JP2022149471A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたインク吸収性を奏し、且つマット面でキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料の製造方法を提供する。【解決手段】非吸水性支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有するインク受容層(B)、及び、平均二次粒子径が4.0~11.5μmの湿式法シリカと両性界面活性剤を含有するインク受容層(A)とをこの順に形成した後、該インク受容層(A)及び(B)を有する側の面をエンボス圧5~16MPa、且つ加工速度10~30m/分でエンボス加工する。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料の製造方法に関する。詳しくは優れたインク吸収性を奏し、且つマット面でキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法に関する。
近年のインクジェット記録の飛躍的な技術革新に伴い、例えば染料インクを用いたプリンターによる精細な印字画像は、銀塩写真で得ることのできるプリントに匹敵あるいは凌駕しつつある。また印字の高速化はめざましく、プリンターの性能を十分に発揮するために、画像品質とインク吸収性の高いインクジェット記録材料が要望されている。
インクジェット記録において銀塩写真に匹敵する画像品質の写真画像が印刷可能となったことから、記録材料として、一般にはフォトライクな質感や光沢感(一般的には高い光沢度)を有するインクジェット記録材料が求められるが、一方では、ユーザーの趣向等によりフォトライクな面感を有しながら、マット面で深みのある落ち着いた画像やキャンバス調で温かみのある画像が得られる記録材料が要望されている。
マット面の画像が得られるインクジェット記録材料としては、例えば特開2015-147339号公報(特許文献1)には、基材上に1層以上の第1のインク受容層を塗設する工程と、前記第1のインク受容層上に、最表層として平均二次粒子径が1.5μm以上5.0μm以下の顔料を含む第2のインク受容層を塗設するインクジェット記録材料が記載され、特開2020-157556号公報(特許文献2)には非吸水性支持体から最も離れた位置のインク受容層が、平均二次粒子径が4.0~20.0μmの湿式法シリカ、シラノール変性ポリビニルアルコール及び両性界面活性剤を含有するインクジェット記録材料が記載されている。
またキャンバス調の画像が得られるインクジェット記録材料としては、例えば特開2006-272798号公報(特許文献3)にはエンボス加工した支持体にインク受容層塗布液を塗設したインクジェット記録材料が記載され、特開2007-76214号公報(特許文献4)には支持体上にインク受容層を形成した後、互いに噛み合う凹凸が周面に各々形成された一対の雄雌エンボスロールで両面エンボス加工されたインクジェット記録材料が記載されている。
特開2015-147339号公報 特開2020-157556号公報 特開2006-272798号公報 特開2007-76214号公報
上述したマット面やキャンバス調のインクジェット記録材料に加え、マット面で、且つキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料が要望されている。しかしながら、特許文献3のように、エンボス加工した支持体にインク受容層を設けた場合は、インク吸収性は問題ないものの、十分なマット面でキャンバス調の風合いが得られない場合があった。また、特許文献4のように、インク受容層を形成した後に特定のエンボスロールで挟み込み、両面にエンボス加工を施した場合は、マット面で、且つキャンバス調の風合いは得られるものの、十分なインク吸収性が得られない場合があった。
本発明は、優れたインク吸収性を奏し、マット面でキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料の製造方法を提供することを課題とする。
上記した本発明の課題は、以下の発明によって解決された。
非吸水性支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有するインク受容層(B)、及び、平均二次粒子径が4.0~11.5μmの湿式法シリカと両性界面活性剤を含有するインク受容層(A)とをこの順に形成した後、該インク受容層(A)及び(B)を有する側の面をエンボス圧5~16MPa、且つ加工速度10~30m/分でエンボス加工するインクジェット記録材料の製造方法。
本発明によって、優れたインク吸収性を奏し、マット面でキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法を提供することができる。
本発明においては、前記したインク受容層にキャンバス調の風合いを付与するために、前記したインク受容層(A)及び(B)を有する側の面をエンボス圧5~16MPa、且つ加工速度10~30m/分でエンボス加工する。これにより、優れたインク吸収性を奏し、マット面でキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料を得ることができる。エンボス圧が16MPaを超えたり、加工速度が10m/分より遅かったりすると、インク吸収性が低下する。またエンボス圧が5MPaより低かったり加工速度が30m/分より早かったりすると、十分なキャンバス調の風合いが得られない。本発明は、これらの問題を回避するため、エンボス圧及び加工速度を最適化し、更に非吸収性支持体から離れたインク受容層が特定の平均二次粒子径の湿式法シリカと両性界面活性剤を含有することによって、インク吸収性が良好で、且つマット面でキャンバス調の風合いを満足しうるインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法を見出したものである。
<インク受容層(A)>
インク受容層(A)について説明する。
本発明においてインク受容層(A)は平均二次粒子径が4.0~11.5μmの湿式法シリカを含有する。インク受容層(A)が含有する湿式法シリカの平均二次粒子径が4.0μm未満になると、あるいは平均二次粒子径が11.5μmを超えると、染料インクで印字した際に十分なインク吸収性が得られない。本発明において平均二次粒子径は、レーザー散乱式の粒度分布測定装置で測定して得られる値であり、例えば(株)堀場製作所製のLA-920を用いて測定することができる。
本発明のインク受容層(A)が含有する湿式法シリカの吸油量は200~350ml/100gの範囲であることが好ましい。吸油量は、JIS K5101-13:2004の記載に基づき測定される。湿式法シリカとしては、沈降法シリカ、ゲル法シリカ及びゾル法シリカに分類されるが、本発明においては特にゲル法シリカが好ましい。これにより特に染料インクでのインク吸収性に優れたインクジェット記録材料を得ることができる。
本発明のインク受容層(A)が含有する湿式法シリカは、分散・粉砕して微粒子化したものや粉砕を粗くした粒状のものを使用することができる。微粒化した粉体としては水澤化学工業(株)からミズカシル(登録商標)、東ソー・シリカ(株)からニップジェル(登録商標)として市販され入手することができる。また、粉砕を粗くした粒状のものとしては、一般的にシリカゲルとも表現されており、乾燥剤やクロマトグラフィー充填剤等に利用されている。これらの粒状のものとしては豊田化工(株)からQPタイプ、富士シリシア化学(株)からフジシリカゲルとして市販され入手することができる。
前記した湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕したものが好ましく使用できる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカを粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いて湿式法シリカ分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。湿式法シリカ分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては5~35質量%、より好ましくは10~25質量%である。更に粒子径を小さくする場合は、前記湿式法シリカ分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕することができる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
前記した湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59-20696号公報、特開昭59-33176号公報、特開昭59-33177号公報、特開昭59-155088号公報、特開昭60-11389号公報、特開昭60-49990号公報、特開昭60-83882号公報、特開昭60-109894号公報、特開昭62-198493号公報、特開昭63-49478号公報、特開昭63-115780号公報、特開昭63-280681号公報、特開平1-40371号公報、特開平6-234268号公報、特開平7-125411号公報、特開平10-193776号公報等に記載された1~3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。
本発明のインク受容層(A)は、平均二次粒子径が4.0~11.5μmの湿式法シリカを、インク受容層(A)の全固形分に対して35質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは45質量%以上であり、特に好ましくは55質量%以上である。これにより染料・顔料いずれのインクによる印字においても、インク吸収性が良好なインクジェット記録材料を得ることができる。
本発明のインク受容層(A)が含有する湿式法シリカの固形分含有量は、0.5~5.0g/mであることが好ましい。0.5g/m未満では、マット面を得ることが困難となる場合があり、5.0g/mを超えると発色性が低下する場合がある。
本発明のインク受容層(A)は両性界面活性剤を含有する。インク受容層(A)が両性界面活性剤を含有することで、インク受容層(A)の空隙構造が均一に形成されるため良好なインク吸収性が得られる。
本発明のインク受容層(A)が含有する両性界面活性剤としては、種々の両性界面活性剤を用いることができる。例えばアミドスルホベタイン型、アミドベタイン型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホアンモニウムベタイン型、アミノ酸型、アンモニウム硫酸エステルベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型、ラウリルヒドロキシスルホベタイン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン型、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン型、オクタン酸アミドプロピルベタイン型等の両性界面活性剤が挙げられ、米国特許第3,843,368号、特開昭59-49535号公報、特開昭63-236546号公報、特開平5-303205号公報、特開平8-262742号公報、特開平10-282619号公報等に記載されている。
前記した両性界面活性剤は市販品を入手して利用することができる。例えば川研ファインケミカル(株)より市販されるソフタゾリン(登録商標)LSB、ソフタゾリンLSB-R、第一工業製薬(株)より市販されるアモーゲン(登録商標)S-H、花王(株)より市販されるアンヒトール(登録商標)20HD等を例示することができる。
本発明のインク受容層(A)が含有する両性界面活性剤の含有量は、湿式法シリカの含有量に対して0.1質量%以上であることが好ましい。0.1質量%よりも少ないと、塗布時にひび割れやハジキ等の塗布欠陥が生じる場合がある。またインク受容層(A)中の両性界面活性剤の含有量の上限は湿式法シリカの含有量に対して10質量%以下であることが好ましい。10質量%を超えるとインク吸収性や発色性に悪影響を与える場合がある。
本発明のインク受容層(A)は水溶性バインダーを含有することが好ましい。該水溶性バインダーとしては、公知の水溶性バインダーを含有することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や各種変性澱粉、ゼラチンや各種変性ゼラチン、キトサン、カラギーナン、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールや各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を例示することができる。これらの中でも、優れたインク吸収性が得られる観点から、シラノール変性ポリビニルアルコールを好ましく用いることができる。該シラノール変性ポリビニルアルコールは(株)クラレから、クラレポバール(登録商標)25-98R(旧銘柄R-1130)が市販されており入手することができる。
前記した水溶性バインダーの含有量は、インク吸収性や発色性の観点から、該インク受容層(A)が含有する平均二次粒子径が4.0~11.5μmの湿式法シリカに対して10~70質量%であることが好ましく、より好ましくは15~65質量%である。
本発明のインク受容層(A)は上記した水溶性バインダーとともにその架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、水溶性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、水溶性バインダーとしてポリビニルアルコールや各種変性ポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。インク受容層(A)における架橋剤の含有量は、水溶性バインダーに対して0.1~40質量%が好ましく、より好ましくは0.5~35質量%である。
本発明のインク受容層(A)は上記水溶性バインダーに加えて、更に他の公知の樹脂バインダーを含有することもできる。樹脂バインダーとして、例えば、スチレン-ブタジエン系共重合体、スチレン-アクリル系共重合体、エチレン-酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン-メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル-ブチルアクリレート系共重合体等の各種ラテックスを例示することができる。他の樹脂バインダーの含有量は水溶性バインダーの含有量以下であることが好ましい。
<インク受容層(B)>
本発明のインク受容層(A)と非吸水性支持体との間に位置するインク受容層(B)について説明する。
本発明のインク受容層(B)は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有する。該無機微粒子の含有量は、インク受容層(B)の全固形分に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは65質量%以上である。上限は95質量%以下であることが好ましい。本発明でいう無機微粒子の平均二次粒子径はレーザー散乱法によって測定して得られる値である。
本発明のインク受容層(B)が含有する無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられる。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として、丸尾カルシウム(株)からはトクシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップジェルとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。気相法シリカとしては、例えば日本アエロジル(株)からAEROSIL(登録商標)として、(株)トクヤマからレオロシール(登録商標)として市販されている。
本発明のインク受容層(B)には、気相法シリカが好ましく使用できる。インク受容層(B)が含有する気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、平均一次粒子径が3~15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものがより好ましく、平均一次粒子径が3~10nmでかつBET法による比表面積が250~500m/gのものが特に好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは10~300nmに分散したものが好ましく使用できる。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定したものを指す。
本発明のインク受容層(B)には、湿式法シリカも好ましく使用できる。インク受容層(B)が含有する湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明のインク受容層(B)に用いられる湿式法シリカとしては、平均一次粒子径が50nm以下、好ましくは3~40nmであり、かつ平均二次粒子径が500nm以下である湿式法シリカが好ましく、平均二次粒子径が20~300nmである湿式法シリカがより好ましい。
前記した気相法シリカ及び湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕したものが好ましく使用できる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカ及び湿式法シリカを粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては5~35質量%、より好ましくは10~25質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕することが好ましい。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
前記した気相法シリカ及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59-20696号公報、特開昭59-33176号公報、特開昭59-33177号公報、特開昭59-155088号公報、特開昭60-11389号公報、特開昭60-49990号公報、特開昭60-83882号公報、特開昭60-109894号公報、特開昭62-198493号公報、特開昭63-49478号公報、特開昭63-115780号公報、特開昭63-280681号公報、特開平1-40371号公報、特開平6-234268号公報、特開平7-125411号公報、特開平10-193776号公報等に記載された1~3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2000~10万程度が好ましく、特に2000~3万程度が好ましい。
本発明のインク受容層(B)が含有することができるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ-アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ-アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは20~300nmである。
本発明のインク受容層(B)が含有することができるアルミナ水和物はAl・nHO(n=1~3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用できるアルミナ水和物の平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは20~300nmである。アルミナ及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
前記した平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を選択し併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。
本発明のインク受容層(B)は水溶性バインダーを含有することが好ましい。水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500~6000が好ましく、1000~5000がより好ましい。
前記したポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク受容層(B)が含有する水溶性バインダーの含有量は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の総量に対して3~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。これによりインク吸収性に優れたインク受容層を得ることができる。
本発明のインク受容層(B)は、前記した水溶性バインダーに加えて架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、水溶性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、水溶性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。インク受容層(B)における架橋剤の含有量は、水溶性バインダーに対して0.1~40質量%が好ましく、より好ましくは0.5~30質量%である。
本発明のインク受容層(A)及び(B)は、前述の非晶質合成シリカの分散時に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として含有してもよい。また、インク受容層(A)及び(B)は、耐水性向上等のため水溶性多価金属化合物を含有してもよい。水溶性多価金属化合物としては水溶性アルミニウム化合物が好ましく利用できる。
水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6-n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
前記した水溶性多価金属化合物の含有量は、インク受容層が含有する無機微粒子に対して0.1~10質量%の範囲が好ましい。
本発明のインク受容層(A)及び(B)は、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を含有することもできる。
本発明のインク受容層(A)及び(B)合計の乾燥塗布量は20~60g/mであることが好ましい。
本発明のインク受容層(A)及び(B)の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
<エンボス加工>
次に、本発明のエンボス加工について説明する。
非吸水性支持体上に前述したインク受容層を塗設した後、キャンバス調の風合いを付与するためにエンボス加工を行う。エンボス加工を行う際には、彫刻ロールの型付きの形状、弾性ロールの材質、エンボス圧、加工速度などを調整する。本発明はこれらの条件の中でもエンボス圧と加工速度が重要であることを見出したものである。
本発明の製造方法におけるエンボス加工のエンボス圧は5~16MPaである。これによりインク吸収性が良好で、深い凹部の型付けを行うことができる。エンボス圧が5MPa未満では、彫刻ロール凹部が浅くなり良好なキャンバス調の風合いが得られない。逆に、16MPaを超えると凹部は深くなるが、インク受容層の空隙構造が破壊され、インク吸収性が低下する。
本発明の製造方法におけるエンボス加工の加工速度は10~30m/分である。これによりインク吸収性が良好で、均一に凹部の型付けを行うことができる。加工速度が10m/分より遅いと、インク吸収性が低下する。逆に、加工速度が30m/分を超えると、凹部が不均一になり良好なキャンバス調の風合いが得られない。
本発明のエンボス加工による模様としては特に限定されず、例えば梨地、絹目、布目、ホームスパン、波目、格子、市松、唐草などの模様、あるいは円形、三角形、四角形、多角形、星形などが挙げられる。
本発明のエンボス加工の際には、加熱してもよいし、加熱しなくてもよく、使用する生産設備条件などにより適宜選択することが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は質量基準である。
(インクジェット記録材料1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10部のアナターゼ型二酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
前記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m(約0.05μm)となるように塗布乾燥してポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を作製した。
<下引き層組成>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸2-エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
<インク受容層塗布液(A)作製>
<湿式法シリカ分散液1の作製>
イオン交換水に第4級アンモニウム塩基を有するポリマー(大和化学工業(株)製、サンブライト(登録商標)KH-55)8.0部と市販のゲル法シリカ(東ソー・シリカ(株)製、ニップジェルAZ6A0、吸油量310ml/100g)100部を添加混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)にて80分間分散して、固形分濃度が11.4%の湿式法シリカ分散液1を得た。湿式法シリカ分散液1の平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、8.5μmであった。
<インク受容層塗布液(A)組成>
湿式法シリカ分散液1(ゲル法シリカの固形分として) 100部
シラノール変性ポリビニルアルコール
((株)クラレ製、クラレポバール25-98R) 25部
ほう酸 8.7部
第4級アンモニウム塩カチオンポリマー
(センカ(株)製、HP-110A) 15部
ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合体
(田岡化学工業(株)製、スミレーズ(登録商標)レジン1001) 15部
両性界面活性剤
(川研ファインケミカル(株)製、ソフタゾリンLSB-R) 1.0部
塗布液に対して3質量%となるようにエタノールを添加した。
<インク受容層塗布液(B)作製>
<気相法シリカ分散液1の作製>
水にジメチルアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(第一工業製薬(株)製、シャロール(登録商標)DC902P、分子量9,000)3部と気相法シリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL300、平均一次粒子径7nm、BET比表面積300m/g)、100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒、60分間分散)を使用して予備分散液を得た。次に該予備分散液を圧力ホモジナイザーにて50MPaの条件で2回通過させて、固形分濃度が11.4%の気相法シリカ分散液1を得た。該気相法シリカ分散液1が含有する気相法シリカの平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、140nmであった。
<インク受容層塗布液(B)組成>
気相法シリカ分散液1(気相法シリカの固形分として) 100部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール
((株)クラレ製、95-88、ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
塗布液に対して6質量%となるようにエタノールを添加した。
前記したポリオレフィン樹脂被覆紙の下引き層を設けた面に、前記組成のインク受容層塗布液(B)を1層目として固形分塗布量が20.2g/m、前記組成のインク受容層塗布液(A)を最上層として、湿式法シリカの固形分塗布量が3.2g/mとなるようにスライドビードコーターで塗布した。塗布後10℃で20秒間冷却し、その後、30~55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。その後、インク受容層を有する面を、エンボス圧10MPa、加工速度20m/分、エンボス柄「格子」、処理温度25℃でエンボス加工して、インクジェット記録材料1を作製した。
(インクジェット記録材料2の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工のエンボス圧を10MPaから6MPaに変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料2を作製した。
(インクジェット記録材料3の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工のエンボス圧を10MPaから14MPaに変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料3を作製した。
(インクジェット記録材料4の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工の加工速度を20m/分から12m/分に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料4を作製した。
(インクジェット記録材料5の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工の加工速度を20m/分から28m/分に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料5を作製した。
(インクジェット記録材料6の作製)
<湿式法シリカ分散液2の作製>
イオン交換水に第4級アンモニウム塩ポリマー(大和化学工業(株)製、サンブライトKH-55)8.0部と市販のゲル法シリカ(東ソー・シリカ(株)製、ニップジェルAZ6A0)100部を添加混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)にて60分間分散して分散液を得た。次に該分散液を高圧ホモジナイザーにて500MPaの条件で3回通過させて、固形分濃度が11.4%の湿式法シリカ分散液2を得た。湿式法シリカ分散液2の平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、5.0μmであった。
インクジェット記録材料1の作製において、インク受容層塗布液(A)が含有する湿式法シリカ分散液1を湿式法シリカ分散液2に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料6を作製した。
(インクジェット記録材料7の作製)
<湿式法シリカ分散液3の作製>
イオン交換水に第4級アンモニウム塩ポリマー(大和化学工業(株)製、サンブライトKH-55)8.0部と市販のゲル法シリカ(東ソー・シリカ(株)製、ニップジェルAZ6A0)100部を添加混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)にて30分間分散して、固形分濃度が11.4%の湿式法シリカ分散液3を得た。湿式法シリカ分散液3の平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、10.0μmであった。
インクジェット記録材料1の作製において、インク受容層塗布液(A)が含有する湿式法シリカ分散液1を湿式法シリカ分散液3に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料7を作製した。
(インクジェット記録材料8の作製)
<湿式法シリカ分散液4の作製>
イオン交換水に第4級アンモニウム塩ポリマー(大和化学工業(株)製、サンブライトKH-55)8.0部と市販のゲル法シリカ(東ソー・シリカ(株)製、ニップジェルAZ6A0)100部を添加混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)にて20分間分散して、固形分濃度が11.4%の湿式法シリカ分散液1を得た。湿式法シリカ分散液4の平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、13.0μmであった。
インクジェット記録材料1の作製において、インク受容層塗布液(A)が含有する湿式法シリカ分散液1を湿式法シリカ分散液4に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料8を作製した。
(インクジェット記録材料9の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工のエンボス圧を10MPaから4MPaに変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料9を作製した。
(インクジェット記録材料10の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工のエンボス圧を10MPaから18MPaに変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料10を作製した。
(インクジェット記録材料11の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工の加工速度を20m/分から8m/分に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料11を作製した。
(インクジェット記録材料12の作製)
インクジェット記録材料1の作製においてエンボス加工の加工速度を20m/分から34m/分に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料12を作製した。
(インクジェット記録材料13の作製)
<湿式法シリカ分散液5の作製>
イオン交換水に第4級アンモニウム塩ポリマー(大和化学工業(株)製、サンブライトKH-55)8.0部と市販のゲル法シリカ(東ソー・シリカ(株)製、ニップジェルAZ6A0)100部を添加混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)にて60分間分散して分散液を得た。次に該分散液を高圧ホモジナイザーにて500MPaの条件で6回通過させて、固形分濃度が11.4%の湿式法シリカ分散液3を得た。湿式法シリカ分散液2の平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、3.0μmであった。
インクジェット記録材料1の作製において、インク受容層塗布液(A)が含有する湿式法シリカ分散液1を湿式法シリカ分散液5に変更した以外は同じようにしてインクジェット記録材料13を作製した。
(インクジェット記録材料14の作製)
<気相法シリカ分散液2の作製>
水にジメチルアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9,000)3部と気相法シリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL300、平均一次粒子径7nm、BET比表面積300m/g)、100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒、60分間分散)を使用して分散液を得た。次に該分散液を圧力ホモジナイザーにて20MPaの条件で1回通過させて、固形分濃度が11.4%の気相法シリカ分散液2を得た。該気相法シリカ分散液2の平均二次粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA-920)にて測定した結果、650nmであった。
インクジェット記録材料1の作製において、インク受容層塗布液(B)が含有する気相法シリカ分散液1を気相法シリカ分散液2に変更した以外は全て同じようにしてインクジェット記録材料14を作製した。
得られた記録材料について、以下の項目を評価し、その結果を表1に表した。
<インク吸収性評価>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-807AB:染料インク)を用いて画像を印刷し、印刷画像をルーペ(50倍)で目視観察した。インク吸収性については下記の基準にて評価を行った。なお、評価に用いた画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーンの各色ベタ画像及び各色ベタ画像部中に白抜き文字を組み入れたパターンからなる。本発明において、○あるいは△の評価であればインク吸収性が優れるものとする。
○:速やかに各インクが吸収され、印字部が隣接する境界にも滲みは認められない。
△:各インクがややあふれ、印字部が隣接する境界に少し滲みが認められるが、実使用上は問題とならない。
×:目視観察で各インクが明確にあふれている。また印字部が隣接する境界にも滲みが認められ、実使用上問題となる。
<風合い評価>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-807AB:染料インク)を用いて画像を印刷し、目視観察にて印刷画像の風合いを下記の基準にて評価した。本発明において、○あるいは△の評価であれば、実使用上問題ないものとする。
○:十分なマット面でキャンバス調の風合いが得られた。
△:マット面あるいはキャンバス調の風合いが若干劣るが、許容できるレベル。
×:マット面あるいはキャンバス調の風合いに乏しく、許容できないレベル。
Figure 2022149471000001
表1の結果から明らかなように、本発明によって、優れたインク吸収性を奏し、マット面でキャンバス調の風合いを有するインクジェット記録材料が得られることが判る。

Claims (1)

  1. 非吸水性支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有するインク受容層(B)、及び、平均二次粒子径が4.0~11.5μmの湿式法シリカと両性界面活性剤を含有するインク受容層(A)とをこの順に形成した後、該インク受容層(A)及び(B)を有する側の面をエンボス圧5~16MPa、且つ加工速度10~30m/分でエンボス加工するインクジェット記録材料の製造方法。
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