JP2022138459A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録材の種類やサイズによらず、定着ムラの発生を抑制する技術を提供する。【解決手段】回転可能な筒状のフィルム22と、基板231と、基板231上に形成された発熱抵抗体234と、を備え、フィルム22の内周面に接触する第1の面と、第1の面と反対側の第2の面を有する、基板231の長手方向に延びたヒータ23と、長手方向に延びる熱伝達部材28と、を有する像加熱装置F1において、熱伝達部材28は、ヒータ23の第2の面に接触するヒータ接触部と、フィルム22の内周面が移動する方向において、第1の面と隣接する位置において、フィルム22の内周面に接触するフィルム接触部と、を有し、発熱抵抗体234は、ヒータの第2の面の側に形成される。【選択図】図2
Description
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真記録方式の画像形成装置に搭載する定着器、あるいは記録材上の定着済みトナー画像を再度加熱することにより画像の光沢度を向上させる光沢付与装置等の像加熱装置に関する。
従来、複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置に搭載される像加熱装置として、筒状の定着フィルムと、定着フィルムの内面に接触するヒータで定着部材を構成し、定着フィルムを介してヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラとを有する装置がある。このような像加熱装置では、熱源たるセラミックヒータの熱を、定着フィルムを介して記録材へ供給することで記録材上のトナー画像を加熱定着させている。そのため、ヒータから記録材上のトナー画像までの熱伝達は、定着フィルムの熱抵抗が小さいほど早く、効率よく達成される。それ故、近年のプリンタの高速化、省エネのための定着温度の低減、ファーストプリントアウトタイム(FPOT)短縮に対応するために、定着フィルムは高熱伝導化や薄膜化が進められている。
しかしながら、定着効率向上のために定着フィルムの熱抵抗を小さくすると、記録材にスジ状の濃淡差をもたらす定着ムラが発生しやすくなる。定着ムラは記録材上へ与えられる熱量が、記録材の場所によって差が生じ、トナーの溶融度合いが大きく変わることで発生する。伝達される熱量に差が生じる要因の1つとして、発熱体への電力供給の代表的な制御方式である波数制御や位相制御では、記録材がニップ部を通過する際に、発熱体の通電ON/OFFを周期的に行うことが挙げられる。すなわち記録材上には、通電(ON)状態にある発熱体を通過する領域と、通電されていない(OFF)状態にある発熱体を通過する領域と、が存在することになり、定着フィルム、ひいては記録材上に温度差が生じる。そして定着フィルムの熱抵抗が小さい場合は、通電ON/OFFによる熱の変化の影響をより受けやすくなるため、定着ムラが顕在化しやすい。
さらに近年ではトナーの低融点化、低粘弾性化が進んでおり、温度に対してトナーの溶融度合がより大きく変化するため、定着ムラが発生しやすくなっている。特にカラーの画像形成装置のように複数のトナーを多重形成し定着させる場合は、定着ムラが光沢ムラとして視認されやすくなる。
この定着ムラ抑制を図る手法の1つとして、特許文献1では複数の発熱体を有する像加熱装置において、交流電源周波数と記録材の搬送速度から、定着ムラの出にくい最適な発熱体間隔を決定する方法が開示されている。つまり一本目の発熱体により加熱された部分がもう一度加熱されないように、また、一本目の発熱体で加熱されなかった部分を他の発熱体により加熱して、記録材に与える熱量が均一になるような構成としている。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、記録材の種類やサイズに応じて搬送速度を複数に切り替えて印字する場合には、定着ムラを低減することが困難である。
そこで、本発明の目的は、記録材の種類やサイズによらず、定着ムラの発生を抑制する技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の像加熱装置は、
回転可能な筒状のフィルムと、
基板と、前記基板上に形成された発熱抵抗体と、を備え、前記フィルムの内周面に接触する第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面を有する、前記基板の長手方向に延びたヒータと、
前記長手方向に延びる熱伝達部材と、を有する像加熱装置において、
前記熱伝達部材は、前記ヒータの前記第2の面に接触するヒータ接触部と、前記フィルムの内周面が移動する方向において、前記第1の面と隣接する位置で、前記フィルムの内周面に接触するフィルム接触部と、を有し、
前記発熱抵抗体は、前記ヒータの前記第2の面の側に形成されることを特徴とする。
回転可能な筒状のフィルムと、
基板と、前記基板上に形成された発熱抵抗体と、を備え、前記フィルムの内周面に接触する第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面を有する、前記基板の長手方向に延びたヒータと、
前記長手方向に延びる熱伝達部材と、を有する像加熱装置において、
前記熱伝達部材は、前記ヒータの前記第2の面に接触するヒータ接触部と、前記フィルムの内周面が移動する方向において、前記第1の面と隣接する位置で、前記フィルムの内周面に接触するフィルム接触部と、を有し、
前記発熱抵抗体は、前記ヒータの前記第2の面の側に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、記録材の種類やサイズによらず、定着ムラの発生を抑制することが可能となる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機などが挙げられ、ここではレーザプリンタに適用した場合について説明する。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機などが挙げられ、ここではレーザプリンタに適用した場合について説明する。
(1)画像形成装置P
本発明に係る画像形成装置Pについて説明する。図1は、本実施例にて用いた電子写真記録技術を用いた画像形成装置Pの断面模式図である。画像形成装置Pは、略直線状に配列された4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kと、を備えている。4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kのうち、3Yはイエロー(以下Yと略記)色、3Mはマゼンタ(以下Mと略記)色、3Cはシアン(以下Cと略記)色、3Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、像担持体としての感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kと、帯電手段としての帯電ローラ5Y,5M,5C,5Kと、を有している。さらに、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、露光手段としての露光装置6と、現像手段としての現像装置7Y,7M,7C,7Kと、クリーニング手段としてのクリーニング装置8Y,8M,8C,8Kと、を有している。
本発明に係る画像形成装置Pについて説明する。図1は、本実施例にて用いた電子写真記録技術を用いた画像形成装置Pの断面模式図である。画像形成装置Pは、略直線状に配列された4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kと、を備えている。4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kのうち、3Yはイエロー(以下Yと略記)色、3Mはマゼンタ(以下Mと略記)色、3Cはシアン(以下Cと略記)色、3Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、像担持体としての感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kと、帯電手段としての帯電ローラ5Y,5M,5C,5Kと、を有している。さらに、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、露光手段としての露光装置6と、現像手段としての現像装置7Y,7M,7C,7Kと、クリーニング手段としてのクリーニング装置8Y,8M,8C,8Kと、を有している。
ビデオコントローラ30は、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から画像情
報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、画像形成動作が開始する。画像形成に際し、画像形成ステーション3Yでは感光体ドラム4Yが不図示の回転制御部(駆動制御手段)によってプリント指令に応じて、図1中の矢印方向に回転される。まず感光体ドラム4Yの外周面(表面)は帯電ローラ5Yにより一様に帯電され、その感光体ドラム4Y表面の帯電面に、露光装置6により画像データに応じたレーザー光が照射されることで露光され、静電潜像が形成される。その潜像は現像装置7YによりYトナーを用いて顕像化されYトナー画像となる。以上の工程により、感光体ドラム4Y表面にYトナー画像が形成される。画像形成ステーション3M,3C,3Kにおいても同様の画像形成プロセスが行なわれ、感光体ドラム4M表面にMトナー画像が、感光体ドラム4C表面にCトナー画像が、感光体ドラム4K表面にKトナー画像が、それぞれ形成される。
報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、画像形成動作が開始する。画像形成に際し、画像形成ステーション3Yでは感光体ドラム4Yが不図示の回転制御部(駆動制御手段)によってプリント指令に応じて、図1中の矢印方向に回転される。まず感光体ドラム4Yの外周面(表面)は帯電ローラ5Yにより一様に帯電され、その感光体ドラム4Y表面の帯電面に、露光装置6により画像データに応じたレーザー光が照射されることで露光され、静電潜像が形成される。その潜像は現像装置7YによりYトナーを用いて顕像化されYトナー画像となる。以上の工程により、感光体ドラム4Y表面にYトナー画像が形成される。画像形成ステーション3M,3C,3Kにおいても同様の画像形成プロセスが行なわれ、感光体ドラム4M表面にMトナー画像が、感光体ドラム4C表面にCトナー画像が、感光体ドラム4K表面にKトナー画像が、それぞれ形成される。
画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kの配列方向に沿って設けられている中間転写ベルト9は、駆動ローラ9aと、従動ローラ9bと、従動ローラ9cと、により張架されている。駆動ローラ9aは、不図示の回転制御部(駆動制御手段)によってプリント指令に応じて、図1中の矢印方向に回転する。これにより、中間転写ベルト9は、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kに沿って所定のプロセススピードで回転移動される。この中間転写ベルト9の外周面(表面)には、中間転写ベルト9を挟んで感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kと対向配置されている一次転写ローラ10Y,10M,10C,10Kにより、各色のトナー画像が順次重ね転写される。以上の工程により、中間転写ベルト9表面に4色のフルカラートナー画像が形成される。
一次転写後に感光体ドラム4Y,4M,4C,4K表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置8Y,8M,8C,8Kに設けられている不図示のクリーニングブレードにより除去される。これにより感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kは次の画像形成に備える。上述した、感光体ドラム4、帯電ローラ5、現象装置7、一次転写ローラ10、不図示のスキャナユニットが、記録材Sに未定着画像を形成する画像形成部を構成している。
一方、画像形成装置P下部に設けられた給送カセット11に積載収納されている記録材Sは、給送ローラ12によって給送カセット11から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対13に給送される。レジストローラ対13は、給送された記録材Sを、中間転写ベルト9と二次転写ローラ14との間の転写ニップ部に送り出す。二次転写ローラ14は、中間転写ベルト9を挟んで従動ローラ9bと対向するように配置される。そして、二次転写ローラ14には、記録材Sが転写ニップ部を通過する際に不図示の高圧電源からバイアスが印加される。これにより転写ニップ部を通過する記録材Sに中間転写ベルト9表面からフルカラーのトナー画像が二次転写される。そのトナーを担持した記録材Sは定着装置F1に搬送される。その後、記録材Sは、定着部(像加熱部)としての定着装置F1においてヒータの熱を利用して加熱、および加圧され、トナー画像が記録材S上に加熱定着される。そして記録材Sは、定着装置F1から画像形成装置P外部の排出トレイ15へ排紙ローラ29によって排出される。二次転写後に中間転写ベルト9表面に残った転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置16により除去される。これにより中間転写ベルト9は次の画像形成に備える。
上記の画像形成装置は、2色以上のカラートナーを、中間転写ベルトを介して記録材上に転写し、画像形成するタンデム方式等のカラーレーザプリンタを代表例に説明を行っている。しかし、本発明の適用はこれに限られるものではなく、単色のモノクロトナーを使用したモノクロレーザプリンタに適用することも可能である。
(2)定着装置F1
トナー画像の定着手段としての定着装置F1について説明する。以下の説明において、定着装置および定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材
搬送方向と直交する方向であり、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。また記録材に関し、長手幅とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向の寸法である。
トナー画像の定着手段としての定着装置F1について説明する。以下の説明において、定着装置および定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材
搬送方向と直交する方向であり、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。また記録材に関し、長手幅とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向の寸法である。
図2は定着装置F1の断面模式図である。本実施例に示す定着装置F1は、加圧ローラ21と、定着フィルム22と、ヒータ23と、ヒータホルダ24と、剛性ステー25などを有している、フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動方式のいわゆるテンションレスタイプの装置である。加圧ローラ21、定着フィルム22、ヒータ23、ヒータホルダ24および、剛性ステー25は、いずれも長手方向に細長い部材である。
加圧回転体としての加圧ローラ21は、定着フィルム22の下方において定着フィルム22と並列に配置され、芯金211の長手方向両端部を、不図示の軸受け部材を介して回転自由に保持させている。そして、加圧ローラ21の芯金211と剛性ステー25は、長手方向両端部において不図示の加圧スプリングにより加圧ローラ21の外周面(表面)と定着フィルム22の外周面(表面)が接触するように加圧されている。その加圧力により、加圧ローラ21表面と定着フィルム22表面を接触させ、その間に記録材Sを挟持搬送する所定幅の定着ニップ部NFを形成している。
ヒータホルダ24は、液晶ポリマーのような耐熱樹脂からなる、ヒータ23を保持する部材である。またヒータホルダ24は、案内部241を備え、定着フィルム22の回転を案内するガイド機能も有している。
加圧ローラ21は、プリント指令に応じて、不図示の回転制御部(駆動制御手段)により、プロセススピードで図2中の矢印方向へ回転される。回転可能に備えられた定着フィルム22は、加圧ローラ21に従動するように、ヒータホルダ24の外周に沿うように、図2中の矢印方向に従動回転する。またその際、定着ニップ部NFにおいて定着フィルム22の内周面がヒータ23と密着して摺動する。
未定着のトナー画像を担持した記録材Sは、入口ガイド27を通って定着ニップ部NFに給送され、加圧ローラ21と定着フィルム22により挟持搬送される。その搬送過程において、記録材Sは定着フィルム22により熱と圧力が加えられ、未定着トナー画像が記録材Sの表面に加熱定着される。
(2-1)定着フィルム22
定着フィルム22は、円筒状の基層221と、その外側に離型層222を有する。基層221は、可撓性を有する耐熱性材料を主成分として形成される。可撓性を有する耐熱性材料とは例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PESまたはPPSなどの耐熱性樹脂、または、SUS、ニッケルなどの金属である。基層221の外周には、フッ素樹脂などからなる、トナーに対する非粘着性を付加するための離型層222を有する。基層221と離型層222の間には必要に応じて各層を接着するための中間層を設けても良いが、中間層の材質および厚みは定着フィルム22全体の熱伝導を大きく阻害しないことが望ましい。
定着フィルム22は、円筒状の基層221と、その外側に離型層222を有する。基層221は、可撓性を有する耐熱性材料を主成分として形成される。可撓性を有する耐熱性材料とは例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PESまたはPPSなどの耐熱性樹脂、または、SUS、ニッケルなどの金属である。基層221の外周には、フッ素樹脂などからなる、トナーに対する非粘着性を付加するための離型層222を有する。基層221と離型層222の間には必要に応じて各層を接着するための中間層を設けても良いが、中間層の材質および厚みは定着フィルム22全体の熱伝導を大きく阻害しないことが望ましい。
ヒータ23の熱を効率良く記録紙上のトナー画像へ伝えるために、定着フィルム22は薄層、低熱容量であることが望ましい。定着フィルム22の総厚みは160μm以下が望ましく、好ましくは100μm以下である。
本実施例では、定着フィルム22は、厚み50μmのポリイミドを主成分とする基層221と、厚み15μmのフッ素樹脂からなる離型層222と、で構成される。定着フィルム22の外周長は57mmである。
(2-2)加圧ローラ21
本実施例では、加圧ローラ21は、丸軸状の芯金211と、芯金211の外周に芯金211と同心一体に形成されたシリコーンゴムから成る弾性層212と、弾性層212の周りには導電性のフッ素樹脂で形成される離型層213と、を有している。加圧ローラ21の外周長は、57mmである。なお、弾性層212は、フッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成したものでも良い。また、離型層213は、絶縁性のフッ素樹脂でも良い。
本実施例では、加圧ローラ21は、丸軸状の芯金211と、芯金211の外周に芯金211と同心一体に形成されたシリコーンゴムから成る弾性層212と、弾性層212の周りには導電性のフッ素樹脂で形成される離型層213と、を有している。加圧ローラ21の外周長は、57mmである。なお、弾性層212は、フッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成したものでも良い。また、離型層213は、絶縁性のフッ素樹脂でも良い。
(2-3)ヒータ23
図3は本実施例のヒータ23の断面模式図である。本実施例のヒータ23は、長手方向に細長い基板231を有し、その基板231の定着フィルム22接触面と反対側の面に基板長手方向に沿って、発熱抵抗体である発熱体234を形成具備させている。
図3は本実施例のヒータ23の断面模式図である。本実施例のヒータ23は、長手方向に細長い基板231を有し、その基板231の定着フィルム22接触面と反対側の面に基板長手方向に沿って、発熱抵抗体である発熱体234を形成具備させている。
本実施例では、発熱体234のパターン形状は1本の発熱体を折り返し、記録材搬送方向において2本が並行して基板上に配置されるパターンとなっており、基板231は長手方向に発熱体に給電するための給電電極(不図示)が設けられている。そして、発熱体234を覆う耐熱性の保護コート層232と、定着フィルム22と摺動接触する摺動コート層233と、を有している。ヒータ23の摺動コート層233と定着フィルム22の内面は直接、もしくはグリスなどを介して接触する。ヒータ23は、保護コート層232から摺動コート層233まで、分割できない一体部品として形成されている。
基板231は、アルミナ(酸化アルミニウム)や、窒化アルミニウム、あるいは絶縁部材で被覆された金属などの熱伝導材からなる長手に長い板状部材であり、本実施例の基板231は、アルミナ(酸化アルミニウム)からなる厚み1mmの部材である。保護コート層232は、ガラス、またはポリイミドやフッ素樹脂などの樹脂などの耐熱性材料からなり、発熱体234を保護し、また絶縁耐圧性を付与する。本実施例の保護コート層232は、厚み60μmのガラスである。摺動コート層233は、ガラス、またはポリイミドや
フッ素樹脂などの樹脂などからなる、定着フィルム22の内面との摺動性、耐摩耗性を付与するためのものである。本実施例の摺動コート層233は、厚み30μmのガラスであ
る。発熱体234は、銀やパラジウムなどの電気抵抗材料を、厚み約数十μmでスクリー
ンに係る印刷などによって塗工して形成される。以後、図3にも示すように、ヒータ23の定着フィルムに接触する摺動コート層233を有する面を表面、反対側の保護コート層232を有する面を裏面とする。
フッ素樹脂などの樹脂などからなる、定着フィルム22の内面との摺動性、耐摩耗性を付与するためのものである。本実施例の摺動コート層233は、厚み30μmのガラスであ
る。発熱体234は、銀やパラジウムなどの電気抵抗材料を、厚み約数十μmでスクリー
ンに係る印刷などによって塗工して形成される。以後、図3にも示すように、ヒータ23の定着フィルムに接触する摺動コート層233を有する面を表面、反対側の保護コート層232を有する面を裏面とする。
本実施例のヒータ23は、基板231の裏面側に発熱体234を配置している。したがって、基板231と摺動コート層233を介して、発熱体234から定着フィルム22に熱が伝わる経路が1つの熱伝達経路となっている。
(2-4)ヒータ駆動制御
ヒータ23の温度は、ヒータ23の裏面側に設けられている温度検知手段としてのサーミスタ26によって検知される。サーミスタ26によって検出された温度からヒータ23に供給するべき電力を算出し、その供給する電力に対応した通電パターンに換算し、通電ON/OFF信号を送出する。以上のような制御回路によって、ヒータ23の温度は所定の温度に維持される。例えば、通常の定着モードであれば190℃に温調される。
ヒータ23の温度は、ヒータ23の裏面側に設けられている温度検知手段としてのサーミスタ26によって検知される。サーミスタ26によって検出された温度からヒータ23に供給するべき電力を算出し、その供給する電力に対応した通電パターンに換算し、通電ON/OFF信号を送出する。以上のような制御回路によって、ヒータ23の温度は所定の温度に維持される。例えば、通常の定着モードであれば190℃に温調される。
(2-5)熱伝達部材28
本実施例の熱伝達部材28について説明する。図4は熱伝達部材を含む定着装置F1の断面を拡大した模式図である。熱伝達部材28は、ヒータ23とヒータホルダ24の間に位置する、折り曲げられた板状部材であり、長手方向において通紙領域の全域にわたって
配置されている。つまり、熱伝達部材28は、ヒータ23とともに、ヒータホルダ24によって保持されている。熱伝達部材28は、まず記録材搬送方向における中心部のヒータ接触部28aで、保護コート層232の基板231との接触面と反対側の面と接触する。そして、ヒータ23を覆うように折り曲げられ、ヒータ接触部28aから定着フィルム22に向かって、ヒータ23の外形に沿って延伸する(第1の部分)。さらに、その端部は、定着フィルム22の内面に沿うように折り曲げられ、フィルム接触部28bとして、定着フィルム22と接触する(第2の部分)。本実施例では、フィルム接触部28bは、定着ニップ部NFに対して、搬送方向の上流側と下流側にそれぞれに接触する上流側接触部と下流側接触部を含む。つまり、ヒータ23の発熱体234からの熱は、保護コート層232を介してヒータ接触部28aへと伝達され、さらに熱伝達部材28内を通り、フィルム接触部28bから定着フィルム22へと伝達される。すなわち、定着装置F1には基板231と摺動コート層233を介する熱伝達経路(第1の熱伝達経路)とは別に、熱伝達部材28を介して定着フィルム22へと熱を伝達する経路(第2の熱伝達経路)が存在する。
本実施例の熱伝達部材28について説明する。図4は熱伝達部材を含む定着装置F1の断面を拡大した模式図である。熱伝達部材28は、ヒータ23とヒータホルダ24の間に位置する、折り曲げられた板状部材であり、長手方向において通紙領域の全域にわたって
配置されている。つまり、熱伝達部材28は、ヒータ23とともに、ヒータホルダ24によって保持されている。熱伝達部材28は、まず記録材搬送方向における中心部のヒータ接触部28aで、保護コート層232の基板231との接触面と反対側の面と接触する。そして、ヒータ23を覆うように折り曲げられ、ヒータ接触部28aから定着フィルム22に向かって、ヒータ23の外形に沿って延伸する(第1の部分)。さらに、その端部は、定着フィルム22の内面に沿うように折り曲げられ、フィルム接触部28bとして、定着フィルム22と接触する(第2の部分)。本実施例では、フィルム接触部28bは、定着ニップ部NFに対して、搬送方向の上流側と下流側にそれぞれに接触する上流側接触部と下流側接触部を含む。つまり、ヒータ23の発熱体234からの熱は、保護コート層232を介してヒータ接触部28aへと伝達され、さらに熱伝達部材28内を通り、フィルム接触部28bから定着フィルム22へと伝達される。すなわち、定着装置F1には基板231と摺動コート層233を介する熱伝達経路(第1の熱伝達経路)とは別に、熱伝達部材28を介して定着フィルム22へと熱を伝達する経路(第2の熱伝達経路)が存在する。
熱伝達部材28は、アルミニウムや銅などの高い熱伝導率を有する材料からなる長手方向に長い板状部材である。本実施例の熱伝達部材28は、厚み0.3mmのアルミニウムからなる。熱伝達部材28のフィルム接触部28bは、上下流ともに0.5mmの長さで、ヒータ23と隣接する位置で定着フィルム22と接触している。
(3)ヒータから定着フィルムへの熱伝達経路
本実施例におけるヒータ23から定着フィルム22への熱伝達経路について説明する。上述に述べた構成により、本実施例ではヒータ23から定着フィルム22への主たる熱伝達経路を2つ備えている。1つ目は、ヒータ内の発熱体234から基板231、摺動コート層233を経由して定着フィルム22に到達する経路(第1の熱伝達経路)である。2つ目は、発熱体234から保護コート層232、熱伝達部材28を経由して定着フィルム22に到達する経路(第2の熱伝達経路)である。
本実施例におけるヒータ23から定着フィルム22への熱伝達経路について説明する。上述に述べた構成により、本実施例ではヒータ23から定着フィルム22への主たる熱伝達経路を2つ備えている。1つ目は、ヒータ内の発熱体234から基板231、摺動コート層233を経由して定着フィルム22に到達する経路(第1の熱伝達経路)である。2つ目は、発熱体234から保護コート層232、熱伝達部材28を経由して定着フィルム22に到達する経路(第2の熱伝達経路)である。
図5を用いて、熱伝達部材内の熱の移動方向、および定着装置の構成について、より詳細に説明する。本構成のように熱伝達の経路を複数に分け、ヒータ23から熱伝達部材28を経由して定着フィルム22へと熱を伝達する経路を機能させるためには、ヒータ接触部28aの温度がフィルム接触部28bの温度よりも高い状態となる必要がある。そのためには、基板231に対してヒータ23の裏面側、すなわちヒータ接触部28aに近い側に発熱体234が存在する裏面発熱構成が有効である。
図5(a)に、本実施例で採用した裏面発熱構成の像加熱装置F1の断面図模式図を示す。発熱体234はヒータ23の裏面側に位置しており、発熱体234と熱伝達部材28の間の熱抵抗は、発熱体234と定着フィルム22の間の熱抵抗より小さい。この場合、発熱体234から保護コート層232を経由してヒータ接触部28aに伝達される熱は、発熱体234から基板231、摺動コート層233、定着フィルム22を経由してフィルム接触部28bに伝達される熱より高くなる。すなわち、熱伝達部材内の温度分布は、ヒータ接触部28aの温度の方が、フィルム接触部28bの温度よりも高くなる。つまり、熱の流れは図5(a)中の矢印で示すように、ヒータ接触部28aからフィルム接触部28b領域に移動する方向となり、フィルム接触部28bにおいて定着フィルム22は加熱される。
一方で、表面発熱構成では熱伝達部材28が熱伝達経路として意図した通りに機能しない場合がある。図5(b)に、比較例としての表面発熱構成の像加熱装置の断面模式図を示す。表面発熱構成では、発熱体234が基板231に対してヒータ23の表面側、すなわち定着フィルム22の内面側に配置される。すると、発熱体234と熱伝達部材28の
間の熱抵抗が、発熱体234と定着フィルム22の間の熱抵抗より大きくなりうる。この場合、発熱体234から基板231を経由してヒータ接触部28aに伝達される熱は、発熱体234から摺動コート層233、定着フィルム22を経由してフィルム接触部28bに伝達される熱より小さくなる。この場合、熱伝達部材内の温度分布は、フィルム接触部28bの温度がヒータ接触部28aの温度よりも高くなり、熱の流れがフィルム接触部28bからヒータ接触部28aに移動する方向になる。したがって、表面発熱構成では、ヒータ23から熱伝達部材28を経由した定着フィルム22への熱伝達経路は機能しない可能性が高くなる。そのため、本実施例では裏面発熱構成にすることによって、熱伝達部材28を経由した熱伝達をより確実に、さらに効果的に機能するようにしている。なお、熱の移動方向は各構成部品の材質や形状、相対位置によって左右されるため、表面発熱構成では、熱伝達経路を複数に分けることが不可能であると限定されるわけではない。
間の熱抵抗が、発熱体234と定着フィルム22の間の熱抵抗より大きくなりうる。この場合、発熱体234から基板231を経由してヒータ接触部28aに伝達される熱は、発熱体234から摺動コート層233、定着フィルム22を経由してフィルム接触部28bに伝達される熱より小さくなる。この場合、熱伝達部材内の温度分布は、フィルム接触部28bの温度がヒータ接触部28aの温度よりも高くなり、熱の流れがフィルム接触部28bからヒータ接触部28aに移動する方向になる。したがって、表面発熱構成では、ヒータ23から熱伝達部材28を経由した定着フィルム22への熱伝達経路は機能しない可能性が高くなる。そのため、本実施例では裏面発熱構成にすることによって、熱伝達部材28を経由した熱伝達をより確実に、さらに効果的に機能するようにしている。なお、熱の移動方向は各構成部品の材質や形状、相対位置によって左右されるため、表面発熱構成では、熱伝達経路を複数に分けることが不可能であると限定されるわけではない。
(4)効果確認
本実施例の効果を確認するために、本実施例の定着装置F1を搭載した画像形成装置を用いて定着可能な最低温調温度(サーミスタ温度)を確認した上で、そのサーミスタ温度でプリントした。そのときの定着ムラを確認するとともに、伝熱シミュレーションを用いて定着フィルム表面の温度リップルを計算した。温度リップルとは、定着フィルム表面の最大温度と最小温度の差のことである。すなわち定着フィルムの、通電(ON)状態にある発熱体を通過し加熱される領域と、通電されていない(OFF)状態にある発熱体を通過し加熱されない領域との温度差になる。
本実施例の効果を確認するために、本実施例の定着装置F1を搭載した画像形成装置を用いて定着可能な最低温調温度(サーミスタ温度)を確認した上で、そのサーミスタ温度でプリントした。そのときの定着ムラを確認するとともに、伝熱シミュレーションを用いて定着フィルム表面の温度リップルを計算した。温度リップルとは、定着フィルム表面の最大温度と最小温度の差のことである。すなわち定着フィルムの、通電(ON)状態にある発熱体を通過し加熱される領域と、通電されていない(OFF)状態にある発熱体を通過し加熱されない領域との温度差になる。
比較例として熱伝達部材を用いていない定着装置F2、定着装置F3についても同様に確認した。定着装置F1の基板厚み1.0mmに対して、定着装置F2の基板厚みは同じ1.0mm、定着装置F3の基板厚みはより厚い1.2mmである。図6に比較例1として、定着装置F2の断面模式図を示す。定着装置F2は熱伝達部材を有しないため、ヒータから定着フィルムへの主たる熱伝達経路は、基板と摺動コート層を経由する経路、1つのみである。また、比較例2としての定着装置F3は、ヒータの基板厚み以外は定着装置F2と同じ構成である。
実験に用いた画像形成装置のプロセススピードは100mm/sで、先行する記録材Sと次の記録材Sの間隔(紙間)は30mmである。実験は、環境温度23℃、湿度50%の環境に画像形成装置を設置して行った。実験には、一般的なLBP印刷用紙、坪量80g/m2、LTR(幅216mm縦279mm)サイズ紙を用いた。評価に用いた画像は、余白部としてページ先端、後端、右端、左端に5mmの余白を設け、ページ全体にトナーを載せたベタ画像で、Mトナー、Cトナーの2色のトナーを重ね、合わせて200%の画像濃度となるように形成している。発熱体への通電制御は波数制御であり、13半波を制御周期とし通電パターンに従ってON/OFFを行い複数段階の電力調整を行っている。
また、定着フィルム表面の温度リップルは伝熱シミュレーションを用いて計算した。定着装置全体をモデル化し、波数制御の30%点灯通電パターンを用いて伝熱解析を実施することで、定着フィルムの表面温度を計算している。熱伝達部材であるアルミニウムの熱伝導率は237[W/mK]、比熱は905[J/(kg・K)]、質量密度は2.7E+06[kg/m^3]としている。ヒータの構成部品のうち、基板であるアルミナの熱伝導率は25.6[W/mK]、比熱は771[J/(kg・K)]、質量密度は3.4E+03[kg/m^3]としている。また、保護コート層と摺動コート層であるガラスの熱伝導率は1.41[W/mK]、比熱は465[J/(kg・K)]、質量密度は4.9E+03[kg/m^3]としている。さらに、ヒータと定着フィルムの接触距離を3.1mm、熱伝達部材と定着フィルムの接触距離を記録材搬送方向の上下流合計で1.0mmとして計算している。結果を下記の表1に示す。
本実施例の定着装置F1では定着ムラは発生せず、定着可能なサーミスタ温度は190℃であった。一方、比較例1の定着装置F2では定着可能温度は変わらなかったものの定着ムラが発生した。定着フィルム表面の温度リップルを計算した伝熱シミュレーション結果では、定着装置F1の温度リップルは2.3℃、定着装置F2の温度リップルは5.4℃で、定着装置F1の温度リップルの方が低い結果となった。
図7は本実施例と比較例1の熱伝達経路を比較した断面模式図である。図7(a)に示すように、本実施例においては発熱体234から供給される熱が2つの経路に分散されている。つまり、発熱体234からの熱は2つの熱伝達経路に分かれて定着フィルム22へと伝達されるため、各々の経路を通過する単位時間当たりの熱量が減ると同時に、定着フィルム22へと伝達される熱の位置やタイミングにも差が生じる。すなわち、本結果は定着フィルム22、ひいては記録材に対しての発熱体234からの通電パターンの影響が和らいだことにより、温度リップルが低くなり、定着ムラの発生が抑制されたと考えられる。
一方で、図7(b)に示すように発熱体234から定着フィルム22への熱伝達経路が1つしかない比較例1では、熱が1つの経路に集中したため、発熱体234からの通電パターンの影響が強く出て、定着ムラが発生したと考えられる。
また、比較例2として、ヒータ23の基板231の厚みを1.2mmとした定着装置F3では、画像に定着ムラは発生しなかったものの、定着可能なサーミスタ温度が高くなった。定着ムラが発生しなかった要因として、基板231の厚みが厚くなった分、熱が基板内で拡散しやすくなったためだと考えられる。現に、伝熱シミュレーションの結果では定着フィルム表面の温度リップルが2.8℃になっており、厚みを厚くした分、発熱体234からの通電パターンの影響が緩和されて定着ムラが見えなくなったことが示唆されている。
一方で、定着可能なサーミスタ温度が高くなった要因としては、基板231の厚みが厚くなった分、基板231の熱抵抗が大きくなったためであると考えられる。すなわち、発熱体234から定着フィルム22までの熱伝達経路の熱抵抗が大きくなった分、定着フィルム表面温度を狙いの温度にするために、ヒータ裏に配置されたサーミスタ温度を本実施例よりも高く設定しなければならなくなっている。反面、本実施例においては熱伝達部材28を経由する熱伝達経路を設けることで、表面発熱構成と同程度のサーミスタ温度で定着可能となっており、定着効率も高いことがわかる。
また、本来であれば、定着ムラは発熱体への通電ON/OFFの周期が長くなると見えやすい傾向にあるため、位相制御に比べて周期が比較的長い波数制御は定着ムラが顕在化しやすい。しかし、本構成によれば、波数制御であっても定着ムラの発生を抑制でき、ノイズフィルターを必要とし、よりコストが高く、かつ基板サイズが大きくなる位相制御方式を採用する必要がない。
以上のように、熱伝達部材28を備え、ヒータ23から定着フィルム22への熱伝達経路を複数設けることで、記録材の種類やサイズによらず、電気基板の大型化することなく定着ムラを防止することができる。
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。以下に、その変形例の一例を示す。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。以下に、その変形例の一例を示す。
(変形例1)
上述した実施例において、熱伝達部材の定着フィルムへ接触する部分を記録材搬送方向に対して定着ニップ部の上下流側付近の両方に設けたが、上流側付近のみ、下流側付近のみ、もしくは定着フィルムの定着ニップ部以外の領域でも同様の作用効果が得られる。
上述した実施例において、熱伝達部材の定着フィルムへ接触する部分を記録材搬送方向に対して定着ニップ部の上下流側付近の両方に設けたが、上流側付近のみ、下流側付近のみ、もしくは定着フィルムの定着ニップ部以外の領域でも同様の作用効果が得られる。
(変形例2)
上述した実施例においてヒータの発熱体は1本の発熱体を折り返し、記録材搬送方向において2本が並行して配置されるパターンとなっているが、他のパターンでもよい。例えば、長手方向に1本の折り返さない通電発熱体をもつパターンや、3本以上の複数の発熱体を並列に併せ持つパターンでもよく、また、ヒータ長手方向に対して発熱量の異なるパターンを配置していた場合でも同様の作用効果が得られる。
上述した実施例においてヒータの発熱体は1本の発熱体を折り返し、記録材搬送方向において2本が並行して配置されるパターンとなっているが、他のパターンでもよい。例えば、長手方向に1本の折り返さない通電発熱体をもつパターンや、3本以上の複数の発熱体を並列に併せ持つパターンでもよく、また、ヒータ長手方向に対して発熱量の異なるパターンを配置していた場合でも同様の作用効果が得られる。
(変形例3)
上述した実施例において、ヒータの発熱体は基板の裏面側のみに配置された裏面発熱のヒータ構成としているが、表面と裏面の両面に発熱体が配置されているヒータ構成、もしくは発熱体が基板で挟まれるヒータ構成のような場合でも、同様の作用効果が得られる。ただし、ヒータから定着フィルムへの熱伝達において、熱伝達部材を経由しての熱伝達が行われるように、発熱体の発熱比率、基板の熱伝導率、熱容量を設定する必要がある。そうすることで、熱伝達部材内の温度分布として、ヒータ接触部の温度の方がフィルム接触部の温度よりも高くなり、意図した熱伝達が行われる。
上述した実施例において、ヒータの発熱体は基板の裏面側のみに配置された裏面発熱のヒータ構成としているが、表面と裏面の両面に発熱体が配置されているヒータ構成、もしくは発熱体が基板で挟まれるヒータ構成のような場合でも、同様の作用効果が得られる。ただし、ヒータから定着フィルムへの熱伝達において、熱伝達部材を経由しての熱伝達が行われるように、発熱体の発熱比率、基板の熱伝導率、熱容量を設定する必要がある。そうすることで、熱伝達部材内の温度分布として、ヒータ接触部の温度の方がフィルム接触部の温度よりも高くなり、意図した熱伝達が行われる。
(変形例4)
上述した実施例において、熱伝達部材は一体部品として、長手方向で通紙領域の全域にわたって配置されているが、長手方向に複数配置するような場合でも、同様の作用効果が得られる。またヒータ接触面について保護コート層の裏面側ではなく、側面側に接触させる構成や、記録材の幅方向においてフィルム接触部をヒータと隣接する位置にも設ける構成とすることも考えられる。こういった場合には、ヒータ接触部は、ヒータにおける定着フィルムとの接触面以外の領域で接触するなど、その接触範囲は適宜構成してよい。
上述した実施例において、熱伝達部材は一体部品として、長手方向で通紙領域の全域にわたって配置されているが、長手方向に複数配置するような場合でも、同様の作用効果が得られる。またヒータ接触面について保護コート層の裏面側ではなく、側面側に接触させる構成や、記録材の幅方向においてフィルム接触部をヒータと隣接する位置にも設ける構成とすることも考えられる。こういった場合には、ヒータ接触部は、ヒータにおける定着フィルムとの接触面以外の領域で接触するなど、その接触範囲は適宜構成してよい。
(変形例5)
上述した実施例において、熱伝達部材は金属の板状部材が折り曲げられたものとしたが、金属以外の材料であってもよいし、熱伝達部材としての所望の構造は、折り曲げ加工に限らず、削り出し加工や型成形によって製造してもよい。
上述した実施例において、熱伝達部材は金属の板状部材が折り曲げられたものとしたが、金属以外の材料であってもよいし、熱伝達部材としての所望の構造は、折り曲げ加工に限らず、削り出し加工や型成形によって製造してもよい。
(変形例6)
上述した実施例において、熱伝達部材のフィルム接触部とヒータホルダの案内部は、定着フィルムの内面に対して、特に連続した面になるような構造とはしていない。しかしフィルム接触部は、案内部の案内面と面一となるように構成し、案内部との間で一体的なフィルム案内面を形成するように構成してもよいし、単にヒータホルダの案内部の案内面の一部を覆うように構成してもよい。また、ヒータホルダの案内部の案内面をすべて覆うよ
うに構成することで、フィルムを案内するヒータホルダの役目を代替してもよい。すなわち、フィルム接触部は、定着フィルムに熱を伝える機能だけでなく、定着フィルムの内面を案内し、回転移動を阻害しない機能も必要となる。
上述した実施例において、熱伝達部材のフィルム接触部とヒータホルダの案内部は、定着フィルムの内面に対して、特に連続した面になるような構造とはしていない。しかしフィルム接触部は、案内部の案内面と面一となるように構成し、案内部との間で一体的なフィルム案内面を形成するように構成してもよいし、単にヒータホルダの案内部の案内面の一部を覆うように構成してもよい。また、ヒータホルダの案内部の案内面をすべて覆うよ
うに構成することで、フィルムを案内するヒータホルダの役目を代替してもよい。すなわち、フィルム接触部は、定着フィルムに熱を伝える機能だけでなく、定着フィルムの内面を案内し、回転移動を阻害しない機能も必要となる。
21…加圧ローラ、22…定着フィルム、23…ヒータ、24…ヒータホルダ、28…熱伝達部材、28a…ヒータ接触部、28b…フィルム接触部
Claims (12)
- 回転可能な筒状のフィルムと、
基板と、前記基板上に形成された発熱抵抗体と、を備え、前記フィルムの内周面に接触する第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面を有する、前記基板の長手方向に延びたヒータと、
前記長手方向に延びる熱伝達部材と、を備える像加熱装置において、
前記熱伝達部材は、前記ヒータの前記第2の面に接触するヒータ接触部と、前記フィルムの内周面が移動する方向において、前記第1の面と隣接する位置で、前記フィルムの内周面に接触するフィルム接触部と、を有し、
前記発熱抵抗体は、前記ヒータの前記第2の面の側に形成されることを特徴とする像加熱装置。 - 前記ヒータ接触部は、前記ヒータにおける前記フィルムとの接触面と反対側の面と接触することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
- 前記熱伝達部材は、前記ヒータ接触部を含み、前記ヒータの外形に沿って延びる第1の部分と、前記フィルム接触部を含み、前記フィルムの内周面に沿って延びる第2の部分と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
- 前記熱伝達部材は、板状部材であり、前記第1の部分と前記第2の部分は、曲げ加工によって形成されることを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
- 前記ヒータを保持し、回転する前記フィルムの内面を案内する案内部を有するヒータホルダを備え、
前記第2の部分は、前記案内部とともに、前記フィルムの内周面を案内する案内面を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載の像加熱装置。 - 前記フィルム接触部は、前記ヒータに対して、記録材の搬送方向の上流側で前記フィルムの内周面に接触する上流側接触部を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
- 前記フィルム接触部は、前記ヒータに対して、記録材の搬送方向の下流側で前記フィルムの内周面に接触する下流側接触部を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の像加熱装置。
- 前記熱伝達部材は前記ヒータの基板よりも高い熱伝導率を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の像加熱装置。
- 前記熱伝達部材は、記録材の搬送方向と直交する幅方向において、前記記録材より長いことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の像加熱装置。
- 前記フィルムは筒状のフィルムであり、総厚みが160μm以下であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の像加熱装置。
- 前記フィルムの外周面に接触し、前記フィルムとの間にニップ部を形成するローラを備え、
前記ヒータと前記ローラで前記フィルムを挟持しており、記録材上に形成された画像は前記ニップ部で前記フィルムを介して加熱される請求項1~10のいずれか1項に記載の像加熱装置。 - 記録材に画像を形成する画像形成部と、
記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
を有する画像形成装置において、
前記定着部が請求項1~11のいずれか1項に記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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---|---|---|---|
JP2021038348A JP2022138459A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 像加熱装置及び画像形成装置 |
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