JP2022135270A - 気化装置及び蒸着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、固体状の薄膜形成材料を除去した薄膜材料ガスを供給できる気化装置及び基材に固体状の薄膜形成材料が付着することを防止できる蒸着装置を提供する。
【解決手段】材料供給配管部を介して材料気化部の上部と接続された材料供給部と、キャリアガス供給配管部を介して材料気化部の下部と接続されたキャリアガス供給部と、キャリアガス供給部から供給されたキャリアガスによって材料供給部から供給された薄膜形成材料を気化させて薄膜材料ガスを形成し、ガス排出部側に薄膜材料ガスを供給する材料気化部と、材料気化部とガス排出部の間に設けられ、材料気化部内の薄膜材料ガスのガス排出部側への移動を許容し、かつ薄膜形成材料のガス排出部側への移動を規制する第1フィルター部材を備える構成とする。
【選択図】図4
【解決手段】材料供給配管部を介して材料気化部の上部と接続された材料供給部と、キャリアガス供給配管部を介して材料気化部の下部と接続されたキャリアガス供給部と、キャリアガス供給部から供給されたキャリアガスによって材料供給部から供給された薄膜形成材料を気化させて薄膜材料ガスを形成し、ガス排出部側に薄膜材料ガスを供給する材料気化部と、材料気化部とガス排出部の間に設けられ、材料気化部内の薄膜材料ガスのガス排出部側への移動を許容し、かつ薄膜形成材料のガス排出部側への移動を規制する第1フィルター部材を備える構成とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、キャリアガスを用いて薄膜形成材料を気化させる気化装置及びキャリアガスを用いて薄膜形成材料を気化させた薄膜形成ガスを含む製膜ガスによって蒸着する蒸着装置に関する。
従来から、基材上に有機EL素子が積層され、有機EL素子で発生した光を基材側から取り出すボトムエミッション型の有機EL装置が知られている。
ボトムエミッション型の有機EL装置300の代表的な層構成は、図6のようなものであり、透明基板301上に透明電極層302、発光機能層303、及び裏面電極層304から構成される有機EL素子が積層されたものである。
この発光機能層303は、多層の有機化合物層が積層されて構成されており、例えば、図6のように透明電極層302側から裏面電極層304側に向けて順に正孔注入層310、正孔輸送層311、有機発光層312、電子輸送層313、及び電子注入層314が積層されたものがある。
ボトムエミッション型の有機EL装置300の代表的な層構成は、図6のようなものであり、透明基板301上に透明電極層302、発光機能層303、及び裏面電極層304から構成される有機EL素子が積層されたものである。
この発光機能層303は、多層の有機化合物層が積層されて構成されており、例えば、図6のように透明電極層302側から裏面電極層304側に向けて順に正孔注入層310、正孔輸送層311、有機発光層312、電子輸送層313、及び電子注入層314が積層されたものがある。
ここで、有機EL装置300は、透明電極層302がスパッタ法又はCVD法で形成され、残りの発光機能層303の各層310~314と裏面電極層304が真空蒸着法を用いて形成されることが多い。すなわち、有機EL装置300の高性能化には、真空蒸着法を行う真空蒸着装置の高機能化が重要である。
有機EL装置300の製造に使用される真空蒸着装置の一例としては、例えば、特許文献1に記載の蒸着装置がある。
特許文献1の蒸着装置は、蒸発室で粉体状の薄膜形成材料を加熱し、気化させて蒸気を生成し、キャリアガスで蒸気を製膜室まで流送し、製膜室内においてキャリアガスと蒸気の混合ガスを基材に対して吹き付ける構造となっている。
特許文献1の蒸着装置は、蒸発室で粉体状の薄膜形成材料を加熱し、気化させて蒸気を生成し、キャリアガスで蒸気を製膜室まで流送し、製膜室内においてキャリアガスと蒸気の混合ガスを基材に対して吹き付ける構造となっている。
ところで、特許文献1の蒸着装置は、キャリアガスによって粉体状の薄膜形成材料を気化又は昇華させて蒸気とするため、キャリアガスの熱量が十分でない場合、薄膜形成材料が完全に気化せずに粉体のまま基材に到達し、基材上に粉体状の薄膜形成材料が付着して異常の原因となるおそれがある。
そこで、本発明は、固体状の薄膜形成材料を除去した薄膜材料ガスを供給できる気化装置及び基材に固体状の薄膜形成材料が付着することを防止できる蒸着装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、材料気化部と、材料供給部と、材料供給配管部と、キャリアガス供給部と、キャリアガス供給配管部と、ガス排出部と、第1フィルター部材を有し、前記材料供給部は、前記材料供給配管部を介して前記材料気化部の上部と接続され、固体状の薄膜形成材料を前記材料気化部に供給可能であり、前記キャリアガス供給部は、前記キャリアガス供給配管部を介して前記材料気化部の下部と接続され、前記薄膜形成材料の沸点又は昇華点以上の温度のキャリアガスを前記材料気化部に供給可能であり、前記材料気化部は、前記キャリアガス供給部から供給された前記キャリアガスによって前記材料供給部から供給された前記薄膜形成材料を気化させて薄膜材料ガスを形成し、前記ガス排出部側に前記薄膜材料ガスを供給可能であり、前記第1フィルター部材は、前記材料気化部と前記ガス排出部の間に設けられ、前記材料気化部内の前記薄膜材料ガスの前記ガス排出部側への移動を許容し、かつ前記薄膜形成材料の前記ガス排出部側への移動を規制する、気化装置である。
ここでいう「気化」とは、液体が気体に変わる現象(蒸発、沸騰)だけではなく、固体が液体を経ずに直接気体に変わる現象(昇華)も含む。以下、同様とする。
本様相によれば、材料気化部とガス排出部の間に、薄膜材料ガスの移動を許容し、かつ薄膜形成材料の移動を規制する第1フィルター部材が設けられているため、ガス排出部から排出される薄膜材料ガスに薄膜形成材料が混ざることを防止できる。
好ましい様相は、前記材料気化部内、又は前記材料気化部と前記キャリアガス供給部との間に設けられ、前記材料気化部内の前記薄膜形成材料の前記キャリアガス供給部側への移動を規制する第2フィルター部材を備えることである。
本様相によれば、薄膜形成材料の移動を規制する第2フィルター部材が設けられているため、キャリアガス供給部側に薄膜形成材料が移動することを防止できる。
より好ましい様相は、前記第2フィルター部材は、前記材料気化部内を上下に仕切るように設けられており、前記材料気化部は、前記第2フィルター部材上で前記薄膜形成材料を気化して前記薄膜材料ガスを形成可能であることである。
本様相によれば、第2フィルター部材によってトラップされた薄膜形成材料を薄膜材料ガスに気化でき、より薄膜形成材料の残渣を少なくすることができる。
より好ましい様相は、記第2フィルター部材は、前記材料気化部内を上下に仕切るように設けられており、前記材料気化部は、前記第2フィルター部材と前記キャリアガス供給配管部との間に空間を有することである。
本様相によれば、第2フィルター部材と前記キャリアガス供給配管部との間に空間を有する。そのため、空間内で拡散された状態でキャリアガスを第2フィルター部材に通過させることができ、より効率的に薄膜形成材料を気化できる。
好ましい様相は、前記ガス排出部は、前記材料供給配管部の周囲を囲繞するように設けられていることである。
本様相によれば、よりコンパクト化が可能である。
好ましい様相は、前記材料気化部は、筒状であって、中心軸に対して直交する断面の開口面積が前記材料供給配管部の中心軸に対して直交する断面の開口面積よりも大きいことである。
本様相によれば、より薄膜形成材料にキャリアガスを晒すことができ、効率的に薄膜材料ガスを形成できる。
好ましい様相は、前記材料気化部は、円筒状であり、前記薄膜形成材料は、粉体状であり、以下の式(1)を満たすことである。
なお、Fは前記キャリアガスの流量[m3/s]を表し、dは前記材料気化部の内径[m]を表し、Dpは前記薄膜形成材料の最大粒子径[m]を表し、mは前記薄膜形成材料の重量[kg]を表し、gは重力加速度[m/s2]を表し、μは前記キャリアガスの粘性係数[Pa・s]を表す。
本様相によれば、より効率的に薄膜形成材料にキャリアガスを晒すことができる。
好ましい様相は、前記材料供給配管部は、前記材料供給部側から前記材料気化部側に向かって第1配管部と第2配管部を有し、前記第2配管部の内径は、前記第1配管部の内径よりも大きいことである。
本様相によれば、第2配管部の内径が第1配管部の内径よりも大きいため、薄膜形成材料が材料気化部側から材料供給部側に逆流しにくい。
好ましい様相は、前記材料供給部は、真空室内に、前記薄膜形成材料を一時的に貯留する材料供給装置と、前記材料供給配管部側に向かって前記薄膜形成材料を導入する材料導入部を有し、前記材料供給装置は、前記材料導入部の上方に材料排出部を有し、前記材料排出部から所定量の前記薄膜形成材料を排出可能であり、前記材料排出部から前記薄膜形成材料が前記材料導入部に向かって落下し、前記薄膜形成材料が前記材料導入部から前記材料供給配管部側に導入されることである。
本様相によれば、材料供給装置で貯留された薄膜形成材料と、材料導入部から材料供給配管部に導入される薄膜形成材料が真空室内で縁切りされるため、材料供給装置内と材料排出部との間で差圧が生じることがなく、安定した雰囲気で薄膜形成用材料を移送することが可能である。
本発明の一つの様相は、上記した気化装置と、製膜室と、前記気化装置と前記製膜室を接続する供給流路を有し、前記製膜室内で前記薄膜材料ガスを含む製膜ガスを基材に対して吹き付けて製膜する、蒸着装置である。
本様相によれば、基材に固体状の薄膜形成材料が付着することを防止できる。
本発明の気化装置によれば、固体状の薄膜形成材料を除去した薄膜材料ガスを供給できる。
本発明の蒸着装置によれば、基材に固体状の薄膜形成材料が付着することを防止できる。
本発明の蒸着装置によれば、基材に固体状の薄膜形成材料が付着することを防止できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の蒸着装置1は、上述したような図6に示される有機EL装置300の発光機能層303の各層310~314及び裏面電極層304の形成に好適に使用される真空蒸着装置である。
蒸着装置1は、図1のように、主に製膜部2と、気化部3を有している。
蒸着装置1は、気化部3の気化装置40において有機材料を含む薄膜形成材料を気化又は昇華させて薄膜形成材料の蒸気(以下、薄膜材料ガスともいう)を生成し、製膜部2において薄膜材料ガスを含む製膜ガスを基材100に吹き付けることで基材100上に薄膜を形成する真空蒸着装置である。
製膜ガスは、少なくとも薄膜材料ガスを含有する蒸気含有ガスであり、具体的には、薄膜材料ガスにキャリアガスが混ざった混合ガスである。
蒸着装置1は、気化部3の気化装置40において有機材料を含む薄膜形成材料を気化又は昇華させて薄膜形成材料の蒸気(以下、薄膜材料ガスともいう)を生成し、製膜部2において薄膜材料ガスを含む製膜ガスを基材100に吹き付けることで基材100上に薄膜を形成する真空蒸着装置である。
製膜ガスは、少なくとも薄膜材料ガスを含有する蒸気含有ガスであり、具体的には、薄膜材料ガスにキャリアガスが混ざった混合ガスである。
製膜部2は、図1のように、製膜室10内に基材保持部11と蒸着ヘッド12が配されている。
製膜部2は、蒸着ヘッド12を介して、基材保持部11に保持された基材100に向かって製膜ガスを吹き付けることで基材100上に所望の薄膜の製膜が可能となっている。
製膜部2は、蒸着ヘッド12を介して、基材保持部11に保持された基材100に向かって製膜ガスを吹き付けることで基材100上に所望の薄膜の製膜が可能となっている。
製膜部2は、図示しない排気系が接続されており、排気系によって製膜室10内を排気し、製膜室10内を実質的に真空状態とすることが可能となっている。
基材保持部11は、基材100を保持可能な部位であり、図示しないゲートを介して基材100を製膜室10に搬入及び搬出可能となっている。
蒸着ヘッド12は、ガス放出口を有し、ガス放出口が基材保持部11に保持された基材100と対面し、ガス放出口から製膜ガスを基材100に吹き付ける部位である。
蒸着ヘッド12は、供給流路15を介して気化部3の気化装置40と接続されている。
蒸着ヘッド12は、供給流路15を介して気化部3の気化装置40と接続されている。
供給流路15は、図1のように、蒸着ヘッド12と気化室51を繋ぐ流路であり、蒸着ヘッド12側から順に、第1供給経路20と、第2供給経路21と、第3供給経路22によって構成されている。
第1供給経路20の中途には、開閉弁25が設けられており、第3供給経路22には、開閉弁26が設けられている。
第1供給経路20の中途には、開閉弁25が設けられており、第3供給経路22には、開閉弁26が設けられている。
供給流路15の開閉弁25,26の間には、排気流路30を介して排気系31が接続されており、排気流路30の中途には、排気弁32が接続されている。すなわち、排気流路30は、第1供給経路20に接続されており、第1供給経路20を経て蒸着ヘッド12内のガスを排気することが可能となっている。
気化部3は、薄膜材料ガスを含む蒸気含有ガスを発生させ、発生した蒸気含有ガスを製膜ガスとして製膜部2の蒸着ヘッド12に供給するものである。
気化部3は、図1のように、気化装置40と、ガス供給部41を備えている。
気化装置40は、図1,図2のように、主に気化室51と、材料供給部52と、ガス供給部53,54と、材料供給配管部55と、ガス供給配管部56と、第1フィルター部材58と、第2フィルター部材59を備えている。
気化部3は、図1のように、気化装置40と、ガス供給部41を備えている。
気化装置40は、図1,図2のように、主に気化室51と、材料供給部52と、ガス供給部53,54と、材料供給配管部55と、ガス供給配管部56と、第1フィルター部材58と、第2フィルター部材59を備えている。
気化室51は、図2のように、円筒状であって上下方向に延びた鉛直直管であり、薄膜形成材料を気化又は昇華させて薄膜材料ガスを生成する部位である。
気化室51は、円筒状であって、第1フィルター部材58によって上下に区切られて、材料気化部60と、ガス排出部61を備えている。
材料気化部60は、薄膜形成材料を瞬間的に気化又は昇華させるフラッシュ蒸発を行うことが可能な部位である。
材料気化部60は、内部に内部空間65を有しており、内部空間65が第2フィルター部材59によって上部空間66と、下部空間67に上下に分割されている。
材料気化部60は、薄膜形成材料を瞬間的に気化又は昇華させるフラッシュ蒸発を行うことが可能な部位である。
材料気化部60は、内部に内部空間65を有しており、内部空間65が第2フィルター部材59によって上部空間66と、下部空間67に上下に分割されている。
上部空間66は、第2フィルター部材59の上部にあって、薄膜形成材料を気化して薄膜材料ガスを生成する気化空間である。
上部空間66は、材料供給配管部55と連通しており、第1フィルター部材58を介してガス排出部61と連通している。
下部空間67は、第2フィルター部材59の下部にある空間であり、ガス供給配管部56と連通している。
上部空間66は、材料供給配管部55と連通しており、第1フィルター部材58を介してガス排出部61と連通している。
下部空間67は、第2フィルター部材59の下部にある空間であり、ガス供給配管部56と連通している。
材料気化部60の内径dは、以下の式(1)を満たすように設けられている。
なお、Fはキャリアガスの流量[m3/s]を表し、dは材料気化部60の内径[m]を表し、Dpは薄膜形成材料の最大粒子径[m]を表し、mは薄膜形成材料の重量[kg]を表し、gは重力加速度[m/s2]を表し、μはキャリアガスの粘性係数[Pa・s]を表す。
また、薄膜形成材料の最大粒径は、既知の開口径を有するふるいにかけて、開口径よりも径が大きい粒子を除外することで規定できる。
また、薄膜形成材料の最大粒径は、既知の開口径を有するふるいにかけて、開口径よりも径が大きい粒子を除外することで規定できる。
ガス排出部61は、材料気化部60の上部に設けられ、供給流路15の開閉弁26側に向かって薄膜材料ガスを排出する部位である。
ガス排出部61は、上下方向に延び、上方側が閉塞した円筒状となっており、側面に第3供給経路22が接続され、上面に第2配管部91を挿通可能な挿通孔95が形成されている。
ガス排出部61は、上下方向に延び、上方側が閉塞した円筒状となっており、側面に第3供給経路22が接続され、上面に第2配管部91を挿通可能な挿通孔95が形成されている。
材料供給部52は、材料供給配管部55を介して気化室51の材料気化部60に固体状の薄膜形成材料及びキャリアガスを定量的に供給する材料供給機構であり、薄膜形成材料を一時的に保管する保管容器でもある。
材料供給部52は、ガス供給部53から供給されたキャリアガスによって材料供給配管部55を介して薄膜形成材料を材料気化部60側に送り出すことが可能となっている。
材料供給部52は、ガス供給部53から供給されたキャリアガスによって材料供給配管部55を介して薄膜形成材料を材料気化部60側に送り出すことが可能となっている。
材料供給部52は、図3のように、真空室70と、材料保管部71と、材料供給装置72と、材料導入部73と、材料移送配管部74と、ガス移送配管部75を備えている。
真空室70は、図示しない排気系が接続されており、排気系によって真空室70内を排気し、真空室70内を実質的に真空状態とすることが可能となっている。
材料保管部71は、真空室70の外部に設けられ、薄膜形成材料を保管する部位である。
材料供給装置72は、所定量の薄膜形成材料を材料導入部73に供給する装置であり、本体部80と、材料受け部81と、材料排出部82を備えている。
本体部80は、一時的に薄膜形成材料を保管する部位である。
材料受け部81は、材料保管部71から真空室70内の雰囲気を介して薄膜形成材料を受け取り、受け取った薄膜形成材料を本体部80内に導入する部位である。
材料排出部82は、真空室70内の雰囲気を介して本体部80内の薄膜形成材料を定量的に材料導入部73に排出する部位である。
真空室70は、図示しない排気系が接続されており、排気系によって真空室70内を排気し、真空室70内を実質的に真空状態とすることが可能となっている。
材料保管部71は、真空室70の外部に設けられ、薄膜形成材料を保管する部位である。
材料供給装置72は、所定量の薄膜形成材料を材料導入部73に供給する装置であり、本体部80と、材料受け部81と、材料排出部82を備えている。
本体部80は、一時的に薄膜形成材料を保管する部位である。
材料受け部81は、材料保管部71から真空室70内の雰囲気を介して薄膜形成材料を受け取り、受け取った薄膜形成材料を本体部80内に導入する部位である。
材料排出部82は、真空室70内の雰囲気を介して本体部80内の薄膜形成材料を定量的に材料導入部73に排出する部位である。
材料導入部73は、材料排出部82から真空室70内の雰囲気を介して薄膜形成材料を受け取り、受け取った薄膜形成材料を材料供給配管部55内に導入する部位である。
材料移送配管部74は、真空室70の内外に延び、真空室70の外部にある材料保管部71内の薄膜形成材料を真空室70の内部にある材料受け部81に向かって移送する配管である。材料移送配管部74の中途には、開閉弁85が設けられている。
ガス移送配管部75は、ガス供給部53から供給されたキャリアガスを真空室70内に導入する配管であり、ガス移送配管部75の中途には、開閉弁86が設けられている。
材料移送配管部74は、真空室70の内外に延び、真空室70の外部にある材料保管部71内の薄膜形成材料を真空室70の内部にある材料受け部81に向かって移送する配管である。材料移送配管部74の中途には、開閉弁85が設けられている。
ガス移送配管部75は、ガス供給部53から供給されたキャリアガスを真空室70内に導入する配管であり、ガス移送配管部75の中途には、開閉弁86が設けられている。
材料側ガス供給部53は、材料供給部52にキャリアガスを供給し、薄膜形成材料の気化室51への供給量を調節する部位である。
材料側ガス供給部53は、キャリアガスの供給源の下流側に熱交換器やマスフローコントローラーを備え、所定の温度で所定の流量のキャリアガスを材料供給部52に供給可能となっている。
気化側ガス供給部54(キャリアガス供給部)は、図2のように、気化室51の材料気化部60にキャリアガスを供給し、薄膜形成材料の気化量を調節する部位である。
気化側ガス供給部54は、キャリアガスの供給源の下流側に熱交換器やマスフローコントローラーを備え、所定の温度で所定の流量のキャリアガスを材料気化部60に供給可能となっている。
すなわち、気化側ガス供給部54は、材料側ガス供給部53で供給されるキャリアガスよりも高温のキャリアガスを供給可能となっており、薄膜形成材料の沸点又は昇華点以上の温度のキャリアガスを供給可能となっている。
材料側ガス供給部53は、キャリアガスの供給源の下流側に熱交換器やマスフローコントローラーを備え、所定の温度で所定の流量のキャリアガスを材料供給部52に供給可能となっている。
気化側ガス供給部54(キャリアガス供給部)は、図2のように、気化室51の材料気化部60にキャリアガスを供給し、薄膜形成材料の気化量を調節する部位である。
気化側ガス供給部54は、キャリアガスの供給源の下流側に熱交換器やマスフローコントローラーを備え、所定の温度で所定の流量のキャリアガスを材料気化部60に供給可能となっている。
すなわち、気化側ガス供給部54は、材料側ガス供給部53で供給されるキャリアガスよりも高温のキャリアガスを供給可能となっており、薄膜形成材料の沸点又は昇華点以上の温度のキャリアガスを供給可能となっている。
材料供給配管部55は、材料供給部52と気化室51を接続する接続配管であり、図2のように、材料供給部52側から気化室51側に向かって、第1配管部90と、第2配管部91を有している。
材料供給配管部55は、第1配管部90と第2配管部91が開閉弁92を介して接続されており、第2配管部91の中途には流量調整弁93が設けられている。
第2配管部91の内径は、薄膜形成材料の流れ方向の上流側に位置する第1配管部90の内径よりも大きく、第1配管部90の内径の1.5倍以上3倍以下であることが好ましい。
第2配管部91の内径は、薄膜形成材料の流れ方向の下流側に位置する気化室51の内径dよりも小さく、気化室51の内径は、第2配管部91の内径の1.5倍以上3倍以下であることが好ましい。
材料供給配管部55は、第1配管部90と第2配管部91が開閉弁92を介して接続されており、第2配管部91の中途には流量調整弁93が設けられている。
第2配管部91の内径は、薄膜形成材料の流れ方向の上流側に位置する第1配管部90の内径よりも大きく、第1配管部90の内径の1.5倍以上3倍以下であることが好ましい。
第2配管部91の内径は、薄膜形成材料の流れ方向の下流側に位置する気化室51の内径dよりも小さく、気化室51の内径は、第2配管部91の内径の1.5倍以上3倍以下であることが好ましい。
開閉弁92は、第1配管部90の内部空間と第2配管部91の内部空間を仕切る仕切り弁であり、例えば、ボール弁が使用できる。
流量調整弁93は、第2配管部91の内部空間を仕切り、薄膜形成材料の通過する流量を調整する弁であり、例えば、グローブ弁が使用できる。
流量調整弁93は、第2配管部91の内部空間を仕切り、薄膜形成材料の通過する流量を調整する弁であり、例えば、グローブ弁が使用できる。
ガス供給配管部56(キャリアガス供給配管部)は、気化室51の材料気化部60と気化側ガス供給部54を接続する接続配管であり、中途に開閉弁97を有している。
第1フィルター部材58は、図2のように、材料気化部60とガス排出部61の境界部分に設けられ、材料気化部60とガス排出部61を区画するフィルターである。
第1フィルター部材58は、材料気化部60内の薄膜材料ガスのガス排出部61側への移動を許容し、かつ固体状の薄膜形成材料のガス排出部61側への移動を規制する部材である。
第1フィルター部材58は、円環状のシートであり、中央に開口部96を備えている。
第1フィルター部材58は、薄膜形成材料が実質的に通過不能な複数のガス通過孔が設けられている。
ここでいう「実質的に通過不能」とは、99.9%以上のものが通過不能である状態をいう。すなわち、「薄膜形成材料が実質的に通過不能」とは、薄膜形成材料の99.9%以上が通過不能である状態をいう。以下、同様とする。
第1フィルター部材58は、材料気化部60内の薄膜材料ガスのガス排出部61側への移動を許容し、かつ固体状の薄膜形成材料のガス排出部61側への移動を規制する部材である。
第1フィルター部材58は、円環状のシートであり、中央に開口部96を備えている。
第1フィルター部材58は、薄膜形成材料が実質的に通過不能な複数のガス通過孔が設けられている。
ここでいう「実質的に通過不能」とは、99.9%以上のものが通過不能である状態をいう。すなわち、「薄膜形成材料が実質的に通過不能」とは、薄膜形成材料の99.9%以上が通過不能である状態をいう。以下、同様とする。
第2フィルター部材59は、材料気化部60内に設けられ、材料気化部60内の薄膜形成材料の気化側ガス供給部54側への移動を規制する部材である。
第2フィルター部材59は、円形状のシートであり、薄膜形成材料が実質的に通過不能な複数のガス通過孔が設けられている。
第2フィルター部材59は、円形状のシートであり、薄膜形成材料が実質的に通過不能な複数のガス通過孔が設けられている。
ここで、気化装置40の各構成部位の位置関係について説明する。
気化装置40は、図2のように、材料供給配管部55の第2配管部91の一部が気化室51内に挿入されており、ガス排出部61の挿通孔95を通過して材料気化部60内に位置している。
ガス排出部61は、材料気化部60の上部に接続され、第2配管部91を囲繞するように設けられている。
気化室51、第1配管部90、及び第2配管部91は、いずれも中心軸が同軸となっている。
気化室51と第2配管部91は、二重筒状となっており、材料気化部60の内壁と第2配管部91の外壁との間には隙間が形成され、当該隙間を閉塞するように第1フィルター部材58が形成されている。
第2配管部91は、第1フィルター部材58の開口部96に挿入されており、第1フィルター部材58の縁部分が気化室51の内壁によって保持されている。
ガス排出部61は、材料気化部60の上部に接続され、第2配管部91を囲繞するように設けられている。
気化室51、第1配管部90、及び第2配管部91は、いずれも中心軸が同軸となっている。
気化室51と第2配管部91は、二重筒状となっており、材料気化部60の内壁と第2配管部91の外壁との間には隙間が形成され、当該隙間を閉塞するように第1フィルター部材58が形成されている。
第2配管部91は、第1フィルター部材58の開口部96に挿入されており、第1フィルター部材58の縁部分が気化室51の内壁によって保持されている。
ガス供給部41は、図1のように、供給流路15の開閉弁25,26の間に接続経路98を介して接続され、蒸着ヘッド12から放出される製膜ガスの総流量を調節し、製膜速度を調整する部位である。
ガス供給部41は、キャリアガスの供給源の下流側に熱交換器やマスフローコントローラーを備え、接続経路98を介して、所定の温度で所定の流量のキャリアガスを供給流路15に供給可能となっている。
ガス供給部41は、キャリアガスの供給源の下流側に熱交換器やマスフローコントローラーを備え、接続経路98を介して、所定の温度で所定の流量のキャリアガスを供給流路15に供給可能となっている。
接続経路98は、ガス供給部41と供給流路15を接続する接続配管であり、中途に開閉弁99が設けられている。
薄膜形成材料は、キャリアガスで加熱することで薄膜材料ガスが発生するものである。本実施形態で使用する薄膜形成材料は、主に、有機EL装置300の発光機能層303の各層310~314を構成する有機材料や裏面電極層304を構成する金属材料などの有機EL材料であり、常温で粉体状の固体材料である。
ガス供給部41,53,54で供給されるキャリアガスは、所定の温度に加熱された加熱キャリアガスである。
キャリアガスの温度は、薄膜形成材料の沸点や昇華点、供給場所等によって適宜変更されるものであり、例えば、摂氏100度以上摂氏700度以下であることが好ましい。
キャリアガスは、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスであることが好ましく、窒素ガスであることがより好ましい。
キャリアガスの温度は、薄膜形成材料の沸点や昇華点、供給場所等によって適宜変更されるものであり、例えば、摂氏100度以上摂氏700度以下であることが好ましい。
キャリアガスは、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスであることが好ましく、窒素ガスであることがより好ましい。
排気系31は、排気流路30の内部空間からガスを排気するものであり、例えば、ドライポンプ、TMP(ターボ分子ポンプ)やCP(クライオポンプ)等の真空排気ポンプが使用できる。
続いて、蒸着装置1を使用した薄膜の製造方法の一例について説明する。
まず、必要に応じて材料保管部71に薄膜形成材料を充填して密閉し、薄膜形成材料を脱気するとともに真空室70内を真空排気して真空状態とする。
続いて、真空室70内において、材料保管部71に接続された材料移送配管部74から材料受け部81に薄膜形成材料を落下させ、薄膜形成材料を材料受け部81から本体部80に導入する。そして、本体部80の下部に設けられた材料排出部82から材料導入部73に向かって所定量の薄膜形成材料を落下させて、薄膜形成材料を材料導入部73から材料供給配管部55に導入する。
続いて、真空室70内において、材料保管部71に接続された材料移送配管部74から材料受け部81に薄膜形成材料を落下させ、薄膜形成材料を材料受け部81から本体部80に導入する。そして、本体部80の下部に設けられた材料排出部82から材料導入部73に向かって所定量の薄膜形成材料を落下させて、薄膜形成材料を材料導入部73から材料供給配管部55に導入する。
材料供給配管部55に薄膜形成材料が導入されると、材料側ガス供給部53からキャリアガスが供給されて薄膜形成材料が下流側に押し出され、図4のように、薄膜形成材料Aは、第1配管部90、第2配管部91の順に気化室51の材料気化部60に向かって移送され、材料気化部60の上部から材料気化部60内部に供給される。
ここで、材料気化部60の下部では、気化側ガス供給部54から薄膜形成材料の沸点又は昇華点以上の温度を有するキャリアガスBがガス供給配管部56を経て供給される。
材料気化部60の上部から送り出されて落下する薄膜形成材料Aは、材料気化部60内において、材料気化部60の下部から上方に向かって供給される高温のキャリアガスBに晒されて加熱され、瞬間的に気化又は昇華して性状が変化し、薄膜材料ガスCに変化して材料気化部60の上部に向かって上昇する。
そして、上記にて生成された薄膜材料ガスCは、材料気化部60から第1フィルター部材58を通過してガス排出部61に至り、ガス排出部61から供給流路15に送り出される。
ここで、材料気化部60の下部では、気化側ガス供給部54から薄膜形成材料の沸点又は昇華点以上の温度を有するキャリアガスBがガス供給配管部56を経て供給される。
材料気化部60の上部から送り出されて落下する薄膜形成材料Aは、材料気化部60内において、材料気化部60の下部から上方に向かって供給される高温のキャリアガスBに晒されて加熱され、瞬間的に気化又は昇華して性状が変化し、薄膜材料ガスCに変化して材料気化部60の上部に向かって上昇する。
そして、上記にて生成された薄膜材料ガスCは、材料気化部60から第1フィルター部材58を通過してガス排出部61に至り、ガス排出部61から供給流路15に送り出される。
このようにして気化室51で薄膜材料ガスが生成されると、薄膜材料ガスを供給流路15に通過させ、製膜ガスとして製膜室10内で蒸着ヘッド12より基材100上に吐出される。基材100上に吐出された製膜ガスは、基材100上で冷却され、析出することで薄膜が着膜する。
このとき、必要に応じて接続経路98の開閉弁99を開状態とし、ガス供給部41から供給流路15に所定の温度のキャリアガスを所定の流量で供給することもできる。こうすることで、気化装置40のプロセス条件によらず、蒸着ヘッド12から吐出されるキャリアガスの流量及び温度を一定とすることができる。この場合、製膜ガスは、気化室51で生成された薄膜材料ガスとガス供給部41から供給されたキャリアガスの混合ガスとなる。
第1実施形態の気化装置40によれば、材料気化部60において、気化側ガス供給部54から供給された高温のキャリアガスによって材料供給部52から供給された薄膜形成材料を気化させて薄膜材料ガスを形成し、薄膜材料ガスを第1フィルター部材58に通過させてガス排出部61から薄膜材料ガスを供給流路15側に供給する。そのため、材料気化部60からガス排出部61に薄膜材料ガスを流すにあたって、薄膜材料ガスに含まれた粉末状の薄膜形成材料が第1フィルター部材58で捕捉され、実質的に薄膜材料ガスのみがガス排出部61に至る。その結果、ガス排出部61から供給流路15に排出される薄膜材料ガスに薄膜形成材料が混ざることを防止できる。
第1実施形態の気化装置40によれば、材料気化部60が第2フィルター部材59によって上下に仕切られ、上部空間66側から下部空間67側への薄膜形成材料の移動が規制されている。そのため、気化側ガス供給部54側に薄膜形成材料が移動することを防止できる。
第1実施形態の気化装置40によれば、材料気化部60は、第2フィルター部材59上で捕捉された薄膜形成材料を気化して薄膜材料ガスを形成できるため、薄膜形成材料の残渣をより少なくすることができる。
第1実施形態の気化装置40によれば、第2フィルター部材59とガス供給配管部56との間に下部空間67を有するため、下部空間67内で拡散された状態でキャリアガスを第2フィルター部材59に通過させることができ、より効率的に薄膜形成材料を気化できる。
第1実施形態の気化装置40によれば、ガス排出部61が材料供給配管部55の周囲を囲繞するように設けられているため、上下の高さを小さくすることができ、よりコンパクト化が可能である。
第1実施形態の気化装置40によれば、第1フィルター部材58は、気化室51と材料供給配管部55の第2配管部91の間の隙間を閉塞する。そのため、薄膜材料ガスがガス排出部61のどの部分から入っても、第1フィルター部材58を通過することとなり、より確実に薄膜形成材料を捕集できる。
第1実施形態の気化装置40によれば、材料気化部60の中心軸に対して直交する断面の開口面積が材料供給配管部55の中心軸に対して直交する断面の開口面積よりも大きい。そのため、材料供給配管部55から落下した薄膜形成材料が材料気化部60内で拡散された状態でキャリアガスに晒すことができ、効率的に薄膜材料ガスを形成できる。
第1実施形態の気化装置40によれば、キャリアガスと材料気化部60と薄膜形成材料の関係が以下の式(1)を満たすため、薄膜形成材料が材料供給配管部55から逆流しにくく、薄膜形成材料を第2フィルター部材59側に流すことができる。
なお、Fはキャリアガスの流量[m3/s]を表し、dは材料気化部60の内径[m]を表し、Dpは薄膜形成材料の最大粒子径[m]を表し、mは薄膜形成材料の重量[kg]を表し、gは重力加速度[m/s2]を表し、μはキャリアガスの粘性係数[Pa・s]を表す。
第1実施形態の気化装置40によれば、材料供給配管部55が材料供給部52側から材料気化部60側に向かって第1配管部90と第2配管部91を有し、第2配管部91の内径が第1配管部90の内径よりも大きい。そのため、第1配管部90と第2配管部91との間で流速差が生じ、薄膜形成材料が材料気化部60側から材料供給部52側に逆流しにくい。
第1実施形態の気化装置40によれば、材料供給部52は、真空室70内で材料供給装置72の材料排出部82から材料導入部73に薄膜形成材料が落下して、材料導入部73から材料供給配管部55に導入される。すなわち、材料供給装置72で貯留された薄膜形成材料と、材料導入部73から材料供給配管部55に導入される薄膜形成材料が真空室70内で縁切りされる。そのため、材料供給装置72内と材料排出部82との間で差圧が生じることがなく、安定した雰囲気で薄膜形成用材料を移送することが可能である。
第1実施形態の蒸着装置1によれば、気化装置40によって固体状の薄膜形成材料を実質的に含まない薄膜材料ガスが供給されるので、基材100に固体状の薄膜形成材料が付着することを防止できる。
第1実施形態の蒸着装置1によれば、材料供給部52が定量的に薄膜形成材料を材料気化部60に供給できるので、必要な量の材料のみを連続的に供給して、全量を気化させることで気化速度を安定させることができる。
第1実施形態の蒸着装置1によれば、材料気化部60の上部に設けられた材料供給配管部55から薄膜形成材料が第2フィルター部材59上に落下し、材料気化部60の下部に設けられたガス供給配管部56から供給されたキャリアガスが第2フィルター部材59によって均一な流れとなる。そのため、第2フィルター部材59上で薄膜形成材料とキャリアガスが効率よく接触し、低温で気化することが可能となり、薄膜形成材料の劣化を抑えることができる。また、気化に時間が掛かる粒子径の大きな薄膜形成材料は、自重により落下し、第2フィルター部材59上で気化が進むため、未気化の薄膜形成材料の発生を抑制できる。
続いて、本発明の第2実施形態の蒸着装置200について説明する。なお、第1実施形態の蒸着装置1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本発明の第2実施形態の蒸着装置200は、図5のように、製膜部2と、複数の気化部3(3a,3b)と、混合装置201で構成されている。
以下の説明においては、特に断りのない限り、気化部3a,3bを区別するために、気化部3aに属する構成に「a」を付し、気化部3bに属する構成に「b」を付する。
以下の説明においては、特に断りのない限り、気化部3a,3bを区別するために、気化部3aに属する構成に「a」を付し、気化部3bに属する構成に「b」を付する。
混合装置201は、各気化部3a,3bで種類の異なる薄膜形成材料から生成した薄膜材料ガスを混合する装置である。すなわち、混合装置201は、第1気化部3aの気化装置40aで第1薄膜形成材料を蒸発させて発生した薄膜材料ガスと、第2気化部3bの気化装置40bで第2薄膜形成材料を蒸発させて発生した薄膜材料ガスを混合する装置である。
混合装置201は、図5のように、製膜部2と気化部3a,3bを繋ぐ供給流路15a,15bの中途に設けられている。具体的には、混合装置201は、開閉弁25の上流側であって、開閉弁26a,99a,26b,99bの下流側に位置している。
供給流路15aは、供給経路20,202,203a,22aで構成されており、供給流路15bは、供給経路20,202,203b,22bで構成されている。すなわち、供給経路20,202は、供給流路15a,15bで共通の共通経路である。
供給流路15aは、供給経路20,202,203a,22aで構成されており、供給流路15bは、供給経路20,202,203b,22bで構成されている。すなわち、供給経路20,202は、供給流路15a,15bで共通の共通経路である。
続いて、蒸着装置200における各気化部3a,3bで生成した薄膜材料ガスの流れについて説明する。
気化部3aの気化装置40aで生成された第1薄膜材料ガスは、供給経路22aを通過し、供給経路203aにてガス供給部41aから供給されるキャリアガスと合流して混合装置201に至る。
同様に気化部3bの気化装置40bで生成された第2薄膜材料ガスは、供給経路22bを通過し、供給経路203bにてガス供給部41bから供給されるキャリアガスと合流し、混合装置201に至る。
そして、第1薄膜材料ガスと第2薄膜材料ガスは、混合装置201で混合され、製膜ガスとして供給経路202,20を通過して蒸着ヘッド12に至り、製膜室10内で基材保持部11に保持された基材100に吹き付けられる。
同様に気化部3bの気化装置40bで生成された第2薄膜材料ガスは、供給経路22bを通過し、供給経路203bにてガス供給部41bから供給されるキャリアガスと合流し、混合装置201に至る。
そして、第1薄膜材料ガスと第2薄膜材料ガスは、混合装置201で混合され、製膜ガスとして供給経路202,20を通過して蒸着ヘッド12に至り、製膜室10内で基材保持部11に保持された基材100に吹き付けられる。
第2実施形態の蒸着装置200によれば、複数の気化部3a,3bを有し、各気化部3a,3bで生成した薄膜材料ガスを混合装置201で混合し、製膜ガスとして基材100に吹き付ける。そのため、沸点又は昇華点が異なる複数の薄膜形成材料(例えば、有機材料と金属材料)で共蒸着する場合でも、それぞれ異なる気化部3a,3bで薄膜材料ガスとすることで、薄膜形成材料が劣化しにくい。
上記した実施形態では、製膜部2は一つの製膜室10で構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。製膜部2は複数の製膜室10で構成されていてもよい。複数の製膜室10を設け、一つの気化部3から各製膜室10に製膜ガスを供給することで、各製膜室10で同時に基材100の製膜を進めることができ、生産性を向上できる。
上記した実施形態では、材料供給部52から材料供給配管部55に対して薄膜形成材料とともにキャリアガスを供給していたが、本発明はこれに限定されるものではない。材料供給部52から材料供給配管部55に対して薄膜形成材料のみを供給してもよい。
上記した実施形態では、第2フィルター部材59は、材料気化部60内に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。材料気化部60と気化側ガス供給部54の間の部分に設けてもよい。例えば、ガス供給配管部56に第2フィルター部材59を設けてもよい。
上記した実施形態では、気化室51、第1配管部90、及び第2配管部91がいずれも円筒状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。薄膜形成材料や薄膜材料ガス、キャリアガスが流れる形状であれば、他の形状であってもよい。例えば、多角筒状であってもよい。
上記した実施形態では、第1配管部90の内径と第2配管部91の内径を相違させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1配管部90の内径と第2配管部91の内径は同じ大きさであってもよい。
上記した実施形態では、主に第2フィルター部材59上で薄膜形成材料を気化させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。薄膜形成材料を材料気化部60内で浮遊させた状態で薄膜形成材料を気化させてもよい。この場合、第2フィルター部材59を設けなくてもよい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
1,200 蒸着装置
10 製膜室
15,15a,15b 供給流路
40,40a,40b 気化装置
52 材料供給部
54 気化側ガス供給部(キャリアガス供給部)
55 材料供給配管部
56 ガス供給配管部(キャリアガス供給配管部)
58 第1フィルター部材
59 第2フィルター部材
60 材料気化部
61 ガス排出部
67 下部空間(空間)
70 真空室
72 材料供給装置
73 材料導入部
82 材料排出部
100 基材
10 製膜室
15,15a,15b 供給流路
40,40a,40b 気化装置
52 材料供給部
54 気化側ガス供給部(キャリアガス供給部)
55 材料供給配管部
56 ガス供給配管部(キャリアガス供給配管部)
58 第1フィルター部材
59 第2フィルター部材
60 材料気化部
61 ガス排出部
67 下部空間(空間)
70 真空室
72 材料供給装置
73 材料導入部
82 材料排出部
100 基材
Claims (10)
- 材料気化部と、材料供給部と、材料供給配管部と、キャリアガス供給部と、キャリアガス供給配管部と、ガス排出部と、第1フィルター部材を有し、
前記材料供給部は、前記材料供給配管部を介して前記材料気化部の上部と接続され、固体状の薄膜形成材料を前記材料気化部に供給可能であり、
前記キャリアガス供給部は、前記キャリアガス供給配管部を介して前記材料気化部の下部と接続され、前記薄膜形成材料の沸点又は昇華点以上の温度のキャリアガスを前記材料気化部に供給可能であり、
前記材料気化部は、前記キャリアガス供給部から供給された前記キャリアガスによって前記材料供給部から供給された前記薄膜形成材料を気化させて薄膜材料ガスを形成し、前記ガス排出部側に前記薄膜材料ガスを供給可能であり、
前記第1フィルター部材は、前記材料気化部と前記ガス排出部の間に設けられ、前記材料気化部内の前記薄膜材料ガスの前記ガス排出部側への移動を許容し、かつ前記薄膜形成材料の前記ガス排出部側への移動を規制する、気化装置。 - 前記材料気化部内、又は前記材料気化部と前記キャリアガス供給部との間に設けられ、前記材料気化部内の前記薄膜形成材料の前記キャリアガス供給部側への移動を規制する第2フィルター部材を備える、請求項1に記載の気化装置。
- 前記第2フィルター部材は、前記材料気化部内を上下に仕切るように設けられており、
前記材料気化部は、前記第2フィルター部材上で前記薄膜形成材料を気化して前記薄膜材料ガスを形成可能である、請求項2に記載の気化装置。 - 前記第2フィルター部材は、前記材料気化部内を上下に仕切るように設けられており、
前記材料気化部は、前記第2フィルター部材と前記キャリアガス供給配管部との間に空間を有する、請求項2又は3に記載の気化装置。 - 前記ガス排出部は、前記材料供給配管部の周囲を囲繞するように設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の気化装置。
- 前記材料気化部は、筒状であって、中心軸に対して直交する断面の開口面積が前記材料供給配管部の中心軸に対して直交する断面の開口面積よりも大きい、請求項1~5のいずれか1項に記載の気化装置。
- 前記材料供給配管部は、前記材料供給部側から前記材料気化部側に向かって第1配管部と第2配管部を有し、
前記第2配管部の内径は、前記第1配管部の内径よりも大きい、請求項1~7のいずれか1項に記載の気化装置。 - 前記材料供給部は、真空室内に、前記薄膜形成材料を一時的に貯留する材料供給装置と、前記材料供給配管部側に向かって前記薄膜形成材料を導入する材料導入部を有し、
前記材料供給装置は、前記材料導入部の上方に材料排出部を有し、前記材料排出部から所定量の前記薄膜形成材料を排出可能であり、
前記材料排出部から前記薄膜形成材料が前記材料導入部に向かって落下し、前記薄膜形成材料が前記材料導入部から前記材料供給配管部側に導入される、請求項1~8のいずれか1項に記載の気化装置。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載の気化装置と、製膜室と、前記気化装置と前記製膜室を接続する供給流路を有し、
前記製膜室内で前記薄膜材料ガスを含む製膜ガスを基材に対して吹き付けて製膜する、蒸着装置。
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