JP2022144878A - 補助加圧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】補助加圧ポンプの吐出側に設けられた逆止弁が固着故障した場合の運転によるにポンプ損傷を未然に防止する。【解決手段】補助加圧ポンプ制御盤52は、本管圧力検出スイッチ48から給水本管18の本管圧力低下検出信号を受信した場合に補助加圧ポンプ40を起動し、本管圧力低下検出信号の受信が停止した場合に補助加圧ポンプ40を停止させる。補助加圧ポンプ40の吐出側の配管に設けられた逆止弁46の固着異常に対処するため、逆止弁46の1次側に、補助加圧ポンプ40の吐出圧力を検出して補助加圧運転検出信号を出力する補助加圧運転検出スイッチ50が設けられ、補助加圧ポンプ制御盤52は、補助加圧運転検出信号の受信中に、本管圧力低下検出信号の受信が所定時間を超えて継続した場合、逆止弁46が開かずに補助加圧ポンプが運転中にある異常と判断して補助加圧ポンプ40を本管圧力が回復していなくとも、強制的に停止させる。【選択図】図1
Description
本発明は、スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管の圧力低下を補助的に補うスプリンクラー消火設備の補助加圧装置に関する。
従来、湿式のスプリンクラー消火設備は、消火ポンプの給水本管から防護区画毎に分岐された分岐管に閉鎖型のスプリンクラーヘッドを接続しており、給水本管及び分岐管には消火用水が所定の規定圧力に加圧された状態で充水されている。
火災によりスプリンクラーヘッドが作動した場合には、スプリンクラーヘッドからの放水による給水本管内の圧力低下を検出して消火ポンプを起動し、消火用水を供給することで作動したスプリンクラーヘッドから継続的に放水させるようにしている。
また、給水本管内の圧力は、気温の低下等により管内の空気が収縮して圧力が低下する場合があり、このような一時的な管内圧力の低下を回復させるため、消火ポンプに比べ容量の小さい小型の補助加圧ポンプを用いた補助加圧装置が設けられ、給水本管の圧力が消火ポンプを起動させる規定圧力より高めに設定された補助加圧の開始圧力以下に低下した場合に補助加圧ポンプを起動し、給水本管内の圧力が規定圧力以上の値を保つようにしている。
しかしながら、このような従来の補助加圧装置にあっては、補助加圧ポンプの吐出側からの配管は逆止弁を介して給水本管に接続されており、施工時に逆止弁が不良品であったり、設備運用中の逆止弁の経年変化により、補助加圧ポンプを運転した場合に逆止弁の弁体が固着して開かない固着故障を起こす場合があり、逆止弁が開かないと給水本管の圧力は規定圧力以上に回復しないため、例えば無人となる夜間のあいだ中、補助加圧ポンプが運転したままとなり、補助加圧ポンプは給水本管の一時的な圧力低下を補うことから、長時間に亘る連続運転を想定しておらず、駆動モータやポンプ軸部が異常加熱等を起こし、故障してしまう問題がある。
このように補助加圧ポンプの運転中に異常が起きると、故障に至る前に異常警報が出されるが、施工時や点検時には、音響警報を停止しているため、補助加圧ポンプの異常に気付くことがなく、補助加圧ポンプを損傷してしまう問題があった。
本発明は、補助加圧ポンプの吐出側に設けられた逆止弁が固着故障した場合の運転によるにポンプ損傷を確実に防止可能とする補助加圧装置を提供することを目的とする。
(補助加圧装置1)
本発明は、スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管に逆止弁を介して補助加圧ポンプが接続され、給水本管の本管圧力が低下した場合に補助加圧ポンプの運転を開始し、本管圧力が回復した場合に補助加圧ポンプの運転を停止させる補助加圧装置であって、
本管圧力が低下して補助加圧ポンプの運転を開始し、運転の開始から所定時間を越えて本管圧力の低下が継続した場合に、補助加圧ポンプの運転を停止させることを特徴とする。
本発明は、スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管に逆止弁を介して補助加圧ポンプが接続され、給水本管の本管圧力が低下した場合に補助加圧ポンプの運転を開始し、本管圧力が回復した場合に補助加圧ポンプの運転を停止させる補助加圧装置であって、
本管圧力が低下して補助加圧ポンプの運転を開始し、運転の開始から所定時間を越えて本管圧力の低下が継続した場合に、補助加圧ポンプの運転を停止させることを特徴とする。
(補助加圧装置2)
本発明は、
スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管を補助加圧する補助加圧ポンプと、
補助加圧ポンプを給水本管に接続する配管に設けられた逆止弁と、
逆止弁の2次側に設けられ、給水本管の本管圧力が所定圧力以下に低下又は所定圧力を下回った場合に本管圧力低下検出信号を出力し、本管圧力が所定圧力を上回るか又は所定圧力以上となった場合に本管圧力低下検出信号の出力を停止する第1の圧力検出器と、
本管圧力低下検出信号を受信した場合に補助加圧ポンプの運転を開始させ、本管圧力低下検出信号の受信が停止した場合に補助加圧ポンプの運転を停止させる制御部と、
が設けられた補助加圧装置に於いて、
逆止弁の1次側に、補助加圧ポンプの吐出圧力を検出して補助加圧運転検出信号を出力する第2の圧力検出器が設けられ、
制御部は、補助加圧運転検出信号の受信中に、本管圧力低下検出信号の受信が所定時間を超えて継続した場合、補助加圧ポンプの運転を停止させることを特徴とする。
本発明は、
スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管を補助加圧する補助加圧ポンプと、
補助加圧ポンプを給水本管に接続する配管に設けられた逆止弁と、
逆止弁の2次側に設けられ、給水本管の本管圧力が所定圧力以下に低下又は所定圧力を下回った場合に本管圧力低下検出信号を出力し、本管圧力が所定圧力を上回るか又は所定圧力以上となった場合に本管圧力低下検出信号の出力を停止する第1の圧力検出器と、
本管圧力低下検出信号を受信した場合に補助加圧ポンプの運転を開始させ、本管圧力低下検出信号の受信が停止した場合に補助加圧ポンプの運転を停止させる制御部と、
が設けられた補助加圧装置に於いて、
逆止弁の1次側に、補助加圧ポンプの吐出圧力を検出して補助加圧運転検出信号を出力する第2の圧力検出器が設けられ、
制御部は、補助加圧運転検出信号の受信中に、本管圧力低下検出信号の受信が所定時間を超えて継続した場合、補助加圧ポンプの運転を停止させることを特徴とする。
(異常停止警報の出力)
制御部は、補助加圧ポンプの運転を停止させた場合に、音響及び表示により異常停止警報を出力させる。
制御部は、補助加圧ポンプの運転を停止させた場合に、音響及び表示により異常停止警報を出力させる。
(補助加圧装置の効果)
本発明の補助加圧装置によれば、給水本管の管内圧力の低下検出により補助加圧ポンプが起動された場合に逆止弁が固着故障を起こしていたとすると、補助加圧ポンプの運転により逆止弁の1次側の圧力はポンプ起動と同時に上昇するが、逆止弁の2次側の圧力、即ち給水配管の本管圧力は時間が経っても回復せずに圧力低下検出状態となっていることから、このような異常な運転状態が所定時間継続したときに逆止弁の固着故障とみなし、本管圧力が規定圧力に回復しなくとも強制的に補助加圧ポンプが停止され、逆止弁の固着故障に起因して補助加圧ポンプが継続運転されることにより故障を起こしてしまうことが確実に防止される。
本発明の補助加圧装置によれば、給水本管の管内圧力の低下検出により補助加圧ポンプが起動された場合に逆止弁が固着故障を起こしていたとすると、補助加圧ポンプの運転により逆止弁の1次側の圧力はポンプ起動と同時に上昇するが、逆止弁の2次側の圧力、即ち給水配管の本管圧力は時間が経っても回復せずに圧力低下検出状態となっていることから、このような異常な運転状態が所定時間継続したときに逆止弁の固着故障とみなし、本管圧力が規定圧力に回復しなくとも強制的に補助加圧ポンプが停止され、逆止弁の固着故障に起因して補助加圧ポンプが継続運転されることにより故障を起こしてしまうことが確実に防止される。
(異常停止警報の出力による効果)
また、施工時や点検時のように補助加圧ポンプの音響警報を停止していたとしても、警報表示灯による異常停止警報は行われていることから、通常であればほとんど運転されることなく停止している補助加圧ポンプであっても、補助加圧ポンプが故障異常により停止していることが容易に分かり、停止原因となった逆止弁の修理交換等の対応が容易にできる。
また、施工時や点検時のように補助加圧ポンプの音響警報を停止していたとしても、警報表示灯による異常停止警報は行われていることから、通常であればほとんど運転されることなく停止している補助加圧ポンプであっても、補助加圧ポンプが故障異常により停止していることが容易に分かり、停止原因となった逆止弁の修理交換等の対応が容易にできる。
以下に、本発明に係る補助加圧装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、本発明が限定されるものではない。
[実施形態の基本的な概念]
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に、スプリンクラー消火設備の補助加圧装置に関するものである。
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に、スプリンクラー消火設備の補助加圧装置に関するものである。
ここで、「スプリンクラー消火設備」とは、建物の室内等の所定の防護区画に設置された閉鎖型のスプリンクラーヘッドが火災による熱気流を受けて開放作動することで、消火ポンプを備えた加圧送水装置から給水本管を介して送られた消火用水を放出して火災を抑制消火する設備である。
また、「補助加圧装置」とは、スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管に逆止弁を介して補助加圧ポンプが接続され、給水本管の本管圧力が低下した場合に補助加圧ポンプの運転を開始し、本管圧力が回復した場合に補助加圧ポンプの運転を停止させる補助加圧装置である。
また、補助加圧装置は、補助加圧ポンプ及び逆止弁に加え、第1の圧力検出器、第2の圧力検出器及び制御部を備えるものである。
「第1の圧力検出器」とは、逆止弁の2次側に設けられ、給水本管の本管圧力が所定圧力以下に低下又は所定圧力を下回った場合に本管圧力低下検出信号を出力し、本管圧力が所定圧力を上回るか又は所定圧力以上となった場合に本管圧力低下検出信号の出力を停止するものであり、圧力検出スイッチや圧力センサを含む概念である。
また、「第2の圧力検出器」とは、逆止弁の1次側に設けられ、補助加圧ポンプの吐出圧力を検出して補助加圧運転検出信号を出力するものであり、圧力検出スイッチや圧力センサを含む概念である。
また、「制御部」とは、第1の圧力検出器からの圧力低下検出信号を受信した場合に補助加圧ポンプの運転を開始させ、圧力低下検出信号の受信が停止した場合に記補助加圧ポンプの運転を停止させるものであり、更に、補助加圧運転検出信号の受信中に、本管圧力低下検出信号の受信が所定時間を超えて継続した場合、補助加圧ポンプの運転を停止させるものであり、補助加圧ポンプを運転しても給水配管の本管圧力が回復せずに異常な運転状態が所定時間継続したときに逆止弁の固着故障とみなし、強制的に補助加圧ポンプを停止して、逆止弁の固着故障に起因した補助加圧ポンプの故障を確実に防止するものである。
また、制御部は、逆止弁の固着故障とみなして補助加圧ポンプを停止した場合に、異常停止警報を出力させるものであり、通常であればほとんど運転されることなく停止している補助加圧ポンプであっても、補助加圧ポンプが故障異常により停止していることが分かり、停止原因となった逆止弁の修理交換等の対応ができる。
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、「スプリンクラー消火設備」が「湿式スプリンクラー消火設備」であり、「制御部」が「補助加圧ポンプ制御盤」であり、「第1圧力検出器」が「本管圧力検出スイッチ」であり、「第2の圧力検出器」が「補助加圧運転検出スイッチ」である場合について説明する。
[実施形態の具体的内容]
消火設備の点検システムについて、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.湿式スプリンクラー消火設備
b.補助加圧ポンプ制御盤
b1.制御部の構成
b2.補助加圧制御
b3.逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御
c.補助加圧ポンプ制御盤による制御機能の他の実施形態
d.本発明の変形例
消火設備の点検システムについて、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.湿式スプリンクラー消火設備
b.補助加圧ポンプ制御盤
b1.制御部の構成
b2.補助加圧制御
b3.逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御
c.補助加圧ポンプ制御盤による制御機能の他の実施形態
d.本発明の変形例
[a.湿式スプリンクラー消火設備]
湿式スプリンクラー消火設備について、より詳細に説明する。図1は補助加圧装置が設けられた湿式スプリンクラー消火設備の概略を示した説明図である。図1に示すように、建物の地下階などのポンプ室には消火ポンプ10が設置され、モータ12により駆動される。モータ12はポンプ制御盤24により起動・停止の運転制御を受ける。モータ12により駆動された消火ポンプ10は水源水槽14からの消火用水を吸入し、逆止弁16を介して建物の高さ方向に配置した給水本管18に加圧された消火用水を供給する。
湿式スプリンクラー消火設備について、より詳細に説明する。図1は補助加圧装置が設けられた湿式スプリンクラー消火設備の概略を示した説明図である。図1に示すように、建物の地下階などのポンプ室には消火ポンプ10が設置され、モータ12により駆動される。モータ12はポンプ制御盤24により起動・停止の運転制御を受ける。モータ12により駆動された消火ポンプ10は水源水槽14からの消火用水を吸入し、逆止弁16を介して建物の高さ方向に配置した給水本管18に加圧された消火用水を供給する。
消火ポンプ10に対しては起動に使用する圧力タンク20が設けられる。圧力タンク20は給水本管18に配管25を介して接続され、給水本管18内の加圧された消火用水を導入して内部の空気を圧縮している。圧力タンク20には圧力スイッチ22が設けられ、圧力スイッチ22は給水本管18の管内圧力が規定圧力以下に低下する減圧を検出してポンプ制御盤24に減圧検出信号を出力し、これによってモータ12を駆動して消火ポンプ10を起動させる。
給水本管18からは建物の例えば階別の防護区画毎に分岐管26が引き出されている。分岐管26の分岐部分には流水検知装置28が設けられ、流水検知装置28の2次側の分岐管26には閉鎖型のスプリンクラーヘッド30が設けられている。またスプリンクラーヘッド30が設置された防護区画には火災感知器35が設置され、火災感知器35からの感知器線を、自火報受信機38を介してスプリンクラー制御盤36に接続している。分岐管26の末端側には末端試験弁31が設けられ、その2次側は、オリフィス32を介して排水管34に接続されている。
流水検知装置28は、スプリンクラーヘッド30が火災により作動して放水した場合に流れる流水を検知して流水検知信号をスプリンクラー制御盤36に出力し、火災警報を出力せると共にスプリンクラーヘッド30が作動した火災発生区画を警報表示させる。
スプリンクラーヘッド30に消火用水を供給する給水本管18を補助加圧するため補助加圧ポンプ40が設置され、モータ42により駆動される。モータ42は補助加圧ポンプ制御盤52により起動・停止の運転制御を受ける。モータ42により駆動された補助加圧ポンプ40は水源水槽14からの消火用水を吸入し、逆止弁46が設けられた配管25を介して給水本管18に消火用水を供給する。
逆止弁46の2次側には第1圧力検出器として機能する本管圧力検出スイッチ48が設けられる。本管圧力検出スイッチ48は、給水本管18の本管圧力P1が所定の設定圧力Pth1以下に低下又は設定圧力Pth1を下回った場合に本管圧力低下検出信号を補助加圧ポンプ制御盤52に出力し、本管圧力P1が設定圧力Pth1を上回るか又は設定圧力Pth1以上となった場合に本管圧力低下検出信号の出力を停止するものである。
制御部として機能する補助加圧ポンプ制御盤52は、本管圧力検出スイッチ48から圧力低下検出信号を受信した場合に補助加圧ポンプ40を起動し、その後に、本管圧力低下検出信号の受信が停止した場合に補助加圧ポンプ40を停止させる制御を行う。ここで、補助加圧ポンプ40の起動・停止に用いられる本管圧力低下検出スイッチ48がオンする設定圧力Pth1は、消火ポンプ10の起動に用いられる圧力タンク20の圧力スイッチ22がオンする規定圧力より高い圧力に設定されている。
また、逆止弁46の1次側となる補助加圧ポンプ40の吐出側には第2の圧力検出器として機能する補助加圧運転検出スイッチ50が設けられる。補助加圧運転検出スイッチ50は、補助加圧ポンプ40の吐出圧力が所定の設定圧力Pth2以上となることを検出して補助加圧運転検出信号を補助加圧ポンプ制御盤52に出力する。なお、補助加圧運転検出スイッチ50の設定圧力Pth2は、本管圧力検出スイッチ48の設定圧力pth1より低めの値に設定される。
補助加圧ポンプ制御盤52は、補助加圧運転検出スイッチ50からの補助加圧運転検出信号の受信中に、固着故障により逆止弁46が開かずに給水本管18に対し補助加圧ができず、本管圧力検出スイッチ48からの本管圧力低下検出信号の受信が所定時間Tを超えて継続した場合、補助加圧ポンプ40の運転を停止させると共に、音響及び表示により異常停止警報を出力させる制御を行う。
[b.補助加圧ポンプ制御盤]
補助加圧装置の制御部として機能する補助加圧ポンプ制御盤について、より詳細に説明する。
(b1.制御部の構成)
制御部の構成について、より詳細に説明する。図2は補助加圧ポンプ制御盤に設けられるリレーシーケンスを用いた制御部の実施形態を示した回路図である。
補助加圧装置の制御部として機能する補助加圧ポンプ制御盤について、より詳細に説明する。
(b1.制御部の構成)
制御部の構成について、より詳細に説明する。図2は補助加圧ポンプ制御盤に設けられるリレーシーケンスを用いた制御部の実施形態を示した回路図である。
図2に示すように、補助加圧ポンプ制御盤52の制御部には、本管圧力P1が設定圧力Pth1以下に低下したときにオンする本管圧力検出スイッチ48により作動されるリレーAと、補助加圧ポンプ40の起動による吐出圧力P2が設定圧力Pth2以上となったときにオンする補助加圧運転検出スイッチ50により作動されるリレーBが設けられる。リレーAは常開リレー接点a1,a2を備え、リレーBは常開リレー接点b1を備える。
リレーAの常開リレー接点a2とリレーBの常開リレー接点b1は直列接続され、続いて、タイマリレーCが接続されている。タイマリレーCは、リレーAの常開リレー接点a2とリレーBの常開リレー接点b1の両方が閉じた場合に作動し、所定時間Tが経過したときに、常閉リレー接点c1を開く。
タイマリレーCの常閉リレー接点c1は、リレーAの常開リレー接点a1を介してポンプ制御部54に直列接続される。またタイマリレーCの常開リレー接点c2は異常表示灯56と警報ブザー58の並列回路に対し直列に接続される。警報ブザー58と直列にはロック型の警報停止スイッチ60が接続されている。
またタイマリレーCの常開リレー接点c3が常開リレー接点a2,b1の直列回路と並列に接続されてタイマリレーCの自己保持回路を構成し、更に、タイマリレーCと直列に復旧スイッチ62が接続されている。
(b2.補助加圧制御)
補助ポンプ加圧ポンプ制御盤52による補助加圧制御について、より詳細に説明する。図3は逆止弁が正常に開く場合の補助加圧制御による本管圧力、吐出圧力及び各部の動作波形を示したタイムチャートであり、図3(A)は本管圧力P1と補助加圧ポンプ40の吐出圧力P2を示し、図3(B)は本管圧力検出スイッチ48の動作を示し、図3(C)は補助加圧ポンプ40の動作を示し、図3(D)は補助加圧運転検出スイッチ50の動作を示している。
補助ポンプ加圧ポンプ制御盤52による補助加圧制御について、より詳細に説明する。図3は逆止弁が正常に開く場合の補助加圧制御による本管圧力、吐出圧力及び各部の動作波形を示したタイムチャートであり、図3(A)は本管圧力P1と補助加圧ポンプ40の吐出圧力P2を示し、図3(B)は本管圧力検出スイッチ48の動作を示し、図3(C)は補助加圧ポンプ40の動作を示し、図3(D)は補助加圧運転検出スイッチ50の動作を示している。
図3に示すように、防護区画での温度低下等により給水本管18の本管圧力P1が低下し、時刻t1で所定の設定圧力Pth1に低下したとすると本管圧力検出スイッチ48がオンし、図2のリレーAが作動し、常開リレー接点a1が閉じることでポンプ制御部54が動作し、時刻t2で補助加圧ポンプ40が起動される。
補助加圧ポンプ40が起動されると、その吐出圧力P2の上昇に伴い逆止弁46が開放され、時刻t3で吐出圧力P2が設定圧力Pth2に達して補助加圧運転検出スイッチ50がオンし、これにより図2のリレーBが作動して常開リレー接点b1が閉じ、常開リレー接点a2は時刻t1で既に閉じていることから、時刻t2でタイマリレーCの経時動作が開始される。
補助加圧ポンプ40の起動により増加する吐出圧力P2が本管圧力P1を上回ると、給水本管18に対する補助加圧が有効となり、本管圧力P1は増加を始める。増加する本管圧力P1は、タイマリレーCの設定された所定時間Tに達する前の時刻t4で設定圧力Pth1を上回り、これにより本管圧力検出スイッチ48がオフし、図2のリレーAが復旧される。
リレーAが復旧されると常開リレー接点a1が開き、ポンプ制御部54の動作が停止されることで補助加圧ポンプ40が時刻t5で停止される。また常開リレー接点a2も開くため、タイマリレーCが復旧して経時動作が停止される。更に、補助加圧ポンプ40の停止により時刻t6で吐出圧力P2が設定圧力Pth2を下回ることで補助加圧運転検出スイッチ50がオフしてリレーBが復旧し、本管圧力P1が設定圧力Pth1以上となる通常状態に戻る。
(b3.逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御)
逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御について、より詳細に説明する。図4は逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御による本管圧力、吐出圧力及び各部の動作波形を示したタイムチャートであり、図4(A)は本管圧力P1と補助加圧ポンプ40の吐出圧力P2を示し、図4(B)は本管圧力検出スイッチ48の動作を示し、図4(C)は補助加圧ポンプ40の動作を示し、図4(D)は補助加圧運転検出スイッチ50の動作を示し、図4(E)はタイマリレーCの経時動作を示し、図4(F)は異常表示灯56と警報ブザー58の動作を示している。
逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御について、より詳細に説明する。図4は逆止弁が固着故障を起こした場合の補助加圧制御による本管圧力、吐出圧力及び各部の動作波形を示したタイムチャートであり、図4(A)は本管圧力P1と補助加圧ポンプ40の吐出圧力P2を示し、図4(B)は本管圧力検出スイッチ48の動作を示し、図4(C)は補助加圧ポンプ40の動作を示し、図4(D)は補助加圧運転検出スイッチ50の動作を示し、図4(E)はタイマリレーCの経時動作を示し、図4(F)は異常表示灯56と警報ブザー58の動作を示している。
図4に示すように、防護区画での温度低下等により給水本管18の本管圧力P1が低下し、時刻t1で設定圧力Pth1に低下したとすると本管圧力検出スイッチ48がオンし、図2のリレーAが作動し、常開リレー接点a1が閉じることでポンプ制御部54が動作し、時刻t2で補助加圧ポンプ40が起動される。
補助加圧ポンプ40は起動されたが、逆止弁46は固着故障により開かず、このため吐出圧力P2は急速に最大圧力まで上昇し、その途中の時刻t3で吐出圧力P2が設定圧力Pth2に達して補助加圧運転検出スイッチ50がオンし、これにより図2のリレーBが作動して常開リレー接点b1が閉じ、常開リレー接点a1は時刻t1で既に閉じていることから、時刻t3でタイマリレーCの経時動作が開始される。
低下している本管圧力P1が回復することなく、タイマリレーCの経時動作による経過時間が時刻t4で所定時間Tに達すると、タイマリレーCが作動して常閉リレー接点c1を開き、ポンプ制御部54の動作が停止されることで補助加圧ポンプ40が時刻t5で停止され、また、常開リレー接点c3が閉じることで、タイマリレーCが自己保持される。更に、タイマリレーCの作動により常開リレー接点c2が閉じることで、時刻t4で異常表示灯56が点灯し、警報ブザー58が鳴動する。
時刻t5で補助加圧ポンプ40が停止されると吐出圧力P2は急速に低下し、時刻t6で吐出圧力P2が設定圧力Pth2を下回ることで補助加圧運転検出スイッチ50がオフしてリレーBが復旧し、常開リレー接点b1を開くが、タイマリレーCは常開リレー接点c3が閉じることで自己保持されているため、復旧されることはない。
ここで、施工時や点検時には警報停止スイッチ60をオフしている場合があり、警報ブザー58による音響警報は行われないが、異常表示灯56が点灯していることで、逆止弁46の固着故障等により補助加圧ポンプ40が異常停止されたことが簡単に分かり、逆止弁46を交換修理するといった対処が可能となる。点灯している異常表示灯56の復旧は、復旧スイッチ62のオフ操作によりタイマリレーCを復旧させれば良い。
このように、補助加圧ポンプ40を起動したときに、逆止弁46の固着故障により本管圧力が回復しない場合は、強制的に補助加圧ポンプ40が停止され、逆止弁46の固着故障に起因して補助加圧ポンプ40が継続運転されることにより故障を起こしてしまうことが確実に防止される。
[c.補助加圧ポンプ制御盤による制御機能の他の実施形態]
補助加圧ポンプ制御盤による制御機能の他の実施形態ついて、より詳細に説明する。図1に示した補助加圧ポンプ制御盤52による補助加圧制御機能としては、図2に示したリレーシーケンス回路以外に、コンピュータ回路を用いたプログラム制御により実現することができる。
補助加圧ポンプ制御盤による制御機能の他の実施形態ついて、より詳細に説明する。図1に示した補助加圧ポンプ制御盤52による補助加圧制御機能としては、図2に示したリレーシーケンス回路以外に、コンピュータ回路を用いたプログラム制御により実現することができる。
このため補助加圧ポンプ制御盤52の制御部はプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、AD変換ポートを含む各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
図5は補助加圧ポンプ制御盤の制御部による補助加圧のプログラム制御を示したフローチャートである。
図5に示すように、補助加圧ポンプ制御盤52の制御部は、ステップS1で本管圧力P1が設定圧力Pth1以下となって本管圧力検出スイッチ48がオンしたか否か判別しており、本管圧力検出スイッチ48のオンを判別するとステップS2に進んで補助加圧ポンプ40を起動する。
続いて、制御部は、ステップS3で補助加圧ポンプ40の吐出圧力P2が補助加圧運転検出スイッチ50の設定圧力Pth2に達してオンしたことを判別するとステップS4に進み、本管圧力P1が本管圧力検出スイッチ48の設定圧力Pth1を超えてオフしたか否か判別しており、設定圧力Pth1を超えずに本管圧力検出スイッチ48のオンを判別した場合はステップS5に進み、補助加圧ポンプ40の起動からの経過時間が所定時間Tに達したか否か判別している。
補助加圧ポンプ40に設けられた逆止弁46が正常に開いている場合には、ステップS5で所定時間Tに達する前に、ステップS4で本管圧力P1が設定圧力Pth1に回復することによる本管圧力検出スイッチ48のオフが判別されてステップS6に進み、補助加圧ポンプ40を停止させる。
これに対し逆止弁46が固着故障を起こしている場合には、補助加圧ポンプ40を起動しても低下した本管圧力P1は回復せず、ステップS5で補助加圧ポンプ40の起動らの経過時間が所定時間Tに達したことが判別されてステップS7に進み、補助加圧ポンプ40を停止させ、続いて、ステップS8に進んで異常表示灯の点灯と警報ブザーの鳴動により補助加圧ポンプ40の異常停止警報を出力させる。
このため補助加圧ポンプ40を起動したときに、逆止弁の固着故障により本管圧力が規定圧力に回復しない場合は、強制的に補助加圧ポンプ40が停止され、逆止弁46の固着故障に起因して補助加圧ポンプ40が継続運転されることにより故障を起こしてしまうことが確実に防止される。
[d.本発明の変形例]
本発明による補助加圧装置の変形例について、より詳細に説明する。本発明の補助加圧装置は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
(スプリンクラー消火設備)
上記の実施形態は、給水本管及び分岐管に消火用水が充水された湿式スプリンラー消火設備を例にとっているが、これに限定されず、給水本管から分岐した分岐管の分岐部分に予作動弁装置を設け、火災感知器による火災信号により予作動弁装置を開放作動させて2次側の分岐管に加圧消火用水を充水させる予作動湿式のスプリンクラー消火設備の補助加圧装置にも適用できる。
本発明による補助加圧装置の変形例について、より詳細に説明する。本発明の補助加圧装置は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
(スプリンクラー消火設備)
上記の実施形態は、給水本管及び分岐管に消火用水が充水された湿式スプリンラー消火設備を例にとっているが、これに限定されず、給水本管から分岐した分岐管の分岐部分に予作動弁装置を設け、火災感知器による火災信号により予作動弁装置を開放作動させて2次側の分岐管に加圧消火用水を充水させる予作動湿式のスプリンクラー消火設備の補助加圧装置にも適用できる。
(圧力検出)
また、上記の実施形態は、本管圧力低下や吐出圧力を圧力検出スイッチで検出しているが、圧力センサにより本管圧力や吐出圧力を検出して補助加圧制御を行うようにしても良い。
また、上記の実施形態は、本管圧力低下や吐出圧力を圧力検出スイッチで検出しているが、圧力センサにより本管圧力や吐出圧力を検出して補助加圧制御を行うようにしても良い。
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:消火ポンプ
12,42:モータ
14:水源水槽
16,46:逆止弁
18:給水本管
20:圧力タンク
22:圧力スイッチ
24:ポンプ制御盤
25:配管
26:分岐管
28:流水検知装置
30:スプリンクラーヘッド
31:末端試験弁
32:オリフィス
34:排水管
35:火災感知器
36:スプリンクラー制御盤
38:自火報受信機
40:補助加圧ポンプ
48:本管圧力検出スイッチ
50:補助加圧運転検出スイッチ
52:補助加圧ポンプ制御盤
54:ポンプ制御部
56:異常表示灯
58:警報ブザー
60:警報停止スイッチ
62:復旧スイッチ
A,B:リレー
C:タイマリレー
a1,a2,b1,c2,c3:常開リレー接点
c1:常閉リレー接点
12,42:モータ
14:水源水槽
16,46:逆止弁
18:給水本管
20:圧力タンク
22:圧力スイッチ
24:ポンプ制御盤
25:配管
26:分岐管
28:流水検知装置
30:スプリンクラーヘッド
31:末端試験弁
32:オリフィス
34:排水管
35:火災感知器
36:スプリンクラー制御盤
38:自火報受信機
40:補助加圧ポンプ
48:本管圧力検出スイッチ
50:補助加圧運転検出スイッチ
52:補助加圧ポンプ制御盤
54:ポンプ制御部
56:異常表示灯
58:警報ブザー
60:警報停止スイッチ
62:復旧スイッチ
A,B:リレー
C:タイマリレー
a1,a2,b1,c2,c3:常開リレー接点
c1:常閉リレー接点
Claims (3)
- スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管に逆止弁を介して補助加圧ポンプが接続され、前記給水本管の本管圧力が低下した場合に前記補助加圧ポンプの運転を開始し、前記本管圧力が回復した場合に前記補助加圧ポンプの運転を停止させる補助加圧装置であって、
前記本管圧力が低下して補助加圧ポンプの運転を開始し、運転の開始から所定時間を越えて前記本管圧力の低下が継続した場合に、補助加圧ポンプの運転を停止させることを特徴とする補助加圧装置。
- スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する給水本管を補助加圧する補助加圧ポンプと、
前記補助加圧ポンプを前記給水本管に接続する配管に設けられた逆止弁と、
前記逆止弁の2次側に設けられ、前記給水本管の本管圧力が所定圧力以下に低下又は前記所定圧力を下回った場合に本管圧力低下検出信号を出力し、前記本管圧力が前記所定圧力を上回るか又は前記所定圧力以上となった場合に前記本管圧力低下検出信号の出力を停止する第1の圧力検出器と、
前記本管圧力低下検出信号を受信した場合に前記補助加圧ポンプの運転を開始させ、前記本管圧力低下検出信号の受信が停止した場合に前記補助加圧ポンプの運転を停止させる制御部と、
が設けられた補助加圧装置に於いて、
前記逆止弁の1次側に、前記補助加圧ポンプの吐出圧力を検出して補助加圧運転検出信号を出力する第2の圧力検出器が設けられ、
前記制御部は、前記補助加圧運転検出信号の受信中に、前記本管圧力低下検出信号の受信が所定時間を超えて継続した場合、前記補助加圧ポンプの運転を停止させることを特徴とする補助加圧装置。
- 請求項2記載の補助加圧装置に於いて、前記制御部は、前記補助加圧ポンプの運転を停止させた場合に、音響及び表示により異常停止警報を出力させることを特徴とする補助加圧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021046069A JP2022144878A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 補助加圧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021046069A JP2022144878A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 補助加圧装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022144878A true JP2022144878A (ja) | 2022-10-03 |
Family
ID=83454630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021046069A Pending JP2022144878A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 補助加圧装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022144878A (ja) |
-
2021
- 2021-03-19 JP JP2021046069A patent/JP2022144878A/ja active Pending
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Legal Events
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