JP2022148528A - 車載通信装置及び車載通信システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022148528000001
【課題】車両において通信線のコネクタ同士が直接的に接続される箇所の数を低減することが期待できる車載通信装置及び車載通信システムを提供する。
【解決手段】本実施の形態に係る車載通信装置は、車両内に設けられる通信線がそれぞれ接続される第1接続部、第2接続部及び第3接続部と、通信線を介して通信を行う通信部と、前記第1接続部及び前記通信部の間に配された第1通信経路と、前記第2接続部及び前記第3接続部の間を直結する第2通信経路と、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態へ切り替える切替部とを備える。
【選択図】図2

Description

本開示は、車両に設けられた通信線を介して通信を行う車載通信装置及び車載通信システムに関する。
従来、車両にはECU(Electronic Control Unit)等の複数の車載通信装置が搭載されており、これら複数の車載通信装置が車両内に配された通信線を介して通信を行っている。近年では、車両に搭載される車載通信装置の数が増大し、車両に搭載される通信線の数及び長さ等も増大している。
特許文献1においては、第1物理的プロトコルによる通信を行う第1の通信ユニットと、第2物理的プロトコルによる通信を行う第2の通信ユニットとを備える通信システムが提案されている。この通信システムは、通信相手との合意に従って第1の通信ユニットによる第1伝送モードと第2の通信ユニットによる第2伝送モードとを切り替える。
特表2011-500430号公報
従来の車両においては、車両の全エリアが前側部分、中央部分及び後側部分等に複数のエリアに分割され、各エリアに配された通信線が直接的に接続されてエリア間の通信が行われている。複数の通信線同士が直接的な接続は、各通信線の端部に設けられたコネクタ同士の接続により行われる。近年、車両に搭載される通信線の数が増大しており、コネクタ同士の接続箇所の数も増大している。
本開示は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車両において通信線のコネクタ同士が直接的に接続される箇所の数を低減することが期待できる車載通信装置及び車載通信システムを提供することにある。
本態様に係る車載通信装置は、車両内に設けられる通信線がそれぞれ接続される第1接続部、第2接続部及び第3接続部と、通信線を介して通信を行う通信部と、前記第1接続部及び前記通信部の間に配された第1通信経路と、前記第2接続部及び前記第3接続部の間を直結する第2通信経路と、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態へ切り替える切替部とを備える。
本願は、このような特徴的な制御部を備える装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。これらの装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、これらの装置を含むその他の装置又はシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、車両において通信線のコネクタ同士が直接的に接続される箇所の数を低減することが期待できる。
本実施の形態に係る車載通信システムの構成を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るECUの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るECUが行う処理の手順を示すフローチャートである。 第1ネットワーク及び第2ネットワークに含む車載機器の一例を示す表である。 実施の形態2に係るECUの構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係るECUが行う処理の手順を示すフローチャートである。 実施の形態3に係るECUの構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係るECUの構成を示すブロック図である。
[本開示の実施の形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本態様に係る車載情報処理装置は、車両内に設けられる通信線がそれぞれ接続される第1接続部、第2接続部及び第3接続部と、通信線を介して通信を行う通信部と、前記第1接続部及び前記通信部の間に配された第1通信経路と、前記第2接続部及び前記第3接続部の間を直結する第2通信経路と、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態へ切り替える切替部とを備える。
本態様にあっては、車両に搭載される車載通信装置が通信線をそれぞれ接続するための第1接続部、第2接続部及び第3接続部と、これらの接続部に接続された車載機器との間で通信線を介した通信を行う通信部とを備える。車載通信装置の内部には、第1接続部及び通信部の間に配された第1通信経路と、第2接続部及び第3接続部の間を直結する第2通信経路とが設けられる。車載通信装置は、この第1通信経路及び第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態に切り替える切替部を備える。
従来の車両でコネクタ同士が直接的に接続されていた2本の通信線は、車載通信装置の第2接続部及び第3接続部に接続されることで、車載通信装置の第2通信経路を介して接続される。これにより通信線同士を直接的に接続することなく、車載通信装置を介して接続して車両の通信網を構成することができる。
車載通信装置が切替部により第1通信経路及び第2通信経路の間を接続状態とすることにより、第1接続部、第2接続部及び第3接続部に接続された3つの通信線の間で通信に関する信号の授受が可能となる。これにより、この3つの通信線に接続された車載機器は、相互に通信を行う事が可能となる。また切替部により第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、第1接続部に接続された通信線と、第2接続部及び第3接続部に接続された2つの通信線との間で通信に関する信号の授受が不可能となる。このように車載通信装置が切替部による切り替えを行う構成とすることにより、車載通信システムのネットワーク構成を柔軟に変更させることが可能となる。
(2)前記切替部による切り替えを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間が接続状態となるよう前記切替部を制御し、前記通信部が行う通信に異常を検出した場合に、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間が遮断状態となるよう前記切替部を制御することが好ましい。
本態様にあっては、切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を接続状態として通信部が通信を行い、通信に異常を検出した場合には切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態へ切り替える。これにより車載通信装置は、通信に何らかの異常が生じた場合に、ネットワークを動的に切断して分離し、異常の影響が広範囲に広がることを抑制することが期待できる。
(3)前記切替部の切り替えに関する設定値を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記設定値に応じて、前記切替部による切り替えを制御する制御部とを備えることが好ましい。
本態様にあっては、記憶部に記憶された設定値に応じて車載通信装置が切替部による切り替えの制御を行う。これにより、例えば車両の製造工程等にて設定値を記憶部に書き込むことにより、この車両のネットワーク構成を適宜に変更する事ができる。
(4)前記第1通信経路及び前記第2通信経路は、回路基板に設けられた配線パターンであり、前記切替部は、前記回路基板に着脱可能な回路素子であり、前記回路素子の装着により前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間が接続状態となることが好ましい。
本態様にあっては、第1通信経路及び第2通信経路を回路基板上の配線パターンとし、回路基板に着脱可能な回路素子により切替部を実現する。これにより、例えば車両の製造工程等にて回路素子の着脱を行うことにより、この車両のネットワーク構成を適宜に変更する事ができる。
(5)本態様に係る車載通信システムは、車両内に設けられる通信線がそれぞれ接続される第1接続部、第2接続部及び第3接続部、通信線を介して通信を行う通信部、前記第1接続部及び前記通信部の間に配された第1通信経路、前記第2接続部及び前記第3接続部の間を直結する第2通信経路、並びに、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態へ切り替える切替部を有する車載通信装置を備え、前記車両の前側に搭載された車載機器が通信線を介して前記第1接続部又は第2接続部に接続され、前記車両の後側に搭載された車載機器が通信線を介して前記第3接続部に接続される。
本態様にあっては、上述の車載通信装置に対し、車両の前側に搭載された車載装置が通信線を介して第1接続部又は第2接続部に接続され、車両の後側に搭載された車載装置が通信線を介して第3接続部に接続されることで車載通信システムが構成される。
従来の車両でコネクタ同士が直接的に接続されていた車両前後の2本の通信線は、車載通信装置の第2接続部及び第3接続部に接続されることで、車載通信装置の第2通信経路を介して接続される。これにより、車両の前後にそれぞれ搭載された車載機器が通信可能となるよう、車載機器が接続された2つの通信線同士を直接的に接続することなく、車載通信装置を介して接続して車両の通信網を構成することができる。
車載通信装置が切替部により第1通信経路及び第2通信経路の間を接続状態とすることにより、第1接続部、第2接続部及び第3接続部に接続された3つの通信線の間で通信に関する信号の授受が可能となる。これにより、この3つの通信線に接続された車両前後の車載機器は、相互に通信を行う事が可能となる。また切替部により第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、第1接続部に接続された通信線と、第2接続部及び第3接続部に接続された2つの通信線との間で通信に関する信号の授受が不可能となる。これにより車載通信装置は、車両のネットワークを分断することができる。このように車載通信装置が切替部による切り替えを行う構成とすることにより、車載通信システムのネットワーク構成を柔軟に変更させることが可能となる。
(6)前記車両の前輪のブレーキを制御する車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、前記車両の後輪のブレーキを制御する車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続されることが好ましい。
本態様にあっては、車両の前輪のブレーキを制御する車載機器が通信線を介して車載通信装置の第1接続部に接続され、後輪のブレーキを制御する車載機器が通信線を介して第3接続部に接続される。切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、前輪のブレーキを制御する車載機器を含む車両のネットワークと後輪のブレーキを制御する車載機器を含むネットワークとを分離することができる。これにより、いずれか一方のネットワークにて異常等が発生した場合であっても、この異常が他方のネットワークに波及することを防止できる。このため、前輪のブレーキ又は後輪のブレーキの少なくとも一方が作動することが期待できる。
(7)前記車両の変速機を制御する車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、前記車両のパーキングブレーキを制御する車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続されることが好ましい。
本態様にあっては、車両の変速機を制御する車載機器が通信線を介して車載通信装置の第1接続部に接続され、パーキングブレーキを制御する車載機器が通信線を介して第2接続部又は第3接続部に接続される。切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、変速機を制御する車載機器を含む車両のネットワークとパーキングブレーキを制御する車載機器を含むネットワークとを分離することができる。これにより、いずれか一方のネットワークにて異常等が発生した場合であっても、この異常が他方のネットワークに波及することを防止できるため、変速機又はパーキングブレーキの少なくとも一方を用いて車両を停車状態で固定することができる。
(8)前記車両のステアリング機構を制御する第1の車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、前記ステアリング機構を制御する第2の車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続されることが好ましい。
本態様にあっては、車両にはステアリング機構を制御する第1の車載機器及び第2の車載機器の2つが搭載され、いずれか一方の車載機器が動作していればステアリング機構を正常に動作させることができる。本態様にあっては、第1の車載機器が通信線を介して車載通信装置の第1接続部に接続され、第2の車載機器が通信線を介して第2接続部又は第3接続部に接続される。切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、第1の車載機器を含む車両のネットワークと第2の車載機器を含むネットワークとを分離することができる。これにより、いずれか一方のネットワークにて異常等が発生した場合であっても、この異常が他方のネットワークに波及することを防止できるため、第1の車載機器又は第2の車載機器の少なくとも一方を用いてステアリング機構の制御を行う事ができる。
(9)前記車両の自動運転に係る制御を行う第1の車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、前記車両の自動運転に係る制御を行う第2の車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続されることが好ましい。
本態様にあっては、車両には自動運転に係る制御を行う第1の車載機器及び第2の車載機器の2つが搭載され、いずれか一方の車載機器が動作していれば自動運転を正常に行うことができる。本態様にあっては、第1の車載機器が通信線を介して車載通信装置の第1接続部に接続され、第2の車載機器が通信線を介して第2接続部又は第3接続部に接続される。切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、第1の車載機器を含む車両のネットワークと第2の車載機器を含むネットワークとを分離することができる。これにより、いずれか一方のネットワークにて異常等が発生した場合であっても、この異常が他方のネットワークに波及することを防止できるため、第1の車載機器又は第2の車載機器の少なくとも一方を用いて車両の自動運転を行う事ができる。
(10)前記車両の周辺に存在する物体を検出するセンサの制御を行う車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、前記車両の周辺を撮影するカメラの制御を行う車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続されることが好ましい。
本態様にあっては、例えば車両の前方監視又は後方監視等のために、車両周辺に存在する物体を検出するセンサ及び車両の周辺を撮影するカメラが車両に搭載される。本態様にあっては、センサの制御を行う車載機器が通信線を介して車載通信装置の第1接続部に接続され、カメラの制御を行う車載機器が通信線を介して第2接続部又は第3接続部に接続される。切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、第1の車載機器を含む車両のネットワークと第2の車載機器を含むネットワークとを分離することができる。これにより、いずれか一方のネットワークにて異常等が発生した場合であっても、この異常が他方のネットワークに波及することを防止できるため、センサ又はカメラの少なくとも一方を用いて車両の周辺監視を行う事ができる。
(11)前記車両の車室内に設けられたメータの表示制御を行う車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、カーナビゲーション装置が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続されることが好ましい。
本態様にあっては、メータの表示制御を行う車載機器が通信線を介して車載通信装置の第1接続部に接続され、カーナビゲーション装置が通信線を介して第2接続部又は第3接続部に接続される。切替部にて第1通信経路及び第2通信経路の間を遮断状態とすることにより、メータの表示制御を行う車載機器を含む車両のネットワークとカーナビゲーション装置を含むネットワークとを分離することができる。これにより車載通信システムは、いずれか一方のネットワークにて異常等が発生した場合であっても、この異常が他方のネットワークに波及することを防止できる。このため車載通信システムは、メータの表示機能又はカーナビゲーション装置の表示機能を利用して、運転者に対するメッセージ表示等を行うことができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る車載通信システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る車載通信システムの構成を説明するための模式図である。本実施の形態に係る車載通信システムは、車両1に複数のECU2,3A~3Dが搭載され、これら複数のECU2,3A~3Dが通信線を介して通信を行うシステムである。ECU2,3A~3Dは、それぞれ車両1内の適所に搭載され、車両1の走行に関する制御処理、車両1の周辺情報を収集する情報処理、又は、ユーザに対する情報提供処理等の種々の処理をそれぞれ行っている。
本実施の形態においては、ECU2,3A~3D及び通信線等の機器を搭載可能な車両1内のエリアを、大きく前側エリア101及び後側エリア102の2つに分けて扱う。前側エリア101は例えばエンジンルームに相当するエリアであり、後側エリア102は例えばそれより後方の車室内のエリアである。また本実施の形態においては、後側エリア102内に含まれる特定のエリア、例えばインストルメントパネルに関する機器が搭載されるエリアを、インパネエリア103として扱う。なおこれらのエリア名、エリアの位置及びエリアの大きさ等は、一例であって、これに限るものではない。
本実施の形態に係る車載通信システムでは、ECU3A及び3Bが前側エリア101に搭載され、ECU3Cが後側エリア102に搭載され、ECU3Dがインパネエリア103に搭載されている。ECU2は、前側エリア101、後側エリア102及びインパネエリア103のいずれに搭載されてもよいが、図示の例ではインパネエリア103に搭載されている。ECU3A~3Dは、それぞれ個別の通信線を介してECU2に接続されている。各通信線は、通信に必要な一又は複数の電線を束ねたいわゆるワイヤハーネスであり、その両端部には機器との接続を行うためのコネクタが設けられている。なお通信線には分岐が存在してもよく、この場合には1つの通信線に3つ以上の機器が接続され得る。
図2は、実施の形態1に係るECU2の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係るECU2は、マイコン(制御部)21、トランシーバ(通信部)22、リレー(切替部)23及びコネクタ(接続部)24A~24D等を備えて構成されている。マイコン21は、例えばマイクロコンピュータ又はマイクロコントローラ等のIC(Integrated Circuit)を用いて構成されている。マイコン21は、例えば内部又は外部に設けられた不揮発性メモリ(図示は省略する)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ECU2の各部の動作を制御するための演算処理を行う。
トランシーバ22は、所定の通信プロトコルに従って通信に関する信号処理を行う事によって、他のECU3A~3Dとの間でメッセージの送受信を行う。本実施の形態においてトランシーバ22は、CAN(Controller Area Network)の通信プロトコルによる通信を行う。CANは、CAN-HI及びCAN-LOと呼ばれる2本の通信線を介して通信を行う通信プロトコルであり、図10においては通信線及びECU2内の通信経路を2本の線で示している。トランシーバ22は、マイコン21からデジタルデータとして与えられた送信メッセージをCANの通信プロトコルに適した電気信号として出力することでメッセージ送信を行う。またトランシーバ22は、通信線又は通信経路の電位に基づいて通信に係る電気信号を検知し、この電気信号をデジタルデータに変化したものを受信メッセージとしてマイコン21へ与える。なお、トランシーバ22が用いる通信プロトコルは、CANに限らず、例えばCAN-FD(CAN with Flexible Data rate)、CAN-XL、イーサネット、LIN(Local Interconnect Network)又はCXPI(Clock Extension Peripheral Interface)等の通信プロトコルであってもよい。本実施の形態に係る車載通信システムは、複数の通信装置が通信線を共有するネットワーク構成、いわゆるバス型のネットワーク構成を想定している。
4つのコネクタ24A~24Dは、通信線4A~4Dの端部に設けられたコネクタ(図示は省略する)と嵌合することによって、通信線とECU2内の配線及び回路等とを電気的に接続する。本実施の形態において第1のコネクタ24Aは、車両1の前側エリア101に搭載されたECU3Aと通信線4Aを介して接続される。また第2のコネクタ24Bは、前側エリア101に搭載されたECU3Bと通信線4Bを介して接続される。また第3のコネクタ24Cは、後側エリア102に搭載されたECU3Cと通信線4Cを介して接続される。また第4のコネクタ24Dは、インパネエリア103に搭載されたECU3Dと通信線4Dを介して接続される。
本実施の形態に係るECU2は、例えば合成樹脂製の筐体の中に、マイコン21及びトランシーバ22等の回路部品が搭載された回路基板を収容して構成される。コネクタ24A~24Dは、回路基板に電気的に接続され且つ固定された状態で、その一部分をECU2の筐体の側面等に形成された開口部から外部へ露出させている。回路基板に搭載されたマイコン21、トランシーバ22及びコネクタ24A~24Dは、回路基板上に形成された配線パターンを介して電気的に接続される。本実施の形態においては、トランシーバ22及び第1のコネクタ24Aの間を接続する配線パターンを第1の通信経路25と呼ぶ。また第2~第3のコネクタ24B~24Dを直結するように接続する配線パターンを第2の通信経路26と呼ぶ。なお、第2~第3のコネクタ24B~24Dを直結する第2の通信経路26には、例えば信号のノイズ除去のためのフィルタ回路等が介在してもよい。
また本実施の形態に係るECU2は、第1の通信経路25及び第2の通信経路26を電気的に接続する第3の通信経路27が回路基板上の配線パターンとして設けられている。第3の通信経路27にはその途中にリレー23が設けてあり、リレー23の通電状態/遮断状態の切り替えはマイコン21から与えられる信号に基づいて制御される。リレーは、例えば電磁式リレー又はソリッドステートリレー等の回路部品であるが、例えば電界効果トランジスタ又はMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等の半導体スイッチ等が用いられてもよい。
リレー23が通電状態である場合、第1の通信経路25及び第2の通信経路26は第3の通信経路27を介して電気的に接続された状態となる。この状態では、ECU2のトランシーバ22及びECU3A~3Dは1つの通信線を共有して接続された状態となり、通信が可能である。これに対してリレー23が遮断状態である場合、第1の通信経路25及び第2の通信経路26は電気的に接続されず、分離された状態となる。この状態では、ECU2のトランシーバ22及びECU3Aの間で通信可能であり、ECU3B~3Dの間で通信可能であるが、ECU2及びECU3AとECU3B~3Dとの間では通信不可能である。
本実施の形態に係るECU2のマイコン21は、例えば初期状態においてリレー23を通電状態とし、トランシーバ22によるECU3A~3Dとの間の通信を行う。初期状態は、例えば車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態へ切り替えられ、ECU2への電源が投入された直後の状態である。その後、マイコン21は、トランシーバ22による他のECU3A~3Dとの通信を行うと共に、通信における異常を検出する処理を行う。マイコン21は、例えばトランシーバ22がCANの通信プロトコルのエラーフレームを所定回数以上受信した場合、定義されていないCAN-IDが付されたメッセージを受信した場合、定められた周期とは異なるタイミングでメッセージを受信した場合、メッセージの送信失敗が所定回数以上に亘って続いた場合、又は、通信量が閾値を超えた場合等に異常が発生したと判断することができる。なお、上記の通信に関する異常は一例であってこれに限るものではなく、マイコン21がどのような状況を通信の異常と判断するかは、車両1又は車載通信システムの構成等に応じて適宜に定められてよい。
図3は、実施の形態1に係るECU2が行う処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態1に係るECU2のマイコン21は、例えば車両1のイグニッションスイッチがオンされてECU2への電源投入がなされた場合に、所定の起動処理を行う(ステップS1)。起動処理が終了した後、マイコン21は、リレー23を通電状態に切り替える(ステップS2)。なお、リレー23が初期状態で通電状態のもの、いわゆるノーマリーオンタイプのリレーである場合には、マイコン21は、ステップS2においてリレー23の切り替えを行わなくてよい。
マイコン21は、トランシーバ22による他のECU3A~3Dとの通信処理を行う(ステップS3)。マイコン21は、通信処理において何らかの異常を検出したか否かを判定する(ステップS4)。異常を検出していない場合(S4:NO)、マイコン21は、ステップS3へ処理を戻し、通信処理を継続して行う。異常を検出した場合(S4:YES)、マイコン21は、リレー23を遮断状態に切り替える(ステップS5)。その後、マイコン21は、トランシーバ22によるECU3Aとの通信処理を継続して行う(ステップS6)。なお、ステップS4にて検出された異常によりECU3Aとの通信を行う事ができない場合には、マイコン21は、通信処理を停止してもよい。
実施の形態1に係るECU2は、通信に異常が生じた場合にリレー23を通電状態から遮断状態へ切り替えることにより、第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を遮断状態へ切り替える。これによりECU2は、第1の通信経路25に接続されているトランシーバ22及びECU3Aを含む第1のネットワークと、第2の通信経路26に接続されているECU3B~3Dを含む第2のネットワークとを分離することができる。よってECU2は、一方のネットワークが要因となる通信の異常が他方のネットワークへ波及することを防止することができる。これを利用して、第1のネットワークに接続する車載機器と第2のネットワークに接続する車載機器とを適切に選択することにより、これらの車載機器にて実現される車両1の機能を冗長化することが期待できる。
図4は、第1ネットワーク及び第2ネットワークに含む車載機器の一例を示す表である。本実施の形態に係る車載通信システムでは、ECU2が備えるリレー23による通信経路の通電及び遮断の切り替えを行う事によって、車両1に搭載された通信のネットワークを2つに分離することができる。以下、ECU2の第1のコネクタ24Aに通信線4Aを介して接続された一又は複数のECU3Aと、ECU2のトランシーバ22及び第1の通信経路25とを含むネットワークを第1ネットワークという。また、ECU2の第2のコネクタ24B~第4のコネクタ24Dに通信線4B~4Dを介して接続された一又は複数のECU3B~3Dと、ECU2の第2の通信経路26とを含むネットワークを第2のネットワークという。
ECU2は、通常はリレー23を通電状態とすることによって、第1のネットワーク及び第2のネットワークを接続状態として1つのネットワークとして通信を行う。通信に異常を検出した場合に、ECU2は、リレー23を遮断状態として、第1のネットワーク及び第2のネットワークを遮断状態として分離することで、通信の異常が広範囲に伝播することを防止する。第1のネットワーク及び第2のネットワークにそれぞれどのような車載機器を接続するかは、車両1に搭載された種々の装置の種類、機能及び搭載位置等に応じて、車両1の設計者等により適宜に決定される。ただし、第1のネットワーク及び第2のネットワークには、類似の機能又は互いを補う機能を有する車載機器を分けて接続することが好ましい。
例えば、第1のネットワークには車両1のシフトバイワイヤに関する制御を行うシフトバイワイヤECUを接続し、第2のネットワークには車両1のエレクトリカルパーキングブレーキに関する制御を行うエレクトリカルパーキングブレーキECUを接続することが考えられる。詳細な説明は省略するが、シフトバイワイヤは車両1の変速機を電気的な制御で行うものであり、例えば変速機を「P(パーキング)」の状態とすることで、車両1が移動しないよう固定することができる。エレクトリカルパーキングブレーキは、車両1のパーキングブレーキを電気的な制御で行うものであり、車両1が移動しないよう固定することができる。車両1を固定する機能を担う車載機器を第1のネットワーク及び第2のネットワークに分散させて冗長化することにより、いずれか一方のネットワークに異常が生じた場合であっても、他方のネットワークに接続された車載機器により車両1を固定する機能を作動させることが期待できる。
また例えば、ステアリング機構を電気的に制御するステアバイワイヤの機能を担うステアバイワイヤECUを車両1に2つ搭載し、第1のネットワークには第1のステアバイワイヤECUを接続し、第2のネットワークには第2のステアバイワイヤECUを接続することが考えられる。車両1の操舵に係る機能を担うステアバイワイヤECUを第1のネットワーク及び第2のネットワークに分散させて冗長化することにより、いずれか一方のネットワークに異常が生じた場合であっても、他方のネットワークに接続されたステアバイワイヤECUにより車両1の操舵機能を作動させることが期待できる。
また例えば、第1のネットワークには車両1の前輪のブレーキを制御する電動油圧前輪ブレーキECUを接続し、第2のネットワークには車両1の後輪のブレーキを制御する電動モータ後輪ブレーキECUを接続することが考えられる。車両1のブレーキ機能を担う車載機器を第1のネットワーク及び第2のネットワークに分散させて冗長化することにより、いずれか一方のネットワークに異常が生じた場合であっても、他方のネットワークに接続された車載機器により車両1のブレーキ機能を作動させることが期待できる。
また例えば、車両1の自動運転に関する制御を行う自動運転ECUを車両1に2つ搭載し、第1のネットワークには第1の自動運転ECUを接続し、第2のネットワークには第2の自動運転ECUを接続することが考えられる。車両1の自動運転に係る機能を担う自動運転ECUを第1のネットワーク及び第2のネットワークに分散させて冗長化することにより、いずれか一方のネットワークに異常が生じた場合であっても、他方のネットワークに接続された自動運転ECUにより車両1の自動運転機能を作動させることが期待できる。
また例えば、第1のネットワークには車両1のミリ波レーダに関する制御を行うミリ波レーダECUを接続し、第2のネットワークには車両1のフロントカメラに関する制御を行うフロントカメラECUを接続することが考えられる。ミリ波レーダは、30GHz~300GHzの周波数帯の電波を出射して反射波を検出することにより、車両1の周辺に存在する障害物等を検知するセンサとして用いられる。フロントカメラは例えば車両1の前方を撮影するものであり、フロントカメラECUは撮影された画像に写された障害物等を検知する画像処理を行う。車両1の周辺に存在する障害物等を検知する機能を担う車載機器を第1のネットワーク及び第2のネットワークに分散させて冗長化することにより、いずれか一方のネットワークに異常が生じた場合であっても、他方のネットワークに接続された車載機器により車両1の周辺に存在する障害物等を検知する機能を作動させることが期待できる。
また例えば、第1のネットワークには車両1のメータの表示制御を行うメータECUを接続し、第2のネットワークには車両1のカーナビゲーション装置を接続することが考えられる。車両1に搭載されるメータ及びカーナビゲーション装置は、いずれも運転者等のユーザとのインタフェースをなす車載機器であり、ユーザに対する情報の表示機能を備えている。ユーザへの情報表示機能を担う車載機器を第1のネットワーク及び第2のネットワークに分散させて冗長化することにより、いずれか一方のネットワークに異常が生じた場合であっても、他方のネットワークに接続された車載機器によりユーザへの情報表示機能を作動させることが期待できる。
なお、図4に示した車載機器、及び、ネットワークと車載機器との対応関係は、一例であってこれに限るものではなく、様々な車載機器が第1のネットワーク及び第2のネットワークに接続され得る。また図4に示した接続関係は逆であってもよい。例えばエレクトリカルパーキングブレーキECUを第1のネットワークに接続し、シフトバイワイヤECUを第2のネットワークに接続してもよい。ただし図4においては、車両1の前側エリア101に搭載され、且つ、ECU2の第1のコネクタ24Aに接続される車載機器を第1のネットワークに含めている。また、車両1の後側エリア102又はインパネエリア103に搭載され、且つ、ECU2の第2のコネクタ24B~第4のコネクタ24Dに接続される車載機器を第2のネットワークに含めている。
以上の構成の実施の形態1に係る車載通信システムでは、車両1に搭載されるECU2が、通信線4A~4Dをそれぞれ接続するための第1のコネクタ24A~第4のコネクタ24Dと、これらの通信線4A~4Dに接続されたECU3A~3Dとの間で通信を行うトランシーバ22とを備える。ECU2の内部には、第1のコネクタ24A及びトランシーバ22の間に配された第1の通信経路25と、第2のコネクタ24B~第4のコネクタ24Dの間を直結する第2の通信経路26とが設けられる。ECU2は、この第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を接続状態又は遮断状態に切り替えるリレー23を備えている。
従来の車両でコネクタ同士が直接的に接続されていた2本の通信線は、ECU2の第2のコネクタ24B~第4のコネクタ24Dに接続されることで、ECU2内の第2の通信経路26を介して接続される。これにより、通信線同士を直接的に接続することなく、ECU2を介して接続して車両のネットワークを構成することができる。
またECU2がリレー23により第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を接続状態とすることにより、第1のコネクタ24A~第4のコネクタ24Dに接続された複数の通信線4A~4Dの間で通信に関する信号の授受が可能となる。よってこれら複数の通信線4A~4Dに接続されたECU3A~3Dが通信を行う事が可能となる。またECU2がリレー23により第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を遮断状態とすることにより、第1のコネクタ24Aに接続された通信線4Aと、第2のコネクタ24B~第4のコネクタ24Dに接続された通信線4B~4Dとの間で通信に関する信号の授受が不可能となる。このようにECU2がリレー23による切替制御を行う構成とすることにより、車載通信システムのネットワーク構成を柔軟に変更させることが可能となる。
また本実施の形態に係るECU2は、リレー23を通電状態として第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を接続状態としてトランシーバ22が通信を行い、通信に異常を検出した場合にはリレー23を遮断状態に切替えて第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を遮断状態へ切り替える。これによりECU2は、通信に何らかの異常が生じた場合に、ネットワークを動的に切断して分離し、異常の影響が広範囲に広がることを抑制することが期待できる。
なお、本実施の形態に係るECU2は、第1のコネクタ24Aから第4のコネクタ24Dまでの4つのコネクタを備える構成であるが、これに限るものではなく、コネクタの数は3つ又は5つ以上であってよい。第1の通信経路25に複数のコネクタが接続されてもよい。第2の通信経路26は少なくとも2つのコネクタが接続(直結)されていればよい。また、本実施の形態に係る車載通信システムでは、車両1内を前側エリア101、後側エリア102及びインパネエリア103の3つに分け、これらのエリアとECU2の第1のコネクタ24A~第4のコネクタ24Dとの対応関係を定めているが、これに限るものではなく、車両1内のエリアは2つ以下又は4つ以上に分けられてもよく、エリア分けがなされなくてもよい。
<実施の形態2>
図5は、実施の形態2に係るECU2の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係るECU2は、リレー23を通電状態又は遮断状態のいずれとするかを定める設定値を記憶するメモリ228を備えている。メモリ228は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等のデータ書換可能な不揮発性のメモリ素子を用いて構成される。なおメモリ228は、マイコン21に内蔵されたメモリであってもよい。またメモリ228には、リレー23に関する設定値以外のデータ又はプログラム等が記憶されてもよい。
実施の形態2に係るECU2のマイコン21は、例えば車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態へ切り替えられ、ECU2への電源が投入された際にメモリ228に記憶された設定値を読み出す。マイコン21は、読み出した設定値に応じて、リレー23を通電状態又は遮断状態とする信号を出力し、リレー23の切替制御を行う。実施の形態2に係るECU2は、例えば通信の異常に応じたリレー23の動的な切替制御は行わず、メモリ228に記憶された設定値に応じたリレー23の静的な切替制御を行う。
なおリレー23の切替状態に関する設定値のメモリ228への書き込みは、例えばECU2又は車両1の製造工程にて行われ得る。またメモリ228に記憶された設定値の変更(上書)は、例えば車両1のディーラ又は整備工場等にて行われ得る。リレー23を通電状態又は遮断状態のいずれとするかは、例えば車両1の設計者、車載通信システムの設計者、車両1の製造者、又は、車両1の整備者等が適宜に決定することができる。例えば第1のネットワーク及び第2のネットワークにそれぞれ接続されている車載機器の数に応じて、リレー23を通電状態又は遮断状態のいずれとするかが決定され得る。CANの通信プロトコルでは、通信線に接続される車載機器の上限数が定められており、車両1に搭載される車載装置の数がこの上限数を超える場合には、リレー23を遮断状態として2つのネットワークに分離することでこの上限数を満たすことが期待できる。
図6は、実施の形態2に係るECU2が行う処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態2に係るECU2のマイコン21は、例えば車両1のイグニッションスイッチがオンされてECU2への電源投入がなされた場合に、所定の起動処理を行う(ステップS21)。起動処理が終了した後、マイコン21は、メモリ228に記憶された設定値を読み出す(ステップS22)。マイコン21は、ステップS22にて読み出した設定値に応じて通電状態又は遮断状態のいずれかを決定し、決定した状態となるようにリレー23の状態を切り替える制御を行う(ステップS23)。その後、マイコン21は、トランシーバ22による通信処理を継続して行う(ステップS24)。
以上の構成の実施の形態2に係るECU2は、メモリ228に記憶された設定値に応じてマイコン21がリレー23による切替制御を行う。これにより、例えば車両1の製造工程等にて設定値をメモリ228に書き込むことにより、この車両1のネットワーク構成を適宜に変更することができる。
また、実施の形態2に係る車載通信システムのその他の構成は、実施の形態1に係る車載通信システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
<実施の形態3>
図7は、実施の形態3に係るECU2の構成を示すブロック図である。実施の形態3に係るECU2は、実施の形態1に係るECU2が備えるリレー23に代えて、抵抗器323を備えている。抵抗器232は、第1の通信経路25及び第2の通信経路26を接続する第3の通信経路27の途中に設けられている。抵抗器232は、例えば抵抗値が0Ωの抵抗器であり、いわゆるジャンパと呼ばれ得る回路部品である。実施の形態3に係るECU2のマイコン21は、リレー23に代えて設けられた抵抗器232に対して切替制御等を行う事はない。
抵抗器232は、第1の通信経路25及び第2の通信経路26等が配線パターンとして形成された回路基板に対して着脱することが可能である。抵抗器232が回路基板に装着されることによって、第1の通信経路25及び第2の通信経路26が抵抗器232を介して電気的に接続された状態となる。抵抗器232が回路基板から取り外されることによって、第1の通信経路25及び第2の通信経路26は電気的に接続されていない(遮断された)状態となる。これにより実施の形態3に係るECU2は、抵抗器232を装着するか否かを第1の通信経路25及び第2の通信経路26を接続するか又は遮断するかの設定として、実施の形態2に係るECU2と同様の効果を得ることができる。
なお、ECU2の回路基板に対する抵抗器232の着脱は、例えばECU2又は車両1の製造工程にて行われてもよく、また例えば車両1のディーラ又は整備工場等にて行われてもよい。抵抗器232を装着するか否か、即ち第1の通信経路25及び第2の通信経路26を接続状態とするか遮断状態とするかは、例えば車両1の設計者、車載通信システムの設計者、車両1の製造者、又は、車両1の整備者等が適宜に決定することができる。
以上の構成の実施の形態3に係るECU2は、第1の通信経路25及び第2の通信経路26を回路基板上の配線パターンとし、回路基板に対して着脱可能な抵抗器232等の回路素子により、第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間を通電状態又は遮断状態に切り替えることが可能な構成である。これにより、例えば車両1の製造工程等にて抵抗器232の着脱を行うことにより、この車両1のネットワーク構成を適宜に変更する事ができる。
なお実施の形態3においては、ECU2の回路基板に抵抗器232を着脱する構成としたが、これに限るものではなく、抵抗器232以外の回路素子を着脱する構成としてもよい。
また、実施の形態3に係る車載通信システムのその他の構成は、実施の形態1,2に係る車載通信システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
<実施の形態4>
図8は、実施の形態4に係るECU2の構成を示すブロック図である。実施の形態4に係るECU2は、実施の形態1に係るECU2に対して、第5のコネクタ24E及び第6のコネクタ24Fを追加した構成である。第5のコネクタ24E及び第6のコネクタ24Fは、ECU2内の回路基板に配線パターンとして設けられた第4の通信経路28を介して直結されている。また実施の形態4に係るECU2は、第1の通信経路25及び第4の通信経路28を電気的に接続する第5の通信経路29が回路基板に設けてある。第5の通信経路29にはその途中にリレー23が設けてあり、リレー23の通電状態/遮断状態の切り替えはマイコン21から与えられる信号に基づいて制御される。
実施の形態4に係るECU2では、第1の通信経路25及び第2の通信経路26の間に設けられたリレー23と、第1の通信経路25及び第4の通信経路28の間に設けられたリレー23とを、マイコン21が個別に切り替え制御することによって、車両1内のネットワークを1つにまとめて扱うことができ、2つ又は3つのネットワークに適宜に分離して扱うことができる。ECU2は、リレー23の切り替えを動的に行ってもよく、静的に行ってもよい。
なおECU2は、より多くのコネクタ及びリレー等を備えて、車両内のネットワークを4つ以上に分離することが可能な構成であってもよい。
また、実施の形態4に係る車載通信システムのその他の構成は、実施の形態1~3に係る車載通信システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
車載通信装置は、マイクロプロセッサ、ROM及びRAM等を含んで構成されるコンピュータを備える。マイクロプロセッサ等の演算処理部は、図3及び図6に示すような、シーケンス図又はフローチャートの各ステップの一部又は全部を含むコンピュータプログラムを、ROM、RAM等の記憶部からそれぞれ読み出して実行してよい。これら複数の装置のコンピュータプログラムは、それぞれ、外部のサーバ装置等からインストールすることができる。また、これらのコンピュータプログラムは、それぞれ、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通する。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両
2 ECU(車載通信装置)
3A~3D ECU(車載機器)
4A~4D 通信線
21 マイコン(制御部)
22 トランシーバ(通信部)
23 リレー(切替部)
24A~24F コネクタ(接続部)
25 第1の通信経路(第1通信経路)
26 第2の通信経路(第2通信経路)
27 第3の通信経路
28 第4の通信経路
29 第5の通信経路
101 前側エリア
102 後側エリア
103 インパネエリア

Claims (11)

  1. 車両内に設けられる通信線がそれぞれ接続される第1接続部、第2接続部及び第3接続部と、
    通信線を介して通信を行う通信部と、
    前記第1接続部及び前記通信部の間に配された第1通信経路と、
    前記第2接続部及び前記第3接続部の間を直結する第2通信経路と、
    前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態へ切り替える切替部と
    を備える車載通信装置。
  2. 前記切替部による切り替えを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間が接続状態となるよう前記切替部を制御し、
    前記通信部が行う通信に異常を検出した場合に、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間が遮断状態となるよう前記切替部を制御する、
    請求項1に記載の車載通信装置。
  3. 前記切替部の切り替えに関する設定値を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記設定値に応じて、前記切替部による切り替えを制御する制御部と
    を備える、請求項1に記載の車載通信装置。
  4. 前記第1通信経路及び前記第2通信経路は、回路基板に設けられた配線パターンであり、
    前記切替部は、前記回路基板に着脱可能な回路素子であり、前記回路素子の装着により前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間が接続状態となる、
    請求項1に記載の車載通信装置。
  5. 車両内に設けられる通信線がそれぞれ接続される第1接続部、第2接続部及び第3接続部、通信線を介して通信を行う通信部、前記第1接続部及び前記通信部の間に配された第1通信経路、前記第2接続部及び前記第3接続部の間を直結する第2通信経路、並びに、前記第1通信経路及び前記第2通信経路の間を接続状態又は遮断状態へ切り替える切替部を有する車載通信装置を備え、
    前記車両の前側に搭載された車載機器が通信線を介して前記第1接続部又は第2接続部に接続され、
    前記車両の後側に搭載された車載機器が通信線を介して前記第3接続部に接続される、
    車載通信システム。
  6. 前記車両の前輪のブレーキを制御する車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、
    前記車両の後輪のブレーキを制御する車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続される、
    請求項5に記載の車載通信システム。
  7. 前記車両の変速機を制御する車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、
    前記車両のパーキングブレーキを制御する車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続される、
    請求項5又は請求項6に記載の車載通信システム。
  8. 前記車両のステアリング機構を制御する第1の車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、
    前記ステアリング機構を制御する第2の車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続される、
    請求項5から請求項7までのいずれか1つに記載の車載通信システム。
  9. 前記車両の自動運転に係る制御を行う第1の車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、
    前記車両の自動運転に係る制御を行う第2の車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続される、
    請求項5から請求項8までのいずれか1つに記載の車載通信システム。
  10. 前記車両の周辺に存在する物体を検出するセンサの制御を行う車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、
    前記車両の周辺を撮影するカメラの制御を行う車載機器が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続される、
    請求項5から請求項9までのいずれか1つに記載の車載通信システム。
  11. 前記車両の車室内に設けられたメータの表示制御を行う車載機器が通信線を介して前記第1接続部に接続され、
    カーナビゲーション装置が通信線を介して前記第2接続部又は前記第3接続部に接続される、
    請求項5から請求項10までのいずれか1つに記載の車載通信システム。
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