JP2022152057A - ポリイソシアヌレートフォーム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022152057000001
【課題】座屈性に優れ、所定の吸音性能を有するポリイソシアヌレートフォームを提供すること。
【解決手段】実施形態によると、ポリイソシアヌレートフォームが提供される。ポリイソシアヌレートフォームは、ポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒及び発泡剤を含む反応系で発泡させて得られる。ポリオールは、重量平均分子量が3000~12000の範囲内にあり、エチレンオキシド含有量が50重量%以上であるポリオールAと、重量平均分子量が1000~8000であり、エチレンオキシド含有量が20重量%未満のポリオールBとを含む。反応系におけるイソシアネートインデックスは200以上350以下である。ヒステリシスロス率は90%以上である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ポリイソシアヌレートフォームに関する。
従来、自動車乗車時の外部からの衝撃に対して乗客の安全を守る為、自動車のドア内部、天井周り、ピラー内部に衝撃吸収材が装着されている。衝撃吸収材としては、例えば、硬質ポリウレタンフォーム、及び、熱可塑性樹脂ビーズの発泡体からなるものが知られている。
今日の自動車に備え付けられる衝撃吸収材には、高い衝撃吸収性能(座屈性)のみならず、車内の静粛性を高めるために優れた吸音性能を有することが求められている。硬質ポリウレタンフォーム及び熱可塑性樹脂ビーズの発泡体は、一般的に独立気泡構造からなるため、所定の衝撃吸収性能を有している場合であっても吸音性能に劣る場合があった。発泡体の吸音性能を高めるために連続気泡構造を増加させる技術は知られているが、連続気泡構造を増加させるのと同時に、発泡体の硬さを適切に調整しなければ衝撃吸収性能が劣る場合がある。
特開2013-047338号公報 特開2005-272806号公報 特許第4461453号
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、座屈性に優れ、所定の吸音性能を有するポリイソシアヌレートフォームを提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、ポリイソシアヌレートフォームが提供される。ポリイソシアヌレートフォームは、ポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒及び発泡剤を含む反応系で発泡させて得られる。ポリオールは、重量平均分子量が3000~12000の範囲内にあり、エチレンオキシド含有量が50重量%以上であるポリオールAと、重量平均分子量が1000~8000であり、エチレンオキシド含有量が20重量%未満のポリオールBとを含む。反応系におけるイソシアネートインデックスは200以上350以下である。ヒステリシスロス率は90%以上である。ヒステリシスロス率は、ポリイソシアヌレートフォームから50mm×50mm×50mmの寸法を有する測定用試料を切り出すことと、測定用試料を、80φの圧縮子を用いて5Nの荷重が負荷される基準厚みまで、ポリイソシアヌレートフォームの発泡高さ方向に沿って圧縮することと、基準厚みからの厚みの変位が70%に達するまで、50mm/minの速度で測定用試料を発泡高さ方向に沿って圧縮した後、直ちに、基準厚みからの厚みの変位が0%に達するまで、50mm/minの速度で測定用試料を発泡高さ方向に沿って戻すこととを含む方法で測定される。
本発明によると、座屈性に優れ、所定の吸音性能を有するポリイソシアヌレートフォームを提供することができる。
ポリイソシアヌレートフォームの一例を概略的に示す平面図。 図1に示すポリイソシアヌレートフォームのII-II線に沿った断面を概略的に示す断面図。 図1に示すポリイソシアヌレートフォームのIII-III線に沿った断面を概略的に示す断面図。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する応力/変位曲線を示すグラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する応力/変位曲線を示すグラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する応力/変位曲線を示すグラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する応力/変位曲線を示すグラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する応力/変位曲線を示すグラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する垂直入射吸音率の測定結果を示す吸音率グラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する垂直入射吸音率の測定結果を示す吸音率グラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する垂直入射吸音率の測定結果を示す吸音率グラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する垂直入射吸音率の測定結果を示す吸音率グラフ。 実施例に係るポリイソシアヌレートフォームに関する垂直入射吸音率の測定結果を示す吸音率グラフ。
以下、実施の形態について適宜図面を参照して説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
ポリイソシアヌレートフォームの衝撃吸収性能及び吸音性能は種々のファクターに応じて変化するが、所定の衝撃吸収性能及び吸音性能を両立するためには、ポリイソシアヌレートフォームを一定程度連通化させる必要がある。その結果、音波がフォーム内を伝播しやすくなり、振動エネルギーが熱エネルギーに変換されやすくなるため吸音性能が向上する。連通化の度合いが過剰であるか又は不足している場合、ポリイソシアネートフォームの吸音性能は、本発明の求める吸音性能から外れてしまう。また、高い衝撃吸収性能を実現するためには、多孔質弾性体であるポリイソシアヌレートフォームの硬さ、密度及び連通化などがバランス良く構成されていなければならない。
実施形態に係るポリイソシアヌレートフォームは、互いに性状が異なる2種のポリオールを含み、且つ、200以上350以下という比較的高いイソシアネートインデックスを示す反応系で発泡させて得られるものである。互いに性状が異なる2種のポリオールを反応させると、2種のポリオールがランダムにイソシアネートと反応することとなる。この場合、例えば1種類のポリオールがイソシアネートと反応する場合と比較して、均一なポリイソシアヌレートフォームが形成されない傾向にある。均一なポリイソシアヌレートフォームとは、ここでは、膜が多いフォームであることを意味する。無数のウレタン結合が形成される中で、2種のポリオールのそれぞれは、互いにフォームの均一性を低下させる因子として作用する。つまり、互いに性状が異なる2種のポリオールをイソシアネートと反応させると、より連通化したポリイソシアヌレートフォームが得られる傾向にある。
反応系においてイソシアネートインデックスを200以上350以下の範囲内とすることにより、過剰量のイソシアネートが系内に存在することとなる。このため、イソシアネート量がより少ない場合と比較して、余ったイソシアネート同士がヌレート化(三量化)して、より多くのヌレート構造を形成する。ヌレート構造は、三分子のイソシアネートが環状をなした構造である。そのため、ヌレート構造も、無数のウレタン結合の中では均一性を低下させる因子として作用する。その結果、ポリイソシアヌレートフォーム中の膜が減り、より連通化したフォームが形成される。
このように、実施形態に係るポリイソシアヌレートフォームは、反応系に対して別途連通化剤を添加しない場合であっても一定程度連通化されたものであり、その結果、所定の吸音性能を有している。反応系に連通化剤を添加しない場合、コストの観点で有利であると共に、ポリイソシアヌレートフォーム製造時にポリオール液のハンドリング(取扱い性)が容易になるメリットがある。具体的には、例えば親水性に乏しい連通化剤を用いると、他の成分と分離しやすいためハンドリングに劣る傾向がある。但し、実施形態に係る反応系に対して連通化剤を添加することも可能である。
また、反応系におけるイソシアネートインデックスを200以上350以下の範囲内としているため、上記の通り得られるフォームは多くのヌレート構造を有している。ヌレート構造の増加に伴いポリイソシアヌレートフォームは硬くなる。適度な連通化に加えて、一定の硬度を有するポリイソシアヌレートフォームによれば、優れた衝撃吸収性能、即ち高いヒステリシスロス率(90%以上)を達成することができる。言い換えれば、実施形態に係るポリイソシアヌレートフォームは、優れた座屈性を示す。ヌレート構造が増加すると、ポリイソシアヌレートフォームの耐炎性及び耐熱性も高まるため好ましい。
ポリイソシアヌレートフォームのヒステリシスロス率は、92%以上であってもよく、94%以上であってもよい。一例によれば、ヒステリシスロス率は99.0%以下である。ヒステリシスロス率のみから断定することはできないが、ヒステリシスロス率が過剰に高い場合、所定の吸音性能を達成できない可能性がある。なお、所定の吸音性能とは、後述する垂直入射吸音率測定において、対象となるポリイソシアヌレートフォームが、周波数1000Hz~3150Hzの範囲の全域において、40%以上の垂直入射吸音率を有することを意味する。
反応系におけるイソシアネートインデックスが200未満であると、ヌレート構造が不足して、ヒステリシスロス率が90%未満となる可能性がある。イソシアネートインデックスが350超であると、フォームの成形性が低下し、所定の吸音性能を達成できない可能性がある。
<ヒステリシスロス率の測定方法>
下記の方法でポリイソシアヌレートフォームのヒステリシスロス率を測定することができる。
まず、測定対象のポリイソシアヌレートフォームから50mm×50mm×50mmの寸法を有する測定用試料を切り出す。この試料を、80φの圧縮子を用いて、5Nの荷重が負荷される基準厚みの位置まで圧縮する。その際、測定用試料としてのポリイソシアヌレートフォームの発泡高さ方向に沿って圧縮する。次に、この基準厚みからの厚みの変位が70%に達するまで、50mm/minの速度で測定用試料を圧縮する。厚みの変位が70%に達する位置は、言い換えると、圧縮されている部分における測定用試料の厚みが、基準厚みに対して30%の厚みとなる位置である。
厚みの変位が70%に達するまで圧縮した後、直ちに、測定用試料に圧力を加えない状態とし、上記基準厚みからの厚みの変位が0%に達するまで、50mm/minの速度で測定用試料を戻す。厚みの変位が0%に達する位置は、言い換えると、測定用試料の厚みが、基準厚みと同一の厚みとなる位置である。
ヒステリシスロス率は、下記式1に従って算出する。
(S1-S2)/S1×100・・・(1)
ここで、S1は、基準厚みから厚みの変位が70%に達する位置までの圧縮を行う際の応力の総和であり、S2は、厚みの変位が70%に達した位置から基準厚みまでの戻り時の応力の総和である。
実施形態に係るポリイソシアヌレートフォームは、ポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒及び発泡剤を含む反応系で発泡させて得られる。反応系は、酸化防止剤、可塑剤などの他の添加剤を更に含んでいてもよい。反応系は、ポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒及び発泡剤のみからなっていてもよい。この場合、例えば、反応系は連通化剤を含まないが、前述した理由で連通化効果が得られる。また、イソシアネートインデックスを200以上350以下の範囲内とすると、フォームは多くのヌレート構造を有し、ポリイソシアヌレートフォームのヒステリシスロス率は90%以上でありうる。三次元形状を実現し、気泡の構造を制御しやすくする観点から、製造方法としては、凹凸形状の3次元形状が可能であるモールド成形が好ましい。
各原料について、以下に説明する。
(1)ポリオール
ポリオール(ポリオール成分とも呼ぶ)は、重量平均分子量が3000~12000の範囲内にあり、エチレンオキシド含有量が50重量%以上であるポリオールAと、重量平均分子量が1000~8000であり、エチレンオキシド含有量が20重量%未満のポリオールBとを含む。ポリオール成分は、ポリオールAともポリオールBとも異なる他のポリオールを含んでいてもよい。ポリオール成分は、ポリオールA及びポリオールBのみからなっていてもよい。
ポリオールAは、重量平均分子量が3000~12000の範囲内にあり、エチレンオキシド含有量が50重量%以上である。ポリオールAは、エチレンオキシドを50重量%以上の量で含有しているため、極性が高く、高い親水性を有する。一方、ポリオールBは、重量平均分子量が1000~8000であり、エチレンオキシド含有量が20重量%未満である。エチレンオキシド含有量が少ないポリオールBは、ポリオールAと比較して極性が低いため、親水性も低い。ポリオールA及びポリオールBは、互いに性状が異なるため、ポリオールとしての分類の中では相溶性が低い。
ポリオールAの重量平均分子量は、3000以上9000以下の範囲内にあることが好ましく、7000以上9000以下の範囲内にあることがより好ましい。ポリオールAの重量平均分子量が3000未満である場合、ポリイソシアヌレートフォームの脆性が高くなり、成型品として不適切な可能性がある。ポリオールAのエチレンオキシド含有量は、好ましくは60重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは65重量%以上85重量%以下である。ポリオールAの水酸基価は、例えば18mgKOH/g以上52mgKOH/g以下である。ポリオールAは、例えば、ポリエーテルポリオールである。
ポリオール成分の重量に占めるポリオールAの重量の割合は、例えば50重量%~90重量%の範囲内にある。当該割合がこの範囲内にある場合、良好な成形性、吸音性能及び衝撃吸収性能を達成することができる。ポリオールAの割合が比較的高い場合、得られるポリイソシアヌレートフォームの座屈性が高まる、例えば、圧縮後の戻り時の応力が小さい傾向があるため好ましい。ポリオール成分の重量に占めるポリオールAの重量の割合は、好ましくは65重量%~85重量%の範囲内にあり、より好ましくは70重量%~80重量%の範囲内にある。
ポリオールBの重量平均分子量は、2000以上8000以下の範囲内にあることが好ましく、2500以上7000以下の範囲内にあることがより好ましい。ポリオールBの重量平均分子量が8000を超えると、硬さが不足し、座屈性が劣る可能性がある。ポリオールBのエチレンオキシド含有量は、0重量%であってもよい。つまり、ポリオールBのエチレンオキシド含有量は、0重量%以上20重量%未満でありうる。エチレンオキシド含有量が少ないポリオールBは、ポリオールAと比較して極性が低いため、親水性も低い。ポリオールA及びポリオールBは、互いに性状が異なるため、ポリオールとしての分類の中では相溶性が低い。ポリオールBのエチレンオキシド含有量が20重量%以上になると、ポリオールAとの相溶性が高いため、連通化の度合いが不足する可能性がある。ポリオールBの水酸基価は、例えば20mgKOH/g以上90mgKOH/g以下である。
ポリオール成分の重量に占めるポリオールBの重量の割合は、例えば10重量%~50重量%の範囲内にある。当該割合がこの範囲内にある場合、良好な成形性、吸音性能及び衝撃吸収性能を達成することができる。ポリオール成分の重量に占めるポリオールBの重量の割合は、好ましくは15重量%~35重量%の範囲内にあり、より好ましくは20重量%~30重量%の範囲内にある。
ポリオール成分に占める、ポリオールA及びポリオールBの配合割合は、上述した複数の数値範囲の中から適宜組み合わせて決定することができる。
ポリオール成分が他のポリオールを含む場合、ポリオール成分の重量に占めるポリオールA及びポリオールBの合計重量の割合は、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。
(2)ポリイソシアネート
ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI:Methylenediphenyl diisocyanate)を使用することが好ましい。ジフェニルメタンジイソシアネートは、モノメリックMDIであってもよく、ポリメリックMDIであってもよく、それらの混合物であってもよい。ポリイソシアネートは、MDIを1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。MDIは、トルエンジイソシアネート(TDI:Toluene diisocyanate)と比較して良好なキュア性を持っているため、成形面で優れている。
(3)整泡剤
整泡剤の種類は、得られるポリイソシアヌレートフォームのヒステリシスロス率が90%以上である限り特に制限されないが、シリコーン系整泡剤であり得る。この場合、整泡力が高まることで反応によって発生する発泡ガスを保持しやすくなり、成形性を高める効果が得られる。
反応系における整泡剤の含有量は、ポリオール成分100重量部に対して、例えば0.5重量部~15重量部の範囲内にある。反応系における整泡剤の含有量が少なすぎると発生する発泡ガスを保持しにくく、成形性が悪化する傾向にある。多すぎる場合には、整泡力が高くなりすぎるために吸音性能が低下する傾向がある。反応系における整泡剤の含有量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは1.0重量部~3.0重量部の範囲内にある。
(4)触媒
触媒として、樹脂化触媒、イソシアヌレート化触媒(三量化触媒)、表面改質触媒、及び、泡化触媒等を使用することができる。それぞれの触媒として、その用途で使用されている公知の触媒を使用することができる。
樹脂化触媒は、例えば、ポリオール成分の重量に対して1重量部~5重量部の量で使用する。イソシアヌレート化触媒は、例えば、ポリオール成分の重量に対して1重量部~5重量部の量で使用する。表面改質触媒は、例えば、ポリオール成分の重量に対して0.5重量部~3重量部の量で使用する。泡化触媒は、例えば、ポリオール成分の重量に対して0.1重量部~1重量部の量で使用する。
表面改質触媒としては、ジエタノールアミン(DEA)を使用することが好ましい。DEAは両端にOH基を、中心に2級アミンを有している。これらOH基及びNH基と、イソシアネートが有するNCO基とが架橋することで、得られるポリイソシアヌレートフォームの骨格の強度が高まるため、成形性が向上或いは安定し、スキン剥がれを抑制することもできる。
(5)発泡剤
発泡剤としては、一般的なポリイソシアヌレートフォーム又はポリウレタンフォームの製造に用いる公知のものであれば使用することができる。本発明における発泡剤は水である。反応系における発泡剤の含有量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは5重量部~20重量部の範囲内にある。水以外に、通常使用される補助発泡剤を更に添加してもよい。補助発泡剤の例は、フロン及びジクロロメタンを含む。
(6)他の添加剤
他の添加剤として、例えば可塑剤や酸化防止剤を添加することができる。可塑剤により、ポリイソシアヌレートフォームの硬さ及びセル構造を調整したり、成形性を向上させたりすることができる。酸化防止剤は、スコーチを抑制することができる。他の添加剤は、例えば、ポリオール成分の重量に対して3重量部~30重量部の量で使用する。他の添加剤については、一般的なポリイソシアヌレートフォーム又はポリウレタンフォームの製造に用いるものであれば制限無く使用することができる。
ポリイソシアヌレートフォームの密度は、例えば50kg/m3~100kg/m3の範囲内にある。
ポリイソシアヌレートフォームの変形10%時の圧縮応力は、例えば、0.5kgf/cm2~4.0kgf/cm2の範囲内にある。
本発明における、ポリイソシアヌレートフォームの垂直入射吸音率は、周波数1000Hz~3150Hzの範囲の全域において40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましい。垂直入射吸音率は、吸音性能を評価する指標となる。一例としてポリイソシアヌレートフォームが自動車等の下肢部衝撃吸収材として用いられた場合には、垂直入射吸音率が前述の範囲内にあると、自動車等の乗員は低周波数帯域の騒音を知覚しにくい。それ故、乗員は、乗車中に快適に過ごすことができる。
<垂直入射吸音率の測定>
ポリイソシアヌレートフォームの垂直入射吸音率は、下記方法で測定する。
まず、吸音率の測定対象として、直径が29mm(29φ)であり、厚みが15mmの円柱形状を有するポリイソシアヌレートフォーム塊状物を用意する。塊状物は、例えば、29φの打ち抜き型を備える打ち抜き機を用いて用意することができる。吸音率の測定結果の平均値を算出するために、この塊状物を5個用意する。
吸音率の計測装置としては、リオン株式会社製のアコースティックダクト・伝達関数法 垂直入射音響計測システム9301型、或いは、この装置と等価な機能を有する装置を使用する。垂直入射音響計測システムは、音響管(アコースティックダクト)の内部で吸音材又は遮音材に音を垂直に入射して、反射音又は透過音を捉えて、材料の吸音率、音響インピーダンス関連項目、及び、透過損失を計測することができる。垂直入射音響計測システムを起動し、マイクロホンの校正を行い、吸音率測定の準備を完了する。
塊状物の厚み方向と平行な方向に沿って音が入射するように、塊状物をダクト内部の所定位置にセットして、吸音率を測定する。吸音率測定は、JIS A 1405:1994に準拠して行う。塊状物が意匠面を有している場合には、この意匠面に対して音が入射するように塊状物をセットする。
そして、周波数が500Hz、630Hz、800Hz、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hz、2500Hz、3150Hz、4000Hz、5000Hz及び6300Hzの場合の垂直入射吸音率をそれぞれ測定する。この測定を、5個の塊状物のそれぞれに対して行い、上記の各周波数における垂直入射吸音率の平均値を算出することにより、各周波数における垂直入射吸音率を決定することができる。この測定結果に基づいて、横軸に周波数(Hz)、縦軸に吸音率(%)を示す折れ線グラフを作成することができる。本願明細書においては、当該折れ線グラフを「吸音率グラフ」と呼ぶ。後述する図8~図11に係る吸音率グラフは、対数グラフである。
上記測定において、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hz、2500Hz及び3150Hzの全ての周波数における吸音率が40%以上である場合に、周波数1000Hz~3150Hzの範囲の全域において、垂直入射吸音率が40%以上であると見なすことができる。
実施形態に係るポリイソシアヌレートフォームの形状及び寸法は特に制限されない。ポリイソシアヌレートフォームの形状の一例を、図1~図3を参照しながら説明する。
図1は、ポリイソシアヌレートフォームの一例を概略的に示す平面図である。図1では、ポリイソシアヌレートフォームが下肢部衝撃吸収材(フットパネル)である場合を一例として描いている。図2は、図1に示すポリイソシアヌレートフォームのII-II線に沿った断面を概略的に示す断面図である。図3は、図1に示すポリイソシアヌレートフォームのIII-III線に沿った断面を概略的に示す断面図である。
下肢部衝撃吸収材10は、第1部分1と、第2部分2と、肉厚部3とを備えている。第1部分1、第2部分2及び肉厚部3は、1つの金型を用いたモールド成形により一体成形されて下肢部衝撃吸収材10を構成している。下肢部衝撃吸収材10は、例えば、自動車のフロア部に搭載されうる。自動車のフロア部に搭載された下肢部衝撃吸収材10上には、例えばフロアマットが敷かれ、乗員の両足は、フロアマットを介して下肢部衝撃吸収材上に置かれる。
第1部分1及び第2部分2は、肉厚部3と比較して肉厚が薄い。第2部分2は、略直方体形状であり、境界部4で規定される端面を有している。第2部分2が有する端面から第1部分1及び肉厚部3が伸びている。下肢部衝撃吸収材10は、第2部分2と、第1部分1及び肉厚部3との境界部4が谷となるように湾曲している。境界部4は、下肢部衝撃吸収材10の一方の面においては谷を形成しているが、他方の面においては山を形成している。
下肢部衝撃吸収材10は、第2部分2と、第1部分1及び肉厚部3とが谷を形成している表面5を有する。下肢部衝撃吸収材10は、第2部分2と、第1部分1及び肉厚部3とが山を形成している裏面6を有する。肉厚部3は、表面5において凸形状を有している。即ち、肉厚部3は、表面5において、第1部分1の表面を基準として、第1部分1の表面よりもせり出した構造を有している。
図1~図3は、ポリイソシアヌレートフォームが下肢部衝撃吸収材である場合を一例として説明したが、ポリイソシアヌレートフォームの用途は特に限定されず、座屈性及び吸音性能が要求される用途に好適に使用される。ポリイソシアヌレートフォームは、例えば、ドア内装緩衝材、頭部保護材、フロア嵩上げ材、ツールボックス、ラゲージボックス、天井材、シート芯材、サンバイザー芯材、ピラー芯材等の用途で使用することができる。発泡体を切削することで、所望の形状のポリイソシアヌレートフォームを得ることができる。
[実施例]
以下に実施例を説明するが、実施形態は、以下に記載される実施例に限定されるものではない。
下記表1及び表2に示す配合処方に従って、例1~例34に係るポリイソシアヌレートフォームをモールド成形にて製造した。表中、各原料の配合割合は、重量部にて示されている。但し、「イソシアネートインデックス」は、ポリオール中の活性水酸基当量(濃度)、他の活性水酸基当量(濃度)を含む材料、及び、水の水酸基当量(濃度)の総和に対するポリイソシアネート中のイソシアネート基当量(濃度)を示している。
表1及び表2に記載の「原料名」の詳細は以下のとおりである。
(1)QB8000:東邦化学工業株式会社製(重量平均分子量8000、ポリオキシエチレン含有量80重量%、水酸基価28)
(2)T-3000S:三井化学SKCポリウレタン株式会社(重量平均分子量3000、ポリオキシエチレン含有量0重量%、水酸基価56)
(3)V8010G:ダウ・ケミカル製(重量平均分子量3000、ポリオキシエチレン含有量9重量%、水酸基価56)
(4)EP-901P:三井化学SKCポリウレタン株式会社製(重量平均分子量7000、ポリオキシエチレン含有量15重量%、水酸基価23)
(5)CP1421:ダウ・ケミカル製(重量平均分子量5000、ポリオキシエチレン含有量75重量%、水酸基価33.5)
(6)FA166:三洋化成工業株式会社製(重量平均分子量6700、ポリオキシエチレン含有量70重量%、水酸基価25)
(7)T-5000D:三井化学SKCポリウレタン株式会社製(重量平均分子量5000、ポリオキシエチレン含有量0重量%、水酸基価33.7)
(8)V4701:ダウ・ケミカル製(重量平均分子量5000、ポリオキシエチレン含有量10重量%~12重量%、水酸基価33.7)
(9)KC745:三洋化成工業株式会社製(重量平均分子量5000、ポリオキシエチレン含有量20重量%~25重量%、水酸基価33.7)
(10)EP-505S:三井化学SKCポリウレタン株式会社製(重量平均分子量3000、ポリオキシエチレン含有量70重量%~75重量%、水酸基価51)
(11)JEFFCAT DPA:ハンツマン・ジャパン株式会社製
物質名:1,1'-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル]イミノ]ビス(2-プロパノール)
用途:樹脂化触媒
(12)TMR7:エアプロダクツジャパン株式会社製
用途:三量化触媒
(13)DEA:ジエタノールアミン(Diethanolamine)
用途:表面改質触媒
(14)NE300:エボニック・ジャパン株式会社製
用途:泡化触媒
(15)Niax catalyst A-1:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク社製
用途:泡化触媒
(16)B8228:エボニック・ジャパン株式会社製
(17)EM ALEX DEG-di-O:日本乳化剤株式会社製
物質名:ジオレイン酸ジエチルグリコール
(18)SF2962:東レ・ダウコーニング株式会社製
(19)VORASURF 1280:東レ・ダウコーニング株式会社製
(20)Irganox1135:BASFジャパン株式会社製
用途:酸化防止剤
(21)スミジュール 44 V 20 L:住化コベストロウレタン株式会社製。
Figure 2022152057000002
Figure 2022152057000003
(例1)
表1に示す配合処方に従って(ハンド発泡により)、ポリイソシアネート以外の原料、即ち、ポリオール成分、添加剤、触媒及び発泡剤を配合してポリオール含有混合物をディスポカップ内で調製した。例1に係るポリオール成分は、ポリオールAに該当するQB8000と、ポリオールBに該当するT-3000Sとを含む。得られたポリオール含有混合物をA液とする。A液を37℃±2℃となるように温度調節した。また、B液としてポリイソシアネートを準備し、B液を37℃±2℃となるように温度調節した。
内寸が、幅350mm、奥行き350mm及び高さ70mmのサンプル作製用金型を用意し、当該金型を65℃~70℃の温度範囲となるように加熱して温度を維持しておく。なお、温度の測定は表面温度計で行った。金型は、上面のみが開口した有底各筒形状の下型と、この上面を閉塞させることが可能な上型とからなる。
次いで、ディスポカップ内に準備したA液に対してB液を添加し、5秒間に亘って撹拌及び混合して混合溶液を得た。ここで、ポリオール成分の合計重量部を100とした場合に、当該ポリオール成分を含むA液の重量部は120.5重量部であり、B液の重量部は77.3重量部であった。得られた混合溶液を、直ちに金型の下型に投入して、上型を用いて下型の上面を閉塞して6分間に亘りキュアした。この間、金型の表面温度は65℃~70℃となるように温度を維持しておく。その後、金型から脱型して、常温にて2日間に亘り静置して、350mm×350mm×70mmの寸法を有するポリイソシアヌレートフォームを得た。
(例2~9)
配合処方に占めるポリイソシアネートの配合量を表1に示す通りに変更することにより、イソシアネートインデックスを表1に示す通りに変更したことを除いて、例1と同様の方法でポリイソシアヌレートフォームを得た。
(例10~20)
ポリオールAに該当するQB8000と、ポリオールBに該当するT-3000Sとの配合比率を表1に示す通りに変更したことを除いて、例1と同様の方法でポリイソシアヌレートフォームを得た。
(例21~26)
使用するポリオールの種類及び配合量を表2に示す通りに変更したことを除いて、例1と同様の方法でポリイソシアヌレートフォームを得た。
(例27~33)
使用するポリオール及び整泡剤の種類、並びに、これらの配合量を表2に示す通りに変更したことを除いて、例1と同様の方法でポリイソシアヌレートフォームを得た。
(例34)
A液の処方を表2に示した通りに変更し、イソシアネートインデックスを150に変更したことを除いて、例1と同様の方法でポリイソシアヌレートフォームを得た。
<成形性評価>
各例に係るポリイソシアヌレートフォームについて、官能評価にて成形性(キュア性)を評価した。脱型時のフォームの状態が良好なものを「○」とし、セル構造が荒い、あるいは欠肉が発生しているものを「△」とし、ポリイソシアヌレートフォームが崩壊している、又は、重度のキュア不足状態である場合を「×」と評価した。評価「×」の内訳としては、例えば、脱型を試みると糸をひく、フォームがぼろぼろで脆い、又は、フォーム内部のセルが崩壊及び陥没している等が挙げられる。
<ヒステリシスロス率測定>
各例に係るポリイソシアヌレートフォームについて、実施形態において記載した方法に従ってヒステリシスロス率(%)を測定した。ヒステリシスロス率が90%以上のものを「○」とし、90%未満のものを「×」とした。但し、上記成形性評価において評価が「×」のものに関しては、適切にヒステリシスロス率測定ができないため、測定を行わなかった。表1及び表2の「ヒステリシスロス率」の行において、測定を行わなかった例は「‐」で示している。
<吸音性能評価>
実施形態において記載した垂直入射吸音率の測定方法に従って、各例に係るポリイソシアヌレートフォームの吸音性能を評価した。周波数1000Hz~3150Hzの範囲の全域において、垂直入射吸音率が40%以上であるものを「○」とし、周波数1000Hz~3150Hzの範囲において垂直入射吸音率が40%未満である帯域を有するものを「×」と評価した。但し、上記成形性評価において評価が「×」のものに関しては、適切に吸音性能を評価することができないため、評価を行わなかった。表1及び表2の「吸音性能」の行において、評価を行わなかった例は「‐」で示している。
<密度測定>
各例に係るポリイソシアヌレートフォームについて、密度を測定したところ、いずれも60kg/m3であった。密度は、JIS K 7222:2005に規定される測定方法に準拠して評価した。
表1及び表2に示しているように、例1~例9、例14~例22及び例26~例34に係るポリイソシアヌレートフォームは、実用的な成形性を有していた。つまり、これら例は成形性の評価が「〇」又は「△」であったため、各種評価を行うことが可能であった。
図4~図8に、各例に関する応力/変位曲線を示す。図4~図8に示す応力/変位曲線において、横軸は変位(%)を、縦軸は応力(kgf/cm2)を示している。得られた応力/変位曲線からヒステリシスロス率を算出した。また、図9~13は、各例に関する垂直入射吸音率測定の結果を示す吸音率グラフである。吸音率グラフでは、横軸に周波数(Hz)を、縦軸に吸音率(%)を示している。
図4には、イソシアネートインデックスをそれぞれ変化させた例1~例9に係る応力/変位曲線を示している。イソシアネートインデックスが大きくなるにつれてヌレート構造が増えるため、ポリイソシアヌレートフォームが硬くなる傾向が読み取れる。とりわけ、例4~例6においては戻り時の応力が小さく、衝撃吸収性能が高かった。また、図9は、例1~例9に係る吸音率グラフを示している。例1~例6に係るポリイソシアヌレートフォームは、1000Hz~3150Hzの範囲内の全域に亘って40%以上の吸音率を達成した。例1~例6は、ヌレート構造の含有量が適切であったため連通化も適切であり、本発明の目的とする吸音性能を達成した。例7~例9は、セル構造が荒く連通化が過剰であったため、所定の吸音性能の範囲から外れたと考えられる。
図5には、例14~例20に係る応力/変位曲線を示している。例14~例20は、ポリオールAと、ポリオールBとの重量比率を徐々に変化させた場合の結果を示している。ポリオールAの比率が低い例では、ヒステリシスロス率も低い傾向があった。ヒステリシスロス率が90%を超える例17~例20は、衝撃吸収性能に優れていることが分かる。また、図10は、例14~例20に係る吸音率グラフを示している。例15~例18に係るポリイソシアヌレートフォームは、1000Hz~3150Hzの範囲内の全域に亘って40%以上の吸音率を達成した。ポリオール成分に占めるポリオールAの部数が70重量部~80重量部の範囲内にある例17~例18では、低周波数帯域においても優れた吸音率を示した。
図6には、ポリオール成分として使用するポリオールの種類を種々変更した例に係る応力/変位曲線を示している。所定の重量平均分子量及びエチレンオキシド含有量を満たすポリオールA及びポリオールBを含む反応系により得られた、例4、例21、例22及び例26に係るポリイソシアヌレートフォームは、成形性に優れており、ヒステリシスロス率も90%以上であった。また、図11は、例21、例22及び例26に係る吸音率グラフを示している。いずれの例も、所定の重量平均分子量及びエチレンオキシド含有量を満たすポリオールA及びポリオールBを含む例であるため、1000Hz~3150Hzの範囲内のみならず、幅広い周波数帯域において40%以上の吸音率を達成した。
図7には、ポリオール成分として使用するポリオールの種類を種々変更した例に係る応力/変位曲線を示している。所定の重量平均分子量及びエチレンオキシド含有量を満たすポリオールA及びポリオールBを含む反応系により得られた、例4、例27、例28、例30、例31、例33に係るポリイソシアヌレートフォームは、成形性に優れており、ヒステリシスロス率も90%以上であった。また、図12は、例4、例27、例28、例30、例31、例33に係る吸音率グラフを示している。いずれの例も、所定の重量平均分子量及びエチレンオキシド含有量を満たすポリオールA及びポリオールBを含む例であるため、1000Hz~3150Hzの範囲内のみならず、幅広い周波数帯域において40%以上の吸音率を達成した。
図8には、例34に係る応力/変位曲線を示している。また、図13は、例34に係る吸音率グラフを示している。例34から、例えば下記の事項が読み取れる。即ち、所定の重量平均分子量及びエチレンオキシド含有量を満たすポリオールA及びポリオールBを含むポリオール成分を使用した場合であっても、イソシアネートインデックスが低いか、及び/又は、反応系が含む他の成分の種類及び部数を適切に制御していない場合には、ヒステリシスロス率が90%未満となる。但し、図13に示すように、例34に係るポリイソシアヌレートフォームは、1000Hz~3150Hzの範囲内のみならず、幅広い周波数帯域において40%以上の吸音率を達成した。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…第1部分、2…第2部分、3…肉厚部、4…境界部、5…表面、6…裏面、10…下肢部衝撃吸収材。

Claims (7)

  1. ポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒及び発泡剤を含む反応系で発泡させて得られるポリイソシアヌレートフォームであって、
    前記ポリオールは、重量平均分子量が3000~12000の範囲内にあり、エチレンオキシド含有量が50重量%以上であるポリオールAと、重量平均分子量が1000~8000であり、エチレンオキシド含有量が20重量%未満のポリオールBとを含み、
    前記反応系におけるイソシアネートインデックスは200以上350以下であり、
    ヒステリシスロス率は90%以上であり、
    前記ヒステリシスロス率は、
    前記ポリイソシアヌレートフォームから50mm×50mm×50mmの寸法を有する測定用試料を切り出すことと、
    前記測定用試料を、80φの圧縮子を用いて5Nの荷重が負荷される基準厚みまで、前記ポリイソシアヌレートフォームの発泡高さ方向に沿って圧縮することと、
    前記基準厚みからの厚みの変位が70%に達するまで、50mm/minの速度で前記測定用試料を前記発泡高さ方向に沿って圧縮した後、直ちに、前記基準厚みからの厚みの変位が0%に達するまで、50mm/minの速度で前記測定用試料を前記発泡高さ方向に沿って戻すことと
    を含む方法で測定されるポリイソシアヌレートフォーム。
  2. 前記ポリオールの重量に占める前記ポリオールAの重量の割合は、65重量%~85重量%の範囲内にある請求項1に記載のポリイソシアヌレートフォーム。
  3. 前記ポリオールの重量に占める前記ポリオールBの重量の割合は、15重量%~35重量%の範囲内にある請求項1又は2に記載のポリイソシアヌレートフォーム。
  4. 前記ポリオールAの重量平均分子量は、3000~9000の範囲内にある請求項1~3の何れか1項に記載のポリイソシアヌレートフォーム。
  5. 前記整泡剤は、シリコーン系整泡剤である請求項1~4の何れか1項に記載のポリイソシアヌレートフォーム。
  6. 前記発泡剤は水である請求項1~5の何れか1項に記載のポリイソシアヌレートフォーム。
  7. 前記反応系は、前記ポリオール、前記ポリイソシアネート、前記整泡剤、前記発泡剤及び前記触媒のみからなる請求項1~6の何れか1項に記載のポリイソシアヌレートフォーム。
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