JP2011094912A - 磁気式温度調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コギングトルクの小さい磁気式温度調整装置を提供する。
【解決手段】磁気式温度調整装置は、回転駆動部と、前記回転駆動部と軸を介して回転可能に接続され、複数の磁極を有する回転子と、回転子と空隙を介して対向配置された複数のケース内に充填され、印加される磁界の変化によって温度変化する第1磁気作業物質と、前記第1磁気作業物質の充填されたケースの間に配置された磁性補助部材とを有することを特徴としている。
【選択図】図2
【解決手段】磁気式温度調整装置は、回転駆動部と、前記回転駆動部と軸を介して回転可能に接続され、複数の磁極を有する回転子と、回転子と空隙を介して対向配置された複数のケース内に充填され、印加される磁界の変化によって温度変化する第1磁気作業物質と、前記第1磁気作業物質の充填されたケースの間に配置された磁性補助部材とを有することを特徴としている。
【選択図】図2
Description
本発明は、印加される磁界の変化によって温度変化する磁性体を用いた磁気式温度調整装置に関する。
従来、冷蔵庫、冷凍庫やエアコン等の温度調整装置では、気体の圧縮および膨張による温度変化を利用した温度調整技術が用いられている。このような温度調整装置では、気体を圧縮するための圧縮機等が必要であり、効率の向上や小型化には限界がある。また、フロンガス等の環境破壊物質の排出が問題となっている。
これらの問題を解決する一つの手段として、近年、印加する磁界の変化に伴い温度変化をする磁性体(以下、「磁気作業物質」と称す。)を用いた磁気温度調整技術が用いられている。この磁気作業物質は、磁気作業物質に印加する磁界を強めると磁気作業物質の温度が上昇し、磁気作業物質に印加する磁界を弱めると磁気作業物質の温度が低下する。この磁気作業物質が充填された領域に熱伝達媒体を流し、磁気作業物質の温度変化を熱伝達媒体に伝える。その熱伝達媒体をポンプにより熱交換器へ流すことで、磁気作業物質の温度変化を熱交換器へ伝達する。圧縮および膨張によって温度が変化する気体に代えて、このような、印加される磁界の変化によって温度が変化する磁気作業物質を用いることにより、効率の向上および小型化が可能となり、かつ環境破壊物質を排出しない温度調整装置が提供されている。
この種の磁気式温度調整装置は、放射状に4つの磁極を有する永久磁石と、所定の空隙を持って磁極と対向する4つの磁気作業物質と、永久磁石と磁気作業物質との間に筒状で回転可能に配置され、周方向に交互に磁気透過部と磁気遮蔽部を有する磁気遮蔽体と、磁気作業物質の外周に配置されたヨークとから構成されている。磁気遮蔽体が回転することにより、磁気作業物質へ印加される永久磁石からの磁界の増減を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記構成の磁気式温度調整装置では、磁気遮蔽部と磁気透過部を有する磁気遮蔽体が回転することにより、磁極に対向する部分が磁気遮蔽部のときと磁気透過部のときといったように一定周期で変化することとなる。磁気を通さない磁性体で形成された磁気遮蔽部と磁極との間では吸引力が働き、磁気透過部と磁極との間では吸引力が働かないため、磁気遮蔽体が回転する際、力の不連続点が生じる。この力の不連続点が回転のコギングトルクとなり、装置の振動や騒音の原因となる。また、このコギングトルクの影響を微小なものとするために、磁気遮蔽体を駆動するモータの負荷を大きくすることで電力消費が大きくなるといった問題が生じる。
そこで、本発明は、コギングトルクの小さい磁気式温度調整装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の磁気式温度調整装置は、回転駆動部と、前記回転駆動部と軸を介して回転可能に接続され、複数の磁極を有する回転子と、回転子と空隙を介して対向配置された複数のケース内に充填され、印加される磁界の変化によって温度変化する第1磁気作業物質と、前記第1磁気作業物質の充填されたケースの間に配置された磁性補助部材とを有することを特徴とする。
本発明によれば、コギングトルクの小さい磁気式温度調整装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
本発明による温度調整装置の実施例1について図1ないし図5を参照して説明する。
図1は、実施例1の磁気式温度調整装置1の概略断面構成図を示し、図2は、図1のA−A断面図を示す。磁気式温度調整装置1は、外箱内に配置された磁気式温度発生装置10と、磁気式温度発生装置10の上部と接続する上部配管20aと、磁気式温度発生装置10の下部と接続する下部配管20bと、上部配管20a上に設けられたポンプ30と、上部配管20aに接続された第1熱交換器40aと、下部配管20bに接続された第2熱交換器40bとから構成されている。
磁気式温度発生装置10は、回転駆動部11と、回転駆動部11と軸12を介して回転可能に接続された回転部13と、回転部13から径方向に所定の空間をもって配置された円筒状の固定部コア14と、固定部コア14の内周に配置された円筒状の熱発生部15とから構成されている。
回転部13は、軸12に対して放射状に複数の突起を有する回転部コア16と、複数の突起を磁極17とするために突起の先端部に配置された複数の永久磁石17とから構成されている。本実施例1においては、突起の数は8つとし、磁極17の断面形状は軸12方向を中心とした円弧面としている。また、隣り合う永久磁石の極をN極、S極交互としている。なお、磁極17の数、形状、永久磁石の極の構成は適宜変更可能である。永久磁石としては、強い磁界を発生可能な永久磁石を用いるのが好ましい。例えば、ネオジム磁石やサマリウム−コバルト磁石等の希土類磁石が用いられる。
固定部コア14は、外箱内に固定された円筒状の磁性体で構成されている。
熱発生部15は、固定部コア14の内周に固定された円筒形状であり、その肉厚部分が、軸方向に平行な複数の領域18に分割されている。複数の領域18は、粒状の磁気作業物質100の充填した第1領域18aと磁性補助部材101で形成された第2領域18bとが交互に配置されている。
第1領域18aは、後述する配管と接続されており、内部に充填された磁気作業物質100の隙間を熱伝達媒体が通るように構成されている。これにより、磁気作業物質100と熱伝達媒体が熱交換して、熱を伝えられた熱伝達媒体が温度調整装置内を循環することで熱の伝達を行う。
本実施例においては、第1領域18aおよび第2領域18bの数をそれぞれ回転子の磁極17の数と同じ8つとしている。また、第1領域18aおよび第2領域18bにおける磁極17との対向面積は、磁極17の面積より大きくしている。なお、第1領域18aおよび第2領域18bの数、第1領域18aおよび第2領域18bにおける磁極17との対向面積は適宜変更可能である。
第1領域18aに充填されている磁気作業物質100は、印加される磁界が増加することによって温度が上昇し、印加されていた磁界が減少することで温度が低下する磁性体である。磁気作業物質100としては、印加される磁界の変化に対する温度の変化が大きい磁性体を用いることが好ましい。例えば、カドリウム系材料、もしくは、ランタン−鉄−シリコン化合物により形成された磁性体が用いられる。
第2領域18bに配置されている磁性補助部材101は、鉄やフェライト等の磁性体が用いられる。この磁性補助部材101は、上記磁性体に限られず種々の磁性体を用いることが可能だが、磁束透過率が磁気作業物質100と同程度のものを用いて、第1領域18aと第2領域18bの間での永久磁石からの磁気エネルギー変化が小さいものとすることが好ましい。
回転駆動部11は、その軸12が回転部13の軸12と一致させて配置されたモータであり、制御部50で回転速度を制御しながら回転部13を回転させる。
図3は、第1領域18a、配管20a、20bおよびポンプ30の配置を模式的に示している。
配管は、回転型磁気式温度調整装置の第1領域18aの一端と、ポンプ30と、回転型磁気式温度発生装置10の第1領域18aの他端とをつなぎ、内部を熱伝達媒体が循環するように構成されている。上部配管20aは、ポンプ30と接続された1本の配管が、8つの第1領域18aに対応した8本の配管に分岐して第1領域18aの一方と接続されて構成されている。また、下部配管20bは、第1領域18aの他方と接続された8本の配管が、1本の配管にまとめられてポンプ30に接続されて構成されている。
ポンプ30は、第1領域18aの一端から第1領域18aの他端へ熱伝達媒体を輸送する第1動作と、第1領域18aの他端から第1領域18aの一端へ熱伝達媒体を輸送する第2動作と、熱伝達媒体を輸送しない無動作のいずれかの状態を、制御部50でコントロールされている。
制御部50は、回転駆動部11とポンプ30に接続されている。この制御部50は、回転駆動部11を動作して回転部13を回転させる。また、その回転速度および回転位置を検出して、ポンプ30の無動作、第1動作、第2動作のいずれの動作を行うかを制御する。
次に、実施例1の動作について図4および図5を参照して説明する。なお、図4において、破線は永久磁石からの磁気経路を示しており、磁気経路を見やすくするため、固定部コア14、回転部コア16、磁極17のハッチングを省略している。
図4(a)は、回転部13の磁極17が磁気作業物質100と対向した状態である。この状態では、磁極17の永久磁石からの磁束19aは、N極から磁気作業物質100、固定部コア14、両側の磁気作業物質100を通り、両側の磁極17の永久磁石のS極へ伝わる。この状態は、磁気作業物質100に磁界が印加されている状態となる。
回転部13は、例えば図の時計方向に回転する。すると、図4(a)に示すような磁極17と磁気作業物質100とが対向した状態から、図4(b)に示すような磁極17と磁気作業物質100とが対向しない状態へ回転する。図4(b)の磁極17と磁気作業物質100とが対向しない状態では、磁極17の永久磁石からの磁束19bは、N極から磁性補助部材101、固定部コア14、両側の磁性補助部材101を通り、両側の磁極17の永久磁石のS極へ伝わる。この状態は、図4(a)の状態と比較して、磁気作業物質100を通る磁束の量が少ない。つまり、この回転により磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が減少するように変化するため、磁気作業物質100の温度は減少する。温度の下がった磁気作業物質100から熱伝達媒体へ熱が伝達し熱伝達媒体の温度が下がる。この熱伝達媒体をポンプ30で第1領域18aの一端から他端へ運び、第2熱交換器40bに熱が伝わる。
次に、図4(b)に示すような磁極17と磁気作業物質100とが対向しない状態から、図4(a)に示すような磁極17と磁気作業物質100とが対向した状態へ回転する。すると、磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が増加するように変化するため、磁気作業物質100の温度は増加する。温度の上がった磁気作業物質100から熱伝達媒体へ温度が伝達し熱伝達媒体の温度が上がる。この熱伝達媒体をポンプ30で第1領域18aの他端から一端へ運び、第1熱交換器40aに熱が伝わる。
図5は、この動作について横軸を時間軸とし、縦軸を磁気作業物質100に印加される磁束量として示した図である。図4(b)の状態となったt1から図4(a)の状態となるt2までの間、磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が増加することにより発熱し熱伝達媒体へ高温を伝える。
図4(a)の状態となったt2からt3までの間、磁極17と対向する第1領域18aの面積を磁極17の面積より大きく設定しているので、その間磁気作業物質100は永久磁石と常に対向していることとなる。そのため、磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が変化しないため温度変化しない。この間にポンプ30を作動させて高温の熱伝達媒体を第1熱交換器40aに運ぶ。
図4(a)の状態となったt3から図4(b)の状態となるt4までの間、磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が減少することにより吸熱し熱伝達媒体へ低温を伝える。
図4(b)の状態となったt4からt5までの間、磁極17と対向する第2領域18bの面積を磁極17の面積より大きく設定しているので、その間磁気作業物質100は永久磁石と常に対向していないこととなる。そのため、磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が変化しないため温度変化しない。この間にポンプ30を作動させて低温の熱伝達媒体を第2熱交換器40bに運ぶ。
t5の状態はt1の状態と同じであり、その後上記と同じ動作を繰り返す。これにより回転式温度調整装置1で発生した温度を第1熱交換器40aおよび第2熱交換器40bに断続的に伝える。
以上説明したように、実施例1の温度調整装置は、複数の磁気作業物質100の間に、磁気透過率が磁気作業物質100と同程度の磁性補助部材101を配置している。このことにより、磁極17と磁気作業物質100とが対向している状態から、磁極17と磁性補助部材101とが対向している状態に変化する際の、磁極17と、磁気作業物質100および磁性補助部材101との間に働く吸引力の変化を極力低減することができる。また同様に、磁極17と磁性補助部材101とが対向している状態から、磁極17と磁気作業物質100とが対向している状態に変化する際の、磁極17と、磁気作業物質100および磁性補助部材101との間に働く吸引力の変化を極力低減することができる。すなわち、熱発生部15の全周に渡って回転部13の磁極17と熱発生部15との吸引力の差を極力小さくすることができる。吸引力の差を小さくすることにより、回転部13に生じるコギングトルクを抑制することができ、もって低振動かつ低騒音の温度調整装置とすることできる。
また、永久磁石と磁気作業物質100との間に遮蔽体を設けることがないので、温度調整装置を小型化することができる。さらに、磁気遮蔽体を設けていないため、磁極17と磁気作業物質100との空隙をより小さくすることができ、磁気作業物質100への磁極17からの磁界の増減の変化を大きくとることができる。
また、磁気作業物質100の充填した第1領域18aの数を磁極17の数と同じにし、同じタイミングで全ての第1領域18aが磁極17と対向するように構成されているので、磁気作業物質100の温度変化タイミングも同じとなり温度調整効率が良い。また、磁気作業物質100の温度変化タイミングが同じことから熱伝達媒体を同時に送るため、簡単な配管構成で温度調整装置を構成することができる。
図6は、本発明の実施例2に係る磁気式温度調整装置1のA−A断面図を示す。この実施例2の各部について、図1および図2と同一部分は同一符号で示す。
実施例2と実施例1とは、磁気式温度発生装置10の熱発生部60と、その熱発生部60に合わせて熱伝達媒体が流れる配管の構成が異なる。
熱発生部60は、固定部コア14の内周に固定された円筒形状であり、その肉厚部分が、軸方向に平行な複数の領域18に分割されている。複数の領域18は、第1領域18aと第3領域18cとが交互に配置されており、第1領域18aには第1磁気作業物質100、第3領域18cには第2磁気作業物質102が充填されている。
第1磁気作業物質100および第2磁気作業物質102は、それぞれ印加される磁界が増加することによって温度が上昇し、印加される磁界が減少することで温度が低下する磁性体である。この磁性体としては、印加される磁界の変化に対する温度の変化が大きい磁性体を用いるのが好ましく、例えば、カドリウム系材料、もしくは、ランタン−鉄−シリコン化合物により形成された磁性体が用いられる。なお、第1磁気作業物質100と第2磁気作業物質102は上記特性をもった磁性体であればよく、それぞれ異なる物質を用いてもよい。
第1領域18aは、後述する正配管と接続されており、内部に充填された第1磁気作業物質100の隙間を熱伝達媒体が通るように構成されている。これにより、第1磁気作業物質100と熱伝達媒体が熱交換して、熱を伝えられた熱伝達媒体が配管内を循環することで熱の伝達を行う。
第3領域18cは、後述する逆配管と接続されており、内部に充填された第2磁気作業物質18cの隙間を熱伝達媒体が通るように構成されている。これにより、第2磁気作業物質18cと熱伝達媒体が熱交換して、熱を伝えられた熱伝達媒体が配管内を循環することで熱の伝達を行う。
本実施例においては、第1領域18aおよび第3領域18cの数を回転子の磁極17の数と同じ8つとしている。また、第1領域18aおよび第3領域18cにおける磁極17との対向面積は、磁極17の面積より大きくしている。なお、第1領域18aおよび第3領域18cの数、第1領域18aおよび第3領域18cにおける磁極17との対向面積は適宜変更可能である。
図7は、第1領域18a、第3領域18c、配管およびポンプ30の配置を模式的に示している。
配管は、ポンプ30と第1領域18aとをつなぐ正配管と、第3領域18cとポンプ30をつなぐ逆配管とから構成されている。
正配管は、ポンプ30からの1本の配管を8つの第1領域18aに対応した8本の配管に分岐して第1領域18aの一方と接続されている。逆配管は、ポンプからの1本の配管を8つの第3領域18cに対応した8本の配管に分岐して第3領域18cの一方と接続されている。また、第1領域18aの他方と接続された8本の配管と、第3領域18cの他方と接続された8本の配管は、1本の配管にまとめられて接続されている。
この構成により、ポンプ30は、正配管で他方側に、逆配管で一方側に同時に熱伝達媒体を流す第1動作と、正配管で一方側に、逆配管で他方側に同時に熱伝達媒体を流す第2動作をとることを可能とする。
次に、実施例2の温度調整装置の動作について図8および図9を参照して説明する。
図8(a)は、回転子の磁極17が第1作業物質と対向した状態であり、磁極17と第2作業物質とが対向していない状態である。この状態では、永久磁石からの磁束19cは、N極から第1磁気作業物質100、固定部コア14を通り、第2作業物質を通らず両側の第1磁気作業物質100を通り、両側の磁極17であるS極へ伝わる。第2磁気作業物質102が充填した第3領域18cは、対向する位置に磁極17がないため磁束が透過しない。
回転部13は、例えば図の時計方向に回転する。すると、図8(a)に示す状態から、図8(b)に示すような磁極17と第1磁気作業物質100とが対向しない状態であり、磁極17と第2磁気作業物質102とが対向する状態へ回転する。図8(b)の磁極17と第2磁気作業物質102とが対向した状態では、永久磁石からの磁束19dは、N極から第2磁気作業物質102、固定部コア14を通り、第1作業物質を通らず両側の第2磁気作業物質102を通り、両側の磁極17であるS極へ伝わる。第1磁気作業物質100が充填した第1領域18aは、対向する位置に磁極17がないため磁束が透過しない。
この回転により第1磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が減少するように変化するため、磁気作業物質100の温度は下がる。温度の下がった第1磁気作業物質100から熱伝達媒体へ熱が伝達し熱伝達媒体の温度が下がる。一方、第2磁気作業物質102は永久磁石からの磁束が増加するように変化するため、第2磁気作業物質102の温度は上がる。温度の上がった第2磁気作業物質102から熱伝達媒体へ熱が伝達し熱伝達媒体の温度が上がる。その後、ポンプ30を作動することで、第1領域18aにある温度の下がった熱伝達媒体は温度を第2熱交換器40bに伝え、第3領域18cにある温度の上がった熱伝達媒体は第1熱交換器40aへ運ばれる。
次に、図8(b)に示す状態から、図8(a)に示すような磁極17と第1磁気作業物質100とが対向した状態であり、磁極17と第2磁気作業物質100とが対向しない状態へ回転する。すると、第1磁気作業物質100は永久磁石から磁束が増加するように変化するため、第1磁気作業物質100の温度は上がる。温度の上がった第1磁気作業物質100から熱伝達媒体へ温度が伝達し熱伝達媒体の温度が上がる。一方、第2磁気作業物質102は永久磁石からの磁束が減少するように変化するため、第2磁気作業物質102の温度は下がる。温度の下がった第2磁気作業物質102から熱伝達媒体へ熱が伝達し熱伝達媒体の温度が下がる。その後、ポンプ30を作動することで、第3領域18cにある温度の下がった熱伝達媒体は温度を第2熱交換機40bに伝え、第1領域18aにある温度の上がった熱伝達媒体は温度を第1熱交換器40aに伝える。
図9は、この動作について横軸を時間軸とし、縦軸を第1磁気作業物質100および第2磁気作業物質100に印加される磁界として示した図である。図8(b)の状態となったt6から図8(a)の状態となるt7までの間、第1磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が増加することにより発熱し熱伝達媒体へ高温を伝え、第2磁気作業物質102は永久磁石からの磁束が減少することにより吸熱し熱伝達媒体へ低温を伝える。
図8(a)の状態となったt7からt8までの間、第1領域18aおよび第3領域18cにおける磁極17との対向面積を磁極17の面積より大きく設定しているので、その間第1磁気作業物質100は永久磁石と常に対向し、第2磁気作業物質102は永久磁石と常に対向していないこととなる。そのため、第1磁気作業物質100および第2磁気作業物質102は永久磁石からの磁束が変化しないため温度変化しない。この間にポンプ30を作動させて第3領域18cにある低温の熱伝達媒体を第2熱交換器40bへ運び、第1領域18aにある高温の熱伝達媒体を第1熱交換器40aへ運ぶ。
図8(a)の状態となったt8から図8(b)の状態となるt9までの間、第1磁気作業物質100は永久磁石からの磁束が減少することにより吸熱し熱伝達媒体へ低温を伝え、第2磁気作業物質102は永久磁石からの磁束が増加することにより発熱し熱伝達媒体へ高温を伝える。
図8(b)の状態となったt9からt10までの間、第1領域18aおよび第3領域18cにおける磁極17との対向面積を磁極17の面積より大きく設定しているので、その間第1磁気作業物質100は永久磁石と常に対向せず、第2磁気作業物質102は永久磁石と常に対向することとなる。そのため、第1磁気作業物質100および第2磁気作業物質102は永久磁石からの磁束が変化しないため温度変化しない。この間にポンプ30を作動させて第1領域18aにある低温の熱伝達媒体を第2熱交換器40bへ運び、第3領域18cにある高温の熱伝達媒体を第1熱交換器40aへ運ぶ。
t10の状態はt6の状態と同じであり、その後上記と同じ動作を繰り返す。これにより回転式温度調整装置で発生した温度を第1熱交換器40aおよび第2熱交換器40bに断続的に伝える。
以上説明したように、実施例1の温度調整装置は、複数の第1磁気作業物質100の間に、磁気透過率が第1磁気作業物質100と同程度の第2磁気作業物質102を配置している。このことにより、磁極17と第1磁気作業物質100とが対向している状態から、磁極17と第2磁気作業物質102とが対向している状態に変化する際の、磁極17と、第1磁気作業物質100および第2磁気作業物質102との間に働く吸引力の変化を極力低減することができる。また同様に、磁極17と第2磁気作業物質102とが対向している状態から、磁極17と第1磁気作業物質100とが対向している状態に変化する際の、磁極17と、第1磁気作業物質100および第2磁気作業物質102との間に働く吸引力の変化を極力低減することができる。すなわち、熱発生部60の全周に渡って回転部13の磁極17と熱発生部60との吸引力の差を極力小さくすることができる。吸引力の差を小さくすることにより、回転部13に生じるコギングトルクを抑制することができ、もって低振動かつ低騒音の温度調整装置とすることできる。
また、永久磁石と第1磁気作業物質100との間に遮蔽体を設けることがないので、温度調整装置を小型化することができる。さらに、磁気遮蔽体を設けていないため、磁極17と磁気作業物質100との空隙をより小さくすることができ、磁気作業物質100への磁極17からの磁界の増減の変化を大きくとることができる。
また、第1磁気作業物質100の充填した第1領域18aの数を磁極17の数と同じにし、同じタイミングで全ての第1領域18aが磁極17と対向するように構成されているので、第1磁気作業物質100の温度変化タイミングも同じとなり温度調整効率が良い。また、第1磁気作業物質100の温度変化タイミングが同じことから熱伝達媒体を同時に送るため、簡単な配管構成で温度調整装置を構成することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
第1領域18a、第2領域18bおよび第3領域18cにおける磁極17との対向面積は、磁極17の面積よりも大きくすることとしたが、これに限られず、適宜変更可能である。
また、回転駆動部11をステップモータとすることで、回転部13が回転している間はポンプ30を作動せず、回転部13が停止している間にポンプ50を作動することができ、この方法においても上記と同様の効果を得ることができる。
回転部13の構造は、ラジアルエアギャップ形またはアキシャルエアギャップ形の何れでも良い。
また、固定部コア14は磁性体としたが、磁極17と対向する位置に対向する磁極とは反対の極性を持つ磁石を配置し、回転部13の回転と同期して回転する構造としても良い。これにより、磁気作業物質に印加する磁束量が増え、熱効率を上げることができる。
また前述では内転型に適用した実施形態を示したが、内側に固定子コア14および熱発生部15または熱発生部60を配置し、この外側を覆うように回転部13を配置し、複数のティースを回転軸に対して中央から放射状に配設した構造をなす外転型に適用しても良い。また、磁極17として表面磁石型(SPM)、内部磁石型(IPM)の何れを適用しても良い。
1…磁気式温度調整装置、11…回転駆動部、13…回転部、14…固定部コア、15…熱発生部、16…回転部コア、17…磁極、18a…第1領域、18b…第2領域、18c…第3領域、19a、19b、19c、19d…磁束経路、20a…上部配管、20b…下部配管、30…ポンプ、40a…第1熱交換器、40b…第2熱交換器、50…制御部、60…熱発生部、100…磁気作業物質、101…磁性補助部材、102…第2磁気作業物質
Claims (4)
- 回転駆動部と、
前記回転駆動部と軸を介して回転可能に接続され、複数の磁極を有する回転子と、
回転子と空隙を介して対向配置された複数のケース内に充填され、印加される磁界の変化によって温度変化する第1磁気作業物質と、
前記第1磁気作業物質の充填されたケースの間に配置された磁性補助部材と、
を有することを特徴とする磁気式温度調整装置。 - 前記磁性補助部材は、前記第1磁気作業物質の充填されたケースの間に配置されたケース内に充填され、印加される磁界の変化によって温度変化する第2磁気作業物質であることを特徴とする請求項1記載の磁気式温度調整装置。
- 前記磁性補助部材は、その磁束透過率が前記第1磁気作業物質の磁束透過率と実質的に同じ値であることを特徴とする請求項1記載の磁気式温度調整装置。
- 前記複数のケースと接続された配管を解して、熱伝達媒体を循環させるポンプと、
前記配管上に形成され、循環した前記熱伝達媒体と熱を交換する熱交換器とを有することを特徴とする磁気式温度調整装置。
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JP2009250719A JP2011094912A (ja) | 2009-10-30 | 2009-10-30 | 磁気式温度調整装置 |
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JP2009250719A JP2011094912A (ja) | 2009-10-30 | 2009-10-30 | 磁気式温度調整装置 |
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-
2009
- 2009-10-30 JP JP2009250719A patent/JP2011094912A/ja active Pending
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