以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る自動販売機1の正面図であり、図2は自動販売機1(具体的には、後述する本体ユニット3)の内部構造を説明するための概略の縦断面図である。図3は、自動販売機1の制御系の概略の構成を示すブロック図である。なお、説明の便宜のため、前後、左右及び上下のそれぞれの方向が適宜に図面に示されている。左右の方向は自動販売機1の前方において自動販売機1の正面に向いている利用者側から視た方向で示されている。前後方向については、自動販売機1における利用者側の方向を前側とする。
図1及び図2に示すように、自動販売機1は、利用者等により操作される操作ユニット2と、商品Pを収納する本体ユニット3と、を含む。自動販売機1には、適宜の袋入り又は容器入りの各種の商品Pがそれぞれ複数個収納されている。
操作ユニット2は、縦長の箱状に形成され、本体ユニット3の側方に隣接して配置されている。操作ユニット2の前面には、例えば、紙幣投入部2a、硬貨投入部2b、電子マネーによる決済を行うための非接触式のカードリーダ部2c、金額表示部2d、硬貨返却口2e、及び、タッチパネル式の商品選択部2f等が設けられる。操作ユニット2は、紙幣、硬貨あるいは電子マネーにより料金の支払いが行われると、商品選択部2fを介して利用者により選択された商品Pについての販売指令(販売動作開始指令)を本体ユニット3に送信(出力)するように構成されている。
本実施形態では、操作ユニット2において、商品選択部2fは、商品Pの種類の異同に関係なく、一度に複数の商品Pを選択できるようになっている。そして、操作ユニット2は、選択された複数の商品Pに対応する料金の支払いが利用者により行われると、選択された複数の商品Pについての販売指令を本体ユニット3にまとめて送信するように構成されている。このように、自動販売機1は複数の商品Pのまとめ買いに対応可能な課金処理を実行可能に構成されており、利用者は複数の商品Pを一回の料金の支払い操作によってまとめて買うことができる。もちろん、利用者は、一個の商品Pのみを選択するとともにその商品Pの料金の支払い操作をすることによって、一個の商品Pのみを買うこと、つまり、単品買いを行うこともできる。
本体ユニット3は、箱状の筐体であるキャビネット4と、商品搬出装置5と、バケット6と、バケット移動装置7と、制御部8(図3参照)と、を含む。
キャビネット4は、前面が開口されたキャビネット本体4aとキャビネット本体4aの前面開口を開閉自在に覆う扉式の前面パネル4bとを有している。前面パネル4bの上側の大半の部分は透明板4cからなり、利用者は透明板4cを介して本体ユニット3内を視認できる。また、前面パネル4bにおける下部には、利用者が商品Pを取り出し可能な商品取出口4dが設けられている。商品取出口4dの開口は、矩形状の商品取出扉4eによって開閉される。商品取出扉4eは、前面パネル4bの背面側において商品取出口4dの上縁部に前後方向に回動可能に支持されており、正面側から後方に押されることによって商品取出口4dを開放するようになっている。
また、本実施形態では、キャビネット4には、商品取出扉4eの開閉状態を検知する扉検知部4e1(図3参照)を有している。つまり、扉検知部4e1は、商品取出扉4eが閉止状態(閉状態)であるか開放状態(開状態)であるかを検知するものであり、例えば、光学式のセンサーからなり、その検知結果を制御部8に出力するように構成されている。また、図示を省略するが、前面パネル4bには、例えば、商品取出扉4eを施解錠する電動式の扉ロック部が設けられている。そして、商品取出扉4eは、初期状態(待機状態)及び装置の動作中には前記扉ロック部によって施錠されており、これにより、例えば、商品取出口4dを介した装置内へのいたずら等が防止される。
キャビネット4は、上下方向に離隔した複数(ここでは6個)の棚4fを内部に有する。棚4fの幅方向(左右方向)の各端部はキャビネット4を構成する側壁における上下方向の所定位置にそれぞれ固定されている。キャビネット4の内部は、区画壁4gにより上側の領域と下側の領域とに区画されており、上側の領域には、本体ユニット3を構成する主要な要素が配置されている。区画壁4gは、棚4fの前端よりも後方で且つ棚4fの下方に位置する棚下方部4g1と、棚4fの前端よりも前方の張り出し且つ棚下方部4g1よりも下方に位置する張出部4g2と、棚下方部4g1の前端と張出部4g2の後端とを接続する接続部4g3とを有している。また、各棚4fはキャビネット4の背面側に寄せて配置されており、各棚4fの前端と前面パネル4bとの間及び区画壁4gの接続部4g3と前面パネル4bとの間には、バケット6の移動用のバケット移動空間Sが設けられている。
キャビネット4において、区画壁4gの下側の領域は機械室を構成している。キャビネット4内には、棚4fの周囲を周回するようにダクトDが設けられており、冷気がこのダクトDを適宜に循環することにより、キャビネット4内を冷却するようになっている。なお、図示を省略したが、前記機械室及びダクトDに冷気生成用の冷却ユニットが設けられている。
商品搬出装置5は、キャビネット4の各棚4fの上に設けられ、自身に載置された商品Pを前方に搬出する(払い出す)装置である。本実施形態では、商品搬出装置5は、各棚4fの上において、棚4fの幅方向に並列するように複数個(図では6個)設けられている。
商品搬出装置5は、商品Pを前方に搬出する搬出機構(図示省略)と、前記搬出機構を作動させる商品搬出用モータM1(図3参照)とを有する。前記搬出機構としては、例えば、スパイラル状に巻回された金属棒を回転させるスパイラル式の機構やベルトコンベア式の機構等の適宜の駆動形式の機構が採用され得る。
商品搬出装置5には、複数の商品Pが前後方向に一列に並ぶように載置される。商品搬出装置5は、複数の商品Pのうちの最前列の商品Pから順に商品Pを自身の前方に搬出するように、その商品搬出用モータM1が制御部8からの搬出指令に基づいて駆動される。
バケット6は、前面パネル4bと複数の棚4fとの間において上下方向に移動可能に支持され、商品搬出装置5から搬出された商品Pを受け入れるものである。バケット6は、上方から視た平面視で自動販売機1の左右方向に長い概ね矩形状の外形を有している。
バケット6は、自身の内部に受け入れた商品Pが載置される載置面6aを有している。なお、バケット6の他の構造等については、後に詳述する。
バケット移動装置7は、バケット移動空間Sにおいてバケット6を上下方向に移動させる装置であり、商品Pを受け入れたバケット6を商品取出口4dに相対する位置まで移動(移送)させるように構成されている。
バケット移動装置7は、棚4fの幅と同程度の左右方向の幅を有するとともにバケット6が載置されるバケット載置部71と、バケット載置部71を水平に支持する支持プレート72と、支持プレート72を上下方向に移動させるための昇降アクチュエータ73とを有している。昇降アクチュエータ73は、例えば、上下一対のプーリー(図示省略)と、前記上下一対のプーリに巻き掛けられたプーリーベルト(図示省略)と、前記プーリを回転駆動するバケット移動用モータM2(図3参照)と、を有する。支持プレート72の端部が前記プーリーベルトの周方向における所定位置に固定されている。バケット移動装置7は、バケット移動用モータM2によって前記プーリを回転駆動することでバケット6を上下に移動させる(昇降させる)。
本実施形態において、バケット移動装置7は、バケット6を各段の棚4fの前端部に相対する位置と商品取出口4dに相対する位置とに移動させるように、そのバケット移動用モータM2が制御部8からのバケット移動指令に基づいて駆動される。具体的には、バケット6が棚4fの前端部に相対する位置では、バケット6の載置面6aの後端部が当該棚4fに配置された商品搬出装置5における商品Pの載置面よりも僅かに下方の高さ位置に位置するように、バケット移動用モータM2の駆動が制御部8によって制御されている。また、バケット6が商品取出口4dと相対する位置は最下段の棚4fよりも下方に位置しており、この位置がバケット6の待機位置であり且つ商品Pの取出位置でもある。そして、待機位置及び取出位置において、バケット6の前方に商品取出口4dが位置し、前記扉ロック部が解錠方向に駆動されると、利用者等が商品取出扉4eを開けて手をバケット6内に入れることができるようになっている。
このように、バケット6を移動させることにより、バケット移動装置7は商品搬出装置5と商品取出口4dとの間で商品Pを移送可能になっている。なお、ここで説明したバケット移動装置7は一例にすぎず、バケット6を上下に移動させることのできる種々の構成の機構が用いられ得る。
制御部8は、CPU、I/O(情報入出力部)、ROM、RAM等で構成されており、少なくとも商品搬出装置5及びバケット移動装置7の動作を制御するものである。制御部8は、例えば、操作ユニット2からの販売指令に基づいて、商品搬出装置5及びバケット移動装置7といった各種機器の動作等を統括的に制御する。制御部8の詳しい構成については、後に説明する。
次に、バケット6について、詳述する。
図4~図8は、バケット6を含む自動販売機1の要部を説明するための図である。図4はバケット6を後方斜め前上から見た斜視図であり、図5はバケット6の前方から視た正面図であり、図6はバケット6の右側面図であり、図7はバケット6の部分拡大側面図であり、図8はバケット6の部分拡大斜視図である。なお、図6~図8ではバケット6から後述する右側の側板61を含むユニットが取り外されており、図8ではバケット6から更に後述する後下板65が取り外されている。
本実施形態では、バケット6は、上方から視た平面視で、棚4fの幅に合わせた幅を有する。ここで、「棚の幅に合わせた幅」とは、棚4fの幅(左右方向の幅)と厳密に同一の幅に限定されるものではなく、棚4fの幅と僅かに異なっていてもよい。つまり、バケット6の幅は棚4fの幅と同程度であればよい。載置面6aは、バケット6の幅方向の全体に亘って延在しており、棚4fと同程度の幅を有している。
図4及び図5に示すように、バケット6は、左右に一対の側板61と、左右の側板61の下端部同士を接続する底板62と、側板61に支柱ユニット61aを介して支持された天板63と、前下板64と、後下板65と、を有する。
側板61は上下方向に延びた概ね矩形状の板部材である。底板62、天板63、前下板64及び後下板65は、それぞれ、平面視で、棚4fの幅と同程度の幅を有するとともに左右方向に長い概ね矩形状に形成される。支柱ユニット61aは、側板61の前端部に取り付けられ、その上側の部分が側板61の上端よりも上方に突出している。そして、支柱ユニット61aの上端部に天板63の前端部の幅方向の両端部が接続されている。前下板64は、左側の側板61の前端部の下端側部分から右側の側板61の前端部の下端側部分まで延在しており、商品Pのストッパ部を構成している。後下板65は、左側の側板61の後端部の下端側部分から右側の側板61の後端部の下端側部分まで延在している。
バケット6は、その内部に前後の開口部の両方からアクセスできるように形成されている。そして、バケット6の前側開口部には、前板66が揺動可能に設けられている。また、前板66は、天板63の前端部を揺動中心として左右の支柱ユニット61aの間にて前後方向に揺動可能に、天板63に支持されている。また、前板66のバケット6の前面よりも前方への移動は、左右の側板61にそれぞれ設けられたストッパプレート67(図5参照)によって阻止されている。
本実施形態では、バケット6は、自身(当該バケット6)の幅方向に商品Pを移動させるベルトコンベア式の商品移動装置9を有している。
図6~図8に示すように、商品移動装置9は、左右一対の円筒状のプーリ91aに巻き掛けられた無端状のベルト91と、ベルト駆動機構92と、商品移動用モータM3と、を有する。
各プーリ91aの回転軸91bは、上方から視た平面視で前後方向に延伸し、且つ、側方から視た平面視で前側ほど底板62に近づくように前下がりで傾斜している。そして、各プーリ91aの前端部は前下板64の下端側の部分に前ブラケット91c(図7参照)を介して回転可能に支持され、各プーリ91aの回転軸91bの後端部は後下板65の上端側の部分に後ブラケット91d(図7参照)を介して回転可能に支持されている。
ベルト91は、上述したように前下がりで傾斜した左右一対のプーリ91aに巻き掛けられているので、前下がりの姿勢でバケット6の幅方向に走行可能である。商品搬出装置5からバケット6内に受け入れられた商品Pは、ベルト91の上面、つまり、ベルト91の上側走行部Vaの上面に沿って前方に向かって滑り落ちつつ、ベルト91の上面に載置される。したがって、ベルト91の上側走行部Vaの上面が、バケット6における商品Pが載置される載置面6aをなす。なお、ベルト91の上側走行部Vaとは、ベルト91における一方のプーリ91aの上側の部分に巻き掛けられた部分と他方のプーリ91aの上側の部分に巻き掛けられた部分との間の部位である。また、ベルト91の下側走行部Vbとは、ベルト91における一方のプーリ91aの下側の部分に巻き掛けられた部分と他方のプーリ91aの下側の部分に巻き掛けられた部分との間の部位である。
ベルト駆動機構92は、商品移動用モータM3を動力源としてベルト91を走行(駆動)させる機構である。ベルト駆動機構92の機構は、特に限定されるものではないが、ここでは、回転運動を直線運動に変換するリニアアクチュエータ式の機構が採用される。ベルト駆動機構92は、ベルト91の下方の狭い領域、具体的には、ベルト91と底板62と後下板65とで囲まれた領域に配置される。したがって、ベルト91を傾斜させたことによって生じたベルト91の下方の領域が有効に利用される。
図6~図9に示すように、リニアアクチュエータ式のベルト駆動機構92は、具体的には、スパイラル軸92aと、可動子92bと、ベルト係合部92cと、ガイドレール92dと、を有する。なお、図9は、図8に示すA方向から視た可動子92bを含む部分拡大図である。
スパイラル軸92aは、一方向に延伸し、スパイラル状のネジ部が形成された外周面を有するシャフトである。スパイラル軸92aは、ベルト91の走行方向(搬送方向)、つまり、バケット6の幅方向に延伸するように配置され、その両端部が底板62に固定された左右一対の軸支持部92eに回転可能に支持されている。可動子92bは、スパイラル軸92aの前記ネジ部に螺合する半球体突起を内部に有し、スパイラル軸92aに螺合するとともに、ベルト係合部92cを介してベルト91の下側走行部Vbに係合する。ベルト係合部92cは、ベルト91の下側走行部Vbに固定され、その一部が下側走行部Vbの下面よりも下方に突出している。ベルト係合部92cにおける下側走行部Vbの下面よりも下方に突出した部分は、可動子92bに形成された凹部92b1に嵌め込まれ、ベルト91の走行方向の両側から挟み込まれるようになっている。ガイドレール92dは、スパイラル軸92aの下方に設けられ、可動子92bの下部をスパイラル軸92aの延伸方向(ベルト91の走行方向)に移動可能にガイドするものである。
可動子92bは、スパイラル軸92aに螺合した状態で、ガイドレール92dを介して自身のスパイラル軸92a回りの回転が規制されている。その結果、スパイラル軸92aの回転運動がスパイラル軸92aの延伸方向の直線運動に変換される。したがって、スパイラル軸92aが回転すると、可動子92bはスパイラル軸92aの延伸方向に移動し、その結果、ベルト91の下側走行部Vbがバケット6の幅方向の一方に走行(移動)するとともにベルト91の上側走行部Vaが下側走行部Vbと逆方向に走行(移動)する。なお、ベルト駆動機構92は、リニアアクチュエータ式の機構に限らず、左右一対のプーリ91aの一方を駆動させるプーリ駆動式の機構でもよい。
商品移動用モータM3は、スパイラル軸92aを回転駆動させるものであり、回転方向を正逆に切り替え可能である。商品移動用モータM3は、例えば、歯車列92fを介して、スパイラル軸92aの端部に接続される。商品移動装置9は、商品移動用モータM3によってスパイラル軸92aを回転駆動することでベルト91の上側走行部Vaをバケット6の幅方向に走行させ、これにより、上側走行部Vaの上面(載置面6a)に載置された商品Pをバケット6の幅方向に移動させる。
商品移動装置9は、商品移動用モータM3の回転方向を切り替えることにより、バケット6内において商品Pをバケット6の幅方向の一方及び他方に選択的に移動させることが可能である。そして、商品移動装置9は、ベルト91の上側走行部Vaが選択された商品Pの位置に応じた移動方向で且つバケット6の幅方向に目標の送り量(移動量)だけ走行するように、その商品移動用モータM3が制御部8からの商品移動指令に基づいて駆動される。
ここで、自動販売機1(本体ユニット3)は、前述した各要素(4~9)以外に、撮像部10とバケット照明部11とを含む。
撮像部10は、バケット6に設けられ、当該バケット6における受け入れた商品Pが載置される載置面6aを含む画像を撮像するものである。撮像部10は、例えば、樹脂製のカメラケースと、前記カメラケース内に収納された図示省略の撮像素子及び撮像回路部と、光学系と、を有した、カラー又はモノクロのカメラである。前記撮像素子は、例えば、CMOSセンサやCCDセンサ等の一般的な素子が用いられる。また、前記撮像回路部は、制御部8からの撮像指令に基づく前記撮像素子への撮像の指令の出力や撮像した画像のデータの制御部8への出力を実行する。制御部8へ出力された画像のデータは、当該画像の撮像のタイミングを識別可能にメモリMに格納(記憶)される。なお、バケット6内における左右一対の側板61、天板63、前下板64及び前板66のそれぞれの内壁面の色はそれぞれ黒であり、載置面6a(つまり、ベルト91)の色は緑である。したがって、バケット6の内側の面は、載置面6aを除いて黒色であり、これにより、撮像部10により撮像される載置面6aや商品Pに撮像画質に影響し得る余計な影が映ることが抑制され、載置面6aや商品Pが良好な画質で撮像される。
本実施形態では、撮像部10は、バケット6の幅方向の両側にそれぞれ設けられる。具体的には、撮像部10は、左右一対の側板61の上端側の部分に、それぞれ取り付けられている。詳しくは、撮像部10は、バケット6の幅方向の一方から他方に向かって、載置面6aを斜め上方から俯瞰して見下ろすように、左右一対の側板61の内壁面における上端側の部分にそれぞれ取り付けられる。各撮像部10は、載置面6aにおける自身の直下を除くバケット6の幅方向の概ね全体を撮像可能になっている。
バケット照明部11は、バケット6に設けられ、バケット6の載置面6aを照明するものである。本実施形態では、バケット照明部11は、バケット6における前面パネル4b側の所定の部位に載置面6a側に向いた姿勢で設けられている。具体的には、バケット照明部11は、バケット6の前下板64の背面における上端側の部分に、設けられている。
本実施形態では、バケット照明部11は、バケット6の幅の全体に亘って一列に配置された複数の光源11a(図6及び図7参照)を有する。光源11aとしては、例えば、発光ダイオード(LED)が用いられる。
次に、図3に戻って、制御部8について、詳述する。
制御部8は、メモリM以外に、搬送制御部81と、撮像照明制御部82と、完了判定部83、を含む。
搬送制御部81は、上下に段違いの複数の商品P(つまり、上下方向の位置が異なる複数の商品P)についての販売指令が入力された場合には、複数の商品Pのうちの上段側の商品Pを優先して先に搬出し、複数の商品Pの中に同一段の商品Pがある場合には、予め定められた幅方向のどちらか一方側(例えば右側)の商品Pを優先して先に搬出するように、バケット移動用モータM2及び商品搬出用モータM1の駆動を制御する。
また、搬送制御部81は、同列の複数の商品P(つまり棚4fの幅方向の位置が同一であり且つ上下方向の位置が異なる複数の商品P)や同一の商品搬出装置5に載置された複数の商品Pについての販売指令が入力された場合には、先にバケット6に受け入れられた先行の商品Pを後にバケット6に受け入れられる後行の商品Pと干渉(衝突)しない目標の送り量分(例えば、複数の商品搬出装置5についての棚4f上における設置間隔分、又は、一個の商品Pの幅より僅かに広い幅分)だけ、バケット6の幅方向に移動させるように、商品移動用モータM3の駆動を制御する。
具体的には、搬送制御部81は、(1)バケット移動装置7のバケット移動用モータM2へバケット移動指令を出力してバケット移動用モータM2を駆動させるバケット移動制御と、(2)商品搬出装置5の商品搬出用モータM1へ商品Pの搬出指令を出力して商品搬出用モータM1を駆動させる搬出制御と、(3)商品移動装置9の商品移動用モータM3へ商品移動指令を出力して商品移動用モータM3を駆動させる商品移動制御と、を実行する。
前記バケット移動制御に関して、例えば、バケット6における棚4f側の端部(詳しくは、各側板61の後端部における上端側の部分)には、棚4fを検知する光学式の棚検知センサS2aが設けられている(図3、図4及び図6参照)。棚検知センサS2aは、光ビームを投光する投光素子と受光素子とを有し、前記受光素子によって検出物体からの反射光を受光することによって、物体(棚4f)の有無を検出するものである。また、バケット移動装置7には、下端リミットセンサS2b(図3参照)が設けられている。下端リミットセンサS2bは、バケット6が待機位置(つまり、商品取出口4dに相対する位置)に位置しているか否かを検知するセンサである。棚検知センサS2aからの信号及び下端リミットセンサS2bからの信号は制御部8(搬送制御部81)に入力される。制御部8は、バケット6を待機位置から販売指令に応じた最初の目標の棚4fまで上昇させたり、バケット6を次の目標の棚4fまで下降させたり、バケット6を待機位置まで戻したりする度に、搬送制御部81を介してバケット移動用モータM2にバケット移動指令を出力してバケット移動用モータM2を駆動させる。搬送制御部81は、バケット移動指令に基づく一度のバケット移動動作の開始からの棚検知回数が目標の棚4fまでの棚数に達すると、バケット移動用モータM2の駆動を停止させる。その結果、バケット6が目標の棚4fの前端部に相対する位置に位置する。また、バケット6を待機位置(商品取出口4dに相対する位置)に移動させる場合には、搬送制御部81は、下端リミットセンサS2bからの信号が入力されたタイミングで、バケット移動用モータM2の駆動を停止させる。その結果、バケット6が待機位置及び取出位置(商品取出口4dに相対する位置)に位置する(戻る)。
前記搬出制御に関して、例えば、商品搬出装置5には、搬出動作中における商品搬出用モータM1の回転軸の総回転数を検知する第1エンコーダS1(図3参照)が設けられている。第1エンコーダS1からの信号は制御部8(搬送制御部81)に入力される。制御部8は、操作ユニット2からの販売指令に対応する商品Pが載置された商品搬出装置5の商品搬出用モータM1に、搬送制御部81を介して商品Pの搬出指令を出力し、これにより、当該商品搬出用モータM1を駆動させる。搬送制御部81は、商品搬出用モータM1の駆動開始からの総回転数が商品一つ分の予め定めた送り量(例えば、スパイラル式の場合は、スパイラル状の金属棒の一巻き分)に応じた総回転数に達すると、商品搬出用モータM1の駆動を停止させる。その結果、複数の商品Pの全体が商品一つ分だけ前方に移動し、最前列の商品Pだけが商品搬出装置5の前方に搬出される。
前記商品移動制御に関して、例えば、商品移動装置9には、商品移動動作中における商品移動用モータM3の回転軸の総回転数を検知する第2エンコーダS3が設けられている。第2エンコーダS3からの信号は制御部8(搬送制御部81)に入力される。前述したようにバケット6への複数の商品Pの受け入れの際に、互いに衝突し得る複数の商品Pがある場合には、搬送制御部81は、先行の商品Pのバケット6への受け入れと後行の商品Pについての商品搬出装置5における搬出動作の開始との間において、商品移動用モータM3を衝突回避に必要な回転方向で駆動させる。そして、搬送制御部81は、商品移動用モータM3の駆動開始からの総回転数が衝突回避に必要な目標の送り量に応じた総回転数に達すると、商品移動用モータM3の駆動を停止させる。その結果、載置面6a上の商品Pがバケット6の幅方向に目標の送り量分だけ、バケット6の幅方向に移動する。
撮像照明制御部82は、本体ユニット3における商品Pについての一連の販売動作過程において予め設定された複数のタイミングで画像を撮像するように撮像部10による撮像タイミングを制御する機能と、バケット照明部11による点灯タイミングを制御する機能と、を有する。
具体的には、撮像照明制御部82は、(1)予め定めたタイミング毎に撮像部10の前記撮像回路部へ撮像指令を出力して撮像部10により画像を撮像させる撮像制御と、(2)少なくとも撮像部10により画像が撮像され得る予め定めた期間にバケット照明部11に点灯指令を出力しバケット照明部11の光源11aを点灯させる点灯制御と、を実行する。
前記撮像制御に関して、撮像照明制御部82は、商品Pの移動に関する複数のイベントのうちの予め定めた所定のイベントに前後するタイミング毎に撮像部10に撮像指令を出力する。撮像部10は、撮像照明制御部82からの撮像指令が入力される度に、載置面6aを撮像するとともに撮像した画像のデータを制御部8に出力し、出力された画像のデータはメモリMに撮像のタイミングを識別可能に格納される。商品Pの移動に関する複数のイベントとは、自動販売機1(主にバケット6)において生じるイベントである。
また、制御部8は、例えば、バケット6の待機位置及び取出位置(商品取出口4dに相対する位置)への戻りが完了したことが下端リミットセンサS2bからの信号に基づいて検知されると、前記扉ロック部へ解錠指令を出力し前記扉ロック部を解錠方向に駆動させる。これにより、商品取出扉4eが開閉可能な状態になり、利用者はバケット6内の商品Pを取り出すことができるようになる。
本実施形態では、商品Pの移動に関する複数のイベントには、バケット6内への商品Pの受け入れである第1イベント、バケット6内における商品移動装置9による商品Pの移動である第2イベント、バケット移動装置7によるバケット6の移動を介した商品Pの移送である第3イベント、及び、バケット6内からの商品取出口4dを介した商品Pの取り出しである第4イベントが含まれる。第3イベントは、詳しくは、バケット移動装置7によるバケット6の移動を介した商品取出口4dに相対する位置への商品Pの移送であって、バケット6の移動(下降)中におけるバケット6に対する相対移動の無い、商品移送である。換言すると、前記第1イベントはバケット6への商品受け入れであり、前記第2イベントは衝突回避用の商品退避であり、前記第3イベントはバケット6に対する相対移動の無い正常な姿勢での商品移送(商品下降)であり、前記第4イベントはバケット6からの商品取り出しである。また、前記第1イベント、前記第2イベント及び前記第4イベントは、バケット6と商品Pとの間の相対移動があることを前提とした商品Pの移動であり、当該相対移動があることを正常とした商品Pの移動に関するイベントである。前記第3イベントは、本実施形態では、バケット6と商品Pとの間の相対移動がないことを前提としたバケット6と一緒に下降する商品Pの移動であり、当該相対移動がないことを正常とした商品Pの移動に関するイベントである。
本実施形態では、撮像照明制御部82は、前記第1イベントに前後するタイミング、前記第2イベントに前後するタイミング、前記第3イベントに前後するタイミング、及び、前記第4イベントに前後するタイミングに、撮像部10に撮像指令をそれぞれ出力する。
前記第1イベントに前後するタイミングとは、制御部8(搬送制御部81)から商品搬出装置5への搬出指令の出力前後のタイミングである。前記第2イベントに前後するタイミングとは、制御部8(搬送制御部81)から商品移動装置9への商品移動指令の出力前後のタイミングである。前記第3イベントに前後するタイミングとは、制御部8(搬送制御部81)からバケット移動装置7への商品取出口4dに相対する位置へのバケット移動指令の出力直前のタイミングと商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動された直後のタイミングである。前記第4イベントに前後するタイミングとは、例えば、制御部8に商品Pの販売指令が入力された後の所定のタイミング(本実施形態ではバケット照明部11が点灯された直後のタイミング)及び商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動された状態で商品取出扉4eが開閉されて開位置から閉位置に位置することによって扉検知部4e1が商品取出扉4eの閉状態を検知した後のタイミングである。つまり、商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動されると、前記扉ロック部が解錠方向に駆動され、この状態で、商品取出扉4eが例えば利用者等によって開かれた後に再び閉じられると、商品取出扉4eが閉状態にあることが扉検知部4e1によって再検知される。この閉状態の再検知後のタイミングが前記第4イベントの前後するタイミングのうちの後の方のタイミングである。
本実施形態では、前記点灯制御に関して、撮像照明制御部82(制御部8)は、商品Pの販売指令が入力された直後にバケット照明部11(光源11a)に点灯指令を出力してバケット照明部11を点灯させ、その後、後述するように完了判定部83によりバケット6内からの商品取出口4dを介した商品Pの取り出し(つまり、前記第4イベント)が完了したと判定された直後にバケット照明部11を消灯させる。つまり、本実施形態では、販売動作の開始直後から販売完了までの間に亘って、載置面6aがバケット照明部11によって照明されている。そして、自動販売機1は、販売完了後は、バケット照明部11が消灯されて待機状態になる。
完了判定部83は、自動販売機1において生じる商品Pの移動に関する複数のイベントのうちの予め定めた所定のイベントに前後するタイミングで撮像部10により撮像された二つの画像のデータ同士の比較結果に基づいて、当該所定のイベントが完了したか否かを判定する。
前記二つの画像のデータ同士の比較は、例えば、完了判定部83によって実行される。つまり、本実施形態では、完了判定部83は、データ比較の機能と、イベント完了判定の機能と、を有している。前記データ比較は、比較対象の前記二つの画像のうちの後の方の画像が撮像された直後に実行される。そして、前記イベント完了判定は、前記データ比較の完了直後に実行される。なお、以下では、完了判定部83が前記データ比較の機能を有するものとして説明するが、これに限らず、前記データ比較の機能を有したデータ比較部が制御部8に別に設けられてもよい。
本実施形態では、完了判定部83は、比較対象の前記二つの画像のデータをそれぞれメモリMから読み出し、これら読み出された画像のデータに対して、例えば、画素毎に白黒二色に分ける2値化処理(前処理)を施す。そして、完了判定部83は、前処理された二つの画像のデータ同士の画素毎の差分値を比較結果として演算する。この差分値が大きいほど、二つの画像の違いが大きくなり、差分値が小さいほど、二つの画像の違いは小さくなる。つまり、一方の画像の撮像と他方の画像の撮像との間に、バケット6に対する相対移動があることを正常とした商品Pの移動に関するイベント(本実施形態では、前記第1イベント、前記第2イベント、及び、前記第4イベント)が生じていた場合には、差分値は大きく、これらのイベントが生じていない場合には、差分値はゼロ又は著しく小さい。したがって、完了判定部83は、前記第1イベント、前記第2イベント、及び、前記第4イベントについては、演算した画素毎の差分値がそれぞれ予め定めた閾値よりも大きい場合は、これらのイベントが完了したと判定し、演算した画素毎の差分値がそれぞれ前記閾値よりも小さい場合は、これらのイベントが完了していないと判定するように構成されている。また、本実施形態では、第3イベントは、一方の画像の撮像と他方の画像の撮像との間に、バケット6に対する相対移動がないことを正常とした商品Pの移動に関するイベントであり、この第3イベントが生じていた場合には、差分値はゼロ又は著しく小さく、第3イベントが生じていない場合(つまり、商品下降中に商品Pの袋がバケット6外にはみ出して棚4fの前端などに引っ掛かるなどして商品Pがバケット6内で動いてしまい、正常な姿勢での商品移送が生じていない場合)には、差分値は大きい。したがって、本実施形態では、完了判定部83は、前記第3イベントについては、演算した画素毎の差分値がそれぞれ予め定めた閾値よりも小さい場合は、前記第3イベントが完了したと判定し、演算した画素毎の差分値がそれぞれ前記閾値よりも大きい場合は、前記第3イベントが完了していないと判定するように構成されている。
本実施形態では、完了判定部83は、前記第1イベント、前記第2イベント、前記第3イベント、及び、前記第4イベントのそれぞれについての完了判定を実行することができる。そして、制御部8は、各イベントに後続すべき次の制御がある場合には、各イベントが完了判定部83により完了したと判定されたことを、当該イベントに後続する次の制御の実行の開始条件とする。
前記第1イベント(商品受け入れ)に関して、完了判定部83は、制御部8(搬送制御部81)から商品搬出装置5への搬出指令の出力前後のそれぞれのタイミングで撮像部10により撮像された二つの画像のデータ同士の比較結果に基づいて、前記第1イベントが完了したか否かを判定する第1の判定を実行する。商品搬出装置5への搬出指令の出力前のタイミングとは、例えば、制御部8から商品搬出装置5への搬出指令の出力の直前のタイミングである。但し、例えば、単品買いの場合やまとめ買いのうちの最初の商品の受け入れの場合には、前記第1の判定における商品搬出装置5への搬出指令の出力前のタイミングは、これに限らず、例えば、操作ユニット2から制御部8に商品Pについての販売指令が入力され、その後、バケット照明部11が点灯した直後のタイミングであってもよい。このタイミングでは、バケット6は空の状態で待機位置に位置しており且つ載置面6aが照明されている。また、前記第1の判定における制御部8(搬送制御部81)から商品搬出装置5への搬出指令の出力後のタイミングとは、例えば、商品搬出装置5の商品搬出用モータM1の駆動開始からの総回転数が商品一つ分の予め定めた送り量に応じた総回転数に達したことが、第1エンコーダS1からの信号に基づいて検知されたタイミングである。
図10は、制御部8における完了判定部83による第1の判定を含むフロー図の一例である。制御部8は、例えば、商品搬出装置5への搬出指令の出力の直前のタイミングに撮像部10に撮像指令を出力することにより、第1イベント前の画像を撮像させる(ステップS11)、その後、商品搬出装置5へ搬出指令を出力する(ステップS12)。制御部8は、商品一つ分の送りが完了したことが第1エンコーダS1からの信号に基づいて検知されると(ステップS13:Yes)、撮像部10に撮像指令を出力することにより、第1イベント後の画像を撮像させる(ステップS14)、一方、商品一つ分の送りが完了していな場合(ステップS13:No)は、撮像部10への撮像指令を出力せず、撮像待ち状態となる。制御部8の完了判定部83は、第1イベント後の画像を撮像した直後に、第1イベントの前後の二つの画像のデータについて前記データ比較(前記差分値の演算)を実行し(ステップS15)、この比較結果(前記差分値)に基づいて第1イベントが完了したか否かを判定する(ステップS16)。制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも大きく、完了判定部83によって第1イベントが完了したと判定されると(ステップS16:Yes)、後続の制御に移行する。一方、制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも小さく、完了判定部83によって第1イベントが完了したと判定されない場合(ステップS16:Yes)、所定のエラー処理に移行する。
第1イベントの完了後の後続の制御としては、単品買いの場合には、バケット移動装置7を駆動させるバケット移動制御があり、まとめ買いの場合には、次の商品Pの搬出等のための搬出制御、商品移動制御及びバケット移動制御があり、必要に応じて、商品搬出装置5、バケット移動装置7及び商品移動装置9の駆動が制御される。
前記第2イベント(商品退避)に関して、完了判定部83は、制御部8(搬送制御部81)から商品移動装置9への商品移動指令の出力前後のそれぞれのタイミングで撮像部10により撮像された二つの画像のデータ同士の比較結果に基づいて、前記第2イベントが完了したか否かを判定する第2の判定を実行する。完了判定部83は、まとめ買いの場合に、商品衝突回避のために商品移動装置9を駆動させて先行の商品Pを退避させる必要があるときに前記第2の判定を実行する。商品移動装置9への商品移動指令の出力前のタイミングとは、先行の商品Pについてのバケット6内への受け入れが完了したと判定された後から商品移動装置9への商品移動指令の出力までの間であればよく、例えば、制御部8から商品移動装置9への商品移動指令の出力の直前のタイミングである。また、前記第2の判定における制御部8(搬送制御部81)から商品移動装置9への商品移動指令の出力後のタイミングとは、例えば、商品移動装置9の商品移動用モータM3の駆動開始からの総回転数が予め定めた衝突回避に必要な目標の送り量に応じた総回転数に達したことが、第2エンコーダS3からの信号に基づいて検知されたタイミングである。
図11は、制御部8における完了判定部83による第2の判定を含むフロー図の一例である。制御部8は、例えば、商品移動装置9への商品移動指令の出力の直前のタイミングに撮像部10に撮像指令を出力することにより、第2イベント前の画像を撮像させる(ステップS21)、その後、商品移動装置9へ商品移動指令を出力する(ステップS22)。制御部8は、衝突回避の送りが完了したことが第2エンコーダS3からの信号に基づいて検知されると(ステップS23:Yes)、撮像部10に撮像指令を出力することにより、第2イベント後の画像を撮像させる(ステップS24)、一方、衝突回避の送りが完了していな場合(ステップS23:No)は、撮像部10への撮像指令を出力せず、撮像待ち状態となる。制御部8の完了判定部83は、第2イベント後の画像を撮像した直後に、第2イベントの前後の二つの画像のデータについて前記データ比較(前記差分値の演算)を実行し(ステップS25)、この比較結果(前記差分値)に基づいて第2イベントが完了したか否かを判定する(ステップS26)。制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも大きく、完了判定部83によって第2イベントが完了したと判定されると(ステップS26:Yes)、後続の制御に移行する。一方、制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも小さく、完了判定部83によって第2イベントが完了したと判定されない場合(ステップS26:No)、所定のエラー処理に移行する。
第2イベントの完了後の後続の制御としては、後行の商品Pの受け入れがない場合には、バケット移動装置7を駆動させるバケット移動制御があり、後行の商品Pの受け入れがある場合には、次の商品Pの搬出等のための搬出制御、商品移動制御及びバケット移動制御があり、必要に応じて、商品搬出装置5、バケット移動装置7及び商品移動装置9の駆動が制御される。
本実施形態では、前記第3イベント(バケット6に対する相対移動の無い正常な姿勢での商品移送)に関して、完了判定部83は、制御部8(搬送制御部81)からバケット移動装置7への商品取出口4dに相対する位置へのバケット移動指令の出力直前のタイミング及び商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動された直後のタイミングで撮像部10により撮像された二つの画像のデータ同士の比較結果に基づいて、前記第3イベントが完了したか否かを判定する第3の判定を実行する。バケット移動装置7への商品取出口4dに相対する位置へのバケット移動指令の出力直前のタイミングとは、例えば、単品買いの場合には、バケット6内への商品Pの受け入れが完了したと判定された直後のタイミングであり、まとめ買いの場合にはバケット6内への最後の商品Pの受け入れが完了したと判定された直後のタイミングである。また、前記第3の判定における商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動された直後のタイミングとは、例えば、バケット6が待機位置及び取出位置に戻ったことが、下端リミットセンサS2bからの信号に基づいて検知された直後のタイミングである。
図12は、制御部8における完了判定部83による第3の判定を含むフロー図の一例である。制御部8は、バケット移動装置7への商品取出口4dに相対する位置へのバケット移動指令の出力の直前のタイミングに撮像部10に撮像指令を出力することにより、第3イベント前の画像を撮像させる(ステップS31)、その後、バケット移動装置7へバケット移動指令を出力する(ステップS32)。その後、制御部8は、バケット6の待機位置及び取出位置への戻りが完了したことが下端リミットセンサS2bからの信号に基づいて検知されると(ステップS33:Yes)、撮像部10に撮像指令を出力することにより、第3イベント後の画像を撮像させる(ステップS34)、一方、バケット6の戻りが完了していな場合(ステップS33:No)は、撮像部10への撮像指令を出力せず、撮像待ち状態となる。制御部8の完了判定部83は、第3イベント後の画像を撮像した直後に、第3イベントの前後の二つの画像のデータについて前記データ比較(前記差分値の演算)を実行し(ステップS35)、この比較結果(前記差分値)に基づいて第3イベントが完了したか否かを判定する(ステップS36)。制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも小さく、完了判定部83によって第3イベントが完了したと判定されると(ステップS36:Yes)、後続の制御に移行する。一方、制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも大きく、完了判定部83によって第3イベントが完了したと判定されない場合(ステップS36:No)、所定のエラー処理に移行する。
第3イベントの完了後の後続の制御としては、例えば、前記第4イベントの判定用の撮像や演算がある。
前記第4イベント(商品取り出し)に関して、完了判定部83は、載置面6aに商品Pが載置されていない状態で撮像部10により撮像された初期画像と商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動された状態で商品取出扉4eが開閉されて開位置から閉位置に位置することによって扉検知部4e1が商品取出扉4eの閉状態を検知した後のタイミングで撮像部10により撮像された画像のデータ同士の比較結果に基づいて、前記第4イベントが完了したか否かを判定する第4の判定を実行する。本実施形態では、前記初期画像は、バケット照明部11が点灯された直後のタイミングで撮像部10により撮像された画像である。この画像は、換言すると、制御部8に商品Pの販売指令が入力された後であり、且つ、バケット照明部11が点灯された直後のタイミングで撮像された画像であり、載置面6a上に商品Pが載置されていない空の状態の画像である。そして、前記第4の判定における商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに対応する位置まで移動された状態で商品取出扉4eが開閉されて開位置から閉位置に位置することによって扉検知部4e1が商品取出扉4eの閉状態を検知した後のタイミングとは、例えば、バケット6が待機位置及び取出位置に戻ったことが、下端リミットセンサS2bからの信号に基づいて検知され、且つ、商品取出扉4eが閉状態にあることが、扉検知部4e1からの信号に基づいて再検知された後のタイミングである。
図13は、制御部8における完了判定部83による第4の判定を含むフロー図の一例である。制御部8に販売指令が入力されず、バケット照明部11が点灯されない場合(ステップS41:No)は、初期画像は撮像されず、撮像部10及びバケット照明部11を有したバケット6は待機位置で待機されている。一方、制御部8は、販売指令が入力されて、バケット照明部11を点灯させると(ステップS41:Yes)、その直後に撮像部10に撮像指令を出力することにより、第4イベント前の画像(初期画像)を撮像させる(ステップS42)。その後、制御部8は、バケット6の待機位置及び取出位置への戻りが完了したことが下端リミットセンサS2bからの信号に基づいて検知されるとともに、商品取出扉4eが開閉されて開位置から閉位置に位置することによって、商品取出扉4eの閉状態が再検知されると(ステップS43:Yes)、撮像部10に撮像指令を出力することにより、第4イベント後の画像を撮像させる(ステップS44)、一方、バケット6の戻りが完了していない場合や商品取出扉4eの閉状態が検知されない場合(ステップS43:No)は、撮像部10への撮像指令を出力せず、撮像待ち状態となる。制御部8の完了判定部83は、第4イベント後の画像を撮像した直後に、第4イベントの前後の二つの画像のデータについて前記データ比較(前記差分値の演算)を実行し(ステップS45)、この比較結果(前記差分値)に基づいて第4イベントが完了したか否かを判定する(ステップS46)。制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも大きく、完了判定部83によって第4イベントが完了したと判定されると(ステップS46:Yes)、後続の制御に移行する。一方、制御部8は、前記差分値が前記閾値よりも小さく、完了判定部83によって第4イベントが完了したと判定されない場合(ステップS46:No)、商品Pが取り出されていないこと(本実施形態では複数の商品Pのうちの一部の商品Pが取り出されていないことを含む)を、音声や表示等により利用者へ報知する(ステップS47)。そして、この場合(ステップS46:No)には、第4イベント後の画像の再撮像(ステップS44)、データ比較(ステップS45)及び第4イベントの完了判定は、第4イベントが完了した(まとめ買いの場合は、バケット6内の全ての商品Pが取り出された)と判定する(ステップS46:Yes)まで繰り返される。
なお、バケット6の待機位置及び取出位置への戻りが完了したことが検知されると、前述したように、前記扉ロック部が解錠方向に駆動されて、商品取出扉4eが開閉可能な状態になり、利用者はバケット6内の商品Pを取り出すことができるようになる。この取り出しの際、まとめ買いの利用者は、例えば、複数の商品Pを、商品取出扉4eを開けた状態で商品取出口4dから一度の動作によって取り出す場合や、商品取出扉4eを複数回開閉し複数回の動作に分けて取り出す場合もある。後者の場合であっても、第4イベント後の画像は前述したように扉検知部4e1が商品取出扉4eの閉状態を検知(再検知)した後のタイミングで再撮像(ステップS44)されるため、商品Pの取り出しの完了が正しく判定される。
第4イベントの完了後の後続の制御としては、自動販売機1を待機状態にするための待機用の制御がある。例えば、完了判定部83によって第4イベント(商品取り出し)が完了したと判定されると、制御部8は、撮像照明制御部82によってバケット照明部11を消灯させる。これにより、自動販売機1は待機状態になる。
なお、待機用の制御は、バケット照明部11の消灯だけでなく他の制御も含まれ得る。例えば、本実施形態のように、商品取出扉4eを施解錠する電動式の扉ロック部が設けられる場合には、待機用の制御に、この扉ロック部の再施錠の制御が含まれてもよい。具体的には、バケット6内の商品P(まとめ買いの場合には全ての商品P)が取り出され、完了判定部83によって第4イベントが完了したと判定されると、制御部8は前記扉ロック部へ施錠指令を出力し前記扉ロック部を施錠方向へ駆動させ、これにより、商品取出扉4eが施錠された待機状態に戻る。
次に、自動販売機1の動作の一例について、簡単に説明する。
以下では、利用者が、操作ユニット2の商品選択部2fを介して、図1に示すように、最上段(下から6段目)の棚4fにおける右端の商品搬出装置5に載置された商品P(以下では第1商品P1という)と、第1商品P1の直下の商品搬出装置5に載置された商品P(以下では第2商品P2という)と、下から2段目の棚4fにおける左端から二番目の商品搬出装置5に載置された商品P(以下では第3商品P3という)を、購入商品としてそれぞれ一個ずつ選択した場合(つまり、まとめ買いの場合)を一例に挙げて説明する。
なお、(1)自動販売機1の管理者等は商品Pを商品搬出装置5に補充の抜け(補充飛ばし)なく適切な姿勢で補充しており(例えば、スパイラル式の商品搬出装置5の場合は、搬出可能な適切なサイズの商品Pがスパイラル状の金属棒の一巻き分の載置箇所の全てに搬出可能な適切な姿勢で補充されており)、(2)管理者等は商品選択部2fや制御部8の前記情報入出力部を介して各商品搬出装置5に載置(補充)した商品の個数を間違いなく入力しており、(3)自動販売機1の商品搬出装置5やバケット移動装置7や商品移動装置9等の各種機器は故障なく正常に作動し、(4)商品下降中において商品Pの袋がバケット6外にはみ出していないものとする。つまり、以下では、商品Pの補充ミス(補充抜けを含むミス)、商品Pに関する情報の入力ミス、及び、機器の故障がない、自動販売機1におけるまとめ買いの場合の動作の一例について説明する。
操作ユニット2は、商品選択部2fを介して選択された三個の商品Pに対応する料金支払いが行われると、これらの商品Pについての販売指令を本体ユニット3(制御部8)に送信する。操作ユニット2からの販売指令が制御部8に入力されると、制御部8はバケット照明部11(光源11a)を点灯させる。
制御部8は、第1商品P1、第2商品P2、第3商品P3の順番でバケット6内に商品Pを受け入れるように、商品搬出装置5、バケット移動装置7及び商品移動装置9の動作を制御する。
第2商品P2は第1商品P1の直下に位置している。したがって、バケット6内への第1商品P1の受け入れ後に、商品移動装置9を駆動させずに、そのまま、バケット6内への第2商品P2の受け入れがなされると、第2商品P2が第1商品P1の上に搬出されて第1商品P1を傷つける可能性があるがある。この点に関し、本実施形態では、制御部8は、例えば、商品搬出装置5による第1商品P1の搬出動作後に、先行の商品P(第1商品P1)を後行の商品P(第2商品P2)と干渉しない目標の送り量分だけ左側に移動させるようにバケット移動装置7を駆動させる。その結果、載置面6a上の第1商品P1が第2商品P2と干渉しない目標の送り量分だけ左側に移動される。この状態で、第2商品P2がバケット6内に受け入れられることによって、第1商品P1が傷つけられること等が防止される。
そして、制御部8は、バケット6への第3商品P3の受け入れのための動作制御後に、バケット移動装置7を駆動させて、三個の商品Pを受け入れたバケット6を商品取出口4dに相対する位置(取出位置及び待機位置)まで移動させる。この状態で、利用者は、商品取出口4dを介して三個の商品P(P1、P2、P3)を取り出すことができる。
ここで、上記の動作の一例では、商品Pの補充ミス、商品Pに関する情報の入力ミス、及び、機器の故障といった問題がないものとしたが、例えば、機器が正常に動作していたとしても、補充ミス又は入力ミスがある場合もある。この場合、商品搬出装置5が商品Pの搬出動作を正常に行ったとしても、実際には、商品Pが無い状態で、空運転がなされているおそれがある。このような空運転の場合には、実際には、商品Pは搬出されず、商品搬出装置5の搬出動作後に、商品Pはバケット6内に受け入れられていない。つまり、空運転後、後続するバケット移動装置7及び商品搬出装置5の動作等の一連の制御動作がそのまま実行され得ることになる。これに対して、本実施形態では、制御部8は、前記第1イベント(商品受け入れ)が完了判定部83により完了したと判定された場合(図10に示すステップS16:Yes参照)に、後続する次の制御に移行するようになっており、異常な状態で後続の制御に移行されることが防止されている。
また、商品移動装置9が正常に動作したとしても、例えば、商品Pの形状によっては、商品Pがバケット6の前下板64等に引っ掛かる等して、目標の送り量分だけバケット6の幅方向に移動していないという現象が生じるおそれもある。この点に関し、本実施形態では、制御部8は、前記第2イベント(商品退避)が完了判定部83により完了したと判定された場合(図11に示すステップS26:Yes参照)に、後続する次の制御に移行するようになっており、異常な状態で後続の制御に移行されることが防止されている。
また、上記の動作の一例では、商品下降中において商品Pの袋がバケット6外にはみ出していないものとしたが、例えば、商品Pの袋の大きさや形状によっては、機器が正常に動作していたとしても、商品Pの袋がバケット6外にはみ出した状態で商品Pがバケット6と一緒に商品取出口4dに相対する位置に向かって下降する場合もある。この場合、商品下降中において、例えば、商品Pの袋が棚4fの前端に引っ掛かり、その結果、バケット6内での商品Pの移動が生じ、また、引っ掛かりの程度によってはさらに商品Pの袋の破損が生じ、このような状態で、後続する制御動作がそのまま実行され得ることになる。これに対して、本実施形態では、制御部8は、前記第3イベント(本実施形態ではバケット6に対する相対移動の無い正常な姿勢での商品移送)が完了判定部83により完了したと判定された場合(図12に示すステップS36:Yes参照)に、後続する次の制御に移行するようになっており、異常な状態(例えば、袋が破損した状態)で後続の制御に移行されることが防止され得る。
また、各機器が正常に動作し、販売指令に応じた商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動されたとしても、何らかの理由によって、バケット6内からの商品Pの取り出しが行われない場合もある。そして、自動販売機1の待機用の制御(例えば、バケット照明部11や前記扉ロック部の制御)が必要な場合において、バケット6内からの商品Pの取り出しが行われないと、待機用の制御等を実行できないことになる。この点に関し、本実施形態では、制御部8は、前記第4イベント(商品取り出し)が完了判定部83により完了したと判定された場合(図13に示すステップS46:Yes参照)に、後続する次の制御に移行するようになっており、異常な状態で後続の制御(待機用の制御)に移行されることが防止されている。
本実施形態に係る自動販売機1によれば、バケット6に設けられた撮像部10によって、バケット6における受け入れた商品Pが載置される載置面6aを含む画像が撮像される。そして、制御部8の完了判定部83によって、商品Pの移動に関する複数のイベントのうちの予め定めた所定のイベントに前後するタイミングで撮像部10により撮像された二つの画像のデータ同士の比較結果に基づいて、前記所定のイベントが完了したか否かが判定される。したがって、完了判定部83は、前記所定のイベントに前後するタイミングで撮像されたバケット6内の実際の画像に基づいて、当該イベントが完了したか否かを確実に判定することができる。
このようにして、商品の移動に関する所定のイベントが完了したか否かを確実に判定することができる自動販売機1を提供することができる。
本実施形態に係る自動販売機1によれば、バケット6に設けられた撮像部10によって、バケット6における受け入れた商品Pが載置される載置面6aを含む画像が撮像される。したがって、バケット6内に商品Pが正常に受け入れられた場合(換言すると、商品搬出装置5から商品Pが正常に搬出された場合)には、撮像部10により撮像された画像には、バケット6内に受け入れられた商品Pが映り込んでいる。したがって、撮像部10により取得された画像のデータ(情報)を用いて、バケット6内への商品Pの受け入れ(第1イベント)が完了したか否かを確実に判定することができる。また、第2イベント(商品退避)や第3イベント(商品移送)や第4イベント(商品取り出し)が完了したか否かについても同様に確実に判定することができる。
このようにして、第1イベントや第2イベントや第3イベントや第4イベントといった自動販売機1において生じる商品Pの移動に関する所定のイベントが完了したか否かを確実に判定するための情報を取得できる自動販売機1を提供することができる。
ここで、例えば、まとめ買いの場合において、先行してバケット6に受け入れられた比較的に大きな商品Pの近傍に、先行の商品Pよりも小さい後行の商品Pがバケット6に受け入れられ、一つの撮像部10では、後行の商品Pが先行の商品Pの後ろに隠れてしまい、後行の商品Pを撮像できないおそれがある。この点に関し、本実施形態では、撮像部10は、バケット6の幅方向の両側にそれぞれ設けられているため、後行の商品Pをいずれか一方の撮像部10によって確実に撮像することができ、先行の商品Pの後に隠れて後行の商品Pを撮像することができない死角領域を無くすことができる。
本実施形態では、バケット6は、棚4fの幅に合わせた幅を有する。これにより、複数の商品Pを一度に受け入れる必要があるまとめ買いに好適なバケット6が提供される。
本実施形態では、商品搬出装置5は各棚4fの上において棚4fの幅方向に並列するように複数個設けられている。そして、バケット6は、自身の幅方向に商品Pを移動させるベルトコンベア式の商品移動装置9を有し、商品移動装置9のベルト91の上側走行部Vaの上面が載置面6aをなしている。これにより、まとめ買いの場合であっても、商品P同士が衝突することが防止される。例えば、同一の商品搬出装置5に載置された複数の商品Pや、棚4fの幅方向についての設置位置が同一の商品搬出装置5に載置された複数の商品Pが選択された場合に、効果的である。
本実施形態では、載置面6aを照明するバケット照明部11は、バケット6における前面パネル4b側の所定の部位に載置面6a側に向いた姿勢で設けられている。これにより、前面パネル4bの前方に立つ利用者に眩しさを感じさせることなく、撮像部10による撮像領域である載置面6aが照明され、明瞭な画像が撮像され得る。また、バケット照明部11は、バケット6の幅の全体に亘って一列に配置された複数の光源11aを有する。これにより、載置面6aの全体が均一に照明され、より明瞭な画像が撮像され得る。
なお、本実施形態では、第3イベントは、バケット移動装置7によるバケット6の移動を介した商品取出口4dに相対する位置への商品Pの移送であって、バケット6の移動中におけるバケット6に対する相対移動の無い商品移送であるものとしたが、これに限らず、単に、バケット移動装置7によるバケット6の移動を介した商品取出口4dに相対する位置への商品Pの移送であってもよい。換言すると、第3イベントは、バケット6が単に商品取出口4dに相対する位置に到達しただけでなく、商品Pが載置された状態のバケット6が商品取出口4dに相対する位置に到達したことを確認することを想定した、イベントであってもよい。この場合、完了判定部83は、第3イベント前の画像として載置面6aに商品Pが載置されていない状態で撮像部10により撮像された初期画像(詳しくは第4イベントの完了の判定に用いた初期画像と同じ画像)を用い、この初期画像と商品Pを受け入れたバケット6がバケット移動装置7により商品取出口4dに相対する位置まで移動された直後のタイミングで撮像部10により撮像された二つの画像のデータ同士の比較結果に基づいて、第3イベントが完了したか否かを判定する第3の判定を実行する。この場合、完了判定部83は、ステップS36において、前記差分値が前記閾値よりも大きい場合に、第3イベントが完了したと判定し、前記差分値が前記閾値よりも小さい場合に、第3イベントが完了したと判定する。これにより、第3イベントの完了の判定を通じて、商品Pが載置された状態で、バケット6が商品取出口4dに相対する位置に到達したことを容易に確認することができる。
また、前記第4イベント前の初期画像(前記第3イベント前の画像として用いられる初期画像も含む)は、バケット照明部11が点灯された直後のタイミングで撮像部10により撮像された画像であるものとしたが、これに限らず、制御部8に商品Pの販売指令が入力された直後のタイミングで撮像部10により撮像された画像でもよい。そして、本実施形態では、前記第4イベント前の初期画像(前記第3イベント前の画像として用いられる初期画像も含む)は、販売指令が入力される度に撮像された画像が用いられているが、これに限らず、例えば、自動販売機1の組立工場や自動販売機1の設置場所における初期設定時などのタイミングにおいて撮像部10により予め撮像されてメモリMに格納された画像が用いられてもよい。
また、本実施形態では、まとめ買いを想定した動作を一例に挙げて説明したが、一個の商品Pのみが選択された場合(つまり、単品買いの場合)には、自動販売機1は、この一個の商品Pに対する課金処理、商品搬出装置5による搬出動作、及び、バケット移動装置7による移動動作を含む一連の販売動作を実行させればよい。また、自動販売機1は、まとめ買いと単品買いの両方に対応可能でなくてもよく、単品買いのみに対応可能であってもよい。この場合、自動販売機1は、一個の商品P毎に、課金処理、商品搬出装置5による搬出動作、及び、バケット移動装置7による移動動作を含む一連の販売動作を実行させればよい。また、単品買いのみに対応した自動販売機1の場合には、撮像部10は一つでもよく、商品移動装置9は設けなくてもよい。
本実施形態では、商品搬出装置5は、各棚4fにおいて並列して複数個設けられているが、これに限らず、例えば、上下に一列に並ぶように各棚4fに一個ずつ設けられてもよい。この場合も、撮像部10がバケット6の幅方向の両側に設けられると共に、商品移動装置9が設けられ、且つ、バケット6が棚4fの幅に合わせた幅広に形成されると、まとめ買いに好適である。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態や変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。