JP2022151607A - 樹脂組成物、成形体、包装体及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、成形体、包装体及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアミド系樹脂層を含む成形体から分離することで、酸化劣化の程度が低く成形体用途に再利用可能なポリアミド系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を得る。【解決手段】JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から10℃/分で昇温し150℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が3,500,000~20,000,000countsであることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物(R1)。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物、それら樹脂組成物を用いた成形体、包装体、及びそれら樹脂組成物の製造方法に関する。
プラスチックフィルムを用いた積層体(積層フィルム)は、食料品、医薬品、工業部材等の包装材として広く普及し利用されてきたが、近年は、環境問題から、リサイクルによる環境負荷低減の開発が早急に進められている。
一方で、プラスチックフィルムを用いた包装材は、耐久性、長期保管性、密封性などの要求性能を満たすため、多層化により各層の機能を複合して高機能化されてきた。例えば、食品ロスの低減に有効なガスバリア性の観点から芳香族ポリアミド樹脂層、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層、無機蒸着膜層など、包装材の機械的強度の観点から脂肪族ポリアミド樹脂層、ポリエステル系樹脂層など、密封性の観点からヒートシール適性の高いポリエチレン系樹脂層などを配し、また各機能を有する複数種のフィルムをドライラミネート法で積層し高機能化が行われてきた。
これら積層体(積層フィルム)のリサイクルのためには、各層ごとに剥離、分離することが必要であり、技術開発が為されてきた。
例えば、特許文献1には、工業材料、農業材料および包装材料等の用途に好適に用いられ、分離回収することができる優れたリサイクルを有する積層体として、酸またはアルカリ水溶液処理により、一部または全部が溶解可能な層を少なくとも一層、また回収可能なポリマー層を少なくとも一層を有することを特徴とする積層体を用いる技術が開示されている。
特許文献2には、混合プラスチックからプラスチック、アルミ等を効率的に分離回収する方法として、「混合プラスチックが溶解しない湿式比重差選別液体にエチレングリコール(EG)を用い、PO(ポリオレフィン系樹脂,)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー)、とPET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)、アルミを融点近辺の加熱温度(120~170℃)で分離し、次いで水とエチレングリコール混合液体で、PVC、アルミ等を沈降分離する。EGは分離回収し、不足分はPET解重合工程から循環再使用する。更にPET、PVC,アルミ等はEG及びNaOH中で常圧加熱(170℃~186℃)解重合してテレフタル酸塩とEGを生成する。PVCは脱塩素化し塩化水素はNaClとなる。一方、PO、PVC,アルミ等の固形物はキシレン等の溶剤に溶解し、アルミ、固形物は、付着溶剤を乾燥除去して回収する。更にPO、テレフタル酸塩、NaOHの混合溶液は加熱真空蒸発して溶剤を分離し溶剤は再循環使用し、水洗してPOとテレフタル酸塩、NaOHに分離する。」という技術が開示されている。
特許文献3には、ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)を主成分とするプラスチック層とアルミニウム層を含む多層フィルムの再生方法と、さらに、アルミニウムの選択的な溶解段階、比重差分離段階、溶融点差による選択的な押し出し段階、および有機溶媒による選択的な溶解段階を用いて、リサイクルされないで廃棄される包装用多層プラスチックフィルム中の有価成分を分離してリサイクルするための方法として、多層フィルム廃棄物のアルミニウムを選択的に溶解させて層分離を誘導し、比重差を用いてPPとPEとの混合物層とPET層に分離する、また、比重差により分離されたPETの純度を高めるために、100℃ないし沸騰点の有機溶媒を用いてPET層に含まれたPPとPEを抽出することにより、多層フィルムの主構成成分をPET、PPとPEとの混合物、およびアルミニウム成分にそれぞれ分離する技術が開示されている。
特許文献4には、特定のハンセンパラメータを有する溶剤を用いて、混合物を液体濾過助剤と接触させた後、ポリオレフィンをこの混合物から分離することにより、ポリオレフィン含有廃棄物をリサイクルする方法に関する技術が開示されている。
特開2001-58372号公報 特開2006-110531号公報 特開2006-205160号公報 特表2019-531212号公報
しかしながら、特許文献1~3には、接着剤層を含む成形体(積層体、積層フィルム)及び接着剤層の溶解に関する技術は開示されていないため、積層体からポリアミド系樹脂を分離することができなかった。仮にこれら開示技術を、ポリアミド系樹脂層を含む成形体(積層体、積層フィルム)に応用した場合は、酸アルカリを使用したり、有機溶剤を用い100℃前後~186℃の高温条件で処理したりする工程によって、ポリアミド系樹脂は、著しく加水分解し酸化劣化が生じてしまうため、そういったポリアミド系樹脂を再利用することはできない。
また、特許文献4には、ポリアミド系樹脂層や接着剤の記載はあるが、この技術を検討したところ、得られたポリアミド樹脂組成物は非常に強く酸化劣化し、茶色に変色することが判り、成形体の原材料として再利用するには不適合であった。
従って、再利用可能なポリアミド系樹脂を得ることができない状況であることから、ポリアミド系樹脂層を含む成形体は、再生樹脂を取り出す工程に回されることがなく廃棄され、そのため、成形体にポリオレフィン系樹脂層が含まれていてもポリオレフィン系樹脂の再生物が得られることはなかった。
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであり、その課題は、ポリアミド系樹脂層を含む成形体から分離することで、酸化劣化の程度が低く成形体用途に再利用可能なポリアミド系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を得ることにある。
[1] JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から10℃/分で昇温し150℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が3,500,000~20,000,000countsであることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物(R1)。
[2] 質量平均分子量が40,000以上100,000以下である、[1]に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
[3] 黄色度b*が1.0以上30.0以下である、[1]または[2]に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
[4] 少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)からの分離物を含む、[1]~[3]の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
[5] 前記成形体(M0)が、接着剤層を含む積層体である、[4]に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
[6]
前記接着剤層が、ポリエステル系接着剤を含む、[5]に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
[7] [1]~[6]の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)の含有率が1質量%以上100質量%以下である、ポリアミド系樹脂成形体(M1)。
[8] JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から10℃/分で昇温し150℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が3,500,000~20,000,000countsであることを特徴とするポリアミド系樹脂成形体(M1)。
[9]
形状がフィルム又はシートである、[7]又は[8]に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)。
[10] 黄色度b*が1.0以上30.0以下である、[7]~[9]の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)。
[11] 前記成形体(M1)を100質量%とする場合に、さらに酸化防止剤及び/又は熱安定化剤を1質量%以上20質量%以下含む、[7]~[10]の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)。
[12] [9]~[11]の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)を用いてなる包装体。
[13] 少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)を長辺20mm以下の多角形に裁断し、剥離剤(A)に浸漬し、ポリアミド系樹脂組成物(R1)を含む樹脂組成物(R0)を得ることを特徴とする樹脂組成物(R0)の製造方法。
[14] 前記成形体(M0)が、接着剤層を含む積層体である[13]に記載の樹脂組成物(R0)の製造方法。
[15] [14]に記載の接着剤層が、ポリエステル系接着剤を含む、[14]に記載の樹脂組成物(R0)の製造方法。
[16] [13]~[15]のいずれか1項に記載の方法で得られた前記樹脂組成物(R0)から比重差分別してポリアミド系樹脂組成物(R1)を得るポリアミド系樹脂組成物(R1)の製造方法。
[17] JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から15℃/分で昇温し200℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が700,000~15,000,000countsであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
[18] 質量平均分子量が40,000以上200,000以下である、[17]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
[19] 黄色度b*が1.0以上10.0以下である、[17]または[18]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
[20] 少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)からの分離物を含む[17]~[19]の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
[21] 前記成形体(M0)が、接着剤層を含む積層体である、[20]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
[22] [21]に記載の接着剤層が、ポリエステル系接着剤を含む、[21]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
[23] [17]~[22]の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の含有率が1質量%以上100質量%以下である、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
[24] JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から15℃/分で昇温し200℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が700,000~15,000,000countsであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
[25] 形状がフィルム又はシートである、[23]又は[24]に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
[26] 黄色度b*が1.0以上10.0以下である[23]~[25]の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
[27] 前記ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を100質量%とする場合に、さらに酸化防止剤及び/又は熱安定化剤を1質量%以上20質量%以下含む、[23]~[26]の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
[28] [23]~[27]の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を用いてなる包装体。
[29] [13]~[15]のいずれか1項に記載の方法で得られた前記樹脂組成物(R0)にポリオレフィン系樹脂層が含まれ、前記樹脂組成物(R0)から比重差分別してポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を得るポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の製造方法。
本発明によれば、ポリアミド系樹脂を含む成形体から分離することで、酸化劣化の程度が低く再利用可能なポリアミド系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を得ることができ、それらをフィルム等の成形体に再利用することができる。つまり、本件は、環境負荷低減を目的に開発が進められているポリアミド系樹脂やポリオレフィン系樹脂のリサイクル技術に関する有用な発明である。そのため、石油資源の消費を低減すると共に循環型社会の構築に寄与することができる。
本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)は、少なくともポリアミド系樹脂層を含む積層体(積層フィルム)等の成形体(M0)から溶剤を用いて分離して得ることができ、ポリアミド系樹脂組成物(R1)からフィルム、シート等のポリアミド系樹脂成形体(M1)を作製することができる。また、少なくともポリアミド系樹脂層を含む積層体(積層フィルム)等の成形体(M0)に、シーラントフィルム等のポリオレフィン系樹脂層が含まれる場合は、同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物(R2)が得られ、このポリオレフィン系樹脂組成物(R2)からフィルム、シート等のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を作製することができる。
以下、ポリアミド系樹脂組成物(R1)を樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を樹脂組成物(R2)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)を成形体(M1)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を成形体(M2)と称することがある。
従来の溶剤を用いた分離技術では、ポリアミド系樹脂は酸化劣化が酷く、分離はできても機械的物性強度が低下したり黄色味が強まったりし、包装体や射出成型体等の成形体に再利用することはできなかったところ、本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)は、酸化劣化の程度が低いので、成形体用途に再利用が可能である。また、再利用可能なポリアミド系樹脂組成物(R1)が得られるからこそ、ポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)にポリオレフィン系樹脂が含まれている場合には、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)も得て、再利用することができる。
<樹脂組成物(R1)(R2)、成形体(M1)(M2)の特徴>
(化学発光積算値)
酸化劣化の程度は、樹脂が酸化劣化して生じたペルオキシラジカル(ROO・)が過酸化物(ROOH)となり、ROOHが分解して再び ROO・となり、高エネルギー状態の励起カルボニルと活性酸素の1つである一重項酸素とを生じ、これらの励起カルボニルと一重項酸素とが励起状態から基底状態に戻る際に発するエネルギーである極微弱な光を検出し発光量を測定することで、ROOHの生成量、すなわち酸化劣化の程度を調べることができる。
具体的には、JIS K7351:2018に準じ、ケミルミネッセンスアナライザーを用い、粉末状にした100mgのポリアミド系樹脂組成物(R1)やポリアミド系樹脂成形体(M1)を直径20mmのアルミ製カップに均一の厚さになるように入れ、窒素ガス雰囲気下で、50℃から150℃まで10℃/分で昇温し150℃で60分間保持する間、1秒間毎に化学発光量を測定する。また、バックグラウンド値を測定して差し引き、測定温度・時間範囲の化学発光量の合算値である化学発光積算値を求め、ポリアミド樹脂組成物(R1)やポリアミド系樹脂成形体(M1)の酸化劣化の程度を調べることができる。なお、被検体のポリアミド系樹脂組成物(R1)やポリアミド系樹脂成形体(M1)は、日本分析工業社製冷凍粉砕機を用い、[冷却5分間-粉砕5分間]のサイクルを2回行い、粉末状にする。
本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、化学発光積算値が低いほど好ましく、これらの化学発光積算値は、3,500,000~20,000,000countsであり、上限は19,000,000counts以下が好ましく、18,000,000counts以下がより好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の場合は、ケミルミネッセンスアナライザーの温度条件を50℃から200℃まで15℃/分で昇温し200℃で60分間保持する他は、ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)と同様にして化学発光積算値を求めることができる。
ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)およびポリオレフィン系成形体(M2)の化学発光積算値は、700,000~15,000,000countsが好ましく、上限は14,000,000counts以下が好ましく、13,000,000counts以下がより好ましい。
(分子量)
また、樹脂は酸化劣化すると分子量が小さくなり、樹脂本来の機械的物性強度が低下するが、本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は酸化劣化の程度が小さいので分子量の低下が軽微である。
ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)の質量平均分子量は、40,000以上100,000以下であることが好ましい。下限は42,500以上がより好ましく、45,000以上がさらに好ましく、上限は、90,000以下がより好ましく、85,000以下がさらに好ましい。
ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)の質量平均分子量は、公知の手法で無水トリフルオロ酢酸を用いて室温下で誘導体化(アシル化)し、次いで40℃の条件下で攪拌及び乾燥固化させ、ゲルの発生していない状態の固化物を溶離液テトラヒドロフランで溶解させ、膨潤していない液状態でゲル浸透クロマトグラフィー法、カラムオーブン温度40℃、RI(示差屈折)検出器を用い分析し、標準ポリスチレン換算で解析して得られる。
ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の質量平均分子量は、40,000以上110,000以下が好ましい。下限は42,500以上がより好ましく、45,000以上がさらに好ましく、上限は、100,000以下がより好ましく、90,000以下がさらに好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の質量平均分子量は、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(高温GPC法)で測定することができる。ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加した135℃のo-ジクロロベンゼンに溶解した後、高温GPCシステムにて測定した。標準試料はポリスチレン用い、質量平均分子量(Mw)を求めた。また分子量は標準試料ポリスチレンを用いて作成した較正曲線を汎用較正曲線よりポリエチレン換算して算出した。ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の質量平均分子量は、40,000以上、200,000以下であることが好ましい。下限は42,500以上がより好ましく、45,000以上がさらに好ましく、上限は、180,000以下がより好ましく、150,000以下がさらに好ましい。
(黄色度b*)
また、樹脂は酸化劣化すると、黄色味を帯びたり茶褐色を呈したりするが、本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、酸化劣化の程度が小さいので黄色味の呈色が少ない。
ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)の黄色度b*は1.0以上30.0以下が好ましく、上限は27.0以下がより好ましく、25.0以下が更に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の黄色度b*は、1.0以上10.0以下が好ましく、上限は9.7以下が好ましく、9.5以下が更に好ましい。
黄色度b*は、JIS Z8722:2009に準じて測定することができる。
(微量混入物)
また、本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、成形体(M0)を粉砕する工程や、溶剤を用い樹脂種類に分別する工程を経ることで、成形体(M0)に含まれるポリアミド系樹脂以外の成分の混入が少ないほど好ましく、ポリアミド系樹脂以外の成分の含有率は3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が更に好ましい。
混入物は、組成物(R1)、成形体(M1)を溶剤で溶解し、可溶分と不溶分とを分離して1H-NMRや赤外吸収分光法(IR)等で定性分析することができる。また、組成物(R1)、成形体(M1)の乾燥質量に対する、上述の可溶分、不溶分の乾燥質量から含有率を求めることができる。
成形体(M1)および成形性(M2)は、それらの機械的強度、熱物性、透明性などの要求仕様に応じて、樹脂組成物(R1)または樹脂組成物(R2)の含有量が決められるが、以下の特性を有することが好ましい。
(引張破断伸度(MPa)、引張破断伸度(%))
引張破断伸度(MPa)、引張破断伸度(%)は、JIS K7129:1999に準じて測定される。具体的には、幅6mmのダンベル状の試験片をつかみ具間距離80.0mm、試験速度50mm/minにて試験し、引張破断強度および引張破断伸度が測定される。ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、引張強度が50MPa以上が好ましく、60MPa以上がより好ましい。また、引張破断伸度が200%以上が好ましく、250%以上がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、引張強度が10MPa以上が好ましく、13MPa以上がより好ましい。また、引張破断伸度が150%以上が好ましく、180%以上がより好ましい。
(破壊エネルギー(J))
破壊エネルギー(J)は、JIS K7211-2:2006に準じて測定される。具体的には、島津製作所社製ハイドロショット衝撃試験機HTM-1を用い、試験片をクランプで固定し、試験速度3m/sec、打抜治具1/2インチφ、ストライカ先端径1/2インチφ、打抜受台50mmφ、23℃雰囲気の条件で測定した際の破壊エネルギーを算出した。ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、破壊エネルギーが1.5J以上が好ましく、1.8以上がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、破壊エネルギーが0.5J以上が好ましく、0.8J以上がより好ましい。
<ポリアミド系樹脂成形体(M1)の作製>
本発明のポリアミド系樹脂成形体(M1)は、上述のポリアミド系樹脂組成物(R1)を用いて作製することができる。
ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、ポリアミド系樹脂層を少なくとも1層含む成形体(M0)から分離再生したポリアミド系樹脂組成物(R1)の他、新しいポリアミド系樹脂や他の熱可塑性樹脂を混合して形成してもよい。ポリアミド系樹脂成形体(M1)を100質量%とする場合、ポリアミド系樹脂組成物(R1)の含有比率は1質量%以上100質量%以下にすることができ、成形体(M1)の機械的強度、熱物性、透明性などの要求仕様に応じ、含有率を選定できる。また、分離再生したポリアミド系樹脂組成物(R1)の含有比率が高いほど、サーマル・エコノミーに適応し、環境負荷を低減する観点で好ましい。
ポリアミド系樹脂成形体(M1)の形状は、特に制限はないが、例えば、各種形状の型を用いて作製する構造物、容器などの射出成形体、各種厚みのフィルム、シートなどが挙げられる。
ポリアミド系樹脂組成物(R1)をフィルムに再利用する場合は、フィルムを100質量%とする場合に、ポリアミド系樹脂組成物(R1)1質量%以上100質量%以下と、新しいポリアミド系樹脂0質量%以上99質量%以下とを含むことが好ましい。フィルムの機械的強度、透明性の点からは、ポリアミド樹脂組成物(R1)1質量%以上50質量%以下、新しいポリアミド系樹脂50質量%以上99質量%以下を含むことがより好ましい。新しいポリアミド系樹脂の種類は、特に制限はないが、相溶混和性の観点から、ポリアミド系樹脂組成物(R1)に含まれるポリアミド系樹脂と同種であることが好ましい。
当該フィルムは、単層フィルムでもよく多層フィルムでもよく、未延伸、一軸延伸、二軸延伸の何れでもよい。
多層フィルムの場合は、ポリアミド系樹脂組成物(R1)を用いる層の位置に制限はないが、ポリアミド系樹脂組成物(R1)からの低分子量物等のブリードアウトを抑制するため、表層ではなく内側の層に用いることが好ましい。また、所望する用途、機能に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレンのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性エラストマー及びそれらの酸変性物などを含む層を配することができる。
本発明のポリアミド系樹脂成形体(M1)は、各種公知の添加剤を混合することができる。例えば、フィラー、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、着色剤、防曇剤、離型剤、等が挙げられる。中でも、劣化を防止する目的で、成形体を100質量%とする場合に、酸化防止剤及び/又は熱安定化剤を1質量%以上20質量%以下含むことが好ましく、2質量%以上15質量%以下含むことがより好ましい。
フィルムの製造方法は、公知の方法を用いることができる。一例として、共押出多層フィルムの場合は、ポリアミド樹脂組成物(R1)や他の原材料樹脂を予め乾燥して水分含有率を0.1質量%以下とすることが望ましい。次いで、それら原材料を各押出機にそれぞれ投入し、溶融した樹脂をフィードブロック、またはマルチマニホールドのフラットダイ、または環状ダイで合流させてから、多層フィルムとして共押出した後、急冷することによりフラット状、または環状の未延伸フィルムを得ることができる。ポリアミド樹脂組成物(R1)を含む押出機の温度は、200~300℃が好ましい。
二軸延伸フィルムを得るには、未延伸フィルムをテンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法を用い、フィルムの流れ方向(縦方向、MD)とこれに直角な幅方向(横方向、TD)に二軸延伸する。例えば、テンター式逐次二軸延伸方法の場合には、未延伸フィルムを40~100℃の温度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦方向に延伸し、続いてテンター式横延伸機によって150~230℃の温度範囲内で横方向に延伸することにより製造することができる。また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えば、40~230℃の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に延伸することにより製造することができる。
延伸倍率は、フィルムの流れ方向(縦方向、MD)、幅方向(横方向、TD)において、各々1.5~5.0倍が好ましく、各々2.0~4.5倍がより好ましい。二軸延伸方向の延伸倍率が係る範囲であることにより延伸配向が進み、フィルム強度などの機械物性が良好となる。
更に、フィルムの寸法安定性を向上させるために、上記の二軸延伸フィルムを熱固定することができる。熱固定温度は、200℃~225℃が好ましく、205~220℃がより好ましい。これにより、常温寸法安定性のよい二軸延伸フィルムを得ることが出来る。
熱固定による結晶化収縮の応力を緩和させるために、熱固定中に幅方向に0~15%、好ましくは3~10%の範囲で弛緩処理を行うこともできる。
また、弛緩処理の後、140℃~200℃の温度で、幅方向に2~9%、好ましくは3~7%、更に好ましくは4~7%の範囲で再延伸を行うことができる。再延伸温度が上記範囲内にあれば、適度な延伸時の応力が得られて均質な延伸となり、幅方向の横収縮率が均等になりやすい。
<ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の作製>
ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、上述のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を用いて作製することができる。
ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、ポリアミド系樹脂層を少なくとも1層含む成形体(M0)から分離再生したポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の他、新しいポリオレフィン系樹脂や他の熱可塑性樹脂を混合して形成してもよい。成形体を100質量%とする場合、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の含有比率は1質量%以上100質量%以下にすることができ、成形体(M2)の機械的強度、熱物性、透明性などの要求仕様に応じ、含有率を選定できる。また、分離再生したポリアミド系樹脂組成物(R2)の含有比率が高いほど、サーマル・エコノミーに適応し、環境負荷を低減する観点で好ましい。
ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の形状は、特に制限はないが、例えば、各種形状の型を用いて作製する構造物、容器などの射出成形体、各種厚みのフィルム、シートなどが挙げられる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)をフィルムに再利用する場合は、フィルムを100質量%とする場合に、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)1質量%以上100質量%以下と、新しいポリオレフィン系樹脂0質量%以上99質量%以下とを含むことが好ましい。フィルムの機械的強度、透明性の点からは、ポリオレフィン樹脂組成物(R2)1質量%以上50質量%以下、新しいポリオレフィン系樹脂50質量%以上99質量%以下を含むことがより好ましい。新しいポリオレフィン系樹脂の種類は、特に制限はないが、相溶混和性の観点から、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)に含まれるポリオレフィン系樹脂と同種であることが好ましい。
当該フィルムは、単層フィルムでもよく多層フィルムでもよい。多層フィルムの場合は、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を含む層の位置に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)からの低分子量物等のブリードアウトを抑制するため、表層ではなく内側の層に用いることが好ましい。また、所望する用途、機能に応じて、ポリアミド6、ポリアミド66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンなフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性エラストマー及びそれらの酸変性物などを含む層を配することができる。
フィルムは、未延伸、一軸延伸、二軸延伸の何れでもよく、公知の方法を用いて製造することができ、シーラントフィルムとする場合は未延伸フィルムが多用される。
未延伸フィルムは、例えば、樹脂組成物を150~250℃の設定温度で一軸または二軸押出機により溶融混錬して押出し、公知のインフレーション法、Tダイ法などにより製造することができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、各種公知の添加剤を混合することができる。例えば、フィラー、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、着色剤、防曇剤、離型剤、等が挙げられる。中でも、劣化を防止する目的で、成形体を100質量%とする場合に、酸化防止剤及び/又は熱安定化剤を1質量%以上20質量%以下含むことが好ましく、2質量%以上15質量%以下含むことがより好ましい。
<包装体>
本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)を含むフィルム等のポリアミド系樹脂成形体(M1)を用いて包装体を作製することができる。同様に、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を含むフィルム等のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を用いて包装体を作製することができる。
包装体の構成、形状、製法は限定しないが、例えば、袋体やパウチ;蓋材;カップ、トレー、深絞り成形体等の底材などが挙げられ、公知の方法で製造できる。
<ポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)>
本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)は、少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)から分離して得ることができる。成形体(M0)は、特に制限はないが、例えば、各種形状の型を用いて作製する構造物、容器などの射出成形体、各種厚みのフィルム、シートなどが挙げられる。中でも、成形体としての商品の使用期間が短く、多くが廃棄され、海洋汚染や石油資源枯渇を抑制する観点でリサイクル化が必要とされていること、成形体(M0)からポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を比較的に分離し易い形状であることから、食料品、医薬品、工業部品等の包装資材に使用されるフィルムを積層した積層フィルム等の積層体が好ましい。例えば、少なくともポリアミド系樹脂層を1層含むフィルム(以下、ポリアミド系樹脂フィルムと称する)や、ポリアミド系樹脂フィルムとシーラントフィルム等の他のフィルムとを接着剤を介してドライラミネートした積層体(積層フィルム)が好ましい。
(ポリアミド系樹脂フィルム)
成形体(M0)を構成する、少なくともポリアミド系樹脂層を1層含むポリアミド系樹脂フィルムは、単層フィルムでもよいし多層フィルムでもよく、1枚でもよく複数枚を用いてもよい。また、未延伸フィルムでもよく一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムでもよい。
ポリアミド系樹脂フィルムに用いるポリアミド系樹脂としては、特に制限はなく、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミドの公知の各種樹脂を用いることができる。
脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド6/66、ポリアミド6/610、ポリアミド6/611、ポリアミド612、ポリアミド6/612、ポリアミド810、ポリアミド910、ポリアミド1010、ポリアミド1012等が挙げられる。芳香族ポリアミド樹脂としては、例えばポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、並びにこれらに脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸、ラクタム、ω-アミノカルボン酸、芳香族アミノカルボン酸等を共重合した共重合体が挙げられる。半芳香族ポリアミドとしては、ポリアミド4T、ポリアミド5T、ポリアミドM-5T、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド11T、ポリアミド12T、等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、フィルムの機械物性、強靭性の点からポリアミド6、ポリアミド66等、ガスバリア性を付与する点からメタキシリレンジアミンアジパミドが、汎用のポリアミド系樹脂フィルムに用いられているポリアミド樹脂として挙げることができ、これらのポリアミド系樹脂を成形体(M0)から分離して再生ポリアミド系樹脂組成物(R1)として再利用することは、サーキュラー・エコノミー、循環型社会を形成していく上で重要な事項である。
また、環境負荷の低減の観点で、バイオマス由来のポリアミド610、ポリアミド1010、ポリアミド11を含む成形体(M0)から、ポリアミド系樹脂組成物(R1)を再生することは、更にサーキュラー・エコノミー、循環型社会の形成に向けて貢献できる。
また、フィルムに柔軟性を付与する目的で、ポリアミド系樹脂を含む層を100質量%とする場合、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系等の熱可塑性エラストマー1~30質量%を含有してもよい。
ポリアミド系樹脂フィルムが多層フィルムの場合は、共押出多層フィルムが好ましく、ポリアミド系樹脂層の他に、ポリエチレン、ポリプロピレンのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性エラストマー及びそれらの酸変性物などを含む層を配することができる。
また、ポリアミド系樹脂フィルムの表面は、加飾性、包装品説明を目的とした印刷層や、ガスバリア性、導電性、非導電性等を目的とした無機蒸着膜層、ガスバリア性等を目的としたポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール等を含むコート層などを設けてもよい。
ポリアミド系樹脂フィルムの1枚当たりの厚みは、特に制限はないが、5~50μmが好ましく、8~30μmがより好ましく、10~25μmが更に好ましい。
(他フィルム)
成形体(M0)は、ポリアミド系樹脂フィルムと他のフィルムとを接着剤層を用い積層した積層体(積層フィルム)でもよい。
他のフィルムとしては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等からなる各種フィルムが挙げられる。それらは未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。また、フィルム表面に加飾性、包装品説明を目的とした印刷層や、ガスバリア性、導電性、非導電性等を目的とした無機蒸着膜層、ガスバリア性等を目的としたポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール等を含むコート層などを設けてもよい。中でも、ヒートシールして包装体を形成するために、ポリオレフィンからなるシーラントフィルムが多用される。
他フィルムの1枚当たりの厚みは、特に制限はなく、各種フィルムの機能に応じて適宜選択できる。大概的には、フィルムの取り扱い性、経済性の点から、3~200μmが好ましく、5~100μmがより好ましい。
(シーラントフィルム)
成形体(M0)(積層体、積層フィルム)を構成するシーラントフィルムは、単層フィルムでもよいし多層フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムでもよい。また、成形体の少なくとも片面に配すればよく、両面に配してもよい。
シーラントフィルムに用いる樹脂としては、特に制限はなく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などの公知のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体でもよく、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体でもよく、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの何れでもよく、ヒートシール性、汎用性の点から、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でもよく、プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィンとの共重合体でもよく、ヒートシール性、汎用性の点から、プロピレン-エチレンランダム共重合体が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
更に、環境負荷の低減の観点で、バイオマス原料由来のバイオエタノールやバイオイソプロパノールから作製したポリエチレンやポリプロピレンを含む成形体(M0)から、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を再生することは、サーキュラー・エコノミー、循環型社会の形成を進める上で意義が大きい。
また、易開封性を目的として、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂を含む層を100質量%とする場合、ポリブテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を0~50質量%を含有してもよい。
シーラントフィルムは、包装用成形体(積層体、積層フィルム)の大半に用いられており、これらのポリオレフィン系樹脂を成形体(M0)から分離して再利用することもまた、サーキュラー・エコノミー、循環型社会を形成していく上で重要な事項であり、成形体(M0)から分離再生して得られるポリアミド系樹脂組成物(R1)と同様に、別個に分離再生して得られるポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を、それぞれ再利用することが成形体(M0)(積層体、積層フィルム)のリサイクル率を大幅に向上させることに繋がる。
シーラントフィルムが多層フィルムの場合は、共押出多層フィルムが多用され、ポリオレフィン系樹脂層の他に、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンなフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性エラストマー及びそれらの酸変性物などを含む層を配することができ、シーラントフィルムの少なくとも一方の表面にポリオレフィン系樹脂層を配する。
シーラントフィルムの1枚当たりの厚みは、特に制限はないが、3~100μmが好ましく、5~80μmがより好ましい。
(添加剤)
ポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)には、主原料の樹脂の他に、公知の添加剤を含有することができる。例えば、フィラー、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、着色剤、防曇剤、離型剤、等を挙げることができる。
(接着剤層)
少なくともポリアミド系樹脂層を1層含む成形体(M0)は、例えばポリアミド系樹脂層を1層含むフィルムと、シーラントフィルム等の他フィルムとを公知のドライラミネート法により積層して作製した積層体(積層フィルム)でもよい。
接着剤は、公知のドライラミネート用接着剤を用いることができ、一液系でもよく二液系でもよく、さらに架橋剤を添加して用いてもよい。層間密着性の点から、ポリエステル系接着剤を用いることが好ましく、また、ポリオールと架橋剤とからなる二液系が好ましく、ポリオールとしては、ポリエステル系、ポリエーテル系、アクリル系等の各種ポリオールが挙げられ、硬化剤、架橋剤としては、芳香族系イソシアネート系、脂肪族系イソシアネート系、カルボジイミド系、エポキシ系等が挙げられる。なお、後述の剥離剤(A)による溶解のし易さの点から、ポリエステル系ポリオールと脂肪族イソシアネートとを化合してなるポリエステル系ポリウレタン系からなる接着剤が好ましい。
接着剤層の厚みは、特に制限はないが、一般に1~10μmが好ましく、2~5μmがより好ましい。
本発明のポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)は、成形体(M0)から剥離剤(A)を用いて分離した樹脂組成物から得ることができる。
<剥離剤(A)>
本発明に用いる剥離剤(A)は、極性溶媒と第四級アンモニウム塩、水とを含有するものである。
極性溶媒として、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロパノール、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
第四級アンモニウム塩として、具体的には、ジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、1%水溶液におけるpHが11.5以上であるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(一例としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等が挙げられる。
剥離剤(A)は、成形体(M0)のうち、接着剤層、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂の層及び/又はフィルム、エチレンビニルアルコール系樹脂の層及び/又はフィルム、印刷層などを溶解することができる。他方、ポリアミド系樹脂の層及び/又はフィルム、ポリオレフィン系樹脂の層及び/又はフィルムは、剥離剤(A)には溶解しない。
剥離剤(A)による溶解、分離は、酸を用いず、また、100℃を超えるような高温加熱工程を経ないため、成形体(M0)を構成するポリアミド系樹脂の加水分解や劣化を抑制して、ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を得ることができ、バージンペレットと呼称される新しいポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂と同様に成形体に再利用することができる。
<樹脂組成物(R1)(R2)の製造方法>
成形体(M0)から剥離剤(A)を用いて分離再生することにより、ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を得る手順、方法は次の通りである。
先ず、成形体(M0)を粉砕機で裁断し、フラフを作製する。
次いで、フラフを常圧及び加温の条件下で、フラフを剥離剤(A)に浸漬及び攪拌して、接着剤層、印刷層、各種樹脂等を溶解させる。浸漬及び攪拌する温度、時間は、例えば、20℃以上60℃未満の条件では1~5日間が好ましく、2~4日間がより好ましい。60℃以上の条件では1~5時間が好ましく、2~4時間がより好ましい。
その後、剥離剤(A)に不溶な樹脂組成物(R0)を取り出し、剥離剤(A)を除去する目的で水等を用いて洗浄する。樹脂組成物(R0)には、剥離剤(A)に不溶なポリアミド系樹脂のフラフとポリオレフィン系樹脂のフラフが含まれる。
その後、例えば水を用い、25℃の条件で樹脂組成物(R0)を水中で攪拌後、静置することによって、ポリアミド系樹脂の比重1.00~1.25とポリオレフィン系樹脂の比重0.870~0.970との比重差を利用して両者を分別(比重差分別)し、温風条件等で乾燥する。
なお、成形体(M0)に、複数種のポリアミド系樹脂が含まれる場合は、まとめてポリアミド系樹脂のフラフとして分別される。複数種のポリオレフィン系樹脂が含まれる場合も同様に、まとめてポリオレフィン系樹脂のフラフとして分別される。
分別したポリアミド系樹脂のフラフは、押出機を用いて200~300℃の条件で溶融押出し、ストランドカット法、ホットカット法等の公知の方法を用いてポリアミド系樹脂組成物からなる再生ペレットを作製できる。同様に、分別したポリオレフィン系樹脂のフラフは、100~250℃の条件で溶融押出し、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる再生ペレットを作製できる。
なお、剥離剤(A)を用いて分離、分別したポリアミド系樹脂のフラフ、及び当該フラフを用いて作製した再生ペレットの両方をポリアミド系樹脂組成物(R1)と呼称する。
同様に、剥離剤(A)を用いて分離、分別したポリオレフィン系樹脂のフラフ、及び当該フラフを用いて作製した再生ペレットの両方をポリオレフィン系樹脂組成物(R2)と呼称する。
成形体(M0)(積層体、積層フィルム)の粉砕は、公知のフィルム用粉砕機等の粉砕機を用いて行うことができ、成形体、粉砕物(フラフ)が熱劣化しないよう、装置内部と成形体、フラフとの摩擦などによる過分な熱が、成形体やフラフに負荷されないことが好ましい。
フラフの形状は、特に制限はなく、一般に不定形または多角形であるが、フラフ同士が絡み合わないように、縦横長さが同等程度の形状が好ましく、略方形状がより好ましい。
フラフの大きさは、溶解分離用の剥離剤(A)が成形体(M0)を裁断した端面から成形体(M0)の内部に浸透していく観点から、長辺は20mm以下が好ましく15mm以下がより好ましい。また裁断、粉砕工程におけるフラフの滞留のし難さや、後工程の比重差分別における分別回収のし易さの観点から、長辺は3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。特に好ましくは8~12mmである。
以下、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<原材料、各種フィルム>
実施例、比較例、参考例に用いた各種フィルムの構成は次の通りである。なお、ポリアミド6を「PA6」、ポリメタキシリレンアジパミドを「MXD6」、低密度ポリエチレンを「PE」、ドライラミネート用接着剤を「ad」と略記した。また「△△μm」は、層又はフィルムの厚みである。
また、樹脂の融点は、JIS K7121:2012に準拠して測定された値し、PA6は215℃、MXD6は237℃、PEは113℃であった。
(ポリアミド系樹脂フィルム)
・a1: PA6(5.5μm)/MXD6(4.0μm)/PA6(5.5μm)、共押出二軸延伸フィルム、片面コロナ放電処理
・a2: PA6(10.5μm)/MXD6(4.0μm)/PA6(10.5μm)、共押出二軸延伸フィルム、片面コロナ放電処理
(シーラントフィルム)
・p1; PE(60μm)、未延伸フィルム、片面コロナ放電処理、「東洋紡社製リックス(登録商標)フィルム L4102」
・p2; PE(40μm)、未延伸フィルム、片面コロナ放電処理、「東洋紡社製リックス(登録商標)フィルム L4102」
(ドライラミネート用接着剤)
・ad; ポリエステル系ポリオールと脂肪族イソシアネートの2液系を用い、水酸基とイソシアネート基とのモル当量比を1.0で混合し、希釈溶媒に酢酸エチルを用い、乾燥後厚みは3μmとなるようにした。
<ポリアミド系樹脂組成物(R1)およびポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の作製>
以下、実施例、比較例、参考例の要領で成形体、フラフを作製し、樹脂組成物(R1)、(R2)を得て、後述の評価を行った。
(実施例1)
コロナ放電処理面に5色(黒色、青色、赤色、黄色、白色)のグラビア印刷を施したポリアミド系樹脂フィルムa1の印刷面と、シーラントフィルムp1のコロナ放電処理面とを対向させ、ドライラミネート用接着剤(ad)を介して成形体(M0)(積層フィルム)を得た。得られた成形体(M0)は、フィルム用裁断機で粉砕し、長辺10mmの略方形状または多角形状のフラフを作製した。
成形体(M0)のフラフからの再生樹脂組成物の分離は、N-メチル-2-ピロリドン70部、ジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド5部、水25部の組成の剥離剤(A)を用い、次の手順で行った。フラフ50gと剥離剤(A)2,000gとを混合し、浸漬及び攪拌を常圧条件下80℃の温度条件で3時間行った。その後、剥離剤(A)に不溶なフラフを取り出し、水で洗浄した。その後、水を溜めた水槽を用い、25℃の条件下で、比重1.00以下のフラフと比重1.00超のフラフとに区分した。またその後、60℃の送風で各フラフを乾燥した。
比重1.00未満のフラフとしてポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の再生樹脂組成物を得て、比重1.00以上のフラフとしてポリアミド系樹脂組成物(R1)の再生樹脂組成物を得た。
(実施例2)
コロナ放電処理面に4色(青色、赤色、黄色、白色)のグラビア印刷を施したポリアミド系樹脂フィルムa2の印刷面と、シーラントフィルムp2のコロナ放電処理面とを対向させ、ドライラミネート用接着剤を介して成形体(M0)(積層フィルム)を得た。得られた成形体(M0)は、フィルム用裁断機で粉砕し、長辺10mmの略方形状または多角形状のフラフを作製した。
成形体(M0)のフラフからの再生樹脂組成物の分離は、実施例1と同様にして、比重1.00未満のフラフとしてポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の再生樹脂組成物を得て、比重1.00以上のフラフとしてポリアミド系樹脂組成物(R1)の再生樹脂組成物を得た。
<ポリアミド系樹脂成形体(M1)の作製>
(実施例3)
東洋精機製ラボプラストミル4C150を用い、表3に示す配合割合にて各成分を配合した。スクリュー回転速度50rpm、240℃、5分間、窒素雰囲気の条件で混錬した。得られた混錬物を、240℃に予熱した熱板により、50kg/cmの圧力下で8分間熱プレスを行い、圧力解放後、水冷して200μmのポリアミド系樹脂成形体(M1)を作製した。
(実施例4)
東洋精機製ラボプラストミル4C150を用い、表3に示す配合割合にて各成分を配合した。実施例2で得られたR1を40質量%含む以外は、実施例3と同様の方法でポリアミド系樹脂成形体(M1)を作製した。
(実施例5)
東洋精機製ラボプラストミル4C150を用い、表3に示す配合割合にて各成分を配合した。実施例2で得られたR1を100質量%含む以外は、実施例3と同様の方法でポリアミド系樹脂成形体(M1)を作製した。
(参考例1)
東洋精機製ラボプラストミル4C150を用い、表3に示す配合割合にて各成分を配合した。PAを100質量%含む以外は、実施例3と同様の方法でポリアミド系樹脂成形体を作製した。
<ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)の作製>
(実施例6)
東洋精機製ラボプラストミル4C150を用い、表3に示す配合割合にて各成分を配合した。スクリュー回転速度50rpm、220℃、5分間、窒素雰囲気の条件で混錬した。得られた混錬物を、220℃に予熱した熱板により、50kg/cmの圧力下で8分間熱プレスを行い、圧力解放後、水冷して200μmのポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を作製した。
(参考例2)
東洋精機製ラボプラストミル4C150を用い、表3に示す配合割合にて各成分を配合した。PEを100質量%含む以外は、実施例6と同様の方法でポリオレフィン系樹脂成形体を作製した。
<評価>
実施例1、2で得られた再生樹脂組成物について、以下の評価を行い、表1に纏めた。また、実施例1、2に使用したポリアミド系樹脂フィルムa1、a2、シーラントフィルムp1、p2単体についても、再生樹脂組成物の比較対象として、化学発光積算値、質量平均分子量、および、黄色度b*を評価した。
(再生樹脂組成物の分離)
フーリエ変換赤外吸収分光分析により組成分析を行い標準スペクトルと対比し、分離再生したポリアミド系樹脂組成物(R1)とポリオレフィン系樹脂組成物(R2)との明確な分離ができたか否かを〇×で表1に記した。
(樹脂組成物の粉末作製)
実施例1、2で得られたポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)について、ならびに、ポリアミド系樹脂フィルムa1、a2、シーラントフィルムp1、p2単体のそれぞれ、日本分析工業社製冷凍粉砕機を用い、[冷却5分間-粉砕5分間]のサイクルを2回行い、粉末状にした。
(ポリアミド系樹脂組成物(R1)の化学発光積算値)
JIS K7351:2018に準じ、ケミルミネッセンスアナライザーを用い、粉末状にしたポリアミド系樹脂組成物(R1)100mgを直径20mmのアルミ製カップに均一の厚さになるように入れ、窒素ガス雰囲気下で、50℃から150℃まで10℃/分で昇温し150℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値(counts)を測定した。また、バックグラウンド値を測定して差し引き、測定温度・時間範囲の化学発光量の合算値である化学発光積算値を求めた。
(ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の化学発光積算値)
ケミルミネッセンスアナライザーの温度条件を50℃から200℃まで15℃/分で昇温し200℃で60分間保持する他は、ポリアミド系樹脂組成物(R1)と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の化学発光積算値を求めた。
(a1、a2、p1、p2の化学発光積算値)
実施例1、2に使用したポリアミド系樹脂フィルムa1、a2、シーラントフィルムp1、p2単体についても、再生樹脂組成物の比較対象として、同様に化学発光積算値を測定し、表2に纏めた。なお、ポリアミド系樹脂フィルムa1、a2については、ポリアミド系樹脂組成物(R1)の化学発光積算値の測定方法に準じており、シーラントフィルムp1、p2については、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の化学発光積算値の測定方法に準じている。
(ポリアミド系樹脂組成物(R1)の質量平均分子量)
ポリアミド系樹脂組成物(R1)にジクロロメタンと無水トリフルオロ酢酸を添加して室温下で攪拌して誘導体化(アシル化)し、次いで40℃の条件下で攪拌及び乾燥固化させ、誘導体化直後にゲルの発生していない状態の固化物を、溶離液テトラヒドロフランで溶解させ、その後10分間以内で膨潤していない液状態でゲル浸透クロマトグラフィー法、RI(示唆屈折)検出器を用い、濃度約10mg/3.4ml、注入量100μL、TSKgelガードカラム、流速1.0mL/分の条件で分析し、標準ポリスチレン換算で質量平均分子量を求めた。
(ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の質量平均分子量)
ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)10mgを、135℃、0.5g/LのBHTを添加したo-ジクロロベンゼン 10gに溶解した後、東ソー社製の高温GPCシステムHLC-8321GPC/HTを用い、東ソー社製のカラムTSKgel guardcolumn HHR(30)HT(7.5mm I.D.×7.5cmL)+TSKgel GMHHR-H(20)HT(7.8mm I.D.×30cmL×3)を使用した。標準試料はポリスチレン用い、温度135℃の条件で、質量平均分子量(Mw)を求めた。また分子量は標準試料ポリスチレンを用いて作成した較正曲線を汎用較正曲線よりポリエチレン換算から変換した。
(ポリアミド系樹脂組成物(R1)およびポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の黄色度)
粉末状にしたポリアミド系樹脂組成物(R1)およびポリオレフィン系樹脂組成物(R2)をアスクル製0.04mm厚無色透明チャック付き袋に入れ、JIS Z8722:2009に準じ、日本電色工業製簡易型分光色差計NF333機を用いて黄色度b*を測定した。
実際例3~6、参考例1、2で得られた成形体(M1)、(M2)についても、M1についてはR1と同様にして、また、M2についてはR2と同様にして、化学発光積算値および黄色度b*を測定し、表3に纏めた。また、引張破断強度、引張破断伸度、および、破壊エネルギーについては、以下の基準で評価して、それぞれ表3に纏めた。
(引張試験)
JIS K7129:1999に準じて測定した。幅6mmのダンベル状の試験片をつかみ具間距離80.0mm、試験速度50mm/minにて試験し、引張破断強度、および引張破断伸度を測定した。ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、引張強度が50MPa以上、引張破断伸度が200%以上のものを合格とし、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、引張強度が10MPa以上、引張破断伸度が150%以上のものを合格とした。
(ハイドロショット衝撃試験)
JIS K7211-2:2006に準じて、島津製作所社製ハイドロショット衝撃試験機HTM-1を用い、試験片をクランプで固定し、試験速度3m/sec、打抜治具1/2インチφ、ストライカ先端径1/2インチφ、打抜受台50mmφ、23℃雰囲気の条件で測定した際の破壊エネルギーを算出した。ポリアミド系樹脂成形体(M1)は、破壊エネルギーが1.5J以上のものを合格とし、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)は、破壊エネルギーが0.5J以上のものを合格とした。
Figure 2022151607000001
Figure 2022151607000002
Figure 2022151607000003
<ポリアミド系樹脂組成物(R1)、ポリオレフィン系樹脂組成物(R2)>
実施例1、2では、ドライラミネート用接着剤層が溶解し、印刷層がある場合は該印刷層が溶解または剥離し、分離再生したポリアミド系樹脂組成物(R1)とポリオレフィン系樹脂組成物(R2)とを明確に分離して得ることができた。
実施例1、2のポリアミド系樹脂フィルムa1を構成したPA6とMXD6は、ポリアミド樹脂フィルム組成物(R1)として両者を含む状態で得られた。
実施例1で得られたポリアミド系樹脂組成物(R1)は、化学発光積算値16,891,852counts、質量平均分子量55,300、黄色度b*2.0であり、酸化劣化の程度は軽微であり、また他樹脂の混入は無く、再生原料としてフィルム、包装体などに利用できるものであった。
実施例1で得られたポリオレフィン系樹脂組成物(R2)は、化学発光積算値9,966,109countsで、酸化劣化の程度は軽微であり、また他樹脂の混入は無く、再生原料としてフィルム、包装体などに利用できるものであった。
実施例2で得られたポリアミド系樹脂組成物(R1)は、化学発光積算値3,545,484counts、質量平均分子量73,500、黄色度b*8.94であり、酸化劣化の程度は軽微であり、また他樹脂の混入は無く、再生原料としてフィルム、包装体などに利用できるものであった。
実施例2で得られたポリオレフィン系樹脂組成物(R2)は、化学発光積算値794,987counts、質量平均分子量83,308、黄色度b*1.21であり、酸化劣化の程度は軽微であり、また他樹脂の混入は無く、再生原料としてフィルム、包装体などに利用できるものであった。
<ポリアミド系樹脂成形体(M1)、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)>
実施例3~5で得られたポリアミド系樹脂組成物(M1)は、化学発光積算値、黄色度b*が所定の範囲内であり、酸化劣化の程度は軽微であり、また、引張破断強度、引張破断伸度、および、破壊エネルギーが所望以上であり、再生原料を含む包装体として好適なものであった。
実施例6で得られたポリオレフィン系樹脂組成物(M2)は、化学発光積算値、黄色度b*が所定の範囲内であり、酸化劣化の程度は軽微であり、また、引張破断強度、引張破断伸度、および、破壊エネルギーが所望以上であり、再生原料を含む包装体として好適なものであった。
本発明により、成形体から再利用可能な再生ポリアミド系樹脂組成物を得ることができ、また、再利用可能な再生ポリオレフィン系樹脂組成物も得ることができる。これらの再生樹脂組成物は、酸や100℃を超える高温工程を用いずに得られるため、劣化を抑制することができ、フィルム等の成形体の再利用に有効である。
包装材に多用されるドライラミネートされた積層フィルムから、使用量の多大なポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をリサイクルして使用できることは、サーキュラー・エコノミー、循環型社会の構築に大いに役立つものである。

Claims (29)

  1. JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から10℃/分で昇温し150℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が3,500,000~20,000,000countsであることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物(R1)。
  2. 質量平均分子量が40,000以上100,000以下である、請求項1に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
  3. 黄色度b*が1.0以上30.0以下である、請求項1または2に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
  4. 少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)からの分離物を含む、請求項1~3の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
  5. 前記成形体(M0)が、接着剤層を含む積層体である、請求項4に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
  6. 前記接着剤層が、ポリエステル系接着剤を含む、請求項5に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂組成物(R1)の含有率が1質量%以上100質量%以下である、ポリアミド系樹脂成形体(M1)。
  8. JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から10℃/分で昇温し150℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が3,500,000~20,000,000countsであることを特徴とするポリアミド系樹脂成形体(M1)。
  9. 形状がフィルム又はシートである、請求項7又は8に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)。
  10. 黄色度b*が1.0以上30.0以下である、請求項7~9の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)。
  11. 前記成形体(M1)を100質量%とする場合に、さらに酸化防止剤及び/又は熱安定化剤を1質量%以上20質量%以下含む、請求項7~10の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)。
  12. 請求項9~11の何れか1項に記載のポリアミド系樹脂成形体(M1)を用いてなる包装体。
  13. 少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)を長辺20mm以下の多角形に裁断し、剥離剤(A)に浸漬し、ポリアミド系樹脂組成物(R1)を含む樹脂組成物(R0)を得ることを特徴とする樹脂組成物(R0)の製造方法。
  14. 前記成形体(M0)が、接着剤層を含む積層体である請求項13に記載の樹脂組成物(R0)の製造方法。
  15. 請求項14に記載の接着剤層が、ポリエステル系接着剤を含む、請求項14に記載の樹脂組成物(R0)の製造方法。
  16. 請求項13~15のいずれか1項に記載の方法で得られた前記樹脂組成物(R0)から比重差分別してポリアミド系樹脂組成物(R1)を得るポリアミド系樹脂組成物(R1)の製造方法。
  17. JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から15℃/分で昇温し200℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が700,000~15,000,000countsであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
  18. 質量平均分子量が40,000以上200,000以下である、請求項17に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
  19. 黄色度b*が1.0以上10.0以下である、請求項17または18に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
  20. 少なくともポリアミド系樹脂層を含む成形体(M0)からの分離物を含む請求項17~19の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
  21. 前記成形体(M0)が、接着剤層を含む積層体である、請求項20に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
  22. 請求項21に記載の接着剤層が、ポリエステル系接着剤を含む、請求項21に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)。
  23. 請求項17~22の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の含有率が1質量%以上100質量%以下である、ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
  24. JIS K7351:2018に準じ、窒素ガス雰囲気下、50℃から15℃/分で昇温し200℃で60分間保持したまでの間の化学発光積算値が700,000~15,000,000countsであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
  25. 形状がフィルム又はシートである、請求項23又は24に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
  26. 黄色度b*が1.0以上10.0以下である請求項23~25の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
  27. 前記ポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を100質量%とする場合に、さらに酸化防止剤及び/又は熱安定化剤を1質量%以上20質量%以下含む、請求項23~26の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)。
  28. 請求項23~27の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂成形体(M2)を用いてなる包装体。
  29. 請求項13~15のいずれか1項に記載の方法で得られた前記樹脂組成物(R0)にポリオレフィン系樹脂層が含まれ、前記樹脂組成物(R0)から比重差分別してポリオレフィン系樹脂組成物(R2)を得るポリオレフィン系樹脂組成物(R2)の製造方法。
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WO2023223592A1 (ja) * 2022-05-18 2023-11-23 共栄社化学株式会社 複層樹脂成形体回収前処理剤及び複層樹脂成形体回収の前処理方法

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