JP2022132865A - 絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

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Shinsuke Aoki
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Abstract

【課題】ダミー部へのろう材の流れだしを抑制し、ろう材の這い上がりによる外観不良及びエッチング不良を防止する、パワーモジュール等に用いられる絶縁回路基板の製造方法を提供する。【解決手段】製造方法は、分割用スクライブライン12が形成された矩形状のセラミックス板11と金属板21とをろう材41を介して積層する積層工程と、積層体を加熱して冷却して接合する接合工程と、金属板21をエッチングするエッチング工程と、セラミックス板を分割することにより複数の絶縁回路基板を形成する分割工程と、を有する。積層工程では、セラミックス板と金属板との一つの角部14を揃えた状態に位置決めすることで、一つの角部に対向する角部を構成する二辺15a、15bに、セラミックス板のダミー部13を形成する。接合工程では、ダミー部において、溶融したろう材の広がり領域の外縁が、金属板の熱膨張による拡がり領域の外縁より内側に配置される。【選択図】図5

Description

本発明は、大電流、高電圧を制御するパワーモジュール等に用いられる絶縁回路基板の製造方法に関する。
従来のパワーモジュール等に用いられる絶縁回路基板として、例えば、特許文献1に記載の金属接合セラミックス基板(絶縁回路基板)では、AlN(窒化アルミ)、Al(アルミナ)、Si(窒化ケイ素)などからなるセラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に第一の金属板が接合されて構成された回路層と、セラミックス基板の他方の面に第二の金属板が接合されて構成された金属層とを備えている。また、その製造工程として、切断ライン(スクライブライン)を形成して複数のセラミックス基板に分割可能なセラミックス板に、金属板を接触配置した後、活性金属法等によってこれらを接合し、金属板の不要な部分をエッチングによって除去することで回路パターンを形成し、セラミックス板をスクライブラインから分割して個々の絶縁回路基板を得ることが記載されている。
なお、セラミックス板と金属板とをろう付けする場合は、金属板が銅又は銅合金板である場合、ろう材には活性金属を含むAg-Ti系やAg-Cu-Ti系のろう材ものが用いられる。
特許第5642808号公報
しかしながら、エッチング法で接合体を製造する際、回路形成用に必要なレジスト印刷の位置決めをするためにセラミックス板の少なくとも対角2角以上が露出している必要があり、そのために少なくとも連続する金属板の2辺が接合後にセラミックス基板外周より内側に存在する必要がある。
一般的にセラミックス板の外周部には製造過程で製品部分となるセラミックス板を保護するために「ダミー部」が存在する。通常、このセラミックス板の露出している二つの角部をその後のレジスト印刷時の基準としている。
一方、接合性確保のため、接合必要箇所には最低限ろう材が存在する必要がある。必要なろう材面積を確保しながら、金属板とろう材の位置関係が不適切な場合、接合時にセラミックス板が露出する部分(「ダミー部」)に、セラミックス板と金属板との間から余剰なろう材が流れ出し、金属板の側面を経て金属板表面に這い上がり外観不良および回路形成時のエッチング不良の原因となる問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、「ダミー部」へのろう材の流れだしを抑制し、金属板表面へのろう材の這い上がりによる外観不良及びエッチング不良を防止することを目的とする。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、分割用スクライブラインが形成された矩形状のセラミックス板と金属板とをろう材を介して積層する積層工程と、積層体を加熱してろう材を溶融させた後、冷却することにより前記セラミックス板と前記金属板とを接合する接合工程と、接合工程後に前記金属板をエッチングして不要部分を除去するエッチング工程と、エッチング工程後に前記セラミックス板を前記スクライブラインに沿って分割することにより複数の絶縁回路基板を形成する分割工程と、を有する絶縁回路基板の製造方法であって、
前記積層工程では、前記セラミックス板と前記金属板との一つの角部を揃えた状態に位置決めすることにより、該一つの角部に対向する角部を構成する二辺に、セラミックス板のダミー部を形成しており、
前記接合工程では、前記ダミー部において、溶融した前記ろう材の広がり領域の外縁が、前記金属板の熱膨張により広がる外縁より内側に配置される。
セラミックス板と金属板とは接合時に一つの角部を基準として二辺が位置決めされ、残りの二辺のダミー部において露出しているセラミックス板の対向する二つの角部が、エッチングの際のレジスト印刷の基準ともなる。
接合工程で、このダミー部において、溶融したろう材の広がり領域の外縁が、金属板の熱膨張による広がる外縁より内側に配置されるようにすることにより、ダミー部のセラミックス板上に溶融ろう材が流れ出すことが抑制され、金属板表面へのろう材の這い上がりを抑制する。
この製造方法において、前記金属板を板素材から切断して形成する金属板形成工程を有し、前記積層工程では、前記金属板の切断端部において、バリが出ている側の面を前記セラミックス板の前記ダミー部の表面に重ねるとよい。
金属板のバリをダミー部の表面に重ねることにより、接合工程時に溶融したろう材をバリによりせき止めることができ、金属板の外に流れ出ることが防止される。
この製造方法において、前記板素材は前記金属板の幅に設定された長尺材であり、前記金属板形成工程では、前記板素材を長さ方向に間欠的に搬送しながらシャーにより前記金属板の長さに切断して前記金属板を形成し、前記積層工程では、前記金属板の前記金属板形成工程における搬送方向の後方側の切断端部を前記ダミー部に配置し、かつ該切断端部のバリが出ている側の面を前記ダミー部の表面に重ねるとよい。
板素材を間欠的に搬送しながらシャーにより切断すると、切断刃より搬送方向前方側で金属板が切り落とされる。このとき、切り落とされた金属板の搬送方向後方側の切断端面は切断による破断面が生じて粗い表面になる。また、切断により金属板の表面側に突出するバリが生じ、裏面側はだれ面になる。一方、この金属板が切り落とされた後の板素材の切断端部は、金属板を切断した後に引き上げられる切断刃の表面でこすられるために比較的平滑な切断端面になる。また、切断により板素材の表面側がだれ面で、裏面側に突出するバリになる。ただし、切断後に切断刃によってこすり上げられるので、金属板よりバリの高さは小さい。
そこで、切り落とされた金属板の搬送方向後方側の切断端部をセラミックス板のダミー部に配置して、そのバリをダミー部の表面に重ねることにより、接合工程時に溶融したろう材をバリによりせき止める効果が大きく、金属板の外に流れ出ることを有効に防止できる。
本発明によれば、「ダミー部」へのろう材の流れだしを抑制し、金属板表面へのろう材の這い上がりによる外観不良及びエッチング不良を防止することができる。
本発明の一実施形態の絶縁回路基板の製造方法を示すフローチャートである。 一実施形態の製造方法で製造される絶縁回路基板の例を示す縦断面図である。 図2の絶縁回路基板の製造途中のセラミックス板を示す平面図である。 図3に示すセラミックス板にろう材を形成した状態を示す平面図である。 図4に示す状態のものに金属板を積層する前の状態を示す斜視図である。 図5に示す状態から金属板を積層した状態を示す平面図である。 板素材をシャーで切断している状態を示す模式図である。 シャーで切断された金属板の両切断端部を示す断面図である。 接合した後の金属板の切断端部付近を示す断面図である。 接合時の荷重とろう材の広がり率との関係を測定して得たグラフである。
以下、本発明の絶縁回路基板の製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法で製造される絶縁回路基板1は、例えば電源回路に用いられるパワーモジュール用基板である。この絶縁回路基板1は、図2に示すように、矩形状のセラミックス基板2と、そのセラミックス基板2の一方の面に形成された回路層3と、セラミックス基板2の他方の面に形成された放熱層4と、を有している。これら回路層3及び放熱層4は、セラミックス基板2より平面形状が小さく、周囲にセラミックス基板2が露出している。図2等には、便宜上、回路層3、放熱層4とも矩形状のものとして示しているが、その平面形状は特に限定されるものではない。
セラミックス基板2は、回路層3と放熱層4との間の電気的接続を防止するものであって、窒化アルミニウム(AlN),窒化ケイ素(Si),酸化アルミニウム(Al)等を用いることができるが、そのうち、窒化ケイ素が高強度であるため、好適である。このセラミックス基板2の厚さは0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定される。
回路層3は、アルミニウム又はアルミニウム合金、銅又は銅合金が適用できるが、電気特性に優れる銅又は銅合金が好適である。また、放熱層4も回路層3と同じ材質の金属が用いられ、例えば銅又は銅合金から構成される。これら回路層3及び放熱層4としては、例えば、純度99.96質量%以上の無酸素銅の銅板がセラミックス基板2に例えば活性金属ろう材(例えばAg-Ti又はAg-Cu-Tiからなるろう材)にてろう付け接合されることにより形成される。この回路層3及び放熱層4の厚さは0.1mm以上5mm以下の範囲内に設定される。
このように構成される絶縁回路基板1の製造方法について説明する。
この絶縁回路基板1は、図1に示すように、セラミックス板形成工程S1、金属板形成工程S2、積層工程S3、接合工程S4、エッチング工程S5、分割工程S6を経て製造される。セラミックス板形成工程S1と金属板形成工程S2とは、その順序は問われず、いずれを先に実施してもよく、同時進行してもよい。
以下、工程順に説明する。回路層3と放熱層4とは、エッチング工程でのエッチングの形状が異なる以外、金属板形成工程S2、積層工程S3、接合工程S4、エッチング工程S5を経て形成され、最後の分割工程S6により、回路層3及び放熱層4を有する絶縁回路基板1が形成される。以下では、回路層3と放熱層4とに対して同じ処理内容である場合には、特に回路層3と放熱層4とを区別することなく説明する。
(セラミックス板形成工程:S1)
図3等に示すように、複数個のセラミックス基板2を形成し得る十分な大きさの1枚のセラミックス板11を用意し、その片面又は両面に、レーザ加工で溝状の分割用スクライブライン(以下、単にスクライブラインと称す)12を形成する(図5等には片面にスクライブライン12を形成した例を示す)。このスクライブライン12で分割することにより、複数個のセラミックス基板2を得ることができる。スクライブライン12は、セラミックス板11に縦横に複数本ずつ形成されることにより、複数個(図示例では3×4=12個)のセラミックス基板2を区画するとともに、セラミックス板11の周縁部に、製品としないダミー部13を形成している。ダミー部13は、0.3mm以上20mm以下の幅で形成することが好ましい。0.3mm未満では、後の分割工程でセラミックス板11を分割するのが難しくなるおそれがある。20mmを超えると材料に無駄が生じ、コスト高を招く。
図3等において、セラミックス板11の右上の切り欠き16は、セラミックス板11の方向識別のために設けられる。
(金属板形成工程S1)
回路層12及び放熱層4を形成するための金属板21は、スクライブライン12で区画されたセラミックス板11のすべてのセラミックス基板2を一体に覆うことができる大きさであり、図6に示すように、セラミックス板11の一つの角部14を構成する二辺15a,15bに自身の二辺22a,22bを揃えた状態で、他の二辺22a,22bがダミー部13上にはみだす大きさに形成される。
また、この金属板12は、長尺な板素材(長尺材)31を長さ方向に間欠的に搬送しながらシャー32により切断して形成される。この板素材31の幅は予め金属板21の幅に形成されており、金属板21の長さに合わせて切断することにより、金属板21として使用することができる。
この板素材31を切断するシャー32は、図7に示すように、板素材31を矢印Mで示す長さ方向に搬送する搬送台33と、搬送台33上の板素材31を押さえる板押さえ34と、上刃35と、下刃36と、を有している。下刃36は搬送台33の先端に固定状態に設けられており、上刃35が上下移動する。一般に上刃35は、水平方向(図7の紙面に直交する方向)に対して若干の傾斜角(シャー角)を有して形成されている。
そして、板素材31を上刃35と下刃36との切断位置から金属板21の長さ分、前方に突出させ、板素材31を板押さえ34で押さえた状態で上刃35を下降させることにより、上刃35と下刃36との間で板素材31を切断して金属板21を形成する。板素材31は、1個の金属板21が切断された後、金属板21の長さに相当する長さ分、搬送され、次の金属板21が切断される。以降、順次間欠的に搬送されながら1枚ずつ金属板21が切断される。
このシャー32での切断において、切断された金属板21には、搬送方向両端の切断端部23,24にそれぞれバリ25が生じる。この場合、図8に示すように、板素材31(金属板21)の搬送方向後方側の切断端部23では、上刃35によって切り落とされる際に金属板21の表面21a方向(上刃35が配置されている方向)にバリ25が突出する。また、その切断端面は、裏面21b側にだれ面26が形成され、バリ25が出ている側(表面21a側)に破断面27が形成され、だれ面26と破断面27との間が比較的平滑なせん断面28となる。
金属板21を切り落とした後の板素材31の切断端部(板素材31(金属板21)の搬送方向前方側の切断端部)24にも、バリ25が生じ、だれ面26、せん断面28、破断面27が形成されるが、金属板21の搬送方向後方の切断端部23との間で切断されたものであるので、バリ25は、切断端部23とは反対側の金属板21の裏面21bに形成され、だれ面26が表面21aに形成される。また、シャー32の上刃35が金属板21を切断した後に初期位置に戻る際に板素材31の切断端面に接触してこれをこすり上げながら移動するので、バリ25や破断面27が金属板21の搬送方向後方側の切断端部23よりも小さくなる。言い換えると、金属板21において、搬送方向後方側の切断端部23はバリ25や破断面27が大きく形成され、搬送方向前方側の切断端部24は、後方側の切断端部23に比べてバリ25や破断面27が小さく形成される。
(積層工程)
まず、図4及び図5に示すように、セラミックス板11にろう材41を配置する。ろう材41はペースト状のもの、矩形状に形成した箔状のもののいずれを用いてもよい。いずれの場合も、ろう材41は、金属板21が揃えられる二辺15a,15bを構成するダミー部13、及び、スクライブライン12で区画された製品(セラミックス基板2)となる部分の全領域を覆い、かつ、金属板21が揃えられる二辺15a,15bを構成するダミー部13とは反対側のダミー部13に一部がはみ出した状態に設けられる。
そして、図5及び図6に示すように、ろう材41の上に金属板21を重ねる。金属板21は、セラミックス板11の一つの角部14を構成する二辺15a,15bに金属板21の二辺22a,22bを位置決めして揃えた状態とされ、この状態で、金属板21の他の二辺22c、22dは、セラミックス板11のダミー部13上に配置される。このダミー部13において、ろう材41は、金属板21の辺22c、22dより内側に配置される。
このダミー部13において、ろう材41、金属板21のはみ出し長さ(ダミー部13を区画するスクライブライン12からの距離)L1,L2は、後述の接合工程において溶融したろう材41の広がり領域の外縁が、金属板21の熱膨張により広がる外縁より内側に配置されるように設定される。つまり、接合工程時にかかる温度と荷重の作用により、溶融したろう材41が押し広げられたとしても、熱膨張した金属板21の外縁からはみ出さないように設定される。
なお、図6の積層状態において、セラミックス板11に形成しておいた切り欠き16は露出した状態である。
また、先の金属板形成工程において、金属板21にバリ25が生じていることを説明したが、この積層工程においては、金属板形成工程において搬送方向前方側に配置されていた切断端部24はセラミックス板11の二辺15a,15bに位置決めされる二辺22a,22bのうちの一方に配置され、搬送方向後方側に配置されていた切断端部23は、そのバリ25をダミー部13の表面に重ねるように配置される。これにより、この切断端部23におけるバリ25がセラミックス板11の表面に向けて配置される(図9参照)。
一方、金属板形成工程において搬送方向前方側に配置されていた切断端部24は、搬送方向後方側の切断端部23のバリ25の突出方向とは逆方向にバリ25が生じ、その反対側はだれ面26に形成されているので、セラミックス板11にはだれ面26側が重ね合わせられることになる(図9参照)。
(接合工程)
このようにしてろう材41を介して積層したセラミックス板11と金属板21との積層体を加圧状態で加熱炉内に設置し、真空雰囲気下で接合温度に加熱した後冷却することにより、セラミックス板11に金属板21を接合する。この場合の接合条件としては、例えば0.03MPa以上0.25MPa以下の荷重で積層体を加圧し、10-6Pa以上10-3Pa以下の真空雰囲気下で、例えば790℃以上850℃以下の接合温度で、1分~60分の加熱とする。
この接合工程において、セラミックス板11と金属板21との間のろう材41は溶融する。また、積層方向に加圧されているため、セラミックス板11と金属板21との間で押し広げられる。前述したように、溶融したろう材41が押し広げられたとしても、熱膨張した金属板21の外縁からはみ出さないように、ダミー部13におけるろう材41、金属板21のはみ出し長さ(ダミー部13を区画するスクライブライン12からの距離)L1,L2が設定されていたので、図9に示すように、溶融したろう材41の広がり領域の外縁が、金属板21の熱膨張により広がる外縁にまで到達せず、金属板21の外縁より内側に配置される。したがって、金属板21の外縁から溶融ろう材41が外方に流れ出ることが抑制される。
また、万一、溶融ろう材41の広がり領域が大きい場合でも、ダミー部13の表面にバリ25を向けて配置されている金属板21の切断端部23においては、溶融ろう材41の流出をバリ25がせき止めることができ、ダミー部13の露出部分にろう材41が付着することが抑制される。このダミー部13の露出部分へのろう材41の流出が抑制できれば、金属板21表面へのろう材41の這い上がりも抑制でき、ろう染み等の発生を防止できる。
一方、他方の切断端部24においては、積層工程において、セラミックス板11と金属板21との辺15a,15b,22a,22bが揃えられていたが、図9に示すように、接合時には、セラミックス板11と金属板21との熱膨張差により、セラミックス板11よりも金属板21がわずかにはみ出した状態となる。また、切断端部24においてはセラミックス板11の表面には金属板21のだれ面26が対峙している。
このため、金属板21とセラミックス板11との間、及びセラミックス板11からはみ出している金属板21どうしの間に、余剰の溶融ろう材41が貯留される。なお、このセラミックス板11と金属板21とが揃えられた部分では、これらの側面に溶融ろう材41が流れ出たとしてもこぶ状に固化するため、金属板21の表面への這い上がりは防止される。
(エッチング工程S4)
セラミックス板11において露出している二つの対向角部P.Q(図6参照)を基準として金属板21の上にレジスト膜を印刷して、エッチングすることにより、金属板21の不要部分を除去する。具体的には、セラミックス板11のスクライブライン12上の部分を所定幅でスクライブライン12に沿って除去するとともに、回路層3となる金属板21においては、回路層3として要求されるパターン形状に形成する。
前述したように、金属板21表面へのろう材14のはい這い上がりが抑制されているので、金属板21の切断端部23の付近においてもレジスト膜を確実に形成することができ、エッチング不良の発生が防止される。
(分割工程)
エッチング工程で露出したセラミックス板11のスクライブライン12でセラミックス板11を分割することにより、セラミックス基板2の表面に回路層3、反対側の表面に放熱層4を形成した絶縁回路基板1が複数形成される。ダミー部13の部分は廃棄される。
このような製造方法で製造された絶縁回路基板1は、接合工程時に金属板21の表面にろう材41が這い上がる現象が抑制されたので、その後のエッチング工程で金属板21の除去すべき部分を正確にエッチングすることができ、エッチング不良が防止される。また、金属板21表面へのろう材41の這い上がりが抑制されることから、いわゆるろう染みが防止され、良好な外観の絶縁回路基板1とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
セラミックス板として複数個のセラミックス基板を形成できる大きさとしたが、その数は限定されない。1個のセラミックス基板を形成できるセラミックス板であっても、本発明を適用することができる。
また、所定幅の板素材をシャーによって切断することにより金属板を形成したが、プレスによる打ち抜きによって形成してもよい。
さらに、実施形態ではパワーモジュール用基板として説明したが、パワーモジュール用基板以外の絶縁回路基板に適用可能である。
純度99.99質量%以上の無酸素銅(C1020)からなる厚さ0.8mmt、幅124mmの長尺な板素材を172mmの長さにシャーにより切断して金属板を得た。そして、窒化珪素(Si)からなるセラミックス板(126mm×174mm×0.32mmt)の一方の面に、Ag-Tiろう材を120.2mm×168.2mm×0.010mmtのサイズに塗布し、その上から、金属板を積層した。
この積層体において、接合時の荷重と温度とを変えてろう材の広がり率と、接合信頼性及びろう材の這い上がりを調査した。
ろう材の広がり率(%)は、(接合前のろう材ペースト乾燥後の面積/接合後のろう材面積)×100で求めた。接合前のろう材ペースト乾燥後の面積は、画像寸法測定機で測定して求め、接合後のろう材面積は、超音波探傷検査装置でろう材存在箇所の面積を求めた。
接合信頼性は、超音波探傷装置を用いて、接合後のセラミックス板と金属板の界面を観察し、その二値化画像から白色で示される非接合部を除く接合面積を測定し、その接合率が金属板の面積に対し、95%以上を「〇」、90%以上95%未満を「△」、90%未満を「×」として接合信頼性を評価した。
ろう材這い上がりは、金属板の切断端部の表面にろう染みが認められない場合を「〇」、切断端面から100μm以内の限られた範囲でのみろう染みが認められる場合を「△」、切断端面から100μmを超えてろう染みが認められる場合を「×」として評価した。
そして、接合信頼性及びろう材這い上がりのいずれかもが「〇」の評価の場合を総合評価で「〇」、いずれかが「△」であったものを総合評価で「△」、いずれかが「×」であったものを総合評価で「×」とした。
その結果を図10に示す。図10において、各荷重におけるろう材広がり率の最上段のものが接合温度のピークが840℃、中断のものが825℃、下段のものが800℃に相当する。それぞれの評価も上段、中断、下段の値に対するものを上段、中断、下段にそれぞれ記載した。
図10からわかるように、接合時の荷重と温度の条件によって適切なろう材広がり率が存在している。例えば、接合時の荷重が0.03MPaの場合、825℃でろう材の広がり率が13.8%、接合時の荷重が0.14MPaの場合、825℃でろう材の広がり率が16.6%で、それぞれ接合信頼性、ろう材の這い上がりに対して良好な結果が認められている。これらの広がり率より小さい場合は、ろう材の這い上がりに対しては良好であるが、接合信頼性が悪くなる。逆に、これらの広がり率より大きい場合は、ろう材の這い上がりが認められ、接合信頼性も悪くなっている。
したがって、接合後の金属板の面積が、このろう材広がり率で広がるろう材の広がり面積より大きくなるように設計すれば、ろう材這い上がりもなく、かつ接合信頼性の良好な絶縁回路基板を得ることができる。
そこで、セラミックス板が126mm×174mm、金属板が124mm×172mm、セラミックス板のダミー部の幅が各3mmのものを用い、一つの角部を構成する二辺を基準にセラミックス板と金属板とを位置決めした状態で、ダミー部を形成するスクライブラインから金属板の切断端面までの距離L2を1.0mm、スクライブラインからろう材の外縁までの距離L1を0.1mmの長さで金属板とろう材とがダミー部上に配置して接合した。ろう材にはAg-Tiろう材を用い、接合時の荷重が0.14MPa、温度が825℃とした。
その結果、ろう材の這い上がりもなく、接合信頼性の良好な絶縁回路基板を得ることができた。
1 絶縁回路基板
2 セラミックス基板
3 回路層
4 放熱層
11 セラミックス板
12 スクライブライン
13 ダミー部
14 角部
15a,15b 辺
16 切り欠き
21 金属板
21a 表面
21b 裏面
22a~22d 辺
23,24 切断端部
25 バリ
26 だれ面
27 破断面
28 せん断面
31 板素材
32 シャー
33 搬送台
35 上刃
36 下刃

Claims (3)

  1. 分割用スクライブラインが形成された矩形状のセラミックス板と金属板とをろう材を介して積層する積層工程と、積層体を加熱してろう材を溶融させた後、冷却することにより前記セラミックス板と前記金属板とを接合する接合工程と、接合工程後に前記金属板をエッチングして不要部分を除去するエッチング工程と、エッチング工程後に前記セラミックス板を前記スクライブラインに沿って分割することにより複数の絶縁回路基板を形成する分割工程と、を有する絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記積層工程では、前記セラミックス板と前記金属板との一つの角部を揃えた状態に位置決めすることにより、該一つの角部に対向する角部を構成する二辺に、セラミックス板のダミー部を形成しており、
    前記接合工程では、前記ダミー部において、溶融した前記ろう材の広がり領域の外縁が、前記金属板の熱膨張により広がる外縁より内側に配置されることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  2. 前記金属板を板素材から切断して形成する金属板形成工程を有し、前記積層工程では、前記金属板の切断端部において、バリが出ている側の面を前記セラミックス板の前記ダミー部の表面に重ねることを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板の製造方法。
  3. 前記板素材は前記金属板の幅に設定された長尺材であり、前記金属板形成工程では、前記板素材を長さ方向に間欠的に搬送しながらシャーにより前記金属板の長さに切断して前記金属板を形成し、前記積層工程では、前記金属板の前記金属板形成工程における搬送方向の後方側の切断端部を前記ダミー部に配置し、かつ該切断端部のバリが出ている側の面を前記ダミー部の表面に重ねることを特徴とする請求項2に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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