JP2022148552A - プログラム、情報処理方法、及びシステム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022148552000001
【課題】本発明の目的は、携帯端末によって鞍乗型車両の転倒を好適に検知することにある。また、他の目的として、鞍乗型車両が転倒した際に、ライダが所有する携帯端末と鞍乗型車両との通信接続が切断される場合であっても、好適に転倒を検知することにある。
【解決手段】鞍乗型車両及び第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末が、鞍乗型車両から鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信する。鞍乗型車両と第1の携帯端末と間の通信状態である第1の通信状態を示す情報を取得する。受信した情報に基づく鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、第1の通信状態が途絶えている場合に、鞍乗型車両が転倒したと判定する。
【選択図】図5B

Description

本発明は、鞍乗型車両の転倒を検知して通報するプログラム、情報処理方法、及びシステムに関する。
鞍乗型車両において、車体の転倒を検知して自動通報する技術が知られている。特許文献1には、転倒発生時であっても通報が必要でない場合に、通報をキャンセルできるキャンセルスイッチに関する技術が提案されている。
国際公開第2018/225427号
上記従来技術では、車体の転倒はバイクのセンサによって判断して通信部より通報することになっているが、バイクに通信部を組みこむ場合には、バイク自体に通報可能な通信機能を備えさせる必要が有り、その通信に対して月額料金などのコストが掛かることの課題がある。一方で、バイクに通報機能を設けない場合には、通報を行う外部装置において、より正確にバイクの転倒を検知することが課題となる。
本発明の目的は、携帯端末によって鞍乗型車両の転倒を好適に検知することにある。また、携帯端末の通信ユニットを利用して転倒時の通報を行うことにより、通信費を抑えることにある。
本発明によれば、 鞍乗型車両及び第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末に、
前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信工程と、
前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末と間の通信状態である第1の通信状態を示す情報を取得する取得工程と、
前記受信工程で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、前記第1の通信状態が途絶えている場合に、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定工程と、
を実行させるプログラム。
が提供される。
本発明によれば、携帯端末が転倒を判断して、予め設定している連絡先へ自動的に通報を行うことが可能となる。また、鞍乗型車両に通報を行うための広帯域無線通信のユニットを設ける必要が無く、ライダのスマートフォン等を利用することができ、通信費を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係るシステム構成図。 本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の側面図。 図2の鞍乗型車両の正面図。 システムの制御構成を示すブロック図。 システムの通信接続を示す図。 システムの通信接続の途絶例を示す図。 システムの通信接続の途絶例を示す図。 携帯端末における転倒時の基本フローチャート。 鞍乗型車両における転倒時のフローチャート。 携帯端末における転倒時処理の詳細なフローチャート。 連絡先の設定画面の一例を示す図。 携帯端末における通報停止画面の一例を示す図。 ウェアラブル端末における通報停止画面の一例を示す図。 通報画面の一例を示す図。 携帯端末における身体的異常検出処理の一例を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
各図において、矢印X、Y、Zは互いに直交する方向を示し、X方向は鞍乗型車両の前後方向、Y方向は鞍乗型車両の車幅方向(左右方向)、Z方向は上下方向を示す。鞍乗型車両の左、右は前進方向で見た場合の左、右である。以下、鞍乗型車両の前後方向の前方または後方のことを単に前方または後方と呼ぶ場合がある。また、鞍乗型車両の車幅方向(左右方向)の内側または外側のことを単に内側または外側と呼ぶことがある。
<第1の実施形態>
<通報システムの全体構成>
以下では本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る通報システムの全体構成を示す図である。本システムは、鞍乗型車両100、携帯端末200、外部機器300、400、及びウェアラブル端末500を含んで構成される。なお、本発明を限定する意図はなく、他の装置が含まれてもよい。
本システムは、鞍乗型車両100の転倒を検知して、鞍乗型車両100のライダが所有する携帯端末200が各種情報を収集し、所定の連絡先、例えば緊急連絡先(119番)、知人の携帯端末、情報蓄積サーバなどの外部機器へ移動体通信(4G、5G)などの広帯域無線通信により通報を行う。これらの所定の連絡先は事前に設定可能である。外部機器300は所定の連絡先として設定された知人の携帯端末を示し、外部機器400は例えば119番によって接続される消防署の端末や、病院等の端末を示す。
本システムでは、鞍乗型車両100と携帯端末200とウェアラブル端末500とがそれぞれBluetooth(登録商標)ユニットを介した無線通信(ここではBluetooth通信)によって通信を行う。携帯端末200は、鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との間の無線通信が途絶えた場合に鞍乗型車両100が転倒したと判断する。なお、携帯端末200は、この判断を鞍乗型車両100の走行中に行うため、鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信し、受信した移動速度が所定の速度以上である場合に上述の判断を行う。転倒したと判断した場合には携帯端末200は、鞍乗型車両100、ウェアラブル端末500や自装置から各種情報を取得して、所定の連絡先に転倒した旨と、取得した情報とを通知する。ウェアラブル端末500は、鞍乗型車両100のライダが身に着けているスマートウォッチ等であり、例えばライダの心拍、血圧、心電、血中酸素、腕の動き等の生体情報を検知することができ、検知した生体情報を携帯端末200へ無線通信(例えば、Bluetooth通信)により送信する。鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との間の通信が途絶えたことを示す情報は、鞍乗型車両100とウェアラブル端末と500のうち携帯端末200との通信を維持している側から、携帯端末200へと送信される。
このように、本システムでは、携帯端末200が各種情報を収集し、鞍乗型車両100の転倒を判断し、広帯域無線通信により通報を行う。これにより、鞍乗型車両100に広帯域無線通信を行うためのユニットを別途設ける必要がなく、好適に通報を行うことができる。
<鞍乗型車両の概要>
図2は、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両100の右側の側面図、図3は鞍乗型車両100の正面図である。
鞍乗型車両100は、長距離の移動に適したツアラー系の自動二輪車であるが、本発明は他の形式の自動二輪車を含む各種の鞍乗型車両に適用可能であり、また、内燃機関を駆動源とする車両のほか、モータを駆動源とする電動車両にも適用可能である。以下、鞍乗型車両100のことを車両100と呼ぶ場合がある。また、本実施形態では、車両の一例として二輪の鞍乗型車両を例に説明するが、本発明を限定する意図はなく例えば四輪駆動車両など種々の車両に適用可能である。
車両100は、前輪FWと後輪RWとの間にパワーユニット2を備える。パワーユニット2は本実施形態の場合、水平対向六気筒のエンジン21と変速機22とを含む。変速機22の駆動力は不図示のドライブシャフトを介して後輪RWに伝達され、後輪RWを回転する。
パワーユニット2は車体フレーム3に支持されている。車体フレーム3は、X方向に延設された左右一対のメインフレーム31を含む。メインフレーム31の上方には、燃料タンク5やエアクリーナボックス(不図示)が配置されている。燃料タンク5の前方には、ライダに対して各種の情報を表示する電子画像表示装置等を備えたメータパネルMPが設けられている。
メインフレーム31の前側端部には、ハンドル8によって回動される操向軸(不図示)を回動自在に支持するヘッドパイプ32が設けられている。メインフレーム31の後端部には、左右一対のピボットプレート33が設けられている。ピボットプレート33の下端部とメインフレーム31の前端部とは左右一対のロワアーム(不図示)により接続され、パワーユニット2はメインフレーム31とロワアームとに支持される。メインフレーム31の後端部には、また、後方へ延びる左右一対のシートレール(不図示)が設けられており、シートレールはライダが着座するシート4aや同乗者が着座するシート4b及びリアトランク7b等を支持する。
ピボットプレート33には、前後方向に延びるリアスイングアーム(不図示)の前端部が揺動自在に支持されている。リアスイングアームは、上下方向に揺動可能とされ、その後端部に後輪RWが支持されている。後輪RWの下部側方には、エンジン21の排気を消音する排気マフラ6がX方向に延設されている。後輪RWの上部側方には左右のサドルバック7aが設けられている。
メインフレーム31の前端部には、前輪FWを支持するフロントサスペンション機構9が構成されている。フロントサスペンション機構9は、アッパリンク91、ロワリンク92、フォーク支持体93、クッションユニット94、左右一対のフロントフォーク95を含む。
アッパリンク91及びロワリンク92は、それぞれメインフレーム31の前端部に上下に間隔を開けて配置されている。アッパリンク91及びロワリンク92の各後端部は、メインフレーム31の前端部に設けられた支持部31a、31bに揺動自在に連結されている。アッパリンク91及びロワリンク92の各前端部は、フォーク支持体93に揺動自在に連結されている。アッパリンク91及びロワリンク92は、それぞれ前後方向に延びるとともに実質的に平行に配置されている。
クッションユニット94は、コイルスプリングにショックアブソーバを挿通した構造を有し、その上端部は、メインフレーム31に揺動自在に支持されている。クッションユニット94の下端部は、ロワリンク92に揺動自在に支持されている。
フォーク支持体93は、筒状をなすとともに後傾している。フォーク支持体93の上部前部には、アッパリンク91の前端部が回動可能に連結されている。フォーク支持体93の下部後部には、ロワリンク92の前端部が回動可能に連結されている。
フォーク支持体93には操舵軸96がその軸回りに回転自在に支持されている。操舵軸96はフォーク支持体93を挿通する軸部(不図示)を有する。操舵軸96の下端部にはブリッジ(不図示)が設けられており、このブリッジには左右一対のフロントフォーク95が支持されている。前輪FWはフロントフォーク95に回転自在に支持されている。操舵軸96の上端部は、リンク97を介して、ハンドル8によって回動される操向軸(不図示)に連結されている。ハンドル8の操舵によって操舵軸96が回転し、前輪FWが操舵される。
車両100は、前輪FWを制動するブレーキ装置19Fと後輪RWを制動するブレーキ装置19Fとを備える。ブレーキ装置19F、19Rはブレーキレバー8a又はブレーキペダル8bに対するライダの操作により作動可能に構成されている。ブレーキ装置19F、19Rは、例えば、ディスクブレーキである。ブレーキ装置19F、19Rを区別しない場合は、これらを総称してブレーキ装置19と呼ぶ。
車両100の前部には、車両100の前方に光を照射するヘッドライト11が配置されている。本実施形態のヘッドライト11は右側の光照射部11Rと、左側の光照射部11Lとを左右対称に備える二眼タイプのヘッドライトユニットである。しかし、一眼タイプや三眼タイプのヘッドライユニット、或いは、左右非対称の二眼タイプのヘッドライトユニットも採用可能である。
車両100の前部はフロントカウル12で覆われ、車両100の前側の側部は左右一対のサイドカウル14で覆われている。フロントカウル12の上方にはスクリーン13が配置されている。スクリーン13は走行中にライダが受ける風圧を軽減する風防であり、例えば、透明な樹脂部材で形成されている。
フロントカウル12の側方には左右一対のサイドミラーユニット15が配置されている。サイドミラーユニット15にはライダが後方を視認するためのサイドミラー(不図示)が支持されている。
本実施形態の場合、フロントカウル12は、カウル部材121~123により構成されている。カウル部材121はY方向に延在してフロントカウル12の本体を構成し、カウル部材122はカウル部材121の上側の部分を構成している。カウル部材123はカウル部材121から下方向に離間して配設されている。
カウル部材121とカウル部材123との間、及び、左右一対のサイドカウル14の間に、ヘッドライト11を露出させる開口が形成され、この開口の上縁はカウル部材121により画定され、下縁はカウル部材123により画定され、左右の側縁はサイドカウル14で画定される。
フロントカウル12の背後には車両100の前方の状況を検知する検知デバイスとしてとして撮像ユニット16A及びレーダーユニット16Bが配置されている。レーダーユニット16Bは例えばミリ波レーダである。撮像ユニット16AはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子と、レンズ等の光学系とを含み、車両100の前方の画像を撮像する。撮像ユニット16Aはフロントカウル12の上部を構成するカウル部材122の背後に配置されている。カウル部材122には、これを貫通する開口122aが形成されており、撮像ユニット16Aは開口122aを通して車両100の前方の画像を撮像する。
レーダーユニット16Bはカウル部材121の背後に配置されている。カウル部材121の存在により、車両100の正面視で検知ユニット(外界監視機器)16の存在を目立たなくすることができ、車両100の外観が悪化することを回避することができる。カウル部材121は樹脂等、電磁波の透過が可能な材料で構成される。
撮像ユニット16A及びレーダーユニット16Bは、車両正面視でフロントカウル12のY方向の中央部に配置されている。撮像ユニット16A及びレーダーユニット16Bを車両100のY方向の中央部に配置することで、車両100の前方の左右に、より広い撮像範囲、検知範囲を得ることができ、車両100の前方の状況をより見落としなく検知できる。また、一つの撮像ユニット16A及び一つのレーダーユニット16Bにより車両100の前方を、左右均等に監視することができることから、撮像ユニット16A及びレーダーユニット16Bをそれぞれ複数設けずに、一つずつ設けた構成において、特に有利である。
<通報システムの制御構成>
図4は本実施形態に係る通報システムの制御構成を示すブロック図であり、後述する説明との関係で必要な構成のみが図示されている。本システムは、鞍乗型車両100と、携帯端末200と、外部機器300、400、600と、ウェアラブル端末500を含んで構成される。なお、これらの構成は一例であり、本発明を限定する意図はない。例えば、鞍乗型車両100、携帯端末200、ウェアラブル端末500、及び1つの外部機器のみで構成されてもよいし、さらに多くの外部機器が含まれてもよい。
鞍乗型車両100は制御部(ECU)101、転倒検知センサ102、通信部103、記憶部104、クラクション105、車速センサ106、GPS107及び、メータパネルMPを備える。制御部101は、CPUに代表されるプロセッサを含む。記憶部104にはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。なお、記憶部104は制御部101の内部に組み込まれてもよい。制御部101は、他のコンポーネント102~106とバス等の信号線で接続され、信号を送受することができ、鞍乗型車両100の全体を制御する。
メータパネルMPは、ライダに対する鞍乗型車両100の各種のパラメータや警告表示を行う。本実施形態では、少なくとも通報の停止操作を行うための操作オブジェクト(第2の操作オブジェクト)をメータパネルMPに表示する。また、ヘルメットにマイクとスピーカが内蔵されているものであれば、通報の停止操作を音声によってガイドし、音声入力により受け付けるように制御するものであってもよい。
転倒検知センサ102は、鞍乗型車両100の傾きを検知する振り子部材を内蔵し、振り子部材が60~70度の角度ほど傾くとスイッチが入り信号を出力する。これらの信号が制御部101に入力されると、制御部101は鞍乗型車両100が転倒したと判断し、エンジンを停止する。また、制御部101は、通信部103を介して鞍乗型車両100が転倒したことを携帯端末200へ通知する。
通信部103は、無線通信を行うユニットであり、携帯端末200及びウェアラブル端末500と信号を送受信する。通信部103は、例えば近距離無線通信(Bluetooth通信)を介して信号の送受信を行うBluetoothユニットである。通信部103は鞍乗型車両100の起動時に起動され、携帯端末200及びウェアラブル端末500と通信接続を行う。無線通信は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth、NFCや赤外線通信など、所定範囲内で通信可能な通信方法であればよい。通信範囲としては、例えば、鞍乗型車両100から例えば半径5m~20mを含む領域として設定され、鞍乗型車両100が転倒してライダが鞍乗型車両100と離れた場合であっても所定範囲内において携帯端末200との通信を確保することが望ましい。
通信部103は、鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との通信(以下、第1の通信又は第1の通信状態と呼ぶ)が途絶えた場合に、第1の通信が途絶えたことを示す情報を携帯端末200へと送信する。本実施形態においては、各通信状態が途絶えたか否かはそのRSSI値で測定される通信強度によって判断され、測定したRSSI値が所定の閾値以下となった場合にその通信状態が途絶えたものとして判断される。ここで閾値の値は特に限定されず、例えば-60dBmであってもよく、-80dBmであってもよく、-90dBmであってもよく、所望の値を設定することができる。上述のように、鞍乗型車両100、携帯端末200、及びウェアラブル端末500の間それぞれにおいて通信状態が途絶えたか否かが判断されるが、各判断基準が統一されている必要はない。例えば、通信ごとに判断に用いられる閾値が異なっていてもよく、通信状態の悪化を検知できるのであれば通信状態の測定方法も限定はされない。
クラクション105は、本実施形態において、鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との間の無線通信が途絶えた(すなわち、鞍乗型車両100の転倒を検知した)ことに応じて、鳴動して警報を行う。なお、警報においては音のみの例について説明するが、本発明を限定する意図はなく、クラクション105による警報に代えて又は追加して、例えばヘッドライト11やウィンカーなどを点灯又は点滅させるようにしてもよい。
車速センサ106は、車両100の車速を検知する。車速センサ106は例えばフロントフォーク95に支持され、前輪FWの回転量を検知するセンサである。車速センサ106で検知された車速は、記憶部104へ記憶される。記憶部104はリングバッファを有しており、新たな車速情報が古い車速情報に上書きされる構成である。記憶部104に記憶された車速情報は、無線通信を介して周期的又は不定期に携帯端末200へ送信される。また、車速センサ106は、その他の鞍乗型車両100に関する速度、例えば車両100の前後方向、左右方向、上下方向の加速度を検知する加速度センサや、車両100のロール方向、ピッチ方向、ヨー方向の角速度を検知する角速度センサを有し、各種速度情報を記憶部104へ記憶してもよい。これらの鞍乗型車両100の速度、加速度、角速度をまとめて車速に関する情報と称するが、本実施形態の各処理においては基本的に鞍乗型車両100の移動速度を示す情報が用いられる。鞍乗型車両100の速度を示す情報は、上記移動速度について上述したように、無線通信を介して周期的又は不定期に携帯端末200へ送信され、通信状態の判定を行うか否かの判断基準として用いられる。なお、携帯端末200が不図示の速度センサを備え、その速度センサによって測定された移動速度が鞍乗型車両100の移動速度として用いられてもよい。
GPS107は、鞍乗型車両100の現在位置を取得する。本実施形態においては、携帯端末200が備えるGPS205が携帯端末200の現在位置を取得し、転倒判定がなされた場合に行われる通報に、取得した現在位置を示す情報を含ませることができる。ここで、その携帯端末200の現在位置の代わりに、GPS107が取得した鞍乗型車両100の現在位置が用いられてもよい。この場合、本システムでは転倒判定がなされた際には携帯端末200と鞍乗型車両100との通信は途絶えているため、鞍乗型車両100の現在位置を示す情報が周期的又は不定期に携帯端末200に送信され、転倒判定の直前に受信した情報が用いられる。また同様に、ウェアラブル端末500が備えるGPS(不図示)によって取得される現在位置を示す情報が、転倒した際の位置情報として用いられてもよい。
次に、携帯端末200の構成について説明する。携帯端末200は、鞍乗型車両100のライダが所有するスマートフォン等の携帯機器を示す。携帯端末200は、例えば鞍乗型車両100が備えるスマートフォンホルダ(不図示)によって、鞍乗型車両100に搭載され固定され得る。この状態で転倒が生じた場合、携帯端末200と鞍乗型車両100との距離は大きく変動しない一方で、それらとライダが身に着けているウェアラブル端末500との距離が大きく離れ、端末間の無線通信の状態が悪化することが考えられる。そのような観点から、本実施形態に係る携帯端末200は、鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との間の通信が途絶えたことを示す情報を鞍乗型車両100とウェアラブル端末500とのどちらかから受信したことに応じて、鞍乗型車両100が転倒したと判断する。
ここでは本発明を実施する上で必要な構成を主に説明する。従って、以下で説明する構成に加えてさらに他の構成が含まれてもよい。携帯端末200は、制御部201、記憶部202、外部通信機器203、表示操作部204、スピーカ208、及び速度センサを備える。外部通信機器203は、GPS205、無線機器206、及び通報部207を含む。
制御部201は、CPUに代表されるプロセッサを含む。記憶部202にはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。なお、記憶部202は制御部201の内部に組み込まれてもよい。制御部201は、他のコンポーネント203、204、208とバス等の信号線で接続され、信号を送受することができ、携帯端末200の全体を制御する。
制御部201は、外部通信機器203の通報部207を用いて広域ネットワークを介して外部機器300、400、600の少なくとも1つへ通報を行う。また、制御部201は、GPS205、及び無線機器206を介して、各種情報を取得する。GPS205は、携帯端末200の現在位置を取得する。これにより、例えば、通報を行う際に位置情報を付与することができる。無線機器206は、無線通信を介して、鞍乗型車両100やウェアラブル端末500と信号を送受することができる。無線通信は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth、NFCや赤外線通信など、所定範囲内で通信可能な通信方法であればよい。通信範囲としては、例えば、鞍乗型車両100又はウェアラブル端末500から例えば半径5m~20mを含む領域として設定されうる。また、鞍乗型車両100との通信接続は、鞍乗型車両100の起動時に行われる。携帯端末200とウェアラブル端末500とは、例えば予めペアリング設定されており、ウェアラブル端末500の起動時に通信接続が行われる。
本実施形態においては、制御部201は、鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との間の通信が途絶えたことを示す情報を取得した場合に、鞍乗型車両100が転倒したと判断する。制御部201は例えば、上述のように無線機器206による鞍乗型車両100からの信号の通信強度(電波強度)をRSSI値で測定し、測定したRSSI値が所定の閾値以下となった場合に通信が途絶えたと判定してもよい。
ここでは、転倒を検知するための無線通信のアンテナ出力が高いほど通信が途絶えにくく、アンテナ出力が低いほど通信は途絶えやすい。そのことに鑑みて、制御部201は、状況に応じたアンテナ出力の調整を行ってもよい。例えば一度鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との通信(第1の通信)が確立された場合に、それ以降に生じる転倒をより正確に検知するため、第1の通信のアンテナ出力が下げられてもよい。また例えば、鞍乗型車両100の移動速度に応じてアンテナ出力が変動してもよい。この場合、移動速度が速いほど転倒時に危険な状態になりやすいという観点から、鞍乗型車両100の移動速度が速いほど第1の通信のアンテナ出力を下げることができる。さらに例えば、制御部201は、通信が途絶えたと判定された場合に第1の通信のアンテナ出力が最大でなければ、アンテナ出力を上げてから再度通信が途絶えているかどうかの判定を行うように鞍乗型車両100又はウェアラブル端末500に指示を出し、アンテナ出力が最大であれば鞍乗型車両100が転倒しているとの判定をしてもよい。このような処理によれば、通信が途絶えたと判定されてから即転倒の判定を行わず、確認できる最大まで第1の通信のアンテナ出力を上げた上でなお通信が途絶えている場合に転倒が生じていると判定することができる。これらのアンテナ出力の調整処理は、鞍乗型車両100の通信部103又はウェアラブル端末500のデータ通信部502が自発的に行ってもよく、制御部201からの指示によって行ってもよい。また、これらのアンテナ出力の調整処理は、鞍乗型車両100と携帯端末200との間の無線通信、及びウェアラブル端末500と携帯端末200との間の無線通信において同様に行われてもよい。
表示操作部204は、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイであり、各種表示を行うとともに、ユーザ操作を受け付けることができる。表示操作部204には、転倒を検知した際に通報を行うことを停止するための操作オブジェクトが選択可能に表示される。当該操作オブジェクトは、上述したように鞍乗型車両100のメータパネルMPにも表示されてもよく、転倒が発生したもののライダが問題なく動ける場合に通報を停止するものである。なお、ユーザ操作を受け付けるのは操作オブジェクトを介するものには限定されず、例えば操作オブジェクトを操作する代わりに、通信の回復した鞍乗型車両100が転倒状態から起こされたことを転倒検知センサ102が検知した場合に停止するようにしてもよい。また、通報の停止操作を行うことを許容する期間は、転倒時の車速(移動速度)に応じて動的に変化させてもよい。例えば、車速が0~5km以内であればライダが負傷している可能性は低く、鞍乗型車両100がライダ自身によって起こされる可能性が高いため、走行中に転倒した場合と比較してより長い期間が停止操作を行う期間として設けられてもよい。また例えば、制御部201は、不図示のマイクを介した音声入力によって通報の停止指示を受け付けてもよく、鞍乗型車両100の備える機械式スイッチ(例えば、ハンドルスイッチ)の押下などの操作を検知したことに応じて通報の停止指示を受け付けてもよい。
スピーカ208は、転倒検知時において警報音を出力する。スピーカ208による警報は、ライダによる上記停止操作によって停止されてもよいし、別途の停止ボタン等の操作入力により停止されてもよい。なお、警報音は、転倒時において表示操作部204に後述する通報の停止画面が表示されると、ライダにその旨を知らせるために表示と同時に出力されることが望ましく、さらには最大音量で出力されることが望ましい。音量については事前に設定可能な構成としてもよい。また、警報音だけでなく、音声合成によるメッセージをスピーカ208により再生してもよい(例えば、アラーム音の後に「バイクで転倒事故発生!助けてください」など)。音声合成であれば、より明確に周囲に対して何が起きているかを伝えることができる。
ウェアラブル端末500は、例えばライダが装着しているスマートウォッチなどの、ライダが身に着ける携帯端末である。ウェアラブル端末500は、生体情報検知センサ501と、データ送信部502を備える。ウェアラブル端末500が備えるデータ送信部502は、第1の通信が途絶えた場合に、第1の通信が途絶えたことを示す情報を携帯端末200へと送信する。生体情報検知センサ501は、ウェアラブル端末500を装着しているライダの心拍、血圧、心電、血中酸素等の生体情報を検知する。これらの生体情報は、データ送信部502によって定期的に携帯端末200へ送信されてもよいし、鞍乗型車両100の転倒時における携帯端末200からの要求に従ってその際の最新データを送信するようにしてもよい。なお、携帯端末200から要求があった場合には、その際の最新データに加えて、その後の一定期間について生体情報を検知して送信することが望ましい。これにより、転倒時におけるライダの体調変化等を検知することができる。転倒を検知した際に、鞍乗型車両100のライダはウェアラブル端末500を介して通報を行うか通報を停止するかの選択を行うことができるが、詳細な説明は図11を参照して後述する。
外部機器300は、予め設定された連絡先である通報先の端末を示す。外部機器300は、例えばスマートフォン等の携帯端末であり、ライダが事前に登録した知人が所有する端末である。制御構成については、携帯端末200と同様であるため詳細な構成については省略する。外部機器300の表示操作部301には、携帯端末200によって通報された内容が表示される。表示内容の詳細については後述する。
外部機器400は、通報部207による通報が着信する、例えば緊急連絡先(119番など)の端末である。ここで、通報部207は外部機器400が音声着信に応答した場合において、自動音声を出力するようにしてもよい。これは転倒時のライダが何らかの原因で通話不可能な場合が想定されるためである。自動音声は、相手の聞き漏らしを考慮して複数回繰り返されるようにしても良い。例えば、通報部207はデフォルト設定として自動音声による通話を行い、表示操作部204等に自動音声からライダ自身が通話を行うための切替ボタンを表示させるようにしてもよい。当該切替ボタンが操作されると、自動音声が終了し、通常の音声通話に切り替わる。自動音声の内容には、例えば、この音声が自動音声であること、転倒事故の発生の可能性のあること、発生場所の住所、発生時刻や、事故直前の鞍乗型車両100の車速や加速度、ライダの氏名、年齢、血液型、家族の連絡先、生体情報などが含まれる。
通常の音声通話は、携帯端末200で行ってもよいし、ウエアラブル端末500で行っても良い。転倒時には、携帯端末200がライダと離れてしまう虞がある為、まず、ウエアラブル端末500を介して音声通話を試みた後、次に携帯端末200を介した音声通話を試みる設定としても良い。
外部機器600は、本システムにおけるデータサーバの一例であり、携帯端末200から送信される各種情報を蓄積する機器である。これらの情報は、事故の調査等に利用されるものである。通信方式としては例えば電子メールの形式であってもよく、その他の情報を送信することが可能な通信方式であってもよい。受信した情報は、データ記憶部601に記憶される。
<本システムの通信接続>
図5は本実施形態に係る通報システムにおける各装置の通信接続関係を示す図である。図5Aに示すように、携帯端末200が本通報システムの中心的な役割を担う。
携帯端末200は、Bluetooth通信等の無線通信を、鞍乗型車両100の通信部103と、ウェアラブル端末500のデータ通信部502と、それぞれ確立する。以下、携帯端末200の無線機器206と通信部103との間の通信(状態)を第2の通信(状態)、無線機器206とデータ通信部502との間の通信(状態)を第3の通信(状態)と呼ぶものとする。第2の通信は、鞍乗型車両100の起動時に接続が確立され、走行中の移動速度を示す情報や、転倒検知センサ102によって転倒が検知された際にその旨や各種情報を送受するために用いられる。また、第3の通信は、ウェアラブル端末500の起動時に接続が確立され、ライダの生体情報等が送受される。
さらに、携帯端末200は、広帯域無線通信(第4の通信)を介して、各外部機器300、400、600との通信を行うことができる。携帯端末200は、例えば外部機器400へ緊急通報を行うとともに、電子メール等により外部機器300や外部機器600へ位置情報、生体情報、及び車速などの各種情報を通知する。
上述のように本システムにおいては、鞍乗型車両100とウェアラブル端末500との間の通信である第1の通信が途絶えた場合に、その旨を示す情報が第2の通信又は第3の通信を介して携帯端末200へと送信される。携帯端末200は、第1の通信に加えて第2の通信及び第3の通信のいずれか一方が途絶していることを考慮して、第2の通信と第3の通信のどちらからも第1の通信が途絶えたことを示す情報を取得することができる。
図5Bは、第1の通信と第2の通信とが途絶えた場合の本システムを示す図である。この例は、例えば携帯端末200が鞍乗型車両100に固定されている場合であって、転倒の結果第1の通信と第2の通信とが途絶えている。この場合携帯端末200は、鞍乗型車両100から第3の通信を介して、第1の通信が途絶えたことを示す情報を受信する。次いで携帯端末200は、第2の通信が途絶えているため、以前にウェアラブル端末500から受信した最新時刻のライダの生体情報を含めた情報を、第4の通信を介して外部機器へと送信する。
図5Cは、第1の通信と第3の通信とが途絶えた場合の本システムを示す図である。この例は、例えば鞍乗型車両100のライダが携帯端末200を身に着けており、転倒の結果第1の通信と第3の通信とが途絶えている。この場合携帯端末200は、携帯端末200から第2の通信を介して、第1の通信が途絶えたことを示す情報を受信する。次いで携帯端末200は、第2の通信が途絶えていないため、ウェアラブル端末500から現在時刻のライダの生体情報を受信し、その生体情報を含めた情報を第4の通信を介して外部機器へと送信する。
第2の通信又は第3の通信が途絶えているか否かは、制御部201によって、第1の通信と同じように判断される。このように、第1の通信の途絶に加えて第2の通信又は第3の通信が途絶えている場合に車両が転倒したと判断することにより、より正確に鞍乗型車両100の転倒を検知して通報処理へと移行することができる。
<携帯端末の処理手順>
図6は本実施形態に係る携帯端末200における転倒時の基本フローの処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、例えば制御部201のCPUがROMや記憶部202に保持されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。本実施形態に係る携帯端末200は、周期的に又は不定期に鞍乗型車両100の移動速度を示す情報を取得しており、第1の通信が途絶えたことを示す情報を取得することによってS604の以降の処理が開始される。なお、Sに続く番号は、各処理のステップ番号を示すものである。
まずS601で携帯端末200の制御部201は、鞍乗型車両100の起動時において、無線機器206を介して鞍乗型車両100の通信部103と通信接続(第2の接続)を確立する。また制御部201は、ウェアラブル端末500の起動時において、無線機器206を介してウェアラブル端末500のデータ通信部502と通信接続(第3の接続)を確立する。S601では、第2の接続と第3の接続のどちらが先に確立されてもよい。続いて、S602で制御部201は、S601で接続した第2の通信を介して、鞍乗型車両100から情報を受信したかどうかを判断する。情報を受信していなければS602の判断を繰り返し行う。ここで制御部201は、鞍乗型車両100の移動速度を示す情報を受信し、S603へと処理を進める。S603で制御部201は、鞍乗型車両100の移動速度が所定値以上であるか否かを判断する。ここでの所定値とは、任意の速度値を設定できるものであるが、例えば走行中に発生した転倒を検知するように時速10kmとしてもよい。所定値以上であれば処理はS604に進んで転倒の検知を待機し、所定値以上でなければ処理をS602へと戻す。
S604で制御部201は、鞍乗型車両100の転倒検知のために、第1の通信が途絶えたことを示す情報を取得する。S605で制御部201は、第1の通信におけるアンテナ出力が最大であるか否かを判断する。アンテナ出力が最大である場合には処理はS607へと進み、そうでない場合には処理はS606へと進む。S606で制御部201は、アンテナ出力を上げるよう鞍乗型車両100又はウェアラブル端末500へと指示を出し、処理をS602へと戻してから再び転倒検知待ちの状態で待機する。S607で制御部201は、転倒時処理を実行し、処理を終了する。転倒時処理の詳細については図8を用いて後述する。
なお、第1の通信の途絶に加えて第2の通信又は第3の通信が途絶えている場合に転倒が生じたと判定される場合には、S604で制御部201が、第1の通信が途絶えたことを示す情報を取得することに加えて第2の通信又は第3の通信が途絶えたことを検知する。すなわち、第1の通信と、第2の通信又は第3の通信とが途絶えるまで、S604で処理が待機する。この場合、S605では途絶えた通信のアンテナ出力がどちらも最大であるか否かが判定され、どちらも最大である場合には処理がS607へと進み、そうでない場合にはS606で出力が最大でないアンテナ出力が上げられる。
<鞍乗型車両の転倒時の処理手順>
図7は本実施形態に係る鞍乗型車両100における転倒時の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、例えば制御部101のCPUがROMや記憶部104に保持されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。なお、Sに続く番号は、各処理のステップ番号を示すものである。
まずS701で鞍乗型車両100の制御部101は、鞍乗型車両100の起動時において、通信部103を介して携帯端末200及びウェアラブル端末500と無線通信の通信接続を確立する。続いて、S702で制御部101は、車速センサ106によって取得された鞍乗型車両100の移動速度を記憶部104へ格納するとともに、無線通信を介して携帯端末200へ送信する。当該送信は周期的であっても不定期であってもよい。
次に、S703で制御部101は、ウェアラブル端末500との通信接続である第1の通信が途絶えたか否かを判断する。途絶えていなければ処理はS702へと戻る。一方で、第1の通信が途絶えていれば、処理はS704へと進み、制御部101は、車両転倒時の処理を行い、処理を終了する。車両転倒時の処理は、例えばクラクション105を鳴動させる警報処理など、鞍乗型車両100の転倒が発生したことを周囲に通知する処理である。クラクション105を鳴動させた場合、制御部101は、鞍乗型車両100のメータパネルMPに表示される操作オブジェクト(後述する停止ボタン1003と同様)の操作に応じてその鳴動を停止させてもよい。また制御部101は、転倒の検知からウェアラブル端末500との通信が回復した場合に、後述する図10に示されるようなGUIを介した通報の停止操作によって、クラクションの鳴動処理を終了してもよい。また、本システムにおいては、第1の通信が途絶え、第2の通信が途絶えていない状況が生じ得る。その場合には、図7に示されるような制御部101が行う処理が、携帯端末200の制御部201からの指示によって行われてもよい。
<携帯端末の転倒時処理の詳細>
図8は本実施形態に係る携帯端末200における上記S607の転倒時処理の詳細手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、例えば制御部201のCPUがROMや記憶部202に保持されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。なお、Sに続く番号は、各処理のステップ番号を示すものである。
S604で第1の通信が途絶えたことを示す情報を取得すると、S801で制御部201は、スピーカ208によって警報音を出力する。また、S802で制御部201は、予め設定された転倒時の連絡先の情報を記憶部202から取得する。さらに、S803で制御部201は、後述する操作オブジェクトを含む通報停止画面1000を表示操作部204に表示する。通報停止画面1000の詳細については図10を用いて後述する。なお、S801乃至S803の処理の順序は特に限定する意図はなく任意の順序でよい。
次に、S804で制御部201は、上記操作オブジェクトが操作されることにより、通報の停止操作を受け付けたかどうかを判断する。停止操作を受け付けた場合はS805に進み、そうでない場合はS808に進む。当該判断は、例えば通報停止画面1000の表示を開始してから、所定時間(例えば、30秒など)が経過するまでの間に停止操作を受け付けなければ停止操作を受け付けなかったと判断し通報処理へ移行する。また、上記所定時間については、上述したように、転倒直前の車速に応じて変更してもよい。なお、ここでは通報の停止指示を行うための操作オブジェクトの操作について説明しているが、これに限らず例えばライダが転倒した鞍乗型車両100を立て直した場合にも停止操作を受け付けたものとしてS808の処理を実行してもよい。鞍乗型車両100が立て直されたことについては、例えば、鞍乗型車両100との通信が回復した場合に、転倒検知センサ102の信号入力が停止したことをトリガとして判断してもよい。S808で制御部201は、出力していた警報音の出力を停止し、処理を終了する。
一方、S805で制御部201は、ウェアラブル端末500からライダの生体情報を取得する。ここで制御部201は、第3の通信が途絶えている場合には、それまでに第3の通信を介して取得した最新時刻の生体情報をライダの生体情報として取得し、第3の通信が途絶えていない場合には生体情報を送信する要求をウェアラブル端末500に送信してもよい。続いて、S806で制御部201は、GPS205を介して現在の位置情報を取得する。その後、S807で制御部201は、転倒が発生した旨と、必要に応じて生体情報や位置情報、車速情報などを事前に設定された連絡先に通報し、処理を終了する。なお、複数の連絡先が設定されている場合には、順次通報を行う。これらの通報は、例えば、緊急連絡先である外部機器400、外部機器300、外部機器600の順で優先的に行われる。
<設定画面>
図9は、本実施形態に係る携帯端末200で表示される連絡先の設定画面900の一例を示す。設定画面900は表示操作部204に表示される。なお、以下で説明する設定画面900は、携帯端末200からの指示に基づいてメータパネルMPに操作可能に表示されてもよい。
設定画面900は、図9に示すように、緊急連絡先901、ユーザ設定の電話通信の連絡先設定902、及びユーザ設定の電子メールの宛先設定904の設定欄を含んで構成される。各設定欄には、それぞれの連絡先を入力して設定することができる。また、緊急連絡先901には、デフォルト設定として「119」が予め設定されている。設定画面900は、さらに、連絡先設定902と宛先設定904のそれぞれに対応して、追加ボタン903、905を含んで構成される。各追加ボタン903、905が選択されると、連絡先や宛先の設定欄を増やすことができる。
また、設定画面900は、OKボタン906と、キャンセルボタン907とを含んで構成される。OKボタン906が選択されると、設定画面900上で設定した連絡先等が決定し、記憶部202に保存される。一方、キャンセルボタン907が選択されると、設定画面900上で設定した連絡先等がキャンセルされ、設定情報は変更されない。
<通報停止画面(携帯端末)>
図10は、本実施形態に係る携帯端末200で表示される通報停止画面1000の一例を示す。通報停止画面1000は表示操作部204に表示される。なお、以下で説明する通報停止画面1000と同等の画面が、携帯端末200からの指示に基づいてメータパネルMPに操作可能に表示されるものであるが、詳細な説明については省略する。
通報停止画面1000は、図10に示すように、鞍乗型車両100であるバイクの転倒を検知したため、所定時間(ここでは、30秒)経過後において、連絡先1001及び宛先1002に通報を行う旨の表示と、問題がない場合は停止ボタンを選択して通報の停止を促す表示とを含んで構成される。さらに、通報停止画面1000は、停止ボタン1003と、通報ボタン1004とを含む。停止ボタン1003が選択されると、携帯端末200は通報の停止操作を受け付けたと判断し、警報処理及び通報処理を停止して鞍乗型車両100へ停止操作を受け付けた旨を通知する。また、通報ボタン1004が選択されると、携帯端末200は、上記所定時間の経過を待つことなく、通報処理を開始する。なお、停止ボタン1003は第1の操作オブジェクトの一例である。また、鞍乗型車両100のメータパネルMPに表示される第2の操作オブジェクトは、停止ボタン1003と同等のものが表示される。さらに、メータパネルMPには通報ボタン1004に対応するボタンが表示されてもよい。また、停止ボタン1003は、上記所定時間が経過した後も表示が継続されることが望ましい。これは、救助者が到着した際に操作することによって警報を停止するためである。
<通報停止画面(ウェアラブル端末)>
なお、携帯端末200が鞍乗型車両100に固定されている場合、転倒が生じた際にライダの手元にある端末はウェアラブル端末500のみであることが考えられる。そのような状況を考慮して、図10に示されるものと同様の通報停止指示が、ウェアラブル端末500によって行われてもよい。図11は、ウェアラブル端末500で表示される通報停止画面1100の一例を示す。
図11に示される例では、鞍乗型車両100の転倒を検知したため、通報停止画面1100上に通報を行うか否かの選択を行うGUIが表示されている。ここでは、ウェアラブル端末500は、通報を行うとのライダによる選択を受け付けるか、停止指示を受け付けずに所定時間が経過した場合に通報処理を行う。ウェアラブル端末500がライダからの操作を受け付ける構成は特に限定されない。例えば、ウェアラブル端末500は、ライダからの操作を、例えば通報停止画面1100上の停止ボタン1101又は通報ボタン1102へのタッチ操作を介して受け付けてもよく、停止処理に対応するスイッチ1103又は通報処理に対応するスイッチ1104を介して受け付けてもよく、ダイヤル式スイッチの回転による停止/通報の選択操作として受け付けてもよい。なお、通報停止画面1100は、表示ディスプレイの大きさに応じた視認性を考慮して停止ボタン1101と通報ボタン1102とのみを表示しているが、図10の通報停止画面1000と同様の情報を全て表示してもよい。
<通報画面>
図12は、本実施形態に係る外部機器300で表示される通報画面1200の一例を示す。通報画面1200は表示操作部301に表示される。なお、以下で説明する通報画面1200は、他の外部機器で表示されてもよい。
通報画面1200は、例えば設定画面900のユーザ設定で事前に設定された宛先設定904で設定されたアドレスへ通知され、当該外部機器300において表示された画面である。なお、外部機器300への通知方法として種々の通知方法を適用することができる。例えば、外部機器300へは通報画面1200の画面情報が送信されてもよいし、転倒した旨とともに、位置情報、生体情報等の各種情報のみが送信されてもよい。また、外部機器300においては、本通報システムに関連するアプリケーションがインストールされていれば、それらの情報を利用して当該アプリケーション上で通報画面1200を表示してもよいし、任意のブラウザ画面上で表示するようにしてもよい。また、メッセージや情報のみを電子メールで受信して、メーラーのアプリケーション上で表示するようにしてもよい。或いはSNSアプリケーション上で表示するようにしてもよい。
通報画面1200は、鞍乗型車両100のライダが転倒した旨のメッセージ1201、転倒位置を示すマップ1202、ライダの生体情報1203、及びライダへの音声発信ボタン1204を含んで構成される。これらの構成要素は表示する上記アプリケーションに応じてそれぞれを取捨選択され得る。
マップ1202には、転倒位置を示すマップ上のマーク1205、転倒直前の車速1206、及び転倒位置の詳細情報1207が表示される。生体情報1203には、例えば、心電図や心拍数、血圧、血中酸素が表示される。音声発信ボタン1204を選択すると、外部機器300は携帯端末200へ音声発信を行う。
<第2の実施形態>
<ライダの身体的異常検出処理>
以下では本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態に係る情報処理装置は、第1の通信が途絶えたことに応じて転倒が生じたと判断し、外部機器への通知を行うことができた。本実施形態に係る携帯端末200の制御部201はそれに加えて、ウェアラブル端末500から受信したライダの生体情報に基づいて、ライダの身体的異常がみられるか否かを判断する。次いで、制御部201は、ライダの身体的異常がみられると判断した場合に、第1の実施形態において転倒が生じた場合と同様の処理(例えば、S807)によって外部機器への通知を行う。また制御部201は、ライダの身体的異常がみられると判断した場合に、鞍乗型車両100の動力源(エンジン)の出力を低下させてもよい。すなわち、本実施形態に係る携帯端末200は、ライダの体調に異常がみられる際に、転倒と同様危険な状態であると判断し、各種対応処理を行う。
本実施形態に係る制御部201は、生体情報に基づいて、ライダに身体的異常が生じているか否かを判断する。ここで用いられる生体情報は心拍、血圧、心電、血中酸素等であるが、ライダの健康状態を判別できるものであれば特にこれらに限定はされない。制御部201は、生体情報が異常値を示している場合に身体的異常が生じていると判断する。ここで、生体情報における異常値とは、予め設定されていてもよく、ウェアラブル端末500から取得した所定期間のライダの測定値に基づいて(例えば、測定値の平均から所定の値以上離れている値を異常値とするなど)設定されてもよい。制御部201によって異常値とされる心拍数は、例えば60以下であってよく、50以下であってもよく、40以下であってもよく、また100以上であってもよく、110以上であってもよく120以上であってもよい。制御部201によって異常値とされる最高血圧は、130以上であってもよく、150以上であってもよく、170以上であってもよく、また10お以下であってもよく、90以下であってもよく、80以下であってもよい。また、制御部201によって異常値とされる最低血圧は、90以上であってもよく、100以上であってもよく、110以上であってもよい。さらに制御部201は、心電が示す興奮波が異常な推移を示している場合に異常値であるとすることができるが、これは不整脈や電解質異常など既知の病気に特徴的な心電図の変化が見られた場合であってもよく、所定期間のライダの心電に基づく異常値であってもよい。制御部201によって異常値とされる血中酸素の濃度は、例えば96%未満であってもよく、95%未満であってもよく、94%未満であってもよく、93%未満であってもよい。このように、ウェアラブル端末500によって測定されるライダの生体情報が、その種類に限らず一般に異常であるされるような値である場合には、ライダの身体的異常が生じているものとして、制御部201がエンジンの出力を低下させて通知を行う。
また、制御部201は、ウェアラブル端末500から取得した情報に基づいて身体的異常が生じているかを判定してもよく、身体的異常が生じているかどうかをウェアラブル端末500が判定し、その判定結果を示す情報を取得してもよい。ウェアラブル端末500が判定を行う場合には、上述の制御部201が行う判定と同様の処理が行われる。
図13は本実施形態に係る携帯端末200における異常の検出処理の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、例えば制御部201のCPUがROMや記憶部202に保持されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。なお、Sに続く番号は、各処理のステップ番号を示すものである。図13に示される処理は、第1の実施形態に係るS604での転倒の検知の待機中に行われる。
S1301で制御部201は、ライダの生体情報を取得する。ここで制御部201は、ウェアラブル端末500へと生体情報を要求する信号を送信してもよく、現時点でウェアラブル端末500から受信している最新時刻の生体情報を参照してもよい。S1302で制御部201は、S1301で取得した生体情報に基づいて、鞍乗型車両100のライダに身体的異常が生じているか否かを判断する。身体的異常が生じている場合には処理がS1303へと進み、そうでない場合には処理はS1301へと戻る。
S1303で制御部201は、鞍乗型車両100のエンジン21の出力を低下させる。続いて、S1304で制御部201は、S806と同様にGPS205を介して現在の位置情報を取得する。その後、S1305で制御部201は、ライダの身体的異常が発生した旨と、その身体的異常を示す値と、必要に応じて位置情報、車速情報などを事前に設定された連絡先に通報し、処理を終了する。S1305における通報処理は、転倒が発生した旨の代わりに身体的異常に関する情報を通知することを除き、第1の実施形態におけるS807における通報処理と同様に行うことができる。
このような処理によれば、鞍乗型車両の走行中にライダの身体的異常が検知された場合に、携帯端末によってその異常に対応する処理が可能となる。
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は、少なくとも以下のプログラム、情報処理方法及びシステムを開示する。
1.上記実施形態のプログラムは、
鞍乗型車両(例えば100)及び第1の携帯端末(例えば500)と無線通信が可能な第2の携帯端末(例えば200)に、
前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信工程(例えばS602)と、
前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末と間の通信状態である第1の通信状態を示す情報を取得する取得工程(例えばS604)と、
前記受信工程で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、前記第1の通信状態が途絶えている場合に、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定工程(例えばS604)と、
を実行させる。
この実施形態によれば、携帯端末200とウェアラブル端末500との通信が途絶えたか否かに応じて、携帯端末200において鞍乗型車両100の転倒を検知することができる。また、携帯端末200で転倒を判断することができるため、スマートフォン等の携帯端末200の通信機能を利用して通報を行うこともできる。
2.上記実施形態では、
前記鞍乗型車両との通信状態である第2の通信状態を判定する第1の通信状態判定工程(例えばS604)と、
前記第1の携帯端末との通信状態である第3の通信状態を判定する第2の通信状態判定工程(例えばS604)と、
をさらに備え、
前記転倒判定工程では、
前記第1の通信状態判定工程によって前記第2の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、又は
前記第2の通信状態判定工程によって前記第3の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、
前記鞍乗型車両が転倒したと判定する。
この実施形態によれば、携帯端末200とウェアラブル端末500との通信が途絶えたことに加え、携帯端末200から鞍乗型車両100又はウェアラブル端末への通信が途絶えた場合に転倒が生じたと判定することにより、より正確に転倒を検知することができる。
3.上記実施形態では、
前記第1の通信状態判定工程が、前記鞍乗型車両と通信がなされていると判定された場合に、前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力を下げる第1の下げ工程をさらに備え、
前記第2の通信状態判定工程が、前記第1の携帯端末と通信がなされていると判定された場合に、前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力を下げる第2の下げ工程をさらに備え、
前記取得工程が、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との通信がなされていると判定された場合に、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力を下げさせる第3の下げ工程をさらに備える。
この実施形態によれば、通信を開始してからアンテナの出力を下げることにより、より正確に転倒を検知することが可能となる。
4.上記実施形態では、
前記鞍乗型車両の移動速度に応じて、前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力、前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力を変動させる。
この実施形態によれば、鞍乗型車両100の移動速度による危険性に応じて、転倒検知の正確性を変動させることが可能となる。
5.上記実施形態では、
前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力、前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力は、前記鞍乗型車両の移動速度の増加に応じて下がる。
この実施形態によれば、鞍乗型車両100の移動速度が増加する、すなわち転倒による危険性が増加するにしたがって、転倒検知の正確性を向上させることが可能となる。
6.上記実施形態では、
前記転倒判定工程では、
前記第2の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、
前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力が最大でない場合には、当該アンテナ出力を上げ(例えばS606)、
前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力と、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力とが最大である場合には、前記鞍乗型車両が転倒したと判定し(例えばS607)、
前記第3の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、
前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力が最大でない場合には、当該アンテナ出力を上げ(例えばS606)、
前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力と、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力とが最大である場合には、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する(例えばS607)。
この実施形態によれば、通信が悪化した場合にアンテナの出力を上げることにより、無線通信を維持できるように努め、なお維持できない場合に転倒を検知することが可能となる。
7.上記実施形態では、
前記転倒判定工程では、前記鞍乗型車両との無線通信の通信強度、前記第1の携帯端末との通信強度、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の通信強度に応じて、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する。
この実施形態によれば、転倒の判断基準として無線通信の通信強度を用いることが可能となる。
8.上記実施形態では、
前記鞍乗型車両が転倒したとの判定がある場合に、所定の通信先に通報の送信を行う通報工程(例えばS807)をさらに備える。
この実施形態によれば、携帯端末200で鞍乗型車両100の転倒を検知した際に、携帯端末200の通信機能を利用して通報を行うことができる。よって、通信費という観点では、スマートフォンに一本化することが可能である。
9.上記実施形態では、
前記通報工程による通報の送信のキャンセルを受け付ける工程(例えばS803)をさらに含む。
この実施形態によれば、通信機能による通報が必要ない場合には、その通報をキャンセルすることが可能となる。
10.上記実施形態では、
前記受付工程は、通報の送信をキャンセルする操作を受け付ける操作オブジェクトを表示する工程である。
この実施形態によれば、通報の必要のない転倒においては表示された操作オブジェクトを介して通報をキャンセルすることが可能となる。
11.上記実施形態では、
前記鞍乗型車両、前記第1の携帯端末、又は前記第2の携帯端末の位置を検知する検知工程(例えばS806)をさらに備え、
前記通報工程では、前記鞍乗型車両が転倒したとの判定がある場合に、前記所定の通報先に検知した前記鞍乗型車両、前記第1の携帯端末、又は前記第2の携帯端末の位置をさらに送信する。
この実施形態によれば、鞍乗型車両100が転倒した位置を示す位置情報を送信するため、転倒位置の特定が円滑に行われることが可能となる。
12.上記実施形態では、
前記鞍乗型車両のライダの生体情報を取得する取得工程(例えばS805)をさらに備え、
前記通報工程では、前記鞍乗型車両が転倒したとの判定がある場合に、前記所定の通報先に取得した前記生体情報をさらに送信する。
この実施形態によれば、転倒時のライダの生体情報を通報先に知らせることができ、通知先において緊急性を判断することができる。
13.上記実施形態では、
前記第1の端末を介して取得した前記ライダの生体情報に基づいて、前記ライダの異常がみられるか否かを判定する異常判定工程と、
前記ライダに異常がみられると判定した場合に、前記所定の通報先に前記ライダに異常が生じた旨を送信する異常送信工程と、
をさらに備える。
この実施形態によれば、鞍乗型車両100の走行中にライダの身体的異常がみられた場合に、携帯端末200の通信機能を利用して通報を行うことができる。よって、通信費という観点では、スマートフォンに一本化することが可能である。
14.上記実施形態では、
前記ライダに異常がみられると判定した場合に、前記鞍乗型車両に、動力源の出力低下指示を送信する指示送信工程をさらに備える。
この実施形態によれば、鞍乗型車両100の走行中にライダの身体的異常がみられた場合に、鞍乗型車両100の走行速度を落とすことにより安全性を向上させることが可能となる。
15.上記実施形態では、
前記第1の携帯端末は、前記鞍乗型車両に搭載可能な端末であり、前記第2の携帯端末は、前記鞍乗型車両のライダが身に着ける端末である。
この実施形態によれば、携帯端末200を鞍乗型車両に搭載する場合であっても、ライダが身に着けたウェアラブル端末500と鞍乗型車両100との通信が途絶えているか否かに応じて、鞍乗型車両100の転倒を検知することができる。
16.上記実施形態の情報処理方法は、
鞍乗型車両及び第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末において用いられる情報処理方法であって、
前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信工程と、
前記鞍乗型車両との通信状態である第1の通信状態を判定する第1の通信状態判定工程と、
前記第1の携帯端末との通信状態である第2の通信状態を判定する第2の通信状態判定工程と、
前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の通信状態である第3の通信状態を示す情報を取得する取得工程と、
前記受信工程で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、
前記第1の通信状態判定工程によって前記第1の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第3の通信状態が途絶えている場合に、又は
前記第2の通信状態判定工程によって前記第2の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第3の通信状態が途絶えている場合に、
前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定工程と、
を備える。
この実施形態によれば、携帯端末200とウェアラブル端末500との通信が途絶えたか否かに応じて、携帯端末200において鞍乗型車両100の転倒を検知することができる。また、携帯端末200で転倒を判断することができるため、スマートフォン等の携帯端末200の通信機能を利用して通報を行うこともできる。
17.上記実施形態の鞍乗型車両及び第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末を含むシステムは、
前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信手段と、
前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末と間の通信状態である第1の通信状態を示す情報を取得する取得手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、前記第1の通信状態が途絶えている場合に、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定手段と、
を備える第2の携帯端末と、
前記鞍乗型車両の起動時に前記第1の携帯端末及び前記第2の携帯端末と無線通信を確立する通信手段と、
前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を取得する取得手段と、
前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を、前記通信手段を介して前記携帯端末に送信する送信手段と、
を備える鞍乗型車両と、を備える。
この実施形態によれば、携帯端末200とウェアラブル端末500との通信が途絶えたか否かに応じて、携帯端末200において鞍乗型車両100の転倒を検知することができる。また、携帯端末200で転倒を判断することができるため、スマートフォン等の携帯端末200の通信機能を利用して通報を行うこともできる。
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
100:鞍乗型車両、101:制御部、102:転倒検知センサ、103:通信部、104:記憶部、MP:メータパネル、105:クラクション、106;車速センサ、107:GPS、200:携帯端末、201:制御部、202:記憶部、203:外部通信機器、204:表示操作部、205:GPS、206:無線機器、207:通報部、208:スピーカ、300:外部機器、301:表示操作部、400:外部機器、500:ウェアラブル端末、501:生体情報検知センサ、502:データ通信部、600:外部機器、601:データ記憶部

Claims (17)

  1. 鞍乗型車両及び第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末に、
    前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信工程と、
    前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末と間の通信状態である第1の通信状態を示す情報を取得する取得工程と、
    前記受信工程で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、前記第1の通信状態が途絶えている場合に、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定工程と、
    を実行させるプログラム。
  2. 前記鞍乗型車両との通信状態である第2の通信状態を判定する第1の通信状態判定工程と、
    前記第1の携帯端末との通信状態である第3の通信状態を判定する第2の通信状態判定工程と、
    をさらに備え、
    前記転倒判定工程では、
    前記第1の通信状態判定工程によって前記第2の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、又は
    前記第2の通信状態判定工程によって前記第3の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、
    前記鞍乗型車両が転倒したと判定することを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記第1の通信状態判定工程が、前記鞍乗型車両と通信がなされていると判定された場合に、前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力を下げる第1の下げ工程をさらに備え、
    前記第2の通信状態判定工程が、前記第1の携帯端末と通信がなされていると判定された場合に、前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力を下げる第2の下げ工程をさらに備え、
    前記取得工程が、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との通信がなされていると判定された場合に、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力を下げさせる第3の下げ工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記鞍乗型車両の移動速度に応じて、前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力、前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力を変動させることを特徴とする、請求項2又は3に記載のプログラム。
  5. 前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力、前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力は、前記鞍乗型車両の移動速度の増加に応じて下がることを特徴とする、請求項4に記載のプログラム。
  6. 前記転倒判定工程では、
    前記第2の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、
    前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力が最大でない場合には、当該アンテナ出力を上げ、
    前記鞍乗型車両との無線通信のアンテナ出力と、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力とが最大である場合には、前記鞍乗型車両が転倒したと判定し、
    前記第3の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第1の通信状態が途絶えている場合に、
    前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力が最大でない場合には、当該アンテナ出力を上げ、
    前記第1の携帯端末との無線通信のアンテナ出力と、前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の無線通信のアンテナ出力とが最大である場合には、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する
    ことを特徴とする、請求項2乃至5の何れか一項に記載のプログラム。
  7. 前記転倒判定工程では、前記鞍乗型車両との無線通信の通信強度、前記第1の携帯端末との通信強度、又は前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の通信強度に応じて、前記鞍乗型車両が転倒したと判定することを特徴とする、請求項2乃至6の何れか一項に記載のプログラム。
  8. 前記鞍乗型車両が転倒したとの判定がある場合に、所定の通信先に通報の送信を行う通報工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか一項に記載のプログラム。
  9. 前記通報工程による通報の送信のキャンセルを受け付ける受付工程をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載のプログラム。
  10. 前記受付工程は、通報の送信をキャンセルする操作を受け付ける操作オブジェクトを表示する工程であることを特徴とする、請求項9に記載のプログラム。
  11. 前記鞍乗型車両、前記第1の携帯端末、又は前記第2の携帯端末の位置を検知する検知工程をさらに備え、
    前記通報工程では、前記鞍乗型車両が転倒したとの判定がある場合に、前記所定の通報先に検知した前記鞍乗型車両、前記第1の携帯端末、又は前記第2の携帯端末の位置をさらに送信することを特徴とする、請求項8乃至10の何れか1項に記載のプログラム。
  12. 前記鞍乗型車両のライダの生体情報を取得する取得工程をさらに備え、
    前記通報工程では、前記鞍乗型車両が転倒したとの判定がある場合に、前記所定の通報先に取得した前記生体情報をさらに送信することを特徴とする、請求項8乃至11の何れか1項に記載のプログラム。
  13. 前記第1の端末を介して取得した前記ライダの生体情報に基づいて、前記ライダの異常がみられるか否かを判定する異常判定工程と、
    前記ライダに異常がみられると判定した場合に、前記所定の通報先に前記ライダに異常が生じた旨を送信する異常送信工程と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載のプログラム。
  14. 前記ライダに異常がみられると判定した場合に、前記鞍乗型車両に、動力源の出力低下指示を送信する指示送信工程をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載のプログラム。
  15. 前記第1の携帯端末は、前記鞍乗型車両に搭載可能な端末であり、前記第2の携帯端末は、前記鞍乗型車両のライダが身に着ける端末であることを特徴とする、請求項1乃至14の何れか一項に記載のプログラム。
  16. 鞍乗型車両及び第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末において用いられる情報処理方法であって、
    前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信工程と、
    前記鞍乗型車両との通信状態である第1の通信状態を判定する第1の通信状態判定工程と、
    前記第1の携帯端末との通信状態である第2の通信状態を判定する第2の通信状態判定工程と、
    前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末との間の通信状態である第3の通信状態を示す情報を取得する取得工程と、
    前記受信工程で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、
    前記第1の通信状態判定工程によって前記第1の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第3の通信状態が途絶えている場合に、又は
    前記第2の通信状態判定工程によって前記第2の通信状態が途絶えたと判定され、かつ前記第3の通信状態が途絶えている場合に、
    前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定工程と、
    を備えることを特徴とする、情報処理方法。
  17. 鞍乗型車両、第1の携帯端末、並びに前記鞍乗型車両及び前記第1の携帯端末と無線通信が可能な第2の携帯端末を含むシステムであって、
    前記第2の携帯端末は、
    前記鞍乗型車両から前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を受信する受信手段と、
    前記鞍乗型車両と前記第1の携帯端末と間の通信状態である第1の通信状態を示す情報を取得する取得手段と、
    前記受信手段で受信した情報に基づく前記鞍乗型車両の移動速度が所定の速度以上である場合であって、前記第1の通信状態が途絶えている場合に、前記鞍乗型車両が転倒したと判定する転倒判定手段と、
    を備え、
    前記鞍乗型車両は、
    前記鞍乗型車両の起動時に前記第1の携帯端末及び前記第2の携帯端末と無線通信を確立する通信手段と、
    前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を取得する取得手段と、
    前記鞍乗型車両の移動速度を示す情報を、前記通信手段を介して前記第2の携帯端末に送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とするシステム。
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