JP2022140135A - レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体 - Google Patents

レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体 Download PDF

Info

Publication number
JP2022140135A
JP2022140135A JP2021040804A JP2021040804A JP2022140135A JP 2022140135 A JP2022140135 A JP 2022140135A JP 2021040804 A JP2021040804 A JP 2021040804A JP 2021040804 A JP2021040804 A JP 2021040804A JP 2022140135 A JP2022140135 A JP 2022140135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
resin
resin lens
lens barrel
camera
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021040804A
Other languages
English (en)
Inventor
竜一 寺西
Ryuichi Teranishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2021040804A priority Critical patent/JP2022140135A/ja
Priority to EP22154204.6A priority patent/EP4057044A1/en
Priority to US17/670,530 priority patent/US11683467B2/en
Priority to CN202210154758.5A priority patent/CN115128758A/zh
Publication of JP2022140135A publication Critical patent/JP2022140135A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B35/00Stereoscopic photography
    • G03B35/08Stereoscopic photography by simultaneous recording
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/20Image signal generators
    • H04N13/204Image signal generators using stereoscopic image cameras
    • H04N13/239Image signal generators using stereoscopic image cameras using two 2D image sensors having a relative position equal to or related to the interocular distance
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/022Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses lens and mount having complementary engagement means, e.g. screw/thread
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/026Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses using retaining rings or springs
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/028Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with means for compensating for changes in temperature or for controlling the temperature; thermal stabilisation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/20Image signal generators
    • H04N13/204Image signal generators using stereoscopic image cameras
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B2003/0093Simple or compound lenses characterised by the shape
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N2013/0074Stereoscopic image analysis
    • H04N2013/0081Depth or disparity estimation from stereoscopic image signals

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Abstract

【課題】、鏡筒に樹脂レンズを収容するレンズユニットの鏡筒と樹脂レンズとの軸ズレ量を低減する。【解決手段】樹脂レンズと、前記樹脂レンズを収容するレンズ収容室を備える鏡筒と、前記レンズ収容室に設けられた突き当て面に、前記樹脂レンズを前記樹脂レンズの光軸方向に押圧する押圧部材と、を備え、前記樹脂レンズは、外周部を形成するフランジ部の前記鏡筒の前記突き当て面側に、前記外周部に比べて小径な嵌合部を備え、前記嵌合部は、前記レンズ収容室と全周で隙間嵌めにより嵌め合うことで光軸直交方向に対して位置決めされる。【選択図】図7

Description

本発明は、レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体に関する。
従来、車載用のセンシングカメラなどに設けられるレンズユニットは、コストダウンを目的として、ガラスレンズから安価な樹脂レンズに置き換えられている。一般的に、レンズユニットは、鏡筒の円筒の中空部からなるレンズ収容室内にレンズを挿入する。挿入されたレンズは、ばねやネジ部材での押圧力や圧入、接着により、レンズ収容室内に保持される。
ガラスレンズの外周部は、通常、円筒形状となっている。一方、樹脂レンズは、製法上、溶融した樹脂材料を金型に流入するためのゲートを形成する必要がある。したがって、ゲート部をカットした際にゲートカット跡が残るため、樹脂レンズの外周部は、円筒形状とならない。
具体的には、樹脂レンズのゲート部と鏡筒のレンズ収容室との干渉を避けるため、樹脂レンズは、レンズ外周の一端をDカットしてDカット面にゲートを形成する構成が既に知られている。こうすることで、ゲート部を樹脂レンズの外周部からはみ出さないようにする。また、別の具体例としては、樹脂レンズは、ゲート部を円筒部から凸状に残すとともに、鏡筒のレンズ収容室は鏡筒側の一部に凹状の逃げ形状を形成する構成が既に知られている。こうすることで、樹脂レンズのゲート部を鏡筒の凹部に収容する。
特許文献1には、ゲート部をカットする際に生じるバリやカエリによる位置決め精度の劣化を防ぐ目的で、樹脂レンズのフランジ部に対し光軸に近い側に配置された脚部の外周面とレンズセル内壁部とを密着的に嵌合させて、レンズ部の光軸直交方向の位置決めを行う技術が開示されている。
しかしながら、樹脂レンズの外周面と鏡筒のレンズ収容室とを密着的に勘合している場合、初期の組立時や温度変化によって樹脂レンズに変形が生じて樹脂レンズとレンズ収容室間の軸ズレ量が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鏡筒に樹脂レンズを収容するレンズユニットの、鏡筒と樹脂レンズとの軸ズレ量を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、樹脂レンズと、前記樹脂レンズを収容するレンズ収容室を備える鏡筒と、前記レンズ収容室に設けられた突き当て面に、前記樹脂レンズを前記樹脂レンズの光軸方向に押圧する押圧部材と、を備え、前記樹脂レンズは、外周部を形成するフランジ部の前記鏡筒の前記突き当て面側に、前記外周部に比べて小径な嵌合部を備え、前記嵌合部は、前記レンズ収容室と全周で隙間嵌めにより嵌め合うことで光軸直交方向に対して位置決めされる、ことを特徴とする。
本発明によれば、隙間嵌めで鏡筒に樹脂レンズを収容するレンズユニットの組立時及び温度変動時における鏡筒と樹脂レンズとの軸ズレ量を低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかるステレオカメラから物体までの距離を導き出す原理を説明する図である。 図2は、ステレオカメラを車両に搭載した例を示す図である。 図3は、ステレオカメラの分解斜視図である。 図4は、ステレオカメラを備えた車両制御システムの機能構成を示す機能ブロック図である。 図5は、従来のレンズユニットの構成を例示的に示す図である。 図6は、従来のレンズユニットの構成を例示的に示す図である。 図7は、本実施の形態のレンズユニットの構成を例示的に示す図である。 図8は、樹脂レンズの一端にDカット形状を有する構成の模式図である。 図9は、樹脂レンズが全周で嵌合している場合の模式図である。
以下に添付図面を参照して、レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態は、車載向けステレオカメラをはじめとした、高精度にレンズの偏心量を制御する必要があるレンズユニットに係るものであり、樹脂レンズを隙間嵌めで光軸直交方向に位置決めする場合に適用される。
(ステレオカメラの測距の原理)
図1は、実施の形態にかかるステレオカメラ1から物体100までの距離を導き出す原理を説明する図である。図1を参照しながら、ステレオカメラ1から物体100に対する視差を導出し、この視差によって、ステレオカメラ1から物体100までの距離を測定する原理について説明する。
図1に示すステレオカメラ1は、平行等位に配置されたカメラモジュール2aとカメラモジュール2bと、を有する。カメラモジュール2a、2bは、それぞれ入射する光を屈折させて物体100の像を固体撮像素子である撮像素子4a、4bにそれぞれ結像させるレンズユニット3a、3bを有する。レンズユニット3a、3bの光軸は、それぞれ撮像素子4a、4bの撮像面に垂直となっている。すなわち、レンズユニット3a、3bの光軸は、互いに平行となっている。
図1において、3次元空間内の物体100上の点は、撮像素子4aおよび撮像素子4bそれぞれにおいて、レンズユニット3aとレンズユニット3bとを結ぶ直線と平行な直線上の位置に写像される。物体100上の点からの光が撮像素子4a上で結像した点と、撮像素子4aの撮像面とレンズユニット3aの光軸との交点との距離をzlとし、撮像素子4b上で結像した点と、撮像素子4bの撮像面とレンズユニット3bの光軸との交点との距離をzrすると、視差zは、z=zr+zlと表される。
次に、視差zを用いることにより、ステレオカメラ1と物体100との間の距離Lを導出する。ここで、距離Lとは、レンズユニット3aの主点とレンズユニット3bの主点とを結ぶ直線から物体100上の点までの距離である。図1に示すように、レンズユニット3aおよびレンズユニット3bの焦点距離f、レンズユニット3aの主点とレンズユニット3bの主点との間の長さである基線長B、および視差zを用いて、下記の式(1)により、距離Lを算出することができる。
L=(B×f)/(zr+zl)=(B×f)/z ・・・(1)
基線長Bおよび焦点距離fは既知であるので、視差zを検出することにより、物体100までの距離Lを算出することできる。上記の式(1)により、視差zが大きいほど距離Lは小さく、視差zが小さいほど距離Lは大きくなることがわかる。
(ステレオカメラを備えた車両の概略構成)
図2は、ステレオカメラ1を車両70に搭載した例を示す図である。図2を参照しながら、ステレオカメラ1を搭載した車両70について説明する。図2のうち、図2(a)は、ステレオカメラ1を搭載した車両70の側面図であり、図2(b)は、車両70の正面図である。
図2に示すように、移動体の一例としての自動車である車両70は、車両制御システム60を搭載している。車両制御システム60は、車両70の居室空間である車室に設置されたステレオカメラ1と、車両制御装置61と、ステアリングホイール62と、ブレーキペダル63と、を備えている。
ステレオカメラ1は、車両70の進行方向を撮像する撮像機能を有する。ステレオカメラ1は、例えば、車両70のフロントウィンドウ内側のバックミラー近傍に設置される。ステレオカメラ1は、詳細は後述するが、筐体5と、筐体5に固定されたカメラモジュール2aと、カメラモジュール2bとを備えている。カメラモジュール2a、2bは、車両70の進行方向の被写体を撮像できるように筐体5に固定されている。
カメラモジュール2a、2bは、筐体5に対して平行等位に配置された一対の円筒形状のカメラで構成されている。また、説明の便宜上、カメラモジュール2aを「左」のカメラと称し、カメラモジュール2bを「右」のカメラと称するものとする。
車両制御装置61は、制御装置として機能するものであって、ステレオカメラ1から受信した画像データにより、各種車両制御を実行するECU(Electronic Control Unit)である。車両制御装置61は、車両制御の例として、ステレオカメラ1から受信した画像データに基づいて、ステアリングホイール62を含むステアリング系統を制御して障害物を回避するステアリング制御、または、ブレーキペダル63を制御して車両70を減速および停止させるブレーキ制御等を実行する。
車両制御システム60は、ステレオカメラ1および車両制御装置61を用いたステアリング制御またはブレーキ制御等の車両制御が実行することによって、車両70の運転の安全性を向上することができる。
なお、上述のように、ステレオカメラ1は、車両70の前方を撮像するものとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ステレオカメラ1は、車両70の後方または側方を撮像するように設置されるものとしてもよい。この場合、ステレオカメラ1は、車両70の後方の後続車、または側方を並進する他の車両等の位置を検出することができる。そして、車両制御装置61は、車両70の車線変更時または車線合流時等における危険を検知して、上述の車両制御を実行することができる。また、車両制御装置61は、車両70の駐車時等におけるバック動作において、ステレオカメラ1によって出力された車両70の後方の障害物についての認識情報に基づいて、衝突の危険があると判断した場合に、上述の車両制御を実行することができる。
(ステレオカメラの構造)
図3は、ステレオカメラ1の分解斜視図である。図3を参照しながら、本実施の形態に係るステレオカメラ1の構造について説明する。なお、図3に示すように、レンズユニット3a、3bは、レンズユニット3aの中心からレンズユニット3bの中心に向かう方向をX軸として、レンズユニット3a、3bの光軸方向をZ軸とする、XYZ座標系に置かれているとする。
図3に示すように、ステレオカメラ1は、レンズユニット3a、3b(光学系)と、撮像素子4a、4bと、筐体5と、を備えている。
レンズユニット3a、3bは、円柱形状のレンズであり、入射した光をそれぞれ撮像素子4a、4bに結像させる。レンズユニット3a、3bは、光軸方向の所定位置の側面に段差を有し、当該所定位置から筐体5への挿入側の端面までの部分の外形が、それ以外の部分の外形よりも小さくなっている。
筐体5は、レンズユニット3a、3bと、撮像素子4a、4bと、を固定させるためのステレオカメラ1の本体部分を構成する直方体形状の金属製部材である。筐体5は、前面から反対側の面まで貫通する貫通孔51a、51を備えている。
レンズユニット3aは、筐体5の前面に形成された貫通孔51aの開口部から挿入することによって、貫通孔51aに嵌合する。この場合、レンズユニット3aの外径と貫通孔51aの内径とは、略同一の径となっている。同様に、レンズユニット3bは、筐体5の前面に形成された貫通孔51bの開口部から挿入することによって、貫通孔51bに嵌合する。この場合、レンズユニット3bの外径と貫通孔51bの内径とは、略同一の径となっている。このように、レンズユニット3a、3bが、それぞれ貫通孔51a、51bに嵌合した状態において、レンズユニット3a、3bの光軸と、貫通孔51a、51b中心軸とは、それぞれ一致している。筐体5に対するレンズユニット3a、3bの固定方法としては、貫通孔51a、51bと、レンズユニット3a、3bとの間に接着剤を流入して固着させる方法、または、レンズユニット3a、3bの側面にねじを形成して当該レンズユニット3a、3bを貫通孔51a、51bにそれぞれ螺合させる方法等が挙げられる。
図4は、ステレオカメラ1を備えた車両制御システム60の機能構成を示す機能ブロック図である。図4において、車両制御装置61は、画像補正処理部611、視差演算部612、メモリ613、ステレオカメラ処理部614、カメラ異常検出処理部615、異常出力部616などを備える。なお、車両制御装置61は、他には操作入力部などを備えるが、図4では省略してある。なお、車両制御部80は、自動車等の車両70の自動変速制御部、ブレーキ制御部、ステアリング制御部等の総称である。
なお、図4中のステレオカメラ1及び車両制御部80を除く各部は、一般にコンピュータ装置で構成される。具体的には、画像補正処理部611、視差演算部612、ステレオカメラ処理部614及びカメラ異常検出処理部615は、CPU(Central Processing Unit)とプログラム等に基づいて各処理機能が実現される。
メモリ613は、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等の総称である。メモリ613は、CPUで実行されるプログラム、該CPUでの処理に必要なパラメータやテーブル、該CPUでの処理途中や処理結果のデータ等を格納する。
異常出力部616は、表示装置や音声出力装置、アラームランプなどである。異常出力部616は、ステレオカメラ1の異常をユーザに通知する。
カメラモジュール2a、2bは、両者の光軸が平行に所定の間隔(基線長)で配置され、互いに同期して動作して、それぞれ異なる視点から被写体を撮影する。カメラモジュール2a、2bは、撮影した光学像をアナログ電気信号に変換し、更にデジタル信号に変換して画像データを出力する。画像データは、例えば8ビット/画素からなり、0~255階調(輝度値)をとる。
画像補正処理部611は、右カメラであるカメラモジュール2bの画像用の画像補正処理回路(B)2b-1とバッファメモリ(B)2b-2、及び左カメラであるカメラモジュール2aの画像用の画像補正処理回路(A)2a-1とバッファメモリ(A)2a-2を有している。ここで、バッファメモリ(B)2b-2及びバッファメモリ(A)2a-2は、それぞれ十乃至数十ライン程度のラインバッファである。
右カメラであるカメラモジュール2b及び左カメラであるカメラモジュール2aから出力されたステレオ画像データの各画像データは、それぞれバッファメモリ(B)2b-2及びバッファメモリ(A)2a-2に格納される。画像補正処理回路(A)2a-1及び画像補正処理回路(B)2b-1は、それぞれバッファメモリ(A)2a-2及びバッファメモリ(B)2b-2に格納された画像データについて、カメラ組み付け後に残る歪みやカメラモジュール2a、2bの位置ずれを補正して出力する。補正パラメータは、カメラ異常検出処理部615から与えられるが、これについては後述する。
ここで、本実施の形態の画像補正処理部611は、比較画像についてカメラモジュール2a、2bの位置ずれを補正する。画像補正処理部611は、基準画像について、カメラモジュール2a、2bの位置ずれ補正を行わない。例えば、右カメラであるカメラモジュール2bの画像を基準画像、左カメラであるカメラモジュール2aの画像を比較画像とすると、画像補正処理回路(A)2a-1では、バッファメモリ(A)2a-2の画像データについて、カメラ組み付け後に残る歪み及びカメラモジュール2a、2bの位置ずれを補正する。一方、画像補正処理回路(B)2b-1では、バッファメモリ(B)2b-2の画像データについて、カメラ組み付け後に残る歪みのみを補正する。補正は、バッファメモリ(A)2a-2及びバッファメモリ(B)2b-2の画像データを座標変換(アフィン変換等)して出力することで行う。
なお、右カメラであるカメラモジュール2b及び左カメラであるカメラモジュール2aから出力される画像データがカラー画像データの場合は、画像補正処理回路(A)2a-1及び画像補正処理回路(B)2b-1では、カラー画像データについて、モノクロ画像データ(輝度画像データ)に変換した後、必要な補正処理を行うようにする。
視差演算部612は、画像補正処理部611から右カメラであるカメラモジュール2b及び左カメラであるカメラモジュール2aの歪みや位置ずれの補正された2つの画像データ(ステレオ画像データ)を入力し、微小領域毎に視差を計算して視差画像データを生成する。視差計算には、周知のブロックマッチングという手法を利用する。
すなわち、右カメラであるカメラモジュール2b及び左カメラであるカメラモジュール2aの2つの画像データについて、例えば、カメラモジュール2bの画像データ(輝度画像データ)から微小領域aを切り出し、それに対応する領域を探索するために、カメラモジュール2aの画像データ(輝度画像データ)から同じく微小領域bを切り出し、微小領域aの位置を基準に、微小領域bの位置を所定の範囲内で移動させて、対応点の位置を探索する。この探索された対応点の位置の差分が視差を示す。カメラモジュール2a、2bの2つの画像データについて、ブロックマッチング処理を繰り返すことにより、カメラモジュール2a、2bのステレオ画像データ全体の微小領域毎の視差値、すなわち、視差画像データが得られる。
メモリ613は、視差演算部612で算出された視差画像データ、及び、カメラモジュール2a、2bの各画像データ(輝度画像データ)を格納する。
ステレオカメラ処理部614は、メモリ613からカメラモジュール2a、2bの各画像データ(輝度画像データ)、及び、視差画像データを読み込み、障害物の画像認識処理や、障害物までの距離計算などを行う。これらの処理をステレオカメラ処理と称す。
車両制御部80は、ステレオカメラ処理部614の処理結果に応じて、車両70の走行等の制御を実施する。車両制御部80は、例えば、車間距離維持のために自動変速やブレーキペダル63、衝突回避のためにステアリングホイール62などの制御を行う。
一方、カメラ異常検出処理部615は、メモリ613からカメラモジュール2a、2bの各画像データを読み込み、カメラモジュール2a、2b(ステレオカメラ1)の位置ずれを検出する。そして、カメラモジュール2a、2bの位置ずれ量がバッファメモリ(バッファメモリ(A)2a-2、バッファメモリ(B)2b-2)の範囲内であれば、位置ずれ量をもとに補正パラメータを生成して画像補正処理回路(A)2a-1及び画像補正処理回路(B)2b-1に送る。さらに、カメラ異常検出処理部615は、生成した補正パラメータを保持する。一方、カメラモジュール2a、2bの位置ずれ量がバッファメモリ(バッファメモリ(A)2a-2、バッファメモリ(B)2b-2)の範囲を超えていれば、カメラモジュール2a、2b(ステレオカメラ1)は異常と判断して、ステレオカメラ処理部614及び異常出力部616に対してカメラ異常(ステレオカメラ異常)を通知する。
ステレオカメラ処理部614は、カメラ異常検出処理部615からカメラ異常を通知されると、ステレオカメラ処理を一時中断する。この結果、車両制御部80の制御動作も一時中断する。また、異常出力部616は、カメラ異常検出処理部615からカメラ異常を通知されると、ユーザへカメラ異常を通知する。具体的には、異常出力部616は、カメラ異常等を表示したり、音声やブザーなどで通知したりする。これにより、ユーザ(運転者)は、車両制御部80が機能していないことを認識する。
(レンズユニットの構造)
ところで、ステレオカメラ1を構成しているレンズユニット3a、3bにおいては、樹脂レンズをレンズに用いている。このような樹脂レンズは、温度変化や外力等によりレンズの偏心状態が変化することがある。レンズの偏心状態が変化した場合、物体の結像位置が変化し、視差値zが変化する。上述した式(1)より、ステレオカメラ1の測距値は視差値zの値により導出されるため、レンズの偏心量が変化した場合、測距精度の劣化につながる。視差値とレンズの偏心量の関係は、レンズの光学系によって変わるが、μm単位で制御される必要がある。
本実施の形態のように、自動車である車両70に対する車載用途などの場合、使用温度範囲が広いため温度による偏心状態の変化の影響が大きい。具体的には、車載用途などの場合、-40℃~105℃程度までの環境下での利用が想定される。そのため、温度変化時に、レンズの偏心状態が変化しないような構成とすることが必要とされる。
図5および図6は、従来のレンズユニットの構成を例示的に示す図である。図5および図6に示すレンズユニットは、概略的には、樹脂レンズ300を鏡筒310に隙間嵌めで位置決めするようにしたものである。以下において、詳述する。
図5および図6に示すように、樹脂レンズ300は、光学有効範囲301と、光学有効範囲301よりも外側に設けられるフランジ部302と、から構成される。フランジ部302の外周部の一端には、成形時に溶融した樹脂材料を金型に流入するためのゲート部304が形成される。
鏡筒310と樹脂レンズ300の組み立てに際して、ゲート部304が鏡筒310の内壁と干渉しないようにする必要があるため、図5に示すように樹脂レンズ300の外周面内にゲート部304を形成する構成や、図6に示すように鏡筒310にゲート部304の逃げ形状311を設ける構成が採られる。
図5に示す構成における樹脂レンズ300の形状は、樹脂レンズ300の外周の一端をカットした(以降、Dカットとする)平坦部303にゲート部304を形成し、ゲート部304をフランジ部302の外周部の延長線上から飛び出さないようにした形状とする。
鏡筒310は、略円筒形状のレンズ収容室310aを備える。樹脂レンズ300は、鏡筒310の突き当て面310bに当接する位置まで、レンズ収容室310aに挿入される。このとき樹脂レンズ300は、平坦部303の領域を除く円筒面により、鏡筒310のレンズ収容室310aと嵌め合い光軸直交方向の位置決めがされる。
図6に示す構成における樹脂レンズ300のゲート部304は、樹脂レンズ300の外周部から凸状に飛び出した形状である。ゲート部304は、鏡筒310側の凹状の逃げ形状311に嵌合することで干渉を回避する。レンズユニットの組み立てに際しては、前者同様、鏡筒310の突き当て面310bに当接するまでレンズ収容室310aに樹脂レンズ300を挿入する。尚、このとき樹脂レンズ300は、鏡筒310の逃げ形状311を除いた領域において径方向に嵌め合い、光軸直交方向の位置決めがなされる。
図5および図6のいずれの方式においても、樹脂レンズ300の外周部と鏡筒310の内壁間は、所望の嵌合代(隙間)を空けて組み立てられ、樹脂レンズ300は押圧部材320により押圧力を受けて鏡筒310に固定される。
このように樹脂レンズ300の外周部と鏡筒310の内壁間に嵌合代(隙間)を空けている場合、初期の組立時や温度変動時において樹脂レンズ300に変形が生じた場合に、樹脂レンズ300と鏡筒310のレンズ収容室310a間の軸ズレ量が大きくなるという問題があった。
次に、本実施の形態のレンズユニット3a、3bの構成について詳述する。
ここで、図7は本実施の形態のレンズユニット3a、3bの構成を例示的に示す図である。図7(a)は樹脂レンズ30を下方から見た斜視図、図7(b)は樹脂レンズ30を上方から見た斜視図、図7(c)は樹脂レンズ30を鏡筒40に収容した状態でのレンズユニット3a、3bの断面図である。
図7に示すように、レンズユニット3a、3bは、樹脂レンズ30と、鏡筒40と、押圧部材20と、を備える。
樹脂レンズ30は、光学有効範囲31と、光学有効範囲31よりも外側に設けられるフランジ部32と、を備える。樹脂レンズ30は、鏡筒40において径方向に嵌め合い、光軸直交方向の位置決めがなされる。樹脂レンズ30は、押圧部材20により押圧力を受けて鏡筒40に固定される。
図7に示す構成における樹脂レンズ30は、フランジ部32の外周部の一端をカットした(以降、Dカットとする)平坦部33に、成形時に溶融した樹脂材料を金型に流入するためのゲート部34を形成する。ゲート部34は、フランジ部32の外周部の延長線上から飛び出さないようにした形状とする。
また、樹脂レンズ30は、フランジ部32の下方(後述する鏡筒31の突き当て面31b側)に、フランジ部32に比べて小径な小径部である嵌合部36を備えている。なお、以下においては、便宜上、フランジ部32を大径部35という。嵌合部36は、大径部35に設けられたDカットの平坦部33には達しない程度に、大径部35よりも径が小さく、略円筒形状となる。
鏡筒40は、円筒形状のレンズ収容室40aを備える。レンズ収容室40aは、樹脂レンズ30を突き当てる突き当て面40bを備える。このように鏡筒40のレンズ収容室40aと、樹脂レンズ30の嵌合部36とは、円筒形状に形成される。このようにすることで、鏡筒40の加工が容易になる、という効果がある。
図7(c)に示すように、レンズユニット3a、3bの組み立てに際しては、樹脂レンズ30は、鏡筒40の突き当て面40bに当接する位置まで、レンズ収容室40aに挿入される。樹脂レンズ30と鏡筒40との組み立てに際して、樹脂レンズ30の嵌合部36は、鏡筒40のレンズ収容室40aと全周で隙間嵌めにより嵌め合い、光軸直交方向の位置決めを行う。
なお、上述したような使用環境下(-40℃~105℃程度)における樹脂レンズ30のレンズ面の変形を抑制するため、嵌合部36とレンズ収容室40aの初期の嵌合代(隙間)は、ステレオカメラ1の使用温度範囲内において、圧入の状態とならないように、使用温度範囲内で下記に示す関係となるよう設定することが望ましい。
レンズ収容室の内径≧樹脂レンズの外径
上述の関係により、「あそび」を持たせて組付ける「隙間嵌め」が可能になる。通常の樹脂レンズ30の固定では、樹脂レンズ30のレンズ外径と鏡筒40のレンズ収容室40aの内径とを2点または3点以上で当接させることで、樹脂レンズ30と鏡筒40のレンズ収容室40aとの位置関係を固定する。本実施の形態では、あえて固定させず全周で適切な「あそび」を持たせることで、温度変化等に対応する。このような状態を「隙間嵌め」と表現する。このようにレンズ収容室40aと樹脂レンズ30とは、使用環境温度の範囲において、光軸直交方向に隙間を有することにより、レンズ面の変形を抑制する、という効果がある。
具体的には、レンズ収容室40aの内径と、樹脂レンズ30の外径とは、以下の式を満足する径がよい。例えば、樹脂レンズ30の外径寸法D=10mm、使用温度内での温度差ΔT=80℃、鏡筒40の線膨張係数αC=24.3×10-6/℃、樹脂レンズ30の線膨張係数αl=60.0×10-6/℃の場合、嵌合代(隙間)の寸法δは、下記の式(2)により28.6mmになる。
δ≧ΔT(αc-αl)×D ・・・式(2)
ここで、αcは鏡筒40の線膨張係数、αlは樹脂レンズ30の線膨張係数、Dは嵌合部の径、ΔTは常温と使用環境温度の上限の差、δは嵌合代(隙間)を示す。
なお、樹脂レンズ30を形成する樹脂材料は、線膨張係数が温度により変動するものがあるため、使用環境温度の範囲において、嵌合代(隙間)δが最小となる温度での値を用いる。上述の計算では、20~105℃における線膨張係数で算出を行った。
また、本実施の形態においては、使用温度範囲において樹脂レンズ30の外周部が鏡筒40の内壁とは接触しないように、大径部35の外形寸法を設定し、光軸直交方向の位置決めには影響しない構成とする。
図7(c)に示すように、光軸方向に対しては、嵌合部36の押圧面37と鏡筒40の突き当て面40bとが突き当たることで位置決めされる。そして、押圧部材20が、大径部35側の押圧面38に当接して押圧力を伝達することにより、樹脂レンズ30が鏡筒40に固定される。このとき、鏡筒40の突き当て面40bと嵌合部36の押圧面37との当接面、および押圧部材20と大径部35の押圧面38との当接面は、光軸に対して軸対称形状であることが望ましい。こうすることにより、押圧力の不均一性による変形と軸ズレを抑制することができる、という効果がある。
なお、本実施の形態では、径方向の位置決めは略円筒形状同士での嵌め合いとしているが、これに限るものではなく、光軸に軸対称となる円錐形状であってもよい。このように鏡筒40のレンズ収容室40aと、樹脂レンズ30の嵌合部36とが、円錐形状に形成される場合には、樹脂レンズ30と鏡筒40との組み立て性が良くなる、という効果がある。
また、本実施の形態では、大径部35と嵌合部36とを段付き形状で構成したが、これに限るものではなく、大径部35と嵌合部36とは連続的にテーパで接続されていてもよい。これにより、大径部35であるフランジ部32の強度を高めることができる。
このような構成とすることにより、温度変化時の樹脂レンズ30と鏡筒40のレンズ収容室40aとの間の軸ズレ量の変化を低減する効果と、初期の組立時の樹脂レンズ30と鏡筒40のレンズ収容室40aとの間の軸ズレを低減する効果と、を得ることができる。また、成形時のバリの影響を低減することも可能となる。
ここで、温度変化時の樹脂レンズ30と鏡筒40のレンズ収容室40aとの間の軸ズレ量変化の低減効果について詳述する。
温度が変化した場合、各部品は各々の材料の線膨張係数に従って膨張する。樹脂レンズ30と鏡筒40の線膨張係数が異なる場合は、樹脂レンズ30と鏡筒40との間の嵌合代(隙間)の寸法が変化する。いずれかの温度域で樹脂レンズ30と鏡筒40の内壁部とが接触する場合、その状態から嵌合代(隙間)が狭まる温度変化を生じると、膨張差分だけ鏡筒40の内壁に樹脂レンズ30が押されて樹脂レンズ30の軸ズレ量が変化する。初期の組立時に樹脂レンズ30と鏡筒40の内壁とが接触した状態において、組み立て時から温度変化による軸ズレ量変化は最大となり、その値は樹脂レンズ30と鏡筒40との膨張量の差分の半分となる。
一般に、精度を要求されるレンズユニット3a、3bの場合、鏡筒40はアルミニウムや真鍮等の金属部品が使われるが、樹脂レンズ30との線膨張係数差が大きく、上記の軸ズレ量の変動が生じやすい。具体的には、樹脂レンズ30の材料は線膨張係数が60~70×10-6/℃程度であり、鏡筒40がアルミニウムの場合、36~46×10-6/℃程度の線膨張係数差となる。すなわち、鏡筒40と樹脂レンズ30との線膨張係数差は、20×10-6/℃以上である。
温度変動による軸ズレ量の変化が大きい場合、組み立て初期からの像位置の変化が大きくなり、測距精度が劣化することが懸念される。
温度による軸ズレ量の変動を抑制するためには樹脂レンズ30と鏡筒40との線膨張係数差を小さくするか、嵌合径を小さくする必要がある。本実施の形態の樹脂レンズ30のレンズ形状においては、レンズ径を小さくすることが可能である。レンズ径を小さくすることにより、軸ズレ量の変化を低減することができる。
具体的には、従来のDカットしているレンズにおいては、嵌合部となる外周部の外形はゲート部34を外周円筒内に収めるために、外形を大きくする必要があった。一方、本実施の形態における樹脂レンズ30のレンズ形状においては、Dカットを形成する平坦部33と嵌合部を別に設けており、嵌合部となる嵌合部36は、Dカット部の平坦部33よりも径を小さくすることができる。そのため、従来のDカットの構成に比べて軸ズレ量を低減することが可能となる。
また、上記で鏡筒40の内壁と樹脂レンズ30が当接することによる影響について記述したが、鏡筒40の内壁と樹脂レンズ30とが接触していない場合においても、熱膨張量が異なることで、光軸方向の突き当て面で摺動力が働き、軸ズレ量が変化する影響も生じる。この影響は軸力が押圧面で分布がある場合に、摩擦力の不均一性が強まり、より大きくなる。
本実施の形態の構成においては、押圧面は軸対称とするため、樹脂レンズ30に加わる力が均一となり、上記の軸ズレ量の変化を低減することができる。
また、当接面を均一化することにより樹脂レンズ30の変形量に対しても、不均一な変形が押えられ、軸力が分散するため抑制する効果も得られる。
次に、成形時のバリの影響を低減効果について詳述する。
射出成形において、樹脂レンズ30の金型のパーディングラインやガスベントの位置にバリを生じる場合がある。樹脂レンズ30の外周部で径嵌合する場合は、外周部に上記のようなバリを生じないよう、金型の構成や管理方法を考慮する必要がある。本実施の形態の構成においては、嵌合部は外周部ではない嵌合部36となるため、大径部35に金型の割りやガスベントを設けることで成形時のバリの影響を避ける事ができるため、比較的金型構成や管理を容易にすることが可能となる。
次に、初期の組立時の樹脂レンズ30と鏡筒40のレンズ収容室40aとの間の軸ズレを低減する効果について説明する。
ここで、図8は樹脂レンズ30の一端にDカット形状を有する構成の模式図、図9は樹脂レンズ30が全周で嵌合している場合の模式図を示す。なお、各々の図において実線で示している曲線1はレンズ鏡筒を、破線で示している曲線2及び曲線3は樹脂レンズ30の嵌合部の外形形状の模式図を示している。
Dカットの平坦部33を有する場合における組付け時の軸ズレ量について考えると、Dカットの平坦部33の両端面(P1、P2)が鏡筒40の内壁にそれぞれ接触する場合に軸ズレ量が最大となる。このときの初期の最大軸ズレ量をpとおくと、pは次の式(3)で求められる。
Figure 2022140135000002
但し、rは鏡筒40の内径の半径、r’は樹脂レンズ30のレンズ外形の半径、lはDカット幅、αは嵌合部の隙間最大量を示す。
他方、全周で径嵌合する場合を考えると、組付け時の軸ズレ量が最大となる場合は、鏡筒40の内壁に樹脂レンズ30のレンズ外形が当接する場合であり、その際の最大軸ズレ量qはα/2となる。
最大軸ズレ量のpとqを比較すると、pのほうが大きい値を取る。仮にr=5mm、l=5mm、α=0.04mmの場合を考えると、Dカットを有する樹脂レンズの場合の軸ズレ量qのほうが、全周嵌合した場合の樹脂レンズ30の軸ズレ量pに比べて3μm程度軸ズレ量が大きくなる。
初期の軸ズレ量が大きい場合は、初期の光学性能の劣化につながる。加えて、初期状態において樹脂レンズが片側に寄せられると反対側の内壁面までの嵌合代(隙間)が大きくなり樹脂レンズの可動範囲が大きくなる。そのため、経時や衝撃荷重が加わった場合に樹脂レンズの軸ズレ量がより大きくなる可能性があり、組み立て後の性能にも影響する懸念がある。
本実施の形態の構成においては、樹脂レンズ30に設けられた円筒形状の嵌合部36で鏡筒40に嵌合するため、従来のDカットレンズよりも軸ズレをより抑制することが可能となる。
このように本実施の形態によれば、外周部の一端にゲート部34を設けるためのDカット形状が形成されたフランジ部32に、当該フランジ部32に比べて小径な嵌合部36を形成し、嵌合部36は円筒形状として鏡筒40の内壁部と全周で隙間嵌めにより嵌め合い、光軸直交方向の位置決めを行う。これにより、樹脂レンズ300を隙間嵌めで鏡筒40に収容するレンズユニット3a、3bにおいて、樹脂レンズ300の組立時及び温度変動時の軸ズレ量を低減することができる。
また、上述の実施の形態では、車両70としての自動車に搭載されるステレオカメラ1について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、他の車両の一例としてバイク、自転車、ドローン、車椅子または農業用の耕運機等の車両に搭載されるものとしてもよい。また、移動体の一例としての車両だけでなく、ロボット等の移動体であってもよい。
さらに、ロボットは、移動体だけでなく、FA(Factory Automation)において固定設置される工業用ロボット等の装置であってもよい。また、固定設置される装置としては、ロボットだけでなく、防犯用の監視カメラ等であってもよい。
1 ステレオカメラ
20 押圧部材
3a、3b レンズユニット
4a、4b 撮像素子
30 樹脂レンズ
36 嵌合部
40 鏡筒
40a レンズ収容室
40b 突き当て面
61 制御装置
70 移動体
特開2002-341218号公報

Claims (10)

  1. 樹脂レンズと、
    前記樹脂レンズを収容するレンズ収容室を備える鏡筒と、
    前記レンズ収容室に設けられた突き当て面に、前記樹脂レンズを前記樹脂レンズの光軸方向に押圧する押圧部材と、
    を備え、
    前記樹脂レンズは、外周部を形成するフランジ部の前記鏡筒の前記突き当て面側に、前記外周部に比べて小径な嵌合部を備え、
    前記嵌合部は、前記レンズ収容室と全周で隙間嵌めにより嵌め合うことで光軸直交方向に対して位置決めされる、
    ことを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記鏡筒の前記レンズ収容室と、前記樹脂レンズの前記嵌合部とは、円筒形状である、
    ことを特徴とした請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記鏡筒の前記レンズ収容室と、前記樹脂レンズの前記嵌合部とは、円錐形状である、
    ことを特徴とした請求項1に記載のレンズユニット。
  4. 前記フランジ部と前記嵌合部とは、連続的にテーパで接続されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のレンズユニット。
  5. 前記鏡筒と前記樹脂レンズとの線膨張係数差が、20×10-6/℃以上である、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  6. 前記レンズ収容室と前記樹脂レンズとは、使用環境温度の範囲において、光軸直交方向に隙間を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  7. 前記樹脂レンズの前記外周部は、該外周部の一端がカットされている、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  8. 前記鏡筒の前記突き当て面と前記嵌合部の押圧面との当接面、および前記押圧部材と前記フランジ部の押圧面との当接面は、光軸に対して軸対称形状である、
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のレンズユニット。
  9. 光軸が互いに平行となるように設けられる、2つの請求項1ないし8のいずれか一項に記載のレンズユニットと、
    2つの前記レンズユニットそれぞれに入射した光から画像データに変換する2つの撮像素子と、
    を備えることを特徴とするステレオカメラ。
  10. 請求項9に記載のステレオカメラと、
    前記ステレオカメラから受信した画像データから導出される視差に基づいて動作制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする移動体。
JP2021040804A 2021-03-12 2021-03-12 レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体 Pending JP2022140135A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021040804A JP2022140135A (ja) 2021-03-12 2021-03-12 レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体
EP22154204.6A EP4057044A1 (en) 2021-03-12 2022-01-31 Lens unit, stereo camera, and mobile object
US17/670,530 US11683467B2 (en) 2021-03-12 2022-02-14 Lens unit, stereo camera, and mobile object
CN202210154758.5A CN115128758A (zh) 2021-03-12 2022-02-21 镜头组件、立体相机以及移动体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021040804A JP2022140135A (ja) 2021-03-12 2021-03-12 レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022140135A true JP2022140135A (ja) 2022-09-26

Family

ID=80123390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021040804A Pending JP2022140135A (ja) 2021-03-12 2021-03-12 レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11683467B2 (ja)
EP (1) EP4057044A1 (ja)
JP (1) JP2022140135A (ja)
CN (1) CN115128758A (ja)

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7092174B2 (en) * 2001-05-18 2006-08-15 Konica Corporation Image pickup lens, image pickup apparatus and method for forming image pickup lens
JP4721136B2 (ja) 2001-05-18 2011-07-13 コニカミノルタホールディングス株式会社 撮像装置
CN1261787C (zh) * 2003-03-10 2006-06-28 京瓷株式会社 摄像装置
JP3935168B2 (ja) * 2004-08-26 2007-06-20 シャープ株式会社 レンズ鏡筒装置
JP2007212744A (ja) 2006-02-09 2007-08-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学レンズ
KR101087695B1 (ko) * 2007-07-03 2011-11-30 주식회사 옵토메카 이종재료 일체형 렌즈 유닛 및 이를 구비하는 카메라 모듈
JP2010139626A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Tamron Co Ltd 光学装置、撮像装置および光学装置の製造方法
JP5817530B2 (ja) * 2009-12-25 2015-11-18 コニカミノルタ株式会社 撮像レンズユニット
CN102375203A (zh) * 2010-07-13 2012-03-14 康达智株式会社 光学透镜组件和该塑料透镜成型模具及塑料透镜的制造方法
JP2014041167A (ja) * 2010-12-21 2014-03-06 Fujifilm Corp レンズユニット及び撮像ユニット
KR101444585B1 (ko) * 2013-03-06 2014-09-24 삼성전기주식회사 렌즈 모듈
US9507117B2 (en) * 2014-02-26 2016-11-29 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Lens module
JP6427900B2 (ja) * 2014-03-07 2018-11-28 株式会社リコー 校正方法、校正システム、プログラム及び移動体
TWI605281B (zh) * 2014-09-26 2017-11-11 Nidec Sankyo Corp Lens unit
KR101823195B1 (ko) * 2014-12-23 2018-01-29 삼성전기주식회사 렌즈 조립체 및 이를 구비하는 카메라 모듈
CN205157864U (zh) * 2015-11-30 2016-04-13 苏州佳像视讯科技有限公司 一种ccd增益镜头
CN105301736A (zh) * 2015-11-30 2016-02-03 苏州佳像视讯科技有限公司 一种ccd增益镜头
JP6591340B2 (ja) * 2016-04-15 2019-10-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 多眼光学装置
JP6953792B2 (ja) * 2017-05-23 2021-10-27 株式会社デンソー レンズモジュールおよびステレオカメラ
JP6942041B2 (ja) * 2017-12-14 2021-09-29 マクセル株式会社 レンズユニットおよびカメラモジュール
CN110220500B (zh) * 2019-05-06 2021-12-07 深圳市华芯技研科技有限公司 一种基于双目相机的无人驾驶用测距方法
JP2021012311A (ja) 2019-07-08 2021-02-04 株式会社リコー 撮像光学系、撮像装置、ステレオカメラ、測距装置及び移動体
JP7409794B2 (ja) * 2019-07-09 2024-01-09 マクセル株式会社 レンズユニットおよびカメラモジュール
JP2021026223A (ja) 2019-07-31 2021-02-22 株式会社リコー カメラ、レンズユニットの位置決め方法、及びステレオカメラ
JP2021139955A (ja) 2020-03-02 2021-09-16 株式会社リコー 撮像光学系、カメラ装置、およびステレオカメラ装置

Also Published As

Publication number Publication date
US11683467B2 (en) 2023-06-20
US20220295037A1 (en) 2022-09-15
CN115128758A (zh) 2022-09-30
EP4057044A1 (en) 2022-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9802550B2 (en) On-vehicle camera mounting structure
US9857553B2 (en) Lens unit and imaging device
EP3064402B1 (en) In-vehicle sensor mounting structure
JP6953792B2 (ja) レンズモジュールおよびステレオカメラ
JP6054819B2 (ja) レンズユニット、撮像装置、および移動体
US20150326765A1 (en) Camera module for a motor vehicle and method of pre-focusing a lens objective in a lens holder
US10502926B2 (en) Optical unit
WO2019093113A1 (ja) 車載撮像装置
JP2022140135A (ja) レンズユニット、ステレオカメラおよび移動体
CN114815142A (zh) 光学系统、摄像设备、车载系统和移动设备
WO2021066118A1 (ja) 撮像装置、移動体、および撮像装置の製造方法
JP2018013623A (ja) 車載撮像装置
JP2006276129A (ja) 光学装置
WO2022249735A1 (ja) レンズ装置、撮像装置および車載システム
JP6062314B2 (ja) 撮像装置
JP2022175562A (ja) 光学装置、撮像装置、撮像装置、車載システム、および移動装置
CN114815190A (zh) 光学系统、摄像设备、车载系统和移动设备
CN114600023A (zh) 透镜单元、拍摄装置以及移动体
WO2022249743A1 (ja) 撮像装置および車載システム
US20230076225A1 (en) Optical system having cemented lens including negative lens, image pickup apparatus, in-vehicle system, and moving apparatus
JP2022139615A (ja) レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体
US20230288782A1 (en) Automotive camera with improved housing alignment
JP2019086671A (ja) 鏡筒、レンズユニットおよびカメラモジュール
JP2022182405A (ja) レンズユニット、カメラモジュール、車載システムおよび車両
JP2022183606A (ja) レンズユニット、カメラモジュール、車載システムおよび車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240119