JP2022135306A - 蓄熱システム - Google Patents

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智行 秋田
Tomoyuki Akita
征治 山本
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Abstract

【課題】 蓄熱システムにおいて、熱利用装置の始動性を向上しつつ、動作時間を長くすることができる技術を提供する。【解決手段】 蓄熱システムは、熱媒体を収容する蓄熱装置と、蓄熱装置に接続された第1の循環流路を流通する熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体を蓄熱装置に供給する熱供給装置と、蓄熱装置に接続された第2の循環流路によって供給された熱媒体の熱で動作する熱利用装置と、第1の循環流路と、第2の循環流路と、蓄熱装置との間で熱媒体を循環させるポンプと、蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を変更することで、蓄熱装置の熱容量を変更する熱容量変更装置と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄熱システムに関する。
従来から、熱供給装置が供給する熱を一時的に貯めておき、貯めておいた熱を利用して熱利用装置を動作させる蓄熱システムが知られている。例えば、特許文献1には、熱供給装置によって加熱された熱媒体を収容する蓄熱部を複数備えており、熱利用装置での熱利用の状態に応じて、複数の蓄熱部から熱利用装置に熱を供給する技術が開示されている。
特開2006-275394号公報
しかしながら、上記先行技術によっても、蓄熱システムにおいて、熱利用装置の始動性を向上しつつ、動作時間を長くすることができる技術については、なお、改善の余地があった。例えば、特許文献1に記載の技術では、熱容量が異なる2つの蓄熱部を備えている。このため、熱容量が相対的に小さい蓄熱部を選択すると、熱媒体が短時間でなくなるため、熱利用装置の動作時間が短くなる。熱容量が相対的に大きい蓄熱部を選択すると、熱利用装置を動作可能な温度の熱媒体を蓄熱部に貯める時間が長くなるため、熱利用装置が始動するまでの時間が長くなり、始動性が低下する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、蓄熱システムにおいて、熱利用装置の始動性を向上しつつ、動作時間を長くすることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、蓄熱システムが提供される。この蓄熱システムは、熱媒体を収容する蓄熱装置と、前記蓄熱装置に接続された第1の循環流路を流通する熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体を前記蓄熱装置に供給する熱供給装置と、前記蓄熱装置に接続された第2の循環流路によって前記蓄熱装置から供給された熱媒体の熱で動作する熱利用装置と、前記第1の循環流路と、前記第2の循環流路と、前記蓄熱装置との間で熱媒体を循環させるポンプと、前記蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を変更することで、前記蓄熱装置の熱容量を変更する熱容量変更装置と、を備える。
この構成によれば、熱容量変更装置は、蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を変更することで、蓄熱装置の熱容量を変更する。例えば、蓄熱装置の熱容量を小さくすると蓄熱装置の温度を上昇しやすくなるため、高温の熱媒体を短時間で蓄熱装置に収容しやすくなる。これにより、短時間で高温の熱媒体を熱利用装置に供給することができるため、蓄熱装置からの熱の供給によって動作する熱利用装置を短時間で動作させることができる。また、蓄熱装置の熱容量を大きくすると、蓄熱装置には、熱利用装置が利用可能な温度の熱媒体が比較的多く収容されることとなるため、熱利用装置が動作可能な温度の熱媒体を比較的長い時間供給することができる。このように、蓄熱装置の熱容量を変更することで、熱利用装置の動作を開始するとき、熱利用装置が動作可能な温度の熱媒体を短時間で供給しつつ、熱利用装置が動作可能な温度の熱媒体を比較的長い時間供給することができるため、熱利用装置の始動性を向上しつつ、動作時間を長くすることができる。さらに、熱利用装置において、始動までの時間が短くなり、かつ、動作時間が長くなるため、熱供給装置が蓄熱装置に供給した熱を利用する時間が長くなる。これにより、熱利用装置が動作するために利用した熱量を増大させることができる。
(2)上記形態の蓄熱システムにおいて、前記熱容量変更装置は、前記蓄熱装置に収容されている熱媒体の少なくとも一部を、前記蓄熱装置から排出することで前記蓄熱装置の熱容量を小さくし、前記蓄熱システムの外部から熱媒体を前記蓄熱装置に供給することによって前記蓄熱装置の熱容量を大きくしてもよい。この構成によれば、熱容量変更装置は、蓄熱装置に収容されている熱媒体の少なくとも一部を蓄熱装置から排出することで蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を減らし、蓄熱装置の熱容量を小さくする。また、熱容量変更装置は、蓄熱システムの外部から熱媒体を蓄熱装置に供給することによって蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を増やし、蓄熱装置の熱容量を大きくする。これにより、蓄熱装置における熱媒体の出し入れによって蓄熱装置の熱容量を容易に変更することができるため、熱利用装置の始動性の向上と動作の長時間化の両立を簡単に行うことができる。
(3)上記形態の蓄熱システムは、さらに、前記蓄熱装置の熱容量に関連する値を検出する熱容量検出部と、前記熱容量検出部が検出する前記蓄熱装置の熱容量に関連する値と目標値との関係に応じて、前記蓄熱装置の熱容量を変更させる制御部と、を備えてもよい。この構成によれば、制御部は、熱容量検出部が検出する蓄熱装置の熱容量に関連する値と、目標値との関係に応じて、熱装置の熱容量を変更させる。これにより、蓄熱装置の熱容量を目標値に合わせることができるため、熱利用装置の始動性の向上と動作の長時間化の両立を確実に行うことができる。
(4)上記形態の蓄熱システムにおいて、前記制御部は、前記熱供給装置が停止しているとき、前記熱供給装置が動作しているときよりも前記蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくしてもよい。この構成によれば、制御部は、熱供給装置が停止しているとき、熱供給装置が動作しているときよりも蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくする。制御部は、蓄熱装置に収容されている熱媒体の少なくとも一部を蓄熱装置から排出することで蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくする。これにより、蓄熱装置の温度が上昇しやすくなるため、高温の熱媒体を短時間で蓄熱装置に収容しやすくなる。したがって、さらに短時間で高温の熱媒体を熱利用装置に供給することができるため、熱利用装置の始動性をさらに向上させることができる。
(5)上記形態の蓄熱システムにおいて、前記制御部は、前記熱利用装置が停止しているとき、前記熱利用装置が動作しているときよりも前記蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくしてもよい。この構成によれば、制御部は、熱利用装置が停止しているとき、熱利用装置が動作しているときよりも蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくする。制御部は、蓄熱装置に収容されている熱媒体の少なくとも一部を蓄熱装置から排出することで蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくする。これにより、蓄熱装置に収容されている熱媒体の量は少なくなるため、熱供給装置によって新たに加熱された熱媒体を蓄熱装置に収容させても、蓄熱装置に収容されている熱媒体の温度は低下しにくい。すなわち、熱供給装置が蓄熱装置に供給する高温の熱媒体は、高温のまま、蓄熱装置に収容されることとなる。これにより、熱利用装置の始動時に、動作可能な温度の熱媒体を速やかに供給することができるため、熱利用装置の始動性をさらに向上させることができる。また、熱利用装置が動作しているとき、熱媒体を蓄熱装置に供給することによって蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を増やし、蓄熱装置の熱容量を相対的に大きくする。蓄熱装置に収容されている熱媒体は、熱供給装置によって加熱され、改めて蓄熱装置に収容されるため、蓄熱装置には、熱利用装置が動作している最中に、熱利用装置を動作可能な温度の熱媒体を比較的多く貯めることができる。これにより、例えば、熱供給装置からの熱の供給が停止して熱供給装置から蓄熱装置への熱供給に変動があっても、熱利用装置への熱供給に変動は生じにくいため、熱利用装置を継続して動作させることができる。したがって、熱利用装置の動作時間をさらに長くすることができる。
(6)上記形態の蓄熱システムにおいて、前記制御部は、前記熱利用装置の動作状況に応じて、前記蓄熱装置の熱容量を変更させてもよい。この構成によれば、制御部は、熱利用装置の動作状況に応じて、蓄熱装置の熱容量を変更させる。例えば、熱利用装置が動作を開始した直後、熱容量が比較的小さい蓄熱装置に熱媒体を供給することで蓄熱装置の熱容量を増大させる。これにより、熱供給装置からの熱の供給が途絶えた後でも、熱利用装置を動作可能な熱の熱媒体を長時間供給することができる。したがって、熱利用装置の始動性のさらなる向上や、熱利用装置の動作のさらなる長時間化を図ることができる。
(7)上記形態の蓄熱システムは、さらに、前記蓄熱装置と前記第1の循環流路に接続されており、前記蓄熱装置から排出された熱媒体の少なくとも一部を前記第1の循環流路に供給する熱媒体供給装置を備え、前記熱媒体供給装置によって前記第1の循環流路に供給された熱媒体は、前記第1の循環流路において前記熱供給装置によって加熱されたのち、前記蓄熱装置に収容されてもよい。この構成によれば、蓄熱装置の熱容量を変更するために蓄熱装置から排出された熱媒体の少なくとも一部は、第1の循環流路に供給される。第1の循環流路に供給された熱媒体は、第1の循環流路において熱供給装置によって加熱されたのち、蓄熱装置に収容される。蓄熱装置から排出された熱媒体は、熱供給装置において少なくとも一回は加熱されている熱媒体である場合、その温度は、熱利用装置が動作可能な温度でない場合でも比較的高いことが多い。これにより、熱媒体供給装置から第1の循環流路に供給された熱媒体を熱供給装置で加熱するときには、比較的少ない熱量で、熱媒体の温度を、熱利用装置を動作可能な温度とすることができる。したがって、蓄熱装置から排出された熱媒体の熱を再利用することができるため、蓄熱システムにおける熱利用率を向上させることができる。
(8)上記形態の蓄熱システムにおいて、前記蓄熱装置は、前記熱媒体を収容するための単一のタンクを備えてもよい。この構成によれば、蓄熱装置は、熱媒体を収容するための単一のタンクを備える。例えば、熱容量が異なる複数のタンクを備える場合、熱供給装置が熱媒体を供給するタンクを切り替える構成や、熱利用装置に熱媒体を供給するタンクを切り替える構成が必要となり、構成が複雑になるとともに、システムが大きくなる。上述の構成では、単一のタンクにおいて、熱媒体の量を変更することで蓄熱装置の熱容量を変更することができるため、簡便な構成で熱利用装置の始動性の向上と動作の長時間化を両立することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、蓄熱装置、蓄熱装置および蓄熱システムの制御方法、これら装置およびシステムにおいて熱利用方法を実行させるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態の蓄熱システムの概略構成を示す模式図である。 蓄熱システムにおける熱利用の判定処理のフローチャートである。 蓄熱システムにおける熱容量変更の判定処理のフローチャートである。 蓄熱システムにおける熱の出入りを示すモデル図である。 本実施形態の熱利用装置が始動するときの動作を説明する図である。 第1の比較例の熱利用装置が始動するときの動作を説明する図である。 第2の比較例の熱利用装置が始動するときの動作を説明する図である。 熱利用装置が始動するときの動作に関する値を比較する図である。 第1実施形態の熱利用装置が停止するときの動作を説明する図である。 第1の比較例の熱利用装置が停止するときの動作を説明する図である。 第2の比較例の熱利用装置が停止するときの動作を説明する図である。 熱利用装置が停止するときの動作に関する値を比較する図である。 蓄熱システムの効果を比較する図である。 第2実施形態の蓄熱システムの概略構成を示す模式図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の蓄熱システム1の概略構成を示す模式図である。本実施形態の蓄熱システム1は、例えば、熱源を有する工場などに適用されるコージェネレーションシステムである。蓄熱システム1は、蓄熱装置10と、熱供給装置20と、熱利用装置30と、熱容量変更装置40と、制御部50と、を備える。蓄熱システム1では、熱供給装置20が供給する熱を一時的に蓄熱装置10に貯めておき、熱利用装置30が動作するときに、蓄熱装置10が貯めている熱を熱利用装置30に供給する。蓄熱システム1では、熱供給装置20と、蓄熱装置10と、熱利用装置30との間で熱を移動させる熱媒体として、水を使用する。なお、熱媒体は、水に限定されず、他の液体であってもよいし、粒子状の固体であってもよい。
蓄熱装置10は、熱媒体(水)を収容することで、熱を一時的に貯めることができる装置である。蓄熱装置10は、タンク11と、供給側流路12と、利用側流路13と、を備える。タンク11は、水を収容する。本実施形態では、蓄熱装置10は、水を収容するタンク11を1つだけ備えている。本実施形態の蓄熱システム1では、タンク11に、タンク11内の水の量を検出する水量センサ51と、タンク11内の水の温度を検出する水温センサ52が取り付けられている。水量センサ51は、特許請求の範囲の記載の「熱容量検出部」に相当する。
供給側流路12は、タンク11に接続されている流路であり、タンク11に収容されている水が流通する。供給側流路12には、供給側流路12の水を圧送するポンプ12aと、供給側流路12での水の流れを許容または遮断するバルブ12bが取り付けられている。供給側流路12の熱交換部12cは、熱供給装置20の内部に位置している。図1に示す点線矢印F12は、供給側流路12における水の流れを示している。供給側流路12は、特許請求の範囲に記載の「第1の循環流路」に相当する。
利用側流路13は、供給側流路12とは別にタンク11に接続されている流路であり、タンク11に収容されている水が流通する。利用側流路13には、利用側流路13の水を圧送するポンプ13aと、利用側流路13での水の流れを許容または遮断するバルブ13bが取り付けられている。利用側流路13の熱交換部13cは、熱利用装置30の内部に位置している。図1に示す点線矢印F13は、利用側流路13における水の流れを示している。利用側流路13は、特許請求の範囲に記載の「第2の循環流路」に相当する。
熱供給装置20は、いわゆる、ガスエンジン発電機であって、ガスエンジン21と、熱交換部22と、を備える。ガスエンジン21は、図示しない外部のガスタンクから供給されるLNGなどのガスを用いて発電しつつ、熱を発生させる。ガスエンジン21には、ガスエンジン21の動作状態、例えば、ピストン21aの回転数を検出する、回転センサ53が取り付けられている。熱交換部22は、ガスエンジン21で発生する熱によって加熱される比較的高温の熱媒体が流れるように形成されている。熱交換部22の一部は、供給側流路12の熱交換部12cと比較的広い面積で接触するように形成されている。これにより、熱交換部22を流れる熱媒体の熱を、供給側流路12を流れる水に効率的に伝えることができる(図1の白抜き矢印H1参照)。なお、熱供給装置20は、ガスエンジン発電機に限定されず、ガスタービンや燃料電池、灯油や廃棄物、メタンや都市ガスなどの可燃性ガスなど、可燃物を燃焼する燃焼器であってもよく、熱を発生する装置であればよい。
熱利用装置30は、いわゆる、吸着式ヒートポンプ(AHP)であって、吸着式空調部31と、熱交換部32と、を備える。吸着式空調部31は、図示しない吸着材を有しており、所定の温度以上の熱を利用して冷熱を発生させる。吸着式空調部31には、吸着式空調部31の出力を検出する、出力センサ54が取り付けられている。熱交換部32は、吸着式空調部31が備える図示しない吸着材に所定の温度範囲の熱を与えるための熱媒体が流れるように形成されている。熱交換部32の一部は、利用側流路13の熱交換部12cと比較的広い面積で接触するように形成されている。これにより、利用側流路13を流れる水の熱を、熱交換部32を流れる熱媒体に効率的に伝えることができる(図1の白抜き矢印H2参照)。なお、熱利用装置30は、吸着式ヒートポンプに限定されず、別の熱源や、暖房装置、給湯装置であってもよく、熱を利用して動作する装置であればよい。
吸着式空調部31は、利用側流路13の熱交換部13cを流れる水の温度が、所定の温度範囲であるとき、動作することができる。そこで、吸着式空調部31を動作させることができる、熱交換部13cを流れる水の温度範囲の下限値を「利用可能温度の下限値」とし、この温度範囲の上限値を「利用可能温度の上限値」とする。本実施形態では、吸着式空調部31の利用可能温度の下限値は、例えば、70(℃)であり、利用可能温度の上限値は、例えば、80(℃)である。すなわち、利用側流路13の熱交換部13cを流れる水の温度が70(℃)を下回ると熱利用装置30は動作しない。また、利用側流路13の熱交換部13cを流れる水の温度が80(℃)を上回ると、熱容量変更装置40によって、室温の水がタンク11内に流入し、同量の水がタンク11の外部に排出されることで、蓄熱装置10の熱の一部が廃棄され、水の温度が低下する。
本実施形態の蓄熱システム1では、タンク11の内部と、供給側流路12と、利用側流路13とによって、水の循環流路を形成している。これにより、供給側流路12において熱供給装置20から供給された熱は、蓄熱装置10を経由して、熱利用装置30に供給される。
熱容量変更装置40は、熱媒排出流路41と、熱媒取込流路42と、を備える。熱媒排出流路41と熱媒取込流路42とのそれぞれは、タンク11に接続される。熱媒排出流路41には、図示しない逆止弁が取り付けられており、タンク11から蓄熱システム1の外部に向かう水の流れを許容し(図1の実線矢印F41)、蓄熱システム1の外部からタンク11に向かう水の流れを遮断する。熱媒取込流路42には、図示しない逆止弁が取り付けられており、蓄熱システム1の外部からタンク11に向かう水の流れを許容し(図1の実線矢印F42)、タンク11から蓄熱システム1の外部に向かう水の流れを遮断する。熱媒排出流路41と熱媒取込流路42とのそれぞれには、それぞれの流路における水の流れを許容または遮断するバルブ41a、42aが取り付けられている。熱容量変更装置40は、バルブ41a、42aの開閉を制御することで、蓄熱装置10に収容されている水の量を変更する。これにより、主に、タンク11の熱容量とタンク11に収容されている水の熱容量との合計である、蓄熱装置10全体の熱容量を変更することができる。本実施形態の蓄熱装置10には、タンク11内の水の量が最も少ないため熱容量が最も小さくなる「熱容量下限値」と、タンク11内の水の量が最も多いため熱容量が最も大きくなる「熱容量上限値」が設定されている。
制御部50は、CPU50aと、記憶部50bと、図示しないROM/RAMと、を有する。制御部50は、蓄熱装置10の水量センサ51および水温センサ52と、熱供給装置20の回転センサ53と、熱利用装置30の出力センサ54とに電気的に接続している。また、制御部50は、熱供給装置20と、熱利用装置30と、ポンプ12a、13aと、バルブ12b、13b、41a、42aとに電気的に接続している。CPU50aは、回転センサ53が出力する値から熱供給装置20の作動状態を判定し、出力センサ54が出力する値から熱利用装置30の作動状態を判定する。CPU50aは、これらのセンサから出力された信号に基づいて、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、蓄熱システム全体の動作を制御する。CPU50aは、図示しない演算部を含んでおり、蓄熱システム1における各種の判定処理のための演算を行う。記憶部50bは、これら判定処理において算出される数値を記録する。
本実施形態の蓄熱システム1では、制御部50の指令によって熱供給装置20が始動すると、ガスの燃焼によって熱が発生する。熱供給装置20は、発生した熱を用いて、供給側流路12を流れる水を熱利用装置30の利用可能温度の下限値以上に加熱する。本実施形態では、熱利用装置30の利用可能温度の下限値は、70℃とする。熱供給装置20で加熱された水は、タンク11に収容される。その後、制御部50の指令によって熱利用装置30を始動するとき、制御部50は、ポンプ13aを駆動し、タンク11に収容されている水を熱利用装置30に供給する。熱利用装置30に供給された水は、熱交換部32において熱利用装置30の吸着材と熱交換する。これにより、吸着式空調部31は、冷熱を生成する。
本実施形態の蓄熱システム1では、制御部50は、蓄熱システム1に関する各種のパラメータを用いて演算を行い、複数の判定処理を行う。制御部50は、これらの判定処理の結果に応じて、蓄熱装置10の熱容量を調整し、熱利用装置30の始動性を向上しつつ、動作時間を長くする。
次に、制御部50が実行する複数の判定処理の詳細について説明する。これらの判定処理は、蓄熱システム1が起動することでスタートし、蓄熱システム1が動作している間、常時行われている。
最初に、熱供給の判定処理について説明する。この判定処理では、熱供給装置20の作動状態に応じて、蓄熱装置10の熱容量を調整する。具体的には、熱供給装置20が停止しているとき、すなわち、蓄熱装置10への入熱が0であるとき、熱供給装置20が動作しているときよりも蓄熱装置10の熱容量が小さくなるように、タンク11内の水を排出する。これにより、次に熱供給装置20が始動して蓄熱装置10に熱を供給するとき、蓄熱装置10の温度が上昇しやすくなる。
図2は、蓄熱システム1における熱利用の判定処理のフローチャートである。図3は、蓄熱システム1における熱容量変更の判定処理のフローチャートである。次に、熱利用の判定処理と熱容量変更の判定処理について説明する。本実施形態の蓄熱システム1では、制御部50は、熱利用の判定処理と熱容量変更の判定処理とを連続して行う。本実施形態では、図2および図3に示す判定処理に先立って、蓄熱装置10に収容されている水の温度を水温センサ52によって測定する。測定された水温は、制御部50の記憶部に記録される。
最初に、熱利用の判定処理として、蓄熱システム1の放熱量を計算する(ステップS11)。制御部50は、空気の熱伝達係数や、蓄熱システム1の表面積、特に、蓄熱装置10および熱利用装置30の表面積などを用いて、蓄熱システム1の放熱量を計算する。
次に、タンク11内の水の温度が、熱利用装置30の利用可能温度の下限値未満であるか否かを判定する(ステップS12)。制御部50は、本判定処理をスタートさせる前に測定したタンク11内の水の温度が、吸着式空調部31の利用可能温度の下限値未満の温度であるか否かを判定する。タンク11内の水の温度が利用可能温度の下限値未満である場合(ステップS12:YES)、制御部50は、熱利用装置30が利用する熱量(以下、「利用熱量」という)として、0を設定する(ステップS13)。これは、現在の蓄熱装置10の状態では、熱利用装置30は動作できないことを意味している。タンク11内の水の温度が利用可能温度の下限値以上である場合(ステップS12:NO)、制御部50は、利用熱量として、利用熱設定値を設定する(ステップS14)。この「利用熱設定値」は、熱利用装置30が動作するために必要な熱量である。
ステップS13およびステップS14の次に、供給熱量、利用熱量、放熱量、および、熱容量から、蓄熱装置10に収容されている水の温度を更新する(ステップS15)。ステップS15での「供給熱量」は、熱供給装置20が蓄熱装置10に供給する熱量を指しており、熱供給装置20が出力する定格熱量である。「利用熱量」は、ステップS13またはステップS14で設定された熱利用装置30の利用熱量(0、または、利用熱設定値)である。「放熱量」は、ステップS11で計算された蓄熱システム1の放熱量である。「熱容量」は、蓄熱システム1全体の熱容量であって、特に、蓄熱装置10および熱利用装置30の熱容量を指す。蓄熱装置10の熱容量は、蓄熱装置10に収容されている水の量によって変動するため、水量センサ51によって測定された値を用いて算出する。制御部50は、これらの数値を用いて、蓄熱システム1における熱の出入りを計算し、蓄熱装置10に収容されている水の温度を計算する。
次に、熱容量変更の判定処理として、タンク11内の水の温度が、熱利用装置30の利用可能温度の下限値未満であるか否かを判定する(ステップS16)。制御部50は、ステップS15において計算したタンク11内の水の温度が、吸着式空調部31の利用可能温度の下限値未満の温度であるか否かを判定する。タンク11内の水の温度が利用可能温度の下限値未満である場合(ステップS16:YES)、制御部50は、蓄熱装置10の熱容量を既定の熱容量下限値に変更する(ステップS17)。さらに、蓄熱装置10の熱容量を熱容量下限値に変更する場合、熱容量変更装置40の熱媒排出流路41を用いてタンク11内の水を排出する。制御部50は、排出される水とともに廃棄される熱(以下、「廃棄熱」という)を計算し(ステップS18)、判定処理をステップS24に進める。タンク11内の水の温度が利用可能温度の下限値以上である場合(ステップS16:NO)、制御部50は、判定処理をステップS19に進める。熱利用装置30の利用可能温度の下限値は、特許請求の範囲の「目標値」に相当する。
ステップS19では、タンク11内の水の温度が、熱利用装置30の利用可能温度の上限値未満であるか否かを判定する(ステップS19)。制御部50は、ステップS15において計算したタンク11内の水の温度が、吸着式空調部31の利用可能温度の上限値未満の温度であるか否かを判定する。タンク11内の水の温度が利用可能温度の上限値未満である場合(ステップS19:YES)、制御部50は、判定処理をステップS24に進める。タンク11内の水の温度が利用可能温度の上限値未満である場合(ステップS19:NO)、制御部50は、判定処理をステップS20に進める。熱利用装置30の利用可能温度の上限値は、特許請求の範囲に記載の「目標値」に相当する。
ステップS20では、タンク11内の水の温度が利用可能上限値になるように、熱容量を変更する(ステップS20)。制御部50は、熱容量変更装置40の熱媒取込流路42を用いて室温の水をタンク11内に流入させることで、蓄熱装置10の熱容量を増加する。これにより、タンク11内の水の温度が低下し、熱利用装置30の利用可能温度の上限値と同程度の温度にすることができる。
次に、蓄熱装置10の熱容量が熱容量上限値以下であるか否かを判定する(ステップS21)。制御部50は、ステップS20での蓄熱装置10の熱容量の変更によって、蓄熱装置10の熱容量が熱容量上限値以下となっているか否かを判定する。蓄熱装置10の熱容量が熱容量上限値以下となっている場合(ステップS21:YES)、制御部50は、判定処理をステップS24に進める。蓄熱装置10の熱容量が熱容量上限値以下となっていない場合(ステップS21:NO)、すなわち、タンク11内に水を流入させすぎたために、蓄熱装置10の熱容量が熱容量上限値より大きい場合、制御部50は、判定処理をステップS22に進める。熱容量上限値は、特許請求の範囲に記載の「目標値」に相当する。
ステップS22では、蓄熱装置10の熱容量を熱容量上限値に変更する(ステップS22)。ステップS20での熱容量の変更では、タンク11内の水温を下げるために、室温の水をタンク11の容量より多く入れてしまったおそれがあるため、蓄熱装置10から水を排出することで、蓄熱装置10の熱容量を既定の熱容量上限値に変更する(ステップS22)。さらに、タンク11内の水を排出するため、制御部50は、このときの廃棄熱を計算し(ステップS23)、判定処理をステップS24に進める。
最後に、変更された蓄熱装置10の熱容量を記録し(ステップS24)、今回の判定処理は終了する。今回の判定処理が終了した後は、水温センサ52で蓄熱装置10に収容されている水の温度を測定してから同じ判定処理を実行する。制御部50は、一定の時間間隔ごとに、上述の熱利用の判定処理(ステップS11からステップS15まで)と、熱容量変更の判定処理(ステップS16からステップS24まで)と、を実行する。
次に、本実施形態の蓄熱システム1の動作について説明する。ここでは、蓄熱システム1の動作として、特に、熱利用装置30が始動するときの動作と、熱利用装置30が停止するときの動作と、のそれぞれについて説明する。
図4は、蓄熱システムにおける熱の出入りを示すモデル図である。図4は、本実施形態の蓄熱システム1の0次元モデルの概略図を示しており、特に、蓄熱装置10と熱利用装置30について、それぞれの熱容量と、出入りする熱量の関係を模式的に示している。図4に記載されている文字のそれぞれは、以下のパラメータを指す。
・熱容量
hsd:蓄熱装置10の熱容量(=Ctan+Ctmm
tan:蓄熱装置10が備えるタンク11の熱容量
tmm:蓄熱装置10が備えるタンク11内の水の熱容量(下限値:Cmin、上限値:Cmax
ahp:熱利用装置30の熱容量
sum:蓄熱装置10の熱容量と熱利用装置30の熱容量との合計(Chsd+Caph
・熱量
in:熱供給装置20が供給する熱量(供給熱量)
out:熱利用装置30が利用する熱量(利用熱量)
dum:蓄熱装置10から廃棄される熱量(廃棄熱量)
roo:蓄熱システム1の放熱量
・温度
tmm:蓄熱装置10が備えるタンク11内の水の温度
図4に示すように、本実施形態の蓄熱システム1では、タンク11内の水の量を変更することで、熱容量変更装置40を用いることで、蓄熱装置10の熱容量を変更することができる。具体的には、タンク11内の水の熱容量を下限値Cminから上限値Cmaxまで変更することができる。これにより、蓄熱装置10の熱容量も、下限値(Ctan+Cmin)から、上限値(Ctan+Cmax)まで変更することができる。
次に、図4に示すモデルをベースとして、蓄熱システム1の動作における各種数値の変化について、シミュレーションを用いて計算を行い、評価した。以下に、今回のシミュレーションに用いたパラメータを、設定した数値とともに示す。
室温:Troo=25(℃)
大気の熱伝達率:h=0.1[kJ/(s・K・m2)]
蓄熱システムと空気との接触面積:A=1(m2
熱供給装置の供給熱設定値:Qin0=60(kJ/min)
蓄熱装置が備えるタンクの熱容量:Ctan=5(kJ/K)
蓄熱装置が備えるタンク内の水の温度:Ttmm=25(℃)
タンク内の水の熱容量下限値:Cmin=10(kJ/K)
タンク内の水の熱容量上限値:Cmax=60(kJ/K)
熱利用装置の利用熱設定値:Qout0=60(kJ/min)
熱利用装置の利用可能温度の下限値:Tmin=70(℃)
熱利用装置の利用可能温度の上限値:Tmax=80(℃)
熱利用装置の熱容量:Cahp=5(kJ/K)
シミュレーション上の終了時刻:tend=100(min)
今回のシミュレーションでは、蓄熱装置の熱容量が可変であることは、「タンク内の水の熱容量下限値」と「タンク内の水の熱容量上限値」とが異なることで示されている。
蓄熱システム1の動作について説明するにあたって、蓄熱装置の熱容量が一定の2種類の蓄熱システムの動作についても、本実施形態の蓄熱システム1の比較例として、同様のシミュレーションを行い、評価した。第1の比較例は、タンク内の水の熱容量が比較的小さい蓄熱システムであって、上述のパラメータリストにおける「タンク内の水の熱容量下限値」と「タンク内の水の熱容量上限値」とが同じ値である10(kJ/K)となる。第2の比較例は、タンク内の水の熱容量が比較的大きい蓄熱システムであって、上述のパラメータリストにおける「タンク内の水の熱容量下限値」と「タンク内の水の熱容量上限値」とが同じ値である60(kJ/K)となる。
図5は、本実施形態の熱利用装置30が始動するときの動作を説明する図である。最初に、熱利用装置30が始動するときの動作について説明する。図5には、図3で示したパラメータのうち、以下の6つのパラメータについての時間変化を示している。
tmm:蓄熱装置が備えるタンク内の水の温度
tmm:蓄熱装置が備えるタンク内の水の熱容量
in:熱供給装置が供給する熱量(供給熱量)
out:熱利用装置が利用する熱量(利用熱量)
dum:蓄熱装置から廃棄される熱量(廃棄熱量)
roo:蓄熱システムの放熱量
なお、図5の縦軸の数値は、単位時間当たりの熱量が記載されており、供給熱量Qinと、利用熱量Qout、廃棄熱量Qdum、および、放熱量Qrooが対応する。タンク内の水の温度Ttmmとタンク内の水の熱容量Ctmmは、それぞれに対応する値を示す点線を用いて、別途記載されている。
図5より、本実施形態の蓄熱システム1では、水の温度Ttmmが利用可能温度の下限値Tminより小さい状態で、供給熱量Qinが0より大きくなると(時間:0分)、タンク内の水は、供給熱量Qinを受け取り、温度が上昇する。蓄熱システム1では、熱利用装置30が停止しているとき、蓄熱装置10に収容されている水の熱容量を、熱利用装置30が動作しているときよりも相対的に大きい10(kJ/K)にしている。これにより、蓄熱装置10に収容される水の温度の上昇速度は、比較的大きい。水の温度Ttmmが利用可能温度の下限値Tminに達すると(時間t11)、熱利用装置30による熱利用が開始される(Qout<0)。これにより、本実施形態の蓄熱システム1では、熱利用装置30が始動するまでの時間は、供給熱量Qinが0より大きくなる時間0から利用熱量Qoutが0より小さくなるまでの時間t11となる。時間t11以降、水の温度上昇に使われる熱量が減少するため、水温の上昇速度は緩やかになる(時間t11から時間t12までの間)。水の温度Ttmmが利用可能温度の上限値Tmaxに達すると(時間t12)、水の温度Ttmmが上限値Tmaxで維持されるように、熱供給装置20によって加熱された水が蓄熱装置10に供給される。このため、タンク内の水の熱容量Ctmmが増加し、余剰熱が蓄熱装置10に蓄熱される。その後、水の熱容量Ctmmが水の熱容量上限値Cmaxである60(kJ/K)に到達すると、余剰熱は廃棄される(時間t13)。
本実施形態の蓄熱システム1では、制御部50は、熱利用装置30が動作を開始した直後(図5の時刻t12参照)から、蓄熱装置10に水を供給することで蓄熱装置10の熱容量を増大させる。これにより、熱利用装置30が動作している最中に、蓄熱装置10の熱容量を60(kJ/K)にする(図5の時刻t13参照)。
図6は、第1の比較例の熱利用装置が始動するときの動作を説明する図である。第1の比較例の蓄熱システムでは、上述したように、タンク内の水の熱容量が、一定の10(kJ/K)である。図6に示すように、0分において、タンク内の水は、供給熱量Qinを受け取り始めるため、温度が上昇する。このときの水の熱容量は、本実施形態の蓄熱システム1におけるタンク11内の水の熱容量の下限値Cminと同じ10(kJ/K)であるため、温度の上昇速度は、比較的大きい。したがって、本実施形態の蓄熱システム1と同じ程度の早さで、熱利用が開始される(Qout<0となる時間t21)。これにより、第1の比較例の蓄熱システムでは、熱利用装置が始動するまでの時間は、本実施形態と同じ程度の短さになる。しかしながら、タンク内の水の熱容量が小さいため、水の温度が利用可能温度の上限値Tmaxに到達するまでの時間も比較的短く、熱利用の開始直後に余剰熱が廃棄され始める(時間t22)。この時間t22は、本実施形態の時間t13より短いことから、余剰熱を多く廃棄していることになり、第1の比較例では、熱供給装置が供給する熱の利用効率が低い。
図7は、第2の比較例の熱利用装置が始動するときの動作を説明する図である。第2の比較例の蓄熱システムでは、上述したように、タンク内の水の熱容量が、一定の60(kJ/K)である。図7に示すように、0分において、タンク内の水は、供給熱量Qinを受け取り、温度が上昇する。しかしながら、水の熱容量は、本実施形態の蓄熱システム1におけるタンク11内の水の熱容量上限値Cmaxと同じ60(kJ/K)であるため、温度の上昇速度は、本実施形態や第1の比較例に比べ小さい。このため、第2の比較例の蓄熱システムにおいて、熱利用が開始される時間は、本実施形態の蓄熱システム1より遅い(時間t31)。一方、タンク内の水の熱容量は大きいため、水の温度が利用可能温度の上限値Tmaxに到達するまでの時間は比較的長くなる。第2の比較例における余剰熱が廃棄され始める時間(時間t32)は、第1の比較例に比べ長いものの、本実施形態に比べると短い。
図8は、図5から図7に示したそれぞれの蓄熱システムにおいて、熱利用装置が始動するときの動作に関する値を比較する図である。図8(a)は、供給熱量Qinが0より大きくなってから熱利用装置が始動するまでにかかった時間(以下、「始動時間」という)を比較した図である。図8(b)は、熱利用装置が冷熱を生成するのに利用した熱量を比較した図である。図8(a)に示すように、熱利用装置の始動時間は、本実施形態と、第1の比較例(熱容量小)とはほぼ同じであったが、第2の比較例(熱容量大)では、本実施形態の3倍以上の時間が必要になることが明らかとなった。また、図8(b)に示すように、熱利用装置が冷熱を生成するのに利用した熱では、第2の比較例は、始動時間が長いため、冷熱の生成に利用できた熱も少なくなることが明らかとなった。
図9は、本実施形態の熱利用装置30が停止するときの動作を説明する図である。次に、熱利用装置が停止するときの動作を説明する。図9には、供給熱量Qinが0になる時間を0分として、その後のタンク11内の水の温度Ttmm、タンク11内の水の熱容量Ctmm、供給熱量Qin、利用熱量Qout、廃棄熱量Qdum、および、放熱量Qrooの時間変化が示されている。本実施形態の蓄熱システム1では、上述したように、熱利用装置30が動作しているときに蓄熱装置10の熱容量を増大させており、図9に示すように、蓄熱装置10の熱容量は、最大の60(kJ/K)になっている。すなわち、蓄熱装置10には、熱利用装置30が利用可能な温度の熱媒体を比較的多く収容されている。これにより、蓄熱システム1では、比較的長い時間、蓄熱装置10に収容されている水の熱によって熱利用装置30を動作させることができる。したがって、供給熱量Qinが0になってからの時間t41において、利用熱量Qoutの絶対値が小さくなり始め、時間t42において、熱利用装置30が停止することが明らかとなった。今回のシミュレーションの条件では、時間t41は、約10分程度となる。
図10は、第1の比較例の熱利用装置が停止するときの動作を説明する図である。第1の比較例の蓄熱システムでは、タンク内の水の熱容量が、一定の10(kJ/K)であるため、図10に示すように、供給熱量Qinが0になってから利用熱量Qoutの絶対値が小さくなり始める時間t51は、本実施形態に比べ短くなる。これは、タンク内の水の熱容量が、本実施形態における熱利用装置30の停止時のタンク11内の水の熱容量に比べ小さいため、熱利用装置が動作可能な60(kJ)の熱を長時間供給することができないからである。今回のシミュレーションの条件では、時間t51は、3分程度となり、本実施形態に比べ1/3程度の時間となる。
図11は、第2の比較例の熱利用装置が停止するときの動作を説明する図である。第2の比較例の蓄熱システムでは、タンク内の水の熱容量が、一定の60(kJ/K)であるため、図11に示すように、供給熱量Qinが0になってから利用熱量Qoutの絶対値が小さくなり始める時間t61は、本実施形態と同じ程度の長さとなる。これは、タンク内の水の熱容量が、本実施形態における熱利用装置30の停止時のタンク11内の水の熱容量と同じだからである。今回のシミュレーションの条件では、時間t61は、約10分程度となる。
図12は、図9から図11に示したそれぞれの蓄熱システムにおいて、熱利用装置が停止するときの動作に関する値を比較する図である。図12(a)は、供給熱量Qinが0になってから熱利用装置が停止するまでの時間(以下、「持続時間」という)を示した図である。図12(b)は、熱利用装置が停止するまでに冷熱を生成するのに利用した熱量を比較した図である。図12(a)に示すように、持続時間は、本実施形態と、第2の比較例(熱容量大)とはほぼ同じであったが、第1の比較例(熱容量小)では、本実施形態の1/3程度の時間になることが明らかとなった。また、図12(b)に示すように、熱利用装置が冷熱を生成するのに利用できた熱の比較では、第1の比較例は、持続時間が短いため、冷熱の生成に利用できた熱も少なくなることが明らかとなった。
図13は、蓄熱システムの効果を比較する図である。図13は、図8と図12において説明した、熱利用装置の始動時間と、始動時の熱利用と、熱利用装置の持続時間と、停止時の熱利用とについて、比較した結果をまとめた表である。タンクの水の熱容量が相対的に小さい第1の比較例を蓄熱システム1に対して比較すると、始動時の特性(「始動時間」、および、「始動時の利用熱」)は同程度であるが、停止時の特性(「持続時間」、および、「停止時の利用熱」)は劣っている。また、タンクの水の熱容量が相対的に大きい第2の比較例を蓄熱システム1に対して比較すると、停止時の特性は同程度であるが、始動時の特性が劣っている。このように、本実施形態の蓄熱システム1は、第1の比較例と第2の比較例のそれぞれの優れた特性を有していることが明らかとなった。
以上説明した、本実施形態の蓄熱システム1によれば、熱容量変更装置40は、蓄熱装置10に収容されている水の量を変更することで、蓄熱装置10の熱容量を変更する。例えば、蓄熱装置10の熱容量を小さくすると蓄熱装置10の温度を上昇しやすくなるため、高温の水を短時間で蓄熱装置10に収容しやすくなる。これにより、短時間で高温の水を熱利用装置30に供給することができるため、蓄熱装置10からの熱の供給によって動作する熱利用装置30を短時間で動作させることができる。また、蓄熱装置10の熱容量を大きくすると、熱利用装置30が利用可能な温度の水が比較的多く収容されることとなるため、熱供給装置20からの熱の供給が0になっても、熱利用装置30が動作可能な温度の水を比較的長い時間供給することができる。このように、蓄熱装置10の熱容量を変更することで、熱利用装置30の動作を開始するとき、熱利用装置30が動作可能な温度の水を短時間で供給しつつ、熱利用装置30が動作可能な温度の水を比較的長い時間供給することができる。したがって、熱利用装置30の始動性を向上しつつ、動作時間を長くすることができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、熱利用装置30において、始動時間が短くなり、かつ、動作時間が長くなるため、蓄熱装置10に収容されている水の熱を利用する時間が長くなる。これにより、熱利用装置30が動作するために利用する熱量(総合利用熱量)を増大させることができるとともに、熱供給装置20が供給した熱量に対する利用した熱量の割合を向上させることができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、蓄熱装置10の熱容量を大きくすることで、熱利用装置30が動作可能な温度の水を、熱利用装置30に比較的長い時間供給することができる。これにより、熱利用装置30の動作における、熱供給装置20の運転状態に変動に伴う、熱の供給変動の影響を小さくすることができる。したがって、安定して熱利用装置30を動作させることができる。また、熱供給装置20が停止しても、蓄熱装置10に収容されている比較的多くの温水によって熱利用装置30を動作させることができるため、持続時間を延ばすことができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、熱容量変更装置40は、蓄熱装置10に収容されている水の少なくとも一部を蓄熱装置10から排出することで蓄熱装置10に収容されている水の量を減らし、蓄熱装置10の熱容量を小さくする。また、熱容量変更装置40は、蓄熱システム1の外部から熱媒体を蓄熱装置に供給することによって蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を増やし、蓄熱装置の熱容量を大きくする。これにより、蓄熱装置における熱媒体の出し入れによって蓄熱装置の熱容量を容易に変更することができるため、熱利用装置の始動性の向上と動作の長時間化の両立を簡単に行うことができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、制御部50は、水量センサ51が検出する蓄熱装置10における水量と、熱利用装置30の利用可能温度との関係に応じて、熱装置の熱容量を変更させる。これにより、蓄熱装置10に収容されている水の温度を熱利用装置30の利用可能温度に合うように、熱容量を変更することができるため、熱利用装置30の始動性の向上と動作の長時間化の両立を確実に行うことができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、制御部50は、熱供給装置20が停止しているとき、熱供給装置20が動作しているときよりも蓄熱装置10の熱容量を相対的に小さくする。これにより、蓄熱装置10の温度が上昇しやすくなるため、高温の水を短時間で蓄熱装置10に収容しやすくなる。したがって、さらに短時間で高温の水を熱利用装置30に供給することができるため、熱利用装置30の始動性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、制御部50は、熱利用装置30が停止しているとき、蓄熱装置10に収容されている水の少なくとも一部を蓄熱装置10から排出することで、熱利用装置30が動作しているときよりも、蓄熱装置10の熱容量を相対的に小さくする。これにより、蓄熱装置10に収容されている水の量は少なくなるため、熱供給装置20によって新たに加熱された水を蓄熱装置10に収容させても、蓄熱装置10に収容されている水の温度は低下しにくい。すなわち、熱供給装置20が蓄熱装置10に供給する高温の水は、高温のまま、蓄熱装置10に収容されることとなる。これにより、熱利用装置30の始動時に、動作可能な温度の水を速やかに供給することができるため、熱利用装置30の始動性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、制御部50は、熱利用装置30が動作しているとき、水を蓄熱装置10に供給することによって蓄熱装置10に収容されている水の量を増やし、熱利用装置30が停止しているときよりも、蓄熱装置10の熱容量を相対的に大きくする。蓄熱装置10に収容されている水は、熱供給装置20によって加熱され、改めて蓄熱装置10に収容されるため、蓄熱装置10には、熱利用装置30が動作している最中に、熱利用装置30を動作可能な温度の水を比較的多く貯めることができる。これにより、例えば、熱供給装置20からの熱の供給が停止して熱供給装置20から蓄熱装置10への熱供給に変動があっても、熱利用装置30への熱供給に変動は生じにくいため、熱利用装置30を継続して動作させることができる。したがって、熱利用装置30の動作時間をさらに長くすることができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、制御部50は、熱利用装置30の動作状況に応じて、蓄熱装置10の熱容量を変更させる。例えば、図5に示すように、熱利用装置30が動作を開始した直後、熱容量が比較的小さい蓄熱装置10に、水を供給することで蓄熱装置10の熱容量を増大させる。これにより、図9に示すように、熱供給装置20からの熱の供給が途絶えた後でも、熱利用装置30を動作可能な熱の水を長時間供給することができる。したがって、熱利用装置30の始動性のさらなる向上や、熱利用装置30の動作のさらなる長時間化を図ることができる。
また、本実施形態の蓄熱システム1によれば、蓄熱装置10は、水を収容するための単一のタンク11を備える。例えば、熱容量が異なる複数のタンクを備える場合、供給装置が熱媒体を供給するタンクを切り替える構成や、熱利用装置に熱媒体を供給するタンクを切り替える構成が必要となり、構成が複雑になるとともに、システムが大きくなる。蓄熱システム1では、単一のタンク11において、水の量を変更することで蓄熱装置10の熱容量を変更することができるため、簡便な構成で熱利用装置30の始動性の向上と動作の長時間化を両立することができる。
<第2実施形態>
図14は、第2実施形態の蓄熱システムの概略構成を示す模式図である。第2実施形態の蓄熱システム2は、第1実施形態の蓄熱システム1(図1)と比較すると、蓄熱装置から排出された熱媒体を還流する構成を備える点が異なる。
第2実施形態の蓄熱システム2は、蓄熱装置10と、熱供給装置20と、熱利用装置30と、熱容量変更装置40と、制御部50と、熱媒体供給装置60と、を備える。
熱媒体供給装置60は、蓄熱装置10と供給側流路12とに接続されている。熱媒体供給装置60は、収容部61と、接続流路62と、を備える。
収容部61は、熱容量変更装置40の熱媒排出流路41に接続されている。収容部61は、水を収容可能なタンクであって、熱媒排出流路41を介して蓄熱装置10から排出される水を一時的に収容する。
接続流路62は、収容部61と供給側流路12とに接続されている。接続流路62には、収容部61に収容されている水の一部を、供給側流路12に向けて圧送するポンプ62aと、接続流路62での水の流れを許容または遮断するバルブ62bと、が設けられている。接続流路62は、収容部61に収容されている水の一部を、供給側流路12に供給する。ポンプ62aとバルブ62bとは、制御部50と電気的に接続している。
蓄熱システム2では、蓄熱装置10の熱容量を変更するとき、蓄熱装置10から排出される水は、収容部61に収容される。収容部61に収容された水の一部は、制御部50からの指令に応じて、接続流路62を介して、供給側流路12に戻される。供給側流路12に戻された水は、熱供給装置20によって加熱され、蓄熱装置10に収容されることで、熱利用装置30が動作するときに熱源として利用される。
以上説明した、本実施形態の蓄熱システム2によれば、蓄熱装置10の熱容量を変更するために蓄熱装置10から排出された水の少なくとも一部は、供給側流路12に供給される。供給側流路12に供給された水は、供給側流路12において熱供給装置20によって加熱されたのち、蓄熱装置10に収容される。蓄熱装置10から排出された水は、熱供給装置20において少なくとも一回は加熱されている水である場合、その温度は、熱利用装置30が動作可能な温度でない場合でも比較的高いことが多い。これにより、熱媒体供給装置60から供給側流路12に供給された水は、熱供給装置20で加熱するときには、比較的少ない熱量で熱利用装置30を動作可能な温度とすることができる。したがって、蓄熱装置10から排出された水の熱を再利用することができるため、蓄熱システム2における熱利用率を向上させることができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上述の実施形態では、蓄熱装置10の熱容量を変更するとき、タンク11内の水をタンク11の外部に排出させたり、外部の水をタンク11に供給したりするとした。しかしながら、タンク11の水の量を変更させる方法は、これに限定されない。供給側流路12と、利用側流路13と、タンク11内とによって形成される流路を流れる水の量が変更できればよく、上述の実施形態では、例えば、熱容量小さくするために、蓄熱装置から取り除かれた熱媒体は、2つのポンプ12a、13aによって循環されない位置に収容されていればよい。
[変形例2]
上述の実施形態では、図2および図3に示す演算処理を用いて、タンク11の水量センサ51の検出値から蓄熱装置10の熱容量を変更するとした。しかしながら、蓄熱装置10の熱容量を変更するための演算処理は、これに限定されない。例えば、タンク11への水の流入量と、タンク11からの水の排出量とから、蓄熱装置10の熱容量を変更してもよい。
[変形例3]
上述の実施形態では、制御部50は、熱供給装置20が停止しているとき、または、熱利用装置30が停止しているとき、蓄熱装置10の熱容量を相対的に小さくするとした。しかしながら、蓄熱装置10の熱容量を相対的に小さくするタイミングは、これに限定されない。蓄熱装置10の熱容量は、熱利用装置30が動作を開始する直前に、相対的に小さい方が望ましい。熱利用装置30の始動に合わせて熱供給装置20が始動し高温の水が蓄熱装置10に供給されても、高温のまま蓄熱装置10に収容されるため、動作可能な温度の水を速やかに供給することができるからである。
[変形例4]
上述の実施形態では、制御部50は、熱供給装置20が停止しているとき、熱供給装置20が動作しているときに比べ、蓄熱装置10の熱容量を小さくするとした。この場合、蓄熱装置10の熱容量を小さくする条件として、熱供給装置20が停止しているときであって、今後も熱供給装置20が停止し続けると予定されている場合に、蓄熱装置10の熱容量を小さくするとしてもよい。
[変形例5]
上述の実施形態では、制御部は、熱利用装置30が動作しているとき、図5や図9に示すように、蓄熱装置10の熱容量を相対的に大きくするとした。しかしながら、蓄熱装置10の熱容量を相対的に大きくするタイミングは、これに限定されない。蓄熱装置10の熱容量は、熱供給装置20が停止する直前に、相対的に大きい方が望ましい。熱利用装置30を動作可能な温度の水を比較的多く貯めることができるからである。
[変形例6]
上述の実施形態では、熱媒体は、水であるとした。しかしながら、熱媒体の種類は、これに限定されない。熱媒体は、例えば、固体粒子の集合体や、水と固体物との組み合わせであってもよい。水と固体物との組み合わせの場合、水を流すことによって、熱供給装置や熱利用装置との熱交換を行い、蓄熱装置に収容させる固体物と水との熱交換によって、蓄熱装置に、熱が一時的に蓄えられればよい。この場合、蓄熱装置に収容されている固体物の一部を蓄熱装置から取り出したり、蓄熱装置内に新たに固体物を入れたりすることで、蓄熱装置の熱容量を変更することができる。
[変形例7]
第2実施形態では熱媒体供給装置60の収容部61は、熱容量変更装置40の熱媒排出流路41に接続されているとした。収容部61は、熱媒取込流路42にも接続されていてもよい。これにより、蓄熱装置10の熱容量を大きくするとき、収容部61に収容されている水を蓄熱装置10に戻すことができる。収容部61に収容された水は、室温より高い温度となっている場合が多いため、蓄熱装置10の温度をさほど低下させることなく、蓄熱装置10の熱容量を大きくすることができる。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,2…蓄熱システム
10…蓄熱装置
11…タンク
12…供給側流路
12a,13a…ポンプ
13…利用側流路
20…熱供給装置
30…熱利用装置
40…熱容量変更装置
41…熱媒排出流路
42…熱媒取込流路
50…制御部
51…水量センサ
52…水温センサ
60…熱媒体供給装置
hsd…蓄熱装置の熱容量

Claims (8)

  1. 蓄熱システムであって、
    熱媒体を収容する蓄熱装置と、
    前記蓄熱装置に接続された第1の循環流路を流通する熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体を前記蓄熱装置に供給する熱供給装置と、
    前記蓄熱装置に接続された第2の循環流路によって前記蓄熱装置から供給された熱媒体の熱で動作する熱利用装置と、
    前記第1の循環流路と、前記第2の循環流路と、前記蓄熱装置との間で熱媒体を循環させるポンプと、
    前記蓄熱装置に収容されている熱媒体の量を変更することで、前記蓄熱装置の熱容量を変更する熱容量変更装置と、を備える、
    蓄熱システム。
  2. 請求項1に記載の蓄熱システムであって、
    前記熱容量変更装置は、
    前記蓄熱装置に収容されている熱媒体の少なくとも一部を、前記蓄熱装置から排出することで前記蓄熱装置の熱容量を小さくし、
    前記蓄熱システムの外部から熱媒体を前記蓄熱装置に供給することによって前記蓄熱装置の熱容量を大きくする、
    蓄熱システム。
  3. 請求項2に記載の蓄熱システムは、さらに、
    前記蓄熱装置の熱容量に関連する値を検出する熱容量検出部と、
    前記熱容量検出部が検出する前記蓄熱装置の熱容量に関連する値と目標値との関係に応じて、前記蓄熱装置の熱容量を変更させる制御部と、を備える、
    蓄熱システム。
  4. 請求項3に記載の蓄熱システムであって、
    前記制御部は、前記熱供給装置が停止しているとき、前記熱供給装置が動作しているときよりも前記蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくする、
    蓄熱システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載の蓄熱システムであって、
    前記制御部は、前記熱利用装置が停止しているとき、前記熱利用装置が動作しているときよりも前記蓄熱装置の熱容量を相対的に小さくする、
    蓄熱システム。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の蓄熱システムであって、
    前記制御部は、前記熱利用装置の動作状況に応じて、前記蓄熱装置の熱容量を変更させる、
    蓄熱システム。
  7. 請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の蓄熱システムは、さらに、
    前記蓄熱装置と前記第1の循環流路に接続されており、前記蓄熱装置から排出された熱媒体の少なくとも一部を前記第1の循環流路に供給する熱媒体供給装置を備え、
    前記熱媒体供給装置によって前記第1の循環流路に供給された熱媒体は、前記第1の循環流路において前記熱供給装置によって加熱されたのち、前記蓄熱装置に収容される、
    蓄熱システム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の蓄熱システムであって、
    前記蓄熱装置は、前記熱媒体を収容するための単一のタンクを備える、
    蓄熱システム。
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