JP6136842B2 - 熱磁気サイクル装置 - Google Patents

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Description

ここに開示される発明は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置に関し、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置として利用することができる。
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置を開示する。これらの装置では、熱を輸送するための熱輸送媒体が用いられる。熱輸送媒体は、磁気熱量素子に沿って往復的に流れることにより、磁気熱量素子をAMR(ActiveMagnetic Refrigeration)サイクルとして機能させる。熱輸送媒体は、磁気熱量素子における熱の輸送に利用される。さらに、熱輸送媒体は、外部熱負荷または外部熱源との間の熱の輸送にも利用される。
特開2012−255641号公報 特開2012−255642号公報 特開2012−229634号公報
熱磁気サイクル装置の磁気熱量素子は、自らが発熱、吸熱する能力を有している。しかし、外部熱負荷または外部熱源からの熱的な影響によって、磁気熱量素子の温度の望ましい温度への接近が妨げられることがある。
例えば、熱磁気サイクル装置は、設計時に想定された定常運転状態における定常温度分布において高い効率を発揮するように設計され、構成される。このため、定常温度分布へ到達するために要する時間が短いことが望ましい。しかし、熱磁気サイクル装置が停止状態から運転を開始する場合、外部熱負荷および/または外部熱源の高温および/または低温が、起動期間における温度変化を妨げることがある。この場合、起動期間が長くなる。
熱磁気サイクル装置がヒートポンプ装置として利用される場合、磁気熱量素子の一端に高温端が生成され、他端に低温端が生成される。この場合、外部熱負荷から流れ込む低温の熱輸送媒体が高温端の温度上昇を妨げる。また、外部熱源から流れ込む高温の熱輸送媒体が低温端の温度低下を妨げる。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、熱磁気サイクル装置にはさらなる改良が求められている。
発明の目的のひとつは、磁気熱量素子自身の温度調節を可能とした熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、磁気熱量素子により生成された高温および/または低温の熱磁気サイクル装置の内部への蓄積を調節可能な熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、起動期間が短い熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、熱輸送媒体が外部熱負荷または外部熱源との間の熱の輸送にも利用される熱磁気サイクル装置の起動期間を短くすることである。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつにより熱磁気サイクル装置が提供される。熱磁気サイクル装置は、高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、高温端と低温端との間において磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、高温端または低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、さらに、熱交換器(3、4)と、熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、ポンプは、熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、高温端および低温端の一方から循環流路に熱輸送媒体を吐出し、熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、循環流路から高温端および低温端の一方に熱輸送媒体を吸い込み、熱交換調節器(390、490、590)は、磁気熱量素子(49、59)の高温端または低温端と循環流路との間に滞留する熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であり、熱交換調節器(390)は、磁気熱量素子(49、59)の高温端または低温端と循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、容積室に連通可能に設けられた付加容積室(393)と、容積室と付加容積室との間に設けられ、容積室と付加容積室との間の連通を断続する弁(394)とを備えることを特徴とする。
開示される発明のひとつにより熱磁気サイクル装置が提供される。熱磁気サイクル装置は、高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、高温端と低温端との間において磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、高温端または低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、さらに、熱交換器(3、4)と、熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、ポンプは、熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、高温端および低温端の一方から循環流路に熱輸送媒体を吐出し、熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、循環流路から高温端および低温端の一方に熱輸送媒体を吸い込み、熱交換調節器(390、490、590)は、磁気熱量素子(49、59)の高温端または低温端と循環流路との間に滞留する熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であり、熱交換調節器(490)は、磁気熱量素子(49、59)の高温端または低温端と循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、容積室に挿入可能であって、容積室に挿入されることにより容積室の容積を減少させる部材(495)とを備えることを特徴とする。
開示される発明のひとつにより熱磁気サイクル装置が提供される。熱磁気サイクル装置は、高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、高温端と低温端との間において磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、高温端または低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、さらに、熱交換器(3、4)と、熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、ポンプは、熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、高温端および低温端の一方から循環流路に熱輸送媒体を吐出し、熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、循環流路から高温端および低温端の一方に熱輸送媒体を吸い込み、熱交換調節器(390、490、590)は、磁気熱量素子(49、59)の高温端または低温端と循環流路との間に滞留する熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であり、熱交換調節器(590)は、磁気熱量素子(49、59)の高温端または低温端と循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、容積室を区画形成し、容積室の容積を可変とする可変壁(596)とを備えることを特徴とする。
開示される発明のひとつにより熱磁気サイクル装置が提供される。熱磁気サイクル装置は、高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、高温端と低温端との間において磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、高温端または低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、さらに、定常時において熱交換量を多くするように熱交換調節器を制御するとともに、起動時において熱交換量を定常時より少なくするように熱交換調節器を制御する電気的な制御装置(5)または機械的なアクチュエータ(WX)を備えることを特徴とする。
この構成では、高温端および低温端は、熱磁気サイクル装置の用途に応じて、外部の熱負荷または外部の熱源と熱交換可能に構成される。さらに、高温端または低温端において、外部の熱負荷または外部の熱源との熱交換量が調節される。熱交換量が多いときは、熱の供給または熱の利用が促進される。一方で、熱交換量が少ない時は、磁気熱量素子により生成された高温および/または低温が熱磁気サイクル装置の内部に滞留し蓄積される。これにより、磁気熱量素子の温度分布を望ましい温度分布に接近させることができる。
発明を実施するための第1実施形態に係る磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(以下、MHP装置という)を含む車両用空調装置を示すブロック図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1比較例のMHP装置の模式的なブロック図である。 第1比較例の起動過程を示すグラフである。 第2比較例のMHP装置の模式的なブロック図である。 第2比較例の起動過程を示すグラフである。 第1実施形態のMHP装置の模式的なブロック図である。 第1実施形態の制御処理を示すフローチャートである。 発明の第2実施形態の構成を示す断面図である。 第2実施形態の構成を示す断面図である。 第2実施形態の構成を示す断面図である。 第2実施形態の構成を示す断面図である。 発明の第3実施形態のMHP装置の模式的なブロック図である。 発明の第4実施形態のMHP装置の模式的なブロック図である。 発明の第5実施形態のMHP装置の模式的なブロック図である。
図面を参照しながら、発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については他の形態の説明を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、発明を実施するための第1実施形態に係る磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2を含む車両用空調装置1を示すブロック図である。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2はMHP(Magneto-caloric effectHeat Pump)装置2とも呼ばれる。車両用空調装置1は、車両に搭載され、車両の乗員室の温度を調節する。車両用空調装置1は、2つの熱交換器3、4を備える。熱交換器3は、熱交換器4より高温になる高温側熱交換器である。熱交換器4は、熱交換器3より低温になる低温側熱交換器である。車両用空調装置1は、高温側熱交換器3、および/または低温側熱交換器4を室内空調のために利用するための空調ダクトおよび送風機などの空気系機器を備える。
車両用空調装置1は、冷房装置または暖房装置として利用される。車両用空調装置1は、室内に供給される空気を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された空気を再び加熱する加熱器とを備えることができる。MHP装置2は、車両用空調装置1における冷熱供給源、または温熱供給源として利用される。すなわち、高温側熱交換器3は上記加熱器として用いることができる。また、低温側熱交換器4は上記冷却器として用いることができる。例えば、MHP装置2が暖房装置として利用されるとき、熱交換器3は室内熱交換器を提供する。MHP装置2が冷房装置として利用されるとき、熱交換器4は室内熱交換器を提供する。
車両用空調装置1は、磁気熱量素子の磁気熱量効果を利用したMHP装置2を備える。磁気熱量素子は、MCE(Magneto-Caloric Effect)素子とも呼ばれる。MHP装置2は、熱磁気サイクル装置を提供する。この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
MHP装置2は、動力源としてのモータ20と、熱輸送媒体を流すためのポンプ30と、磁気熱量素子を収容した第1の磁気熱量装置ユニット40と、磁気熱量素子を収容した第2の磁気熱量装置ユニット50と、変速機70、80と、熱交換調節器90とを備える。磁気熱量素子は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。磁気熱量装置ユニット40、50は、MCD(Magneto-Caloric effectDevice)ユニット40、50とも呼ばれる。
MHP装置2は、高温端11に温熱を供給し、低温端12に冷熱を供給する。MHP装置2が運転されると、MHP装置2に内蔵された磁気熱量素子は、高温端11において高温となり、低温端12において低温となる。MHP装置2が供給する冷熱と温熱とは、ポンプ30によって流される熱輸送媒体によって輸送される。熱輸送媒体は、水である。以下、MHP装置2の熱輸送媒体を作業水と呼ぶ。高温端11から、高温の作業水が流れ出し、温熱が外部に供給される。作業水は、外部に温熱を供給した後に、高温端11へ戻る。このとき、高温端11に冷熱が運び込まれる。低温端12から、低温の作業水が流れ出し、冷熱が外部に供給される。作業水は、外部に冷熱を供給した後に、低温端12へ戻る。このとき、低温端12に温熱が運び込まれる。
この実施形態では、MHP装置2は、複数のMCDユニット40、50を備える。高温側のMCDユニット40は、中間低温端13に冷熱を供給する。低温側のMCDユニット50は、中間高温端14に温熱を供給する。中間低温端13と中間高温端14との間は、変速機70、80、ポンプ30、およびそれらの間に存在する熱輸送媒体によって熱的に結合されている。中間低温端13と中間高温端14との間には、高温端11と低温端12との間に所定の温度勾配を形成するために十分な熱的な結合が提供されている。
車両用空調装置1は、熱交換器と、熱交換器を通る循環流路とを備えることができる。ポンプ30は、熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、高温端11および低温端12の一方から循環流路15、16に熱輸送媒体を吐出し、熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、循環流路15、16から高温端11および低温端12の一方に熱輸送媒体を吸い込む。
図示される例では、熱交換器は、高温側熱交換器3と低温側熱交換器4とを有する。循環流路は、高温側熱交換器3を通る高温側循環流路15と低温側熱交換器4を通る低温側循環流路16とを備える。ポンプ30は、高温端11に向けて熱輸送媒体を流すときに、高温端11から高温側循環流路15に熱輸送媒体を吐出し、低温端12に向けて熱輸送媒体を流すときに、高温側循環流路15から高温端11に熱輸送媒体を吸い込む。ポンプ30は、低温端12に向けて熱輸送媒体を流すときに、低温端12から低温側循環流路16に熱輸送媒体を吐出し、高温端11に向けて熱輸送媒体を流すときに、低温側循環流路16から低温端12に熱輸送媒体を吸い込む。
車両用空調装置1は、MHP装置2と熱交換器3とを通る高温側循環流路15を備える。高温側循環流路15を流れる作業水は、MHP装置2から熱交換器3へ熱を輸送する。車両用空調装置1は、MHP装置2と熱交換器4とを通る低温側循環流路16を備える。低温側循環流路16を流れる作業水は、熱交換器4からMHP装置2へ熱を輸送する。車両用空調装置1は、室外の空気を主たる熱源とする。また、車両用空調装置1は、室内の空気を熱負荷とする。よって、車両用空調装置1は、暖房装置を提供する。MHP装置2は、主たる熱源としての熱交換器4の熱を、熱負荷としての熱交換器3に供給する。
MHP装置2は、高温端11に熱交換調節器90を備える。MHP装置2は、低温端12に熱交換調節器90を備える。熱交換調節器90は、高温端11または低温端12に設けることができる。熱交換調節器90は、MCDユニット40、50の外部における作業水の熱交換量を調節する。熱交換調節器90は、MCDユニット40、50の外部における作業水の熱交換量を、少なくとも大小2段階に調節する。この熱交換量が小さいときの熱負荷および/または熱源からMCDユニット40、50への熱的な影響は、熱交換量が大きいときの熱負荷および/または熱源からMCDユニット40、50への熱的な影響より抑制される。よって、熱交換量が小さいときは、熱負荷および/または熱源の影響を抑制しながら、磁気熱量素子による温度分布の生成を促進することができる。一方、熱交換量が大きいときには、磁気熱量素子により得られた温度を外部に取り出すことができる。
高温端11では、熱交換調節器90は、MCDユニット40、50と、高温側の熱交換器3との間における実質的な流量を調節する。上記実質的な流量は、高温側循環流路15において、熱交換器3を経由することなく流れるバイパス流量を調節することによって調節される。言い換えると、熱交換調節器90は、熱交換器3を流れることのない作業水の流量を調節する。すなわち、熱交換調節器90は、MCDユニット40、50の内部循環量を調節する装置とも呼ぶことができる。熱交換調節器90は、MCE素子49、59の高温端11から吐出される作業水がもつ温熱が到達する範囲を変更する機構とも呼ぶことができる。
低温端12では、熱交換調節器90は、MCDユニット40、50と、低温側の熱交換器4との間における実質的な流量を調節する。上記実質的な流量は、低温側循環流路16において、熱交換器4を経由することなく流れるバイパス流量を調節することによって調節される。言い換えると、熱交換調節器90は、熱交換器4を流れることのない作業水の流量を調節する。すなわち、熱交換調節器90は、MCDユニット40、50の内部循環量を調節する装置とも呼ぶことができる。熱交換調節器90は、MCE素子49、59の低温端12から吐出される作業水がもつ冷熱が到達する範囲を変更する機構とも呼ぶことができる。
車両用空調装置1は、電気的な制御装置(CNTR)5を備える。制御装置5は、車両用空調装置1の制御可能な複数の要素を制御する。例えば、制御装置5は、MHP装置2の作動と停止とを少なくとも切換えるようにモータ20を制御する。また、制御装置5は、変速機70、80による回転速度および/または回転位相の変換状態を切換えるように変速機70、80を制御することができる。制御装置5は、熱交換調節器90を制御することができる。制御装置5は、MHP装置2の起動初期における内部循環量を、MHP装置2の定常的な運転状態における内部循環量より多くするように熱交換調節器90を制御することができる。制御装置5は、MHP装置2の各部の温度、特に高温端11の温度と、低温端12の温度とを検出するセンサを含むことができる。
制御装置5は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置5は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。制御装置5は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置5は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置5によって実行されることによって、制御装置5をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置5を機能させる。制御装置5は、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、機能を実行するための手段と呼ぶことができ、別の観点では、それらの要素の少なくとも一部は、構成的なブロック、またはモジュールと呼ぶことができる。
図2は、第1実施形態のMHP装置2の断面図である。図3は、第1実施形態のMHP装置2の断面図である。図2は、図3に示されたII−II断面を示す。図3は、図2に示されたIII−III断面を示す。
MHP装置2の動力源として設けられたモータ(MTR)20は、車載の電池によって駆動される。モータ20は、ポンプ30を駆動する。これにより、モータ20とポンプ30とは、作業水の往復的な流れを生じさせる。また、モータ20は、MCDユニット40、50における永久磁石を回転駆動する。これにより、モータ20とMCDユニット40、50とは、磁気熱量素子へ外部磁場を印加する状態と、磁気熱量素子から外部磁場を除去した状態(外部磁場を印加しない状態)との間での交互切換を生じさせる。
ポンプ30は、高温端11と低温端12との間においてMCE素子に沿って作業水を往復的に流す。ポンプ30は、磁気熱量素子をAMR(ActiveMagnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための作業水の往復流をMCDユニット40、50内に生じさせる。往復流は、作業水がMCDユニット40、50内の高温端と低温端との間を往復する流れである。さらに、ポンプ30は、MCDユニット40、50によって得られた冷熱および/または温熱を、外部に供給するための作業水の循環流を生じさせる。循環流は、作業水がMCDユニット40、50から出て、再びMCDユニット40、50に戻る流れである。この循環流は、作業水が高温端11から出て、高温側循環流路15を通り、再び高温端11に戻る高温側外部循環流を含むことができる。さらに、循環流は、作業水が低温端12から出て、低温側循環流路16を通り、再び低温端に戻る低温側外部循環流を含むことができる。この実施形態では、ポンプ30は、低温側外部循環流と、高温側外部循環流との両方を生じさせる。
ポンプ30は、容積型の往復流ポンプである。ポンプ30は、斜板型のピストンポンプである。ポンプ30は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング31を備える。ハウジング31は、その中心軸上に回転軸32を回転可能に支持している。ハウジング31は、少なくともひとつのシリンダ33を区画形成している。ハウジング31は、回転軸32の周囲に、等間隔に配置された複数のシリンダ33を区画形成している。この実施形態では、ハウジング31は、5つのシリンダ33を区画形成している。ハウジング31は、斜板34を収容している。斜板34は、ハウジング31の中心軸に対して所定角度だけ傾斜して回転可能に支持されている。斜板34は、回転軸32とともに回転するように回転軸32に連結されている。ひとつのシリンダ33には、2つのピストン35、36が配置されている。2つのピストン35、36の間には、斜板34が位置している。
一方のピストン35は、シリンダ33の図中の右半部の中を往復移動することができる。他方のピストン36は、シリンダ33の図中の左半部の中を往復移動することができる。この結果、ひとつのシリンダ33の中に、2気筒の容積型のピストンポンプが形成される。これら2気筒の容積は、相補的に増減する。これら2気筒は、低温端12から中間高温端14へ向かう流れと、中間低温端13から高温端11へ向かう流れとを同時に生成する。また、これら2気筒は、高温端11から中間低温端13へ向かう流れと、中間高温端14から低温端12へ向かう流れとを同時に生成する。
ハウジング31は、5つのシリンダ33を有するから、ポンプ30は10気筒のピストンポンプを提供する。別の観点では、ポンプ30は、斜板34の両側にピストン35、36を持つことにより、右側に位置する第1ポンプ群と、左側に位置する第2ポンプ群とを提供しているといえる。第1ポンプ群は、第1のMCDユニット40のためのポンプである。第2ポンプ群は、第2のMCDユニット50のためのポンプである。
MCDユニット40と、MCDユニット50とは、ポンプ30の両側に分かれて配置されている。MCDユニット40とMCDユニット50とは、ポンプ30の両側において、左右対称に構成され、そのように配置されている。MCDユニット40とMCDユニット50とは、それらの全体によって高温端11に温熱を供給し、低温端12に冷熱を供給するひとつのMCDユニットを構成しているといえる。
MCDユニット40、50は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング41、51を備える。ハウジング41、51は、その中心軸上に回転軸42、52を回転可能に支持する。ハウジング41、51は、回転軸42、52の周囲に、円柱状の空間である磁石収容室43、53を区画形成している。回転軸42、52には、ロータコア44、54が固定されている。ロータコア44、54は、その周方向に沿って磁束を通しやすい範囲と、磁束を通しにくい範囲とを形成するように構成されている。ロータコア44、54は、その断面において、少なくともひとつの扇状部分を有する。この実施形態では、ロータコア44、54は、2つの扇状部分を有する。ロータコア44、54には、永久磁石45、55が固定されている。永久磁石45、55は、部分円筒状であり、その断面が扇型である。永久磁石45、55は、ロータコア44、54の扇状部分の外周面に固定されている。
ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、それらの周囲に、永久磁石45、55が提供する外部磁場が強くなる領域と、永久磁石45、55が提供する外部磁場が弱くなる領域とを形成する。外部磁場が弱くなる領域では、外部磁場がほぼ除去された状態が提供される。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、回転軸42、52の回転に同期して回転する。よって、外部磁場が強い領域と、外部磁場が弱い領域とは、回転軸42、52の回転に同期して回転する。この結果、ロータコア44、54と永久磁石45、55との周囲の一点においては、外部磁場が強く印加される期間と、外部磁場が弱くなりほぼ除去された期間とが繰り返して生じる。したがって、ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、外部磁場の印加および除去を繰り返す磁場印加除去手段を提供する。言い換えると、ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、MCE素子49、59に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置を提供する。
ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、MCE素子49、59への外部磁場の印加と除去とを切換える磁場切換装置を提供する。磁場切換装置は、第1の永久磁石45と、第2の永久磁石55とを備える。第1の永久磁石45は、第1のMCDユニット40に設けられ、回転することにより第1のMCE素子49への磁場の印加と除去とを切換える。第2の永久磁石55は、第2のMCDユニットに設けられ、回転することにより第2のMCE素子59への磁場の印加と除去とを切換える。なお、磁場の語は磁界と読み替えることができる。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、MCE素子49、59へ外部磁場を供給することができる磁場供給装置でもある。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、磁気熱量素子をAMRサイクルとして機能させるための磁場の影響下に置く磁気装置でもある。
ハウジング41、51は、少なくともひとつの作業室46、56を区画形成している。作業室46、56は、磁石収容室43、53に隣接して設けられている。ハウジング41、51は、磁石収容室43、53の径方向外側に、等間隔に配置された複数の作業室46、56を区画形成している。この実施形態では、ひとつのハウジング41は、5つの作業室46を区画形成している。ひとつのハウジング51は、5つの作業室56を区画形成している。それぞれの作業室46、56は、ハウジング41、51の軸方向に沿って長手方向を有する柱状空間を形成している。ひとつの作業室46、56は、ひとつのシリンダ33だけに対応するように設けられている。ひとつのシリンダ33の両側に、作業室46と作業室56とが配置されている。
ひとつの作業室46は、その一端に作業水が出入りする第1の出入口部を有する。第1の出入口部は、室内熱交換器3へ作業水を供給する出口と、室内熱交換器3から戻る作業水を受け入れる入口とを有する。出口には、作業室56からの作業水の流出だけを許容する逆止弁47が設けられている。入口には、作業室56への作業水の流入だけを許容する逆止弁48が設けられている。これら逆止弁47、48は、リードバルブ、またはボールバルブによって提供することができる。また、ひとつの作業室46は、その他端にポンプ30に連通する第2の出入口部を有する。第2の出入口部は、ひとつのシリンダ33とひとつのピストン35とによって形成されるひとつのポンプ室だけと連通している。
ひとつの作業室56は、その一端に作業水が出入りする第1の出入口部を有する。第1の出入口部は、室外熱交換器4へ作業水を供給する出口と、室外熱交換器4から戻る作業水を受け入れる入口とを有する。出口には、作業室56からの作業水の流出だけを許容する逆止弁57が設けられている。入口には、作業室56への作業水の流入だけを許容する逆止弁58が設けられている。これら逆止弁57、58は、リードバルブ、またはボールバルブによって提供することができる。また、ひとつの作業室56は、その他端にポンプ30に連通する第2の出入口部を有する。第2の出入口部は、ひとつのシリンダ33とひとつのピストン36とによって形成されるひとつのポンプ室だけと連通している。
作業室46、56は、熱を輸送するための媒体としての作業水が流通する流路を提供する。作業室46、56内には、その長手方向に沿って作業水が流れる。作業水は、作業室46、56内を長手方向に沿って往復するように流れる。さらに、作業室46、56は、MCE素子49、59を収容する収容室を提供する。ハウジング41、51は、作業室46、56が形成された容器を提供している。作業室46、56の中には、磁気熱量効果を有する磁気作業物質としてのMCE素子49、59が配置されている。
MCE素子49、59は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子49、59は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子49、59は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。MCE素子49、59は、例えば、ガドリウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物により提供することができる。また、MCE素子49、59は、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物により提供することができる。
MCE素子49、59は、MCDユニット40、50の軸方向に沿って長手方向を有する棒状に形成されている。MCE素子49、59は、高温端と低温端との間の温度分布の方向に沿って長手方向を有する。MCE素子49、59は、作業室46、56内を流れる作業水と十分に熱交換できる形状に形成されている。それぞれのMCE素子49、59は、素子ベッドとも呼ばれる。この実施形態では、高温端11と低温端12との間に設けられたMCE素子は、第1のMCE素子49と、第2のMCE素子59とを備える。第1のMCE素子49は、第1のMCDユニット40に設けられ、一端に中間低温端13を有し、反対の他端に高温端11を有する。第2のMCE素子59は、第2のMCDユニット50に設けられ、一端に低温端12を有し、反対の他端に中間高温端14を有する。
ひとつのMCE素子49、59は、複数の素子ユニット61−66を備える。複数の素子ユニット61−66は、MCE素子49、59の長手方向、すなわち作業水の流れ方向に沿って並べられ、互いに熱伝導可能に配置されている。図2には、右上に位置するひとつのMCE素子49に属する6つの素子ユニット61−66が符号によって示されている。
MCE素子49、59は、ロータコア44、54と永久磁石45、55とによって印加、または除去される外部磁場の影響下に置かれる。すなわち、回転軸42、52が回転すると、MCE素子49、59を磁化させるための外部磁場が印加された状態と、MCE素子49、59から上記外部磁場が除去された状態とが交互に切換えられる。
ひとつのMCDユニット40、50は、熱的に並列接続された複数のMCE素子49、59を備える。例えば、MCDユニット40においては、5つのMCE素子49が熱的に並列接続されている。また、MCDユニット50においては、5つのMCE素子59が熱的に並列接続されている。さらに、複数のMCDユニット40、50に属する複数のMCE素子49、59は、熱的に直列接続されたひとつのMCE素子を構成しているといえる。
変速機70は、ポンプ30の回転軸32とMCDユニット40の回転軸42との間に設けられている。変速機70は、回転軸32と回転軸42との間の回転速度、および/または回転位相を調節する。変速機80は、ポンプ30の回転軸32とMCDユニット50の回転軸52との間に設けられている。変速機80は、回転軸32と回転軸52との間の回転速度、および/または回転位相を調節する。この実施形態では、回転軸52にモータ20が接続されている。変速機70、80は、AMRサイクルが実現されるようにポンプ30とMCDユニット40、50とが運転されるように、回転軸32と、回転軸42と、回転軸52との回転関係を調節する。
ポンプ30とMCDユニット40との間には、作業水の通路を形成する通路形成部材71が設けられている。通路形成部材71は、ひとつのシリンダ33とひとつの作業室46とを連通する流路を形成している。ポンプ30とMCDユニット50との間には、作業水の通路を形成する通路形成部材81が設けられている。通路形成部材81は、ひとつのシリンダ33とひとつの作業室56とを連通する流路を形成している。
この実施形態では、ポンプ30の右半部に形成された多気筒のピストンポンプとMCDユニット40とによって、複数のMHPユニットが構成されている。具体的には、5つのMHPユニットが構成されている。これら複数のMHPユニットは、熱的に並列接続されている。また。ポンプ30の左半部に形成された多気筒のピストンポンプとMCDユニット50とによって、複数のMHPユニットが構成されている。具体的には、5つのMHPユニットが構成されている。これら複数のMHPユニットは、熱的に並列接続されている。さらに、ポンプ30の両側に配置された複数のMHPユニットは、熱的に直列接続されている。
図4は、第1比較例におけるMHP装置CMP1を示す。図中には、一組のMCE素子49、59と、それに関連する機器とが図示されている。図中では、ポンプ30は省略されている。また、高温端と低温端とは対称に構成されている。よって、以下の説明では、高温端について説明する。この装置は、MCDユニット40、50の端部に、比較的小さい容積をもつ容積室VC1を有する。容積室VC1には、作業水が満たされている。MCE素子49、59から流出した作業水は、容積室VC1に流入する。その後、逆止弁47を経由して、高温側循環流路15へ流れ出る。しかし、容積室VC1の中には、容積室VC1に留まる作業水が存在する。容積室VC1に滞留する作業水は、高温側循環流路15および熱交換器3において熱交換することなく、MCE素子49、59に再び流入する。この第1比較例では、容積室VC1の容積が小さい。このため、作業水のほとんどは高温側循環流路15へ流入し、熱交換器3において熱交換する。
図5は、第1比較例が停止状態から起動された場合の温度分布の変化を示す。横軸は、MCE素子49、59の位置を示し、縦軸は温度を示す。第1比較例のMHP装置CMP1が停止している場合、温度分布は環境温度に依存する。例えば、停止期間が長い場合、MHP装置CMP1の全体が、環境温度になる。このような初期状態の一例が図中に破線によって示されている。
MHP装置CMP1がAMRサイクルとして機能すると、高温端の温度が上昇し、低温端の温度が低下する。この結果、MHP装置CMP1の温度分布は、破線から一点鎖線、さらに一点鎖線から実線へと徐々に変化する。
起動の過程において、熱交換器3によって熱交換された作業水は容積室VC1に流入し、さらにMCE素子49、59に再び流入する。熱交換器3によって低温になった作業水は、高温端におけるMCE素子の温度上昇を妨げる。このため、MCE素子49、59の高温端側の部分には、戻り作業水の影響を受けることによって低温となった領域が生じる。このような影響は、MCE素子49、59が望ましい温度分布に到達することを阻害する。このため、MCE素子49、59が定常的な運転状態における望ましい温度分布に到達するまでに長い起動時間を要する。
図6は第2比較例におけるMHP装置CMP2を示す。図6は図4と対比できるように描かれている。この装置は、MCDユニット40、50の端部に、比較的大きい容積をもつ容積室VC2を有する。MCE素子49、59から流出した作業水は、容積室VC2に流入する。その後、逆止弁47を経由して、高温側循環流路15へ流れ出る。しかし、容積室VC2の中には、容積室VC2に留まる作業水が存在する。容積室VC2に滞留する作業水は、高温側循環流路15および熱交換器3において熱交換することなく、MCE素子49、59に再び流入する。この第2比較例では、容積室VC2の容積が大きい。このため、MCE素子49、59から流出した作業水の一部は高温側循環流路15へ流入することなく、すなわち熱交換器3において熱交換することなく、MCE素子49、59に再び流入する。よって、第2比較例の内部循環量は、第1比較例の内部循環量より多いといえる。
図7は、第2比較例が停止状態から起動された場合の温度分布の変化を示す。図7は図5と対比できるように描かれている。MHP装置CMP2がAMRサイクルとして機能すると、高温端の温度が上昇し、低温端の温度が低下する。この結果、MHP装置CMP2の温度分布は、破線から一点鎖線、さらに一点鎖線から実線へと徐々に変化する。
起動の過程において、熱交換器3によって熱交換された作業水は容積室VC2に流入する。しかし、容積室VC2には、高温側循環流路15に流れ出ることなく容積室VC2に滞留している作業水が大量に存在する。このため、熱交換器3によって低温になった作業水が容積室VC2に流れ込んでも、容積室VC2内の温度低下は抑制される。よって、容積室VC2内に溜められた比較的高温の作業水がMCE素子49、59に再び流入する。
このように、高温端においては、容積室VC2は、高温の熱を貯める熱溜めとして機能する。容積室VC2は、外部の熱負荷および/または熱源からの影響を抑制する。よって、容積室VC2は、熱的な障壁を提供しているともいえる。MCE素子49、59の高温端側の部分では、戻り作業水の影響が抑制される。この結果、MCE素子49、59は、自らが生成する温度によって望ましい温度分布を獲得する。このため、MCE素子49、59は、比較的短い起動時間によって定常的な運転状態における望ましい温度分布に到達する。低温端においても、同様の容積室が設けられている。よって、低温端においても、低温の熱を貯める熱溜めが提供される。
定常的な運転状態においては、図4−図5に説明したように、MHP装置の端部において熱を効率的に伝達することが望ましい。そのためには、MHP装置と、外部熱負荷および/または熱源と間における熱的な障壁は低いことが望ましい。その一方で、MHP装置の起動時間を短くするためには、図6−図7に説明したように、MHP装置の端部において、MHP装置と、外部熱負荷および/または熱源と間に、高い熱的な障壁を設けることが望ましい。この熱的な障壁が高いほど、MHP装置の内部において生成された低温または高温の外部への持ち出しが抑制される。言い換えると、熱的な障壁が高いほど、MHP装置の外部から内部への、望ましくない低温または高温の持ち込みが抑制される。この結果、熱的な障壁が大きいほど、MHP装置の内部において生成された低温または高温によって、MHP装置の内部の温度分布が定常温度分布へ向けて迅速に推移する。
この第1実施形態では、MHP装置の端部における熱的な障壁の高さを少なくとも高低2段階に調節するために、熱交換調節器90が設けられている。熱的な障壁の高さは、MHP装置に端部における作業水の熱交換量を調節することによって調節される。熱交換調節器90は、高温端11または低温端12と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する。熱交換調節器90は、起動期間中においては熱的な障壁を高くするように、定常的な運転状態においては熱的な障壁を低くするように制御される。言い換えると、熱交換調節器90は、起動期間中には熱交換量を少なくするように、定常的な運転状態においては熱交換量を多くするように制御される。
図8は、第1実施形態におけるMHP装置2を示す。図中には、一組のMCE素子49、59と、それに関連する機器とが図示されている。図中では、ポンプ30は省略されている。また、高温端と低温端とは対称に構成されている。図中には、右側、すなわち高温端の側に、起動期間中における熱交換調節器90の状態が図示されている。図中には、左側、すなわち低温端の側に、定常時における熱交換調節器90の状態が図示されている。
熱交換調節器90は、高温側循環流路15および/または低温側循環流路16に設けられたバイパス通路91を有する。熱交換調節器90は、バイパス通路91に設けられ、バイパス通路91を開閉する弁92を有する。バイパス通路91は、熱交換器3、4を経由することなく作業水が流れることができるように、熱交換器3、4をバイパスするように高温側循環流路15および/または低温側循環流路16に設けられている。バイパス通路91は、逆止弁47、48、57、58の近傍に設けられている。これにより、高温側循環流路15および/または低温側循環流路16内に滞留する作業水の温度からの影響が抑制される。弁92は電磁式の開閉弁である。弁92は、少なくとも開弁状態と、閉弁状態とに切替えられる。
作業水は、ポンプ30のひとつの気筒によって、それに対応するMCE素子49、59から、逆止弁47、57を経由して、高温側循環流路15および/または低温側循環流路16に押し出される。同時に、作業水は、ポンプ30の他の気筒によって、高温側循環流路15および/または低温側循環流路16から、逆止弁48、58を経由して、MCE素子49、59へ吸い戻される。
図中右側に図示される開弁状態においては、バイパス通路91を経由する場合の流路抵抗が、熱交換器3、4を経由する場合の流路抵抗より小さい。このため、弁92が開弁状態にあるとき、作業水はバイパス通路91を経由して流れる。弁92が開弁状態にあるとき、作業水は高温側循環流路15および/または低温側循環流路16内に流れることなくMCE素子49、59へ戻る。バイパス通路91が熱交換器3、4をパイパスするから、熱交換器3、4における熱交換量が抑制される。熱交換器3、4がバイパスされる場合、作業水は、その温度がほとんど変化しないままで、MHP装置2に戻る。ここで、熱交換器3、4を経由しない作業水の流れは、MHP装置2の内部における作業水の循環量、すなわち内部循環量とみることができる。よって、開弁状態は、内部循環量が多い状態とも呼ぶことができる。言い換えると、MHP装置2と高温側循環流路15および/または低温側循環流路16との間の熱交換が抑制される。
図中左側に図示される閉弁状態においては、バイパス通路91を経由する場合の流路抵抗が、熱交換器3、4を経由する場合の流路抵抗より大きい。このため、弁92が閉弁状態にあるとき、作業水は熱交換器3、4を経由して流れる。弁92が閉弁状態にあるとき、作業水は高温側循環流路15および/または低温側循環流路16内を循環的に流れた後に、MCE素子49、59へ戻る。この結果、熱交換器3、4における熱交換量は大きく設定される。作業水が熱交換器3、4を経由して流れる場合、作業水は、その温度が変化した後に、MHP装置2に戻る。このため、閉弁状態は、内部循環量が上記開弁状態より少ない状態とも呼ぶことができる。言い換えると、MHP装置2と高温側循環流路15および/または低温側循環流路16との間の熱交換が大きく設定され、抑制されない。
図9は、制御装置5による熱交換調節器90の制御処理S5aを示すフローチャートである。制御処理S5aは、高温端のための制御処理S5b−S5dと、低温端のための制御処理S5e−S5gとを含む。この実施形態では、MHP装置2が安定的に運転される定常時と、MHP装置2が定常状態に到達する前の起動時とは、温度に基づいて決定される。この構成は、適切な期間にわたって熱交換量を抑制することにより、MHP装置2の内部の温度分布を調節することを可能とする。
この制御処理S5aを実行することにより、制御装置5は、定常時において熱交換量を多くするように熱交換調節器90を制御するとともに、起動時において熱交換量を定常時より少なくするように熱交換調節器90を制御する。この構成では、定常時においては、熱交換量を多くするように熱交換調節器90が制御される。これにより、定常時において熱の供給または熱の利用が促進される。なお、定常時は、MHP装置2が設計時に想定された温度分布の下で機能している状態を指す。一方で、起動時において熱交換量を定常時より少なくするように熱交換調節器90が制御される。少ない熱交換量は、MCE素子49、59により生成された高温および/または低温がMHP装置2の内部に滞留することを可能とする。このため、MCE素子49、59の温度分布は、起動後の初期の状態から、迅速に定常的な運転状態へ移行する。これにより、起動期間の短縮が図られる。
まず、ステップS5bでは、起動期間中であるか否かを判定する起動判定が実行される。ここでは、高温端11に設けられた熱交換調節器90のための起動判定が実行される。例えば、起動判定は、高温端11における作業水の温度Tw1が、所定の閾値温度Tth1を下回るか否かによって判定することができる。この判定には、図示されるようなヒステリシスを設けることができる。高温端11では、MHP装置2の運転によって作業水の温度が徐々に上昇する。
Tw1<Tth1が満たされる場合、すなわち起動期間中と判定できる場合、YESに分岐し、ステップS5cに進む。ステップS5cでは、高温端11に設けられた弁92が開かれる。これにより、内部循環量が多い状態が提供される。
Tw1<Tth1が満たされない場合、すなわち起動期間中と判定できない場合、NOに分岐し、ステップS5dに進む。この状態は、MHP装置2の高温端11の温度が定常運転における定常温度に到達した状態である。ステップS5dでは、高温端11に設けられた弁92が閉じられる。これにより、内部循環量が上記開弁状態より少ない状態が提供される。
ステップS5eでは、起動期間中であるか否かを判定する起動判定が実行される。ここでは、低温端12に設けられた熱交換調節器90のための起動判定が実行される。例えば、起動判定は、低温端12における作業水の温度Tw2が、所定の閾値温度Tth2を上回るか否かによって判定することができる。この判定には、図示されるようなヒステリシスを設けることができる。低温端12では、MHP装置2の運転によって作業水の温度が徐々に低下する。
Tw2>Tth2が満たされる場合、すなわち起動期間中と判定できる場合、YESに分岐し、ステップS5fに進む。ステップS5fでは、低温端12に設けられた弁92が開かれる。これにより、内部循環量が多い状態が提供される。
Tw2>Tth2が満たされない場合、すなわち起動期間中と判定できない場合、NOに分岐し、ステップS5gに進む。この状態は、MHP装置2の低温端12の温度が定常運転における定常温度に到達した状態である。ステップS5gでは、低温端12に設けられた弁92が閉じられる。これにより、内部循環量が上記開弁状態より少ない状態が提供される。
以上に述べた実施形態によると、MHP装置2が起動された直後は、作業水の内部循環量を定常時より多くするように熱交換調節器90が制御される。このため、MHP装置2の内部においてMCE素子49、59により生成された高温および低温が蓄積される。この結果、MHP装置2の温度分布が、起動直後の初期温度分布から、定常運転状態における定常温度分布へ到達するための起動時間が短縮される。一方、温度分布が定常温度分布に到達した後は、作業水の内部循環量を起動時より少なくするように熱交換調節器90が制御される。このため、MHP装置2の内部においてMCE素子49、59により生成された高温および低温が、作業水によって効率的に外部へ提供される。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、弁92は電磁式の開閉弁である。これに代えて、この実施形態では、感温式アクチュエータによって駆動される開閉弁が利用される。
図10および図11は、この実施形態に係るMHP装置2の端部を模式的に示すブロック図である。MHP装置2の高温端11には、熱交換調節器290aが設けられている。熱交換調節器290aは、高温側循環流路15に設けられ、熱交換器3をバイパスする流路を提供するバイパス通路291aを備える。熱交換調節器290aは、バイパス通路291aに設けられた弁292aを備える。弁292aは、可動の弁体MVによってバイパス通路291aを開閉するシャッタ弁である。弁体MVは、板状または棒状など種々の形状をもつことができる。
MHP装置2は、温度を感知して熱交換調節器290aを駆動する機械的なアクチュエータを備える。アクチュエータは、機械的な部品によって温度を感知し、弁292aを駆動する。アクチュエータは、感温式アクチュエータである。アクチュエータは、高温端11における作業水の温度に応じて容積が変化するサーモワックスWXによって提供される。サーモワックスWXは、作業水の温度が上昇すると膨張し、作業水の温度が低下すると収縮する。サーモワックスWXは、弁体MVを開弁状態と閉弁状態との間で移動させる。サーモワックスWXは、
図10は、弁292aの開弁状態を示す。弁292aは、作業水の温度が定常運転状態における温度より低いとき、バイパス通路291aを開くように設定されている。サーモワックスWXの収縮により、弁体MVは引き込まれ、バイパス通路291aが開かれている。
図11は、弁292aの閉弁状態を示す。弁292aは、作業水の温度が定常運転状態における温度に到達すると、バイパス通路291aを閉じるように設定されている。サーモワックスWXの膨張により、弁体MVは押し出され、バイパス通路291aが閉じられている。
図12および図13に図示されるように、MHP装置2の低温端12には、熱交換調節器290bが設けられている。熱交換調節器290bは、低温側循環流路16に設けられ、熱交換器4をバイパスする流路を提供するバイパス通路291bを備える。熱交換調節器290bは、バイパス通路291bに設けられた弁292bを備える。弁292bは、可動の弁体MVによってバイパス通路291bを開閉するシャッタ弁である。弁体MVは、板状または棒状など種々の形状をもつことができる。弁体MVは、押し出された状態においてバイパス通路291bを開くために、弁体MVの中間位置に開口部を有する。
MHP装置2は、温度を感知して熱交換調節器290bを駆動する機械的なアクチュエータを備える。アクチュエータは、機械的な部品によって温度を感知し、弁292bを駆動する。アクチュエータは、感温式アクチュエータである。アクチュエータは、低温端12における作業水の温度に応じて容積が変化するサーモワックスWXによって提供される。サーモワックスWXは、作業水の温度が上昇すると膨張し、作業水の温度が低下すると収縮する。サーモワックスWXは、弁体MVを開弁状態と閉弁状態との間で移動させる。
図12は、弁292bの開弁状態を示す。弁292bは、作業水の温度が定常運転状態における温度より高いとき、バイパス通路291bを開くように設定されている。サーモワックスWXの膨張により、弁体MVは押し出され、バイパス通路291bが開かれている。
図13は、弁292bの閉弁状態を示す。弁292bは、作業水の温度が定常運転状態における温度に到達すると、バイパス通路291bを閉じるように設定されている。サーモワックスWXの収縮により、弁体MVは引き込まれ、バイパス通路291bが閉じられている。
この実施形態によると、サーモワックスWXは、定常時において熱交換量を多くするように熱交換調節器290a、290bを制御するとともに、起動時において熱交換量を定常時より少なくするように熱交換調節器290a、290bを制御する。この実施形態によると、熱交換調節器290a、290bを駆動するためのアクチュエータを感温式アクチュエータによって提供することができる。このため、構造が簡単なMHP装置2が提供される。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、バイパス通路と弁とによって熱交換調節器を提供した。これに代えて、この実施形態では、MCE素子49、59の高温端11または低温端12と循環流路15、16との間に滞留する作業水の容積を調節する装置によって熱交換調節器が提供される。
図14には、一組のMCE素子49、59と、それに関連する機器とが図示されている。図中では、ポンプ30は省略されている。また、高温端と低温端とは対称に構成されている。図中には、右側、すなわち高温端の側に、起動期間中における熱交換調節器390の状態が図示されている。図中には、左側、すなわち低温端の側に、定常時における熱交換調節器390の状態が図示されている。
MHP装置2は、熱交換調節器390を備える。熱交換調節器390は、MHP装置2の高温端11と低温端12とにそれぞれ設けられている。MCE素子49、59と逆止弁47、48との間には、容積室VCが区画形成されている。MCE素子49、59と逆止弁57、58との間にも、容積室VCが区画形成されている。容積室VCには作業水が満たされている。
熱交換調節器390は、MCE素子49、59の端部に区画形成された容積室VCに連通する付加容積室393を備える。熱交換調節器390は、容積室VCと付加容積室393との間の通路に設けられ、容積室VCと付加容積室393との間の連通を断続する弁394を備える。弁394は、容積室VCと付加容積室393との間を連通状態と遮断状態とに切替える。弁394は、先行する実施形態において例示された電磁式の弁、または感温式アクチュエータを備える弁によって提供されうる。弁394が開弁状態にあるとき、付加容積室393は容積室VCと連通する。弁394が閉弁状態にあるとき、容積室VCと付加容積室393とは遮断される。
弁394が閉弁状態にあるとき、MCE素子49、59の端部における作業水の容積は、容積室VCの容積である。弁394が開弁状態にあるとき、MCE素子49、59の端部における作業水の容積は、容積室VCの容積と付加容積室393の容積との和である。よって、付加容積室393は弁394が開弁状態にあるときに、MCE素子49、59の端部における作業水の容積を増加させる。言い換えると、弁394が開弁状態にあるときのMCE素子49、59の端部における作業水の容積は、弁394が閉弁状態にあるときのMCE素子49、59の端部における作業水の容積より多い。
付加容積室393と弁394とは、逆止弁47より低い流路抵抗を提供し、容積室VCから付加容積室393の内部へ作業水を導入する。ポンプ30によってMCE素子49、59から容積室VCへ作業水が押し出される。弁394が開弁状態にあるとき、容積室VCの作業水は、逆止弁47を押し開くことなく、付加容積室393へ流入する。付加容積室393の中に作業水を受け入れ可能とするために、付加容積室393の中には、容積が可変の空気室が形成されている。付加容積室393へ作業水が流れ込むことにより、MHP装置2の端部から高温側循環流路15および/または低温側循環流路16への作業水の流れが抑制される。この結果、高温端11においては、高温側循環流路15からの比較的低温の作業水の流入が抑制される。また、低温端12においては、低温側循環流路16からの比較的高温の作業水の流入が抑制される。
この実施形態によると、MCE素子49、59の端部における作業水の容積、すなわち熱溜めとして機能しうる作業水の容積が少なくとも2段階に調節される。作業水の容積が大きいときは、作業水の容積が少ないときに比べて、実質的に高温側循環流路15および/または低温側循環流路16への作業水の流出が抑制される。よって、MHP装置2と、高温側循環流路15および/または低温側循環流路16との間の熱交換が少なくとも2段階に調節される。作業水の容積が大きいとき、すなわち熱交換が低い水準にあるとき、MCE素子49、59の起動が促進される。また、作業水の容積が小さいとき、端部の温度が作業水によって効率的に外部へ供給される。
この実施形態によると、高温端11または低温端12において、作業水が溜まる容積が調節される。比較的大きい容積は、MCE素子49、59から出た作業水が循環流路15、16に到達する前に、MCE素子49、59に再び吸い込まれることを可能とする。これにより、MCE素子49、59の温度は、自らが生成する低温および/または高温によって望ましい温度に到達する。この結果、起動時間の短縮が図られる。しかも定常状態における効率的な運転を提供することができる。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、付加容積室393と弁394とによって熱交換調節器を提供した。これに代えて、この実施形態では、MHP装置2の端部の容積VCを可変とし、しかも調節可能とすることによって熱交換調節器が提供される。
図15には、一組のMCE素子49、59と、それに関連する機器とが図示されている。図中では、ポンプ30は省略されている。また、高温端と低温端とは対称に構成されている。図中には、右側、すなわち高温端の側に、起動期間中における熱交換調節器490の状態が図示されている。図中には、左側、すなわち低温端の側に、定常時における熱交換調節器490の状態が図示されている。
MHP装置2は、熱交換調節器490を備える。熱交換調節器490は、MHP装置2の高温端11と低温端12とにそれぞれ設けられている。MCE素子49、59と逆止弁47、48との間には、容積室VCが区画形成されている。MCE素子49、59と逆止弁57、58との間にも、容積室VCが区画形成されている。容積室VCには作業水が満たされている。
熱交換調節器490は、MCE素子49、59の端部に区画形成された容積室VCの容積を調節する。熱交換調節器490は、挿入体495を備える。挿入体495は、容積室VC内に向けて挿入可能であって、その挿入量が調節されることによって容積室VCの容積を調節可能である。挿入体495は、中実または中空の立体物である。挿入体495は、先行する実施形態において例示された電磁式アクチュエータ、または感温式アクチュエータによって移動させることができる。挿入体495は、容積室VCに挿入可能であって、容積室VCに挿入されることにより容積室VCの容積を減少させる部材を提供する。
図中右側には、挿入体495が容積室VCから最大に引き出された状態、すなわち容積室VCの容積が最大の状態が図示されている。図中左側には、挿入体495が容積室VCに最大に挿し込まれた状態、すなわち容積室VCの容積が最小の状態が図示されている。
この実施形態によると、比較的簡単な構成によって容積室VCの容積を調節することができる。
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、挿入体495によって熱交換調節器を提供した。これに代えて、この実施形態では、MHP装置2の端部の容積VCを区画する部材を変形可能に構成し、しかも調節可能とすることによって熱交換調節器が提供される。
図16には、一組のMCE素子49、59と、それに関連する機器とが図示されている。図中では、ポンプ30は省略されている。また、高温端と低温端とは対称に構成されている。図中には、右側、すなわち高温端の側に、起動期間中における熱交換調節器590の状態が図示されている。図中には、左側、すなわち低温端の側に、定常時における熱交換調節器590の状態が図示されている。
MHP装置2は、熱交換調節器590を備える。熱交換調節器590は、MHP装置2の高温端11と低温端12とにそれぞれ設けられている。熱交換調節器590は、内部容積を調節可能な蛇腹部材596を備える。蛇腹部材596は、軸方向に伸縮可能である。蛇腹部材596は、MCE素子49、59と逆止弁47、48との間に設けられている。蛇腹部材596は、MCE素子49、59と逆止弁57、58との間にも、設けられている。蛇腹部材596は、容積室VCを区画形成し、容積室VCの容積を可変とする可変壁を提供する。熱交換調節器590は、蛇腹部材596を軸方向に伸縮させるアクチュエータ597を備える。アクチュエータ597は、電磁式アクチュエータ、または感温式アクチュエータによって提供されうる。
図中右側には、蛇腹部材596が最大に引き伸ばされた状態、すなわち容積室VCの容積が最大の状態が図示されている。図中左側には、蛇腹部材596が最大に押し縮められた状態、すなわち容積室VCの容積が最小の状態が図示されている。
この実施形態によると、比較的簡単な構成によって容積室VCの容積を調節することができる。
(他の実施形態)
ここに開示される発明は、その発明を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示される発明の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
例えば、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
また、上記実施形態では、作業水の温度に基づいて、起動期間中であるか否かを判定した。これに代えて、MHP装置2の起動後の連続的な運転時間を利用してもよい。この場合、例えば、運転時間が所定の閾値時間を下回るときは起動期間中であると判定し、運転時間が所定の閾値時間を上回ると起動期間が終了したと判定することができる。また、高温端に設けられた熱交換調節器と低温端に設けられた熱交換調節器とを共通の起動判定に基づいて制御してもよい。例えば、高温端と低温端との温度差が所定の閾値温度差を下回るときは起動期間中であると判定し、運転時間が所定の閾値時間を上回ると起動期間が終了したと判定することができる。
また、上記実施形態では、指標としての温度と閾値との比較に基づいて起動期間と、定常期間とを区別した。これに代えて、定常期間の中の1点または短い期間を定常時として、この定常時を含む所定期間にわたって熱交換量を多くしてもよい。同様に、起動期間の中の1点または短い期間を起動時として、この起動時を含む所定期間にわたって熱交換量を定常時より抑制してもよい。
上記実施形態では、高温端11と低温端12との両方に熱交換調節器90を設けた。これに代えて、高温端11または低温端12だけに熱交換調節器90を設けてもよい。例えば、MHP装置2が暖房装置として利用される場合、高温端11だけに熱交換調節器90を設けることにより、外部の熱負荷に起因する起動期間の長期化を抑制することができる。また、MHP装置2が冷房装置として利用される場合、低温端12だけに熱交換調節器90を設けることにより、外部の熱負荷に起因する起動期間の長期化を抑制することができる。
また、上記実施形態では、高温側循環通路15と低温側循環流路16とを両方を設けた。これに代えて、高温側循環通路15だけを採用してもよい。また、低温側循環流路16だけを採用してもよい。
また、上記第2実施形態では、感温式アクチュエータとしてサーモワックスWXを利用した。これに代えて、弁を駆動可能なバイメタル、形状記憶合金など種々の感温式アクチュエータを利用することができる。また、弁は、シャッタ弁に限らず、ロータリ式、バタフライ式など種々の形式の弁によって提供することができる。
また、MCE素子49、59と循環流路15、16との間に滞留する作業水の容積を調節する場合、蛇腹部材596に代えて種々の形状の可変壁を利用することができる。例えば、ゴム等の弾性部材により作られた壁などを採用することができる。また、容積が調節される場合、MHP装置2は、余剰の作業水を蓄えるとともに、不足の作業水を補充するリザーバタンク等の自動補給器を備えることが望ましい。
また、上記実施形態では、熱磁気サイクル装置の一形態であるMHP装置2を説明した。これに代えて、熱磁気サイクル装置の一形態である熱磁気エンジン装置に発明を適用してもよい。例えば、上記実施形態のMHP装置2の磁場変化と熱輸送媒体の流れとの位相を調節することにより熱磁気エンジン装置を提供することができる。
また、上記実施形態では、車両用空調装置に発明を適用した。これに代えて、住宅用の空調装置に発明を適用してもよい。また、水を加熱する給湯装置として利用してもよい。また、上記実施形態では、室外の空気を主要な熱源とするMHP装置2を説明した。これに代えて、水、土などの他の熱源を主要熱源として利用してもよい。
また、上記実施形態では、磁気熱量素子は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。これに代えて、外部磁場の印加により吸熱し、外部磁場の除去により発熱する磁気熱量素子を採用してもよい。
また、上記実施形態では、永久磁石を回転させることにより磁場印加除去手段を構成した。これに代えて、MCE素子を移動させることにより磁場印加除去手段を構成してもよい。また、永久磁石に代えて電磁石を使用してもよい。
また、上記実施形態では、作業水によって、MCE素子49、59をAMRサイクルとして機能させるための熱輸送媒体と、MHP装置2で得られた冷熱および/または温熱を熱交換器3、4に輸送する熱輸送媒体とを提供した。これに代えて、MCE素子49、59をAMRサイクルとして機能させるための熱輸送媒体と、MHP装置2で得られた冷熱および/または温熱を熱交換器3、4に輸送する熱輸送媒体とを分離してもよい。例えば、MHP装置2とは別に、高温端11に得られた高温を輸送するための水の循環回路とポンプとを設けることができる。
また、上記実施形態では、ポンプ30を中央に配置して、その両側にMCDユニット40、50を配置した。これに代えて、ポンプ30の半部と、一方のMCDユニットだけでMHP装置2を構成してもよい。例えば、ポンプ30の右半部とMCDユニット40とでMHP装置2を構成してもよい。この場合、ポンプ30とMCDユニット40との間に熱交換器4を設けることができる。
また、上記実施形態では、斜板式ポンプ、またはラジアルピストンポンプによって多気筒ポンプを提供した。これに代えて、他の形式の容積型ポンプを利用してもよい。また、上記実施形態では、ポンプの1気筒に、一つの作業室46、56を対応させて配置した。これに代えて、複数の気筒とひとつの作業室、またはひとつの気筒と複数の作業室、または複数の気筒と複数の作業室を対応させて配置してもよい。
また、磁気熱量効果を測る指標として種々の物理量を用いることができる。例えば、磁気熱量効果の大きさは、磁場を変化させた際の等温エントロピー変化、または断熱温度変化によって示すことができる。
また、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
1 車両用空調装置、 2 磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(MHP装置)、
3 熱交換器(高温側)、 4 熱交換器(低温側)、 5 制御装置、
11 高温端、 12 低温端、 13 中間低温端、
14 中間高温端、 15 高温側循環流路、 16 低温側循環流路、
20 モータ、 30 ポンプ、
40、50 磁気熱量装置ユニット(MCDユニット)、 45、55 永久磁石、
49、59 磁気熱量素子(MCE素子)、 70、80 変速機、
90 熱交換調節器。

Claims (14)

  1. 高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、
    前記磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、
    前記高温端と前記低温端との間において前記磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、
    前記高温端または前記低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、
    さらに、熱交換器(3、4)と、
    前記熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、
    前記ポンプは、
    前記熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、前記高温端および前記低温端の一方から前記循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、前記循環流路から前記高温端および前記低温端の一方に前記熱輸送媒体を吸い込み、
    前記熱交換調節器(390、490、590)は、前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に滞留する前記熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であり、
    前記熱交換調節器(390)は、
    前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、
    前記容積室に連通可能に設けられた付加容積室(393)と、
    前記容積室と前記付加容積室との間に設けられ、前記容積室と前記付加容積室との間の連通を断続する弁(394)とを備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  2. 高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、
    前記磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、
    前記高温端と前記低温端との間において前記磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、
    前記高温端または前記低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、
    さらに、熱交換器(3、4)と、
    前記熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、
    前記ポンプは、
    前記熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、前記高温端および前記低温端の一方から前記循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、前記循環流路から前記高温端および前記低温端の一方に前記熱輸送媒体を吸い込み、
    前記熱交換調節器(390、490、590)は、前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に滞留する前記熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であり、
    前記熱交換調節器(490)は、
    前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、
    前記容積室に挿入可能であって、前記容積室に挿入されることにより前記容積室の容積を減少させる部材(495)とを備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  3. 高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、
    前記磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、
    前記高温端と前記低温端との間において前記磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、
    前記高温端または前記低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、
    さらに、熱交換器(3、4)と、
    前記熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、
    前記ポンプは、
    前記熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、前記高温端および前記低温端の一方から前記循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、前記循環流路から前記高温端および前記低温端の一方に前記熱輸送媒体を吸い込み、
    前記熱交換調節器(390、490、590)は、前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に滞留する前記熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であり、
    前記熱交換調節器(590)は、
    前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、
    前記容積室を区画形成し、前記容積室の容積を可変とする可変壁(596)とを備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  4. 前記熱交換器は、高温側熱交換器(3)と低温側熱交換器(4)とを有し、
    前記循環流路は、前記高温側熱交換器を通る高温側循環流路(15)と前記低温側熱交換器を通る低温側循環流路(16)とを備え、
    前記ポンプは、
    前記高温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記高温端から前記高温側循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記低温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記高温側循環流路から前記高温端に前記熱輸送媒体を吸い込み、
    前記低温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記低温端から前記低温側循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記高温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記低温側循環流路から前記低温端に前記熱輸送媒体を吸い込むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  5. 高温端(11)と低温端(12)との間に設けられた磁気熱量素子(49、59)と、
    前記磁気熱量素子に周期的に変動する外部磁場を印加する磁場印加装置(44、45、54、55)と、
    前記高温端と前記低温端との間において前記磁気熱量素子に沿って熱輸送媒体を往復的に流すポンプ(30)と、
    前記高温端または前記低温端と外部の熱負荷または外部の熱源との間の熱交換量を調節する熱交換調節器(90、290a、290b、390、490、590)とを備え、
    さらに、定常時において前記熱交換量を多くするように前記熱交換調節器を制御するとともに、起動時において前記熱交換量を前記定常時より少なくするように前記熱交換調節器を制御する電気的な制御装置(5)または機械的なアクチュエータ(WX)を備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  6. さらに、熱交換器(3、4)と、
    前記熱交換器を通る循環流路(15、16)とを備え、
    前記ポンプは、
    前記熱輸送媒体を一方に向けて流すときに、前記高温端および前記低温端の一方から前記循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記熱輸送媒体を他方に向けて流すときに、前記循環流路から前記高温端および前記低温端の一方に前記熱輸送媒体を吸い込むことを特徴とする請求項5に記載の熱磁気サイクル装置。
  7. 前記熱交換器は、高温側熱交換器(3)と低温側熱交換器(4)とを有し、
    前記循環流路は、前記高温側熱交換器を通る高温側循環流路(15)と前記低温側熱交換器を通る低温側循環流路(16)とを備え、
    前記ポンプは、
    前記高温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記高温端から前記高温側循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記低温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記高温側循環流路から前記高温端に前記熱輸送媒体を吸い込み、
    前記低温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記低温端から前記低温側循環流路に前記熱輸送媒体を吐出し、
    前記高温端に向けて前記熱輸送媒体を流すときに、前記低温側循環流路から前記低温端に前記熱輸送媒体を吸い込むことを特徴とする請求項6に記載の熱磁気サイクル装置。
  8. 前記熱交換調節器(90、290a、290b)は、
    前記循環流路(15、16)に設けられ、前記熱交換器をバイパスするバイパス通路(91、291a、291b)と、
    前記バイパス通路を開閉する弁(92、292a、292b)とを備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の熱磁気サイクル装置。
  9. 前記熱交換調節器(390、490、590)は、前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に滞留する前記熱輸送媒体の容積(VC、393)を調節する装置であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の熱磁気サイクル装置。
  10. 前記熱交換調節器(390)は、
    前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、
    前記容積室に連通可能に設けられた付加容積室(393)と、
    前記容積室と前記付加容積室との間に設けられ、前記容積室と前記付加容積室との間の連通を断続する弁(394)とを備えることを特徴とする請求項9に記載の熱磁気サイクル装置。
  11. 前記熱交換調節器(490)は、
    前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、
    前記容積室に挿入可能であって、前記容積室に挿入されることにより前記容積室の容積を減少させる部材(495)とを備えることを特徴とする請求項9に記載の熱磁気サイクル装置。
  12. 前記熱交換調節器(590)は、
    前記磁気熱量素子(49、59)の前記高温端または前記低温端と前記循環流路との間に区画形成された容積室(VC)と、
    前記容積室を区画形成し、前記容積室の容積を可変とする可変壁(596)とを備えることを特徴とする請求項9に記載の熱磁気サイクル装置。
  13. 前記定常時と前記起動時とは、温度に基づいて決定されることを特徴とする請求項5から請求項12のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  14. 前記機械的なアクチュエータ(WX)は、温度を感知して前記熱交換調節器を駆動する感温式アクチュエータを有することを特徴とする請求項13に記載の熱磁気サイクル装置。
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