JP2022151456A - 皮膚用組成物 - Google Patents

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Nobuo Yagi
孝夫 福井
Takao Fukui
悠生 鹿島
Yusei Kashima
奈津子 藤田
Natsuko Fujita
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Abstract

【課題】優れた製剤安定性を発揮するだけでなく、塗布後の使用感が良好で十分な保湿効果を発揮させることができる皮膚用組成物の提供。【解決手段】補酵素Q10を含み、その含有量が0.3質量%より多く1質量%以下である皮膚用組成物であって、下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cとを含有することを特徴とする皮膚用組成物とする。成分A:ポリグリセリン脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤成分B:2価アルコール成分C:3価以上のアルコール【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚用組成物に関する。
近年、保湿効果を発揮する様々な機能性成分の中でも、格段に優れた保湿能力を有する成分として補酵素Q10が注目を浴びている。しかしながら、補酵素Q10は、格段に優れた保湿効果を発揮させることができる反面、製剤中に高配合しようとすると、析出などが生じ易くなり製剤安定性が悪化するといった欠点がある。
そのため、これまでにも補酵素Q10を配合した様々な剤型の製剤において、安定性を付与する試みがなされている。具体的には、特定量のコエンザイムQ10と特定量のポリグリセリン脂肪酸エステル2種と水とを含む水溶性組成物(例えば、特許文献1を参照)、コエンザイムQ10と水溶性生理活性物質と特定の油剤とを含む乳化化粧料(例えば、特許文献2を参照)、コエンザイムQ10と特定量の中鎖トリグリセライドと界面活性剤と多価アルコールと特定量の水とを含む乳化組成物(例えば、特許文献3を参照)、コエンザイムQ10と親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親油性ショ糖脂肪酸エステルと水相成分とを含む水溶性生成物(例えば、特許文献4を参照)、コエンザイムQ10とリン脂質とポリグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコールとを含むエマルション組成物(例えば、特許文献5を参照)などが提案されている。
しかしながら、これら試みによって製剤安定性を付与することはできるものの、特定剤型における製剤の不安定を解決したにすぎず、液状、ジェル状、乳液状、クリーム状などの様々な剤型のスキンケア剤に転用・応用できる技術ではない。また、これら試みの多くは、製剤の安定性付与に趣を置いた技術であることから、ベタつきのなさや潤いなど塗布後の使用感については十分に満足のいくものではない。
特開2004-196781号公報 特開2006-143656号公報 国際公開第2006/035900号 国際公開第2006/134970号 特開2008-239580号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、様々な剤型のスキンケア剤に応用可能な技術であり、優れた製剤安定性を発揮するだけでなく、塗布後の使用感が良好で十分な保湿効果を発揮させることができる皮膚用組成物を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、補酵素Q10を含み、その含有量が0.3質量%より多く1質量%以下である皮膚用組成物であって、成分A:ポリグリセリン脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤と、成分B:2価アルコールと、成分C:3価以上のアルコールとを含有することを特徴とする。
上記補酵素Q10に対する上記成分Aの含有量の比(成分A/補酵素Q10)が1/12~3/1の範囲を満たすことが好ましい。
上記成分Bの含有量が5~20質量%であり、上記成分Cの含有量の合計量が1~15質量%であることが好ましい。
上記成分Bの含有量と上記成分Cの含有量の質量含有比(B:C)が10:1~1:3の範囲を満たすことが好ましい。
さらに、成分D:ニコチン酸及び/又はその誘導体、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体、コラーゲン及び/又はその誘導体、並びにリン脂質から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の皮膚用組成物は、上記構成要件を満たすことにより、補酵素Q10が高配合された様々な剤型の製剤、所謂、液状剤型、ジェル剤型、若しくは乳化剤型の製剤において、補酵素Q10に起因する析出がなく、優れた製剤安定性(製剤の保存安定性)を発揮するという効果を奏する。
また、本発明の皮膚用組成物は、塗布後のベタつきが抑えられ、使用感が良好であるにもかかわらず、格段に優れた保湿効果を付与することができるという効果を奏する。
本発明の皮膚用組成物は、補酵素Q10を含み、その含有量が0.3質量%より多く1質量%以下であり、成分A:ポリグリセリン脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤と、成分B:2価アルコールと、成分C:3価以上のアルコールとを含有する。
以下、本発明の皮膚用組成物に用いられる各成分の詳細を説明する。
本発明の皮膚用組成物は、特定量の補酵素Q10を含む。補酵素Q10とは、別名、コエンザイムQ10、CoQ10、ユビキノン、ユビデカレノンと称される化合物である。本発明では、組成物中に補酵素Q10を含むことで優れた保湿効果を付与することができる。
なお、本発明においては、上記補酵素Q10は市販品を用いることができる。補酵素Q10の市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
本発明の皮膚用組成物中の補酵素Q10の含有量は、0.3質量%よりも多く含み、1質量%以下である。該含有量を満たすことにより、格段に優れた保湿効果を発揮させることが可能となるが、析出を抑える観点、並びに塗布後の使用感を良好にする観点から、0.9質量%以下であることがより好ましい。なお、上記補酵素Q10の含有量は、純分に換算した量である。
本発明においては、補酵素Q10を高配合したとしても、具体的には、0.3質量%よりも多く配合したとしても、後述する成分と組み合わせることにより、製剤安定性が良好で、かつ、使用感と保湿効果に格段に優れた皮膚用組成物とすることができる。
[成分A]
上記成分Aは、ポリグリセリン脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤である。本発明においては、上記成分Aを用いることにより、上記補酵素Q10に起因する析出を抑え、製剤安定性(製剤の保存安定性)に優れた効果を発揮させることができる。
上記成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは8~24であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは12~18である。また、脂肪酸部は、飽和脂肪酸であっても、不飽和脂肪酸であっても、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されない。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度は、特に限定されないが、好ましくは2~12であり、より好ましくは5~10である。
上記成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、テトラエステル体などが挙げられる。すなわち、成分Aとしては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸ジエステル、ポリグリセリン脂肪酸トリエステル、ポリグリセリン脂肪酸テトラエステルなどが挙げられる。成分Aはこれらの混合物であっても良い。
なお、本明細書において、上記ポリグリセリン脂肪酸モノエステルを「成分A1」、上記ポリグリセリン脂肪酸ジエステルを「成分A2」、上記ポリグリセリン脂肪酸トリエステルを「成分A3」、上記ポリグリセリン脂肪酸テトラエステルを「成分A4」と称することがある。
具体的な成分A1としては、例えば、カプリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸ポリグリセリル-3、カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリン酸ポリグリセリル-10などのカプリン酸ポリグリセリル;ラウリン酸ポリグリセリル-2、ラウリン酸ポリグリセリル-4、ラウリン酸ポリグリセリル-5、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10などのラウリン酸ポリグリセリル;ミリスチン酸ポリグリセリル-5、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-10などのミリスチン酸ポリグリセリル;パルミチン酸ポリグリセリル-3、パルミチン酸ポリグリセリル-10などのパルミチン酸ポリグリセリル;ステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-3、ステアリン酸ポリグリセリル-4、ステアリン酸ポリグリセリル-5、ステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10などのステアリン酸ポリグリセリル;イソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、イソステアリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸ポリグリセリル-10などのイソステアリン酸ポリグリセリル;オレイン酸ポリグリセリル-2、オレイン酸ポリグリセリル-3、オレイン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリグリセリル-5、オレイン酸ポリグリセリル-6、オレイン酸ポリグリセリル-10などのオレイン酸ポリグリセリル;リノール酸ポリグリセリル-10などが挙げられる。なお、上記成分の後に記載の整数はポリグリセリンの平均重合度を表す。これら成分A1は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
具体的な成分A2としては、例えば、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、ジミリスチン酸ポリグリセリル-10;ジステアリン酸ポリグリセリル-2、ジステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸ポリグリセリル-10などのジステアリン酸ポリグリセリル;ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-6、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10などのジイソステアリン酸ポリグリセリル;ジオレイン酸ポリグリセリル-5、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸ポリグリセリル-10などのジオレイン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。なお、上記成分の後に記載の整数はポリグリセリンの平均重合度を表す。これら成分A2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
具体的な成分A3としては、例えば、トリミリスチン酸ポリグリセリル-5;トリステアリン酸ポリグリセリル-4、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、トリステアリン酸ポリグリセリル-10などのトリステアリン酸ポリグリセリル;トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-10などのトリイソステアリン酸ポリグリセリル;トリオレイン酸ポリグリセリル-5、トリオレイン酸ポリグリセリル-10などのトリオレイン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。なお、上記成分の後に記載の整数はポリグリセリンの平均重合度を表す。これら成分A3は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
具体的な成分A4としては、例えば、テトララウリン酸ポリグリセリル-10、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2;テトラオレイン酸ポリグリセリル-2、テトラオレイン酸ポリグリセリル-10などのテトラオレイン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。なお、上記成分の後に記載の整数はポリグリセリンの平均重合度を表す。これら成分A4は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記成分Aの中でも、製剤安定性を高める観点から、ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸ジエステルを用いることが好ましく、ミリスチン酸ポリグリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルを用いることがより好ましい。また、これら好適な成分のポリグリセリンの平均重合度は、5~10であることが好ましい。
なお、本発明においては、上記成分Aは市販品を用いることができる。成分Aの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
本発明の皮膚用組成物中の成分Aの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を付与する観点から、組成物100質量%中、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、使用感の観点から、組成物100質量%中、2質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Aの含有量は、純分に換算した量である。また、本発明の皮膚用組成物中に配合される成分Aの含有量の合計量である。
本発明では、上記補酵素Q10の析出を抑制し、格段に優れた製剤安定性を付与する観点から、上記補酵素Q10に対する上記成分Aの含有量の比(成分A/補酵素Q10)は、1/12~3/1の範囲を満たすことが好ましく、1/6~2/1の範囲を満たすことがより好ましい。本発明の皮膚用組成物では、これら含有量の比を満たし調製することで格別顕著な製剤安定性を発揮させることが可能となる。
[成分B]
上記成分Bは、2価アルコールである。2価アルコールとは、炭化水素の2個の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称である。本発明においては、上記成分Bを用いることにより、上記補酵素Q10の析出抑制効果を高め、優れた製剤安定性を発揮させることができる。また、塗布後のベタつきを抑えて保湿効果を向上させることができる。
具体的な上記成分Bとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これら成分Bは1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記成分Bの中でも、製剤安定性を高める観点、並びに保湿効果を更に向上させる観点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールを用いることが好ましく、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオールを用いることがより好ましい。
なお、本発明においては、上記成分Bは市販品を用いることができる。成分Bの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
本発明の皮膚用組成物中の成分Bの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を高める観点、並びに保湿効果を更に向上させる観点から、組成物100質量%中、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。また、ベタつきなどの使用感の悪化を抑える観点から、組成物100質量%中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Bの含有量は、純分に換算した量である。また、本発明の皮膚用組成物中に配合される成分Bの含有量の合計量である。
[成分C]
上記成分Cは、3価以上のアルコールである。3価以上のアルコールとは、炭化水素の3個以上の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称である。本発明においては、上記成分Cを用いることにより、上記補酵素Q10の析出抑制効果を高め、優れた製剤安定性を発揮させることができる。また、塗布後のベタつきを抑えて保湿効果を向上させることができる。
具体的な成分Cとしては、例えば、グリセリン(濃グリセリン)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、キシリロール、エリスリトール、トレハロース、グルコシルトレハロースなどが挙げられる。これら成分Cは1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記成分Cの中でも、製剤安定性を高める観点、並びに保湿効果を更に向上させる観点から、グリセリン(濃グリセリン)、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、トレハロース、グルコシルトレハロースを用いることが好ましく、グリセリン(濃グリセリン)、ジグリセリン、ポリグリセリンを用いることがより好ましい。
なお、本発明においては、上記成分Cは市販品を用いることができる。成分Cの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
本発明の皮膚用組成物中の成分Cの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を高める観点、並びに保湿効果を更に向上させる観点から、組成物100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、ベタつきなどの使用感の悪化を抑える観点から、組成物100質量%中、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Cの含有量は、純分に換算した量である。また、本発明の皮膚用組成物中に配合される成分Cの含有量の合計量である。
本発明では、格段に優れた製剤安定性を付与する観点、並びに良好な保湿効果を更に向上させる観点から、上記成分Bの含有量と上記成分Cの含有量の合計量は8~35質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましい。
また、本発明では、格段に優れた製剤安定性を付与する観点、並びに良好な保湿効果を更に高める観点から、上記成分Bの含有量と上記成分Cの含有量の質量含有比(B:C)は10:1~1:3の範囲を満たすことが好ましく、5:1~1:2の範囲を満たすことがより好ましい。本発明の皮膚用組成物では、これら質量含有比を満たし調製することで格別顕著な効果を発揮させることが可能となる。
本発明の皮膚用組成物は、上記成分を組み合わせることにより、格段に優れた製剤安定性を付与し、且つ、良好な使用感を発揮させることができることから、保湿効果を向上させることができる成分Dを本発明の皮膚用組成物に配合させることができる。
[成分D]
上記成分Dは、ニコチン酸及び/又はその誘導体、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体、コラーゲン及び/又はその誘導体、並びにリン脂質から選ばれる少なくとも1種である。なお、本明細書において、上記ニコチン酸及び/又はその誘導体を「成分D1」、上記ヒアルロン酸及び/又はその誘導体を「成分D2」、上記コラーゲン及び/又はその誘導体を「成分D3」、上記リン脂質を「成分D4」と称することがある。
具体的な成分D1としては、例えば、ニコチン酸、ニコチン酸メチル、ニコチン酸エチル、ニコチン酸n-ブチル、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸フェニル、ニコチン酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ヒドラジド、ニコチン酸(±)-α-トコフェロールなどが挙げられる。これら成分D1は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
具体的な成分D2としては、例えば、ヒアルロン酸、加水分解ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。これら成分D2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
具体的な成分D3としては、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン、アテロコラーゲン、アシル化コラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲンなどが挙げられる。これら成分D3は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
具体的な成分D4としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチンなどの天然リン脂質;ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイル・オレオイルホスファチジルコリンなどの合成リン脂質;水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリンなどの水素添加リン脂質などが挙げられる。これら成分D4は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明においては、上記成分Dは市販品を用いることができる。成分Dの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
本発明の皮膚用組成物中の成分Dの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、保湿効果を向上させる観点から、組成物100質量%中、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。また、ベタつきなどの使用感の悪化を抑える観点から、組成物100質量%中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Dの含有量は、純分に換算した量である。また、本発明の皮膚用組成物中に配合される成分Dの含有量の合計量である。
[その他成分]
本発明の皮膚用組成物には、液状、ジェル状、乳液状、クリーム状などの様々な剤型へと調製することができ、かつ、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル油、シリコーン油などの油剤;陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、成分A以外の非イオン性界面活性剤などの界面活性剤;増粘性高分子、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、防腐剤、美白剤、抗炎症剤、清涼剤、植物抽出エキス、植物発酵エキス、pH調整剤、中和剤、香料などを目的に応じて適宜配合することができる。
また、本発明の皮膚用組成物の残部には精製水が用いられる。精製水の含有量は、液状、ジェル状、乳液状、クリーム状などの様々な剤型へと調製することができる量であれば特に限定されないが、50~95質量%であることが好ましい。
本発明においては、上記構成成分を満たすことにより、補酵素Q10に起因する析出がなく透明を維持することができることから、本発明の皮膚用組成物が液状やジェル状の透明な外観を呈する剤型である場合には、審美性に優れた効果を発揮させることができる。なお、本発明における「透明」とは、濁りが生じていない外観を呈するものを言う。
本発明の皮膚用組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、上記成分を混合し、例えば、ディスパーミキサー、パドルミキサーなどの公知の混合装置を用いて混合する方法、若しくはホモミキサーなどを用いた転相乳化法により乳化させる方法などが挙げられるが、本発明はこれら製造方法にのみ限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る皮膚用組成物の用途は、特に限定されないが、皮膚化粧料として用いることが好ましく、より具体的には、例えば、保湿化粧料、美白化粧料、アクネケア化粧料、シワ抑制やたるみ抑制などを目的としたアンチエージング化粧料として用いることが好ましい。また、本発明の皮膚用組成物は、化粧品、医薬部外品、指定医薬部外品、雑貨などの形態をとり得る。
また、本発明の一実施形態に係る皮膚用組成物を適用する部位は、特に限定されないが、一例として、顔(額、目元、目じり、頬、口元など)、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、デコルテ、脇、背中などに用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。
下記評価試験1~2では、補酵素Q10に起因する析出の有無をより明確に判断できるようにするために液状剤型を採用した。
(試料の調製1)
表1および表2に記した組成に従い、実施例1~7および比較例1~5の皮膚用組成物を常法に準じて調製し、下記評価に供した。結果を表1および表2に併記する。なお、表中の配合量は、全て純分に換算した値である。
(試験例1:製剤安定性の評価)
実施例および比較例の各試料を50mL容の透明ガラス容器に夫々封入し、0℃の恒温槽に4週間保管した。その後、外観を目視観察して以下の評価基準にしたがって評価した。
<製剤安定性の評価基準>
○(良好):補酵素Q10に起因する析出物は全く認められない
△(不十分):補酵素Q10に起因する析出物が僅かに認められる
×(不良):補酵素Q10に起因する析出物が明らかに認められる
(試験例2:塗布後の評価)
実施例および比較例の各試料を約1g手の平に取り、両頬に馴染ませるように塗布した。塗布から30分後に塗布部分の「ベタつき」、並びに「潤い」について官能評価を行い、下記評価基準に従って判定した。なお、評価は25℃の条件下で、10名の専門評価員が実施し、各評価員の評価を総合して決定した。また、試験例1にて、製剤安定性の評価結果が「×(不良)」であるものについては、塗布後の評価を実施していない。
<塗布後のベタつきの評価基準>
○(良好):ベタつきを全く感じず、良好な使用感である
△(不十分):ベタつきを僅かに感じ、良好な使用感であるとは言えない
×(不良):明らかにベタつきを感じ、使用感が悪い
<塗布後の潤い感(保湿効果)の評価基準>
○(良好):しっとりとした潤い(保湿効果)を感じることができる
△(不十分):潤い(保湿効果)を僅かに感じるが、良好であるとは言えない
×(不良):潤い(保湿効果)を全く感じない
Figure 2022151456000001
Figure 2022151456000002
表1および表2に示された結果から、各実施例で得られた皮膚用組成物は、各比較例で得られたものと対比して、補酵素Q10が高配合されているにもかかわらず、補酵素Q10に起因する析出がなく、製剤安定性に格段に優れた効果を発揮していることが分かる。また、各実施例で得られた皮膚用組成物は、塗布後のベタつきが抑えられ、使用感が良好であり、保湿効果に優れた効果を発揮していることも分かる。
下記組成に従い、実施例8のジェル剤型の皮膚用組成物を常法により調製し、上記試験例1と同様の評価試験に供した。なお、配合量は特記しない限り「質量%」を表す。また、配合成分は全て純分に換算した。
(実施例8:ジェル状皮膚用組成物) (質量%)
カルビキシビニルポリマー 0.4
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
水溶性コラーゲン 0.01
グリセリン 5.0
ジグリセリン 1.0
トレハロース 2.0
水添レシチン 0.2
リゾレシチン 0.2
1,3-ブチレングリコール 10.0
1,2-ペンタンジオール 2.0
メチルパラベン 0.2
補酵素Q10(ユビデカレノン) 0.6
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 0.3
トコフェロール 0.02
オレイン酸ポリグリセリル-10 0.5
ステアリン酸ポリグリセリル-10 0.2
水酸化カリウム 0.2
精製水 残 部
合計 100.0
実施例8のジェル剤型の皮膚用組成物は、補酵素Q10が高配合されているにもかかわらず、補酵素Q10に起因する析出がなく、製剤安定性に格段に優れた効果を発揮していた。
下記組成に従い、実施例9の乳化剤型の皮膚用組成物を常法により調製し、手の甲に取り出して析出物の有無を確認した以外は上記試験例1と同様の評価基準により評価した。なお、配合量は特記しない限り「質量%」を表す。また、配合成分は全て純分に換算した。
(実施例9:乳液状皮膚用組成物) (質量%)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.3
キサンタンガム 0.1
水溶性コラーゲン 0.01
ヒアルロン酸ナトリウム 0.02
グリセリン 10.0
ソルビトール 2.0
水添レシチン 0.5
1,3-ブチレングリコール 12.0
ジプロピレングリコール 3.0
フェノキシエタノール 0.4
補酵素Q10(ユビデカレノン) 0.6
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 2.5
スクワラン 2.5
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 0.25
トコフェロール 0.05
ミリスチン酸ポリグリセリル-10 0.6
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 0.2
水酸化カリウム 0.15
精製水 残 部
合計 100.0
実施例9の乳化剤型の皮膚用組成物は、補酵素Q10が高配合されているにもかかわらず、補酵素Q10に起因する析出がなく、製剤安定性に格段に優れた効果を発揮していた。

Claims (5)

  1. 補酵素Q10を含み、その含有量が0.3質量%より多く1質量%以下である皮膚用組成物であって、
    下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cとを含有することを特徴とする皮膚用組成物。
    成分A:ポリグリセリン脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤
    成分B:2価アルコール
    成分C:3価以上のアルコール
  2. 前記補酵素Q10に対する前記成分Aの含有量の比(成分A/補酵素Q10)が1/12~3/1の範囲を満たすことを特徴とする請求項1に記載の皮膚用組成物。
  3. 前記成分Bの含有量が5~20質量%であり、前記成分Cの含有量の合計量が1~15質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚用組成物。
  4. 前記成分Bの含有量と前記成分Cの含有量の質量含有比(成分B:成分C)が10:1~1:3の範囲を満たすことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の皮膚用組成物。
  5. さらに、下記成分Dを含有することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の皮膚用組成物。
    成分D:ニコチン酸及び/又はその誘導体、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体、コラーゲン及び/又はその誘導体、並びにリン脂質から選ばれる少なくとも1種
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