JP2022142961A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022142961A
JP2022142961A JP2021043259A JP2021043259A JP2022142961A JP 2022142961 A JP2022142961 A JP 2022142961A JP 2021043259 A JP2021043259 A JP 2021043259A JP 2021043259 A JP2021043259 A JP 2021043259A JP 2022142961 A JP2022142961 A JP 2022142961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
purge gas
fuel
air
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021043259A
Other languages
English (en)
Inventor
直樹 大治
Naoki Oji
真一 木下
Shinichi Kinoshita
徹哉 外賀
Tetsuya Toga
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2021043259A priority Critical patent/JP2022142961A/ja
Publication of JP2022142961A publication Critical patent/JP2022142961A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

【課題】混合気の空燃比の乱れを抑制しつつ、キャニスタに多くの燃料蒸気が滞留している場合にこれを速やかにパージできるようにする。【解決手段】燃料蒸発ガス排出抑制装置が付帯した内燃機関を制御するものであり、内燃機関の始動後、パージガスを吸気通路に放出させるべく制御バルブを最大開度よりも小さな開度で開弁し、パージガス流路を流れるパージガス中の燃料成分の濃度の推定を行い、パージガス流路を流れたパージガスの積算流量が所定量を超えかつパージガス中の燃料成分の濃度が閾値を上回っている場合、そうでない場合と比較して、その後に制御バルブを開弁するときの当該制御バルブの開度をより大きくする内燃機関の制御装置を構成した。【選択図】図5

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関の運転を制御する制御装置に関する。
従来より、内燃機関には、燃料タンク内で蒸発した燃料蒸気を捕捉する燃料蒸発ガス排出抑制装置が付設されている(例えば、下記特許文献を参照)。普遍的な燃料蒸発ガス排出抑制装置は、チャコールキャニスタと呼称され、発生した燃料蒸気を、活性炭を充填したキャニスタに吸着させて捕捉し、適時その燃料蒸気を内燃機関の吸気通路に送出して吸気に混交し、気筒にて燃焼処理するものである。
キャニスタには、燃料タンク内の燃料蒸気を回収するための回収路の他、大気に開放した大気導入路、及び当該キャニスタを内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流に連通するパージガス流路が接続している。キャニスタに吸着した燃料蒸気をパージする処理では、パージガス流路上に設けた制御バルブを開弁し、スロットルバルブの下流で発生する吸気負圧を利用して、キャニスタに外気を取り入れながら燃料蒸気を吸気通路に引き込む。
特開2019-044669号公報
キャニスタのパージ処理を実施するときには、パージガス流路を通じて吸気通路に流入するパージガスに含まれる燃料成分の濃度を推定(または、学習)し、それに応じて制御バルブの開度を調節し、以てパージガスの流量を増減調整することが望ましい。
だが、パージガスの濃度を常に正しく推定できるわけではない。内燃機関の始動直後の時期には、推定の誤差が大きくなることがあり、気筒に充填される混合気の空燃比が大きく乱れるおそれがある。空燃比のぶれは、混合気の燃焼の不安定化によるエンジントルクの変動(さらには、車体の振動)を招き、有害物質の排出増の要因にもなる。
制御バルブの開度を小さく設定し、吸気通路に放出するパージガスの流量を少なく制限しておけば、パージ処理に起因する空燃比の乱れを抑えることができる。しかしながら、キャニスタに貯留された燃料蒸気を速やかにパージできないという背反を招く。
本発明は、以上の点に着目してなされたものであり、混合気の空燃比の乱れを抑制しつつ、キャニスタに多くの燃料蒸気が滞留している場合にこれを速やかにパージできるようにすることを所期の目的としている。
本発明では、燃料タンクに接続する接続路と、燃料タンクで発生し接続路を流れる燃料蒸気を捕捉するキャニスタと、キャニスタに接続しており空気を導入することのできる導入路と、キャニスタと内燃機関の気筒に連なる吸気通路とを連通せしめキャニスタに捕捉した燃料蒸気を含むパージガスを吸気通路に放出させるパージガス流路と、パージガス流路を開閉する制御バルブとを備える燃料蒸発ガス排出抑制装置が付帯した内燃機関を制御するものであり、内燃機関の始動後、パージガスを吸気通路に放出させるべく制御バルブを最大開度よりも小さな開度で開弁し、パージガス流路を流れるパージガス中の燃料成分の濃度の推定を行い、パージガス流路を流れたパージガスの積算流量が所定量を超えかつパージガス中の燃料成分の濃度が閾値を上回っている場合、そうでない場合と比較して、その後に制御バルブを開弁するときの当該制御バルブの開度をより大きくする内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、混合気の空燃比の乱れを抑制しつつ、キャニスタに多くの燃料蒸気が滞留している場合にこれを速やかにパージできるようになる。
本発明の一実施形態における車両用内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 触媒の上流の空燃比センサの出力信号を参照した空燃比フィードバック制御の内容を示すタイミング図。 補正量FACFと遅延時間TDR、TDLとの関係を例示する図。 触媒の下流の空燃比センサの出力信号を参照した空燃比フィードバック制御の内容を示すタイミング図。 同実施形態の内燃機関の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。 同実施形態の内燃機関の制御装置による制御の模様を示すタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気通路3は、各気筒1の吸気ポートに至り、外部から取り入れた空気を各気筒1に向けて流通させ、気筒1に供給する。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
内燃機関には、燃料蒸発ガス排出抑制装置6が付帯している。燃料蒸発ガス排出抑制装置6は、燃料タンク7において蒸発した燃料の蒸気を活性炭を充填したチャコールキャニスタ61に吸着させて捕捉するとともに、適時その燃料蒸気を吸気通路3に送出して吸気に混交し、気筒1にて燃焼処理するものである。
燃料タンク7とキャニスタ61との間は、接続路62を介して接続している。燃料タンク7内で発生した燃料蒸気は、接続路62を通じてキャニスタ61に流入する。キャニスタ61と吸気通路3(特に、サージタンク33、吸気マニホルド34若しくは吸気ポート)との間は、パージガス流路63を介して接続している。キャニスタ61が捕捉した燃料蒸気は、パージガス流路63を通じて吸気通路3に流入する。加えて、キャニスタ61には、大気に開放した空気導入路64を付設している。
パージガス流路63上には、当該流路63を開閉する制御バルブであるパージVSV(Vacuum Switching Valve)65が存在する。VSV65を開弁している間、パージガス流路63を介してキャニスタ61と吸気通路3とが連通する。そして、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流に発生する吸気負圧により、キャニスタ61内の燃料蒸気が吸気通路3に引き込まれる。このとき、導入路64を通じてキャニスタ61内に空気即ち外気が取り入れられる。
排気通路4は、各気筒1の排気ポートを始端とし、各気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生する燃焼ガスを流通させて外部へと導く。排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。触媒41は、有害物質であるHC、CO及びNOxの酸化/還元反応を惹起してこれらを無害化する。
排気通路4における触媒41の上流及び下流には、排気通路4を流通するガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよく、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよい。本実施形態では、触媒41の上流の空燃比センサ43としてリニアA/Fセンサを、触媒41の下流の空燃比センサ44としてO2センサを想定している。リニアA/Fセンサ43の出力電圧fは、触媒41に流入するガスの空燃比がリーンであるほど高くなる。他方、O2センサ44の出力電圧gは、触媒41から流出するガスの空燃比がリーンであるほど低くなる。特に、理論空燃比近傍の一定範囲では空燃比に対する出力の変化率が大きく急峻な傾きを示し、それよりも空燃比がリーンである領域では低位飽和値に漸近し、それよりも空燃比がリッチである領域では高位飽和値に漸近する、いわゆるZ特性曲線を描く。因みに、排気通路4における触媒41及び空燃比センサ44の下流に、さらなる排気浄化用の触媒(図示せず)を付設することがある。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、排気通路4と吸気通路3とを接続する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における触媒41の下流の箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の箇所(特に、サージタンク33若しくは吸気マニホルド34)に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラがCAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、運転者によるアクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、内燃機関に要求されるエンジントルクまたはエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流(特に、サージタンク33若しくは吸気マニホルド34内)の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、排気通路4の触媒41の上流における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、VSV65に対して開度操作信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に吸入される空気(新気)量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸入空気量等に基づき、要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、要求EGR率(または、EGRガス量)、点火タイミング(一度の燃焼に対する火花点火の回数を含む)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、nを出力インタフェースを介して印加する。
インジェクタ11からの燃料噴射量を決定するに際して、ECU0は、まず、気筒1に吸入される空気の量を求め、その吸入空気量に比例する(吸入空気量に応じて理論空燃比またはその近傍の空燃比を実現できような)燃料噴射量の基本量TPを決定する。吸気量は、現在のエンジン回転数及び(サージタンク33若しくは吸気マニホルド34内の)吸気圧等を基に推算する。吸気量の推算値に、現在の吸気温や大気圧等に応じた補正を加えてもよい。この吸気量の推算の手法は、公知のものである。
次いで、この基本噴射量TPを、触媒41に流入するガスの空燃比とその目標値との偏差に応じたフィードバック補正係数FAFや、環境条件その他に応じて定まる各種補正係数Kにより補正する。フィードバック補正係数FAF、Kはそれぞれ、1を中心に増減する正数である。さらに、インジェクタ11を開弁しても燃料が噴出しない無効噴射時間TAUVを加味して、最終的な燃料噴射時間T、即ちインジェクタ11を開弁する時間を算定する。燃料噴射時間Tは、
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。ECU0は、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に対して信号jを入力し、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
空燃比フィードバック制御は、気筒1に充填される混合気の空燃比、ひいては気筒1から排出され触媒41へと導かれる排気ガスの空燃比を所望の目標空燃比に収束させ、以て触媒41における有害物質の浄化能率を最大化するものである。空燃比フィードバック補正係数FAFは、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fに基づいて定める。図2に示すように、ECU0は、触媒41の上流のガスの空燃比を検出する空燃比センサ43の出力電圧fを、目標空燃比に相当する判定電圧値と比較して、その判定電圧値よりも高ければリーン、判定電圧値よりも低ければリッチと判定する。そして、ECU0は、触媒41の上流のガスの空燃比の判定結果に基づき、フィードバック補正係数FAFを増減調整する。
具体的には、触媒41の上流のガスの空燃比の判定結果がリーンからリッチに反転した(下記の遅延時間TDRが経過した)時点で、フィードバック補正係数FAFをスキップ値RSMだけ減少させる。加えて、空燃比がリッチであると判定している間、フィードバック補正係数FAFを演算サイクル(制御サイクル)あたりリーン積分値KIMだけ逓減させる。演算サイクルの周期は、内燃機関が備える個々の気筒1が新たなサイクル(吸気行程-圧縮行程-膨脹行程-排気行程の一連)を迎える周期に等しい。なお、リーン積分値KIMの絶対値を、判定電圧値と空燃比センサ43の出力電圧値fとの差分または比の絶対値が大きいほど大きくすることも考えられる。
他方、触媒41の上流のガスの空燃比の判定結果がリッチからリーンに反転した(下記の遅延時間TDLが経過した)時点で、フィードバック補正係数FAFをスキップ値RSPだけ増加させる。加えて、空燃比がリーンであると判定している間、フィードバック補正係数FAFを演算サイクルあたりリッチ積分値KIPだけ逓増させる。なお、リッチ積分値KIPの絶対値を、空燃比センサ43の出力電圧値fと判定電圧値との差分または比の絶対値が大きいほど大きくすることも考えられる。
基本噴射量TPに乗ずるフィードバック補正係数FAFが減少すると、インジェクタ11による燃料噴射量が絞られて、混合気の空燃比がリーンへと向かう。フィードバック補正係数FAFが増加すると、インジェクタ11による燃料噴射量が上積みされて、混合気の空燃比がリッチへと向かう。
但し、空燃比センサ43の出力電圧fが判定電圧値を跨ぐように変動したときには、即時に触媒41の上流のガスの空燃比の判定結果を反転させるのではなく、遅延時間TDL、TDRの経過を待ってから判定結果を反転させる。即ち、空燃比センサ43の出力電圧fがリッチからリーンに切り替わった(判定電圧値を下回った)ときには、リーン判定遅延時間TDLの経過の後、空燃比がリッチからリーンに反転したと判断する。並びに、空燃比センサ43の出力電圧fがリーンからリッチに切り替わった(判定電圧値を上回った)ときには、リッチ判定遅延時間TDRの経過の後、空燃比がリーンからリッチに反転したと判断する。
リーン判定遅延時間TDL及びリッチ判定遅延時間TDRを設けているのは、空燃比センサ43の出力信号fにノイズが混入した場合に、空燃比のリーン/リッチの判定結果が短期間に複数回反転して燃料噴射量が振動するように増減するチャタリングを起こすことを予防する意図である。
遅延時間TDL、TDRは、補正量FACFに応じて増減する。図3に、補正量FACFと遅延時間TDL、TDRとの関係を例示する。図3中、リーン判定遅延時間TDLを破線で表し、リッチ判定遅延時間TDRを実線で表している。補正量FACFが大きくなるほど、リーン判定遅延時間TDLは短縮され、リッチ判定遅延時間TDRは延長される。さすれば、フィードバック補正係数FAFが増加から減少に転じる時期が遅れ、減少から増加に転じる時期が早まる。結果、燃料噴射量が平均的に増すこととなり、空燃比フィードバック制御により収束させるべき触媒41に流入するガスの空燃比の目標がリッチ側に変位する。
逆に、補正量FACFが小さくなるほど、リーン判定遅延時間TDLは延長され、リッチ判定遅延時間TDRは短縮される。さすれば、フィードバック補正係数FAFが増加から減少に転じる時期が早まり、減少から増加に転じる時期が遅れる。結果、燃料噴射量が平均的に減ることとなり、触媒41に流入するガスの空燃比の目標がリーン側に変位する。
ECU0は、空燃比フィードバック制御中、上記の補正量FACFをも算出する。図4に示すように、ECU0は、補正量FACFを算定するにあたり、触媒41の下流のガスの空燃比を検出する空燃比センサ44の出力電圧gを、理論空燃比またはその近傍の目標空燃比に相当する判定電圧値と比較して、その判定電圧値よりも高ければリッチ、判定電圧値よりも低ければリーンと判定する。この判定電圧値は、空燃比センサ43の出力信号fと比較される判定電圧値とは必ずしも一致しない。その上で、触媒41の下流のガスの空燃比の判定結果に基づき、補正量FACFを増減調整する。
具体的には、触媒41の下流のガスの空燃比がリッチであると判定している間、補正量FACFを演算サイクルあたりリーン積分値FACFKIMだけ逓減させる一方、空燃比がリーンであると判定している間は、補正量FACFを演算サイクルあたりリッチ積分値FACFKIPだけ逓増させる。なお、リーン積分値FACFKIMの絶対値を、判定電圧値と空燃比センサ44の出力電圧値gとの差分または比の絶対値が大きいほど大きくしてもよく、リッチ積分値FACFKIPの絶対値を、空燃比センサ44の出力電圧gと判定電圧値との差分または比の絶対値が大きいほど大きくしてもよい。既に述べた通り、補正量FACFが減少すると、触媒41に流入するガスの目標空燃比がリーンへと向かい、補正量FACFが増加すると、触媒41に流入するガスの目標空燃比がリッチへと向かう。
内燃機関の運転を停止している間、燃料タンク7内で蒸発した燃料の蒸気は、燃料蒸発ガス排出抑制装置6のキャニスタ61に捕集される。その燃料蒸気は、内燃機関の始動(特に、冷間始動)後、VSV65を開弁することにより、パージガス流路63を介して内燃機関の吸気通路3に放出する。
図5に示すように、ECU0は、停止していた内燃機関を始動(特に、冷間始動)した後(ステップS1)、適時にVSV65を開弁操作し、内燃機関の停止中にキャニスタ61に溜まった燃料蒸気をパージ処理する(ステップS2)。
パージ処理におけるVSV65の開度は、大気圧と(サージタンク33若しくは吸気マニホルド34内の)吸気圧との差圧、及びパージガスの目標流量に応じて決定する。パージガスの目標流量は、吸気通路3を気筒1に向かって流れる吸気量に、吸気に占めるパージガスの割合である徐変パージ率を乗じたものである。徐変パージ率は、ECU0が内部的に算出する値であり、図6に示すように、VSV65を開弁してパージ処理を行う期間中逓増し、VSV65を閉弁してパージ処理を行わないときに0になる。ECU0のメモリには予め、大気圧から吸気圧を減じた差圧及びパージガスの目標流量と、VSV65の開度との関係を規定したマップデータが格納されている。ECU0は、パージ処理を実行する際、現在の差圧及び目標流量をキーとして当該マップを検索し、具現するべきVSV65の開度を知得し、その開度にVSV65を操作する。
VSV65を開弁すると、燃料蒸気を含むパージガスが吸気通路3に流入する。その燃料蒸気の濃度によっては、気筒1に充填される混合気の空燃比に乱れが生じる可能性がある。そこで、本実施形態のECU0は、VSV65を開弁しているときにパージガス流路63を流れるパージガス中の燃料成分の濃度を推定する(ステップS3)。
パージガスに含まれる燃料の濃度は、例えば、空燃比フィードバック制御により燃料噴射量TPを補正する補正係数FAFに基づいて推定できる。気筒1に吸入される空気量に比例した噴射量TPの燃料を噴射している状況下で、VSV65を開弁した結果、排気通路4を流れるガスの空燃比が目標空燃比よりもリッチとなったならば、吸気通路3に流入したパージガス中の燃料成分が濃いと考えられる。その濃度は、フィードバック補正係数FAFが減少するほど高いと推定できる。翻って、排気通路4を流れるガスの空燃比が目標空燃比よりもリーンとなったならば、吸気通路3に流入したパージガス中の燃料成分が薄いと考えられる。その濃度は、フィードバック補正係数FAFが増加するほど低いと推定できる。
因みに、ステップS3にて推定した燃料成分の濃度の高低に応じて、インジェクタ11から噴射する燃料の量を増減調整することもできる。パージガス中の燃料成分の濃度が高ければ、その分補正係数Kを減少させ、燃料噴射量Tを減量補正する。パージガス中の燃料成分の濃度が低ければ、その分補正係数Kを増加させ、燃料噴射量Tを増量補正する。
加えて、ECU0は、内燃機関の始動後から、パージガス流路63を通じて吸気通路3に放出されたパージガスの流量の積算量(または、時間積分)を計数している(ステップS4)。単位時間あたりのパージガスの流量は、そのときのVSV65の開度に基づいて推測できる。パージガスの流量は、VSV65の開度が拡大するほど増大する。言うまでもなく、VSV65を閉弁しているときには、パージガスの流量は0になる。
しかして、ECU0は、内燃機関の始動後からパージガス流路63を流れたパージガスの積算流量が所定量を超え(ステップS5)、かつパージガス中の燃料成分の推定濃度が閾値を上回っている(ステップS6)ことを必要条件として、以後キャニスタ61のパージ処理を行うときのVSV65の開度を、当該条件が成立していない場合における開度よりも大きく拡開するようにして(ステップS7)、パージガス流路63を流れるパージガスの流量をより増大させる。
ステップS5の条件の成立は、内燃機関を始動してからある程度以上の時間が経過し、パージガスの濃度の推定の精度が高まったことを示唆する。その上で、パージガスの濃度が閾値を上回って濃いということであれば、可及的速やかにキャニスタ61内の燃料蒸気をパージすることが求められているということであり、そのために、以後のパージ処理におけるVSV65の開度をより拡大する。
図6に、本実施形態のECU0によるキャニスタパージ制御の模様を例示している。図6中、時点t0が内燃機関の始動時点である。そして、時点t1から時点t2まで、時点t3から時点t7までがそれぞれ、VSV65を開弁してキャニスタ61のパージ処理を実行する期間に該当する。
図6中の時点t4は、ECU0が推定するパージガス中の燃料成分の濃度が閾値を上回った時点である。並びに、時点t5は、ECU0が計数している内燃機関の始動からのパージガスの積算流量が所定量を超えたと思しき時点である。本実施形態のECU0は、ステップS5及びS6の両条件が成立した後、徐変パージ率の単位時間あたりの増加量を、それ以前と比較してより大きく設定する。その帰結として、パージガスの目標流量が増大し、目標流量に応じて定めるVSV65の開度がより拡大することになる。時点t6以降のVSV65の開度の推移が、これを表している。
本実施形態では、燃料タンク7に接続する接続路62と、燃料タンク7で発生し接続路62を流れる燃料蒸気を捕捉するキャニスタ61と、キャニスタ61に接続しており空気を導入することのできる導入路64と、キャニスタ61と内燃機関の吸気通路3とを連通しキャニスタ61に捕捉した燃料蒸気を内燃機関の気筒1に連なる吸気通路3に放出させるパージガス流路63と、パージガス流路63を開閉する制御バルブ65とを備える燃料蒸発ガス排出抑制装置6が付帯した内燃機関を制御するものであり、内燃機関の始動後、パージガスを吸気通路3に放出させるべく制御バルブ65を最大開度よりも小さな開度で開弁し、パージガス流路63を流れるパージガス中の燃料成分の濃度の推定を行い、パージガス流路63を流れたパージガスの積算流量が所定量を超えかつパージガス中の燃料成分の濃度が閾値を上回っている場合、そうでない場合と比較して、その後に制御バルブ65を開弁するときの当該制御バルブ65の開度をより大きく操作する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、内燃機関の始動直後の時期には制御バルブ65の開度を幾分縮小しておき、多量のパージガスが吸気通路3に流入して混合気の空燃比が大きく乱れることを防止する。内燃機関を始動してからある程度の時間が経過し、パージガス中の燃料成分の濃度を精度よく推定できるようになり、その上でパージガスの濃度が高い場合には、制御バルブ65の開度をより拡大し(全開とすることがある)、パージガスの流量を増大させて、キャニスタ61に捕集された燃料成分の蒸気を早期に放出させるのである。
キャニスタ61から吸気通路3に放出した燃料蒸気は、気筒1において燃焼させる。その分、燃料噴射量を削減することができ、実用燃費の良化を期待できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
3…吸気通路
32…スロットルバルブ
4…排気通路
41…触媒
6…燃料蒸発ガス排出抑制装置
61…キャニスタ
62…接続路
63…パージガス流路
64…導入路
65…制御バルブ(パージVSV)
7…燃料タンク
b…クランク角信号
c…アクセル開度信号
f、g…空燃比信号
h…大気圧信号
j…燃料噴射信号
k…スロットルバルブの開度操作信号
n…制御バルブの開度操作信号

Claims (1)

  1. 燃料タンクに接続する接続路と、燃料タンクで発生し接続路を流れる燃料蒸気を捕捉するキャニスタと、キャニスタに接続しており空気を導入することのできる導入路と、キャニスタと内燃機関の気筒に連なる吸気通路とを連通せしめキャニスタに捕捉した燃料蒸気を含むパージガスを吸気通路に放出させるパージガス流路と、パージガス流路を開閉する制御バルブとを備える燃料蒸発ガス排出抑制装置が付帯した内燃機関を制御するものであり、
    内燃機関の始動後、パージガスを吸気通路に放出させるべく制御バルブを最大開度よりも小さな開度で開弁し、パージガス流路を流れるパージガス中の燃料成分の濃度の推定を行い、パージガス流路を流れたパージガスの積算流量が所定量を超えかつパージガス中の燃料成分の濃度が閾値を上回っている場合、そうでない場合と比較して、その後に制御バルブを開弁するときの当該制御バルブの開度をより大きくする内燃機関の制御装置。
JP2021043259A 2021-03-17 2021-03-17 内燃機関の制御装置 Pending JP2022142961A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021043259A JP2022142961A (ja) 2021-03-17 2021-03-17 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021043259A JP2022142961A (ja) 2021-03-17 2021-03-17 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022142961A true JP2022142961A (ja) 2022-10-03

Family

ID=83454725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021043259A Pending JP2022142961A (ja) 2021-03-17 2021-03-17 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022142961A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4166779B2 (ja) 内燃機関制御装置
US20010003979A1 (en) Vaporized fuel treatment apparatus of internal combustion engine
JP4115368B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2014066154A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4778401B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007198210A (ja) エンジンの蒸発燃料制御装置
US5680756A (en) Fuel-vapor treatment method and apparatus for internal combustion engine
JP2022142961A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2022142962A (ja) 内燃機関の制御装置
JP3846481B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP2010138791A (ja) 空燃比制御装置
JP6961307B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2023090017A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2023090018A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6961308B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3835975B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP2021131032A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2001098982A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置及び触媒劣化判定装置
JP7143032B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6906856B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2022133865A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4382717B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4321406B2 (ja) 内燃機関の燃料供給量制御装置
JP3862934B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP2021139340A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240201