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、冷媒ポンプ34と磁場印加除去装置32とを連動させている。
これによると、第2ステップでは、熱媒体の移動の速さが速く磁気作業物質30から熱媒体への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの増大率を大きくして磁気作業物質における発熱量を大きくする。これにより、第2ステップにおいて、磁気作業物質30をほぼ等温状態とすることができる。
また、第4ステップでは、熱媒体の移動の速さが速く熱媒体から磁気作業物質30への熱伝達が良好なときほど、磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの減少率を大きくして磁気作業物質における吸熱量を大きくする。これにより、第4ステップにおいて、磁気作業物質30をほぼ等温状態とすることができる。
これらにより、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。図29は、本実施形態の磁気冷凍システム2の熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に例示したものである。一点鎖線で示したサイクルが運転効率面において理想的な熱サイクルの一例であるエリクソンサイクルである。また、二点鎖線で示したサイクルは、前述のカルノーサイクルである。
本実施形態の磁気冷凍システムでは、磁気作業物質30を、第2ステップIIでは略等温励磁変化させ、第4ステップIVでは略等温減磁変化させることができる。
図29に一点鎖線で示した理想的な熱サイクルの一例であるエリクソンサイクルは、等温励磁過程および等温減磁過程を有している。本実施形態の磁気冷凍システム2によれば、第2ステップIIを理想的な等温励磁過程に近似させることができる。また、第4ステップIVを理想的な等温減磁過程に近似させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、図29に実線で示す熱サイクルのように、理想的なサイクルに近似させることができる。このようにして、等温励磁過程および等温減磁過程において理想的な熱サイクルからの乖離度を低減でき、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。
なお、本実施形態の磁気冷凍システムにおいて、熱媒体の流速パターンと磁場印加パターンとの同期は、図27および図28に示す関係に限定されるものではない。例えば図27に示す熱媒体流速パターンにおいて、第2ステップを熱媒体の流速が最大値を越えるところまで延長する。そして、延長した第2ステップにおいて、熱媒体の流速が速いときほど磁気作業物質30へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、磁場を変化させてもかまわない。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について図18、図30および図31に基づいて説明する。
本第6の実施形態は、前述の第2の実施形態と比較して、磁場の印加パターンが異なる。なお、第1〜第5の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する場合がある。
図18は、作業室311内の熱媒体の流速の変化を例示するグラフであり、他端部311bから一端部311a方向の流れを正としている。作業室311内の熱媒体の流速パターンは、第2の実施形態と同一である。また、図30は、作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場の変化を例示するグラフである。図18および図30では、第1ステップをI、第2ステップをII、第3ステップをIII、第4ステップをIVとしている。
本実施形態の磁気冷凍システムは、第2の実施形態とほぼ同様である。本実施形態の磁場印加除去装置32は、例えば第1の実施形態で説明したギャップ31Gの寸法、磁気抵抗部材324の磁気抵抗値、隙間部3221の隙間寸法、永久磁石の残留磁束密度、永久磁石の保持力、永久磁石の着磁方向、および、永久磁石の厚さ等を、周方向(ロータ回転方向)に変化させる構成を有していない。本実施形態の磁場印加除去装置32は、周方向に延びて軸直交断面が円弧状をなし一定の着磁がなされた永久磁石が、周方向の半分の領域に配設されている。これにより、図30に示すような磁場印加パターンを得ている。
本実施形態の磁気冷凍システムの作動時には、第1ステップおよび第3ステップでは、第1、第2の実施形態と同様の作動をする。ただし、第3ステップでは、磁気作業物質30に印加する磁場は、急激に減少され磁場強さは0となる(ほぼ完全に消磁される)。
第2ステップでは、冷媒ポンプ34Aから吐出される冷媒に加え、蓄圧タンク41aに蓄圧されていたエネルギーにより、作業室311の他端部311bに冷媒が一気に流入し、作動室311内に他端部311bから一端部311aへ向かうほぼ定速の冷媒流れが速やかに形成される(図18のII参照)。冷媒ポンプ34Bは高温側冷媒回路4を介して冷媒を吸入し、作業室311の一端部311aから高温側冷媒回路4へ、磁気作業物質30で加熱され高温となった冷媒が流出する。
このとき、永久磁石323によって作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場は、第1ステップで増加させた磁場(第1ステップ終了時点の磁場)が維持される(図30のII参照)。すなわち、第1ステップを開始して、時間経過に伴い増加する冷媒入口313aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、磁気作業物質30に印加する磁場を第1ステップ終了時点よりも減少させることなく一定に保ち、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させる第2ステップが実行される。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から熱媒体へ温熱を伝達して一端部331a側へ運ぶことができる。
第2ステップでは、磁気作業物質30に印加する磁場は変化しないので、磁気作業物質30は温熱を生成しない。第2ステップでは、第1ステップで生成された温熱が熱媒体へ伝達され、磁気作業物質30は降温する。
第4ステップでは、冷媒ポンプ34Bから吐出される冷媒に加え、蓄圧タンク41bに蓄圧されていたエネルギーにより、作業室311の一端部311aに冷媒が一気に流入し、作動室311内に一端部311aから他端部311bへ向かうほぼ定速の冷媒流れが速やかに形成される(図18のIV参照)。冷媒ポンプ34Aは低温側冷媒回路5を介して冷媒を吸入し、作業室311の他端部311bから低温側冷媒回路5へ、磁気作業物質30で冷却され低温となった冷媒が流出する。
このとき、永久磁石323によって作業室311内の磁気作業物質30に印加される磁場は、第3ステップで減少させた磁場(第3ステップ終了時点の磁場、本例では印加磁場がほぼ消滅した状態)が維持される(図30のIV参照)。すなわち、第3ステップを開始して、時間経過に伴い減少する冷媒入口312aと作業室311との圧力差が所定圧に到達すると、磁気作業物質30に印加する磁場を第3ステップ終了時点よりも増加させることなく一定に保ち、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させる第4ステップが実行される。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から熱媒体へ冷熱を伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
第4ステップでは、磁気作業物質30に印加する磁場は変化しないので、磁気作業物質30は冷熱を生成しない。第4ステップでは、第3ステップで生成された冷熱が熱媒体へ伝達され、磁気作業物質30は昇温する。
上述の構成および作動によれば、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップの順で実行するサイクルを繰り返して、冷却用熱交換器12で吸熱した熱を加熱用熱交換器13から放熱することができる。
第1ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質30に対して印加する磁場を増大させ、磁気作業物質30を昇温させることができる。第2ステップでは、作業室311の他端部311b側から一端部311a側へ熱媒体を移動させ、第1ステップで昇温した磁気作業物質30から温熱を熱媒体へ伝達して、一端部331a側へ運ぶことができる。
また、第3ステップでは、作業室331内の熱媒体の移動を停止した断熱状態を形成して、磁気作業物質30に対して印加する磁場を減少させ、磁気作業物質30を降温させることができる。第4ステップでは、作業室311の一端部311a側から他端部311b側へ熱媒体を移動させ、第3ステップで降温した磁気作業物質30から冷熱を熱媒体へ伝達して他端部331b側へ運ぶことができる。
これらにより、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。図31は、本実施形態の磁気冷凍システム2の熱サイクル特性を温度−エントロピ図上に例示したものである。一点鎖線で示したサイクルが運転効率面において理想的な熱サイクルの一例であるブレイトンサイクルである。また、二点鎖線で示したサイクルは、前述のカルノーサイクルである。比較例として破線で示したサイクルは、作動室内の冷媒を停止することなく往復動させるとともに、磁場印加中に磁場を変動させない場合である。
本実施形態の磁気冷凍システムでは、磁気作業物質30を、第1ステップIでは略断熱励磁変化させ、第3ステップIIIでは略断熱減磁変化させることができる。
図31に一点鎖線で示した理想的な熱サイクルの一例であるブレイトンサイクルは、断熱励磁過程および断熱減磁過程を有している。本実施形態の磁気冷凍システム2によれば、第1ステップIを理想的な断熱励磁過程に近似させることができる。また、第3ステップIIIを理想的な断熱減磁過程に近似させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、図31に実線で示す熱サイクルのように、理想的なサイクルに近似させることができる。このようにして、断熱励磁過程および断熱減磁過程において理想的な熱サイクルからの乖離度を低減でき、磁気冷凍システム2の運転効率を向上することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記第1、第2、第6の実施形態に例示した構成では、所定圧開弁装置である圧力弁42a、42bを、冷媒ポンプ34A、34Bから冷媒が導入される作業室311の冷媒導入口の側に設け、上記第3、第4の実施形態に例示した構成では、所定圧開弁装置であるディスチャージバルブ312d、313dを、冷媒ポンプ34A、34Bから導入された冷媒が熱交換器12、13へ向かって導出される作業室311の冷媒導出口の側に設けていたが、作業室311の冷媒導入口側・冷媒導出口側のいずれに設けるものであってもよい。所定圧開弁装置を作業室311の冷媒導入口側に設ければ、上記第1ステップおよび第3ステップにおいて、作業室311内の冷媒の移動を確実に停止させることができる。
また、上記第1、第2、第3、第6の実施形態に例示した構成では、蓄圧手段である蓄圧タンク41a、41bは、上記第1ステップおよび第3ステップでは、冷媒ポンプ34、34A、34Bが吐出する冷媒の吐出圧を蓄圧するものであったが、冷媒ポンプ34、34A、34Bの吸入圧を蓄圧するものであってもかまわない。
また、上記第1、第2、第3、第6の実施形態に例示した構成では、熱媒体移動禁止手段を、蓄圧手段と所定圧開弁装置とで構成し、時間経過に伴い変化する物理量である圧力差が所定値に到達したときに、第1ステップから第2ステップへの移行、および、第3ステップから第4ステップへの移行を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば、熱媒体移動禁止手段を、回転軸回転角度検出手段と電磁弁とで構成し、時間経過に伴い変化する物理量である回転軸の回転角度に応じて電磁弁を開弁するものであってもよい。また、熱媒体移動禁止手段を、タイマーと電磁弁とで構成し、所定時間経過した際に電磁弁を開弁するものであってもよい。
また、上記第1、第2、第3、第6の実施形態に例示した構成では、冷媒ポンプ34、34A、34Bを連続駆動し、蓄圧手段と所定圧開弁装置とで構成された熱媒体移動禁止手段によって、第1ステップおよび第3ステップで冷媒の移動を禁止していたが、これに限定されるものではない。例えば、冷媒ポンプ34、34A、34Bを、第1ステップおよび第3ステップでは停止するように、断続的に駆動するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、磁場印加除去装置を回転することで磁気作業物質に印加する所定の磁場パターンを得ていたが、これに限定されるものではなく、磁場印加除去装置と磁気作業物質とが相対的に移動するものであればよい。例えば、磁場印加除去装置が固定され、作業室が回転するものであってもよい。
また、所定の磁場パターンが得られるのであれば、磁場印加除去装置と磁気作業物質とが相対的に移動するものに限定されるものでもない。例えば、磁場印加除去装置と磁気作業物質との相対的な移動がない構成において、第1の実施形態で説明した、ギャップ31Gの寸法を変更する手段、磁気抵抗部材324の磁気抵抗値を変更する手段、隙間部3221の隙間寸法を変更する手段のいずれかを採用してもかまわない。すなわち、磁場印加除去装置および磁気作業物質が固定された状態で、磁気回路中のギャップや隙間部を機械的に寸法変化させたり、磁気回路中に配設する磁気抵抗部材のみを移動させたりするものであってもかまわない。
また、上記各実施形態では、磁場印加除去装置32の磁場発生手段を永久磁石323で構成していたが、これに限定されるものではない。磁場発生手段を通電により磁場を生ずる電磁石で構成してもよい。
例えば、図32および図33に例示する構成の磁気冷凍機203を採用してもかまわない。図32は、磁気冷凍機203の軸方向断面図であり、図33は、熱交換容器31の軸直交断面図である。図32および図33に示しように、磁気冷凍機203は、第4の実施形態で説明した磁気冷凍機103に対し、磁場変更手段を通電により電磁石となるコイル132としている。
図32および図33に示すように、コイル132は、内部に作業室311を形成する保持部材33の周りに巻装されている。コイル132に通電する電流値を変更することで、上記各実施形態において磁気作業物質30に印加する各種の磁場パターンを容易に形成することができる。
すなわち、磁場変更手段を電磁石であるコイル132とし、上記第1〜第5の実施形態の第2ステップおよび第4ステップでは、ヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に対応してコイル132に通電する電流値を変更することで、熱媒体の移動の速さに応じた磁場の大きさの変化率を設定することが可能である。
このように、磁場変更手段を電磁石とし、電磁石に通電する電流値を変化させることで、磁気作業物質へ印加する磁場の大きさを容易に変更することができる。したがって、磁場変更手段は、位相に応じて磁気作業物質へ印加する磁場の大きさおよびその増減率を容易に変更することができる。
図32および図33に示すように、磁気冷凍機203では、1つの熱交換容器31内に2つの作業室311を形成しており、各作業室311のそれぞれに対応してコイル132を配設している。2つのコイル132が形成する磁場パターンは、例えば相互に位相がずれたものとなる。そこで、図33に示すように、コイル132に通電された際にヨークとなる熱交換容器31には、2つのコイル132が形成する磁場同士の干渉を抑制するように、例えば樹脂材からなる低透磁率材層31sが形成されている。
作業室およびコイルの数は2つに限定されるものではない。また、各コイルが形成する磁場同士が互いに悪影響を与えることがなければ、低透磁率材層を省略することが可能である。
また、上記第1〜第4、第6の実施形態では、磁場パターンが急峻に上昇するときの前後を含め第1ステップとし、磁場パターンが急峻に下降するときの前後を含め第3ステップとしていたが、これに限定されるものではない。例えば、磁場パターンが急峻に上昇するときのみを第1ステップとし、磁場パターンが急峻に下降するときのみを第3ステップとしてもかまわない。
また、上記各実施形態では、作業室311の一端部311aの高温の冷媒を外部の加熱用熱交換器13に循環して外部流体に放熱し、作業室311の他端部311bの低温の冷媒を外部の冷却用熱交換器12に循環して外部流体から吸熱していたが、これに限定されるものではない。例えば、熱媒体と外部流体との熱交換を作動室の両端部で行うものであってもよい。
2 磁気冷凍システム(磁気ヒートポンプ装置)
30 磁気作業物質
31、31a、31b 熱交換容器(容器)
31G ギャップ
32、32A、32B、32C、32D、32E 磁場印加除去装置(磁場変更手段)
34、34A、34B 冷媒ポンプ(熱媒体移動手段)
41a、41b 蓄圧タンク(蓄圧手段、熱媒体移動禁止手段の一部)
42a、42b 圧力弁(所定圧開弁装置、熱媒体移動禁止手段の一部)
132 コイル(電磁石、磁場変更手段)
311 作動室
311a 一端部
311b 他端部
312d、313d ディスチャージバルブ(所定圧開弁装置、熱媒体移動禁止手段の一部)
322、322a、322b ロータ(ヨークの一部)
323、323a、323b、3231、3232、3233、3239 永久磁石
324 磁気抵抗部材
3221 隙間部

Claims (16)

  1. 磁気熱量効果を有する磁気作業物質(30)が配置されるとともに熱媒体が流通する作業室(311)が形成された容器(31)と、
    前記磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを変更する磁場変更手段(32)と、
    前記磁気作業物質(30)を挟む前記作業室(311)の両端部のうち、一端部(311a)側と他端部(311b)側との間で前記熱媒体を往復移動させる熱媒体移動手段(34A、34B)と、
    前記一端部(311a)側の前記熱媒体が有する熱を外部へ放熱する放熱手段(13)と、
    前記他端部(311b)側の前記熱媒体へ外部の熱を吸熱する吸熱手段(12)と、を備え、
    前記磁気作業物質(30)を昇温させる第1ステップと、
    前記第1ステップで昇温した前記磁気作業物質(30)に対し前記磁場変更手段(32)によって印加する磁場の大きさを増大させつつ、前記熱媒体移動手段(34A、34B)によって前記他端部(311b)側から前記一端部(311a)側へ前記熱媒体を移動させる第2ステップと、
    前記第2ステップの後、前記磁気作業物質(30)を降温させる第3ステップと、
    前記第3ステップで降温した前記前記磁気作業物質(30)に対し前記磁場変更手段(32)によって印加する磁場の大きさを減少させつつ、前記熱媒体移動手段(34A、34B)によって前記一端部(311a)側から前記他端部(311b)側へ前記熱媒体を移動させる第4ステップとを、
    前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップおよび前記第4ステップの順で繰り返して動作するヒートポンプサイクルによって、前記吸熱手段(12)で吸熱した熱を前記放熱手段(13)から放熱する磁気ヒートポンプ装置であって、
    前記第2ステップおよび前記第4ステップでは、前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記熱媒体の移動の速さが速いときほど前記磁場変更手段(32)による前記磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさの変化率が大きくなるように、前記熱媒体移動手段(34A、34B)と前記磁場変更手段(32)とが連動することを特徴とする磁気ヒートポンプ装置。
  2. 前記磁場変更手段(32)は、前記第2ステップおよび前記第4ステップでは、前記ヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に応じて、前記磁気作業物質(30)を通る磁気回路の磁気抵抗を変化させて前記磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを変更し、前記熱媒体の移動の速さに応じた前記磁場の大きさの変化率を設定することを特徴とする請求項1に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  3. 前記磁気回路には、前記磁気作業物質(30)が配置されるギャップ(31G)が形成されており、
    前記磁場変更手段(32)は、前記位相に応じて、前記ギャップ(31G)の大きさを変化させることで、前記磁気回路の磁気抵抗を変化させることを特徴とする請求項2に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  4. 前記磁場変更手段(32A)は、前記位相に応じて、前記磁気回路中に配置される磁気抵抗部材(324)の磁気抵抗値を変化させることで、前記磁気回路の磁気抵抗を変化させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  5. 前記磁気回路の一部を構成するヨーク(322)を備え、
    前記ヨーク(322)には、前記磁気作業物質(30)が配置されるギャップとは異なる隙間部(3221)が形成されており、
    前記磁場変更手段(32B)は、前記位相に応じて、前記隙間部(3221)の隙間寸法を変化させることで、前記磁気回路の磁気抵抗を変化させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1つに記載の磁気ヒートポンプ装置。
  6. 前記磁場変更手段(32C)は、前記磁気作業物質(30)と相対的に位置を変更する永久磁石(3231)を具備し、
    前記永久磁石(3231)が前記ヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に対応して前記相対的に位置を変更する方向に異なる磁気特性を有することで、前記磁場変更手段(32C)は、前記第2ステップおよび前記第4ステップでは、前記熱媒体の移動の速さに応じた前記磁場の大きさの変化率を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の磁気ヒートポンプ装置。
  7. 前記磁気特性は、残留磁束密度もしくは保持力の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  8. 前記磁気特性は、着磁方向であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  9. 前記永久磁石(3233)は、前記相対的に位置を変更する方向において厚さが異なることで、前記位相に対応して前記相対的に位置を変更する方向に異なる磁気特性を有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1つに記載の磁気ヒートポンプ装置。
  10. 前記磁場変更手段は、電磁石(132)を具備し、
    前記磁場変更手段は、前記第2ステップおよび前記第4ステップでは、前記ヒートポンプサイクルの動作周期中の位相に対応して前記電磁石(132)に通電する電流値を変更することで、前記熱媒体の移動の速さに応じた前記磁場の大きさの変化率を設定することを特徴とする請求項1に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  11. 前記第1ステップでは、前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記作業室(311)内の前記熱媒体の移動を停止した状態で、前記磁場変更手段(32)によって前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させ、
    前記第1ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、前記第2ステップを実行し、
    前記第3ステップでは、前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記作業室(311)内の前記熱媒体の移動を停止した状態で、前記磁場変更手段(32)によって前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させ、
    前記第3ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、前記第4ステップを実行することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の磁気ヒートポンプ装置。
  12. 磁気熱量効果を有する磁気作業物質(30)が配置されるとともに熱媒体が流通する作業室(311)が形成された容器(31)と、
    前記磁気作業物質(30)へ印加する磁場の大きさを変更する磁場変更手段(32)と、
    前記磁気作業物質(30)を挟む前記作業室(311)の両端部のうち、一端部(311a)側と他端部(311b)側との間で前記熱媒体を往復移動させる熱媒体移動手段(34A、34B)と、
    前記一端部(311a)側の前記熱媒体が有する熱を外部へ放熱する放熱手段(13)と、
    前記他端部(311b)側の前記熱媒体へ外部の熱を吸熱する吸熱手段(12)と、を備え、
    前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記作業室(311)内の前記熱媒体の移動を停止した状態で、前記磁場変更手段(32)によって前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させる第1ステップと、
    前記第1ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、前記磁場変更手段(32)により前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を前記第1ステップで増大させた磁場よりも減少させることなく、前記熱媒体移動手段(34A、34B)によって前記他端部(311b)側から前記一端部(311a)側へ前記熱媒体を移動させる第2ステップと、
    前記第2ステップの後、前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記作業室(311)内の前記熱媒体の移動を停止した状態で、前記磁場変更手段(32)によって前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させる第3ステップと、
    前記第3ステップを開始して、所定時間経過した後、もしくは、時間経過に伴い変化する物理量が所定値に到達した後に、前記磁場変更手段(32)により前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を前記第3ステップで減少させた磁場よりも増大させることなく、前記熱媒体移動手段(34A、34B)によって前記一端部(311a)側から前記他端部(311b)側へ前記熱媒体を移動させる第4ステップとを、
    前記第1ステップ、前記第2ステップ、前記第3ステップおよび前記第4ステップの順で繰り返して、前記吸熱手段(12)で吸熱した熱を前記放熱手段(13)から放熱することを特徴とする磁気ヒートポンプ装置。
  13. 前記熱媒体移動手段(34A、34B)は、前記熱媒体を前記往復移動させるように連続的に駆動するものであり、
    前記作業室(311)内の前記熱媒体の移動を禁止する熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)を備え、
    前記第1ステップおよび前記第3ステップでは、前記熱媒体移動手段(34A、34B)を駆動した状態で、前記熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)によって前記作業室(311)内の前記熱媒体の移動を禁止することにより、前記熱媒体の移動を停止することを特徴とする請求項12に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  14. 前記熱媒体移動手段(34A、34B)は、前記作業室(311)の外部に設けられ、連続的に作動室(344a、344b)の容積を変化させて前記作業室(311)の前記熱媒体を吸入および吐出することで、前記熱媒体を前記往復移動させるポンプ手段(34A、34B)であり、
    前記熱媒体移動禁止手段(41a、41b、42a、42b)は、
    前記作動室(344a、344b)と連通して、前記ポンプ手段(34A、34B)の吐出圧および吸入圧の少なくともいずれかを蓄圧する蓄圧手段(41a、41b)と、
    前記蓄圧手段(41a、41b)の蓄圧により前記作業室(311)と前記作動室(344a、344b)との圧力差が所定圧力差に到達したときに開弁して、前記ポンプ手段(34A、34B)が吐出もしくは吸入する前記熱媒体を前記作業室(311)に流入させる所定圧開弁装置(42a、42b)と、を有し、
    前記第1ステップを開始して、前記時間経過に伴い変化する物理量である前記圧力差が前記所定圧力差に到達したときに、前記所定圧開弁装置(42a)が開弁して前記第1ステップから前記第2ステップへ移行し、
    前記第3ステップを開始して、前記時間経過に伴い変化する物理量である前記圧力差が前記所定圧力差に到達したときに、前記所定圧開弁装置(42b)が開弁して前記第3ステップから前記第4ステップへ移行することを特徴とする請求項13に記載の磁気ヒートポンプ装置。
  15. 前記第2ステップでは、前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記他端部(311b)側から前記一端部(311a)側への前記熱媒体の移動速度に応じて、前記磁場変更手段(32)によって前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を増大させ、
    前記第4ステップでは、前記熱媒体移動手段(34A、34B)による前記一端部(311a)側から前記他端部(311b)側への前記熱媒体の移動速度に応じて、前記磁場変更手段(32)によって前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を減少させることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1つに記載の磁気ヒートポンプ装置。
  16. 前記第2ステップでは、前記第1ステップよりも、前記磁場変更手段(32)により前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を緩やかに増大させ、
    前記第4ステップでは、前記第3ステップよりも、前記磁場変更手段(32)により前記磁気作業物質(30)に印加する磁場を緩やかに減少させることを特徴とする請求項15に記載の磁気ヒートポンプ装置。
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