JP2015075292A - 磁気熱量素子およびそれを備える熱磁気サイクル装置 - Google Patents

磁気熱量素子およびそれを備える熱磁気サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】直列的に配置された複数の素子ユニットが高い効率で機能すること。【解決手段】磁気熱量効果素子は、複数の素子ユニット61−66を有する。素子ユニット61−66は、長さL1−L6を有する。素子ユニット61−66は、それぞれ異なるキュリー温度Tc1−Tc6を有する。素子ユニット61−66は、能力分布Sp1−Sp6で示される磁気熱量効果を発揮する。隣接する2つの能力分布は、交点温度において交差している。隣接する2つの素子ユニットの間の、定格運転状態における温度は、境界温度と呼ばれる。長さL1−L6および/またはキュリー温度Tc1−Tc6は、境界温度と、交点温度とが一致するように設定されている。例えば、2つの素子ユニット64、65の間においては、境界温度Tb45と交点温度Tx45とが一致する。これにより、定格運転状態において複数の素子ユニット61−66が高い効率で機能する。【選択図】図9

Description

ここに開示される発明は、磁性体の温度特性を利用する磁気熱量効果素子およびそれを備える熱磁気サイクル装置に関し、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置として利用することができる。
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、異なるキュリー温度を有し、それらのキュリー温度の順序で直列的に配置された複数の素子ユニットを開示する。これらの装置は、高温端と低温端との間に大きい温度差がある用途に適している。
特開2012−255642号公報 特開2012−229634号公報 特表2012−503754号公報
直列的に配置された複数の素子ユニットを利用する場合、望まれる多数のキュリー温度を有し、しかも、望まれる水準の磁気熱量効果を発揮できる複数の素子ユニットを準備する必要がある。しかし、そのような条件を満たす素子ユニットを得ることが困難な場合がある。
例えば、複数の素子ユニットのそれぞれに異なるキュリー温度を与えるために、種々の手法をとることができる。異なる材料の使用、使用される材料の比率の調節、製造工程における処理内容の調節など多様な手法が採用可能である。しかし、求められる性能をもつ素子ユニットを提供することは、種々の観点から困難が伴う。例えば、使用可能な材料の制限、材料比率の調節可能な範囲の制限、製造工程において調節可能なパラメータの制限といった技術的な障壁が、必要な素子ユニットの入手を困難にする。また、コストが、必要な素子ユニットの入手を困難にすることもある。
望ましい素子ユニットを利用できない場合、直列的に配置された複数の素子ユニットは、高い性能を発揮できない。例えば、温度分布に沿って隣接する2つの素子ユニットが発揮する磁気熱量効果に差がある場合、一方の素子ユニットは高い磁気熱量効果を発揮できる温度帯において機能することができない場合がある。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、熱磁気サイクル装置にはさらなる改良が求められている。
発明の目的のひとつは、直列的に配置された複数の素子ユニットが高い効率で機能する磁気熱量効果素子および熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、直列的に配置された複数の素子ユニットの一部に磁気熱量効果の差があっても、高い効率で機能できる磁気熱量効果素子および熱磁気サイクル装置を提供することである。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつにより磁気熱量素子が提供される。発明は、キュリー温度が異なる複数の素子ユニット(61−66、61−67)を直列に配置した磁気熱量素子(149、249、349、449、549)において、複数の素子ユニットが発揮しうる磁気熱量効果を示す複数の能力分布(Sp1−Sp6、Sp1−Sp7)の高さは、少なくともひとつが他と異なっており、素子ユニットの大きさ(L1−L6、L1−L7)および/または素子ユニットのキュリー温度(Tc1−Tc6、Tc1−Tc7)は、隣接する2つの素子ユニットの間に定格運転状態において現れる境界温度(Tb12−Tb56、Tb67)と、それら2つの素子ユニットに対応する能力分布が交差する交点温度(Tx45)とが一致するように設定されていることを特徴とする。
この構成によると、素子ユニットの大きさ、および/または素子ユニットのキュリー温度が、境界温度と交点温度とが一致するように設定される。境界温度と交点温度とが一致することにより、複数の能力分布の交点より高い領域が定格運転状態意おいて利用される。このため、複数の素子ユニットの能力分布の高さが、少なくとも一部において異なっていても、定格運転状態において、複数の素子ユニットが高い効率で機能する。
発明を実施するための第1実施形態に係る磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(以下、MHP装置という)を含む車両用空調装置を示すブロック図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1比較例のMCE素子の特性を示す複合グラフである。 第2比較例のMCE素子の特性を示す複合グラフである。 第3比較例のMCE素子の特性を示す複合グラフである。 第1実施形態のMCE素子の特性を示す複合グラフである。 第2実施形態のMCE素子の特性を示す複合グラフである。 第3実施形態のMCE素子の特性を示す複合グラフである。 第4実施形態のMCE素子の特性を示すグラフである。 第4実施形態のMCE素子の特性を示すグラフである。 第5実施形態のMCE素子の特性を示すグラフである。 第5実施形態のMCE素子の特性を示すグラフである。
図面を参照しながら、発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については他の形態の説明を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、発明を実施するための第1実施形態に係る磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2を含む車両用空調装置1を示すブロック図である。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2はMHP(Magneto-caloric effect Heat Pump)装置2とも呼ばれる。車両用空調装置1は、車両に搭載され、車両の乗員室の温度を調節する。車両用空調装置1は、2つの熱交換器3、4を備える。熱交換器3は、熱交換器4より高温になる高温側熱交換器である。熱交換器4は、熱交換器3より低温になる低温側熱交換器である。車両用空調装置1は、高温側熱交換器3、および/または低温側熱交換器4を室内空調のために利用するための空調ダクトおよび送風機などの空気系機器を備える。
車両用空調装置1は、冷房装置または暖房装置として利用される。車両用空調装置1は、室内に供給される空気を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された空気を再び加熱する加熱器とを備えることができる。MHP装置2は、車両用空調装置1における冷熱供給源、または温熱供給源として利用される。すなわち、高温側熱交換器3は上記加熱器として用いることができる。また、低温側熱交換器4は上記冷却器として用いることができる。例えば、MHP装置2が暖房装置として利用されるとき、熱交換器3は室内熱交換器を提供する。MHP装置2が冷房装置として利用されるとき、熱交換器4は室内熱交換器を提供する。
車両用空調装置1は、磁気熱量素子の磁気熱量効果を利用したMHP装置2を備える。磁気熱量素子は、MCE(Magneto-Caloric Effect)素子とも呼ばれる。MHP装置2は、熱磁気サイクル装置を提供する。この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
MHP装置2は、動力源としてのモータ20と、熱輸送媒体を流すためのポンプ30と、磁気熱量素子を収容した第1の磁気熱量装置ユニット40と、磁気熱量素子を収容した第2の磁気熱量装置ユニット50と、変速機70、80とを備える。磁気熱量素子は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。磁気熱量装置ユニット40、50は、MCD(Magneto-Caloric effect Device)ユニット40、50とも呼ばれる。
MHP装置2は、高温端11に温熱を供給し、低温端12に冷熱を供給する。MHP装置2が運転されると、MHP装置2に内蔵された磁気熱量素子は、高温端11において高温となり、低温端12において低温となる。MHP装置2が供給する冷熱と温熱とは、ポンプ30によって流される熱輸送媒体によって輸送される。熱輸送媒体は、水である。以下、MHP装置2の熱輸送媒体を作業水と呼ぶ。高温端11から、高温の作業水が流れ出し、温熱が外部に供給される。作業水は、外部に温熱を供給した後に、高温端11へ戻る。このとき、高温端11に冷熱が運び込まれる。低温端12から、低温の作業水が流れ出し、冷熱が外部に供給される。作業水は、外部に冷熱を供給した後に、低温端12へ戻る。このとき、低温端12に温熱が運び込まれる。
この実施形態では、MHP装置2は、複数のMCDユニット40、50を備える。高温側のMCDユニット40は、中間低温端13に冷熱を供給する。低温側のMCDユニット50は、中間高温端14に温熱を供給する。中間低温端13と中間高温端14との間は、変速機70、80、ポンプ30、およびそれらの間に存在する熱輸送媒体によって熱的に結合されている。中間低温端13と中間高温端14との間には、高温端11と低温端12との間に所定の温度勾配を形成するために十分な熱的な結合が提供されている。
車両用空調装置1は、MHP装置2と熱交換器3とを通る高温側循環流路15を備える。高温側循環流路15を流れる作業水は、MHP装置2から熱交換器3へ熱を輸送する。車両用空調装置1は、MHP装置2と熱交換器4とを通る低温側循環流路16を備える。低温側循環流路16を流れる作業水は、熱交換器4からMHP装置2へ熱を輸送する。車両用空調装置1は、室外の空気を主たる熱源とする。また、車両用空調装置1は、室内の空気を熱負荷とする。よって、車両用空調装置1は、暖房装置を提供する。MHP装置2は、主たる熱源としての熱交換器4の熱を、熱負荷としての熱交換器3に供給する。
車両用空調装置1は、制御装置(CNTR)5を備える。制御装置5は、車両用空調装置1の制御可能な複数の要素を制御する。例えば、制御装置5は、MHP装置2の作動と停止とを少なくとも切換えるようにモータ20を制御する。また、制御装置5は、変速機70、80による回転速度および/または回転位相の変換状態を切換えるように変速機70、80を制御することができる。
制御装置5は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置5は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。制御装置5は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置5は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置5によって実行されることによって、制御装置5をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置5を機能させる。制御装置5は、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、機能を実行するための手段と呼ぶことができ、別の観点では、それらの要素の少なくとも一部は、構成的なブロック、またはモジュールと呼ぶことができる。
図2は、第1実施形態のMHP装置2の断面図である。図3は、第1実施形態のMHP装置2の断面図である。図2は、図3に示されたII−II断面を示す。図3は、図2に示されたIII−III断面を示す。
MHP装置2の動力源として設けられたモータ(MTR)20は、車載の電池によって駆動される。モータ20は、ポンプ30を駆動する。これにより、モータ20とポンプ30とは、作業水の往復的な流れを生じさせる。また、モータ20は、MCDユニット40、50における永久磁石を回転駆動する。これにより、モータ20とMCDユニット40、50とは、磁気熱量素子へ外部磁場を印加する状態と、磁気熱量素子から外部磁場を除去した状態(外部磁場を印加しない状態)との間での交互切換を生じさせる。
ポンプ30は、磁気熱量素子をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための作業水の往復流をMCDユニット40、50内に生じさせる。往復流は、作業水がMCDユニット40、50内の高温端と低温端との間を往復する流れである。さらに、ポンプ30は、MCDユニット40、50によって得られた冷熱および/または温熱を、外部に供給するための作業水の循環流を生じさせる。循環流は、作業水がMCDユニット40、50から出て、再びMCDユニット40、50に戻る流れである。この循環流は、作業水が高温端11から出て、高温側循環流路15を通り、再び高温端11に戻る高温側外部循環流を含むことができる。さらに、循環流は、作業水が低温端12から出て、低温側循環流路16を通り、再び低温端に戻る低温側外部循環流を含むことができる。この実施形態では、ポンプ30は、低温側外部循環流と、高温側外部循環流との両方を生じさせる。
ポンプ30は、容積型の往復流ポンプである。ポンプ30は、斜板型のピストンポンプである。ポンプ30は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング31を備える。ハウジング31は、その中心軸上に回転軸32を回転可能に支持している。ハウジング31は、少なくともひとつのシリンダ33を区画形成している。ハウジング31は、回転軸32の周囲に、等間隔に配置された複数のシリンダ33を区画形成している。この実施形態では、ハウジング31は、5つのシリンダ33を区画形成している。ハウジング31は、斜板34を収容している。斜板34は、ハウジング31の中心軸に対して所定角度だけ傾斜して回転可能に支持されている。斜板34は、回転軸32とともに回転するように回転軸32に連結されている。ひとつのシリンダ33には、2つのピストン35、36が配置されている。2つのピストン35、36の間には、斜板34が位置している。
一方のピストン35は、シリンダ33の図中の右半部の中を往復移動することができる。他方のピストン36は、シリンダ33の図中の左半部の中を往復移動することができる。この結果、ひとつのシリンダ33の中に、2気筒の容積型のピストンポンプが形成される。これら2気筒の容積は、相補的に増減する。これら2気筒は、低温端12から中間高温端14へ向かう流れと、中間低温端13から高温端11へ向かう流れとを同時に生成する。また、これら2気筒は、高温端11から中間低温端13へ向かう流れと、中間高温端14から低温端12へ向かう流れとを同時に生成する。
ハウジング31は、5つのシリンダ33を有するから、ポンプ30は10気筒のピストンポンプを提供する。別の観点では、ポンプ30は、斜板34の両側にピストン35、36を持つことにより、右側に位置する第1ポンプ群と、左側に位置する第2ポンプ群とを提供しているといえる。第1ポンプ群は、第1のMCDユニット40のためのポンプである。第2ポンプ群は、第2のMCDユニット50のためのポンプである。
MCDユニット40と、MCDユニット50とは、ポンプ30の両側に分かれて配置されている。MCDユニット40とMCDユニット50とは、ポンプ30の両側において、左右対称に構成され、そのように配置されている。MCDユニット40とMCDユニット50とは、それらの全体によって高温端11に温熱を供給し、低温端12に冷熱を供給するひとつのMCDユニットを構成しているといえる。
MCDユニット40、50は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング41、51を備える。ハウジング41、51は、その中心軸上に回転軸42、52を回転可能に支持する。ハウジング41、51は、回転軸42、52の周囲に、円柱状の空間である磁石収容室43、53を区画形成している。回転軸42、52には、ロータコア44、54が固定されている。ロータコア44、54は、その周方向に沿って磁束を通しやすい範囲と、磁束を通しにくい範囲とを形成するように構成されている。ロータコア44、54は、その断面において、少なくともひとつの扇状部分を有する。この実施形態では、ロータコア44、54は、2つの扇状部分を有する。ロータコア44、54には、永久磁石45、55が固定されている。永久磁石45、55は、部分円筒状であり、その断面が扇型である。永久磁石45、55は、ロータコア44、54の扇状部分の外周面に固定されている。
ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、それらの周囲に、永久磁石45、55が提供する外部磁場が強くなる領域と、永久磁石45、55が提供する外部磁場が弱くなる領域とを形成する。外部磁場が弱くなる領域では、外部磁場がほぼ除去された状態が提供される。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、回転軸42、52の回転に同期して回転する。よって、外部磁場が強い領域と、外部磁場が弱い領域とは、回転軸42、52の回転に同期して回転する。この結果、ロータコア44、54と永久磁石45、55との周囲の一点においては、外部磁場が強く印加される期間と、外部磁場が弱くなりほぼ除去された期間とが繰り返して生じる。したがって、ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、外部磁場の印加および除去を繰り返す磁場印加除去手段を提供する。
ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、磁気熱量素子(MCE素子)49、59への外部磁場の印加と除去とを切換える磁場切換装置を提供する。磁場切換装置は、第1の永久磁石45と、第2の永久磁石55とを備える。第1の永久磁石45は、第1のMCDユニット40に設けられ、回転することにより第1のMCE素子49への磁場の印加と除去とを切換える。第2の永久磁石55は、第2のMCDユニットに設けられ、回転することにより第2のMCE素子59への磁場の印加と除去とを切換える。なお、磁場の語は磁界と読み替えることができる。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、MCE素子49、59へ外部磁場を供給することができる磁場供給装置でもある。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、磁気熱量素子をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための磁場の影響下におく磁気装置でもある。
ハウジング41、51は、少なくともひとつの作業室46、56を区画形成している。作業室46、56は、磁石収容室43、53に隣接して設けられている。ハウジング41、51は、磁石収容室43、53の径方向外側に、等間隔に配置された複数の作業室46、56を区画形成している。この実施形態では、ひとつのハウジング41は、5つの作業室46を区画形成している。ひとつのハウジング51は、5つの作業室56を区画形成している。それぞれの作業室46、56は、ハウジング41、51の軸方向に沿って長手方向を有する柱状空間を形成している。ひとつの作業室46、56は、ひとつのシリンダ33だけに対応するように設けられている。ひとつのシリンダ33の両側に、作業室46と作業室56とが配置されている。
ひとつの作業室46は、その一端に作業水が出入りする第1の出入口部を有する。第1の出入口部は、室内熱交換器3へ作業水を供給する出口と、室内熱交換器3から戻る作業水を受け入れる入口とを有する。出口には、作業室56からの作業水の流出だけを許容する逆止弁47が設けられている。入口には、作業室56への作業水の流入だけを許容する逆止弁48が設けられている。これら逆止弁47、48は、リードバルブ、またはボールバルブによって提供することができる。また、ひとつの作業室46は、その他端にポンプ30に連通する第2の出入口部を有する。第2の出入口部は、ひとつのシリンダ33とひとつのピストン35とによって形成されるひとつのポンプ室だけと連通している。
ひとつの作業室56は、その一端に作業水が出入りする第1の出入口部を有する。第1の出入口部は、室外熱交換器4へ作業水を供給する出口と、室外熱交換器4から戻る作業水を受け入れる入口とを有する。出口には、作業室56からの作業水の流出だけを許容する逆止弁57が設けられている。入口には、作業室56への作業水の流入だけを許容する逆止弁58が設けられている。これら逆止弁57、58は、リードバルブ、またはボールバルブによって提供することができる。また、ひとつの作業室56は、その他端にポンプ30に連通する第2の出入口部を有する。第2の出入口部は、ひとつのシリンダ33とひとつのピストン36とによって形成されるひとつのポンプ室だけと連通している。
作業室46、56は、熱を輸送するための媒体としての作業水が流通する流路を提供する。作業室46、56内には、その長手方向に沿って作業水が流れる。作業水は、作業室46、56内を長手方向に沿って往復するように流れる。さらに、作業室46、56は、MCE素子49、59を収容する収容室を提供する。ハウジング41、51は、作業室46、56が形成された容器を提供している。作業室46、56の中には、磁気熱量効果を有する磁気作業物質としてのMCE素子49、59が配置されている。
MCE素子49、59は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子49、59は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子49、59は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。MCE素子49、59は、例えば、ガドリウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物により提供することができる。また、MCE素子49、59は、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物により提供することができる。
MCE素子49、59は、MCDユニット40、50の軸方向に沿って長手方向を有する棒状に形成されている。MCE素子49、59は、高温端と低温端との間の温度分布の方向に沿って長手方向を有する。MCE素子49、59は、作業室46、56内を流れる作業水と十分に熱交換できる形状に形成されている。それぞれのMCE素子49、59は、素子ベッドとも呼ばれる。この実施形態では、高温端11と低温端12との間に設けられたMCE素子は、第1のMCE素子49と、第2のMCE素子59とを備える。第1のMCE素子49は、第1のMCDユニット40に設けられ、一端に中間低温端13を有し、反対の他端に高温端11を有する。第2のMCE素子59は、第2のMCDユニット50に設けられ、一端に低温端12を有し、反対の他端に中間高温端14を有する。
ひとつのMCE素子49、59は、複数の素子ユニット61−66を備える。複数の素子ユニット61−66は、MCE素子49、59の長手方向、すなわち作業水の流れ方向に沿って並べられ、互いに熱伝導可能に配置されている。図2には、右上に位置するひとつのMCE素子49に属する6つの素子ユニット61−66が符号によって示されている。
MCE素子49、59は、ロータコア44、54と永久磁石45、55とによって印加、または除去される外部磁場の影響下に置かれる。すなわち、回転軸42、52が回転すると、MCE素子49、59を磁化させるための外部磁場が印加された状態と、MCE素子49、59から上記外部磁場が除去された状態とが交互に切換えられる。
ひとつのMCDユニット40、50は、熱的に並列接続された複数のMCE素子49、59を備える。例えば、MCDユニット40においては、5つのMCE素子49が熱的に並列接続されている。また、MCDユニット50においては、5つのMCE素子59が熱的に並列接続されている。さらに、複数のMCDユニット40、50に属する複数の磁気熱量素子49、59は、熱的に直列接続されたひとつのMCE素子を構成しているといえる。
変速機70は、ポンプ30の回転軸32とMCDユニット40の回転軸42との間に設けられている。変速機70は、回転軸32と回転軸42との間の回転速度、および/または回転位相を調節する。変速機80は、ポンプ30の回転軸32とMCDユニット50の回転軸52との間に設けられている。変速機80は、回転軸32と回転軸52との間の回転速度、および/または回転位相を調節する。この実施形態では、回転軸52にモータ20が接続されている。変速機70、80は、AMRサイクルが実現されるようにポンプ30とMCDユニット40、50とが運転されるように、回転軸32と、回転軸42と、回転軸52との回転関係を調節する。
ポンプ30とMCDユニット40との間には、作業水の通路を形成する通路形成部材71が設けられている。通路形成部材71は、ひとつのシリンダ33とひとつの作業室46とを連通する流路を形成している。ポンプ30とMCDユニット50との間には、作業水の通路を形成する通路形成部材81が設けられている。通路形成部材81は、ひとつのシリンダ33とひとつの作業室56とを連通する流路を形成している。
この実施形態では、ポンプ30の右半部に形成された多気筒のピストンポンプとMCDユニット40とによって、複数のMHPユニットが構成されている。具体的には、5つのMHPユニットが構成されている。これら複数のMHPユニットは、熱的に並列接続されている。また。ポンプ30の左半部に形成された多気筒のピストンポンプとMCDユニット50とによって、複数のMHPユニットが構成されている。具体的には、5つのMHPユニットが構成されている。これら複数のMHPユニットは、熱的に並列接続されている。さらに、ポンプ30の両側に配置された複数のMHPユニットは、熱的に直列接続されている。
図4−図9は、図1−図3に図示されるMCE素子49、59として利用可能なMCE素子の特性を示す複合グラフである。図中には、MCE素子の特性を示す複数のグラフと、MCE素子の構造とが相互に関連付けて示されている。
図中において、(a)は、MCE素子の機械的な構造を示す断面図である。(b)は、MCE素子に属する複数の素子ユニットが提供するキュリー温度Tcの分布を示すグラフである。図中において、(c)は、MCE素子が定格運転状態で運転されているときの実際の温度Taの分布の一例を示すグラフである。図中において、(d)は、MCE素子に属する複数の素子ユニットが発揮する磁気熱量効果ΔS(J/kgK)を示すグラフである。磁気熱量効果ΔSは、素子ユニットが発揮しうる能力に相当する。ここでは、単位当たりの能力を示している。
(d)において、細い実線で示されたひとつの山型は、対応する素子ユニットが発揮しうる磁気熱量効果ΔSの温度軸上における分布を示す。磁気熱量効果ΔSの分布は、能力分布とも呼ばれる。ここでは、理解を容易にするために、ひとつの素子ユニットが発揮する磁気熱量効果の分布は、放物線状に図示されている。太い実線は、定格運転状態において得られる温度分布の下で、対応する素子ユニット61−66が実際に発揮する磁気熱量効果ΔSの分布を示す。太い実線が示すひとつの山型の範囲が、ひとつの素子ユニットが発揮する磁気熱量効果の分布に相当する。よって、太い実線で示されたひとつの山型の波形は、素子ユニット61−66のそれぞれが実際に発揮する能力を示す。太い実線で示されたひとつの山形の波形は、定格運転状態における実能力とも呼ばれる。例えば、定格運転状態にあるとき、素子ユニット61は、最も端の温度帯において太い実線で示される実能力を発揮する。このとき、素子ユニット61は、低温端の温度TLと、素子ユニット61と素子ユニット62との間の境界の温度Tb12との間の温度帯におかれてAMRサイクルの素子として機能している。この温度帯は、定格温度帯とも呼ばれる。
(第1比較例のMCE素子)
図4は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子C49Aを示す。(a)に図示されるように、MCE素子C49Aは、素子ユニット61−66を備える。MCE素子C49Aは、温度分布の方向に沿って全長Lwを有する。素子ユニット61−66のそれぞれは、温度分布の方向に沿って長さLaを有する。素子ユニット61−66のそれぞれは、同じ長さLaを有する。長さLaは、全長Lwを素子ユニット61−66によって均等に分割した長さである。MCE素子C49Aにおいては、複数の素子ユニット61−66は同じ長さLaを有する。
(b)に図示されるように、素子ユニット61−66のそれぞれは、異なるキュリー温度Tc1−Tc6を有する。複数のキュリー温度Tc1−Tc6は、定格運転状態において素子ユニット61−66のそれぞれが置かれる温度帯において高い磁気熱量効果を発揮できるように設定される。複数の素子ユニット61−66は、それらのキュリー温度Tc1−Tc6の順で配列されている。言い換えると、複数の素子ユニット61−66は、それらのキュリー温度Tc1−Tc6が、高温端と低温端との間の温度勾配に対応するように配列されている。
複数のキュリー温度Tc1−Tc6は、互いに温度差Tdだけ離れている。MCE素子C49Aにおいては、隣接する2つのキュリー温度の間の温度差Tdは、すべて等しい。よって、MCE素子C49Aにおいては、キュリー温度Tc1−Tc6は、等温度間隔に設定されている。キュリー温度Tc1−Tc6は、低温端の温度TLと高温端の温度THとの間において、対称に、かつ等温度間隔で分布するように設定されている。
MCE素子C49Aが定格運転状態に到達すると、(c)に図示されるような温度勾配TgAを生じる。高温端の温度THと、低温端の温度TLとの間の温度差は、複数の素子ユニット61−66によって均等に分担される。素子ユニット61−66のそれぞれは、互いに等しい温度差をもつ温度帯を分担する。例えば、素子ユニット61が分担する温度帯は、低温端の温度TLと境界温度Tb12との間である。素子ユニット62が分担する温度帯は、境界温度Tb12と境界温度Tb23との間である。それらの温度帯の幅、すなわち温度差は等しい。
(d)に図示されるように、複数の素子ユニット61−66が発揮する磁気熱量効果は、能力分布Sp1−Sp6であらわされる。能力分布Sp1−Sp6は、互いに相似の形状である。能力分布Sp1−Sp6のピーク値は、互いにほぼ等しい。さらに、能力分布Sp1−Sp6の温度軸上での拡がりは、互いにほぼ等しい。隣接する能力分布は、互いに交差している。例えば、素子ユニット64の能力分布Sp4と、素子ユニット65の能力分布Sp5とは、交点(温度Tx45、能力Sx45)において交差している。温度Tx45は、交点温度とも呼ばれる。
この比較例では、太い実線は、連続した波状である。言い換えると、素子ユニット61−66が提供する複数の実能力が温度軸に沿って互いに連続している。このような複数の実能力は、複数の素子ユニット61−66が高い効率で運転されることを可能とする。
任意のひとつの素子ユニットを第1素子ユニットとし、この第1素子ユニットと隣接する他の素子ユニットを第2素子ユニットとする。この場合、第1素子ユニットと第2素子ユニットとの間の境界温度は、それら素子ユニットの能力分布の交点温度に一致している。言い換えると、第1素子ユニットの定格温度帯の端は、第1素子ユニットの能力分布と第2素子ユニットの能力分布との交点に一致している。すなわち、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度は、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致している。ここで、温度の一致は、数学的な完全な一致を含むとともに、2つの実能力が連続して位置付けられ、能力の大きい損失が生じない程度の一致を指している。この構成では、上記の関係がすべての素子ユニットの間において成立している。
例えば、素子ユニット64と素子ユニット65との間の境界温度Tb45は、それら素子ユニット64、65の能力分布Sp4、Sp5の交点温度Tx45に一致している。言い換えると、素子ユニット64の定格温度帯の端は、素子ユニット64の能力分布Sp4と素子ユニット65の能力分布Sp5との交点温度Tx45に一致している。隣接する2つの素子ユニット64、65の能力分布Sp4、Sp5の交点温度Tx45は、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニット64、65の間の境界温度Tb45に一致している。
このMCE素子C49Aでは、作動する温度帯は異なるが、同程度の磁気熱量効果を発揮できる複数の素子ユニット61−66が採用される。MCE素子C49Aでは、定常運転状態における温度勾配を、複数の素子ユニット61−66に均等に割り付けている。すなわち、複数の素子ユニット61−66は、同じ長さをもち、同じ温度間隔をなすキュリー温度をもつ。これによると、定格運転状態において、複数の素子ユニット61−66のすべてが、高い磁気熱量効果を発揮する。よって、すべての素子ユニット61−66が高い効率で利用される。この結果、低い入力電力で高い運転効率を実現できる。
ところで、直列的に配置された複数の素子ユニット61−66に、(d)に図示されるような理想的な能力分布Sp1−Sp6を与えることが困難な場合がある。例えば、能力分布のピーク値、および/または拡がりが素子ユニット毎に異なる場合がある。このような能力分布の変動は、使用可能な材料の制限、材料比率の調節可能な範囲の制限、製造工程において調節可能なパラメータの制限といった技術的な障壁により生じる。この結果、必要な素子ユニットの入手が困難になる。また、コストが、必要な素子ユニットの入手を困難にすることもある。この結果、能力分布の形状が異なる複数の素子ユニットを直列的に配置しなければならない場合がある。
(第2比較例のMCE素子)
図5は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子C49Bを示す。(a)に図示されるように、MCE素子C49Bは、素子ユニット61−66を備える。複数の素子ユニット61−66は同じ長さLaを有する。(b)に図示されるように、キュリー温度Tc1−Tc6は、等温度間隔に設定されている。(d)に図示されるように、複数の素子ユニット61−66が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp6は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット62、64が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、63、65、66が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。言い換えると、素子ユニット62、64の能力は、素子ユニット61、63、65、66の能力より低い。
この構成では、能力が高い素子ユニット61、63、65、66は大きい磁気熱量効果を発揮し、大きい温度差を生じさせる。一方、能力が低い素子ユニット62、64は、素子ユニット61、63、65、66より小さい磁気熱量効果を発揮し、相対的に小さい温度差を生じさせる。この結果、(c)に図示されるような温度勾配TgBを生じる。能力が高い素子ユニット61、63、65、66が分担する温度帯は、相対的に広くなっている。一方、能力が低い素子ユニット62、64が分担する温度帯は、相対的に狭くなっている。この結果、素子ユニット61−66の間の能力差に起因して、素子ユニット61−66のそれぞれが分担する温度帯が、望ましい温度帯からずれる。
(d)に図示されるように、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度は、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致していない。すなわち交点温度と、境界温度とがずれている。例えば、素子ユニット64と素子ユニット65との間の境界温度Tb45は、それら素子ユニット64、65の能力分布Sp4、Sp5の交点温度Tx45より低い。隣接する2つの素子ユニット64、65の能力分布Sp4、Sp5の交点温度Tx45と、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニット64、65の間の境界温度Tb45との間には、ずれ温度帯Tsが生じている。
素子ユニット65は、交点温度Tx45より低い温度領域まで利用される。一方で、素子ユニット64は、ピーク付近だけが利用される。この結果、ずれ温度帯Tsにおいては、素子ユニット64が素子ユニット65より高い磁気熱量効果を発揮できるにもかかわらず、素子ユニット65が利用される。ずれ温度帯Tsにおいては、高い効率が得られない。
同様の非効率的な運転状態は、素子ユニット間の能力差に起因して、能力差のある素子ユニットの間において生じている。例えば、素子ユニット61と素子ユニット62との間、素子ユニット62と素子ユニット63との間、および素子ユニット63と素子ユニット64との間において非効率的な運転状態が発生している。さらに、非効率的な運転状態は、一部の能力差に起因して、能力差がない素子ユニットの間にも生じる。例えば、素子ユニット65と素子ユニット66との間にも非効率的な運転状態が発生している。これは、MCE素子C49B上における温度分布がずれるからである。
この結果、MCE素子C49Bによると、複数の素子ユニット間の能力差に起因して、高い磁気熱量効果を得ることができない。また、MCE素子C49Bを利用したMHP装置では、高い磁気熱量効果を得ることができない。
(第3比較例のMCE素子)
図6は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子C49Cを示す。(a)に図示されるように、MCE素子C49Bは、素子ユニット61−66を備える。複数の素子ユニット61−66は同じ長さLaを有する。(b)に図示されるように、キュリー温度Tc1−Tc6は、等温度間隔に設定されている。(d)に図示されるように、複数の素子ユニット61−66が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp6は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット63、64が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、623、65、66が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。言い換えると、素子ユニット63、64の能力は、素子ユニット61、62、65、66の能力より低い。
この構成では、能力が高い素子ユニット61、62、65、66は大きい磁気熱量効果を発揮し、大きい温度差を生じさせる。一方、能力が低い素子ユニット63、64は、素子ユニット61、62、65、66より小さい磁気熱量効果を発揮し、相対的に小さい温度差を生じさせる。この結果、(c)に図示されるような温度勾配TgCを生じる。能力が高い素子ユニット61、62、65、66が分担する温度帯は、相対的に広くなっている。一方、能力が低い素子ユニット63、64が分担する温度帯は、相対的に狭くなっている。この結果、素子ユニット61−66の間の能力差に起因して、素子ユニット61−66のそれぞれが分担する温度帯が、望ましい温度帯からずれる。
(d)に図示されるように、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度は、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致していない。すなわち交点温度と、境界温度とがずれている。例えば、素子ユニット64と素子ユニット65との間の境界温度Tb45は、それら素子ユニット64、65の能力分布Sp4、Sp5の交点温度Tx45より低い。隣接する2つの素子ユニット64、65の能力分布Sp4、Sp5の交点温度Tx45と、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニット64、65の間の境界温度Tb45との間には、ずれ温度帯Tsが生じている。
素子ユニット65は、交点温度Tx45より低い温度領域まで利用される。一方で、素子ユニット64は、ピーク付近およびピークの片側に片寄った領域だけが利用される。この結果、ずれ温度帯Tsにおいては、素子ユニット64が素子ユニット65より高い磁気熱量効果を発揮できるにもかかわらず、素子ユニット65が利用される。ずれ温度帯Tsにおいては、高い効率が得られない。
同様の非効率的な運転状態は、素子ユニット間の能力差に起因して、能力差のある素子ユニットの間において生じている。例えば、素子ユニット62と素子ユニット63との間、および素子ユニット63と素子ユニット64との間において非効率的な運転状態が発生している。さらに、非効率的な運転状態は、一部の能力差に起因して、能力差がない素子ユニットの間にも生じる。例えば、素子ユニット61と素子ユニット62との間、および素子ユニット65と素子ユニット66との間にも非効率的な運転状態が発生している。これは、MCE素子C49C上における温度分布がずれるからである。
この結果、MCE素子C49Cによると、複数の素子ユニット間の能力差に起因して、高い磁気熱量効果を得ることができない。また、MCE素子C49Cを利用したMHP装置では、高い磁気熱量効果を得ることができない。
(第1実施形態のMCE素子)
図7は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子149を示す。(a)に図示されるように、MCE素子149は、素子ユニット61−66を備える。少なくともひとつの素子ユニットは、他の素子ユニットと異なる長さを有する。図示の例では、複数の素子ユニット61−66は、互いに異なる長さL1−L6を有する。
(b)に図示されるように、MCE素子149においては、キュリー温度Tc1−Tc6は、等温度間隔に設定されている。(d)に図示されるように、複数の素子ユニット61−66が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp6は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット62、64が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、63、65、66が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。言い換えると、素子ユニット62、64の能力は、素子ユニット61、63、65、66の能力より低い。
この構成では、能力が高い素子ユニット61、63、65、66の長さL1、L3、L5、L6は、長さLaより短く設定されている。一方、能力が低い素子ユニット62、64の長さL2、L4は、長さLaより長く設定されている。別の観点では、長さL1、L3、L5、L6は、長さL2、L4より短く設定されている。具体的には、長さL1−L6は、L3<L5<L1<L6<L2<L4の関係に設定されている。言い換えると、長さL1−L6は、能力が相対的に低い素子ユニットの長さL2、L4が、能力が相対的に高い素子ユニットの長さL1、L3、L5、L6より長くなるように設定されている。
この構成では、単位当たり能力が高い素子ユニット61、63、65、66は、相対的に長さが短い。このため、素子ユニット61、63、65、66が発生する磁気熱量効果は抑制され、そこに発生する温度差も抑制される。一方、単位当たり能力が低い素子ユニット62、64は、相対的に長さが長い。このため、素子ユニット62、64が発生する磁気熱量効果は補充され、そこに発生する温度差も拡大される。この結果、(c)に図示されるような温度勾配Tg1を生じる。この温度勾配Tg1は、素子ユニット61−66の間の能力差にもかかわらず、素子ユニット61−66のそれぞれが分担する温度帯を、望ましい温度帯に保持する。
この実施形態では、素子ユニット61−66の長さL1−L6は、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度が、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致するように設定されている。素子ユニット61−66の長さL1−L6は、例えば、境界温度Tb45が交点温度Tx45に一致するように設定されている。この構成では、すべての素子ユニット61−66の長さL1−L6は、すべての境界温度がそれに対応する交点温度に一致するように設定されている。この結果、(d)に太い実線で示される実能力は、連続した波状となる。
別の観点では、定格運転状態においてひとつの素子ユニットが分担する温度帯のほぼ中央に、その素子ユニットが発揮する実能力のピーク値が位置するように、素子ユニット61−66の長さL1−L6が設定されている。すべての素子ユニット61−66の長さL1−L6が、効率的な運転を可能とするように設定されている。MCE素子149に含まれる複数の素子ユニット61−66は、複数の異なる長さをもつ。
この実施形態では、交点温度と境界温度とを一致させるために素子ユニットの大きさが調節され、設定される。設定される素子ユニットの大きさは、高温端と低温端との間における素子ユニット61−67の長さL1−L6を含む。長さを調節することで、簡単に交点温度と境界温度とを一致させることができる。また、少なくともひとつの素子ユニットの長さは、他の素子ユニットの長さと異なる長さをもつ。このような不等長さをもつ素子ユニット61−66を採用することにより、交点温度と境界温度とを一致させることができる。
任意の2つの素子ユニットのうち、一方の素子ユニットの能力分布が、他方の素子ユニットの能力分布より低い場合がある。典型的な一例は、隣接する2つの素子ユニットの場合である。この場合、一方の素子ユニットの長さは、他方の素子ユニットの長さより長い。すなわち、能力分布が低い素子ユニットの長さは、能力分布が高い素子ユニットの長さより長く設定される。これにより、能力分布に応じた温度帯を複数の素子ユニットに割り当てることができる。また、能力分布の差が大きいほど、長さの差が大きく設定される。例えば、素子ユニット63の能力分布Sp3と素子ユニット64の能力分布Sp4との間の差Sp3−Sp4は、素子ユニット62の能力分布Sp2と素子ユニット63の能力分布Sp3との間の差Sp3−Sp2より大きい。これに対応して、素子ユニット63の長さL3と素子ユニット64の長さL4との差は、素子ユニット62の長さL2と素子ユニット63の長さL3との差より大きく設定されている。素子ユニット64の長さL4は、素子ユニット62の長さL2より長く設定されている。
このMCE素子149によると、定格運転状態における境界温度と、能力分布の交点温度とが一致するように素子ユニットの長さが設定される。このため、能力分布Sp1−Sp6に差があっても、定格運転状態において、複数の素子ユニット61−66のすべてが、高い磁気熱量効果を発揮する。すべての素子ユニット61−66が高い効率で利用される。この結果、低い入力電力で高い運転効率を実現できる。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、素子ユニットの長さを調節することによって境界温度と交点温度との一致を実現した。これに代えて、この実施形態では、素子ユニットのキュリー温度を調節することによって境界温度と交点温度との一致が実現される。素子ユニットのキュリー温度は、使用される材料の選定、材料比率の調節、製造工程の調節など種々の手法によって調節可能である。この実施形態でも、図1−図3の構成が採用される。さらに、図8に図示されるMCE素子249が採用される。
(第2実施形態のMCE素子)
図8は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子249を示す。(a)に図示されるように、MCE素子249は、素子ユニット61−66を備える。素子ユニット61−66は、同じ長さLaを有する。
(b)に図示されるように、MCE素子249においては、キュリー温度Tc1−Tc6は、等温度間隔に設定されていない。キュリー温度Tc1−Tc6の間には、それぞれ温度間隔Td12−Td56が存在する。
(d)に図示されるように、複数の素子ユニット61−66が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp6は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット63、64が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、62、65、66が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。言い換えると、素子ユニット63、64の能力は、素子ユニット61、62、65、66の能力より低い。
能力が高い素子ユニット61、62、65、66のキュリー温度Tc1、Tc2、Tc5、Tc6は、それらに隣接する能力が低い素子ユニット63、64のキュリー温度Tc3、Tc4に近づくように設定されている。例えば、キュリー温度Tc1、Tc2は、キュリー温度Tc3に近づくように高温側にずらして設定されている。この結果、(d)上における能力分布Sp2は、高温側にずれる。キュリー温度Tc6、Tc5は、キュリー温度Tc4に近づくように低温側にずらして設定されている。この結果、(d)上における能力分布Sp5は、低温側にずれる。
さらに、能力が低い素子ユニット63、64のキュリー温度Tc3、Tc4は、MCE素子249上における能力が低い側へ近づくように設定されている。図示の例では、MCE素子249の中央部の能力が低い。そこで、キュリー温度Tc3、Tc4は、MCE素子249の中央部の温度に近づくようにずらして設定されている。
この構成では、温度間隔Td12−Td56が不均一に設定されている。不均一な温度間隔Td12−Td56は、キュリー温度Tc1−Tc6が対応する素子ユニットの能力、およびMCE素子249上における能力分布に応じて設定されることによって与えられている。具体的には、キュリー温度Tc1−Tc6は、温度間隔Td12−Td56が、Td34<Td23=Td45<Td12=Td56となるように設定されている。この構成では、能力分布Sp1−Sp6が温度軸に沿って対称に配置されている。このため、キュリー温度Tc1−Tc6は、温度間隔Td12−Td56が対称に並ぶように設定されている。
この実施形態では、素子ユニット61−66のキュリー温度Tc1−Tc6は、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度が、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致するように設定されている。素子ユニット61−66のキュリー温度Tc1−Tc6は、例えば、境界温度Tb45が交点温度Tx45に一致するように設定されている。この構成では、すべての素子ユニット61−66のキュリー温度Tc1−Tc6は、すべての境界温度がそれに対応する交点温度に一致するように設定されている。この結果、(d)に太い実線で示される実能力は、連続した波状となる。
この実施形態では、交点温度と境界温度とを一致させるためにキュリー温度が調節され、設定される。交点温度と境界温度とを一致させるために、キュリー温度は、高温端の温度THと、低温端の温度TLとの間に不均等に割り付けられる。少なくとも3つの素子ユニットを有する場合、複数のキュリー温度は温度間隔Td12−Td56だけ離れて設定される。少なくともひとつの温度間隔は、他の温度間隔と異なる。これにより、少なくとも3つのキュリー温度は高温端の温度THと低温端の温度TLとの間に不均等に割り当てられる。この構成により、能力分布のピーク前後の範囲が利用される。
ひとつの素子ユニットの両側に他の素子ユニットが隣接して配置される場合、キュリー温度は、それら素子ユニットの能力分布の平均値の差に依存して設定することができる。一方において隣接する2つの素子ユニットの能力分布の平均値が、他方において隣接する2つの素子ユニットの能力分布の平均値より低い場合がある。この場合、一方において隣接する2つの素子ユニットのキュリー温度の間の温度間隔は、他方において隣接する2つの素子ユニットのキュリー温度の間の温度間隔より小さく設定される。さらに、上記2つの平均値の差が大きいほど、2つの温度間隔の差が大きくなるように複数のキュリー温度が設定される。
例えば、素子ユニット63の両側には、素子ユニット62と素子ユニット63との隣接と、素子ユニット63と素子ユニット64との隣接とが存在する。素子ユニット63、64の能力分布Sp3、Sp4の平均値は、素子ユニット62、63の能力分布Sp2、Sp3の平均値より低い。これに対応して、キュリー温度Tc3とキュリー温度Tc4との間の温度間隔Td34は、キュリー温度Tc2とキュリー温度Tc3との間の温度間隔Td23より小さく設定される。さらに、上記2つの平均値の差が大きいほど、2つの温度間隔の差が大きくなるように複数のキュリー温度が設定される。
このMCE素子249によると、能力が高い素子ユニットが分担する温度帯を広げ、能力が低い素子ユニットが分担する温度帯を狭くするように、素子ユニットのキュリー温度が設定される。言い換えると、隣接する素子ユニットのキュリー温度の温度間隔が設定される。これにより、定格運転状態における境界温度と、能力分布の交点温度とが一致する。よって、能力分布Sp1−Sp6に差があっても、すべての素子ユニット61−66が高い効率で利用される。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、素子ユニットの長さ、または素子ユニットのキュリー温度を調節することによって境界温度と交点温度との一致を実現した。これに代えて、この実施形態では、素子ユニットの長さ、および素子ユニットのキュリー温度の両方を調節することによって境界温度と交点温度との一致が実現される。この実施形態でも、図1−図3の構成が採用される。さらに、図9に図示されるMCE素子349が採用される。
(第3実施形態のMCE素子)
図9は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子349を示す。(a)に図示されるように、MCE素子349は、素子ユニット61−66を備える。複数の素子ユニット61−66は、互いに異なる長さL1−L6を有する。(b)に図示されるように、MCE素子249においては、キュリー温度Tc1−Tc6は、等温度間隔に設定されていない。(d)に図示されるように、複数の素子ユニット61−66が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp6は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット62、64が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、63、65、66が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。
能力が低い素子ユニット62の長さL2は、能力が高い素子ユニット61、63の長さL1、L3より長く設定されている。素子ユニット61−63の長さL1−L3は、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度が、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致するように設定されている。
素子ユニット64−66の長さL4−L6は、素子ユニット64、65のキュリー温度Tc4、Tc5の設定と協働して、交点温度と境界温度との一致を実現するように設定されている。素子ユニット64、65のキュリー温度Tc4、Tc5は、上述の素子ユニット64−66の長さL4−L6の設定と協働して、交点温度と境界温度との一致を実現するように設定されている。すなわち、素子ユニットの長さと、素子ユニットのキュリー温度との両方が、交点温度と境界温度との一致を実現するように設定されている。ここでは、複数の素子ユニットが不均等の長さをもち、かつ、それら複数の素子ユニットのキュリー温度が不均等の温度間隔を与えるように設定される。
能力が低い素子ユニット64の長さL4は、能力が高い素子ユニット63、65、66の長さL3、L5、L6より長く設定されている。
隣接する2つの素子ユニット64、65の能力分布の平均値が、隣接する2つの素子ユニット65、66の能力分布の平均値より低い。そこで、2つの素子ユニット64、65のキュリー温度の間の温度間隔Td45は、2つの素子ユニット65、66のキュリー温度の間の温度間隔Td56より小さい。隣接する2つの素子ユニット63、64の能力分布の平均値は、隣接する2つの素子ユニット64、65の能力分布の平均値とほぼ等しい。そこで、2つの素子ユニット63、64のキュリー温度の間の温度間隔Td34は、2つの素子ユニット64、65のキュリー温度の間の温度間隔Td45とほぼ等しい。この構成では、温度間隔Td12−Td56が不均一に設定されている。キュリー温度Tc1−Tc6は、温度間隔Td12−Td56が、Td34=Td45<Td12=Td23<Td56となるように設定されている。
ここでは、交点温度と境界温度とを一致させるために、素子ユニット64、65、66の長さも調節されている。よって、温度間隔Td34、Td45、Td56は、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の平均値にだけ依存することなく設定される。例えば、素子ユニット64、65、66の不均等な長さ設定による交点温度と境界温度との接近効果を考慮して設定される。典型的な態様では、素子ユニットの長さと、キュリー温度の温度間隔との両方が交点温度と境界温度とを接近させるように設定され、利用される。
このようにこの実施形態では、複数の素子ユニットの長さとキュリー温度との両方が、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度が、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致するように設定されている。例えば、素子ユニット64、65の長さL4、L5と、素子ユニット64、65のキュリー温度Tc4、Tc5は、境界温度Tb45が交点温度Tx45に一致するように設定されている。この構成では、すべての素子ユニット61−66の長さL1−L6とキュリー温度Tc1−Tc6とは、すべての境界温度がそれに対応する交点温度に一致するように設定されている。この結果、(d)に太い実線で示される実能力は、連続した波状となる。このMCE素子349によると、能力分布Sp1−Sp6に差があっても、すべての素子ユニット61−66が高い効率で利用される。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、6つの素子ユニットを連結してひとつのMCE素子を提供した。MCE素子は、2個またはそれ以上の任意の数の素子ユニットを備えることができる。例えば、7個の素子ユニットを備えるMCE素子を採用することができる。この実施形態でも、図1−図3の構成が採用される。さらに、図10および図11に図示されるMCE素子449が採用される。
(第4実施形態のMCE素子)
図10は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子449を示す。さらに、MCE素子449上における磁気熱量効果ΔSの分布が図示されている。MCE素子449は、長さLwを有する。MCE素子449は、素子ユニット61−67を備える。素子ユニット61−67は、同じ長さLaを有する。複数の素子ユニット61−67が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp7は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット63、64、65が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、62、66、67が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。
図11は、MCE素子449の磁気熱量効果ΔSが、横軸を温度として図示されている。図示されるように、MCE素子449においては、キュリー温度Tc1−Tc7は、等温度間隔に設定されていない。キュリー温度Tc1−Tc7の間には、それぞれ温度間隔Td12−Td67が存在する。この構成でも、温度間隔Td12−Td56が不均一に設定されている。
キュリー温度Tc1−Tc7は、温度間隔Td12−Td67が、Td34=Td45<Td23=Td56<Td12=Td67となるように設定されている。この構成では、能力分布Sp1−Sp7が温度軸に沿って対称に配置されている。このため、キュリー温度Tc1−Tc7は、温度間隔Td12−Td67が対称に並ぶように設定されている。
この実施形態では、素子ユニット61−67のキュリー温度Tc1−Tc7は、隣接する2つの素子ユニットの能力分布の交点温度が、定格運転状態におけるそれら2つの素子ユニットの間の境界温度に一致するように設定されている。素子ユニット61−67のキュリー温度Tc1−Tc7は、能力分布Sp1と能力分布Sp2との交点の温度が定常運転状態における境界温度Tb12に一致するように設定されている。また、素子ユニット61−67のキュリー温度Tc1−Tc7は、能力分布Sp2と能力分布Sp3との交点の温度が定常運転状態における境界温度Tb23に一致するように設定されている。この構成では、すべての素子ユニット61−67のキュリー温度Tc1−Tc7は、すべての境界温度がそれに対応する交点温度に一致するように設定されている。この結果、太い実線で示される実能力は、連続した波状となる。このMCE素子449によると、能力分布Sp1−Sp7に差があっても、すべての素子ユニット61−67が高い効率で利用される。
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、MCE素子の一部においてキュリー温度の不等間隔的な設定が採用され、MCE素子の他の一部において素子ユニットの長さの不均等な設定が採用される。この実施形態でも、図1−図3の構成が採用される。さらに、図12および図13に図示されるMCE素子549が採用される。
(第5実施形態のMCE素子)
図12は、MCE素子49、59として利用可能なMCE素子549を示す。さらに、MCE素子549上における磁気熱量効果ΔSの分布が図示されている。MCE素子549の素子ユニット61−67は、長さL1−L7を有する。複数の素子ユニット61−67が発揮する磁気熱量効果の分布Sp1−Sp7は、互いに相似ではない。特に、素子ユニット63、64、66が発揮する磁気熱量効果は、他の素子ユニット61、62、65、67が発揮する磁気熱量効果に比べて低い。
素子ユニット61−67の長さL1−L7は、L5<L7<L1=L2=L3<L4<L6となるように設定されている。素子ユニット61−63の長さL1−L3は互いに等しい。素子ユニット64−67の長さL4−L7は、それらの間の境界温度が、交点温度に一致するように設定されている。
図13は、MCE素子549の磁気熱量効果ΔSが、横軸を温度として図示されている。キュリー温度Tc1−Tc7は、等温度間隔に設定されていない。キュリー温度Tc1−Tc7の間には、それぞれ温度間隔Td12−Td67が存在する。この構成でも、温度間隔Td12−Td67が不均一に設定されている。
キュリー温度Tc1−Tc7は、温度間隔Td12−Td67が、Td34<Td23<Td45=Td56=Td67<Td12となるように設定されている。素子ユニット64−67のキュリー温度Tc4−Tc7は、それらの間の温度間隔Td45、Td56、Td67が互いに等しくなるように設定されている。素子ユニット61−63のキュリー温度Tc1−Tc3は、素子ユニット61−63の間の境界温度が、交点温度に一致するように設定されている。例えば、キュリー温度Tc2は、温度間隔Td12を、温度間隔Td45より大きくするように設定されている。キュリー温度Tc3は、温度間隔Td23を温度間隔Td45より小さくするように設定されている。ここで、温度間隔Td45は、温度範囲TH−TL間に複数の素子ユニット61−67を均等に割り付けることによって与えられる温度間隔を示す。
この構成では、MCE素子549の左半部においてはキュリー温度の設定によって交点温度と境界温度との一致が実現され、MCE素子549の右半部においては素子ユニットの長さの設定によって交点温度と境界温度との一致が実現される。この結果、太い実線で示される実能力は、連続した波状となる。このMCE素子549によると、能力分布Sp1−Sp6に差があっても、すべての素子ユニット61−67が高い効率で利用される。
(他の実施形態)
発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。各実施形態は追加的な部分をもつことができる。各実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。上記実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
例えば、上記実施形態では、素子ユニット61−66、67の大きさのひとつである素子ユニット61−66、67の温度勾配の方向に沿った長さL1−L6、L7を調節した。これに代えて、または加えて、素子ユニット61−66、67の太さなどの大きさを調節してもよい。例えば、素子ユニット内に熱交換媒体の流路が形成されている場合、その流路の大きさを調節することにより素子ユニットの実質的な大きさを調節してもよい。
また、上記実施形態では、温度勾配の方向に沿って直列に配列された複数の素子ユニットのすべてが定格運転状態において高い効率で機能するように長さおよび/またはキュリー温度を設定した。これに代えて、一部の素子ユニットだけが高い効率で機能するように長さおよび/またはキュリー温度を設定してもよい。例えば、ひとつのMCE素子内に初期温度からの起動用の素子ユニットと、定格運転用の複数の素子ユニットとを備えることができる。この場合、定格運転状態においては、起動用素子ユニットの効率は低くなってもよい。
また、上記実施形態では、熱磁気サイクル装置の一形態であるMHP装置2を説明した。これに代えて、熱磁気サイクル装置の一形態である熱磁気エンジン装置に発明を適用してもよい。例えば、上記実施形態のMHP装置2の磁場変化と熱輸送媒体の流れとの位相を調節することにより熱磁気エンジン装置を提供することができる。
また、上記実施形態では、車両用空調装置に発明を適用した。これに代えて、住宅用の空調装置に発明を適用してもよい。また、水を加熱する給湯装置として利用してもよい。また、上記実施形態では、室外の空気を主要な熱源とするMHP装置2を説明した。これに代えて、水、土などの他の熱源を主要熱源として利用してもよい。
また、上記実施形態では、磁気熱量素子は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。これに代えて、外部磁場の印加により吸熱し、外部磁場の除去により発熱する磁気熱量素子を採用してもよい。
また、上記実施形態では、永久磁石を回転させることにより磁場印加除去手段を構成した。これに代えて、MCE素子を移動させることにより磁場印加除去手段を構成してもよい。また、永久磁石に代えて電磁石を使用してもよい。
また、上記実施形態では、作業水によって、MCE素子49、59をAMRサイクルとして機能させるための熱輸送媒体と、MHP装置2で得られた冷熱および/または温熱を熱交換器3、4に輸送する熱輸送媒体とを提供した。これに代えて、MCE素子49、59をAMRサイクルとして機能させるための熱輸送媒体と、MHP装置2で得られた冷熱および/または温熱を熱交換器3、4に輸送する熱輸送媒体とを分離してもよい。例えば、MHP装置2とは別に、高温端11に得られた高温を輸送するための水の循環回路とポンプとを設けることができる。
また、上記実施形態では、ポンプ30を中央に配置して、その両側にMCDユニット40、50を配置した。これに代えて、ポンプ30の半部と、一方のMCDユニットだけでMHP装置2を構成してもよい。例えば、ポンプ30の右半部とMCDユニット40とでMHP装置2を構成してもよい。この場合、ポンプ30とMCDユニット40との間に熱交換器4を設けることができる。
また、上記実施形態では、斜板式ポンプ、またはラジアルピストンポンプによって多気筒ポンプを提供した。これに代えて、他の形式の容積型ポンプを利用してもよい。また、上記実施形態では、ポンプの1気筒に、一つの作業室46、56を対応させて配置した。これに代えて、複数の気筒とひとつの作業室、またはひとつの気筒と複数の作業室、または複数の気筒と複数の作業室を対応させて配置してもよい。
また、磁気熱量効果を測る指標として種々の物理量を用いることができる。例えば、磁気熱量効果の大きさは、磁場を変化させた際の等温エントロピー変化、または断熱温度変化によって示すことができる。
また、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
以上に説明した複数の実施形態により、キュリー温度が異なる複数の素子ユニット61−66、61−67を直列に配置した磁気熱量素子が提供される。複数の素子ユニット61−66、67が発揮しうる磁気熱量効果ΔSを示す複数の能力分布Sp1−Sp6、Sp7の高さは、少なくともひとつが他と異なっている。素子ユニット61−66、67の大きさL1−L6、L7および/または素子ユニット61−66、67のキュリー温度Tc1−Tc6、Tc7は、隣接する2つの素子ユニットの間に定格運転状態において現れる境界温度Tb12−Tb56、Tb67と、それら2つの素子ユニットに対応する能力分布が交差する交点温度(例えばTx45)とが一致するように設定されている。この構成によると、素子ユニットの大きさ、および/または素子ユニットのキュリー温度が、境界温度と交点温度とが一致するように設定される。境界温度と交点温度とが一致することにより、複数の能力分布の交点より高い領域が定格運転状態において利用される。このため、複数の素子ユニットの能力分布の高さが、少なくとも一部において異なっていても、定格運転状態において、複数の素子ユニットが高い効率で機能する。
1 車両用空調装置、 2 磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(MHP装置)、
3 熱交換器(高温側)、 4 熱交換器(低温側)、 5 制御装置、
11 高温端、 12 低温端、 13 中間低温端、
14 中間高温端、 15 高温側循環流路、 16 低温側循環流路、
20 モータ、 30 ポンプ、
40、50 磁気熱量装置ユニット(MCDユニット)、 45、55 永久磁石、
49、59 磁気熱量素子(MCE素子)、
149、249、349、449、549 磁気熱量素子(MCE素子)、
61−67 素子ユニット、 70、80 変速機。

Claims (11)

  1. キュリー温度が異なる複数の素子ユニット(61−66、61−67)を温度分布の方向に沿って直列に配置した磁気熱量素子(149、249、349、449、549)において、
    複数の前記素子ユニットが発揮しうる磁気熱量効果を示す複数の能力分布(Sp1−Sp6、Sp1−Sp7)の高さは、少なくともひとつが他と異なっており、
    前記素子ユニットの大きさ(L1−L6、L1−L7)および/または前記素子ユニットのキュリー温度(Tc1−Tc6、Tc1−Tc7)は、隣接する2つの前記素子ユニットの間に定格運転状態において現れる境界温度(Tb12−Tb56、Tb67)と、それら2つの前記素子ユニットに対応する前記能力分布が交差する交点温度(Tx45)とが一致するように設定されていることを特徴とする磁気熱量素子。
  2. 前記素子ユニットの大きさは、高温端と低温端との間における前記素子ユニットの長さを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気熱量素子。
  3. 少なくともひとつの前記素子ユニットの長さは、他の前記素子ユニットの長さと異なる長さをもつことを特徴とする請求項2に記載の磁気熱量素子。
  4. 任意の2つの前記素子ユニットのうち、一方の前記素子ユニットの前記能力分布は、他方の前記素子ユニットの前記能力分布より低く、
    前記一方の素子ユニットの長さは、前記他方の素子ユニットの長さより長いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の磁気熱量素子。
  5. 前記能力分布の差が大きいほど、前記長さの差が大きく設定されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の磁気熱量素子。
  6. 少なくとも3つの前記素子ユニットを有し、
    複数の前記キュリー温度は温度間隔(Td12−Td56、Td67)だけ離れており、
    少なくともひとつの前記温度間隔は、他の前記温度間隔と異なることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の磁気熱量素子。
  7. ひとつの前記素子ユニットの両側に他の前記素子ユニットが隣接して配置されており、
    一方において隣接する2つの前記素子ユニットの前記能力分布の平均値が、他方において隣接する2つの前記素子ユニットの前記能力分布の平均値より低く、
    前記一方において隣接する2つの前記素子ユニットの前記キュリー温度の間の前記温度間隔は、前記他方において隣接する2つの前記素子ユニットの前記キュリー温度の間の前記温度間隔より小さいことを特徴とする請求項6に記載の磁気熱量素子。
  8. 前記平均値の差が大きいほど、前記温度間隔の差が大きいことを特徴とする請求項7に記載の磁気熱量素子。
  9. 前記磁気熱量効果の大きさは、磁場を変化させた際の等温エントロピー変化、または断熱温度変化によって示されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の磁気熱量素子。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の磁気熱量素子と、
    前記磁気熱量素子と熱交換し熱を輸送する熱輸送媒体を流す媒体装置(30)と、
    前記磁気熱量素子を磁場の影響下におく磁気装置(44、45、54、55)とを備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  11. 請求項10に記載の熱磁気サイクル装置において、
    前記媒体装置(30)は、前記磁気熱量素子をAMRサイクルとして機能させるための前記熱輸送媒体の往復流を供給するポンプを含み、
    前記磁気装置は、前記磁気熱量素子への磁場の印加および除去を繰り返す磁場印加除去装置であることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
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