JP2022142098A - 画像読取装置 - Google Patents

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和紀 森
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Abstract

【課題】画像読取装置の大型化を抑制しつつヒンジ機構の高さ調整を可能にする画像読取装置を提供する。【解決手段】画像読取装置は、原稿を載置する原稿台と、原稿台に対して開閉可能に設けられる自動原稿給送部(開閉体の一例)と、原稿台の一端部側に設けられ、原稿台に対して自動原稿給送部を回動させる回動支持部60と、原稿台に対する自動原稿給送部の高さ位置を調整する高さ調整機構90とを備える。回動支持部60は、原稿台に固定された保持部70と、保持部70に装着され、保持部70に対して上下動可能に設けられた回動支点部80とを有する。高さ調整機構90は、保持部70に対する回動支点部80の高さを調整することで、原稿台に対する自動原稿給送部の高さ位置を調整する。高さ調整機構90は、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップする。【選択図】図7

Description

本発明は、原稿台に対して原稿台カバー等の開閉体が開閉可能に取り付けられる画像読取装置に関する。
従来より、スキャナー等の画像読取装置が知られている。画像読取装置は、原稿を載置する原稿台と、原稿台に載置した原稿を押さえる原稿台カバーを備える。この種の画像読取装置には、原稿台カバーの上部に原稿を自動で給送する自動原稿給送部を備えるものもある。いずれの場合も、原稿台カバーは、原稿台に対してヒンジ機構を介して開閉可能に取り付けられている。
例えば、特許文献1には、原稿載置台を有する画像読取装置(原稿台の一例)に、原稿押さえ部材(原稿台カバー)を開閉自在にかつ昇降自在に支持する開閉装置(ヒンジ機構)が開示されている。この開閉装置は、原稿押さえ部材に固定された取付部と、画像読取装置に昇降可能に支持され、取付部のスライド部を昇降自在に支持するヒンジ受け部材と、画像読取装置に対するヒンジ受け部材の高さ位置を変更するヒンジ高さ調整機構(高さ調整機構の一例)とを備える。高さ調整機構は、ヒンジ受け部材の下側に配置されている。
特開2014-30144号公報
しかしながら、特許文献1に記載された画像読取装置において、ヒンジ受け部材の下側に高さ調整機構が配置されているため、ヒンジ機構(開閉装置)自体が高さ方向に大型化してしまう。そして、このヒンジ機構の大型化によって、画像読取装置が高さ方向に大型化するという課題がある。
上記課題を解決する画像読取装置は、原稿を載置する原稿台と、前記原稿台に対して開閉可能に設けられる開閉体と、前記原稿台の一端部側に設けられ、前記原稿台に対して前記開閉体を回動させる回動支持部と、前記原稿台に対する前記開閉体の高さ位置を調整する高さ調整機構とを備え、前記回動支持部は、前記原稿台に固定された保持部と、前記保持部に装着され、前記保持部に対して上下動可能に設けられた回動支点部とを有し、前記高さ調整機構は、前記保持部に対する前記回動支点部の高さを調整することで前記原稿台に対する前記開閉体の高さ位置を調整し、前記保持部及び前記回動支点部に対して鉛直方向でオーバーラップする。
一実施形態における複合機を示す斜視図。 画像読取装置を示す斜視図。 原稿台カバーを開けた状態の画像読取装置を示す斜視図。 背面側から見た画像読取装置を示す斜視図。 リアカバーを取り外した状態で背面から露出するヒンジ機構を示す斜視図。 リアカバーを取り外した状態で背面から見た画像読取装置を示す斜視図。 ヒンジ機構を示す斜視図。 ヒンジ機構を示す分解斜視図。 最低位置に高さ調整されたヒンジ機構を示す側面図。 中間位置に高さ調整されたヒンジ機構を示す側面図。 最高位置に高さ調整されたヒンジ機構を示す側面図。 変更例におけるヒンジ機構を示す側面図。
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。媒体搬送装置の一例としての複合機は、例えば、原稿を読み取った画像を画像データとして出力する画像読取機能(スキャン機能)、原稿を読み取った画像を媒体に印刷するコピー機能、および媒体に文字や画像を印刷する印刷機能を含む複数の機能を有する。なお、複合機は、ファクシミリ機能を備えてもよい。
図面では、複合機11は、水平な設置面Fに置かれているものとする。複合機11の設置面Fに直交するZ軸のうち、設置面Fに対して複合機11側を+Z側、反対側を-Z側とし、設置面Fの面内方向のうち直交する2つの軸をそれぞれX軸、Y軸とする。また、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれと平行な方向を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向という。X軸方向とは、+X方向と-X方向との両方向を含む。Y軸方向とは、+Y方向と-Y方向との両方向を含む。Z軸方向とは、+Z方向と-Z方向との両方向を含む。Z軸と平行な方向であるZ軸方向を鉛直方向Zともいう。X軸方向は、複合機11を正面から見たときの幅方向である。このため、X軸と平行な方向を幅方向Xともいう。ここで、複合機11の正面とは、ユーザーが複合機11に対して指示を与えるために操作される操作部14が位置する側の面である。また、Y軸は、複合機11の奥行方向と平行である。このため、Y軸方向を奥行方向Yともいう。
<複合機の構成>
図1に示すように、複合機11は、直方体状をなす装置本体12と、装置本体12の上部に配置される画像読取装置20とを備える。画像読取装置20は、原稿を載置する原稿台21と、原稿台21に対して開閉可能に設けられる開閉体の一例としての自動原稿給送部22(Auto Document Feeder(ADF))とを備える。自動原稿給送部22は、原稿台21に対して回動支点を中心に開閉可能に構成されている。自動原稿給送部22は、原稿を自動で給送する機能を有する。原稿台21は、装置本体12の上端部に固定されている。本実施形態の自動原稿給送部22は、原稿台カバー23に一体に搭載されている。すなわち、自動原稿給送部22における原稿台21と対向する下部が原稿台カバー23となっている。このため、自動原稿給送部22を原稿台21に対して回動支点を中心に回動させることで、原稿台カバー23が開閉される。
装置本体12は、プリンター部13を構成している。複合機11は、鉛直方向Zにおいて下側から順に、プリンター部13、原稿台21、自動原稿給送部22が積み重なる構成を有する。複合機11は、装置本体12の底部に設けられた複数のキャスター12Bが接地する状態で設置面Fに設置される。
画像読取装置20は、原稿Dに記録されている文字や写真などの画像を読み取り可能に構成される。自動原稿給送部22は、原稿D(図1に二点鎖線)を載置可能な原稿トレイ24を有する。画像読取装置20は、原稿Dの読取方式として、自動原稿給送部22により原稿トレイ24から給送された原稿Dを読み取るフィード方式と、原稿台21(図3参照)に載置された原稿Dを読み取るフラットベッド方式とを兼ね備えている。自動原稿給送部22は、フィード方式で読み取られた原稿Dが積載される排出トレイ25を備える。また、フラットベッド方式で原稿Dを読み取る場合、自動原稿給送部22を開けると露出する原稿台21の上面に原稿Dを載置し、自動原稿給送部22を閉じることで原稿Dを原稿台カバー23で押さえる。フラットベッド方式では、画像読取装置20が原稿台21上の原稿Dを読み取る。
また、装置本体12の正面12Fの上部には、複合機11に指示を与えるときに操作される操作部14が設けられている。操作部14は、表示部14Aを有する操作パネルでもよい。表示部14Aは、例えば、タッチパネルよりなる画面を有してもよい。タッチパネルとは、画面をタッチすることで、複合機11に指示を与えることができる表示パネルである。また、操作部14は、操作ボタンを有してもよいし、操作ボタンのみからなる構成でもよい。なお、本例では、装置本体12における操作部14の面(例えばパネル面)が向く側の面が正面である。
複合機11は、複数の媒体を収容するカセット15(媒体収容部)を備える。カセット15には、複数枚の媒体が積載状態で収容される。複合機11は、装置本体12の下部に鉛直方向Zに重なる状態で配置された複数段(図1の例では4段)のカセット15を備える。複数のカセット15は、装置本体12に対して着脱可能な状態で挿着されている。カセット15は、ユーザーが引き出し操作するときに用いる把手15Aを有する。なお、カセット15の段数は、任意に設定でき、4段に限らず、1段、2段、3段や5段、6段であってもよい。また、複数段のカセット15は、その一部または全部がオプションで増設される増設ユニットであってもよい。
図1に示すように、装置本体12の側面12Sには、第1カバー16と第2カバー17と第3カバー18とが開閉可能な状態で設けられている。各カバー16~18は、ユーザーが開閉操作するときに用いる把手16A~18Aを有する。各カバー16~18は、装置本体12内の搬送経路上で媒体のジャムが発生したときにジャムを解消するために開閉して使用される。第1カバー16は、媒体を載置可能な給送トレイ19を開閉可能な状態で備える。ユーザーは把手19Aを用いて給送トレイ19を開けることで、給送トレイ19に載置した媒体を給送することが可能である。各カバー16~18は、装置本体12のフレームおよび外装と共に、プリンター部13の筐体12Aを構成している。
また、図1に示すように、筐体12A内には、媒体(図2参照)に記録する記録部30が配置されている。筐体12A内には、カセット15から給送された媒体および給送トレイ19から給送された媒体を搬送経路(図示略)に沿って搬送する搬送部(図示略)が設けられている。記録部30は、搬送経路の途中の記録位置で媒体に記録する。筐体12A内には、液体の一例としてのインクを収容する液体供給源31が収容されている。記録部30は、液体供給源31から供給されるインク等の液体を用いて媒体に記録する液体吐出ヘッド30Hを有する。筐体12Aの正面12Fには、液体供給源31と対応する領域に窓部32が設けられている。ユーザーは、窓部32を通じて液体供給源31の残量を視認可能である。なお、液体供給源31は、種類の異なるインク等の液体がそれぞれ収容される複数のタンクまたは複数のカートリッジにより構成される。
装置本体12と画像読取装置20との間には、凹状の排出部33が設けられている。排出部33はその底部を構成する排出トレイ34を備える。排出口(図示略)から排出された記録後の媒体は排出トレイ34の上面に積載される。
複合機11は、装置本体12内に制御部(図示略)を備える。制御部は、プリンター部13および画像読取装置20を制御する。制御部は、図示を省略するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージを含んで構成される。制御部は、画像読取装置20に対しては自動原稿給送部22および読取部45(図3参照)等を制御し、原稿Dの読取動作を行わせる。また、制御部は、プリンター部13に対しては記録部30および搬送部(図示略)を制御し、媒体の搬送および媒体への記録を制御する。
<画像読取装置の構成>
次に、画像読取装置20の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、画像読取装置20は、略直方体状の原稿台21と、原稿台21よりも鉛直方向Zの上側に配置された自動原稿給送部22とを備える。原稿台21は、その骨格となるフレーム(図示略)および外装を含む筐体26を備える。自動原稿給送部22は、原稿台21の筐体26に対して開閉可能に構成されている。自動原稿給送部22は、原稿トレイ24に載置された原稿Dを給送するとともに給送経路の途中で読み取られた原稿Dを排出トレイ25へ排出する給送機構27を備える。原稿トレイ24には、載置面に載置された原稿Dをその幅方向に位置調整可能な一対のエッジガイド28を備える。一対のエッジガイド28は、原稿Dの幅方向にスライド可能に構成される。また、自動原稿給送部22の下部は、原稿台カバー23となっている。換言すれば、原稿台カバー23の上側に自動原稿給送部22が搭載されている。
自動原稿給送部22は、原稿トレイ24にセットされた複数枚の原稿Dを給送機構27により1枚ずつ順番に給送し、読み取り後の原稿Dを排出トレイ25上に順次排出する。給送機構27は、給送口27Bが開口するハウジング27Aを有する。ハウジング27A内には、給送経路に沿って設けられた給送ローラーおよび搬送ローラーと、これらの各ローラーを回転させるモーター等の駆動源(いずれも図示略)とが設けられている。なお、ハウジング27A内に、搬送中の原稿Dを読み取るラインセンサー等の読取部(図示略)が内蔵されてもよい。
図3に示すように、画像読取装置20は、原稿台21の一端部側(奥行方向Y側の端部)に設けられ、原稿台21に対して開閉体の一例である自動原稿給送部22を回動させる一対のヒンジ機構41,42を備える。自動原稿給送部22は、原稿台21に対して一対のヒンジ機構41,42を介して開閉可能に連結されている。詳しくは、自動原稿給送部22を搭載する原稿台カバー23が、原稿台21に対して一対のヒンジ機構41,42を介して開閉可能な状態で連結されている。これにより、自動原稿給送部22は、ヒンジ機構41,42を介して原稿台21の上面21Aを覆う閉状態と、原稿台21の上面21Aを露出させる開状態との間で開閉される。自動原稿給送部22は、ヒンジ機構41,42の機能により、最大開度以下の範囲で複数段階の開度に保持できる。なお、最大開度は、例えば50~90°の範囲内の所定値である。
図3に示すように、原稿台21は、筐体26の上面に開口する開口部26Aに組み付けられた四角形のガラス板43と、ガラス板43に対して幅方向Xの隣の位置に組み付けられた小ガラスよりなる読取窓44とを備える。ガラス板43および読取窓44はそれぞれの周縁部を押さえる所定形状の枠体26Bにより筐体26の上面に保持されている。原稿台21は、ガラス板43の下方の位置で幅方向Xに移動可能な可動式の読取部45を備える。また、筐体26の上面奥側には、原稿台カバー23を検知可能なセンサー46が設けられる。センサー46は、原稿台カバー23の開閉状態を検知可能である。
また、原稿台カバー23の裏面には、ガラス板43と対向する領域にガラス板43上に載置された原稿Dを押さえる原稿押さえ面47が形成されている。原稿押さえ面47は、例えば白色を呈し、ガラス板43上の原稿Dの背景として読み取られる背景板として機能する。また、原稿台カバー23の裏面には、給送機構27から給送された原稿Dが給送途中で一時的に露出する読取経路48が、読取窓44と対応する領域に形成されている。フラットベッド方式による原稿Dの読み取りは、読取部45が幅方向X(副走査方向)に移動する過程で、ガラス板43上の原稿Dの画像を読み取ることで行われる。また、フィード方式で給送機構27により搬送された原稿Dの画像は、読取窓44と対応する位置で待機する読取部45により、読取経路48を通る過程で読み取られる。なお、画像読取装置20は、ハウジング27A内の読取部(図示略)と、原稿台21内の読取部45とにより、原稿Dの両面を読み取る両面読取機能を有してもよい。
読取部45は、筐体26内に架設されたレールに沿って幅方向Xに移動可能に設けられたキャリッジと、キャリッジに搭載されたラインセンサーと光源(いずれも図示略)とを有している。光源は、原稿台21上にセットされた原稿Dの読取エリアに光を照射する。読取部45は、駆動源の一例である電動モーターの駆動によって正逆回転する無端状のベルトを介して幅方向Xに往復移動する。
読取部45は、自動原稿給送部22の給送機構27により給送された原稿Dを読み取るときは、読取窓44と対向する位置で待機し、搬送中に読取経路48から露出する部分の原稿Dを、読取窓44を通して読み取る。また、原稿台21のガラス板43上に載置された原稿Dは、原稿台カバー23の原稿押さえ面47に押さえられた状態で、幅方向Xに移動する読取部45によって読み取られる。なお、読取部45の長手方向が主走査方向、読取部45の移動方向である幅方向Xが副走査方向である。
本実施形態のヒンジ機構41,42は、少なくとも一方が後述する高さ調整機構90を有するヒンジ機構40である。一対のヒンジ機構41,42のうち少なくとも給送機構27側に位置する一方のヒンジ機構41が、高さ調整機構90を有するヒンジ機構40であってもよい。この場合、一対のヒンジ機構41,42が共に高さ調整機構90を有するヒンジ機構40であってもよいし、給送機構27側に位置する一方のヒンジ機構41のみが、高さ調整機構90を有するヒンジ機構40であってもよい。なお、給送機構27側ではない他方のヒンジ機構42のみが、高さ調整機構90を有するヒンジ機構40である構成も可能である。
ここで、少なくとも給送機構25側のヒンジ機構41を、高さ調整機構90を有するヒンジ機構40とする理由は、自動原稿給送部22の重量バランスが給送機構27側に偏るからである。給送機構側のヒンジ機構41に大きな荷重がかかるため、ヒンジ機構41の高さ調整が必要になる。原稿台カバー23がヒンジ機構41,42で支持される二箇所の高さ位置のずれは、原稿台カバー23にねじれを生じさせる。そのため、原稿台カバー23を開閉するときにヒンジ機構41にねじれに起因する過度な負荷がかかる場合がある。また、原稿台カバー23を閉じたときに原稿押さえ面47が、原稿台21上の原稿Dの全体を均等に押さえることが困難になる場合がある。このため、原稿台カバー23の少なくとも給送機構27側の部分が支持される高さ位置を高さ調整機構90により調整することで、一対のヒンジ機構41,42により支持される原稿台カバー23を原稿台21に対して平行に組み付ける。
図4に示すように、筐体26は、その前部と両側部とを形成するフロントカバー26Fと、その後部を形成するリアカバー29とを備える。原稿台21の背面には、開口26Cを覆うリアカバー29が固定されている。リアカバー29は、ねじ49の締結により固定されている。リアカバー29が取り付けられた状態では、ねじ49の頭部は奥行方向Y(背面側)を向く状態でリアカバー29の表面に露出している。作業者は、ねじ49を緩めればリアカバー29を取り外すことが可能である。なお、リアカバー29は、スナップフィット係止等の係止構造により固定されてもよい。
図6は、リアカバー29を取り外した状態を示す。図6に示すように、リアカバー29が取り外された状態では、開口26Cから筐体26内の背面側の構成部が露出する。開口26Cからは、筐体26を構成するフレーム50の一部、ヒンジ機構41,42の一部が露出する。フレーム50は、ボトムフレーム51、リアフレーム52、サイドフレーム53およびフロントフレーム(図示略)を有し、上方に向かって開放された開口(図示略)を有する有底四角筒形状をなす。フレーム50の開口と対応する領域にガラス板43(図3参照)が組み付けられている。
一対のヒンジ機構41,42は、その下端部がリアフレーム52に対してねじ(図示略)で固定されるとともに、その上端部が原稿台カバー23を構成する支持フレーム(図示略)に対してねじ(図示略)で固定されている。一対のヒンジ機構41,42のうち高さ調整機構90を有するヒンジ機構40は、保持部70と、保持部70に保持される回動支点部80とを有する。回動支点部80は、保持部70に対して所定の相対高さの位置で固定されている。保持部70はリアフレーム52に対してねじ(図示略)で固定されるとともに、回動支点部80は原稿台カバー23を構成する支持フレーム(図示略)に対してねじ(図示略)で固定されている。そして、リアカバー29が取り外された状態では、開口26Cから、高さ調整機構90の調整部91が露出するようになっている。なお、リアカバー29を固定するねじ49は、リアフレーム52の幅方向Xに間隔を開けた複数箇所に形成された複数のねじ孔52Aに締結される。
図5に示すように、リアカバー29を取り外した状態では、ヒンジ機構40の高さ調整機構90の調整部91が開口26Cから露出する。詳しくは、図5に示すように、調整部91を構成する調整ねじ95が、そのねじ頭95Aを背面(奥行方向Y)に向けた状態で露出する。ユーザーまたはサービスマンなどの作業者は、原稿台カバー23の水平度や閉まり具合が悪くなった場合、リアカバー29を取り外すと露出する調整ねじ95をドライバー等の工具を操作して、ヒンジ機構40により支持される原稿台カバー23の支持高さを調整する。詳しくは、調整ねじ95を工具で操作して、保持部70に対する回動支点部80の相対高さを調整することで、回動支点部80に固定された原稿台カバー23の高さが調整される。この高さ調整により、原稿台21に対する原稿台カバー23の平行度等が調整される。なお、保持部70と回動支点部80は、所定の相対高さでねじ61,62により固定されているので、必要に応じてねじ61,62を緩めて、保持部70に対する回動支点部80のZ軸方向への相対移動を可能な状態にした後、調整ねじ95を操作する。
<ヒンジ機構の構成>
次に、図7、図8等を参照して、高さ調整機構90を有するヒンジ機構40の詳細な構成について説明する。ここで、図7はヒンジ機構40の組立状態を示し、図8はヒンジ機構40を分解した状態を示す。なお、図7~図11では、ヒンジ機構40の回動支点である軸部83の軸線と平行な方向を軸方向X1、軸方向X1と直交する方向であって高さ調整機構90により回動支点部80の高さが調整される方向を高さ方向Z1、調整部91の調整ねじ95をドライバー等の工具の操作により移動させる方向を調整方向Y1とする。図7、図8等では、調整方向Y1は、調整ねじ95が押し込まれる方向である。ヒンジ機構40を原稿台21と原稿台カバー23とに組み付けた状態において、軸方向X1は幅方向Xと平行な方向であり、高さ方向Z1は鉛直方向Zと平行な方向であり、調整方向Y1は奥行方向Yと平行な方向である。
原稿台21の一端部側に設けられるヒンジ機構40は、原稿台21に対して自動原稿給送部22を回動させる回動支持部60と、原稿台21に対する自動原稿給送部22の高さ位置を調整する高さ調整機構90とを備える。回動支持部60は、原稿台21に固定される保持部70と、保持部70に装着され、保持部70に対して上下動可能に設けられた回動支点部80とを有する。高さ調整機構90は、保持部70に対する回動支点部80の高さを調整することで、原稿台21に対する自動原稿給送部22の高さ位置を調整する。高さ調整機構90は、保持部70と、回動支点部80とを相対移動させる。
図7に示すように、ヒンジ機構40は、筐体26に固定される略四角筒状の保持部70と、保持部70の筒内に挿通された状態で組み付けられる回動支点部80とを備える。
保持部70は、板材を所定形状に加工したものを折り曲げ加工により少なくとも四角筒のうち3面を含む所定形状に形成された保持部本体71を備える。保持部本体71を平面視した際に、四角筒を形成する4面のうち略U字状の3面をなす部分以外の1面はほとんどが開口する状態にある。この開口した部分に略長方形の横架部材72が固定されることで、筒型の形状に構成される。保持部70は、横架部材72よりも上方の位置において、互いに近づく方向に延出する一対の延出部74を有する。保持部70は、その四角筒形状の筒内を形成するガイド穴75を有する。
保持部本体71の下端部には、互いに離れる方向に水平に延出する一対の取付部73が形成されている。取付部73は、ヒンジ機構40の保持部70をリアフレーム52に固定するためのねじ(図示略)が挿通されるねじ挿通孔73Aを有する。
横架部材72は、高さ方向Z1を長手方向とする一対の長孔72A(図8参照)を有する。一対の長孔72Aには、2本のねじ61が挿通される。また、一対の延出部74は、高さ方向Z1を長手方向とする一対の長孔74A(図8参照)を有する。一対の長孔74Aには、2本のねじ61が挿通される。
回動支点部80は、四角筒状のスライド部81と、スライド部81の上端部に回動可能に連結された回動フレーム82とを有する。四角筒状のスライド部81の外寸法は、ガイド穴75の内寸法とほぼ等しい。すなわち、四角筒状のスライド部81とガイド穴75とは、スライド部81がガイド穴75に挿通可能な寸法にそれぞれ形成されている。保持部70と回動支点部80とは、スライド部81がガイド穴75に挿通されることで、保持部70に対して回動支点部80が鉛直方向Zにスライド可能に接続される。
回動支点部80のスライド部81の側面81Aには、保持部70の4つの長孔72A,74Aと対応する位置に4つのねじ孔81Bが形成されている。長孔72A,74Aに挿通された4本のねじ61が、スライド部81の各ねじ孔81Bに螺着されることにより、回動支点部80は、保持部70に対して所定の相対高さで固定される。
また、図8に示すように、スライド部81は、板状のフレームを曲げ加工して形成された四角筒状をなす。回動フレーム82は、スライド部81の上端部に軸部83を介して回動可能に連結されている。回動フレーム82は、Y方向から見た際の断面形状が略Ω字形状を有し、回動中心となる軸部83よりも調整方向Y1に向かって延出している。回動フレーム82は、その下端から軸方向X1の両側に延出する一対の取付部84と、回動フレーム82の上面よりなる取付面85とを有する。一対の取付部84は、複数のねじ挿通孔84Aを有する。また、取付面85には複数のねじ孔85Aが形成されている。一対の取付部84には、自動原稿給送部22の後端部が、ねじ挿通孔84Aに挿通されたねじ(図示略)により固定される。また、取付面85には、自動原稿給送部22の骨格の一部を構成する支持フレーム(図示略)がねじ孔85Aに螺着されるねじ(図示略)によって固定される。
回動フレーム82は、スライド部81に対して不図示のばねの付勢力により原稿台カバー23が開く方向に付勢されている。また、回動フレーム82の後端上部には軸状のストッパー86が固定されている。回動フレーム82の開度は、ストッパー86がスライド部81の側面81Aに当たるまでの範囲に設定される。また、回動支点部80にはリフト機構87が組み付けられている。リフト機構87は、原稿台21に書籍や雑誌などの厚みのある原稿Dが載置されたときに原稿台カバー23が水平姿勢を保ったまま回動フレーム82を鉛直方向Zに移動(リフト)可能な状態でスライド部81に支持される。回動フレーム82の後端部は、リフト機構87を構成するばね(図示略)によりスライド部81内に引き込む方向(下方)に付勢されている。
また、図8に示すように、スライド部81の軸方向X1に対向する一対の側面81Cには、一対の凸部88(図8では一方のみ図示)が突設されている。一対の凸部88は、保持部70のガイド穴75に挿通されたスライド部81の軸方向X1のがたつきを抑制する機能を有する。さらに、スライド部81の側面81Cには、一対の凸部88よりも上方の位置に一対の板状の被支持部89(図7、図8では一方のみ図示)が外側に向かって延出している。これら一対の被支持部89は、後述する高さ調整機構90の一部を構成している。
高さ調整機構90によって、保持部70に対する回動支点部80の高さが調整された状態で、長孔72A,74Aに挿通された4本のねじ61がねじ孔81Bに螺着される。これにより、回動支点部80が保持部70に対して所定の相対高さの位置で固定される。また、横架部材72のねじ孔(図示略)に螺着された2本のねじ62の軸部がスライド部81の側面81Aを押し付けることで、ガイド穴75におけるスライド部81の奥行方向Yの位置が規定される。
<高さ調整機構の構成>
次に、高さ調整機構90の構成について説明する。図7に示すように、保持部70の一側部には、高さ調整機構90が設けられている。高さ調整機構90は、保持部70に対して回動支点部80の相対高さを調整する機能を有する。
図7に示すように、高さ調整機構90は、前述の調整部91と、保持部70に対して回転可能な回転子92と、回転子92の回転支点となる軸部93と、回動支点部80を支持する支持部92Aとを備える。調整部91は、回転支点となる軸部93が延びる方向である軸方向X1と直交する調整方向Y1に移動可能に設けられている。調整部91は、軸方向X1と直交する方向から回転子92に接触することで回転子92の回転量を変更する。本例では、回転子92が、回動支点部80を支持する支持部92Aを有する。作業者は、調整部91を移動させることによって回転子92の回転量を変更し、支持部92Aの高さ位置を調整する。また、図9に示すように、軸方向X1から見た際に、軸部93は、奥行方向Yにおける被支持部89の中心よりも背面側に設けられている。
図7に示すように、本例の調整部91は、一端部側にねじ頭95Aを向けた状態で保持される調整ねじ95である。調整ねじ95は、ねじ頭95Aと、ねじ部を外周面に有する軸部95Bとを有する。調整ねじ95は、ねじ頭95Aが背面側(奥行方向Y)を向く状態で、その軸部95Bが保持部70の側面から突出したねじ保持部96に螺合された状態で保持される。
図7に示すように、回動支点部80は、支持部92Aに支持される前述の被支持部89を有する。被支持部89は、スライド部81の側面から外側に向かって水平に突出している。被支持部89は板状を呈している。
保持部70は、被支持部89を保持可能な切り欠き77を有する。切り欠き77の調整方向Y1の寸法は、被支持部89の調整方向Y1の寸法よりも若干大きい。被支持部89が切り欠き77に保持されることで、保持部70に対するスライド部81の奥行方向Yの位置が規定される。被支持部89が切り欠き77によって保持されることで、原稿台21に対して自動原稿給送部22が奥行方向Yに位置決めされる。
図7に示すように、ヒンジ機構40は、回転子92と保持部70との間に取り付けられた付勢部材の一例としての捩りコイルばね94を備える。捩りコイルばね94は、回転子92を第1方向に回転させる付勢力を付与する。捩りコイルばね94が回転子92を付勢する第1方向は、図9における時計回り方向である。捩りコイルばね94は、その一端部94Aが保持部70の掛止部97に掛止され、その他端部94Bが回転子92の被当接部92Bに掛止されている。回転子92は調整部91に当接するように常に捩りコイルばね94によって付勢されており、調整部91は捩りコイルばね94の付勢力を、調整部91を介して受け止める構成となっている。そのため、調整部91は調整方向Y1に移動する際には、捩りコイルばね94の付勢力に抗しながら移動を行い、調整方向Y1と反対の方向(-Y1側)に移動する際には、捩りコイルばね94の付勢力を受け止めつつ移動を行うことで高さ調整を行う。このように、調整部91は、軸方向X1と直交する方向である調整方向Y1または調整方向Y1と反対の方向(-Y1側)に移動を行いつつ、回転子92の第1方向への回転を阻害しながら高さ調整を行う。
図7に示すように、調整部91は、一端部側にねじ頭95Aを向けた状態に保持される調整ねじ95である。回転子92は、その上端部にある支持部92Aに対して軸部93を挟んで反対側の端部となる下端部に、調整ねじ95の軸部95Bの先端部が当接可能な被当接部92Bを有する。調整ねじ95は、その軸部95Bの先端が被当接部92Bに当接することで、捩りコイルばね94による回転子92の第1方向への回転を阻害する。例えば、回動支点部80が、図10に示す中間位置にある状態で、調整ねじ95を調整方向Y1(+Y1側)に押し込む。すると、回転子92は、捩りコイルばね94の付勢方向である第1方向に抗して、回動支点部80が図11に示す最高位置に向かう方向である第2方向に回転する。ここで、第2方向は、第1方向と反対の方向であり、図11における反時計回り方向に相当する。また、例えば、回動支点部80が、図10に示す中間位置にある状態で、調整ねじ95を調整方向Y1と反対の方向(-Y1側)に引き戻す。すると、回転子92は、被当接部92Bが調整ねじ95の軸部95Bに当接する状態を維持したまま、捩りコイルばね94の付勢力によって第1方向に回転する。
図11に示すように、調整ねじ95を調整方向Y1(+Y1側)に一番押し込んだ状態が、回動支点部80が最高位置にある状態となるように高さ調整機構90が構成される。言い換えると、調整ねじ95を調整方向Y1(+Y1側)に押し込むにつれて回動支点部80の位置が高くなり、調整ねじ95を調整方向Y1と反対の方向(-Y1側)に引き戻すにつれて回動支点部80の位置が低くなる。これによって、回動支点部80の高さ調整を行う際に、調整ねじ95を調整方向Y1と反対の方向(-Y1側)とのどちらに移動させれば、回動支点部80の位置が高くなるか低くなるかが分かり、容易に調整を行うことができる。
図7に示すように、高さ調整機構90は、保持部70および回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップしている。これを、以下、オーバーラップ条件という。ここで、高さ調整機構90の鉛直方向Zの範囲は、鉛直方向Zにおいて、被支持部89の上面から捩りコイルばね94の下端までの範囲である。詳しくは、高さ調整機構90は、保持部70に組み付けられた部材である回転子92、軸部93、捩りコイルばね94、調整部91を構成する調整ねじ95と、保持部70の一部であるねじ保持部96、掛止部97、および回動支点部80の被支持部89とにより構成される。これらのうち鉛直方向Zに最も上に位置する箇所が被支持部89であり、最も下に位置する箇所が捩りコイルばね94の下端である。よって、被支持部89の上面から捩りコイルばね94の下端までの範囲が、高さ調整機構90が鉛直方向Zに存在する範囲である。この範囲は、保持部70に対する回動支点部80の高さ調整により変化するが、保持部70に対する回動支点部80の相対高さが最低位置(図9)から最高位置(図11)までの範囲で、一度でも上記のオーバーラップ条件が成立すればよい。本実施形態では、保持部70に対する回動支点部80の相対高さが最低位置(図9)から最高位置(図11)までの範囲で変化しても、高さ調整機構90の鉛直方向Zの範囲は、常に上記のオーバーラップ条件が成立している。
すなわち、保持部70に対する回動支点部80の相対高さが最低位置から最高位置までの変化した場合、被支持部89の下端が常に保持部70の上端よりも下方(-Z側)に位置し、かつ捩りコイルばね94の下端が、常に保持部70の下端よりも上方(+Z側)に位置する。換言すれば、高さ調整機構90の全部が、鉛直方向Zにおいて保持部70と常にオーバーラップしている。
また、被支持部89は、回動支点部80の一部であるため、回動支点部80の相対高さに関わらず、常に鉛直方向Zにおいて回動支点部80とオーバーラップする。また、捩りコイルばね94の下端は、常に回動支点部80の下端よりも上方(+Z側)に位置する。このため、本実施形態では、高さ調整機構90の全部が、鉛直方向Zにおいて回動支点部80と常にオーバーラップしている。このように、本実施形態のヒンジ機構40では、鉛直方向Zにおいて、高さ調整機構90の全部が、保持部70と回動支点部80との両方に常にオーバーラップしている。例えば、図10に示すように、回動支点部80が中間位置にあるときの例において、鉛直方向Zにおいて、高さ調整機構90の範囲R3は、保持部70の範囲R2と回動支点部80の範囲R3との両方にオーバーラップしている。このオーバーラップ条件は、図9、図11においても成立している。
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
複合機11が工場で組み立てられるときは、装置本体12の上部フレーム(図示せず)に対して、画像読取装置20の筐体26が複数のボルトまたはねじの締結により組み付けられる。次に、原稿台21の奥側(背面側)の幅方向Xの両側に一対のヒンジ機構41,42を組み付ける。ヒンジ機構41,42は、保持部70と回動支点部80とを備える。保持部70の取付部73を筐体26のリアフレーム52にねじ(図示略)で固定する。本実施形態では、一対のヒンジ機構41,42のうち少なくとも一方は、高さ調整機構90を備えるヒンジ機構40である。
一対のヒンジ機構41,42の原稿台21への組み付けが終わると、ドライバー等の工具で調整ねじ95を操作することで、回転子92を例えば中間位置に相当する回転角度に調整しておく。このとき、回転子92の側端ラインを回転目盛78に合わせることで、回転子92の回転角度を調整する。なお、回転子92の回転角度は、回転子92の基準角度度からの回転量に相当する。基準角度は、例えば、回動支点部80が最低位置にあるときの回転角度である。
その後、ヒンジ機構41,42の回動支点部80を構成する回動フレーム82に対して、原稿台カバー23を構成する支持フレーム(図示略)をねじで固定する。こうしてヒンジ機構41,42に対して自動原稿給送部22を搭載する原稿台カバー23を固定すると、次に、高さ調整機構90によりヒンジ機構40による原稿台カバー23の支持高さを調整する。作業者は、高さ調整機構90の調整ねじ95を工具で操作して回転子92を当初の回転角から回転させることで、保持部70に対する回動支点部80の相対高さを調整する。この回動支点部80の高さ調整作業についての詳細は後述する。
原稿台カバー23の高さ調整が終わると、原稿台21にフロントカバー26Fおよびリアカバー29をねじ49等で固定する。こうして製造された複合機11は出荷される。
なお、ヒンジ機構40の組付方法は、原稿台21に原稿台カバー23を回動可能な状態に組み付けできれば、その組付手順は適宜選択できる。例えば、原稿台カバー23に先にヒンジ機構40を取り付けた状態とし、その後、ヒンジ機構40の保持部70をリアフレーム52に固定してもよい。また、回動支点部80の回動フレーム82に原稿台カバー23を固定しておき、保持部70をリアフレーム52に固定しておく。そして、回動支点部80のスライド部81を保持部70に挿入した後、高さ調整機構90により保持部70に対する回動支点部80の相対高さを調整する。このように適宜な手順で、ヒンジ機構40を画像読取装置20に組み付けてもよい。
こうして出荷された複合機11は、ユーザーにより使用される。複合機11の使用開始前あるいは使用開始以後に、ヒンジ機構40による原稿台カバー23の支持高さをメンテナンスで調整したい場合がある。この場合、ユーザー等の作業者は、ヒンジ機構40の高さ調整機構90を操作して、原稿台カバー23の支持高さを調整するメンテナンスを行う。
このメンテナンスは次のように行われる。作業者は、画像読取装置20の原稿台21からリアカバー29を取り外す。詳しくは、作業者は、原稿台21の背面を覆うリアカバー29の表面にねじ頭が露出するねじ49をドライバー等の工具で緩めることで、リアカバー29を取り外す。リアカバー29を取り外すと、図5、図6に示すように、ヒンジ機構40の調整部91が露出する。作業者は、原稿台21の背面の開口26Cから露出する調整ねじ95を工具で操作することで、ヒンジ機構40による原稿台カバー23の支持高さを調整する。
<高さ調整機構による高さ調整方法>
次に、高さ調整機構90によるヒンジ機構40の高さ調整方法について説明する。
高さ調整機構90で高さ調整作業を行うときは、複合機11(特に画像読取装置20)の製造時およびメンテナンス時ともに調整部91が露出する状態にある。例えば、製造工場での画像読取装置20の組立作業においては、リアカバー29を取り付ける前に高さ調整作業が行われる。一方、ユーザー等の作業者が複合機11に対して高さ調整作業を行うメンテナンス時は、作業者は工具でねじ49を緩めてリアカバー29を取り外す。これにより、調整ねじ95が露出した状態にある。
画像読取装置20の製造時は、調整ねじ95は初期位置にある。調整ねじ95の初期位置は、説明の便宜上、中間位置に相当する第2操作位置にあるものとする。一方、ユーザー等の作業者がメンテナンスでヒンジ機構40を高さ調整する場合、保持部70に対する回動支点部80の相対高さは、出荷時の高さ位置、あるいは、前回のメンテナンスで調整した高さ位置にある。ここでは、説明の便宜上、調整ねじ95の位置は、中間位置に相当する第2操作位置にあるものとする。なお、調整ねじ95で高さ調整作業を行うときは、4本のねじ61を外し、2本のねじ62を緩めた状態とする。
調整ねじ95が第2操作位置にあるとき、回転子92は、図10に示す回転角度にある。作業者は、調整ねじ95を工具で操作することで、高さ調整機構90による回動支点部80の高さ調整作業を行う。例えば、回動支点部80を、図10に示す中間位置から上昇させるときは、作業者は、調整ねじ95を押込み方向(+Y1方向)に回転させる。これにより、押し込まれた調整ねじ95の軸部95Bが回転子92の被当接部92Bを押し込んで、回転子92を軸部93を中心として、図10における第2方向(図10では反時計回り方向)に回転させる。この回転子92の第2方向の回動によって、回転子92の支持部92Aが上方に変位する。支持部92Aは被支持部89を押し上げる。この結果、回動支点部80が保持部70に対して上方に変位する。よって、回動支点部80は、保持部70に対して中間位置よりも高い位置に高さ調整される。このとき、保持部70に対する回動支点部80の高さ調整量は、調整ねじ95の操作量により調整される。このとき、作業者は、高さ目盛79を見ながら被支持部89の高さを調整する。
一方、回動支点部80を中間位置よりも下降させるときは、作業者は、調整ねじ95を引き戻し方向(-Y1方向)に回転させる。これにより、調整ねじ95の軸部95Bが引き戻されることにより、回転子92は、捩りコイルばね94の付勢力により、軸部93を中心として、第1方向(図10における時計回り方向)に回動する。この回転子92の第1方向の回動によって、支持部92Aが下方に変位する。この結果、被支持部89が支持部92Aと共に下降する。これにより、回動支点部80は保持部70に対して下方に変位する。よって、回動支点部80は、保持部70に対して中間位置よりも低い位置に高さ調整される。このとき、保持部70に対する回動支点部80の高さ調整量は、調整ねじ95の操作量により調整される。このとき、作業者は、高さ目盛79を見ながら被支持部89の高さを調整する。
こうして、保持部70に対する回動支点部80の高さ調整を行うことで、原稿台カバー23および自動原稿給送部22のヒンジ機構40による支持高さが調整される。つまり、原稿台21に対する原稿台カバー23の相対高さが調整される。保持部70に対する回動支点部80の高さが決まると、2本のねじ62を締め付けてスライド部81をその高さに位置決めする。さらに、保持部70の長孔72A,74Aに4本のねじ61を挿通してスライド部81のねじ孔81Bに螺着する。こうして、回動支点部80を保持部70に対して調整後の相対高さに固定する。この結果、原稿台21に対する原稿台カバー23の平行度や閉まり具合が調整される。
画像読取装置20の製造時はその後、製造工程の次工程以降が行われる。一方、メンテナンス時は、原稿台カバー23の高さ調整が終わると、開口26Cを覆う状態にリアカバー29を取り付ける。そして、工具でねじ49を締結することでリアカバー29をリアフレーム52に対して固定する。このように、原稿台21に対する原稿台カバー23の平行度調整や閉まり具合の調整は、リアカバー29の開閉操作と、ねじ61,62および調整ねじ95の操作だけの簡単な作業で済む。
また、高さ調整機構90は、保持部70および回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップしている。このため、高さ調整機構90を設けても、ヒンジ機構40が鉛直方向に大型化しにくい。よって、画像読取装置20が鉛直方向Zに大型化しにくい。
本実施形態の効果について説明する。
(1)画像読取装置20は、原稿Dを載置する原稿台21と、原稿台21に対して開閉可能に設けられる開閉体の一例である自動原稿給送部22とを備える。さらに、画像読取装置20は、原稿台21の一端部側に設けられ、原稿台21に対して自動原稿給送部22を回動させる回動支持部60と、原稿台21に対する自動原稿給送部22の高さ位置を調整する高さ調整機構90とを備える。回動支持部60は、原稿台21に固定された保持部70と、保持部70に装着され、保持部70に対して上下動可能に設けられた回動支点部80とを有する。高さ調整機構90は、保持部70に対する回動支点部80の高さを調整することで原稿台21に対する自動原稿給送部22の高さ位置を調整する。高さ調整機構90は、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップする。この構成によれば、画像読取装置20の大型化を抑制しつつヒンジ機構40の高さ調整が可能になる。
(2)高さ調整機構90は、保持部70と、回動支点部80とを相対移動させる。この構成によれば、高さ調整機構90が、保持部70と回動支点部80とを相対移動させる構成なので、高さ調整機構90のうち保持部70の下側に配置される部分を、一層少なくできる、あるいは無くすことができる。よって、保持部70、回動支点部80及び高さ調整機構90により構成される部分の高さ方向の大型化を一層抑制することができる。
(3)高さ調整機構90は、保持部70に対して回転可能な回転子92と、回転子92の回転支点である軸部93と、回転子92の回転量を変更する調整部91とを有する。調整部91は、軸部93の軸線が延びる方向(軸方向X1)と直交する方向(調整方向Y1)に移動可能に設けられ、直交する方向から回転子92に接触することで、回転子92の回転量を変更する。回転子92は、回動支点部80を支持する支持部92Aを有する。回転子92は、調整部91を移動させることによって回転量を変更し、支持部92Aの高さ位置を調整する。この構成によれば、調整部91を移動させる調整操作によって回転子92を回転させることで、回動支持部60の高さを調整する回動式なので、小型化と微調整とが可能である。例えば、水平方向の変位を高さ方向の変位に変換する変換機構を用いて回動支点部80の高さを調整する構成である場合、水平方向の変位量に対する高さ方向の変位量を小さくして微調整可能に構成しようとすると、例えば、水平方向に変位させる部材の斜面の傾きを小さくする必要がある。斜面の傾きを小さくすると、この部材が水平方向に大型化しやすい。これに対して、調整部91の変位を、回転子92を回動させて高さ方向の変位に変換する構成であれば、大型化せずに回動支点部80の高さ方向の微調整が可能になる。
(4)回動支点部80は、支持部92Aに支持される被支持部89を有する。保持部70は、被支持部89を保持可能な切り欠き77を有する。被支持部89が切り欠き77によって保持されることで、原稿台21に対して自動原稿給送部22が位置決めされる。この構成によれば、切り欠き77で被支持部89を保持することによって所定方向(Y軸方向)の位置決めを行うことができる。
(5)画像読取装置20は、回転子92と保持部70の間に取り付けられ、回転子92が第1方向に回転するように付勢力を付与する捩りコイルばね94を備える。調整部91は、直交する方向(調整方向Y1)に移動を行いつつ回転子92の第1方向への回転を阻害することで、高さ調整を行う。この構成によれば、回転子92が付勢されることで、常にねじ等の調整部91に対して回転子92が当たる状態で位置決めできるので、調整が容易になる。
(6)調整部91は、一端部側にねじ頭95Aを向けた状態に保持される調整ねじ95である。この構成によれば、装置の背面側からねじ頭95Aにアクセスできるので、高さ調整が容易である。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
・高さ調整機構は、回転子92等の回動体を回動させる回動式の高さ調整機構90に限定されない。すなわち、回動体の回動変位を高さ方向Z1の変位に変換する回動式の機構を用いる構成に限定されない。例えば、図12に示すように、水平方向の変位を高さ方向の変位に変換させる変換機構を用いる高さ調整機構100でもよい。図12に示すヒンジ機構40は、保持部70と回動支点部80とを含む回動支持部60と、高さ調整機構100とを備える。高さ調整機構100以外については前記実施形態のヒンジ機構40と基本的に同じ構成である。そのため、以下では、高さ調整機構100の構成を中心に説明する。図12に示す高さ調整機構100は、昇降式のスライダー101と、スライダー101の下面に形成された斜面101Aと平行な斜面102Aを上面に有する楔形状を呈するガイド部材102と、ガイド部材102を水平方向に移動させる調整部91とを備える。スライダー101は、回動支点部80の被支持部89を支持する支持部101Bを有する。スライダー101は、鉛直方向Zに延びる第1レール103に案内されて高さ方向Z1に昇降可能である。調整部91は、スライダー101が昇降する方向である高さ方向Z1と交差(例えば直交)する方向である調整方向Y1に移動する。調整部91は、調整方向Y1に移動可能な調整ねじ95である。スライダー101の斜面101Aは、ガイド部材102の斜面102Aに当接する。ガイド部材102は、調整方向Y1に沿って延びる第2レール104に案内されて調整方向Y1に移動可能である。調整ねじ95は、その軸部がねじ保持部96に螺合する状態で保持されている。また、調整ねじ95の軸部の先端部は、ガイド部材102に対して相対回転可能な状態で連結されている。なお、ガイド部材102が付勢部材の一例としてのばね(図示略)によりスライダー101が下降できる方向に付勢されている構成としてもよい。
作業者が、ドライバー等の工具を用いて調整ねじ95を操作して押し込むと、ガイド部材102が図12における+Y1方向に移動することで、ガイド部材102がスライダー101の下側により多く入り込み、スライダー101を上昇させる。この結果、スライダー101の支持部101Bに支持された被支持部89を有する回動支点部80が上昇する。また、作業者が、工具で調整ねじ95を操作して調整ねじ95を引き戻すと、ガイド部材102が図12における-Y1方向に移動することで、ガイド部材102のスライダー101の下側への入り込み量が少なくなり、スライダー101が下降する。この結果、スライダー101の支持部101Bに支持された被支持部89を有する回動支点部80が下降する。このように、作業者は、高さ調整機構100により、保持部70に対する回動支点部80の高さを調整することで、原稿台21に対する自動原稿給送部22の高さ位置を調整する。
この高さ調整機構100は、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップする。図12に示すように、鉛直方向Zにおいて、高さ調整機構90の範囲R3は、保持部70の範囲R2と回動支点部80の範囲R3との両方にオーバーラップしている。このオーバーラップ条件は、スライダー101の高さ位置によらず成立している。このため、高さ調整機構100を備える割に、保持部70、回動支点部80及び高さ調整機構100を含むヒンジ機構40が高さ方向に大型化しにくい。つまり、このような高さ調整機構100を有するヒンジ機構40は、保持部70の下側に高さ調整機構が配置される従来のヒンジ機構に比べ、高さ方向の大型化を回避しやすい。なお、図12に示す高さ調整機構100の変換機構は、一例に過ぎず、水平方向の変位を高さ方向の変位に変換可能な他の機構を採用してもよい。そして、保持部70に対する回動支点部80の相対高さを変化させる高さ調整機構100が、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zにオーバーラップする構成であればよい。このような構成であれば、画像読取装置20の高さ方向の大型化を抑制でき、前記実施形態の効果(1)~(6)が同様に得られる。
・前記実施形態では、高さ調整機構90の全部が、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップする構成であったが、高さ調整機構90の一部が、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップする構成でもよい。例えば、高さ調整機構90の全部が、保持部70に対して鉛直方向Zにオーバーラップし、かつ高さ調整機構90の一部が回動支点部80に対して鉛直方向Zにオーバーラップしてもよい。この構成でも、ヒンジ機構40が組み付けられた画像読取装置20の高さ方向の大型化を抑制できる。また、高さ調整機構90の一部が保持部70に対して鉛直方向Zにオーバーラップし、かつ高さ調整機構90の一部または全部が回動支点部80に対して鉛直方向Zにオーバーラップしてもよい。この場合、高さ調整機構90の下端が保持部70の下端よりも上方に位置するか同じ高さに位置する状態で、高さ調整機構90の一部が保持部70と鉛直方向Zにオーバーラップする構成であれば、ヒンジ機構が組み付けられた画像読取装置20の高さ方向の大型化を抑制できる。
・例えば、前記実施形態において、回動支点部80のスライド部81の長さを短くすることで、高さ調整機構90が、回動支点部80に対して鉛直方向Zに一部のみオーバーラップする構成(以下、構成Aという。)としてもよい。
・例えば、前記実施形態において、回転子92の軸部93よりも上方に位置する部分を鉛直方向Zに長く延ばすことで、高さ調整機構90が、保持部70に対して鉛直方向Zに一部のみオーバーラップする構成(以下、構成Bという。)としてもよい。
・例えば、上記2つの変更例における構成Aと構成Bを共に採用し、高さ調整機構90が、回動支点部80に対して鉛直方向Zに一部のみオーバーラップし、かつ保持部70に対して鉛直方向Zに一部のみオーバーラップする構成としてもよい。
・前記実施形態において、回転子92の回転支点である軸部93よりも上側の部分を、調整方向Y1に移動する調整部91(例えば、調整ねじ95)で押し込む構成でもよい。
・調整部91を操作したときの変位を鉛直方向Zの変位に変換する変換機構は、回転子92を用いた回動式や、楔形状の部材を用いたスライド式に限定されず、梃子の原理を利用した方式でもよい。例えば、下側に支点をもつ梃子を配置し、梃子の力点に調整ねじを設け、梃子の作用点に鉛直方向Zに変位可能なスライダーを設ける。調整ねじの進退する方向は鉛直方向Zであり、スライダーが移動する方向も鉛直方向Zである。この構成であれば、リアカバー29を開けたときに上を向く状態で頭部が露出した調整ねじを、工具で操作して梃子を介してスライダーを昇降させることで、保持部70に対する回動支点部80の高さ調整が可能である。
・原稿台21と原稿台カバー23とを連結するヒンジ機構40を3つ以上設けてもよい。また、3つ以上のヒンジ機構のうち一部のみを高さ調整機構90,100を有するヒンジ機構40としてもよい。
・前記実施形態および変更例では、ヒンジ機構40が高さ調整機構90,100を有する構成であったが、高さ調整機構がヒンジ機構40とは別体の構成でもよい。例えば、ヒンジ機構41,42は、保持部70と、保持部70に装着され、保持部70に対して上下動可能に設けられた回動支点部80とにより構成される。高さ調整機構90は、第2の保持部と、第2の保持部に装着され、第2の保持部に対して上下動可能な可動部材と、第2の保持部に対して変位可能に設けられた変位部材と、変位部材に設けられた支持部が当接するとともに前記可動部材に設けられた当接部と、変位部材の支持部を上下動可能に変位させる調整部と、を備える。そして、第2の保持部は、保持部70が固定される原稿台21のリアフレーム52に対して保持部70とは異なる位置で固定され、可動部材は原稿台カバー23に固定される。高さ調整機構の調整部により変位部材の支持部が鉛直方向Zに変位することで、原稿台21に対する開閉体(例えば、自動原稿給送部22)の高さ位置が調整される。このとき、ヒンジ機構41,42は、原稿台21に対する開閉体の高さ位置が調整されることで、この高さ位置の調整に応じて、保持部70と回動支点部80とが鉛直方向Zに相対移動する。このように、ヒンジ機構41,42と高さ調整機構とが別体の構成であっても、高さ調整機構が、保持部70及び回動支点部80に対して鉛直方向Zでオーバーラップする構成であれば、画像読取装置20の高さ方向の大型化を抑制できる。
・画像読取装置20の開閉体は、自動原稿給送部22を搭載しない原稿台カバー23であってもよい。つまり、画像読取装置20は、原稿台21と板状の原稿台カバー23とを備える構成であってもよい。この構成の場合、原稿台カバー23の重量は、自動原稿給送部22を搭載する構成に比べ軽くなるので、開閉体の高さ調整の必要性は低下するものの、原稿台カバー23の高さ位置を調整可能な高さ調整機構を有するヒンジ機構40を採用した場合、画像読取装置20の高さ方向への大型化を抑制できる。
・画像読取装置20は、複合機11の一部である構成に限定されない。画像読取装置20は、印刷機能を備えず、原稿台21と原稿台カバー23とを備えるフラットベッド式のスキャナー装置であってもよい。この場合、原稿台カバー23は自動原稿給送部22を搭載するスキャナー装置であってもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)原稿を載置する原稿台と、前記原稿台に対して開閉可能に設けられる開閉体と、前記原稿台の一端部側に設けられ、前記原稿台に対して前記開閉体を回動させる回動支持部と、前記原稿台に対する前記開閉体の高さ位置を調整する高さ調整機構とを備え、前記回動支持部は、前記原稿台に固定された保持部と、前記保持部に装着され、前記保持部に対して上下動可能に設けられた回動支点部とを有し、前記高さ調整機構は、前記保持部に対する前記回動支点部の高さを調整することで前記原稿台に対する前記開閉体の高さ位置を調整し、前記保持部及び前記回動支点部に対して鉛直方向でオーバーラップする。この構成によれば、画像読取装置の大型化を抑制しつつヒンジ機構の高さ調整が可能になる。
(B)上記画像読取装置において、前記高さ調整機構は、前記保持部と、前記回動支点部とを相対移動させてもよい。この構成によれば、高さ調整機構が、保持部と回動支点部とを相対移動させる構成なので、高さ調整機構のうち保持部の下側に配置される部分を、一層少なくできる、あるいは無くすことができる。よって、保持部、回動支点部及び高さ調整機構により構成される部分の高さ方向の大型化を一層抑制することができる。
(C)上記画像読取装置において、前記高さ調整機構は、前記保持部に対して回転可能な回転子と、前記回転子の回転支点と、前記回転支点の軸線が延びる方向と直交する方向に移動可能に設けられ、前記直交する方向から前記回転子に接触することで前記回転子の回転量を変更する調整部とを有し、前記回転子は、前記回動支点部を支持する支持部を有し、前記調整部を移動させることによって前記回転量を変更し、前記支持部の高さ位置を調整してもよい。
この構成によれば、調整部を移動させる調整操作によって回転子を回転させることで、回動支持部の高さを調整する回動式なので、小型化と微調整とが可能である。例えば、水平方向の変位を高さ方向の変位に変換する変換機構を用いて回動支点部の高さを調整する構成である場合、水平方向の変位量に対する高さ方向の変位量を小さくして微調整可能に構成しようとすると、例えば、水平方向に変位させる部材の斜面の傾きを小さくする必要があり、斜面の傾きを小さくすると、この部材が水平方向に大型化しやすい。これに対して、調整部の変位を、回転子を回動させて高さ方向の変位に変換する構成であれば、さほど大型化せずに回動支点部の高さ方向の微調整が可能になる。
(D)上記画像読取装置において、前記回動支点部は、前記支持部に支持される被支持部を有し、前記保持部は、前記被支持部を保持可能な切り欠きを有し、前記被支持部が前記切り欠きによって保持されることで、前記原稿台に対して前記開閉体が位置決めされてもよい。
この構成によれば、切り欠きで被支持部を保持することによって所定方向(Y軸方向)の位置決めを行うことができる。
(E)上記画像読取装置において、前記回転子と前記保持部の間に取り付けられ、前記回転子が第1方向に回転するように付勢力を付与する付勢部材を備え、前記調整部は、前記直交する方向に移動を行いつつ前記回転子の前記第1方向への回転を阻害することで、前記高さ調整を行ってもよい。この構成によれば、回転子が付勢されることで、常にねじ等の調整部に対して回転子が当たる状態で位置決めできるので、調整が容易になる。
(F)上記画像読取装置において、前記調整部は、前記一端部側にねじ頭を向けた状態に保持される調整ねじであってもよい。この構成によれば、装置の背面側からねじ頭にアクセスできるので、高さ調整が容易である。
11…複合機、12…装置本体、12A…筐体、12B…キャスター、12F…正面、12S…側面、13…プリンター部、14…操作パネル、14A…表示部、15…カセット、16…第1カバー、16A…把手、17…第2カバー、17A…把手、18…第3カバー、18A…把手、19…給送トレイ、19A…把手、20…画像読取装置、21…原稿台、21A…上面、22…開閉体の一例としての自動原稿給送部、23…原稿台カバー、24…原稿トレイ、25…排出トレイ、26…筐体、26A…開口部、26B…枠体、26C…開口、26F…フロントカバー、27…給送機構、27A…ハウジング、27B…給送口、28…エッジガイド、29…リアカバー、30…記録部、30H…液体吐出ヘッド、31…液体供給源、32…窓部、33…排出部、34…排出トレイ、40…ヒンジ機構、41,42…ヒンジ機構、43…ガラス板、44…読取窓、45…読取部、46…センサー、47…原稿押さえ面、48…読取経路、49…ねじ、50…フレーム、51…ボトムフレーム、52…リアフレーム、52A…ねじ孔、53…サイドフレーム、60…回動支持部、61…ねじ、62…ねじ、70…保持部、71…保持フレーム、72…保持部材、72A…長孔、73…取付部、73A…ねじ挿通孔、74…延出部、74A…長孔、75…ガイド穴、77…切り欠き、78…回転目盛、79…高さ目盛、80…回動支点部、81…スライド部、81A…背面、81B…ねじ孔、82…回動フレーム、83…軸部、84…取付面、84A…ねじ孔、85…取付部、85A…ねじ挿通孔、86…ストッパー、87…リフト機構、88…凸部、89…被支持部、90…高さ調整機構、91…調整部、92…回転子、92A…支持部、92B…被当接部、93…回転支点の一例としての軸部、94…付勢部材の一例としての捩りコイルばね、94A…第1端部、94B…第2端部、95…調整ねじ、95A…ねじ頭、95B…軸部、96…ねじ保持部、97…掛止部、100…高さ調整機構、101…スライダー、101B…支持部、D…原稿、X…幅方向、Y…奥行方向、Z…鉛直方向、X1…軸方向、Y1…調整方向、Z1…高さ方向、R1…保持部の範囲、R2…回動支点部の範囲、R3…高さ調整機構の範囲。

Claims (6)

  1. 原稿を載置する原稿台と、
    前記原稿台に対して開閉可能に設けられる開閉体と、
    前記原稿台の一端部側に設けられ、前記原稿台に対して前記開閉体を回動させる回動支持部と、
    前記原稿台に対する前記開閉体の高さ位置を調整する高さ調整機構と
    を備え、
    前記回動支持部は、
    前記原稿台に固定された保持部と、
    前記保持部に装着され、前記保持部に対して上下動可能に設けられた回動支点部と
    を有し、
    前記高さ調整機構は、
    前記保持部に対する前記回動支点部の高さを調整することで前記原稿台に対する前記開閉体の高さ位置を調整し、
    前記保持部及び前記回動支点部に対して鉛直方向でオーバーラップすることを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1に記載の画像読取装置において、
    前記高さ調整機構は、前記保持部と、前記回動支点部とを相対移動させることを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置において、
    前記高さ調整機構は、
    前記保持部に対して回転可能な回転子と、
    前記回転子の回転支点と、
    前記回転支点の軸線が延びる方向と直交する方向に移動可能に設けられ、前記直交する方向から前記回転子に接触することで前記回転子の回転量を変更する調整部と
    を有し、
    前記回転子は、前記回動支点部を支持する支持部を有し、
    前記調整部を移動させることによって前記回転量を変更し、前記支持部の高さ位置を調整することを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項3に記載の画像読取装置において、
    前記回動支点部は、前記支持部に支持される被支持部を有し、
    前記保持部は、前記被支持部を保持可能な切り欠きを有し、
    前記被支持部が前記切り欠きによって保持されることで、前記原稿台に対して前記開閉体が位置決めされることを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の画像読取装置において、
    前記回転子と前記保持部の間に取り付けられ、前記回転子が第1方向に回転するように付勢力を付与する付勢部材を備え、
    前記調整部は、前記直交する方向に移動を行いつつ前記回転子の前記第1方向への回転を阻害することで、前記高さ調整を行うことを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
    前記調整部は、前記一端部側にねじ頭を向けた状態に保持される調整ねじであることを特徴とする画像読取装置。
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