《実施形態1》
実施形態1について説明する。
図1に示すように、冷凍装置(1)は、熱媒体回路(2)を備える。冷凍装置(1)は、例えば、空気調和装置に適用される。熱媒体回路(2)には、熱媒体が充填される。熱媒体は、例えば、冷媒、水、ブラインなどを含む。
冷凍装置(1)は、低温側熱交換器(3)と、高温側熱交換器(4)と、ポンプ(5)と、磁気冷凍装置(10)とを備える。磁気冷凍装置(10)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する。
熱媒体回路(2)は、閉ループ状に形成される。熱媒体回路(2)には、ポンプ(5)、低温側熱交換器(3)、磁気冷凍装置(10)、高温側熱交換器(4)が順に接続される。
熱媒体回路(2)は、低温側流路(2a)と、高温側流路(2b)とを含む。低温側流路(2a)は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)と、ポンプ(5)の第1ポート(6a)とを接続する。高温側流路(2b)は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)と、ポンプ(5)の第2ポート(6b)とを接続する。
〈低温側熱交換器及び高温側熱交換器〉
低温側熱交換器(3)は、磁気冷凍装置(10)で冷却された熱媒体と、所定の冷却対象(例えば、二次冷媒や空気など)とを熱交換させる。高温側熱交換器(4)は、磁気冷凍装置(10)で加熱された熱媒体と、所定の加熱対象(例えば、二次冷媒や空気など)とを熱交換させる。
〈ポンプ〉
ポンプ(5)は、第1動作と、第2動作とを交互に繰り返し行う。第1動作では、熱媒体回路(2)の熱媒体を図1で左方向に搬送する。第2動作では、熱媒体回路(2)の熱媒体を図1で右方向に搬送する。ポンプ(5)は、熱媒体回路(2)の熱媒体を往復的に流動させる搬送機構を構成する。
ポンプ(5)は、往復式のピストンポンプで構成される。ポンプ(5)は、ポンプケース(6)と、ピストン(7)とを備える。
ピストン(7)は、ポンプケース(6)の内部で進退可能に配置される。ピストン(7)は、ポンプケース(6)の内部を、第1室(S1)と第2室(S2)とに仕切る。ポンプケース(6)には、第1ポート(6a)と、第2ポート(6b)とが形成される。第1ポート(6a)は、第1室(S1)に連通する。第1ポート(6a)は、低温側流路(2a)に接続される。第2ポート(6b)は、第2室(S2)に連通する。第2ポート(6b)は、高温側流路(2b)に接続される。ピストン(7)は、駆動機構(図示省略)によって駆動される。
第1動作では、ピストン(7)が第1ポート(6a)側に移動する。第1動作では、第1室(S1)の容積が小さくなり且つ第2室(S2)の容積が大きくなる。この結果、第1室(S1)の熱媒体が第1ポート(6a)を通じて低温側流路(2a)に吐出される。同時に高温側流路(2b)の熱媒体が第2ポート(6b)を通じて第2室(S2)に吸い込まれる。
第2動作では、ピストン(7)が第2ポート(6b)側に移動する。第2動作では、第2室(S2)の容積が小さくなり且つ第1室(S1)の容積が大きくなる。この結果、第2室(S2)の熱媒体が第2ポート(6b)を通じて高温側流路(2b)に吐出される。同時に低温側流路(2a)の熱媒体が第1ポート(6a)を通じて第1室(S1)に吸い込まれる。
〈制御部〉
冷凍装置(1)は、制御部(8)を備える。制御部(8)は、所定の運転指令に応じて、ポンプ(5)及び磁気冷凍装置(10)の動作を制御する。制御部(8)は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリデバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成される。
〈磁気冷凍装置〉
図2及び図3に示すように、磁気冷凍装置(10)は、磁気作業物質(11)と、磁場印加部(20)と、回転機構(15)とを備える。
磁気作業物質(11)は、材料容器(図示省略)に収容される。材料容器は、非磁性金属材料や樹脂材料で構成される。
磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。なお、磁気作業物質(11)は、印加された磁場が強くなることでも発熱する。磁気作業物質(11)は、印加された磁場が弱くなることでも吸熱する。
磁気作業物質(11)の材料としては、例えば、Gd5(Ge0.5Si0.5)4、La(Fe1-xSix)13、La(Fe1-xCoxSiy)13、La(Fe1-xSix)13Hy、Mn(As0.9Sb0.1)等を用いることができる。
磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図2に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
磁気作業物質(11)には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。ヨーク(13)は、磁気作業物質(11)の軸方向の両端部に設けられる(図3参照)。
回転機構(15)は、回転軸(16)と、モータ(17)とを有する。回転軸(16)は、モータ(17)に連結される。モータ(17)は、回転軸(16)を回転させる。回転軸(16)には、磁場印加部(20)が連結される。
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。具体的に、磁場印加部(20)は、モータ(17)の回転に伴って、回転軸(16)とともに軸心周りに回転する。これにより、磁気作業物質(11)に対して、磁場印加部(20)が相対回転移動する。つまり、第1方向は、周方向である。
磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向内側に配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。
コア(21)は、磁性材料で構成される。コア(21)の中心部には、回転軸(16)が連結される。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。
複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。複数の突部(23)は、周方向に間隔をあけて配置される。図2に示す例では、突部(23)が、周方向に等間隔に4つ配置される。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側のみに配置される。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、径方向に間隔をあけて配置される。
具体的に、磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向及び第2方向に直交する第3方向に間隔をあけて設けられる。図3に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が径方向、第3方向が軸方向である。
磁極(24)を構成する第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)側(図3で径方向外側)がN極、コア(21)の突部(23)側(図3で径方向内側)がS極となるように配置される。第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(図3で径方向内側)がS極、コア(21)の突部(23)側(図3で径方向外側)がN極となるように配置される。なお、第1磁石(25)及び第2磁石(26)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対回転移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)に対向して配置される。具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を径方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の軸方向の両端部に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
磁気冷凍装置(10)では、第1磁石(25)から図3で上側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。上側のヨーク(13)から下側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。下側のヨーク(13)から第2磁石(26)に向かって磁束が流れる。第2磁石(26)から第1磁石(25)に向かって、コア(21)の突部(23)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、磁場印加部(20)を回転移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-冷凍装置の運転動作-
冷凍装置(1)の基本的な運転動作について、図1を用いて説明する。冷凍装置(1)は、加熱動作と、冷却動作とを交互に繰り返し行う。加熱動作と冷却動作とを切り換える周期は、例えば、0.1秒から1秒程度に設定される。
〈加熱動作〉
加熱動作では、ポンプ(5)が第1動作を行うとともに、磁場印加部(20)が第1磁場印加動作を行う。つまり、加熱動作では、ポンプ(5)の第1ポート(6a)から熱媒体が吐出される。同時に、磁気作業物質(11)に磁場が印加される。
ポンプ(5)の第1室(S1)から低温側流路(2a)に熱媒体が吐出されると、低温側流路(2a)の熱媒体は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)に流入する。第1磁場印加動作中の冷凍装置(1)では、磁気作業物質(11)からその周囲へ熱が放出される。このため、温調流路(10a)を流れる熱媒体は、磁気作業物質(11)によって加熱される。温調流路(10a)で加熱された熱媒体は、高温側流路(2b)に流出し、高温側熱交換器(4)を流れる。高温側熱交換器(4)では、高温の熱媒体によって所定の加熱対象(例えば、二次冷媒や空気など)が加熱される。高温側流路(2b)の熱媒体は、ポンプ(5)の第2ポート(6b)から第2室(S2)に吸い込まれる。
〈冷却動作〉
冷却動作では、ポンプ(5)が第2動作を行うとともに、磁場印加部(20)が第2磁場印加動作を行う。つまり、加熱動作では、ポンプ(5)の第2ポート(6b)から熱媒体が吐出されると同時に、磁気作業物質(11)の磁場が取り除かれる。
ポンプ(5)の第2室(S2)から高温側流路(2b)に熱媒体が吐出されると、高温側流路(2b)の熱媒体は、磁気冷凍装置(10)の温調流路(10a)に流入する。第2磁場印加動作中の冷凍装置(1)では、磁気作業物質(11)がその周囲の熱を奪う。このため、温調流路(10a)を流れる熱媒体は、磁気作業物質(11)によって冷却される。温調流路(10a)で冷却された熱媒体は、低温側流路(2a)に流出し、低温側熱交換器(3)を流れる。低温側熱交換器(3)では、低温の熱媒体によって所定の冷却対象(例えば、二次冷媒や空気など)が冷却される。低温側流路(2a)の熱媒体は、ポンプ(5)の第1ポート(6a)から第1室(S1)に吸い込まれる。
-実施形態1の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側のみに配置される。さらに、磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向及び第2方向に直交する第3方向に間隔をあけて設けられる。
このようにすれば、磁場印加部(20)が相対移動する第1方向と、磁気作業物質(11)に磁束が流れる第3方向とを直交させたことで、磁気抵抗の増加を抑えることができる。
また、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第2方向の一端側のみに配置すれば、磁路長が短くなるため、装置全体としてコンパクト化を図るとともに、磁束密度を向上させることができる。
本実施形態の特徴によれば、相対移動は、所定の軸心周りに回転する相対回転移動である。第1方向が周方向、第2方向が径方向、第3方向が軸方向である。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、径方向に間隔をあけて配置される。磁場印加部(20)の磁極(24)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の軸方向に沿って磁束を流すことができる。
本実施形態の特徴によれば、磁気作業物質(11)における第3方向の両端部には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。
具体的に、ヨーク(13)の一般的な物質である鉄やケイ素鋼の比透磁率は、約4000~5000程度である。一方、磁気作業物質(11)の比透磁率は、約1.5~3.0程度である。
このように、磁気作業物質(11)の第3方向の両端部でヨーク(13)に磁束を流すことで、磁気作業物質(11)に対して均一に磁場を印加することができる。
また、第3方向の両端部に設けられたヨーク(13)は、磁気作業物質(11)の第1方向に沿って配置される。そのため、磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)とを第1方向に相対移動させた際の、ヨーク(13)と磁場印加部(20)との磁気吸引力の変化(いわゆるコギングトルク)が小さい。これにより、相対移動させるのに必要なトルクを低減でき、モータ(17)の小型化や消費電力の低減ができる。
本実施形態の特徴によれば、磁気冷凍装置(10)と、磁気冷凍装置(10)と熱交換する熱媒体回路(2)と、を備える。
これにより、磁気冷凍装置(10)を備えた冷凍装置(1)を提供できる。
-実施形態1の変形例1-
実施形態1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1コア(31)の第1突部(31a)及び第2コア(32)の第2突部(32a)で構成してもよい。
図4に示すように、コア(30)は、第1コア(31)と、第2コア(32)と、永久磁石(34)とを有する。第1コア(31)及び第2コア(32)は、板状の部材で構成される。第1コア(31)及び第2コア(32)は、軸方向に間隔をあけて配置される。第1コア(31)及び第2コア(32)の間には、永久磁石(34)が挟み込まれる。永久磁石(34)は、例えば、円環状に形成される。
図4に示す例では、永久磁石(34)は、第1コア(31)側(図4で上側)がN極、第2コア(32)側(図4で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(34)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1コア(31)には、周方向に間隔をあけて複数の第1突部(31a)が設けられる。第2コア(32)には、周方向に間隔をあけて複数の第2突部(32a)が設けられる。第1コア(31)及び第2コア(32)は、軸方向から見て同じ形状且つ同じ位置に形成される。第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を径方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の軸方向の両端部にそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
具体的に、磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(34)から第1コア(31)の第1突部(31a)に向かって磁束が流れる。第1突部(31a)から図4で上側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。上側のヨーク(13)から下側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を軸方向に沿って磁束が流れる。下側のヨーク(13)から第2コア(32)の第2突部(32a)に向かって磁束が流れる。第2突部(32a)から永久磁石(34)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、磁場印加部(20)を回転移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-実施形態1の変形例2-
実施形態1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の径方向外側に配置した構成としてもよい。
図5及び図6に示すように、磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向外側に配置される。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、図6で磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。
突部(23)の先端部には、立設部(50)が設けられる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)の外周面に沿って、磁気作業物質(11)に対向する位置まで立設する。立設部(50)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の立設部(50)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、径方向に間隔をあけて配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
-実施形態1の変形例3-
実施形態1の変形例2において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1コア(31)の第1突部(31a)及び第2コア(32)の第2突部(32a)で構成してもよい。
図7に示すように、コア(30)は、第1コア(31)と、第2コア(32)と、永久磁石(34)とを有する。
第1コア(31)は、板状の部材で構成される。第1コア(31)には、複数の第1突部(31a)が設けられる。第1突部(31a)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
第2コア(32)は、複数の突部(23)と、立設部(50)とを有する。突部(23)は、図7で磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。突部(23)の先端部には、立設部(50)が設けられる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)の外周面に沿って、磁気作業物質(11)の下端部に対向する位置まで立設する。立設部(50)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
立設部(50)には、第2突部(32a)が設けられる。第2突部(32a)は、立設部(50)の先端部から径方向内側に突出する。第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
第1コア(31)及び第2コア(32)は、軸方向に間隔をあけて配置される。第1コア(31)及び第2コア(32)の間には、永久磁石(34)が挟み込まれる。第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
-実施形態1の変形例4-
前記実施形態1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1磁石(25)と、磁極突起部(51)と、で構成してもよい。
図8に示すように、磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向内側に配置される。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、磁極突起部(51)とが配置される。磁極突起部(51)は、コア(21)の突部(23)における下端部から径方向外方に突出する。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び磁極突起部(51)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
-実施形態1の変形例5-
前記実施形態1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の径方向内側(第2方向の一端側)と、磁気作業物質(11)の軸方向(第3方向)とに配置した構成としてもよい。
図9に示すように、磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向内側に配置される。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)が配置される。突部(23)には、磁極突起部(51)が設けられる。磁極突起部(51)は、突部(23)における下端部から径方向外方に突出する。磁極突起部(51)は、磁気作業物質(11)の下面に対向する位置まで延びる。言い換えると、磁極突起部(51)は、磁気作業物質(11)の軸方向に対向する位置まで延びる。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び磁極突起部(51)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側と、第3方向と、に配置される。図9に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が径方向、第3方向が軸方向である。また、第2方向の一端側は、磁気作業物質(11)の径方向内側である。第2方向の他端側(図9で磁気作業物質(11)の径方向外側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態1の変形例6-
前記実施形態1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の径方向外側(第2方向の他端側)と、磁気作業物質(11)の軸方向(第3方向)とに配置した構成としてもよい。
図10に示すように、磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向外側に配置される。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、図10で磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。言い換えると、突部(23)は、図10で磁気作業物質(11)と軸方向で対向する面を有するように配置され、磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。
突部(23)の先端部には、立設部(50)が設けられる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)の外周面に沿って、磁気作業物質(11)に対向する位置まで立設する。立設部(50)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)が配置される。突部(23)では、磁気作業物質(11)の軸方向に対向する位置を磁束が流れる。第1磁石(25)及び突部(23)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
第1磁石(25)及び突部(23)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び突部(23)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の他端側と、第3方向と、に配置される。図10に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が径方向、第3方向が軸方向である。また、第2方向の他端側は、磁気作業物質(11)の径方向外側である。第2方向の一端側(図10で磁気作業物質(11)の径方向内側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態1の変形例7-
前記実施形態1の変形例1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の径方向内側(第2方向の一端側)と、磁気作業物質(11)の軸方向(第3方向)とに配置した構成としてもよい。
図11に示すように、コア(30)は、第1コア(31)と、第2コア(32)と、永久磁石(34)とを有する。第1コア(31)及び第2コア(32)は、板状の部材で構成される。第1コア(31)及び第2コア(32)は、軸方向に間隔をあけて配置される。第1コア(31)及び第2コア(32)の間には、永久磁石(34)が挟み込まれる。
第1コア(31)には、周方向に間隔をあけて複数の第1突部(31a)が設けられる。第1突部(31a)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。第2コア(32)には、周方向に間隔をあけて複数の第2突部(32a)が設けられる。第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)の下面に対向する位置まで延びる。第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側と、第3方向と、に配置される。図11に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が径方向、第3方向が軸方向である。また、第2方向の一端側は、磁気作業物質(11)の径方向内側である。第2方向の他端側(図11で磁気作業物質(11)の径方向外側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態1の変形例8-
前記実施形態1の変形例1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の径方向外側(第2方向の他端側)と、磁気作業物質(11)の軸方向(第3方向)とに配置した構成としてもよい。
図12に示すように、コア(30)は、第1コア(31)と、第2コア(32)と、永久磁石(34)とを有する。第1コア(31)及び第2コア(32)は、板状の部材で構成される。第1コア(31)及び第2コア(32)は、軸方向に間隔をあけて配置される。第1コア(31)及び第2コア(32)の間には、永久磁石(34)が挟み込まれる。
第1コア(31)には、周方向に間隔をあけて複数の第1突部(31a)が設けられる。第1突部(31a)は、磁気作業物質(11)に対して径方向外側に離れて配置される。第2コア(32)には、周方向に間隔をあけて複数の第2突部(32a)が設けられる。第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。言い換えると、第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)と軸方向で対向する面を有するように配置され、磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
第2突部(32a)では、磁気作業物質(11)の軸方向に対向する位置を磁束が流れる。第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の他端側と、第3方向と、に配置される。図12に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が径方向、第3方向が軸方向である。また、第2方向の他端側は、磁気作業物質(11)の径方向外側である。第2方向の一端側(図12で磁気作業物質(11)の径方向内側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態1の変形例9-
実施形態1において、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)とを軸方向に複数配置し、1つのモータ(17)で相対回転移動させてもよい。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。
図13に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図13に示す例では、略扇形状に形成された磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
磁気作業物質(11)には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。ヨーク(13)は、磁気作業物質(11)の径方向の両端部に設けられる。
図14に示すように、磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。具体的に、磁場印加部(20)は、モータ(17)の回転に伴って、回転軸(16)とともに軸心周りに回転する。これにより、磁気作業物質(11)に対して、磁場印加部(20)が相対回転移動する。つまり、第1方向は、周方向である。
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して、軸方向に離れて配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。
コア(21)は、磁性材料で構成される。コア(21)の中心部には、回転軸(16)が連結される。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。
複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。複数の突部(23)は、周方向に間隔をあけて配置される。図13に示す例では、突部(23)が、周方向に等間隔に4つ配置される。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。突部(23)の先端部は、軸方向から見て、略扇形状に形成される。
図15に示すように、磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側のみに配置される。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、軸方向に間隔をあけて配置される。
具体的に、磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向及び第2方向に直交する第3方向に間隔をあけて設けられる。図15に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が軸方向、第3方向が径方向である。
磁極(24)を構成する第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、径方向に間隔をあけて設けられる。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)側(図15で上側)がN極、コア(21)の突部(23)側(図15で下側)がS極となるように配置される。第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(図15で上側)がS極、コア(21)の突部(23)側(図15で下側)がN極となるように配置される。なお、第1磁石(25)及び第2磁石(26)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して周方向に相対回転移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)に対向して配置される。具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の径方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
磁気冷凍装置(10)では、第1磁石(25)から図15で径方向内側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。径方向内側のヨーク(13)から径方向外側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。径方向外側のヨーク(13)から第2磁石(26)に向かって磁束が流れる。第2磁石(26)から第1磁石(25)に向かって、コア(21)の突部(23)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、磁場印加部(20)を回転移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-実施形態2の効果-
本実施形態の特徴によれば、相対移動は、所定の軸心周りに回転する相対回転移動である。第1方向が周方向、第2方向が軸方向、第3方向が径方向である。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、軸方向に間隔をあけて配置される。磁場印加部(20)の磁極(24)は、径方向に間隔をあけて設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)の径方向に沿って磁束を流すことができる。
-実施形態2の変形例1-
実施形態2において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1突起部(35)及び第2突起部(36)で構成してもよい。
図16に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、永久磁石(34)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。突部(23)の先端部には、第1突起部(35)と、第2突起部(36)とが設けられる。第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、磁気作業物質(11)側に突出する。第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、径方向に間隔をあけて配置される。第1突起部(35)は、第2突起部(36)よりも径方向内側に配置される。永久磁石(34)は、突部(23)における第1突起部(35)と第2突起部(36)との間に埋め込まれる。
図16に示す例では、永久磁石(34)は、第1突起部(35)側(図16で径方向内側)がN極、第2突起部(36)側(図16で径方向外側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(34)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
磁気作業物質(11)に対して第1突起部(35)及び第2突起部(36)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を軸方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の径方向の両辺に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
具体的に、磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(34)からコア(21)の第1突起部(35)に向かって磁束が流れる。第1突起部(35)から図16で径方向内側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。径方向内側のヨーク(13)から径方向外側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を径方向に沿って磁束が流れる。径方向外側のヨーク(13)から第2突起部(36)に向かって磁束が流れる。第2突起部(36)から永久磁石(34)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、磁場印加部(20)を回転移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1突起部(35)及び第2突起部(36)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-実施形態2の変形例2-
前記実施形態1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1磁石(25)と、磁極突起部(51)と、で構成してもよい。
図17に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、磁極突起部(51)とが配置される。磁極突起部(51)は、コア(21)の突部(23)から磁気作業物質(11)に向かって突出する。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、径方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び磁極突起部(51)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
-実施形態2の変形例3-
前記実施形態2において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の軸方向下側(第2方向の一端側)と、磁気作業物質(11)の径方向外側(第3方向の他端側)とに配置した構成としてもよい。
図18に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)が配置される。突部(23)は、磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。突部(23)には、立設部(50)が設けられる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)の外周面に沿って磁気作業物質(11)と径方向に対向する位置まで延びる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
立設部(50)では、磁気作業物質(11)の外周面に対向する位置を磁束が流れる。第1磁石(25)及び立設部(50)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び立設部(50)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側と、第3方向の他端側と、に配置される。図18に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が軸方向、第3方向が径方向である。また、第2方向の一端側は、磁気作業物質(11)の軸方向下側である。第2方向の他端側(図18で磁気作業物質(11)の軸方向上側)には、磁極(24)が設けられていない。また、第3方向の他端側は、磁気作業物質(11)の径方向外側である。第3方向の一端側(図18で磁気作業物質(11)の径方向内側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態2の変形例4-
前記実施形態2において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の軸方向下側(第2方向の一端側)と、磁気作業物質(11)の径方向内側(第3方向の一端側)とに配置した構成としてもよい。
図19に示すように、磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して、軸方向に離れて配置される。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)が配置される。突部(23)には、立設部(50)が設けられる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)の内周面に沿って磁気作業物質(11)と径方向に対向する位置まで延びる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
立設部(50)では、磁気作業物質(11)の内周面に対向する位置を磁束が流れる。第1磁石(25)及び立設部(50)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び立設部(50)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側と、第3方向の一端側と、に配置される。図19に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が軸方向、第3方向が径方向である。また、第2方向の一端側は、磁気作業物質(11)の軸方向下側である。第2方向の他端側(図19で磁気作業物質(11)の軸方向上側)には、磁極(24)が設けられていない。また、第3方向の一端側は、磁気作業物質(11)の径方向内側である。第3方向の他端側(図19で磁気作業物質(11)の径方向外側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態2の変形例5-
前記実施形態2の変形例1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の軸方向下側(第2方向の一端側)と、磁気作業物質(11)の径方向外側(第3方向の他端側)とに配置した構成としてもよい。
図20に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、永久磁石(34)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。突部(23)は、磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。突部(23)には、第1突起部(35)と、第2突起部(36)とが設けられる。
第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、径方向に間隔をあけて配置される。第1突起部(35)は、第2突起部(36)よりも径方向内側に配置される。永久磁石(34)は、突部(23)における第1突起部(35)と第2突起部(36)との間に埋め込まれる。
第1突起部(35)は、磁気作業物質(11)の下側に配置される。第2突起部(36)は、突部(23)から磁気作業物質(11)の外周面に沿って磁気作業物質(11)と径方向に対向する位置まで延びる。第2突起部(36)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。第2突起部(36)では、磁気作業物質(11)の外周面に対向する位置を磁束が流れる。第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1突起部(35)及び第2突起部(36)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側と、第3方向の他端側と、に配置される。図20に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が軸方向、第3方向が径方向である。また、第2方向の一端側は、磁気作業物質(11)の軸方向下側である。第2方向の他端側(図20で磁気作業物質(11)の軸方向上側)には、磁極(24)が設けられていない。また、第3方向の他端側は、磁気作業物質(11)の径方向外側である。第3方向の一端側(図20で磁気作業物質(11)の径方向内側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態2の変形例6-
前記実施形態2の変形例1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の軸方向下側(第2方向の一端側)と、磁気作業物質(11)の径方向内側(第3方向の一端側)とに配置した構成としてもよい。
図21に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、永久磁石(34)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して軸方向に離れて配置される。
突部(23)には、第1突起部(35)と、第2突起部(36)とが設けられる。第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、径方向に間隔をあけて配置される。第1突起部(35)は、第2突起部(36)よりも径方向内側に配置される。永久磁石(34)は、突部(23)における第1突起部(35)と第2突起部(36)との間に埋め込まれる。
第1突起部(35)は、突部(23)から磁気作業物質(11)の外周面に沿って磁気作業物質(11)と径方向に対向する位置まで延びる。第1突起部(35)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。第1突起部(35)では、磁気作業物質(11)の外周面に対向する位置を磁束が流れる。第2突起部(36)は、磁気作業物質(11)の下側に配置される。第1突起部(35)及び第2突起部(36)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1突起部(35)及び第2突起部(36)を対向させると、磁気作業物質(11)の径方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側と、第3方向の他端側と、に配置される。図21に示す例では、第1方向が周方向、第2方向が軸方向、第3方向が径方向である。また、第2方向の一端側は、磁気作業物質(11)の軸方向下側である。第2方向の他端側(図21で磁気作業物質(11)の軸方向上側)には、磁極(24)が設けられていない。また、第3方向の一端側は、磁気作業物質(11)の径方向内側である。第3方向の他端側(図21で磁気作業物質(11)の径方向外側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態2の変形例7-
実施形態2において、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)とを軸方向に複数配置し、1つのモータ(17)で相対回転移動させてもよい。また、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)とを径方向に複数配置し、1つのモータ(17)で相対回転移動させてもよい。
《実施形態3》
実施形態3について説明する。
図22に示すように、磁気冷凍装置(10)は、磁気作業物質(11)と、磁場印加部(20)と、直動機構(40)とを備える。
直動機構(40)は、シリンダ(41)と、シリンダロッド(42)とを有する。シリンダロッド(42)は、シリンダ(41)に対して軸方向に進退する。シリンダロッド(42)には、磁場印加部(20)が連結される。
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動する。具体的に、磁場印加部(20)は、シリンダ(41)の駆動に伴って、シリンダロッド(42)とともに第1方向に沿って直線的に移動する。これにより、磁気作業物質(11)に対して、磁場印加部(20)が相対直線移動する。つまり、第1方向は、シリンダロッド(42)の軸方向である。
磁気作業物質(11)は、第1方向に間隔をあけて2つ配置される。磁気作業物質(11)は、磁場印加部(20)に対して、第1方向に直交する第2方向(図22で左右方向)に離れて配置される。
磁気作業物質(11)には、磁気作業物質(11)よりも透磁率の高いヨーク(13)が設けられる。ヨーク(13)は、磁気作業物質(11)における第1方向及び第2方向に直交する第3方向(図23で上下方向)の両端部に設けられる。
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、磁性材料で構成される。コア(21)には、シリンダロッド(42)が連結される。
図23にも示すように、磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第2方向(図23の左右方向)の一端側に配置される。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、第2方向に間隔をあけて配置される。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、コア(21)の第3方向(図23で上下方向)に間隔をあけて設けられる。具体的に、磁気作業物質(11)とコア(21)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、第3方向に間隔をあけて設けられる。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)の第3方向に磁束が流れるように、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)側(図23で左側)がN極、コア(21)側(図23で右側)がS極となるように配置される。第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)側(図23で左側)がS極、コア(21)側(図23で右側)がN極となるように配置される。なお、第1磁石(25)及び第2磁石(26)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、コア(21)とともに、磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対直線移動する。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の第3方向に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁気作業物質(11)に対向して配置される。具体的に、第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁束が流れている磁気作業物質(11)を第2方向から見た場合に、磁気作業物質(11)の第3方向の両端部に沿ってそれぞれ配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
磁気冷凍装置(10)では、第1磁石(25)から図23で上側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。上側のヨーク(13)から下側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を第3方向に沿って磁束が流れる。下側のヨーク(13)から第2磁石(26)に向かって磁束が流れる。第2磁石(26)から第1磁石(25)に向かって、コア(21)の内部を第3方向に沿って磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、図24に示すように、磁場印加部(20)を直線移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-実施形態3の効果-
本実施形態の特徴によれば、相対移動は、第1方向に沿って直線的に移動する相対直線移動である。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、第2方向に間隔をあけて配置される。磁場印加部(20)の磁極(24)は、第3方向に間隔をあけて設けられる。
これにより、磁気作業物質(11)に対して磁場印加部(20)を相対直線移動させる磁気冷凍装置を提供できる。
-実施形態3の変形例1-
実施形態3において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1コア(31)の第1突部(31a)及び第2コア(32)の第2突部(32a)で構成してもよい。
図25に示すように、コア(30)は、第1コア(31)と、第2コア(32)と、永久磁石(34)とを有する。第1コア(31)及び第2コア(32)は、板状の部材で構成される。第1コア(31)及び第2コア(32)は、第3方向(図25で上下方向)に間隔をあけて配置される。第1コア(31)及び第2コア(32)の間には、永久磁石(34)が挟み込まれる。
図25に示す例では、永久磁石(34)は、第1コア(31)側(図25で上側)がN極、第2コア(32)側(図25で下側)がS極となるように配置される。なお、永久磁石(34)におけるN極及びS極の位置関係は、逆向きでもよい。
第1コア(31)には、第1突部(31a)が設けられる。第2コア(32)には、第2突部(32a)が設けられる。第1コア(31)及び第2コア(32)は、軸方向から見て同じ形状且つ同じ位置に形成される。第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させると、磁気作業物質(11)の第3方向(図25で上下方向)に磁束が流れる。なお、磁束の流れを破線の矢印線で示す。
具体的に、磁気冷凍装置(10)では、永久磁石(34)から第1コア(31)の第1突部(31a)に向かって磁束が流れる。第1突部(31a)から図25で上側のヨーク(13)に向かって磁束が流れる。上側のヨーク(13)から下側のヨーク(13)に向かって、磁気作業物質(11)の内部を第3方向(図25で上下方向)に沿って磁束が流れる。下側のヨーク(13)から第2コア(32)の第2突部(32a)に向かって磁束が流れる。第2突部(32a)から永久磁石(34)に向かって磁束が流れる。これにより、磁場が印加された磁気作業物質(11)が発熱する。
その後、磁場印加部(20)を直線移動させ、隣接する磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させる。これにより、最初に磁場を印加した磁気作業物質(11)は、磁場が取り除かれることで吸熱する。一方、隣接する磁気作業物質(11)は、磁場が印加されることで発熱する。
-実施形態3の変形例2-
前記実施形態3において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、第1磁石(25)と、磁極突起部(51)と、で構成してもよい。
図26に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第2方向(図26の左右方向)の一端側に配置される。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、第2方向に間隔をあけて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)との間には、第1磁石(25)と、磁極突起部(51)とが配置される。磁極突起部(51)は、コア(21)における下端部から径方向内側に突出する。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、第3方向(図26で上下方向)に間隔をあけて設けられる。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び磁極突起部(51)を対向させると、磁気作業物質(11)の第3方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
-実施形態2の変形例3-
前記実施形態3において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の第2方向の一端側と、磁気作業物質(11)の第3方向とに配置した構成としてもよい。
図27に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第2方向(図27の左右方向)の一端側(図27の右側)と、磁気作業物質(11)の第3方向(図27の上下方向)の一端側(図27の下側)とに配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)との間には、第1磁石(25)が配置される。第1磁石(25)は、磁気作業物質(11)に対して第2方向に離れて配置される。コア(21)には、磁極突起部(51)が設けられる。磁極突起部(51)は、コア(21)における下端部から径方向内側に突出する。磁極突起部(51)は、磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)に対向する位置まで延びる。磁極突起部(51)は、磁気作業物質(11)に対して第3方向に離れて設けられる。第1磁石(25)及び磁極突起部(51)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び磁極突起部(51)を対向させると、磁気作業物質(11)の第3方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側(図27で右側)と、第3方向の一端側(図27で下側)と、に配置される。第2方向の他端側(図27で左側)には、磁極(24)が設けられていない。第3方向の他端側(図27で上側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態2の変形例4-
前記実施形態3の変形例1において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の第2方向の一端側と、磁気作業物質(11)の第3方向とに配置した構成としてもよい。
図28に示すように、コア(30)は、第1コア(31)と、第2コア(32)と、永久磁石(34)とを有する。第1コア(31)及び第2コア(32)は、第3方向(図28で上下方向)に間隔をあけて配置される。第1コア(31)及び第2コア(32)の間には、永久磁石(34)が挟み込まれる。
第1コア(31)には、第1突部(31a)が設けられる。第1突部(31a)は、磁気作業物質(11)に対して第2方向(図28で左右方向)に離れて配置される。
第2コア(32)には、第2突部(32a)が設けられる。第2突部(32a)は、磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)に対向する位置まで延びる。磁極突起部(51)は、磁気作業物質(11)に対して第3方向に離れて設けられる。第1突部(31a)及び第2突部(32a)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁気作業物質(11)に対して第1突部(31a)及び第2突部(32a)を対向させると、磁気作業物質(11)の第3方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向の一端側(図28で右側)と、第3方向の一端側(図28で下側)と、に配置される。第2方向の他端側(図28で左側)には、磁極(24)が設けられていない。第3方向の他端側(図28で上側)には、磁極(24)が設けられていない。
-実施形態3の変形例5-
実施形態3において、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)を複数配置し、1つのシリンダ(41)で相対直線移動させてもよい。
《実施形態4》
実施形態4について説明する。
図29に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図29に示す例では、周方向に沿って円弧状に延びる磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向内側に配置される。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向(周方向)に相対移動する。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって突出する。複数の突部(23)は、周方向に間隔をあけて配置される。図29に示す例では、突部(23)が、周方向に等間隔に2つ配置される。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向(径方向)の一端側に配置される。磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向及び第2方向に直交する第3方向(軸方向)に間隔をあけて設けられる。
ここで、磁場印加部(20)の磁極(24)における磁気作業物質(11)と対向する面の第1方向(周方向)の長さW1は、磁気作業物質(11)における磁場印加部(20)の磁極(24)と対向する面の第1方向(周方向)の長さW2よりも大きい。
-実施形態4の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場印加部(20)の磁極(24)における磁気作業物質(11)と対向する面の第1方向の長さは、磁気作業物質(11)における磁場印加部(20)の磁極(24)と対向する面の第1方向の長さよりも大きい。
これにより、磁気抵抗を増加させることなく、磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)との位置合わせの精度を下げることができる。
-実施形態4の変形例1-
前記実施形態4において、磁場印加部(20)の磁極(24)を、磁気作業物質(11)の径方向外側に配置した構成としてもよい。
図30に示すように、磁場印加部(20)は、複数の磁気作業物質(11)の径方向外側に配置される。磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。突部(23)は、磁気作業物質(11)の下方を通って磁気作業物質(11)の径方向内側から径方向外側まで延びる。
突部(23)の先端部には、立設部(50)が設けられる。立設部(50)は、磁気作業物質(11)の外周面に沿って、磁気作業物質(11)に対向する位置まで立設する。立設部(50)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の立設部(50)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)とは、径方向に間隔をあけて配置される。
磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
-実施形態4の変形例2-
実施形態4において、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)とを軸方向に複数配置し、1つのモータ(17)で相対回転移動させてもよい。
《実施形態5》
実施形態5について説明する。
図31に示すように、磁気作業物質(11)は、周方向に間隔をあけて複数配置される。図31に示す例では、略扇形状に形成された磁気作業物質(11)が、周方向に等間隔に8つ配置される。
磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して、軸方向に離れて配置される。図32にも示すように、磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して第1方向(周方向)に相対移動する。磁場印加部(20)は、磁気作業物質(11)に対して磁場を印加する。
磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)とを有する。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって突出する。複数の突部(23)は、周方向に間隔をあけて配置される。図32に示す例では、突部(23)が、周方向に等間隔に2つ配置される。突部(23)の先端部は、軸方向から見て、略扇形状に形成される。
磁場印加部(20)の磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向に直交する第2方向(軸方向)の一端側に配置される。磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。
磁極(24)は、磁気作業物質(11)における第1方向及び第2方向に直交する第3方向(径方向)に間隔をあけて設けられる。
ここで、磁場印加部(20)の磁極(24)における磁気作業物質(11)と対向する面の第1方向(周方向)の長さW1は、磁気作業物質(11)における磁場印加部(20)の磁極(24)と対向する面の第1方向(周方向)の長さW2よりも大きい。
-実施形態5の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁場印加部(20)の磁極(24)における磁気作業物質(11)と対向する面の第1方向の長さは、磁気作業物質(11)における磁場印加部(20)の磁極(24)と対向する面の第1方向の長さよりも大きい。
これにより、磁気抵抗を増加させることなく、磁気作業物質(11)と磁場印加部(20)の磁極(24)との位置合わせの精度を下げることができる。
-実施形態5の変形例-
実施形態5において、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)とを軸方向に複数配置し、1つのモータ(17)で相対回転移動させてもよい。また、磁場印加部(20)と磁気作業物質(11)とを径方向に複数配置し、1つのモータ(17)で相対回転移動させてもよい。
《実施形態6》
実施形態6について説明する。
図33に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)と、保持部材(55)と、を有する。
コア(21)は、磁性材料で構成される。コア(21)の中心部には、保持部材(55)が設けられる。コア(21)は、保持部材(55)によって保持される。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
保持部材(55)は、円筒状の部材で構成される。保持部材(55)は、非磁性材料で構成される。保持部材(55)は、例えば、アルミニウムや樹脂で構成される。保持部材(55)の中心部には、回転軸(16)が連結される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
なお、本実施形態6において、磁性材料のコア(21)を、非磁性材料の保持部材(55)で保持する構成を説明しているが、その他の実施形態及び変形例においても、同様の構成を適用可能である。
-実施形態6の効果-
本実施形態の特徴によれば、磁束が流れるコア(21)を磁性材料で構成し、非磁性材料で構成された保持部材(55)によってコア(21)を保持することで、第1方向で隣り合う磁極(24)間での磁束漏れをより低減することができる。また、保持部材(55)として、コア(21)よりも単位体積当たりの重量が軽い部材(例えば、アルミニウムや樹脂)を採用することで、磁気冷凍装置(10)全体として軽量化を図ることができる。
-実施形態6の変形例1-
前記実施形態6において、磁場印加部(20)を円柱状に形成してもよい。
図34及び図35に示すように、磁場印加部(20)は、コア(21)と、磁極(24)と、保持部材(55)と、を有する。
コア(21)は、磁性材料で構成される。コア(21)の中心部には、保持部材(55)が設けられる。コア(21)は、保持部材(55)によって保持される。コア(21)は、複数の突部(23)を有する。複数の突部(23)は、コア(21)の中心部から径方向外方に向かって放射状に突出する。突部(23)は、磁気作業物質(11)に対して径方向に離れて配置される。
磁気作業物質(11)とコア(21)の突部(23)との間には、第1磁石(25)と、第2磁石(26)とが配置される。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、磁場印加部(20)の磁極(24)を構成する。第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、軸方向に間隔をあけて設けられる。磁気作業物質(11)に対して第1磁石(25)及び第2磁石(26)を対向させると、磁気作業物質(11)の軸方向に磁束が流れる。磁束の流れを破線の矢印線で示す。
保持部材(55)は、コア(21)の中心部と、周方向に間隔をあけて配置された複数の突部(23)の間と、磁極(24)を構成する第1磁石(25)と第2磁石(26)との間とに設けられる。保持部材(55)は、非磁性材料で構成される。保持部材(55)は、例えば、アルミニウムや樹脂で構成される。
コア(21)の中心部に設けられた保持部材(55)は、円筒状の部材で構成される。保持部材(55)の中心部には、回転軸(16)が連結される。また、複数の突部(23)の間と、第1磁石(25)及び第2磁石(26)の間とに保持部材(55)が設けられることで、磁場印加部(20)が円柱状に形成される。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、第1磁石(25)及び第2磁石(26)を、磁気作業物質(11)に対向して配置させるようにしたが、この形態に限定するものではない。磁場印加部(20)の磁極(24)は、第3方向から見たときに、磁気作業物質(11)に重なり合わないように配置されていればよい。
例えば、磁極(24)を構成する第1磁石(25)及び第2磁石(26)は、第2方向から見て、磁気作業物質(11)よりも第3方向の外方に離れて配置されていてもよい。つまり、第3方向から見たときに、磁気作業物質(11)に重なり合わない位置において、磁極(24)の間の磁気ギャップ中に、磁気作業物質(11)が配置されていてもよい。
前記実施形態では、磁気作業物質(11)に対して均一に磁場を印加するために、磁気作業物質(11)の第3方向の両端部にヨーク(13)を設けた構成について説明したが、この形態に限定するものではない。磁気作業物質(11)の透磁率は、真空(空気)よりも高いため、磁気作業物質(11)の第3方向の両端部にヨーク(13)を設けない構成であってもよい。また、磁気作業物質(11)の第3方向の一方の端部にヨーク(13)を設け、他方の端部にヨーク(13)を設けない構成であってもよい。
前記実施形態では、磁場印加部(20)の磁極(24)を、永久磁石を用いて構成した形態について説明したが、例えば、電磁石を用いた構成であってもよい。
前記実施形態では、磁場印加部(20)の磁極(24)の数や、磁気作業物質(11)の数を、図面に基づいて具体的に説明したが、この形態に限定するものではない。磁場印加部(20)の磁極(24)の数や、磁気作業物質(11)の数は、適宜選択すればよい。
前記実施形態では、磁場印加部(20)を磁気作業物質(11)に対して第1方向に相対移動するために、磁場印加部(20)を回転移動又は直線移動させる構成について説明したが、この形態に限定するものではない。磁気作業物質(11)を回転移動又は直線移動させる構成であってもよい。
前記実施形態では、磁気作業物質(11)とヨーク(13)の形状を、図面に基づいて具体的に説明したが、この形態に限定するものではない。磁気作業物質(11)とヨーク(13)の形状は、磁極(24)間の空間に収まれば、どのような形状でもよい。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書及び特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。