JP2022133767A - アクチュエータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異常停止部(S110~S130、S150、S170~S180、S200)は、複数のドライバ回路のいずれかで過電流が検出された場合、過電流が検出されたドライバ回路によって駆動されるアクチュエータを対象アクチュエータとして、対象アクチュエータの駆動に用いられる全てのドライバ回路を停止する。故障判定部(S140、S190)は、過電流の原因が出力端子の第1電源線への短絡異常であるか否かを判定する。故障抑制部(S160、S210)は、故障判定部にて第1電源線への短絡異常であると判定された場合に、複数のドライバ回路の全てを停止する。
【選択図】図5
Description
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
本実施形態では、車載エアコンシステム1を用いて説明する。車載エアコンシステム1は、普通自動車のバッテリより高い電圧を供給するバッテリを搭載したトラック等の車両に適用される。なお、車両は、車室内の空調を制御するために空調ダクトを備える。空調ダクトは、最も上流側に、車室内の空気(以下、内気)を取り入れる内気吸込口、及び車室外の空気(以下、外気)を取り入れる外気吸込口を有する。空調ダクトは、最も下流側に、自動車の前面窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフロスタ吹出口、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を吹き出すフェイス吹出口、及び乗員の足元に向かって主に温風を吹き出すフット吹出口を有する。空調ダクト内には、エバポレータ及びヒータコアが配置される。ヒータコアはエバポレータの下流側に配置される。
図2に示すように、モータ駆動I/F86は、アクチュエータ群7に属する各モータ71~73を駆動する。但し、ここでは、図面を見やすくするために、2つのモータM1,M2を駆動する場合の構成について示す。駆動対象となるモータの数は3つ以上であってもよい。モータM1,M2は、アクチュエータ群7に属する各モータ71~73のいずれかである。
駆動用電源端子T11は、電源降圧回路83にて生成される第2電圧VDの駆動用電源を供給する第2電源線L2に接続される端子である。但し、駆動用電源端子T11は、逆流防止用のダイオードDを介して第2電源線L2に接続される。
接地用端子T13は、モータ駆動I/F86内部のフレームグランドを、外部(例えば、エアコンECU8又は車体)の接地電位を有する部位に接続する端子である。
HB回路91は、駆動用電源端子T11と接地用端子T13との間に直列接続された、高電位側スイッチング素子(例えば、Pチャネル型MOSFET)と低電位側スイッチング素子(例えば、Nチャネル型MOSFET)とを含む。つまり、HB回路91は、第2給電線L2を介して電源供給を受けて作動する。以下では高電位側スイッチング素子をHサイド素子、低電位側スイッチング素子をLサイド素子という。Hサイド素子及びLサイド素子には、スイッチオフ時に発生する逆起電力を逃がす還流ダイオードが、それぞれ接続される。HB回路91では、Hサイド素子とLサイド素子との接続点が、HB回路91の出力点とされ、出力端子T21に接続される。
駆動回路95~98は、それぞれ、過電流検出部951,961,971,981を備える。過電流検出部951,961,971,981は、Hサイド素子及びLサイド素子のそれぞれについて個別に過電流の有無を検出する。具体的には、例えば、カレントミラー回路を用いて、検出対象のスイッチング素子に流れる電流に比例した電流を抽出し、この抽出された電流があらかじめ設定された閾値以上である場合に過電流であると判定する。判定結果は、ドライバ制御部90に通知される。
ここで、モータ駆動I/F86における基本的な正常時動作及び異常時動作を、図3及び図4を用いて説明する。
次に、異常時動作として、図4に示すように、HB回路91,93がハイ駆動状態、HB回路92,94がロー駆動状態に設定されているときに、バッテリショート(すなわち、第1電源線L1への短絡異常)が発生した場合を説明する。なお、バッテリショートにより、出力端子T22には第1電圧VBが印加される。
なお、HB回路91~94が、図3に示すように駆動されているときに、出力端子T21がGNDショート又はモータM1がモータショートした場合、HB回路91のHサイド素子で過電流が検出される。但し、この場合、出力端子T23,T24に接続されたモータM2に過電流の影響が及ぶことはない。
次に、処理部87が実行する故障抑制処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。故障予防処理は、電源降圧回路83を介して処理部87にロジック用電源が供給されることで、処理部87が起動すると、周期的に実行される。
続くS120では、処理部87は、出力端子T21(すなわち、HB回路91)で過電流が検出されているか否かを判定し、過電流が検出されていれば、処理をS140に移行し、過電流が検出されていなければ、処理をS130に移行する。
S170では、処理部87は、出力端子T23(すなわち、HB回路93)で過電流が検出されたか否かを判定し、過電流が検出されていれば、処理をS190に移行し、過電流が検出されていなければ、処理をS180に移行する。
[1-5.HB駆動制御]
ドライバ制御部90が、処理部87からの指令に従って、駆動回路95~98(ひいては、HB回路91~94)のそれぞれに対して実行するHB駆動制御の手順を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。HB駆動制御は、論理回路の組み合わせによって実現されてもよい。HB回路駆動制御は、電源降圧回路83を介してドライバ制御部90にロジック用電源が供給されることで、ドライバ制御部90が起動すると、周期的に実行される。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)エアコンECU8では、出力端子T21~T24(すなわち、HB回路91~94)にて過電流が検出され、かつ、過電流が検出されたのがHB回路のLサイド素子であるか否かによって、過電流の原因がバッテリショートであるか否かを判定する。そして、バッテリショートであると判定された場合、バッテリショートした出力端子に接続されたモータだけでなく、他のモータも強制停止する。
本開示におけるHB回路91~94がドライバ回路に相当し、駆動回路95~98及び制御部90が駆動制御部に相当する。また、本開示におけるS110~S130、S150、S170~S180、S200が異常停止部に相当し、S140、S190が故障判定部に相当し、S160、S210が故障抑制部に相当する。
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(2b)本実施形態では、モータ駆動I/F86Aと処理部87との間で過電流の判定結果をやりとりする必要がないため、出力端子T21~T22にて発生するバッテリショーと等の異常を速やかに検出し、速やかに対処できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(3d)本開示に記載の処理部87及びドライバ制御部90、並びにその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の処理部87及びドライバ制御部90、並びにその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の処理部87及びドライバ制御部90、並びにその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。処理部87及びドライバ制御部90に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
Claims (7)
- 第1電圧で電子制御ユニットに電源を供給するように構成された第1電源線(L1)と、
前記第1電圧より低電圧の第2電圧で前記電子制御ユニットに搭載された少なくとも一部の機器に電源を供給するように構成された第2電源線(L2)と、
前記第2電源線から電源供給を受けて作動し、それぞれがアクチュエータに接続される複数対の出力端子(T21~T24)のそれぞれに対して、前記第2電圧又は接地電圧を印加するように構成された複数のドライバ回路(91~94)と、
前記複数のドライバ回路を駆動することで前記アクチュエータの動作を制御するように構成された駆動制御部(90,95~98)と、
前記複数のドライバ回路のそれぞれに設けられ、過電流の有無を検出するように構成された過電流検出部(951、961,971,981)と、
前記複数のドライバ回路のいずれかで過電流が検出された場合、前記過電流が検出された前記ドライバ回路によって駆動される前記アクチュエータを対象アクチュエータとして、前記対象アクチュエータの駆動に用いられる全ての前記ドライバ回路を停止するように構成された異常停止部(S110~S130、S150、S170~S180、S200)と、
前記過電流の原因が前記出力端子の前記第1電源線への短絡異常であるか否かを判定するように構成された故障判定部(S140、S190)と、
前記故障判定部にて前記第1電源線への短絡異常であると判定された場合に、前記複数のドライバ回路の全てを停止するように構成された故障抑制部(S160、S210)と、
を備えるアクチュエータ駆動装置。 - 請求項1に記載のアクチュエータ駆動装置であって、
前記ドライバ回路は、前記第2電源線と接地との間に直列接続された高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子とを備え、前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子との接続点が前記出力端子に接続されるハーフブリッジ回路を用いて構成され、
前記故障判定部は、前記駆動制御部からの指示に従って前記高電位側スイッチング素子がオフ、前記低電位側スイッチング素子がオンされている前記ドライバ回路において過電流が検出された場合、前記第1電源線への短絡異常であると判定するように構成された
アクチュエータ駆動装置。 - 請求項1に記載のアクチュエータ駆動装置であって、
前記ドライバ回路は、前記第2電源線と接地との間に直列接続された高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子とを備え、前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子との接続点が、前記出力端子に接続されるハーフブリッジ回路が用いられ、
前記過電流検出部は、前記ハーフブリッジ回路の前記高電位側スイッチング素子、及び前記低電位側スイッチング素子のそれぞれについて、個別に過電流の有無を検出し、
前記故障判定部は、前記低電位側スイッチング素子にて過電流が検出された場合、前記第1電源線への短絡異常であると判定するように構成された
アクチュエータ駆動装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のアクチュエータ駆動装置であって、
前記駆動制御部は、前記故障抑制部が作動することによって前記ドライバ回路の駆動が停止された場合、あらかじめ設定された再開待時間後に、前記ドライバ回路を駆動する制御を再開するように構成された、
アクチュエータ駆動装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアクチュエータ駆動装置であって、
マイクロコンピュータを更に備え、
前記異常停止部及び前記故障判定部、前記故障抑制部は、前記マイクロコンピュータが実行する処理によって実現されるように構成された
アクチュエータ駆動装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアクチュエータ駆動装置であって、
前記異常停止部及び前記故障判定部、前記故障抑制部は、集積回路によって実現されるように構成された
アクチュエータ駆動装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のアクチュエータ駆動装置であって、
前記アクチュエータは、モータである
アクチュエータ駆動装置。
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