JP2022150706A - 含フッ素共重合体および皮革処理組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を含まず、高湿度下で水分を含有した被処理物に対して高い撥水性を付与可能な、含フッ素共重合体および皮革処理組成物を提供する。【解決手段】含フッ素共重合体は、特定の一般式で表わされる(A)含フッ素単量体由来の構成単位および(B)非フッ素単量体由来の構成単位を含み、質量比((A)/(B))が40/60~85/15である。ここで、(B)非フッ素単量体由来の構成単位は、(B-1)炭素数3~20の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、(B-2)炭素数10以上の直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、および(B-3)特定の一般式で表されるオキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、被処理物に撥水性を付与可能な含フッ素共重合体に関する。
フッ素樹脂は、様々な被処理物に対して撥水性を付与することが可能である。例えば、パーフルオロアルキル基を有する含フッ素共重合体を利用することによって、繊維、皮革、紙等に撥水性を付与することができる。
しかしながら、近年、難分解性および高蓄積性を示すことから規制物質となったパーフルオロオクチルスルホン酸(PFOS)と構造が類似するパーフルオロオクタン酸(PFOA)、およびこの類似物質、前駆体についても全廃することが、米国環境保護庁(US EPA)から提案されている。このため、炭素数が8のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体の、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体への代替が進められている。
パーフルオロアルキル基を有する含フッ素共重合体による撥水性は、パーフルオロアルキル基の末端トリフルオロメチル基が表面に配列した場合に最も優れる。しかしながら、パーフルオロアルキル基の炭素数が6以下になると、炭素数が8のパーフルオロアルキル基を有する化合物と比較し、結晶性が低く、分子運動性が高い。そのため、トリフルオロメチル基の配列が崩れやすく、撥水性が発現しにくいという問題がある。
また含フッ素共重合体により撥水性を付与する際は、通常、溶剤に溶解させたコーティング組成物として用いられる。その際、溶剤は被処理物の材質の影響を考慮し、極性溶剤よりも無極性溶剤が用いられる場合がある。
そのような中で、特許文献1では、炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を含む含フッ素(メタ)アクリル酸エステル単量体と、環状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合体を含む表面処理組成物が無極性溶剤である炭化水素系溶剤に溶解し、高い撥水性を示すことが開示されている。
特開2011-99077号公報
上記の特許文献1に示された含フッ素共重合体は、使用条件によっては高い撥水性が期待できる。しかし、特許文献1に示された含フッ素共重合体は、低湿度下で乾燥した被処理物に対して撥水性を付与できる場合であっても、高湿度下で水分を含有した被処理物に対しては撥水性を付与し難いことが分かった。
以上のような事情に鑑み、本発明の課題は、炭化水素系溶剤への溶解性を示し、炭素数8以上のパーフルロロアルキル基を含まず、高湿度下で水分を含有した被処理物に対して高い撥水性を付与可能な、含フッ素共重合体および皮革処理組成物を提供することにある。
本発明は[1]および[2]に係わるものである。
[1] 下記式(1)で表される(A)含フッ素単量体由来の構成単位および(B)非フッ素単量体由来の構成単位を含む含フッ素共重合体であって、
(B)非フッ素単量体由来の構成単位が、
(B-1)炭素数3~20の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、
(B-2)炭素数10以上の直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、および
(B-3)下記式(2)で表されるオキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を含み、
前記含フッ素共重合体において、(A)含フッ素単量体由来の構成単位と(B)非フッ素単量体由来の構成単位の質量比((A)/(B))が40/60~85/15であり、
(B)非フッ素単量体由来の構成単位の合計量を100質量部としたとき、
前記構成単位体(B-1)の質量が30~70質量部であり、前記構成単位(B-2)の質量が25~60質量部であり、前記構成単位(B-3)由来の構成単位の質量が1~10質量部であることを特徴とする、含フッ素共重合体。

Figure 2022150706000001
(式(1)中、
は水素原子またはメチル基を示し、
mは0~4の整数であり、
nは0~5の整数である。)

Figure 2022150706000002
(式(2)中、
およびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、
lは10~25の整数である。)
[2] 皮革を処理するための組成物であって、
脂肪族炭化水素、および
[1]の含フッ素共重合体を含有することを特徴とする、皮革処理組成物。
本発明によれば、炭化水素系溶剤への溶解性を示し、高湿度下で水分を含有した被処理物に対しても優れた撥水性を付与可能な含フッ素共重合体および皮革処理組成物を提供することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
[含フッ素共重合体]
本実施形態に係る含フッ素共重合体は、式(1)で表される(A)含フッ素単量体由来の構成単位と、(B)非フッ素単量体由来の構成単位を含む含フッ素共重合体である。なお、(B)非フッ素単量体由来の構成単位は、(B-1)炭素数3~20の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位と、(B-2)炭素数10以上の直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位と、(B-3)式(2)で表されるオキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位とを含むことを特徴とする。
<(A)含フッ素単量体>
(A)含フッ素単量体は、式(1)で表される含フッ素単量体である。式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは0~4の整数、nは0~5の整数である。好ましくはmは1~2であり、nは3~5である。
(A)含フッ素単量体で表される化合物の具体例としては、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3-(パーフルオロヘキシル)プロピル(メタ)アクリレート、4-(パーフルオロヘキシル)ブチル(メタ)アクリレート、2,2,2トリフルオロエチル(メタ)アクリレ-トなどが挙げられる。好ましくは、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレートであるが、水滴の滑液性を高められる点から2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレートがより好ましい。なお、(A)含フッ素単量体は、単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(B-1)環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体>
環状炭化水素基としては、飽和又は不飽和である、単環基、多環基、橋かけ環基などが挙げられる。また、この環状炭化水素基の炭素数は3~20であるが、6以上が更に好ましく、また、10以下が更に好ましい。
(B-1)炭素数3~20の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特にシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、(B-1)シクロアルキル基含有単量体は、単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。含フッ素共重合体がこれらの単量体由来の構成単位を有することで、含フッ素共重合体の分子運動性が抑制され、水の滑落性や防水性に優れる被膜を形成できる。
<(B-2)直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体>
この直鎖状の炭化水素基の炭素数は、10以上であるが、12以上が更に好ましい。また、直鎖状の炭化水素基の炭素数は、30以下であることが好ましく、22以下であることが更に好ましい。
(B-2)直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、炭化水素溶剤への溶解性との観点から、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、(B-2)アルキル基含有単量体は、単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(B-3)オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体>
(B-3)オキシエチレン基含有単量体は、式(2)で表されるオキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体である。式(2)において、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、lは10~25の整数である。
含フッ素共重合体中の(B-3)オキシエチレンを有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位により、湿潤表面に対しても撥水性に優れる被膜を形成できる。lが10よりも小さい場合、湿潤表面に対する撥水性が低下する傾向にある。一方、lが25よりも大きい場合、親水性が高まりすぎるため、撥水性の低下や炭化水素溶剤への溶解性の低下を招く傾向にある。lは、12以上が更に好ましい。また、lは、23以下であることが好ましく、18以下であることが更に好ましい。
式(2)で表される化合物の具体例としては、lが10~25の整数であるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、lが12~23の整数であるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。
<組成比率>
含フッ素共重合体において、(A)含フッ素単量体由来の構成単位と、(B)非フッ素単量体由来の構成単位の質量比を(A)/(B)とした時、40/60~85/15の範囲とするが、50/50~85/15が好ましい。当該範囲の40/60より(A)含フッ素単量体由来の構成単位が小さい場合は、撥水性が低下する。一方、85/15より(A)含フッ素単量体由来の構成単位が大きい場合は、含フッ素共重合体が炭化水素溶剤への溶解性が著しく低下する傾向がある。
(B)非フッ素単量体由来の構成単位の合計量を100質量部としたとき、単量体(B-1)由来の構成単位が30~70質量部、単量体(B-2)由来の構成単位が25~60質量部、単量体(B-3)由来の構成単位が1~10質量部とするが、水滴の滑液性を高められる点から単量体(B-1)由来の構成単位が50~70質量部、単量体(B-2)由来の構成単位が25~48質量部、単量体(B-3)由来の構成単位が2~7質量部とすることが好ましい。また単量体(B-1)由来の構成単位が60~70質量部、単量体(B-2)由来の構成単位が25~38質量部、単量体(B-3)由来の構成単位が2~7質量部が更に好ましい。
単量体(B-1)由来の構成単位が30質量部よりも小さい場合、フッ素共重合体のパーフルオロアルキル基の配向が保持されにくく、撥水性が低下する傾向にある。また、単量体(B-3)由来の構成単位が1質量部よりも小さい場合、あるいは単量体(B-3)由来の構成単位が10質量部よりも大きい場合、撥水性の低下や炭化水素溶剤への溶解性の低下を招く傾向にある。
含フッ素共重合体には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、(A)含フッ素単量体由来の構成単位と、(B-1)炭素数3~20の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、(B-2)炭素数10以上の直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、(B-3)式(2)で表されるオキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位に加えて、(C)その他の単量体由来の構成単位を含有してもよい。含フッ素共重合体における(C)その他の単量体の含有量は、含フッ素共重合体において、重合させる単量体の全量を100質量部とした場合、10質量部以下とするが、好ましくは5質量部以下である。(C)その他の単量体は含有されていなくともよい。
(C)その他の単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
<重量平均分子量>
本発明の含フッ素共重合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000~300,000の範囲とすることが好ましいが、含フッ素共重合体を溶剤に溶解させる場合、溶解性と撥水性のバランスを考慮すると、10,000~200,000の範囲であることが更に好ましい。特に好ましくは、10,000~100,000の範囲である。
本発明の含フッ素共重合体は、被処理物に対して撥水性を付与するために用いることができる。含フッ素共重合体を適用可能な被処理物としては、例えば、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等の合成繊維、これらの混合繊維及びこれらによる布地、衣料、靴、その他、ガラス繊維、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、レンガ、セメント、金属、プラスチック等が挙げられる。その中でも、皮革に対して特に高い効果が発現する。
具体的な皮革の材料としては牛、豚、馬、羊、山羊、ワニ、ヘビなどが挙げられる。また、これらの皮革材料による皮革製品が、スエード、ヌバック等の起毛加工が施されていてもよい。
<含フッ素共重合体の重合方法>
上記した含フッ素共重合体の重合方法は特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法を用いることができるが、溶液重合を行うことが好ましい。
溶液重合による重合方法では、重合開始剤存在下、各種単量体を任意の溶剤に溶解させ、窒素置換後、加熱攪拌することで含フッ素共重合体が重合できる。
本発明の含フッ素共重合体は、上記の(A)含フッ素単量体由来の構成単位および(B)非フッ素単量体由来の構成単位、(C)その他単量体由来の構成単位の配列は、特に制限されず、ランダム、ブロック、グラフトなどのいずれでもよい。
重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等を用いることができる。重合開始剤の具体例としては、tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ヘキシルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
<皮革処理組成物>
得られた含フッ素共重合体は、下記に示す溶剤に溶解または、分散させたもの、あるいは界面活性剤等を添加して水に分散させたエマルションとして使用できる。また、微粉末状にしても使用できる。
含フッ素共重合体を用いた処理方法は、スプレーコート、バーコート、ディップコート等の一般的な方法により行うことができる。
含フッ素共重合体を下記に示す溶剤に溶解または、分散させる際は、含フッ素共重合体溶液を100質量部とした場合、含フッ素共重合体の含有量を、0.1~10質量部とすることが好ましく、より好ましくは、1~10質量部とする。含フッ素共重合体の含有量が10質量部より大きい場合には、被処理物の風合いの低下や、外観不良を招く傾向にある。
重合溶媒および希釈溶剤としては、含フッ素共重合体を溶解または、分散できる溶剤であれば特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、n-ヘキサン、イソヘキサン、n-ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソパラフィン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に皮革に対して撥水処理を施す場合は、含フッ素共重合体を溶解または、分散させる溶剤としては、皮革製品の風合い低下を防げる点から、脂肪族炭化水素溶剤であることが好ましい。好ましくは、n-ヘキサン、イソヘキサン、n-ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンが挙げられるが、特にn-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
最初に実施例1~8に係る含フッ素共重合体の製造例について説明する。
(実施例1)
はじめに、温度計、撹拌機及び還流冷却管を備えた2リットルの4つ口フラスコに、n-ヘプタン697g及び、2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート〈FMAC6〉120g、シクロヘキシルメタクリレート〈CHMA〉117g、ステアリルメタクリレート〈SMA〉54g、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(l=13)〈PME550〉9gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら70℃に加熱した。
当該フラスコに、2、2‘-アゾジイソブチロニトリル3gを加え、2時間重合反応を行った。その後、80℃でさらに5時間重合反応を行うことで、含フッ素共重合体の溶液を得た。
表1に示されるように、実施例1で得られた含フッ素共重合体中の(A)含フッ素単量体由来の構成単位と(B)非フッ素単量体由来の構成単位の質量比((A)/(B))は40/60であり、(B)非フッ素単量体由来の構成単位の合計100質量部中の単量体(B-1)由来の構成単位と、単量体(B-2)由来の構成単位、単量体(B-3)由来の構成単位の質量比率((B-1)/(B-2)/(B-3))は65/30/5であった。
(実施例2~8)
実施例2~8では、単量体を表1に記載の種類または量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で含フッ素共重合体を製造した。
(比較例1~8)
比較例1~8では、単量体を表2に記載の種類または量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で含フッ素共重合体を製造した。
実施例1~8、比較例1~8で得られた含フッ素共重合体の重量平均分子量を測定した。具体的には、GPCシステムとしてTOSOH HLC-8320GPCを用い、カラムとしてTOSOH TSKgel Super Multipore HZ-Mを2本と、TOSOH
TSKgel Super H-RCを1本連続装着し、カラム温度を40℃とし、基準物質をポリスチレンとし、展開溶剤をテトラヒドロフランとし、展開溶剤は、1ml/分の流速で流し、サンプル濃度0.1質量%のサンプル溶液0.1mlを注入し、EcoSEC-Work Station GPC計算プログラムを用いて測定した
(試験片(ドライ)および試験片(ウエット)の作製)
試験片(ドライ)および試験片(ウエット)を準備した。
すなわち、温度20℃、相対湿度50%の恒温恒湿装置中で72時間以上保管した50mm×50mm×t4mmの牛ヌメ革を、試験片(ドライ)とした。
また、温度20℃、相対湿度79%の恒温恒湿装置中で72時間以上以上保管した50mm×50mm×t4mmの牛ヌメ革(吸湿度31mg/cm)を、試験片(ウェット)とした。
また、上記の各実施例及び各比較例に係る含フッ素共重合体の溶液をn-ヘプタンで希釈して濃度2.0質量%の溶液(皮革処理組成物)を調製した。調製した含フッ素共重合体の各溶液を、スプレーガンを用いて、試験片にスプレー噴霧することで塗布し、その後、試験片をそれぞれの保管温度および湿度で1時間以上乾燥させた。
(含フッ素共重合体の溶解性)
上記の濃度2.0質量%に調整した溶液の外観について、下記の基準により、評価した。

○:不溶成分がない
×:不溶成分がある
(水の滑落角測定)
測定には、DMo-501(協和界面科学株式会社製)を用いた。試験片表面に水40μLを滴下し、傾斜速度2°/秒でステージ角度を変化させた。液滴が転落を始めた角度を滑落角(単位:°)とした。なお滑落角(単位:°)の目標値は40°以下とした。
[評価結果]
表1は実施例1~8の評価結果を示し、表2は比較例1~8の評価結果を示している。
Figure 2022150706000003
FMAC6: 2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート
CHMA: シクロヘキシルメタクリレート
IBOMA:イソボルニルメタクリレート
SMA: ステアリルメタクリレート
LMA: ラウリルメタクリレート
PME550:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(l=13)
PME1000:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(l=23)
Figure 2022150706000004
FMAC6: 2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート
CHMA: シクロヘキシルメタクリレート
SMA: ステアリルメタクリレート
PME200:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(l=4)
PME400:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(l=9)
PME550:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(l=13)
表1の結果から明らかなように、実施例1~8は、いずれも炭化水素溶剤への溶解性および撥水性に優れていた。
一方、表2から明らかなように、比較例1~8では、これらの性能のバランスが不十分であった。
具体的には、比較例1では、単量体(B’-3)のオキシエチレン基の付加モル数が過少であるため、乾燥時の試験片の撥水性および湿潤時の撥水性が劣っていた。
比較例2~4では、単量体(B’-3)のオキシエチレン基の付加モル数が過少であるため、乾燥時の試験片の撥水性は優れているのにもかかわらず、湿潤時の撥水性が劣っていた。
比較例5では、単量体(B-1)由来の構成単位の比率が過小であり、かつ単量体(B-2)由来の構成単位の比率が過大であるため、撥水性が劣っていた。
比較例6では、単量体(B-3)由来の構成単位の比率が過大であるため、n-ヘプタンへの溶解性が劣っていた。
比較例7では、単量体(A)由来の構成単位の比率が過小であるため、撥水が劣っていた。
比較例8では、単量体(A)由来の構成単位の比率が過大であるため、n-ヘプタンへの溶解性が劣っていた。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される(A)含フッ素単量体由来の構成単位および(B)非フッ素単量体由来の構成単位を含む含フッ素共重合体であって、
    (B)非フッ素単量体由来の構成単位が、
    (B-1)炭素数3~20の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、
    (B-2)炭素数10以上の直鎖状の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位、および
    (B-3)下記式(2)で表されるオキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を含み、
    前記含フッ素共重合体において、(A)含フッ素単量体由来の構成単位と(B)非フッ素単量体由来の構成単位の質量比((A)/(B))が40/60~85/15であり、
    (B)非フッ素単量体由来の構成単位の合計量を100質量部としたとき、
    前記構成単位(B-1)の質量が30~70質量部であり、前記構成単位(B-2)の質量が25~60質量部であり、前記構成単位(B-3)の質量が1~10質量部であることを特徴とする、含フッ素共重合体。

    Figure 2022150706000005
    (式(1)中、
    は水素原子またはメチル基を示し、
    mは0~4の整数であり、
    nは0~5の整数である。)

    Figure 2022150706000006
    (式(2)中、
    およびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、
    lは10~25の整数である。)
  2. 皮革を処理するための組成物であって、
    脂肪族炭化水素、および
    請求項1記載の含フッ素共重合体を含有することを特徴とする、皮革処理組成物。
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